JP5166675B2 - 創薬手法 - Google Patents

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Description

本発明は、分子親和力測定の方法に関し、例えば新薬を発見する際の使用に関するものである。
構想からマーケティングの準備にまで至る新薬の開発は、一般的に、何億ドルものコストがかかり、また多くの年数を必要とする。開発プロセスは、例えば、人体または微生物中のタンパク質であるターゲットに、分子(潜在的な薬)をマッチングさせる段階から始まる。マッチングし薬剤へと向う分子は、薬の開発へ至る可能性があるので、薬のリードとして知られる。その後、その分子は、より活性化され、より厳選され、及びより医薬的に容認可能に(例えば、より毒性を少なく及びより投与を容易に)改良される。これらの段階における欠陥率は非常に高い。
コンビナトリアル・ケミストリー及び自動スクリーニング技術の発展と共に、創薬の新しい方法が発展してきた。この新しい方法では、リード及び/又はリード同様なものを見つけるための出発点として使用される最良の適合性をもつ分子を有する、大きなライブラリ中の分子をターゲットに対して化学的に試験する。これらのライブラリの幾つかは、例えば、利用可能な分子及び/又は医薬として作用することで知られる分子に基づいて、実験的に構成されている。他のライブラリは、可能な限り広い範囲の様々な分子を含むように構成されている。他のライブラリは、個々の分子が可能な限り多くの機会を得てターゲットにマッチングするよう、構成されている。概して、分子は、マッチングが見つかった場合、リードとしての役目を果たすことができるよう、可能な限り多様性があるように且つ薬らしいよう(例えば、大きさ、化学的挙動)に選択される。
そのようなライブラリ及び/又は他の発見手法の幾つかの参考文献は、Pickett S. D. et. al., J. Chem. Inf. Comput. Sci. 36(6), p. 1214-23 (1996)、及びFerguson A. M. et. al., J. Biomol. Scr. 1(2), p. 65 (1996)、Bunin A.B. et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, p. 4708-12 (1994)、Ellman J. et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, p. 2779-82 (1997)、及びMaly D.J. et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97(6), p. 2419-24 (2000)であり、それらの開示は参照により、本明細書に組み込まれる。
他に、構造に基づいた、仮想のスクリーニングの形態が知られている。その仮想手法では、ターゲットのモデルを生成する(例えば、X線結晶学、推定三次元配置、類似体)。その後、そのターゲットモデル中の分子モデルの結合反応を計算することにより、多数の分子の親和力が決定される。分子モデル化が比較的原始的であること、及び結果として生じるモデルの有効性の欠如によって、現在、この手法はあまり成功しない。
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Sunesis, inc., in DJ Maly et al PNAS 97(6), p 2419-24(2000)は、リードとして大分子の断片を使用すること、また、その後、マッチングのために再び試験されるより大きなリードから見つけられるそのような適合するリードを同時に結合することを提案している。それらの断片は、同時に、結合のための所定のリンカーを提供する。
また、その開示が参照により本明細書に組み込まれるPCT出願PCT/US99/06734(WO 99/49314)は、断片を使用するための一覧表を記載しており、その後、その断片を結合してリードを提供する。
本発明の幾つかの実施形態の一つの側面は、ターゲットのキャラクタリゼーションの方法に関し、その方法では、複数の小さい測定分子(measurement molecule)がターゲットと相互作用し、そのターゲットと測定分子の相互作用の分析に基づいて、ターゲットが特徴づけられる。本発明の典型的な実施形態では、測定分子はリードまたはリードの断片として使用されず、そしてまた、それらの薬形態の変化に基づく相互作用を考慮して分子が選択されない。むしろ、測定分子は、ターゲットの種々の化学的及び/又は物理的側面を測定するために、それらの予測される能力に基づいて選択される。本発明の典型的な実施形態では、測定分子の数は比較的小さいが(例えば、<10個)、その数は、ターゲット分子のキャラクタリゼーションの空間に広がり、ターゲットの比較的完全なキャラクタリゼーションを得るために十分に足るものであり得る。他の実施形態では、部分的なキャラクタリゼーションのみが必要とされ及び/又は得られる。代替的にまたは付加的に、測定分子は範囲を根拠として選択されるが、それらはまた、リードまたはリードの断片として使用される。
本発明の典型的な実施形態において、創薬の全過程は:
(a) ターゲットを選択すること;
(b) 選択的に、ターゲットに対して利用する一組の測定分子を選択すること、或いは一般的なライブラリ(universal library)を使用すること;
(c) 前記一組の測定分子を使用して、ターゲットを特徴付けること;
(d) そのキャラクタリゼーションに基づいて、ターゲットの医薬品モデルを再現すること;
(e) 例えば、薬のリードの選択、排斥、フィルタリング、及び/又は設計等の発見過程を促進めるために、そのモデルを使用すること、を含む。
本発明の幾つかの実施形態では、典型的な測定分子が幾つかの測定のうちの一つを行うことができ、その分子により行われる特定の測定値を抽出すために、例えばクラスタ化のような処理方法が選択的に使用される。
本発明の典型的な実施形態では、測定分子は一組の化学的なゲージ(gauge)である。そのゲージの幾つかは、通常は少数であるが、主としてターゲットの一つ以上の活性点において、そのターゲットに結合する。ターゲットへのゲージの結合は、例えば、ターゲットの化学的または生物学的挙動の変化を検出することによる或いはサンプル中の未結合ゲージ分子(free gauge molecule)の数の減少を検出することによる、技術的に知られている定量方法のいずれをも実質上含む、様々な定量法を用いて測定される。特定の実施例では、(例えば、HIVタンパク質の)プロテアーゼに対する機能性定量(functional assay)は、タンパク質(又は他のペプチド)上に蛍光性分子を結合することを含む。そのプロテアーゼは、ゲージと相互作用することができ、この相互作用はそのタンパク質に対するその親和力を減少又は中和(又は増進)するものと予測され、その親和力の変化は、タンパク質とプロテアーゼの混合物の蛍光特性(例えば、偏光)を測定することにより決定することができる。本発明の典型的な実施形態では、各ゲージは、一つ以上の特定の幾何学的配置に対する親和力を持つように選択される。本発明の典型的な実施形態では、ターゲット領域の全体の幾何学形状が、複数のゲージの親和力(及び/又は親和力の欠如)の測定から再現される。
本発明の典型的な実施形態では、ゲージの各々は、複数の特有の化学的成分(chemical moiety)が取り付けられた足場(scaffold)から構成される。3つのそのような成分は、頂点における成分の定義と頂点間の距離との両方を含む成分の三角形を定義する。本発明の典型的な実施形態では、足場と成分は、その三角形が相対的に固定されるように選択されるが、その三角形の辺(成分間の距離)の長さに幾分かの遊びがあることが望ましいであろう。
そのような成分の三角形の各々は、成分にマッチングする3つの結合位置の特定の空間配置と一致する。選択的に、成分間の距離はゲージごとに異なり、その結果、成分間の成分と距離の多様な所望の組み合わせが得られる。以下に示されるように、距離に関し及び成分に関し、そのような組の三角形を含むゲージライブラリは、非常に大きいわけではない。
本発明の典型的な実施形態では、足場及び/又は成分は、最小の柔軟性を持つように選択され、その結果、それらはマッチングする幾何学的特徴をより明確に定義する。
選択的に、足場及び/又は成分は、低親和性のゲージ及び/又はターゲットの結合を改善するように、及びそのような場合に対して可能な限り情報を提供するように、低い分子量を有するように選択される。
本発明の典型的な実施形態では、測定ライブラリに対してゲージを選択するとき、成分の三角形のある程度の重複が生じる。例えば、2または3の繰り返し重複因子(repetition overlap factor)が与えられるかもしれない(例えば、各三角形は少なくとも2または3のゲージ中に現れる)。このことは、特に、例えば立体衝突、化学的不整合、及び/又は溶解性等を引き起こす可能性のある問題を考慮して、結合する三角形を見つける確率を増加させることが期待される。典型的に、成分の三角形の正確な繰り返しは利用できない。したがって、その重複を与えるために、ほぼ同様の三角形が使用される。幾つかの場合では、その三角形は、ターゲット上の少なくとも数対の成分に対し、同じ成分間のより短い距離を有する三角形と同じ成分間のより長い距離を有する三角形とが双方ともに結合して使用可能なように選択される。これは、非繰り返し重複因子(non-repetition overlap factor)を与える。代替的に、2または3までのより低い、またはより高い重複因子、例えば4または6、及び/又は可能な分数の因子(例えば、平均重複)を使用することができる。その重複は、ライブラリ上で均一であろう。或いは幾つかの三角形及び/又は分子に対して、例えば、足場及び/又は他の成分に起因して、或いはあるゲージ及び/又は三角形が結合することが困難であるということを示す実験結果に基づいて、立体衝突のより大きな確率がある場合の分子に対して、より大きな重複を与えることができる。
注目すべきは、もし結合のために分子が歪曲することを要求される場合、結合の可能性は、通常低い。したがって、2つのゲージの2つの異なる三角形間の実際の重複は、不規則かもしれず、全結合確率に依存するかもしれない。一般に、定量において結合の発見の確率が無視できるならば、ゲージは結合していないと想定される。これは、対象範囲(coverage)及び重複を定義するために使用され得る歪曲の範囲を定義するのに役立つ。本発明の幾つかの実施形態では、分子は実質上固く、その結果、ある程度の歪曲の切り離し(cut-off)をより明確に定義し及び制限する。
本発明の典型的な実施形態による、特定の典型的な創薬プロセスは、以下のように:
(a) 全ての可能な3点ファーマコフォア(pharmacophore)(3つの要素の化学的な成分とそれらの間の距離の全ての組み合わせ)を張るように設計された小分子のライブラリを合成する。これは、例えば10万の化合物までを含むことができる有限のライブラリである。これは、小分子医薬の設計に関して、ターゲットの幅広い範囲をマッピングするために必要とされる能力(例えば、本発明の幾つかの実施形態での)のその一般化された性質により、USL(Universal Screening Library)と称される。
(b) どのようなターゲットに対しても、それらのターゲットに対してUSLをスクリーニングし、弱い活性の化合物(親和性が100μmまで)を探す。理論的な考察及び実験データは、いずれのターゲットに対しても100から1000のヒットが期待されることを示している。
(c) 活性分子をコンピュータで分析し、以下を求める:
1.そのヒットの結合に関わる3点ファーマコフォア(3PP's:3-Point-Pharmacophores)
2.結合中に関わる化学的な成分の観点からの結合配置図形の再構成。その結合配置の完全なファーマコフォア(〜10から20点まで)を生成する。
(d) 全てのファーマコフォア中の十分に大きな一部分に好意を示すかもしれない分子をコンピュータで識別する。選択的に、これらの分子のどの部分が直接的に結合に関わっているかを知ることによって、所定の医薬のような品質にマッチングするようにそれらを設計する(例えば、5のLipinskiの法則を使って)。
(e) よく知られた化学的な知識を用いて、合成および他の考慮すべき事柄(例えば、毒性)の影響を最も受けやすいそれらの分子が選択され、そして、可能な薬の候補としてそれらを合成する。
(f) 試験及び繰り返し。
本発明の幾つかの実施形態の一つの側面は、ターゲット分子中の結合部位の空間的な配置を評価することに関する。本発明の典型的な実施形態では、例えば、定量法を用いて、ターゲットへの複数の小分子の結合が測定される。本発明の典型的な実施形態では、ターゲットに独りでに結合する可能性のある幾何学的な下位構造の組を持つように若しくは各々モデル化されるように小分子が選択される。一つの実施例では、幾何学的な下位構造は三角形中に配置された3つの成分であってもよい。本発明の典型的な実施形態では、定量結果が分析され、小分子中の多くの幾何学的な下位構造のいずれであるかを決定し、実際に、ターゲット分子に結合する。本発明の典型的な実施形態では、クラスタ化法が使用され、同様な幾何学的な下位構造を有する分子及び結合する分子を一緒にクラスタ化することによって、どの幾何学的な下位構造が結合するのかを決定する。このクラスタ化方法の結果は、全ての結合し得る下位構造のリストとなりうる。選択的に、分析に及びゲージの設計に使用される下位構造は、三角形である。
本発明の典型的な実施形態では、スコアベース法(score based method)が使用され、以下により、幾何学的な下位構造(例えば、三角形)のリストを完全な幾何学構造に変換する:
(a) 下位構造のリストから、可能な構造を生成する;
(b) 「正確性」の点数を各構造と関連付ける;及び、
(c) それらの点数に基づいて構造間で選択する。
本発明の典型的な実施形態では、点数は、構造中の一部分を分け合う2つの下位構造の確率を示し、選択的に、構造中で一部分が供給されたものに対して高得点が与えられ、その結果それはより結合力のある構造を示す。代替的にまたは付加的に、点数は、同じ結合部位に結合する2つの異なる成分の確率を示し、選択的に、より多くの成分が同じ結合サイトを共有すれば高得点が与えられ、その結果、これは要求された最小のファーマコフォア点に対するその最小化を示す。他の発見的法則も使用することができる。
本発明の典型的な実施形態では、全ての可能なモデルの組は実際には形成されない。その代わりに、検索はモデルの空間から行われ、決定された下位構造に基づいてその場限りでそのモデルが形成される(及び/又は、排斥される)。
本発明の代替的な実施形態では、クラスタ化法が使用され、例えば以下を含む:
(a) 選択的に、特定の構成の法則を使用して、発見された三角形から(全ての)可能な構造を生成すること;
(b) 複数の構造により共有される最も共通の大きな下位構造を見つけること;及び、
(c) 選択的に、例えば、クラスタサイズ、エッジサイズ及びクラスタサイズのしきい値等の採点方法を使用して、特定の共通下位構造を選択し、可能な限り、あるしきい値を通過するそれらの全てから最も共通の下位構造を選択すること。幾つかの場合では、2つ以上の最終結果下位構造が与えられる。
当然ながら、実際のファーマコフォアは、限られたサイズ及び厳密に定義された実在物ではないかもしれず、例えば、技術的に活性領域の外にある点は、その点に結合する小分子薬が基質と相互に作用する活性領域を妨げる尾部を含むならば、ファーマコフォアとして作用する可能性がある。しばしば、しかしながら、結合領域が活性領域、制御領域及び/又は適合変化領域からさらに遠ざかるにつれて、結合領域の「関与度」は減少するであろう。さらに、タンパク質の結合親和力は、しばしばそのような領域から離れるにつれて非常に小さい。
本発明の例示的な実施形態では、クラスタ化のための構造は、以下の方法で生成される:
(a)三角形が基礎下位構造として選択される;
(b)もしその下位構造上の三角形とともに、四面体を定義する2つの三角形があれば、点がその基礎下位構造に加えられる;及び、
(c)加えるために残されている未使用の三角形がなくなるまで、(b)が繰り返される。
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、ターゲット領域の複数の幾何学的な及び/又は化学的な測定から、ターゲットにマッチングすることが期待される一つ以上の分子(例えば薬のリード)を発見することに関する。例えば適切なコンピュータハードウェアまたはソフトウェアを使用して、その測定値を選択的に使用して、ターゲットの再現モデルを生成する。そのモデルに対しては様々な処理方法を適用することができる。本発明の例示的な実施形態では、測定値は、複数のゲージ分子とターゲットが相互作用することによって、及びゲージ分子のターゲットへの結合の程度を測定することにより提供される。例えば、一組の三角形幾何学的形状は、ゲージのマッチングによって決定され、そのターゲット領域の三次元モデルを再形成することに関連付けられる。
選択的に、ターゲット領域は、既知の医薬又は例えば薬のリードのライブラリのような物質の類の医薬の構造と比較される。代替的にまたは付加的に、ターゲット領域の幾何学的形状を使用して、比較的少ない複数の物質から、最も有望な候補を選択する。代替的にまたは付加的に、ターゲット領域の幾何学的形状にマッチングする或いはしない、薬のリードの修正を選択或いは排斥するために、薬剤開発のプロセスの間マッチングが行われる。
特定の実施例では、1つが水素結合ドナー/アクセプタを加える又は取り去ることによってLipinskiの法則を満足させたいならば、どれが結合にとって重要であるかを知ることでどれを取り出さないほうがよいかについて指し示し、分子のどの部分が重要でないかを知ることで加えることが結合を害すことなしになされるという場合を示すであろう。
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、生化学的なターゲットを測定するためのゲージのライブラリに関する。本発明の例示的な実施形態では、ライブラリは比較的小さい数の足場上に成分を取り付けることによって構成される多数の分子を含む。本発明の例示的な実施形態では、成分はできるだけ低い分子量となるように選択される。代替的にまたは付加的に、ライブラリは、所望の方法で、一組のパラメータ的に定義された幾何学的な下位構造を対象範囲とするように設計される。おそらく、その幾何学的な下位構造は、頂点において異なる成分を有する三角形である。一つの実施例では、それぞれの三角形の領域の範囲は均一に対象範囲に含められている。
本発明の例示的な実施形態では、ライブラリが選択され、幾つかの足場に基づいて及び/又は幾つかの分子中の、同じ(重複する)幾何学的な下位構造を提供し、例えば各下位構造が2回又は3回提供される。選択的に、重複は、異なる足場及び/又はゲージの立体衝突及び/又は異なる化学的性質を考慮して設計される。
本発明の例示的な実施形態では、使用される足場は、少なくとも2つ、少なくとも5つ、少なくとも7つ、少なくとも10、又はそれらより多く又は中間であるいずれかの数であり、例えば、以下の足場である:mono-carbone;pyrrole;quinoline;pyrazinoquinazoline;isoindoloindole;酸素の成分が取り付けられたisoindoloindole;indolo[2,3-b]quinoline;pyrrolizine;2,2'-bipyrrolone;indolizine;Thiophene;1H-Pyrrole;Furan;Benzene;Pyridine;Pyrimidine;Pyrazine;6H-Thieno[2,3-b]pyrrole;1,6-Dihydro-pyrrolo[2,3-b]pyrrole;1H-Indole;Thieno[2,3-d]pyrimidine;6,7-Dihydro-pyrazolo[1,5-a]pyrimidine;Quinoline;Isoquinoline;Quinoxaline;3,4-Dihydro-benzo[e][1,4]diazepin-5-one;3,8-Dihydro-4H-pyrrolo[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,4-Dihydro-thieno[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,6-Dihydro-4H-pyrrolo[3,2-e][1,4]diazepin-5-one;5H,11H-Dibenzo[b,f][1,5]diazocine-6,12-dione;1,4-Dihydro-10H-1,4,10-1,4,10-triaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;4H,10H-1-Thia-4,10-diaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;Dipyrrolo[1,2-c;2',1'-e]imidazol-5-one;1,4,7,9-Tetrahydro-1,4,6,9-tetraaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;4,7,9-Trihydro-1-thia-4,6,9-triaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;2,4,9,Trihydro-1lambda*4*,6-dithia-4,9-diaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;6,9-Dihydro-5H-1-thia-5,8,9,triaza-cyclopenta[a]azulen-4-one;3,10,Dihydro-4H-[1,4]diazepino[5,6-b]indol-5-one;3,6-Dihydro-4H-[1,4]diazepino[6,5-b]indol-5-one;7,8-Dihydro-1H-1,7,10-triaza-cyclohepta[e]inden-6-one;8,9-Dihydro-3H-3,6,9-triaza-cyclohepta[e]inden-10-one;7,8-Dihydro-1H-1,5,8-triaza-cyclohepta[f]inden-9-one;8,9-Dihydro-5,6,9,11-tetraaza-cyclohept[b]naphthalene-10-one;3,4-Dihydro-[1,4]diazepino[5,6-b]quinolin-5-one;8,9-Dihydro-4,8,11-triaza-cyclohepta[a]naphthalene-7-one;11H-10,11-Diaza-benzo[b]fluorine;α-hydroxyacids;α-aminoacids;cohels;Bicyclo[2.2.2]octane;2-Methylene-2,3-dihydrobenzo[1,4]dioxine;6,7-Dihydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyramidine;9H-Fluorene;1,4-Diaza-bictclo[2.2.2]octane;1-Aza-bicyclo[2.2.2]octane;Pyrido[2,3-d]pyrimidine;5-Methylene-1,5-dihydro-pyrrol-2-one;Bezno[4,5]imidazo[1,2-a]pyrimidine;1,4-Dihydro-benzo[4,5]imidazo[1,2-a]pyrimidine;4,10-Dihydro-1,4a,10-triaza-phenanthren-9-one;1,5-Dihydro-imidazo[1,2-a]pyrimidin-2-one;1,2,3,5-Tetrahydro-imidazo[1,2-a]pyrimidine;Thiazolo[3,2-a]thieno[2,3-d]pyrimidin-5-one;1,9-Dithia-4a,10-diaza-cyclopenta[b]fluoren-4-one;5,6-Dihydro-1-thia-5,7,8,9a-tetraaza-cyclopenta[e]azulen-4-one;6,10-Dihydro-5H-1-thia-5,7,10a-triaza-benzo[e]azulen-4-one;4,5-Dihydro-3-thia-4,5a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;8H-1-Thia-cyclopenta[a]indene;3-Thia-4,5a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;6,7,9,11-Tetrahydro-10-thia-6,9-diaza-indeno[1,2-a]azulene-5,8-dione;2,3,6,7,12a-Hexahydropyrazino[1',2':1,6]pyrido[3,4-b]indole-1,4-dione;5,10-Dihydro-4H-2,3a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;5H-Pyrido[4,3-b]indole;11H-Indolizino[1,2-b]quinolin-9-one;1,2-Dihydro-2,4a,9,-triaza-anthracene-3,10-dione;6H-Isoindolo[2,1-a]indole;1,5-Dihydro-benzo[b][1,4]diazepin-2-one;5,10-Dihydro-dibenzo[b,e][1,4]diazepin-11-one;5,11-Dihydro-benzo[e]pyrido[3,2-b][1,4]diazepin-6-one;4,9-Dihydro-3-thia-4,9-diaza-benzo[f]azulen-10-one;Benzo[g]quinoxaline;Pyrazino[2,3-b]quinoxaline;Pyrido[2,1-b]quinazolin-11-one;l-Thia-4a,9-diaza-cyclopenta[b]naphthalene-4-one;2-Methylene-4H-benzo[1,4]thiazin-3-one
一般に、足場の数が多いほど、適切な大きさのゲージを見つけることが容易になり、また、立体衝突の状態及び/又は異なる化学的性質の広い範囲を取り扱うことが容易になる。一方、足場の数が少ないほど、化学反応および合成方法の均一性を促進する。
本発明の例示的な実施形態では、使用される成分は、以下の成分の全てのうち、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、又はよりそれらより多数の数を含む:Me、Et、Pr、Ph、CO2H、OH、NH2、ketone、ハロゲン化物(例えばCl又はBr)、他の酸(例えばSO3H 、PO3H2)、及びNH-C=NH(-NH2)(グアニジン)。
一般に、ライブラリサイズの可能な限りの費用において、より多くの成分を使用すると、結合のキャラクタリゼーションの際により高い精度を提供することができる。また、より少ない成分を使用することで、合成方法を単純化することができる。
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、ターゲットを特徴づける際に使用するゲージライブラリを選択することに関する。本発明の例示的な実施形態では、結合部位の結合タイプと同時に、ターゲットの幾何学的形状の寸法の範囲が推定される。可能な大きさ及び結合タイプの範囲に及ぶ一組の分子は、分子のより大きな利用可能な組から選択される。その選択は、例えば、選択に応じて合成される選択された分子を用いて電子的であるかもしれず、或いは、その選択はすでに利用可能なゲージ分子を用い、物理的である。選択的に、評価はターゲットについて知られている様々な情報を使用する。代替的にまたは付加的に、評価は第一のスクリーニングライブラリを用いてなされ、それは例えば、その結合タイプの親和力に対して柔軟性があり、及び/又はより柔軟性がある分子を使用する。
選択的に、例えば結合を妨げるかもしれない分子の立体衝突及び/又は他の性質を克服するため、ライブラリが多数の繰り返しを有するように、ゲージが選択される。選択的に、ライブラリは、例えば三角形や五角形等の少なくとも幾つかの物理的幾何学形状の、少なくとも1つ或いは場合によっては1つよりも多い多重点結合幾何学的形状を含む。
本発明の例示的な実施形態によれば、そのようなライブラリは、そのままで、或いは様々な用途に対して異なるライブラリの一部として使用される。本発明の例示的な実施形態では、そのような広いライブラリが使用され、ライブラリ中のいずれかのゲージ、望ましくは多くのゲージのターゲットへの結合率を増加させる。標準のリードライブラリはしばしば全く何の結合も提供しないことが注目される。選択的に、結合結果は、ターゲットについての情報、特に統計情報を集めるために使用される。選択的に、その統計情報は、ターゲットについての構造上の情報を提供するために使用される。選択的に、その構造上の情報は、ターゲットの重要な部分の化学的及び/又は幾何学的な構造、例えばその活性領域からなる。当然のことながら、本発明の例示的な実施形態では、たとえ一度、単一の結合が見つかっても、ターゲットについての有益な情報が利用可能であり、この結合を保証する際に役立ついずれかのライブラリが用途を有する。
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、幾何学的及び/又は化学的な測定によってターゲット分子を特徴づける際に使用するためのゲージライブラリを設計及び/又は作成することに関する。
本発明の例示的な実施形態では、ライブラリの構成は以下を含む:
(a)ゲージとして適切であるかもしれない分子を識別すること;
(b)識別された分子が必要なゲージを提供するかどうか決定すること;及び、
(c)例えば直ちに合成可能である及び/又は所望の化学的挙動を有する等、分子が現実的であることを確かめること。例えば以下に示すように、この順序は融通がきく点に留意する必要がある。
一つの実施例では、既存のライブラリ上でゲージライブラリの少なくとも一部分の基礎を形成するときに、この方法が使用される。幾つかのライブラリでは、ライブラリが最初に構成されるとき、(c)はすでに実行されている。さらに、幾つかの場合では、分子を選択するよりもむしろ、ゲージを選択し結合親和力を物理的に試験する代わりに、ある分子の既知の既存の結合結果が入力値として使用される。
代替的に、例えば、新しい足場がライブラリに加えられるとき、候補ゲージはグループとして提供されてもよい。その結果、足場への異なる成分の結合として、多数の候補が現れる。この場合、しかしながら、逆のステップが必要とされる。すなわち、既存のゲージとの重複がないゲージはいずれも(或いは十分に)加えられないので、足場は排斥されるかもしれない。広がる空間のある部分に対しては、ほとんどゲージを生成しない足場が適切であるかもしれない。
代替的な方法では、例えば、測定空間の不足部分を満たすために、化学的な設計方法論が適用され、所望の性質及び/又は幾何学的形状を有するゲージ及び/又は足場を設計する。
本発明の例示的な実施形態では、以下の一つ以上は、ゲージの望ましい性質であると考えられるが、本発明の幾つかの実施形態に利用するために、ゲージは以下の性質の全て或いはいずれかを有する必要はない:
(a)強い固さ。これは測定値をより正確にすることができるが、全空間の完全な適用範囲を得るために、柔軟性は小さいほうが望ましいかもしれない。固さは、結合の長さ及び/又は相対的な角度が重要な量を変化させないことを意味する。
(b)小さい質量。たとえ親和力が低く、ゲージ上の3つの点だけが結合しても、これは結合の可能性を増加させる。
(c)小型。これは、ターゲットをより容易に測定でき、立体衝突をより容易に避けることを可能とする。
(d)非毒性。これは、生きた細胞中でのゲージの使用を可能にする。しかしながら、異なる細胞ごとの相違する感度のために、これはしばしば保証されない。
(e)良好な化学的挙動。これは、ゲージが可溶性であり、ゲージを歪曲させない或いは既知の量によって歪曲させる状況下で結合することを意味する。
(f)強い結合。これは本発明の一つの実施形態において、例えばもし可溶性が低く、毒性が高ければ、1〜100マイクロモル濃度が実用的であることを意味する。
本発明の例示的な実施形態では、以下の一つ以上は、足場の良好な性質であると考えられるが、本発明の幾つかの実施形態に利用するために、足場は以下の特性の全て或いはいずれかを有する必要はない:
(a)成分を取り付け(例えばゲージの合成)、特定のゲージの純粋な溶液を得る容易さ。
(b)広い範囲のサイズを提供する。
(c)多くの(例えば、≧3、好ましくは>4、>5)結合点を有すること。分子内のすべての水素原子は潜在的に結合点であるが、本発明の例示的な実施形態では、有益な結合点は化学的な操作に利用することができる。
(d)足場の包含によって、化学的性質の可能性及び/又はゲージサイズがライブラリに加えられること(他のゲージにおいて比較的珍しい)。
(e)全ての組合せが全ての足場で作用するというわけでないので、成分の様々な組合せの結合を可能にすること。
本発明の例示的な実施形態では、以下の一つ以上は、ゲージライブラリの望ましい特性であると考えられる:
(a)結合間の距離の範囲の広がり。
(b)化学的な広がり。結合の対向する端部上の点で、成分の広い範囲が提供される。
(c)下位構造の広がり。例えば三角形等の選択された下位構造に関して、ターゲット中の全ての可能な三角形配置は、ライブラリ中の少なくとも一つのゲージに結合することができる。
(d)小ささ。ライブラリはより小さければ小さいほど良い。実際的な理由では、ライブラリはいくら小さくしてもし過ぎるということはないが、あまりに大きいライブラリは通常、必要でない。
(e)例えば欠けている或いは離れて間隔が置かれた結合を対象範囲とするあまり固くない結合長など、ゲージ適用範囲の密度にマッチングするライブラリ内のゲージ特性の変動。
(f)均一な適用範囲。(例えば、絶対サイズの均一性、又は化学的依存性のために修正される均一性)様々な形式の均一性を提供することができる。例えば、短い結合長に対する距離の密度は、異なる長さに対して同様に正常化された密度を提供するために、長い結合長に対するものよりも大きい。
(g)重複の程度及び種類。より多くの重複は、通常、再現及び化学的な一般化のためより良好であるが、しばしばライブラリサイズのコストの問題が降りかかる。3つの重複(例えば、各々の三角形は、3つのゲージにおいて提供されている)は、例示的な妥協点である。
一般に、しかしながら、望ましい特性は、ターゲット、環境及び/又は適用されている発見方法の種類に依存するかもしれない。特に、場合によっては、生成されたライブラリが一部分のみであり、例えば、空間の一部分だけに及んでいて、ターゲットの一部分だけに適していて、より低い分解能におけるものであって、重複が少なく(或いは無く)、及び/又はターゲットの幾つかの種類に対して失敗しやすくなっている。
本発明の幾つかの実施形態の広い側面は、ゲージ及び足場、及びその合成方法のような、分子に関するものであり、本発明の例示的な実施形態によれば、ライブラリの用途を見つけることができる。
このように、本発明の例示的な実施形態によれば、ターゲット分子の化学的に活性な領域についての情報を得る方法であって:一組の十分に固い化学的なゲージを提供すること;前記ターゲットを前記一組のゲージ中の複数のゲージと反応させること;複数の定量結果を得るために前記ターゲットを用いて前記ゲージの結合を定量すること;及び、前記化学的に活性な領域についての情報を得るために前記定量結果を分析すること、を含む方法、が提供される。選択的に、前記ゲージは、前記ゲージの成分の回転が可能である。代替的にまたは付加的に、前記ゲージは、固い足場によって構成されている。
本発明の例示的な実施形態では、前記ゲージの構成原子は、少なくとも20kcal/モルが前記ゲージに加えられない限り、1オングストロームより大きく移動しない。
本発明の例示的な実施形態では、分析することが、前記ターゲットの活性な領域中における空間的な及び化学的に特定された複数の結合の配置を識別することを含む。選択的に、前記配置が三角形の配置を含む。代替的にまたは付加的に、識別することが、結合ゲージの配置に一致する配置を識別することを含む。代替的にまたは付加的に、識別することが、結合ゲージの配置に一致しない配置を識別することを含む。選択的に、識別することが、前記定量結果の統計的分析によって識別することを含む。選択的に、識別することが、クラスタ化によって識別することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、識別することが、各ゲージが単一の配置を示すということ仮定することを含む。代替的にまたは付加的に、識別することが、少なくともいくつかのゲージが複数の配置を示すということを仮定することを含む。代替的にまたは付加的に、識別することが、前記配置の頂点において化学的な成分を用いてゲージを分類することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、前記定量結果のうちの少なくとも2つから、前記化学的に活性な領域のうちの少なくとも一部分の空間的なマップを再現し、前記一部分が少なくとも4つの化学的な結合領域を含む。選択的に、前記一部分が、少なくとも6つの化学的な結合領域を含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、少なくとも2つの配置から、前記化学的に活性な領域のうちの少なくとも一部分の空間的なマップを再現し、前記一部分が少なくとも4つの化学的な結合点を含む。選択的に、前記一部分が、少なくとも6つの化学的な結合領域を含む。
本発明の例示的な実施形態では、再現することが:前記配置から複数の空間的なマップを試験的に再現し;前記マップに得点をつけ;及び、その得点に基づいて空間的なマップを選択する。代替的にまたは付加的に、再現することが:前記配置から複数の空間的なマップを試験的に再現し;共通の下位構造に従って前記マップをクラスタ化し;及び、それが属しているクラスタの相対的な特性に基づいて空間的なマップを選択する。選択的に、前記相対的な特性が大きさを含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記空間的なマップが、結合点に一致する化学的な特徴をもつ小分子の薬の結合を確実にするために十分な結合点を含む。選択的に、前記空間的なマップが、少なくとも6つの結合点を含む。選択的に、前記空間的なマップが、少なくとも8つの結合点を含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記一組のゲージが、少なくとも10,000のゲージを有する一組のゲージを含む。選択的に、前記一組のゲージが、少なくとも50,000のゲージを有する一組のゲージを含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記ゲージが空間的な形状に配置された成分を含み、及び前記ゲージが空間の化学的な形状の仮想空間に及ぶように選択される。
本発明の例示的な実施形態では、実質的に、前記ゲージによって広がる仮想空間中の各点が、少なくとも2つのゲージによって対象範囲とされる。選択的に、実質的に、前記ゲージによって広がる仮想空間中の各点が、少なくとも3つのゲージによって対象範囲とされる。
本発明の例示的な実施形態では、前記ゲージの少なくとも0.5%が前記ターゲットに結合する。選択的に、前記ゲージの少なくとも1%が前記ターゲットに結合する。選択的に、前記ゲージの少なくとも3%が前記ターゲットに結合する。
本発明の例示的な実施形態では、前記ゲージの少なくとも50%が、成分を一組100未満の足場に加えることによって規定される。選択的に、前記ゲージの少なくとも50%が、成分を一組50未満の足場に加えることによって規定される。
本発明の例示的な実施形態では、少なくとも前記一組のゲージが、前記ゲージの化学的な挙動を明確にするために、15未満の異なる化学的な成分を使用する。
本発明の例示的な実施形態では、少なくとも前記一組ゲージが、前記ゲージの化学的な挙動を明確にするために、10未満の異なる化学的な成分を使用する。
本発明の例示的な実施形態では、前記定量が機能的な定量である。代替的にまたは付加的に、前記定量が結合定量である。代替的にまたは付加的に、前記定量が細胞の定量である。代替的にまたは付加的に、前記定量が流水式の定量である。
本発明の例示的な実施形態では、前記機能的な定量が前記ターゲットの天然基質の存在下で実行される。
本発明の例示的な実施形態では、前記ターゲットが、基質を拘束するように構成されている生化学的に活性な領域を含むタンパク質を備える。選択的に、前記化学的に活性な領域が、前記生化学的に活性な領域を含む領域を備える。代替的にまたは付加的に、前記化学的に活性な領域が、前記タンパク質の制御領域を備える。
本発明の例示的な実施形態では、分析することが、少なくとも60のゲージ中の成功した結合を分析することを含む。代替的にまたは付加的に、分析することが、少なくとも10のゲージ中の成功した結合を分析することを含む。代替的にまたは付加的に、分析することが、少なくとも100のゲージ中の成功した結合を分析することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、識別することが、少なくとも40の異なる配置を識別することを含む。代替的にまたは付加的に、識別することが、少なくとも10の異なる配置を識別することを含む。代替的にまたは付加的に、識別することが、少なくとも100の異なる配置を識別することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、前記マップをリードのデータベースと比較すること;及び、前記リードと前記マップの間の類似若しくは類似の欠如に対応するより一層の使用のために前記データベースからリードを選択することを含む。
代替的にまたは付加的に、その方法は、前記マップをリードのデータベースと比較すること;及び、前記リードと前記マップの間の類似に対応するより一層の使用のために前記データベースからリードを排斥することを含む。
代替的にまたは付加的に、その方法は、前記マップに対する類似を具備するようにリードを構成することを含む。選択的に、構成することが、前記ゲージ又は前記ゲージを規定するために使用される足場を使用して構成することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、前記配置をリードのデータベースと比較すること;及び、前記リードへの前記配置の一致に対応するより一層の使用のために前記データベースからリードを選択することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、前記配置に基づいてリードを構成することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、創薬のリードとして少なくとも一つの前記ゲージを選択することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、立体的な衝突のデータを得るために、ゲージの結合を類似の結合の幾何学的形状と比較すること;及び、前記ターゲットについての幾何学的な情報を提供するために前記立体的な衝突のデータを分析することを含む。
また、本発明の例示的な実施形態では、ターゲット中の複数の化学的−空間的配置の存在を識別する方法であって:複数の定量結果を提供するために、それらの頂点において既知の化学的−空間的配置をもつ複数のゲージを用いてターゲットを定量すること;各配置の頂点の化学的挙動の集合ごとに一つの空間である、一連の空間を定義すること;クラスタを生成するために、前記空間に従って前記結果を示唆すること;及び、前記クラスタから前記ターゲット中の配置の存在を識別すること、を含む方法が提供される。選択的に、示唆することが、拡散作用に応じて示唆を広げることを含む。選択的に、前記拡散作用が、前記ターゲットへのゲージの結合の推定エネルギーに依存する。
また、本発明の例示的な実施形態では、各々が化学的な結合配置の一部分を示している一組の下位形状からターゲットの前記結合配置の空間的な形状を再現する方法であって:
前記下位形状からベースを選択すること;それらが少なくともその一つの辺に沿って相互に一致する、及び、そのもう一方の辺に沿って前記ベースに一致するという特性を有する少なくとも2つの下位形状を選択すること;前記ベースに対して前記下位形状を蓄積すること;及び、前記下位形状の全てが使用され又は使用できなくなるまで、前記選択すること及び前記蓄積することを繰り返し、その結果、前記ターゲットの結合位置の形状を提供すること、を含む方法が提供される。選択的に、その方法は、下位形状の選択の違った順序を用いて、前記選択すること、蓄積すること、及び繰り返すことを変動的に繰り返すことを含む。選択的に、その方法は、複数の異なるベース選択のために、前記ベースを選択すること及び前記変動的に繰り返すことを繰り返すことを含む。選択的に、その方法は、共通の下位成分形状に従って、複数のそのような形状をクラスタ化することを含む。選択的に、その方法は、前記クラスタ化に基づいてその結果の形状としての下位成分形状を選択することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記下位形状が三角形を含む。代替的にまたは付加的に、前記下位形状がその頂点において化学的挙動を定義し、2つの辺はその頂点における化学的挙動が一致するかどうかをマッチングさせると考えられる。
本発明の例示的な実施形態では、2つの辺は、その長さが同じかどうかをマッチングさせると考えられる。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリの一部を生成するために用いられる足場を選択する方法であって:成分の複数の可能な結合点を含んでいる潜在的な足場の分子を提供すること;その分子の固さを決定すること;及び、前記足場の固さの欠如に応じて前記潜在的な足場の分子を排斥すること、を含む方法が提供される。選択的に、前記固さの欠如が絶対的である。選択的に、前記固さの欠如が他の潜在的な足場に対し相対的である。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、多くの環に基づいて足場を選択することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、前記潜在的な足場の分子に成分を付加することにより生成され得る複数のゲージ分子を決定すること;存在するライブラリの一部分に対して、どんな空間的な化学的配置が前記分子により加えられるかを決定すること;及び、一つ以上の重要な空間的な化学的配置をそれによって前記ライブラリの一部分に加えることができれば、前記潜在的な足場の分子を選択すること、を含む。選択的に、その方法は、前記足場によって加えられる多数の配置に基づいて足場を選択することを含む。代替的にまたは付加的に、前記重要な空間的な配置が、あらかじめ提供されない又は重複しない配置である。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリに加えるためのゲージ分子を選択する方法であって:一組の化学的な分子及び少なくとも一組のスクリーニングライブラリを準備すること;前記一組の化学的な分子から潜在的なゲージ分子を選択すること;前記潜在的なゲージ分子の固さを決定すること;及び、前記ゲージ分子の固さの欠如に応じて前記潜在的なゲージ分子を排斥すること、を含む方法が提供される。選択的に、前記固さの欠如が絶対的である。代替的に、前記固さの欠如が他の潜在的な足場に対し相対的である。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、化学的な配置空間において、前記一組のスクリーニングライブラリの広がりを決定すること;前記潜在的な分子の少なくとも一つの空間的な化学的配置を決定すること;及び、それが少なくとも一つの重要な空間的な化学的配置を前記スクリーニングライブラリに加えれば、前記潜在的なゲージ分子を選択することを含む。
選択的に、一組の分子を準備することが、分子が選択的に取り付けられている単一の足場を用いて前記分子を生成することを含む。代替的にまたは付加的に、一組の分子を準備することが、化学的なライブラリを準備することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、もしそれがあらかじめ準備されておらず又は準備された配置を重複していない少なくとも一つの空間的な化学的配置を加えるならば、前記ゲージが選択される。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリの少なくとも一部を生成する方法であって:成分を加えることができる足場分子を選択すること;成分を前記足場へ取り付けることにより生成され得る複数の潜在的なゲージを決定すること;及び、化学的な配置中で実質上重複しない前記ゲージの一部を選択することを含む方法が提供される。選択的に、その方法は、6つより多くの空間的な化学的配置を加える潜在的なゲージを排斥することを含む。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリを減らす方法であって:前記ライブラリの少なくとも一部分の各分子に対して、分子により提供される結合点の特定の順番の実質上全ての空間的な化学的配置を決定すること;及び、重複する空間的な化学的配置を加える複数の分子を取り除くことを含む方法が提供される。選択的に、前記特定の順番が3つある。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリを減らす方法であって:前記ライブラリの少なくとも一部分の各分子に対して、エネルギー的な検討材料に基づいて前記分子の結合確率を計算すること、を含む方法が提供される。選択的に、前記結合確率が、分子の柔軟性に反比例する式を用いて計算される。代替的にまたは付加的に、前記結合確率が、分子の溶解度に基づいて少なくとも見積もられる。
また、本発明の例示的な実施形態では、計画されたターゲット分子タスクのためのスクリーニングライブラリを設計する方法であって:前記ライブラリによって直接的に識別されるように、結合点間の距離の所望の範囲を決定すること;前記ライブラリのゲージ分子により提供される物差し間の所望の重複を決定すること;その間で識別される一組の所望の結合タイプを決定すること;及び、複数のゲージが前記所望の重複を用いて前記距離及び複数の結合タイプを含む空間的な化学的配置空間の範囲を対象範囲とするように、それぞれが前記結合タイプ及びそれらの間の距離を定義している前記ゲージを生成すること、を含む方法が提供される。選択的に、複数の成分を生成することが、成分を足場に取り付けることによって生成することを含む。代替的にまたは付加的に、前記ゲージが、結合点のトリプレットの空間的な化学的配置空間の範囲を対象範囲とする。代替的にまたは付加的に、前記計画されたターゲット分子タスクがタンパク質を含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記重複が少なくとも2つである。代替的に、前記重複が少なくとも4つである。代替的に、前記重複が少なくとも6つである。
本発明の例示的な実施形態では、前記ゲージが実質上固い。代替的にまたは付加的に、前記範囲が、結合の固有の柔軟性を考慮する。
本発明の例示的な実施形態では、生成することが、異なるゲージにより実質上同じ配置を生成し、その結果前記重複の少なくとも一部分を提供することを含む。選択的に、生成することが、少なくとも2つの繰り返し因子を提供することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、生成することが、異なるゲージによって実質上異なる配置を生成し、その柔軟性の程度に起因して異なる配置が重複し、その結果前記重複の少なくとも一部分を提供することを含む。
本発明の例示的な実施形態では、その方法は、前記情報に基づいて前記ターゲットに対する一組の薬のリードを生成することを含む。選択的に、その方法は、前記一組から前記ターゲットに対する既知の薬のリードを取り除くことを含む。
また、本発明の例示的な実施形態では、上述の方法により形成されるリードセットが提供される。
また、本発明の例示的な実施形態では、薬のリードであって:複数の実質的に固い足場分子部;前記足場分子部に相互接続する少なくとも一つの結合;及び、前記足場に取り付けられる複数の分子を含む、薬のリードが提供される。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリであって:
一組50未満の足場分子に成分を取り付けることによって生成される少なくとも10,000の分子、を含むスクリーニングライブラリが提供される。選択的に、20未満の足場分子が、前記少なくとも10,000の分子を生成するために使用される。代替的にまたは付加的に、前記足場が、以下の足場分子:
Thiophene;1H-Pyrrole;Furan;Benzene;Pyridine;Pyrimidine;Pyrazine;6H-Thieno[2,3-b]pyrrole;1,6-Dihydro-pyrrolo[2,3-b]pyrrole;1H-Indole;Thieno[2,3-d]pyrimidine;6,7-Dihydro-pyrazolo[1,5-a]pyrimidine;Quinoline;Isoquinoline;Quinoxaline;3,4-Dihydro-benzo[e][1,4]diazepin-5-one;3,8-Dihydro-4H-pyrrolo[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,4-Dihydro-thieno[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,6-Dihydro-4H-pyrrolo[3,2-e][1,4]diazepin-5-one;5H,11H-Dibenzo[b,f][1,5]diazocine-6,12-dione;1,4-Dihydro-10H-1,4,10-1,4,10-triaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;4H,10H-1-Thia-4,10-diaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;Dipyrrolo[1,2-c;2',1'-e]imidazol-5-one;1,4,7,9-Tetrahydro-1,4,6,9-tetraaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;4,7,9-Trihydro-1-thia-4,6,9-triaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;2,4,9,Trihydro-1lambda*4*,6-dithia-4,9-diaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;6,9-Dihydro-5H-1-thia-5,8,9,triaza-cyclopenta[a]azulen-4-one;3,10,Dihydro-4H-[1,4]diazepino[5,6-b]indol-5-one;3,6-Dihydro-4H-[1,4]diazepino[6,5-b]indol-5-one;7,8-Dihydro-1H-1,7,10-triaza-cyclohepta[e]inden-6-one;8,9-Dihydro-3H-3,6,9-triaza-cyclohepta[e]inden-10-one;7,8-Dihydro-1H-1,5,8-triaza-cyclohepta[f]inden-9-one;8,9-Dihydro-5,6,9,11-tetraaza-cyclohept[b]naphthalene-10-one;3,4-Dihydro-[1,4]diazepino[5,6-b]quinolin-5-one;8,9-Dihydro-4,8,11-triaza-cyclohepta[a]naphthalene-7-one;11H-10,11-Diaza-benzo[b]fluorine;α-hydroxyacids;α-aminoacids;cohels;Bicyclo[2.2.2]octane;2-Methylene-2,3-dihydrobenzo[1,4]dioxine;6,7-Dihydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyramidine;9H-Fluorene;1,4-Diaza-bictclo[2.2.2]octane;1-Aza-bicyclo[2.2.2]octane;Pyrido[2,3-d]pyrimidine;5-Methylene-1,5-dihydro-pyrrol-2-one;Bezno[4,5]imidazo[1,2-a]pyrimidine;1,4-Dihydro-benzo[4,5]imidazo[1,2-a]pyrimidine;4,10-Dihydro-1,4a,10-triaza-phenanthren-9-one;1,5-Dihydro-imidazo[1,2-a]pyrimidin-2-one;1,2,3,5-Tetrahydro-imidazo[1,2-a]pyrimidine;Thiazolo[3,2-a]thieno[2,3-d]pyrimidin-5-one;1,9-Dithia-4a,10-diaza-cyclopenta[b]fluoren-4-one;5,6-Dihydro-1-thia-5,7,8,9a-tetraaza-cyclopenta[e]azulen-4-one;6,10-Dihydro-5H-1-thia-5,7,10a-triaza-benzo[e]azulen-4-one;4,5-Dihydro-3-thia-4,5a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;8H-1-Thia-cyclopenta[a]indene;3-Thia-4,5a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;6,7,9,11-Tetrahydro-10-thia-6,9-diaza-indeno[1,2-a]azulene-5,8-dione;2,3,6,7,12a-Hexahydropyrazino[1',2':1,6]pyrido[3,4-b]indole-1,4-dione;5,10-Dihydro-4H-2,3a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;5H-Pyrido[4,3-b]indole;11H-Indolizino[1,2-b]quinolin-9-one;1,2-Dihydro-2,4a,9,-triaza-anthracene-3,10-dione;6H-Isoindolo[2,1-a]indole;1,5-Dihydro-benzo[b][1,4]diazepin-2-one;5,10-Dihydro-dibenzo[b,e][1,4]diazepin-11-one;5,11-Dihydro-benzo[e]pyrido[3,2-b][1,4]diazepin-6-one;4,9-Dihydro-3-thia-4,9-diaza-benzo[f]azulen-10-one;Benzo[g]quinoxaline;Pyrazino[2,3-b]quinoxaline;Pyrido[2,1-b]quinazolin-11-one;l-Thia-4a,9-diaza-cyclopenta[b]naphthalene-4-one;2-Methylene-4H-benzo[1,4]thiazin-3-one、のうち少なくとも一つを含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記足場の少なくとも4つが、正確に1つの環を有する。代替的にまたは付加的に、前記足場の少なくとも4つが、正確に2つの環を有する。代替的にまたは付加的に、前記足場の少なくとも4つが、正確に3つの環を有する。代替的にまたは付加的に、前記足場の少なくとも4つが、正確に4つの環を有する。代替的にまたは付加的に、前記ライブラリが、少なくとも50,000の上述の生成される分子を含む。代替的にまたは付加的に、前記ライブラリが、少なくとも100,000の上述の生成される分子を含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記足場が、前記以下の足場分子のうち少なくとも3つを含む。代替的にまたは付加的に、前記足場が、前記以下の足場分子のうち少なくとも10を含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記生成される分子が実質上固い。代替的にまたは付加的に、前記分子が、結合点種類の空間幾何学パターンの配置空間を張り、タンパク質ターゲット中に存在する該パターンの少なくとも25%を含む。選択的に、前記分子が、該パターンの少なくとも50%を張る。
本発明の例示的な実施形態では、前記分子が、少なくとも4つの区別できる結合点の化学的形状を定義している空間を張る。
本発明の例示的な実施形態では、前記分子が、少なくとも5つの区別できる結合点の化学的形状を定義している空間を張る。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリであって:
成分を以下の足場:
Thiophene;1H-Pyrrole;Furan;Benzene;Pyridine;Pyrimidine;Pyrazine;6H-Thieno[2,3-b]pyrrole;1,6-Dihydro-pyrrolo[2,3-b]pyrrole;1H-Indole;Thieno[2,3-d]pyrimidine;6,7-Dihydro-pyrazolo[1,5-a]pyrimidine;Quinoline;Isoquinoline;Quinoxaline;3,4-Dihydro-benzo[e][1,4]diazepin-5-one;3,8-Dihydro-4H-pyrrolo[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,4-Dihydro-thieno[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,6-Dihydro-4H-pyrrolo[3,2-e][1,4]diazepin-5-one;5H,11H-Dibenzo[b,f][1,5]diazocine-6,12-dione;1,4-Dihydro-10H-1,4,10-1,4,10-triaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;4H,10H-1-Thia-4,10-diaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;Dipyrrolo[1,2-c;2',1'-e]imidazol-5-one;1,4,7,9-Tetrahydro-1,4,6,9-tetraaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;4,7,9-Trihydro-1-thia-4,6,9-triaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;2,4,9,Trihydro-1lambda*4*,6-dithia-4,9-diaza-dicyclopenta[a,e]cyclooctene-5,10-dione;6,9-Dihydro-5H-1-thia-5,8,9,triaza-cyclopenta[a]azulen-4-one;3,10,Dihydro-4H-[1,4]diazepino[5,6-b]indol-5-one;3,6-Dihydro-4H-[1,4]diazepino[6,5-b]indol-5-one;7,8-Dihydro-1H-1,7,10-triaza-cyclohepta[e]inden-6-one;8,9-Dihydro-3H-3,6,9-triaza-cyclohepta[e]inden-10-one;7,8-Dihydro-1H-1,5,8-triaza-cyclohepta[f]inden-9-one;8,9-Dihydro-5,6,9,11-tetraaza-cyclohept[b]naphthalene-10-one;3,4-Dihydro-[1,4]diazepino[5,6-b]quinolin-5-one;8,9-Dihydro-4,8,11-triaza-cyclohepta[a]naphthalene-7-one;11H-10,11-Diaza-benzo[b]fluorine;α-hydroxyacids;α-aminoacids;cohels;Bicyclo[2.2.2]octane;2-Methylene-2,3-dihydrobenzo[1,4]dioxine;6,7-Dihydro-2H-pyrazino[1,2-a]pyramidine;9H-Fluorene;1,4-Diaza-bictclo[2.2.2]octane;1-Aza-bicyclo[2.2.2]octane;Pyrido[2,3-d]pyrimidine;5-Methylene-1,5-dihydro-pyrrol-2-one;Bezno[4,5]imidazo[1,2-a]pyrimidine;1,4-Dihydro-benzo[4,5]imidazo[1,2-a]pyrimidine;4,10-Dihydro-1,4a,10-triaza-phenanthren-9-one;1,5-Dihydro-imidazo[1,2-a]pyrimidin-2-one;1,2,3,5-Tetrahydro-imidazo[1,2-a]pyrimidine;Thiazolo[3,2-a]thieno[2,3-d]pyrimidin-5-one;1,9-Dithia-4a,10-diaza-cyclopenta[b]fluoren-4-one;5,6-Dihydro-1-thia-5,7,8,9a-tetraaza-cyclopenta[e]azulen-4-one;6,10-Dihydro-5H-1-thia-5,7,10a-triaza-benzo[e]azulen-4-one;4,5-Dihydro-3-thia-4,5a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;8H-1-Thia-cyclopenta[a]indene;3-Thia-4,5a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;6,7,9,11-Tetrahydro-10-thia-6,9-diaza-indeno[1,2-a]azulene-5,8-dione;2,3,6,7,12a-Hexahydropyrazino[1',2':1,6]pyrido[3,4-b]indole-1,4-dione;5,10-Dihydro-4H-2,3a,10-triaza-cyclopenta[a]fluorine;5H-Pyrido[4,3-b]indole;11H-Indolizino[1,2-b]quinolin-9-one;1,2-Dihydro-2,4a,9,-triaza-anthracene-3,10-dione;6H-Isoindolo[2,1-a]indole;1,5-Dihydro-benzo[b][1,4]diazepin-2-one;5,10-Dihydro-dibenzo[b,e][1,4]diazepin-11-one;5,11-Dihydro-benzo[e]pyrido[3,2-b][1,4]diazepin-6-one;4,9-Dihydro-3-thia-4,9-diaza-benzo[f]azulen-10-one;Benzo[g]quinoxaline;Pyrazino[2,3-b]quinoxaline;Pyrido[2,1-b]quinazolin-11-one;l-Thia-4a,9-diaza-cyclopenta[b]naphthalene-4-one;2-Methylene-4H-benzo[1,4]thiazin-3-one、
の少なくとも一つに取り付けることにより生成される少なくとも100のゲージ分子を含むスクリーニングライブラリが提供される。
選択的に、前記分子が以下の足場:
Thiophene;1H-Pyrrole;Furan;Benzene;Pyridine;Pyrimidine;Pyrazine;6H-Thieno[2,3-b]pyrrole;1,6-Dihydro-pyrrolo[2,3-b]pyrrole;1H-Indole;Thieno[2,3-d]pyrimidine;6,7-Dihydro-pyrazolo[1,5-a]pyrimidine;Quinoline;Isoquinoline;Quinoxaline;3,4-Dihydro-benzo[e][1,4]diazepin-5-one;3,8-Dihydro-4H-pyrrolo[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,4-Dihydro-thieno[2,3-e][1,4]diazepin-5-one;3,6-Dihydro-4H-pyrrolo[3,2-e][1,4]diazepin-5-one;5H,11H-Dibenzo[b,f][1,5]diazocine-6,12-dione;1,4-Dihydro-10H-1,4,10-1,4,10-triaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;4H,10H-1-Thia-4,10-diaza-benzo[a]cyclopenta[e]cyclooctene-5,11-dione;Dipyrrolo[1,2-c;2',1'-e]imidazol-5-one、
の少なくとも一つを用いて生成される。
本発明の例示的な実施形態では、前記少なくとも100の分子は、少なくとも300の分子を含む。代替的にまたは付加的に、前記ライブラリ中の前記少なくとも100の分子が、前記足場の一つを用いて生成される。
また、本発明の例示的な実施形態では、少なくとも10,000の実質上固い分子一組を含む、スクリーニングライブラリが提供される。選択的に、前記一組が、少なくとも50,000の実質上固い分子を含む。代替的にまたは付加的に、前記一組が、少なくとも100,000の実質上固い分子を含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記一組が、全般的に、タンパク質ターゲットのライブラリの少なくとも0.1%の期待結合率を持つように選択される。選択的に、前記期待結合率が少なくとも0.5%である。
本発明の例示的な実施形態では、前記一組が、全体集合に対して比1:100以内の一般化ターゲットのヒット率の均一性を有する分子を提供するために設計される。選択的に、前記比が1:10以内である。
本発明の例示的な実施形態では、前記一組が、空間的な化学的配置の空間を張り、各々のそのような配置はそれらの間に距離をもつ特定の複数の結合点を定義し、その一組は所定の範囲の距離中の空間中の全ての可能な配置を実質上対象範囲としている。
また、本発明の例示的な実施形態では、スクリーニングライブラリであって:各々が結合タイプの点の少なくとも一つの空間的な配置を定義している、少なくとも5,000の複数のケージ分子を含み、そのような配置の空間中の実質上各点が少なくとも2つの異なるゲージ分子により対象範囲とされる、スクリーニングライブラリが提供される。選択的に、各点が、少なくとも2つの実質上同一な空間配置により対象範囲とされる。代替的にまたは付加的に、各点が、少なくとも2つの実質上異なる空間配置により対象範囲とされる。代替的にまたは付加的に、前記空間が、頂点の結合タイプと頂点間の距離により定義される三角形の空間である。選択的に、前記空間が、4オングストロームと8オングストロームの間の距離を含む(オングストロームは10-10メートル)。代替的にまたは付加的に、前記空間が、2オングストロームと10オングストロームの間の距離を含む。代替的にまたは付加的に、前記空間が、少なくとも5つの異なる結合タイプを含む。選択的に、前記空間が、少なくとも7つの異なる結合タイプを含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記空間が、全方向性の結合タイプを含む。代替的にまたは付加的に、前記空間が、方向性の結合タイプを含む。
本発明の例示的な実施形態では、前記空間中の前記実質上の各点が、少なくとも3つのゲージにより対象範囲とされる。
本発明の例示的な実施形態では、実質上全てのゲージが、前記空間の中の複数の配置を含む。
また、本発明の例示的な実施形態では、ターゲット分子の結合反応についての情報を得る方法であって:多くが前記ターゲットに結合することが期待される、一組の実質上固い化学的なゲージを準備すること;前記ターゲットを前記一組のゲージ中の複数のゲージと反応させること;及び、ゲージに結合する前記ターゲットの構造を物理的に分析すること、を含む方法が提供される。選択的に、物理的に分析することが、NMRを用いて分析することを含む。代替的にまたは付加的に、物理的に分析することが、X線結晶学を用いて分析することを含む。代替的にまたは付加的に、物理的に分析することが、一組のゲージとの結合を用いて分析することを含む。代替的にまたは付加的に、その方法は、前記物理的に分析することによって得られる複数の構造を実質的に重ね合わせることを含む。
また、本発明の例示的な実施形態では、リードを構成する方法であって:一組の実質上固い化学的なゲージを準備すること;前記ターゲットを前記一組のゲージ中の複数のゲージと反応させること;複数の定量結果を得るために前記ターゲットを用いて前記ゲージの結合を定量すること;及び、前記定量結果に基づいてリードを構成すること、を含む方法が提供される。選択的に、リードを構成することが、前記定量中に結合することがわかった複数のゲージを結合することを含む。代替的にまたは付加的に、リードを構成することが、前記定量によって見出された結合部位に対応する成分を有するように既存の分子を修正することを含む。
本発明の実施形態をなんら限定するものでない実施例を、本明細書に添付した図面を参考にして、以下に説明する。この図面は、通常、大きさを示しておらず、どのような測定も例示的なものを意味するのみであり、必ずしも制限されない。この図面では、2つ以上の図に記載されている同一の構造、要素または部品は、それらが記載されている全ての図に、同じ数字で番号が付されている。
1.総括
2.創薬の典型的なプロセス
3.プロセスの詳細
3.1 ターゲット測定
4.典型的な定量法
4.1 機能的定量法
4.2 結合定量法
5.ゲージ‐総則
5.1 典型的なゲージ
5.2 物差し中の成分数
5.3 ゲージ中の成分数
5.4 成分の種類
5.5 一組の中の物差しの重複
6.再現
6.1 三角形の抽出
6.2 レイアウト立体配置の再現
6.3 再現の変形例
6.4 代替的な再現の方法
7.分析
7.1 総括
7.2 再現の照合
7.3 結合強度
7.4 中間結合相互作用
7.5 幾何学的分析
7.6 立体衝突の測定
7.7 制御領域の識別
7.8 他のマップ分析
8.創薬プロセス中の使用
8.1 総括
8.2 薬の生成
8.3 リードの生成
8.4 リードの説明
8.5 リードの探索
8.6 リードの排斥
8.7 目標とされるマッピング
8.8 ターゲットの適切な試験
8.9 ターゲットの区分
8.10 薬とリードの分析及びエンハンスメント
8.11 薬の選択
8.12 薬のエンハンスメント
8.13 薬の不良解析及びリエンジニアリング
8.14 分析に関する付加的な創薬
8.15 発見プロセスの能率化
8.16 実用的な生成
9.典型的な発見の応用
9.1 総括
9.2 スクリーニングベースの薬設計
9.3 代替的なスクリーニングベースの薬設計
9.4 構造ベースの薬設計
9.5 リガンドのモジュール・アセンブリ
10.典型的な非発見用途
11.従来の情報の使用
12.反復測定
13.ゲージ、物理的性質
13.1 総括
13.2 足場
13.3 ゲージの体積幾何学的形状
13.4 柔軟性
13.5 ゲージ長
13.6 環境安定性
13.7 ゲージの特徴と辺及び三角形の重複
13.8 ゲージの質量及び大きさ
14.特定の及び一般のゲージセット設計
14.1 ライブラリの大きさの測定例
14.2 ゲージの部分集合の選択
14.3 ゲージライブラリ設計
14.4 ライブラリ構築方法
14.5 足場選択方法
14.6 ゲージ選択方法
14.7 ゲージ合成
14.8 混合ライブラリ設計
14.9 ライブラリの信頼性の確保
14.10 ライブラリ設計中の人間の相互作用
15.実験及び実施例
15.1 実験1
15.2 実験2
16.合成法の資料
16.1 ベンゼン、ピリミジン6員環足場
16.2 インドロ[2,3b]キノリン6,6,5,6環状足場
16.3 isoindoloindoles及びisoindoloindolones 6,5,5,6テトラ環状足場
16.3.1 Isoindoloindolones
16.4 単一原子の足場
16.5 ベンゾジアゼピン6,7二環系足場
16.6 Pyrazinoquinazolinone-6,6,6三環系足場
16.7 ピロール-5員環足場
16.8 チオフェンおよび関連した足場
16.8.1 5,5二環系足場
16.8.2 5,6二環系足場
16.8.3 5,8,5 5,8,6三環系および5,5,8,6 5,5,8,5四環系足場
16.8.4 5,7二環系足場
16.8.5 5,6,5,6四環系および5,6,5三環系足場
16.8.6 5-6-5-6四環系足場
16.8.7 5-6-5三環系足場
1.総括
例えば酵素のような多くの生体分子の高い特異性は、そのような分子中の、結合部位の特有の空間的配置の存在により生み出される。酵素と有効に接触するときに効果を奏する基質分子は、その特有の空間的配置(少なくともその一部)にマッチングしなければならないと考えられている。製薬産業では、基質分子の形状および化学親和力を模倣する小分子を見つけることにより、この特異性を利用することができる。典型的な創薬方法では、そのような小分子は、数百万もの小分子を試験してみることにより見出され、一度、多少の親和力があるように思える分子を発見すると、より良好な結合を見出すまで、化学的にその「リード」を微調整する。本発明の典型的な実施形態では、特定の空間的配置がマッピングされ、このマップが創薬プロセス中、そして最終的に新しく実用的な小分子薬剤を発見するために使用される。なお、一般に、結合部位の空間的な幾何学形状は3次元である。
以下の説明では、分子はターゲットと称され、空間配置はターゲット領域またはファーマコフォア(pharmacophore)と称される。しかし、明らかなように、本発明の典型的な実施形態によるマッピング法及び/又はその派生的な方法は、例えば、除草剤や標的とする抗体の開発等、創薬の範囲を越えて使用される。したがって、使用される用語は便宜上使用されるものであり、別の方法で示す場合を除いて、その目的とする対象を限定するために使用されるものではない。
図1は、複数の結合部位102(及び108)を含む、ターゲットタンパク質100の概略図である。示されているように、結合部位102は、そのタンパク質の基質を受け入れるように作られているターゲット領域104中に配置されている。幾つかのタンパク質では、重要なターゲット領域は、タンパク質の制御領域106(結合部位108を有する)であり、それらは結合時、タンパク質の性質を変化させる(例えば、そのタンパク質の領域を受け入れる基質の配置を変化させる)。あるいは、複数の非機能的結合部位110がそのタンパク質の外側で発見される。
以下の説明は酵素タンパク質に影響を及ぼすための小分子を見出すことに焦点を当てるが、ターゲットタンパク質100は、それへの分子の結合によりその生物学的性質が望ましく影響を受ける可能性のある、いかなる生体分子でもよい。例えば、ターゲットタンパク質100は、DNA、RNA、例えばホルモン等のシグナル伝達タンパク質、構造上のホルモン、成長因子、他のタンパク質、抗体、細胞受容体、イオン・チャネル、サイトカイン、錯体、膜、毒素(生物学的及び人工的)、小及び大分子の医薬物質、及び炭水化物、のうちの一つ以上であってもよい。また、例えば、洗浄及び産業用途で使用される酵素を評価するため等の、非生物学的な応用も考えられる。さらに、例えばそれがペプチド、タンパク質、抗体、又は金属錯体である可能性のある幾つかの応用では、分子の探索は小分子である必要がない。
本発明の幾つかの典型的な実施形態によれば、ターゲット領域104(または106)のマッピングは、そのターゲット領域の複数の幾何学図形及び/又は化学親和力の測定を行い、その後、ターゲット領域104の3次元モデルを得るための測定を相互に関連づけることによりもたらされる。本発明の典型的な実施形態では、その測定は一組の選択的なゲージ(gauge)分子を用いることにより行われる。本発明の典型的な実施形態では、それらのゲージは、特定の結合幾何学形状及び/又は特定の化学親和力に対して選択的であり、任意の小さい範囲の柔軟性を有する。選択的に、一組のゲージでは、より多数の特定のゲージを使用することにより、広い範囲の幾何学形状、サイズ、及び/又は親和力を得る。
本発明の典型的な実施形態では、各ゲージ分子は同時に複数の測定を行い、異なるゲージ分子により行われた測定間には重複がある。選択的に、後に3次元マップを再現するために使用される個々の測定の表示(indication)をもたらすために、複数のゲージからの複数の測定を相互に関連付ける処理ステップが与えられる。選択的に、その処理のために、及び/又はその処理の結果を分析及び/又は使用するために、付加的な情報が使用される。そのような付加的な情報の様々な例は以下に記載されている。
2.創薬の典型的なプロセス
図2は、本発明の典型的な実施形態による、創薬200の手順のフローチャートである。202では、開発されようとする薬に対応するターゲット100が供給される。選択的に、204では、ターゲット100の測定のために、ゲージの部分集合が選択される。代替的に、1組のゲージが全ターゲットに対して使用される。
206では、それらのゲージを使用し、相互作用部位102及び/又は108の空間的な配置を測定する。
208では、その測定から、ターゲット100の活性領域及び/又は制御領域の少なくとも一部のモデルが再現される。210及び212では、その測定にマッチングする一つ以上の分子が決定される。214では、そのマッチング分子をさらに処理し、医薬品を提供する。
さらに、この方法の詳細が以下に説明されている。また、代替的な方法も以下に説明されている。
3.プロセスの詳細
3.1 ターゲット測定
図3は、本発明の典型的な実施形態による、ターゲット測定300の手順を示すフローチャートである。302では、ある量のターゲット100と一つ以上のゲージを容器中で混合し、ゲージがターゲット100中の相互作用部位に結合することができるように、可能な限り培養することができる(304)。本発明の幾つかの実施形態では、ターゲットはまた、基質分子又は他の分子と培養させる。そのような培養は、例えば、溶解しやすいようにターゲット上でコンフォーマル変化(conformal change)を推し進めること、ターゲットを生存させ続けること、及び/又は機能的定量の一部として等、様々な理由により提供されてもよい。ターゲットは、例えば、精製された複製のDNA断片等、比較的純粋な状態であってもよい。代替的に、ターゲットは、例えば、生体細胞中等のより自然な環境中に、または関連した分子(例えば、その相互の効果が知られていなくてもよい)を用いて提供される。選択的に、複数の重複するゲージ(すなわち、同様のまたは類似の空間幾何学形状を測定することができるそれらの中で重複しているもの)が、同様の定量において一緒に培養される。
306では、選択的に、ターゲット100へのゲージの結合度が決定される。使用される方法は、以下に様々な例を示すが、使用される定量法の形式に依存してもよい。代替的にまたは付加的に、308では、以下に様々な例を示すが、ターゲット100の機能への影響が決定される。
なお、ターゲット分子への試験分子の結合を検出するための適切な定量法は、創薬に関してよく知られており、その多くのものが本発明に関して適切であり、改良の必要がなさそうである。
その後、別のゲージ及び/又は別の状態(例えば溶媒、温度及びpHなど)を用いて定量プロセスが繰り返される(310)。例えば、結合の強度を測定するため、及び/又は利用できないゲージ(例えばターゲット100上のコンフォーマル変化を強いることによるもの)を補正するために、状態を変化させることを行ってもよい。その繰り返すことは、一つ以上のゲージに対する予備的な結合結果によって、及び/又は、予備的な測定または測定の失敗によって決まってもよい。
本発明の典型的な実施形態では、定量は、1〜100μモル濃度のゲージにおけるものである。しかし、他の濃度も使用することができる。例えば、その濃度は、ゲージの溶解度及び/又は種々の毒性またはゲージに関連する他の効果によって決まってもよい。多くの場合では、使用される濃度は、定量の感度によって決まるであろう。
ターゲットの純度は重要であるかどうかわからず、例えば、不純物に対するゲージの親和力、及び/又はその不純物に対する定量の感度に依存する。
4.典型的な定量法
4.1 機能的定量法
この分野では、機能的定量法の多くの種類が知られている。一般に、処理されたターゲットが(タンパク質に対する)標準基質に付与され、酵素活性の測定を利用して、物質のベースラインまたは制御部位に関連するゲージの機能効果を決定する。例えば、Tecan(スイス)、Zymark(米国)、またはCybio(ドイツ)により製造されている自動化された並行定量装置は、例えば、異なるゲージに関して及び/又は単一のゲージ−ターゲットマッチング上のよりよい統計値に関して、複数の機能的定量を並行して行うことができる。
機能的定量法は、例えば、分子、細胞、または生物レベル等の、様々なレベルにおけるものであってもよい。一般に、ゲージの機能性を定量するために、どのような既知の機能的定量法も使用可能である。
本発明の典型的な実施形態では、ゲージは、ターゲットのリガンド(ligand)のように振る舞い、競合し、さもなければ、ターゲットの機能性に影響を与える。これらの影響は、例えば、標準基質が結合しようとする場所でゲージが結合し得る、標準基質は結合するが結合からその基質をまだブロックしているという場所に近いところでゲージが結合し得る、基質をブロックしないがもしゲージがもっと大きかったならばブロックするであろうという点でゲージが結合し得る(結合定量法に適している)、及び/又は、基質へのターゲットの親和力を強めるその挙動に、ゲージが対立するよりもむしろ寛容あり得る等の、様々な種類のものであってもよい。
DNAターゲットは、例えば、複製法(例えば、複製が抑制されているか増進されているかを見ること)を用いて定量することができる。代替的に、DNAターゲットは、試験結合の後に、DNAチップとの相互作用を測定することによって定量される。そのようなDNAチップは典型的に、検索されたDNA配列の部分に結合し及び/又は非線形DNA断片の区分にマッチングする(例えば、特定する及び補足する)ために選択されたその断片を有する、複数の短いDNA断片が既知のパターンで組み込まれている基質を含む。DNAチップ上の種々の短いDNA区分に結合する種類及び/又は相対的な頻度は、DNA分子へのゲージの結合度及び/又は位置によって決まる。例えば、ゲージは、DNA分子のある部分がDNAチップ断片とマッチングすることを防ぐことができる。他の例では、ゲージはDNA分子内のコンフォーマル変化を推し進めることができ、その変化はある一つのDNAチップ断片と結合することを妨げるが、以前の不適当なDNAチップ断片との結合を認容する。
4.2 結合定量法
結合定量法では、ターゲットへのゲージの結合が直接的に測定される。しかし、注意すべきことは、ゲージがターゲット領域の外部の位置において結合し、ターゲット領域についての有益な情報を付与しない可能性があるため、結合定量法は機能的定量法よりも表示が少ないかもしれないということである。さらに、結合の検出感度は多くの場合低く、また典型的な結合率も極めて低いので、結合定量法の感度はより低いものであろう。しかし、場合によっては、例えば、ゲージが基質と相互作用する場合、またはターゲット機能が未知の場合、機能的定量法は実行することができず、または例えばその定量法が生きた細胞を必要とする場合に、実行困難であり、或いは実行するために時間がかかる場合がある。また、ゲージは、特定の機能的定量法により測定される際、機能性に影響を及ぼすこの結合なしに、活性領域中で結合することができる。
様々な種類の結合定量法が技術的に知られており、例えば、Ramakrishna Seethala及びPrabhavathi B. Fernandes著、Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Volume 114, New York, NY, Marcel Dekker, 2001等の医薬スクリーニングのハンドブックに記載されており、それらを使用することができる。また、その開示は参照により本明細書に組み込まれている。
機能的定量法及び結合定量法の双方が、ロボット性能の試験である現在の技術及びフロースルー分析である新生の技術(例えば、DNAチップを用いる)等の多くの方法により実行可能である。なお、10万の試験のシステムが利用可能になってきており、それは、本発明の幾つかの実施形態において、ゲージライブラリを使用するスクリーニングを1ステップ(1日)で完了可能であることを意味する。選択的に、これは、スクリーニングターゲット間のゲージ搬送システムを一掃する必要性を防ぐために使用される。
本発明の幾つかの実施形態では、(機能的定量の)結合定量は、例えば、そのゲージに蛍光物質を取り付けること等の、ゲージを改良することを含む。このことは、その取り付け位置に依存して、ゲージの幾つかのコンフォーマル変化を引き起こし、及び/又は、立体衝突を引き起こす可能性がある。少なくともかなりの場合において、ゲージ間の重複がこの問題を打開することが期待される。
本発明の他の実施形態では、ゲージは変化しない、或いは非物質的な方法で変化する。例えば、NMR結合定量法またはX線結晶学結合定量法では、変化を必要としない。放射能をベースにした定量法では、ゲージ内に放射性同位体を使用することができる。本発明の例示的な実施形態では、結合の検出及び/又はNMRデータのより良好な分析を提供するために、ゲージの生成時に非放射性同位体(1/2のスピンを持つ同位体)を使用する。これらの定量法では、例えばターゲットがある表面に対して拘束されていれば、洗浄により非結合のゲージが除去される等の技術的に既知の方法を用いて、非結合のゲージをターゲットから分離することができる。
本発明の幾つかの実施形態では、例えば、ゲージまたはターゲットに取り付けられた蛍光体の尾部の振動数に影響を及ぼす等、ゲージの結合はターゲット上で非機能的な効果を有し、それらが検出されまたは測定される。本発明の例示的な実施形態では、ゲージは、ターゲットのリガンドのそれに類似の方法でターゲットに結合する。当技術分野で周知のような(NMR、IR等)、様々な方法を用いて、結合したターゲット/ゲージ構造を分析することができる。選択的に、一度、結合ゲージ或いは他の基質が見つかると、ゲージセットを使用して、その結合したターゲット/リガンド構造を測定する。
幾つかの結合定量法では、同時に使用される異なるゲージに対し異なる蛍光のマーカーを取り付けることによって及び/又は異なるゲージに対し異なる放射性同位体を用いることによって、同時にあるいは差をつけて、複数の異なる印のついたゲージを定量することができる。
選択的に、結合定量法(及び/又は機能的定量法)は、結合の強さを決定するため等に、例えば、温度、pH、及び/又は他の環境変数などの様々な環境パラメータを変化させることを含む。
本発明の例示的な実施形態では、結合定量法を使用して、ターゲットの活性領域の外部にあるゲージの結合の基準レベルを決定する。一つの実施形態では、タンパク質中のαへリックスへの特定のゲージの結合度を、ターゲットの類似物質から知ることができる。しかし、ターゲットへの全結合は、タンパク質の非へリックス部分及び/又はターゲットのターゲット領域への結合を含んでいる。
本発明の例示的な実施形態では、多数のヒットが期待され及び/又はゲージ間の重複が付与されることが注目される。結果として、低結合率により生じるノイズはそれほど問題とはならないので、より低い質及び/又はより速い定量法を使用することができる。一つの実施例では、ボーダーラインは、定量中に使用されるゲージ間の三角形の物差しの繰り返しに基づいて、2つの定量法を組み合わせることにより定められる。
5.ゲージ‐総則
5.1 典型的なゲージ
図4Aは、本発明の実施形態による、典型的なゲージ400の模式図である。
ゲージ400は、足場402と、それぞれ結合手404,408,412及び420を介して足場402に取り付けられた4つの化学的な成分(moiety)406,410,414及び422を含む。これらの要素の全特性は以下に述べるように変化する可能性があるので、これは単に例示的なゲージである。具体的には、一つ以上の成分の形状、成分の数、結合手の形状、成分と足場の間の距離、足場の形状、及び足場への接続の位置が、それぞれのゲージ、ゲージのセット、及び/又は本発明の実施形態、に対して異なっていてもよい。
本発明の例示的な実施形態では、複数の成分が協同して、物差しを定義する。本発明の例示的な実施形態では、ゲージの目的は、成分間の距離で物差しを定義しているそれら成分に結合する相互作用位置を検出することである。ターゲット分子への物差しのマッチングは、ゲージの結合によって示され得る。本発明の例示的な実施形態では、物差しの基本単位は、全成分の部分集合により定義される三角形(または、他の幾何学形状)である。以下に説明するように、三角形の形状は、幾つかの実施形態に対し適切である特定の性質を有する。一般に、ゲージが、物差し中により多くの成分を含んでいれば(例えば、直線の物差しに対して3つ以上の成分、三角形に対して4つ以上の成分)、単一のゲージによって2以上の物差しが提供される。このように、示される本発明の例示的な実施形態では、単一のゲージ中で、複数の異なる三角形の物差しが定義される。幾つかの実施形態及び幾つかの場合では、例えば、ゲージ400が4つの三角形の物差しを含むのではなく、単一の4点の物差しのみを有するというように、ゲージがただ一つの物差しのみを有するであろう。実際に結合される様々な可能な物差しを決定するための典型的な方法は、以下に説明されている。
三角形の幾何学形状の一つが、ゲージ400の成分対間の距離を定義する破線416,418及び420により示されている。上述のように、本発明の例示的な実施形態では、ゲージの目的は、破線416,418及び420(三角形の辺)により定義された間隔において、それらの成分(406,410,414)に結合する相互作用部位を検出することである。成分406,410及び414のみを有するゲージ400を想定すると、その後、ターゲット100へのゲージ400の結合は、成分406,410及び414に結合するのに適切な形状の3つの相互作用サイトがゲージ400により定義されたそれぞれの間隔に近似的であるという表示として使用され得る。ゲージ400は複数の三角形を定義するので、ゲージ400の結合は、それらの成分によって定義された三角形の少なくとも一つが結合することを示す。
図4Bは、3つの相互作用部位450,452及び454において、ターゲット100と相互作用するゲージ400を示す。
5.2 物差し中の成分数
述べたように、複数の成分の各々は物差しを定義する。2つ、3つ、4つ及び/又は他の数の成分、及び/又は異なる物差しの混合を含んでいるゲージセットを用いる本発明の幾つかの実施形態の測定において本発明は適合するが、本発明の典型的な実施形態では、使用される基本的な物差しは、3つの成分を用いる三角形である。三角形を使用することにより、以下の潜在的な利益の一つ以上を提供することができる:
(a) 三角形は、結合結果から、ターゲット領域の3次元モデルを「構築する」ときに、単位構成要素として役立つ、安定した空間的関係を定義する。
(b) (例えば)4つの辺を持った物差しよりも、可能な三角形は少ない。その結果、全空間を対象範囲とする物差しを有するライブラリを作成することは、時間の浪費を抑える。さらに、本発明の幾つかの実施形態においては、物差し間の重複を提供することが望ましいので、もし物差しがより少なければ、そのような重複する物差しがより簡単に提供される。化学的な制限は高次の物差しゲージライブラリの構築を妨げる可能性がある。
(c) 三角形は常に平面(3点が面を定義する)上に横たわっており、それは幾つかの再現手法に対して数学的に役立つであろう。
(d) 幾つかの応用では、三角形が、ターゲットの活性領域への測定可能な結合をもたらすこととなる結合点の最小の数を示す。標準的な薬は、6点またはそれ以上の点、しばしば10点かそれ以上の点を含む。反対に、高次の物差しは結合が強すぎるかもしれない。他の応用では、もちろん、物差し中の成分の最適の数はそれより多くまたはより少ない。
代替的に、2つの成分を有する物差しが使用され、例えば、直線を定義している。代替的にまたは付加的に、4つ或いはそれ以上のバランス(valance)物差しが使用され、例えば、より一意的に相互作用部位の立体配置を定義する。本発明の幾つかの実施形態では、ゲージセット中及び/又は再現中に、例えば、平面的であるかどうかわからない、2点、3点、4点及び5点の物差しである、異なるバランス物差しの混合を使用することができる。
5.3 ゲージ中の成分数
本発明の例示的な実施形態では、ゲージ中の成分の数は4から10であるが、より小さい(例えば、3)または大きい数が与えられる可能性もある。幾つかの足場は、異なる成分の数、成分の位置及び/又は成分の可能な組み合わせで制限されてもよい。成分が、異なる三角形の物差しを定義していれば、成分の数は、通常、より多いほうが望ましい。逆に、複数の取り付け点を有するゲージ及び/又は多くの成分を有するゲージは、結合を妨げることとなる、立体衝突及び/又は成分間の他の不都合な相互作用を引き起こす傾向がさらにあるかもしれない。
足場それ自身が化学的な性質を持っており、及び成分を持っていると考えられるが、本発明の幾つかの実施形態では、例えば、ライブラリ設計の間及び/又は結合結果分析の間、これらの性質は無視される。代替的に、足場の性質は、分析の間及び/又はライブラリ設計の間にのみ考慮されてもよい。
5.4 成分の種類
本発明の例示的な実施形態では、成分が選択され、結合の種類を反映して、薬がターゲットを機能させることが予測される。本発明の例示的な実施形態では、成分はそれらの化学的挙動に基づいて選択される。もし幾つかの成分により特定の挙動が示されれば、本発明の例示的な実施形態では、最も小さい一つの成分のみが選択される。本発明の幾つかの実施形態では、幾つかの異なる結合部位に結合可能な複数の目的を持つ成分が、ターゲット部位の一種類にのみ結合可能な成分の代わりに使用される。選択された成分の特異性は、例えば、化学的プロセスに対する成分の全数、それらのサイズ、及びそれらの従順(amenability)に依存するかもしれない。注目すべきは、成分の幾つかは方向性があり、一方で、その他の成分は非方向性であるという点である。利用可能な場合には、非方向性の結合が方向性の結合よりも好まれるかもしれない。本発明の幾つかの例示的な実施形態では、高分解能レベル及び粗分解能レベルの2つのレベルの測定が使用される。高分解能レベルの測定時に、より特定の成分を使用することができる。本発明の幾つかの実施形態で使用される成分の数を選択的に減少させるための付加的な詳細及び方法を以下に説明する。
下記は、その一つ以上がゲージに取り付けられる可能性のある成分のリストである:
a. 水素結合ドナー。方向性の結合。
b. 水素結合アクセプタ。方向性の結合。
c. 正電荷。非方向性の結合。
d. 負電荷。非方向性の結合。
e. 芳香環。方向性の結合
f. 疎水基。一般に、非方向性の結合であるが、環などの幾つかは、環の平面に垂直の好ましい方向を持つ方向性であるかもしれない。
本発明の他の実施形態では、例えば、ハロゲン、カルボニル、リン酸塩、及び硫酸塩の結合の一つ以上を提供することにより、異なる成分を使用することができる。なお、それらの成分はそれらの化学的親和力で大きく異なり、または、それらは僅かにそれ以下または同等の差であるかもしれない。幾つかの例示的なゲージセットでは、成分親和力の間のわずかな差を使用し、結合種類の間の測定値の差異を微調整する。
方向性結合について、本発明の幾つかの実施形態では、少数(例えば7)のそれぞれの方向性結合が、全ての可能な結合方向を対象範囲とするに十分であるように、結合が十分な空間的柔軟性を有していると想定される。代替的に、より小さいまたはより大きい数の結合を使用してもよい。選択的に、それぞれの方向性結合の数は、ゲージライブラリ中で示されているそれぞれの方向の数である。方向の角度分布は例えば均一であり、または不均一であり、それらは例えば、結合種類に依存する。
疎水性結合には幾つかの異なるサイズが存在し得る。本発明の例示的な実施形態では、異なる成分によって、2つのサイズが選択され且つ表される。また、芳香環は、特大の疎水性成分としての役目を果たすことができる。代替的にまたは付加的に、芳香環は、芳香族の結合と、他の環及び/又は水素結合の幾つかの種類とをマッチングさせるために使用される。
成分及び方向の上述の選択は、結果として25の独自の成分をもたらし、足場に取り付けることができる。成分の典型的なセットを以下に示す。
本発明の例示的な実施形態では、上述の成分の一部分が使用される。用途は、水素結合のドナー及び/又はレシーバの回転柔軟性からなる。そのような柔軟性は一般に化学的な結合確率を減少させるであろうが、水素結合の成分中に使用される水素原子の質量は、確率の減少が少なくとも幾つかのゲージ及び定量法に対する測定方法の結果に物質的に影響を与えないほど、十分に小さい。
代替的にまたは付加的に、回転柔軟性は、芳香環では許容されている。芳香環の質量は大きいが、その環の大きな結合領域は、その環の回転柔軟性を許容することにより引き起こされる結合強さの減少を相殺する。
代替的にまたは付加的に、幾つかの極性結合は単一成分(例えばOH)により表され、水素結合ドナーまたはアクセプタの両方として振舞うことができる。
選択的に、例えば、もし化学情報がなしで行われれば、より一般の成分が使用され、ライブラリ中のより少数の三角形が張る(span)
5.5 1セット中の物差しの重複
本発明の例示的な実施形態では、全体として三角形の空間は、それぞれがそのパラメータ(例えば、結合長、化学親和力)において十分な自由度を有する複数の三角形を提供することにより張られており、その結果、結合点の各三角形配置は、一つの測定可能な程度に対し、三角形の一つに結合すると期待することができる。選択的に、三角形空間の各三角形の対象範囲(coverage)は、他の三角形の対象範囲と重複し、その空間は、対象範囲とされずに残っている部分がない。
以下により詳細に説明するように、本発明の例示的な実施形態では、ゲージライブラリは、結合点の各可能な三角配置が一つよりも多いゲージに表れる(またはそれらのパラメータにマッチングする)ように設計される。幾つかの場合では、正確に一致する三角形を提供することができず、その代わりに、おおよそ一致する三角形が提供される(例えば、同様な成分、辺の長さ)。これらの一致する三角形は、三角形空間中に、同じ対象範囲を有するかもしれないし或いはそうでないかもしれない。例えば、同様な成分と仮定すると、以下の辺の長さを有する2つの三角形が提供される。(3,4,5)及び(3.1,3.9,5.2)。単位はオングストロームである。これらの三角形は、例えば、(2,3,4)から(4,5,6)までの三角形空間の部分を対象とする。
本発明の幾つかの実施形態では、三角形空間の少なくとも幾つかが、対象範囲重複している一組の三角形により張られて(spanned)いる。例えば、三角形空間の同じ部分に対して、与えられる三角形は、(2, 3, 4.5)及び(2.5, 3.5, 5.3)であり、重複を有するが、異なる対象範囲である。
様々な理由で重複は便利であるが、例えば、以下に述べるように、それはライブラリの大きさを増加させる。重複が与えられたとき、使用される再現方法は選択的に、その重複を考慮に入れる。
6.再現
所望のゲージの数だけ処理300(図3)が繰り返された後、ターゲット100へのゲージ400の測定された親和力を選択的に使用して、相互作用領域102の空間的な分布のモデルを再現する。例示的な方法を以下に述べる。
7万5千のゲージライブラリを使用する、特定のターゲット分子に対する典型的な(理論的な)マッピング過程では、約400のゲージがターゲットに結合するであろうことが予測される。ライブラリ中の三角形の繰り返しのために、及び/又は、典型的なライブラリ中の非合同三角形の対象範囲中の重複のために、ターゲット領域により定義され及びゲージにより束縛される実際の三角形の数は、より少なくなることが予測される。一つの(理論的な)例では、ターゲット領域により定義され、且つゲージにより束縛される「実際の」三角形の数は、100個の異なる三角形である。
例えば10点のファーマコフォアを取ると、そのようなファーマコフォアは例えば10×9×8÷6個、つまり120個の三角形を含むであろう。本発明の幾つかの実施形態では、例えば、三角形間の高い類似性(以下、識別能力)のために、または結合の欠如(例えば、立体衝突による)のために、これらの三角形は全てが同一ではない。その10点の構造は、もちろん三角形の100%よりも少ないもので再現され、特に、行方の分からない三角形は不規則に欠落している。例えば、50%の三角形で十分であるかもしれない。
しかし、実際の状況はより寛大である。典型的なファーマコフォアは20点からなり、通常は、良好な結合を提供するために8から10のみを識別することが必要とされる。その結果、8から10の正確な点を含むファーマコフォアのどのような構造も、薬の生成に対し良好な出発点としての役目を果たすことが可能である。また、より少なく識別された点は、例えば以下に述べるように、有益である。
レイアウトを再現するために、様々な方法を使用することができ、本発明の例示的な実施形態では、2段階の方法が使用される。第一に、選択的にクラスタ化のアルゴリズムを使用して、定量の結果から「実際の」三角形が見積もられる。その後、選択的に、採点に基づく探索アルゴリズムまたはクラスタ化アルゴリズムを用いて、その三角形を使用する適切なレイアウトが見出される。他の実施例では、単ステップまたは複数ステップの方法を使用することができる。
6.1 三角形の抽出
本発明の例示的な実施形態では、この処理段階は2段階であるが、他の実施例では、この段階は1段階または2つよりも多い段階を有する。第一段階は、どの三角形単位がマッチングするのかを決定する。この段階は、例えば、各ゲージが複数の三角形を含むという事実のために、決してささいなことではない。しかし、ゲージの間の三角形の繰り返しは、差別化に役立つ。もう一方の、選択的な、処理段階は、物差しにより定義される距離よりもむしろ、実際の距離が関与するということを決定する。例えば、2つの成分間の実際の距離が4.3オングストロームであると、一方で、結合三角形物差しは、その距離が4及び5オングストロームである。本発明の幾つかの実施形態では、結合結果から、実際の距離、4.3オングストローム、を見積もることが望ましい。選択的に、これは、異なる三角形物差しの対象範囲中の重複により提供される。
本発明の例示的な実施形態では、例えばクラスタ化を用いる単一の合成過程において、2段階の処理が提供される。代替的に、2段階の方法を使用してもよい。選択的に、実際の距離を見積もるために使用することによりいずれの物差しが拘束されるかの推定値、及びいずれの物差しが拘束されるかの以前の推定値を改善するために使用される実際の距離を用いて反復方法を使用する。
図5は、本発明の例示的な実施形態よる、どの三角形がターゲットに結合したのかを決定する方法500のフローチャートである。
502では、それぞれの三角形の種類(三角形の成分により定義される)ごとに空間が定義される。それぞれのそのような空間は3次元であり、各空間は三角形の辺の長さを表す。
504では、もし、辺の長さ{x,y,z}を有する三角形の種類を含むゲージが、ターゲットに結合するために示されているならば、表記法は、位置{x,y,z}において空間中に作成される。なお、2つの異なる足場に対し、正確に一致する三角形を生成することは困難であろう。その代わりに、三角形は、例えば、わずかに異なる辺の長さを持つことにより、ほぼ一致するであろう。
本発明の例示的な実施形態では、定量結果は結合か非結合の2進法の入力値として使用される。代替的に、例えば、もしコンフォーマル(conformal)変化が観測され、または、活性及び/又は結合の物差しがあれば、ヒット表記法を使って、連続の或いは複数段階の振幅によって結合長を表すことができる。
本発明の例示的な実施形態では、もし単一ゲージが複数の三角形を含んでいれば、それぞれの関連する空間の一つにヒットが記録される。代替的にまたは付加的に、もし単一の三角形が、例えば成分の親和力の間の重複により、2つの異なる種類の三角形に一致可能であれば、複数の空間中にもそれが記録される。選択的に、その記録の大きさは、ゲージによって記録された空間の数に対して標準化される。代替的にまたは付加的に、異なる大きさが、結合の先天的な確率に応じて、それぞれの空間において提供される。
506では、ヒット表記法は空間の広がり関数に代替される。本発明の例示的な実施形態では、広がり関数は、その広がりにより表される異なる距離における結合を形成しているその三角形の確率を表す。代替的にまたは付加的に、例えば、2つの成分がそれらの親和力中で重複していれば、その広がりは空間の間である。
代替的に、ヒット表示は、広がり関数として、そもそも提供されている。
本発明の例示的な実施形態では、広がりは、
Figure 0005166675
として定義される。ここで、Δxは辺の長さ間の差であり、σxは結合を行うことができるように分子を歪曲する際の難しさを表す値である。本発明の例示的な実施形態では、σxはxの関数であり、例えば、σx=a√xである。例示的な応用では、パラメータ「a」は1.414である。もしかすると、広がり関数は、空間中で不均一であり、例えば、結合の不均一な特性を反映する。選択的に、既知のモデルを有するターゲットとともに、結合間の制御された距離を有するゲージを結合することによって、少なくとも幾つかの広がり関数が実験的に導き出される。代替的にまたは付加的に、そのような実証的定量が、例えば、結合長の柔軟性、成分の複数の化学親和力、及び/又は広がり関数の対称性を決定する等、他の目的に対して使用される。選択的に、ターゲットもそれらの柔軟性に従って分類される。選択的に、反復過程では、モデルが見積もられるとすぐに、ターゲットの柔軟性が見積もられ及び/又は決定され、例えば、テーブルを作成し、そして、使用される広がり関数を補正する。
その後、広がりのヒットは、例えば加算により結合され、結果として、ピークが見出される(508)。本発明の例示的な実施形態では、ピークはそれらの形状に基づいて選択される。代替的にまたは付加的に、ピークは、しきい値を通り過ぎるそれらの振幅に基づいて選択される。このしきい値は、例えば、可能なマッチングを示すために、結合に必要な三角形の数を示すことが可能である。そのしきい値は全ての空間に対して等しくてもよく、或いは異なっていてもよい。選択的に、方法を作り出しているしきい値及び/又は判定は、例えば、上述の実証的定量のテーブルからの、クラスタ化統計データに基づいて選択される。代替的にまたは付加的に、そのしきい値は最小の一致数が見出されるように選択される。選択的に、もし多数の下位しきい値の一致があれば、異なるゲージセットを結合処理に使用する。なお、本発明の幾つかの実施形態では、どのような所定の3重結合点においても、通常、結合することが予測されうる、約12またはそれ以上の三角形がある。例えば、より短い辺及びより長い辺の両方が、それらの間の中間距離にある一対の結合部位に結合することが期待される。さらに、各三角形の種類が複数回(例えば、3回)、そのセット中に現れることができる。幾つかのセットでは、もし各三角形が3倍されれば、三角形空間中のそれぞれの(或いは幾つかの)三角形の点が24個の三角形(すなわち、様々な組み合わせ中でより長い及びより短い辺を有する8個の三角形デザインに3をかける)により対象範囲とされる。付加的な重複があいまいな成分により提供されてもよい。
選択的に、空間とゲージ間の相関関係を分析することにより、幾つかの4点幾何学マッチング(あるいはもっと高い)もまた見出される。
6.2 レイアウト立体配置の再現
図6Aは、本発明の例示的な実施形態による、図5の方法の結果から結合部位の空間的なレイアウトを決定する方法600のフローチャートである。本発明の例示的な実施形態では、その方法は、同定された三角形から構築され得る全立体配置(例えば、三次元形状)を構築すること、及び、採点法を使用して立体配置をランク付けし、最終的に最高点を有する立体配置を選択すること、を含む。
602では、図5で見出された三角形で構成され得る全ての可能な立体配置が構築される。代替的に、全ての可能な立体配置のコンピュータモデルを構築する際に、本発明の例示的な実施形態では、その立体配置がその場限りで生成される。例えば、以下に述べる採点法を用いて、もし有用な点数を得そうなときにのみ、立体配置が構築され、或いはその構築が進展される。例えば、立体配置の解が今までのところ見出された最高点以下の点数であれば、そのより低い解は無視される。
本発明の例示的な実施形態では、構築方法は、一つ一つ構造を築き上げることによるものである。例えば、辺の長さと構造上の一対の成分とが一致している辺及び/又は成分を三角形が有する場合にのみ、存在する立体配置に三角形が加えられる。サイズ差のしきい値は、2つの辺の一致を許容するために定義されてもよい。代替的にまたは付加的に、成分間のマッチングのしきい値が定義されてもよい。選択的に、一致する辺の端部において一致するように、または重複する化学的挙動を有するように、成分が必要とされる。そのようなしきい値は、成分の長さ及び/又は種類、及び/又は、ゲージ及び/又はターゲットの他の性質に依存する可能性もある。注目すべきは、結合部位が両方の結合方法を支持する限り、第一のゲージは、第二のゲージからの異なる結合方法を用いて特定の結合部位に結合する可能性があるという点である。
本発明の例示的な実施形態では、立体配置の構築は、全ての三角形が少なくとも一回使用されるまで、利用可能な(結合)三角形のリストから連続して選択することによるものである。使用される三角形は、度重なる使用のためにリスト中に存在し続ける。代替的に、立体配置は分子を使用することで築き上げられ、それらの各々は下位分子、及び最終的には三角形、から構築される。
604では、各立体配置に対し、点数が計算される。その点数は、選択的に、立体配置を持つターゲットから導かれる定量結果の妥当性を示している発見的な値である。様々な採点法が使用されてもよい。本発明の例示的な実施形態では、その採点法は、立体配置中の三角形の特定の結合、及び/又は、最初の場所に正確である三角形それら自身の確率、に基づいている。
本発明の例示的な実施形態では、点数はそれぞれ共有する三角形の辺における点数の積である。本発明の例示的な実施形態では、2つの三角形の間で共有される三角形の辺における点数は、同じ対の結合部位に結合する2つの三角形の2辺の推定される確率である。本発明の例示的な実施形態では、点数は上述の広がり関数のx、y、z軸に対する積である。代替的にまたは付加的に、例えば、辺の長さの差にのみ基づいて、他の、より簡単な点数を使用してもよい。
本発明の例示的な実施形態では、点数は、三角形の欠如に依存しない。例えば、もし生成された立体配置がどの適当なゲージも適合しない3点を含むならば、立体配置が不正確であることが想定されず、点数も減少されない。代替的に、点数は、例えばその総数に基づいて、立体配置中に見出された及びいずれの適合するゲージ上にも見出されなかった、三角形の存在に応じて減少されてもよい。
代替的にまたは付加的に、幾つかの立体配置は、例えば、レイアウトが典型的にどのように見えるかについて記述している規則等の、経験則に基づいて除外される。代替的にまたは付加的に、例えば、一部分のモデル、または、ターゲットによく結合する分子の知識等、先の情報を使用して、幾つかの立体配置を除外する。
606では、高得点を持つ構造が、ターゲットへの結合部位のマップレイアウトとして選択される。上述のように、602から606は、例えば、探索が進行するにつれてその場限りで築かれる構造を用いて、反復探索及び構築方法として実行され、ある構造がしきい値を越える点数を持つことを示す(その結果、その依存性を示すであろう)。多くの適切な探索方法が、例えば、グラフ探索の技術及びゲームツリーを探索する技術(例えば、チェスをプレーするプログラムに関するもの)等の技術分野で周知である。
6.3 再現の変形例
本発明の例示的な実施形態では、ターゲットは幾つかの活性領域を有する可能性がある。本発明の例示的な実施形態では、再現は、一つのターゲット領域のマップを表すそれぞれのバラバラの部分を用いて、バラバラの立体配置構造を再現することができる。選択的に、もし、十分な三角形(例えば、ゲージ成分)が(種々の理由のために)結合されないバラバラの部分を相互に接続し及び/又は使用されるゲージセット中で利用可能ではなかったのであれば、そのような再現は、単一の活性領域に対してでさえ要求される可能性があり、その結果、連続する構造は適合した三角形から再現不可能である。
選択的に、上述の再現は、再現される立体配置中で三角形が一度だけ現れるようにすることができる。たとえ実際の立体配置中に実際に三角形が2回(或いはそれ以上)現れても、同じ三角形の過剰は、通常、その構造を再現することをその後もなお依然として可能とするであろう。代替的にまたは付加的に、三角形は、一回よりも多く現れることができるが、これは例えば減点する等、得点に影響を与えるかもしれない。代替的に、以下に示すような反復実験の方法は、(例えば、適切な抗体または小分子薬剤を用いて)ターゲットの一部分を妨げるために、及び三角形がさらに適合するかどうかを見るために、使用される。
選択的に、例えば、最終構造またはいくつかの候補の構造を見るために、ユーザの介入が許容される。例えば、もし決定されなければ、例えば、人間の経験と判断、及び/又は様々な種類のターゲットについての付加的な情報等に基づいて、人間は、選択肢の間で選択し、特定の適合及び/又は立体配置部分を強要し、及び/又は考察からいくらかの可能性を取り除くことを要求されるであろう。
注目すべきことは、クラスタ化及び/又は形状再現方法の可能な限りの出力は、双方向の処理への及び/又はさらなる医薬品開発への入力であるという点である。例えば、上述の方法の応用は、完全な結果を形成するためにより正確なデータが不足している点、及び/又は可能な解の間にあいまいさがある点、を示すことができる。
なお、結果としての構造は、三角形の単独使用のために、ミラー(例えば、対称)の両義性を有するかもしれない。選択的に、この両義性は、選択的に可能性の一つとしてのみで結合するために構築されまたは選択された、少なくとも4点またはそれ以上の点を持つ物差しを使用することにより解決される。代替的にまたは付加的に、立体衝突の影響は、2つの可能性の間を区別するために使用される。代替的にまたは付加的に、事前の情報はそれらの間を区別するために使用される。
6.4 代替的な再現の方法
図6Bは、本発明の例示的な実施形態における、形状再現のためのクラスタ化を使用する代替的な再現方法のフローチャート620である。
622では、図5の定量法及びクラスタ化で結合することが見出された、その見出された三角形のセットから三角形が選択される。この三角形は、構造を構築するための基礎として使用される。
624では、残りの見出された三角形から、一組の三角形が選択され、その結果、2つの三角形が辺を互いに共有し、また各三角形が辺を構造の一部と共有する(例えば、構造の2つの辺のいずれが、例えば実施形態に依存する同じ三角形の辺であるかどうかわからない)。三角形の対がその構造に加えられるとき、その構造は空間中の一点によって増大する。
624は、三角形の対を加えることができなくなるまで(626)、繰り返される。これは、一つの潜在的な構造を完成する。
しばしば、三角形の対を選択するために及び/又はそれらをどこに加えればよいかを決定するために、624において為される幾つかの可能な選択がある。628では、三角形の対とそれらの位置とのそれぞれ可能な選択に関して624及び626を繰り返すことによって、可能な構造のツリーが実行される。このプロセスは、選択に対して複数の三角形対を利用可能な度に及び/又は異なる位置にそのような対を取り付けることができる度に、複数のスレッドを発生させることにより、推測的に行われてもよい。
630では、基礎として全ての可能な三角形を選択することによって、622から628までが順に(または並列に)繰り返される。代替的に、三角形から全ての可能な構造を生成する他の方法が使用されてもよい。選択的に、例えば、もし構造が明らかに不適切であり或いは三角形の大部分の割合(例えば、30%、50%、70%、またはそれらのより少ない、中間、より大きい値)を利用することができなければ、その構造は切り離されるという、切り取り方法(pruning method)が使用される。一般的に、無視することができる三角形の数が多ければ多いほど、構造を提供することがより簡単になるであろう(例えば、ノイズのある状況の下でさえ)。しかし、その構造は、定量結果による束縛があまりないであろうし、信頼性が低いかもしれない。
632では、全ての下位構造が、生成された潜在的な構造中で見つけられる。選択的に、例えば、最大のものだけ又はあるサイズを越えるものだけ等、その下位構造の幾つかのみが見出される。本発明の例示的な実施形態では、応用される方法は、最もありそうな構造を見つけるための最大の見込みアルゴリズム(maximum likelihood algorithm)である。
634では、下位構造が見出された構造を表す各点を用いて、これらの下位構造がクラスタ化される。本発明の例示的な実施形態では、クラスタ化空間が三角形の種類(例えば、三角形上の成分の種類)ごとに定義され、その空間は三角形の辺により張られている。その結果、例えば、それぞれの点の3つのデカルト位置により決定される空間中の位置を用いて、下位構造と同数の成分の種類を有する空間中で、20点の構造のうち10点の下位構造がマークされる(例えば、10点の下位構造に対して30の次元)。一つの方向を持つ基礎の三角形となるある三角形を選択することにより、選択的に様々な方向が取り扱われる。代替的にまたは付加的に、異なる方向から導かれる結果を比較できるように、回転対称方式中の(或いはその結果分析された)構造を用いて空間がマークされる。典型的なアルゴリズムは、R. Nussinov, H.J. Wolfson, “Efficient Detection of Three Dimensional Structural Motifs in Biological Macromolecules by Computer Vision Techniques”, PNAS, volume 88, pp. 10495-10499, December 1991に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれている。
636では、最良の下位構造が選択される。もし下位構造が十分に一般的で且つ十分大きければ、それは正確であり有用なものであることが想定される。本発明の例示的な実施形態では、しきい値が適用され、最小のサイズを越える構造及びクラスタを有するそれらの下位構造のみを選択する。例えば、三角形の対のマッチアップ(このマッチアップは、前もってセットされたしきい値を用いて、構築中にしきい値が設定されてもよい)の蓄積された点数に基づくスコアリング等、他の選択方法も使用されるかもしれない。
代替的に、多数の共通な下位構造を見出すための他の方法が使用される。
なお、クラスタ化法は、全ての三角形を使用しない構造を生成し完全ではないが、ファーマコフォアの完全なマップは、例えば、リードの生成及び発見に関する、本発明の多くの実施形態にとって本質的要素ではない。
7.分析
7.1 総括
ターゲット領域を測定し再現する上述のプロセスを使用して、幅広い範囲の情報を提供することができる。情報の質及びその種類は、性質を変化させるためのものである。以下は、その情報を分類するために使用することができるパラメータの典型的な種類である:
(a) 完全性。例えば完全なターゲット領域モデルか領域の一部分のみのモデルかなど、完全または不完全であるかという情報。
(b) 事実上か統計上か。事実にもとづく情報の見本は正確なモデルである。統計にもとづく情報の見本は可能なモデルの組に対する相対的な確率の組である。
(c) 非依存性。例えば正確なモデル等の他の情報とは独立している情報、或いは、例えばその正確な値が付加的な情報によって決まるというパラメータ的なモデル等に依存している情報。さらに、上述の方法を使用して導かれる情報が、異なる過程に対する部分的な情報として使用され得る。
(d) 具体性。情報が他の情報により支持され、或いは、情報がそれ自身に基づき又はまさに他の情報と対立しているかもしれない。
(e) 肯定性。もし望ましければ、何が存在しているかを示すという点で、肯定的である情報、または、ある確率をたたき出すために最初に使用することができるという点で、否定的である情報。
集められた情報は結合部位についてのものであるかもしれないが、幾つかの場合では、その情報は同様に、非結合部位におけるターゲットの幾何学形状に関係している。以下に説明するように、例えば、幾何学的な構造もまた、薬のリードの実用性に影響を与え得る。
本発明の幾つかの実施形態では、例えば、ゲージの相対的な結合親和力、及び/又はそれらの化学的挙動(例えば、pH依存)等、ゲージそれら自身についての情報を得るために、分析が使用される。そのような情報は全体的であるか、または、例えばタンパク質のグループによって異なり且つグループ内で同じ、ターゲットのグループに対してのものであるかもしれない。
理解できるように、そのように幅広く変化する情報の範囲は、それらの幾つかが以下に記載されている多くの分析方法に対し、及びまたそれらの幾つかが以下に記載されている多くの応用に対して影響を受けやすい。特に、幾つかの典型的な分析方法が、ターゲット領域についての、また誤差検出および分析に対してのさらなる情報を集めるために導かれ、幾つかの典型的な応用が創薬プロセスの一部分として組み込まれる。
幾つかの場合では、分析の結果が、幾何学的及び/又は化学的な情報として再現に組み込まれる。代替的にまたは付加的に、情報は、例えば、薬のリードに使用されるそれと同様な方法で、再現及び/又はターゲットに関連付けられる。この方法は、通常、情報を記憶するために使用されるデータベースの形式に依存する。
7.2 再現の照合
本発明の例示的な実施形態では、誤差の大きさ及び/又はレイアウトの形状が決定される。一つの実施例では、再現されたレイアウトが分析され、使用されたゲージセットに対する理論上の結合の値が生成される。これらの理論上の結合の値と実際の結合の値の間の差を使用して、正確でないレイアウトの一部を示すこと、及び/又は、レイアウト及び/又は再現プロセスの不正確さを全体として示すことが可能である。
代替的にまたは付加的に、例えば、付加的な試験方法を適用することにより及び/又は選択肢間でまたは照合に対して選択するためにライブラリを定量することにより、物理的な照合が適用される。
7.3 結合強度
本発明の例示的な実施形態では、生成されたレイアウトが分析され、ターゲット領域中の結合点の相対的な結合強度が見積もられる。本発明の例示的な実施形態では、再現されたレイアウトがモデル化され、ゲージセットに対する理論上の結合の値が計算される。ターゲット領域の減少するまたは増加する親和力によって、実際の結合の値の変動が部分的に生じ得る。結合の確率に影響を与える多くの変数があるので、そのような見積もりは一般的に事実上、統計的である。しかし、もし結合長と種類が知られており、ターゲット領域中のゲージの正確な位置を決定(例えば、そのエネルギー的な因果関係)することができれば、それよりもむしろ、結合強度の少なくとも一つの統計的な分析が提供されるであろうということが期待される。選択的に、既知の挙動を有する分子を分析することにより、また、異なるまたは同様なゲージ三角形の結合を比較することにより、ベースラインが提供される。
7.4 中間結合相互作用
本発明の例示的な実施形態では、分析を用いて、異なる結合点の結合の間の相互作用を決定する。例えば、そのような分析は、予測されること(例えば、エネルギー及び他の計算に基づくこと)と比較されるので、及び/又は、異なるゲージの結合に対するその結合点の明白な寄与と比較されるので、結合点の寄与をあるゲージの結合と比較することができる。これは、例えば、隣接する相互作用部位の親和力に基づく一つの相互作用部位への結合の影響を示すかもしれない。選択的に、そのような相互作用は、ターゲット中の電荷分布のモデルを用いて、見積もられ及び/又はモデル化される。
7.5 幾何学的分析
幾つかの目的に対して、及びある程度の精度のために、決定されたレイアウトが検討され、ターゲット領域の外観(cast)になる。本発明の例示的な実施形態では、ターゲット領域の幾何学形状が分析される。より低い親和力を用いて、どのゲージが結合しなかったか或いは結合されなかったかを決定することによって、付加的な情報が提供されるかもしれない(結合幾何学形状が同様であれば、それらは、本発明の幾つかの実施形態において、立体衝突によるものであると想定される)。これは、ターゲット領域の幾何学形状をさらに明確にする際に役立つかもしれない。なお、レイアウトの幾何学形状から幾つかの立体衝突を予測することができる。他の明らかな理由を有さず及び決定された幾何学形状に一致させるべきであったどのような不成功の結合も、顕著な結合点を定義しないという問題の予測に起因するものと考えることができる。このことは以下でより詳細に説明する。
本発明の例示的な実施形態では、幾何学的な分析を使用して、領域104(例えば、図4B中で矢印400が示す場所)への入り口穴の大きさを決定する。その穴の入り口における小さい穴及び/又は特定の成分は、ある薬の大きさ及び/又は種類の可能性を除外することができる。代替的にまたは付加的に、幾何学的分析は、例えば、それが作用することができる基質の大きさに基づいてターゲットを分類するために使用される。本発明の例示的な実施形態では、幾何学的分析(例えば、基質決定に対するもの)は、ターゲット領域104中の成分の化学的な分析により支援される。また、幾何学形状の決定は、小分子及び/又はゲージのマーク付けの方法が(例えば、もし入り口穴が小さければ、大きな蛍光マーカーを使用しないように)機能可能であるということを決定するのに役立つかもしれない。
当然のことながら、幾つかの場合では、ターゲット領域の幾何学形状を再現することが、逆にその化学的結合パターンよりもむしろ簡単であるかもしれない。
7.6 立体衝突の測定
本発明の例示的な実施形態では、分析過程中に立体衝突が検出され、及び/又はターゲットについての付加的な幾何学形状及び/又は化学情報を提供するために使用される。本発明の例示的な実施形態では、結合プロセス中の立体衝突は同じ三角形を有する異なるゲージの親和力を比較することにより決定される。この比較は、選択的に、一つ以上の入り口穴の大きさ、ゲージの化学的挙動、結合幾何学形状及び/又は他の結合部位へのマッチングの程度を考慮に入れる。立体衝突は、例えば、ゲージとターゲット分子の近似又は可能な重複が結合の親和力を減少させるときに生じる。
ゲージの形状がわかっているので、本発明の幾つかの実施形態では、比較的硬い立体衝突が、ゲージ及び/又は足場自身の無関係な成分に起因していることを予測することができる。
本発明の例示的な実施形態では、立体衝突を使用して、ゲージ原子に干渉するターゲットに近い位置のマップを生成し、その結果、場合により、ターゲットの(例えば、原子、電界により)占有された部分を示すことが、或いは示さないことが、顕著な程度に、任意のゲージとの結合の相互作用を明らかに引き起こす。
本発明の例示的な実施形態では、そのマップが使用され、ターゲット100中の活性領域の形状についてのさらなる情報を提供する。代替的にまたは付加的に、例えば、同じ立体衝突を有する可能性のある薬をフィルタリングすることにより、そのマップを使用して、医薬品の開発に役立つようにする。選択的に、薬の幾何学形状を、良好な結合を有すべきまたは結合しなかったゲージの幾何学的形状にマッチングさせることによって、フィルタリングの幾つかのレベルが簡単に達成され得る。
また、幾何学的な及び/又は化学的な親和力の分析を使用し、例えば、明らかに知られていなければターゲットの天然基質の形状を決定し、及び/又は、基質のどの部分が領域104によりはめ込まれるかを決定する。
7.7 制御領域の識別
本発明の例示的な実施形態では、結合の結果及び/又は再現が分析されて、ターゲットの一つ以上の制御領域を検出する。通常、制御領域は、ターゲットの「主要な」基質に結合せず、その代わりに、個々のホルモンまたは他の修飾分子に結合する。この補助的な結合は、典型的に、ターゲット領域の結合の挙動に影響を与える。
本発明の例示的な実施形態では、制御領域は、それらのサイズによって、及び主要なターゲット領域レイアウトの再現からのそれらの分離によって、特定される。代替的にまたは付加的に、制御領域は、ゲージ内部の結合依存性を検出するために、ゲージの対を用いて結合を試験することにより特定される(または、選択的に選択された先験的なまたは制御領域の存在の検出後の種々の分子の存在中で)。代替的にまたは付加的に、制御領域は、再現されたレイアウトの形状から特定される。代替的にまたは付加的に、制御領域の存在は、再現中に必要とされない及び/又は適合しない残りのゲージ結合があることにより検出される。
本発明の例示的な実施形態では、制御領域に結合することが望ましい或いは望ましくないかどうかに依存するとき、制御領域の差分同定を使用して、潜在的な薬のリードをスクリーニングすることができる。
7.8 他のマップ分析
本発明の例示的な実施形態では、ターゲットのマップまたはモデルが分析され、他の情報を生み出す。例えば、上述のように、制御領域または活性領域からの結合点の距離は、発展された薬の種類に影響を与える可能性がある。例えば、アゴニスト等の、制御領域中で結合する薬は、ターゲット上で増進する効果を有するかもしれない。制御領域または活性領域の近く、または活性領域内部で結合する分子は、ターゲットに信号への感度の低下をもたらし、及び/又は例えばアンタゴニスト作用等、作用することができなくなるかもしれない。その結果、本発明の例示的な実施形態では、ターゲット上の結合領域の位置を使用し、どの程度の治療の効果を開発された薬から期待すべきかを決定する際に役立てる。例えば、ターゲット領域に近い結合領域は、そのテールがターゲット領域へのアクセスを妨げる薬を示しているかもしれない。
他の実施例では、ターゲット領域の外部にある結合領域を、薬の設計を増進させるために使用することができる。薬は、ターゲット領域に結合する部分、及びターゲット領域の外部に結合する部分を含んで構築される(または、発見される)。結合領域の組み合わせは、それぞれの領域により個々に提供されるよりも大きい結合活性を提供し、同時に、ターゲット領域中で結合する分子の一部は所望の治療効果を提供することができる。代替的にまたは付加的に、2つの別々の領域に結合する分子は、ターゲット分子中で、コンフォーマル変化を引き起こす或いはそのような変化を妨げる。
8.創薬プロセス中の使用
8.1 総括
創薬は、病気を治療するための医薬品を見出すために、非常に長期且つ費用のかかるプロセスである。そのプロセスは、薬により影響を受けるターゲットを明らかにすることから始まり、ターゲットに影響を与える潜在的な薬を見つけ、その後、その潜在的な薬のどれが安全で且つ信頼できるかを決定する。しばしば、適切な薬が見出されず、薬の候補の一つが、より適切なものとされるために様々な方法で改良正される。創薬プロセスの困難さの一つの原因は、何の分子がターゲットに影響を与えるかを知る際の困難さである。以下に述べるように、本発明の幾つかの実施形態では、本発明の方法は、この困難さを一部分だけでも減らすために使用される。困難さの他の原因は、それらを不適当及び/又は予測不可能なものにならしめる潜在的な薬の多くの予期せぬ副作用である。さらに、以下に述べるように、本発明の幾つかの方法を使用して、この困難さを一部分だけでも減少させる。
典型的に、創薬方法は、2つの問題に解答しようと試みている。第一は、ターゲット分子に強く結合し且つ影響を与える薬分子が何であるかということである。第二は、これらの薬分子が、臨床試験中に結果として成功となる、適切なADMETプロファイル(ADMETは、吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排出(Excretion)、毒性(Toxicity))を有するということをどのように確かめればよいのかということである。本発明の例示的な実施形態では、以下に記載される方法、物質、及び/又は装置を使用し、ADMETを改善するものと知られまたは信じられている化学的な特徴を持つ潜在的な薬分子を選択、設計、及び/又は目的とする。Lipinskiの法則が一つの例である。当然のことながら、分子のどの部分が結合に関係していて、どの部分が関係していないかを知ることによって(例えば、分子とターゲットのモデルとを比較することによって提供されるように)、その一つが、潜在的な薬のリード化合物を、しっかりと結合するように及び/又は任意の明確な性質に対応するように、より簡単に改良する(または予め計画を立てておく)ことができる。
一般に、上述の方法と特にターゲットの様々なモデルとは、マップと一致する分子または探索方法を選択する際、及びマッチングしないそれらを排斥する際に役立つ。例えば、理論を確認するためにマッピングの付加的なステップを使用する等、上述の測定プロセスの他の使用もまた、以下に記載されている。予測できるように、創薬のそれぞれの方法(従来のまたは新規の)は、本発明の例示的な実施形態の使用により、異なって影響を受けるかもしれない。
当然のことながら、本発明の種々の実施形態は、自動化した方法で実施することができる。しかし、莫大な費用を検討しなければならないため、本発明の幾つかの実施形態では、その適用は、半自動化である。例えば、特定の一般化された及び漠然とした基準がマッチするかどうかを決定することである人間の判断の使用をいまだ許容すると同時に、フィルタリング段階或いは候補生成段階等を加えることにより発見プロセスを変更するための方法を使用する。幾つかの場合では、例えば、リードのマッピング及び/又は排斥が手動で行われる、種々の段階を用いる、人的知能を用いて全プロセスが制御される。例えば、しきい値を変更すること及びあるステップをやり直すことは、人間に用意された決定の例である。
8.2 薬の生成
創薬の一つの比較的新しい種類は実際には、所望の機能を持つように新しい分子が設計される、薬の生成である。本発明の例示的な実施形態では、上述のターゲットの化学的及び/又は幾何学的マップを使用して、このプロセスを援助する。例えば、薬の活性な部分がどんな形状を持たなければならないか(または、可能な形状の範囲を制限する)ということを示すことにより、合成を援助することができる。
本発明の例示的な実施形態では、薬の合成は、ライブラリからゲージを取得すること、そして、例えば、成分に置き換える等、それらを改良することを含み、その結果、それらはターゲットにさらに適合する。幾つかの場合では、その置換した成分は、同じ親和力を持つが、異なる結合活性を持つ。それは例えば、水素結合ドナーに対してNH2またはOHを選択し、疎水性の成分に対して最適なサイズを選ぶことである。当然のことながら、成分の分類に基づく強度はまた、例えば、水素ドナーの複合的な強度または疎水性の成分の複合的なサイズ等を提供することにより、ライブラリ構成中に使用される。一つの可能性のある使用は、成分間の結合活性のより良い均一性を達成することである。他の使用は、より精度の高いライブラリを提供することである。
本発明の例示的な実施形態では、薬の合成に使用するための足場及び/又は分子の部分が、ターゲットマッピングプロセスの結果として構成される。例えば、ターゲットの幾何学形状を分析することによって、ターゲット空間のほとんどを(取り付けられた成分と共に)張る一組の足場が見出されるかもしれない。特定の足場は、例えば、ライブラリ中のゲージを見つけるための以下に記載されるプロセスと同様なプロセスを用いて、予備の足場から構成されるかもしれず、また化学物質のライブラリから選択されるかもしれない。成分のセットまたは成分のクラスタは、ターゲットグループ中でまたはターゲットの全般リスト中で成分がどのように同時にクラスタ化するかの統計的な分析に基づいて、選択されるかもしれない。選択的に、その統計は、多くのターゲットのマッピング全体から収集されるかもしれない。選択的に、ターゲットは、期待される今後のターゲットのために模範的となるように選択される。もちろん、幾つかの場合では、完全な薬はそのような合成方法を用いて生成されないが、合成薬物は、薬の増強にとって良好な出発点となり得ることが期待される。
8.3 リードの生成
しばしば、薬物合成よりも簡単なのがリードの生成である。リードは適切な薬となることが期待されていないが、生成され、その後技術的に周知のプロセスを用いて、増進され、改良される。本発明の例示的な実施形態では、マップは、薬のリードとしての合成に対し、潜在的な分子を表現するために使用される。本発明の例示的な実施形態では、マップは、結合のセットとして使用され、探索は制約を満たす分子を見つけるためになされる。付加的な制約は、例えば既知の合成方法等であり、出発点として使用されている基礎分子の形式である。使用できる典型的なソフトウェアはMSI(米国)により販売されているLUDIである。LUDIシステムは、要求されたファーマコフォアのマッチングまたは他の分子を得るために、基礎化学の化合物を同時に取り付けることにより機能する。
その後、潜在的な分子は、当技術分野で周知の方法で、合成され、薬に発展する。
代替的な方法では、潜在的な薬分子は、ゲージライブラリの分子または適切な成分または構造を有する他の分子を同時に結合することによって構成されてもよく、その結果、生じる分子は単一ゲージよりも高い親和力を有する。その後、この分子は、例えば、種々の所望の性質を提供するために、不必要な成分を取り除くことにより及び/又は成分を加えることにより、最適化されるかもしれない。選択的に、ゲージは、互いに直接的にというよりはむしろ、足場を用いて取り付けられる。選択的に、(例えば、クラスタ化を用いて)ゲージが結合するものを分析することにより、結合する断片の所望のサイズ及び/又は化学的性質のよりよい見積もりを行うことが可能である。例えば、同時に結合するための2つのゲージの選択は、例えば2,4,5,6またはそれ以上の、付加的なゲージ(または他のゲージ)の実際の結合に基づくものであるかもしれない。結合するそのようなゲージのセットに対して、最良のゲージまたは他の分子が結合のために選択される。代替的にまたは付加的に、より高度な特定のゲージを使用して、実際に結合されているゲージの幾つかの可能な三角形の物差しのいずれかを決定する。そのようなより高度な特定のゲージは、例えば、既存のゲージから成分を取り除くことによって(または当技術分野において周知のいずれの方法をも使用するそのようなゲージを生成することによって)、生成されるかもしれない。また、そのようなより高度の特定のゲージは、例えば、クラスタ化統計値を改善するため等、本発明の他の実施形態において使用され得る。しかしながら、一般的に、可能なそのようなゲージの数が比較的多いために、それらは、可能な三角形の範囲を制限する方法があるときに使用される。代替的に、多数のより特定のゲージ、例えば、1,2,3または4つの三角形を有するゲージは、ゲージのライブラリとしてまたはライブラリの一部として使用するために作られる。
本発明の例示的な実施形態では、ターゲットの構造の知識を使用して、リンカーを正確に位置づけ、及び/又は、ターゲットとの立体衝突を受けない適切なリンカーを選択する。
本発明の例示的な実施形態では、ゲージが選択され、実際にモデルを構築することなしに結合する。その代わりに、実際に結合するゲージは、同時に選択され結合される。代替的に、モデルを使用して、どのゲージが結合するか、どのようにそれらに結合するかを決定する。また、そのようなモデルは、例えば、どの断片が結合するか、結合のどのような長さを提供するか、どこに取り付けるか及び/又はどの向きに取り付けるのかの選択を導くため、背景技術に記載したような他のリード結合スキーム中で使用される。選択的に、リードは、段階中にゲージから構成され、そして、各段階が試験され、それがその期待される挙動に合うかどうかを見る。
代替的にまたは付加的に、以下に提供されるようなモデルを使用する代わりに、例えば、X線結晶学及び/又はNMRを用いて生成される、ゲージが結合するターゲットのモデル、モデルの異なるタイプが使用される。複数のゲージのそれぞれに対して一度生成されるこのモデルを使用して、例えば、いつゲージからリードを作るかを提供するためにどんな結合距離及び種類かを決定する。代替的にまたは付加的に、新たな分子は、例えば2つ、3つまたはそれ以上のゲージに結合するように結晶学的モデルにより示される位置の幾つかまたは全てにおいて結合点を持つように設計され、構築されてもよい。一般に、この種類の方法は、実際の適合情報が利用可能なので、いったん結合したターゲット−ゲージ対の立体配置がわかれば、正確なモデルは不必要であるかもしれない。代替的にまたは付加的に、以下に示されるように、測定値を、結合ターゲットから得ることができる。
8.4 リードの説明
本発明の例示的な実施形態では、マップを使用して、ターゲット上に影響を持つことが期待される分子の一つ以上のプロファイルを記述する。本発明の例示的な実施形態では、その生成されたプロファイルは、一つ以上の以下のことを考慮している:
(a) 相互作用部位レイアウトの幾何学形状;
(b) 相互作用部位の親和力;
(c) 活性領域への入り口の大きさ;
(d) ポテンシャル制御領域の同定;
(e) 合成能力;及び、
(f) 拡張性、例えば、付加的な成分を取り付けることができることに対するもの。
典型的に、分子は、ナノモル濃度でターゲットに影響を与えるために、ターゲット中でドッキングするのに十分な強度を形成するための少なくとも5つまたは6つの結合を必要とする。正確な数は、例えば、相互作用部位の親和力により決定されてもよい。単一のターゲットは、一般に、多数の可能なプロファイルを提供するであろう。これらのプロファイルは、例えば、当技術分野において周知の方法を用いて、ライブラリに対してマッチングさせることができる。
本発明の例示的な実施形態では、そのプロファイルは、特定の探索ソフトウェア及び/又はライブラリデータ構造に適合するフォーマットを用いて生成される。本発明の例示的な実施形態では、ファーマコフォアを用いてによって探索することは、例えば、(3Dデータベースを探索するときに)MDLからのISISベース中で知られるように、提供されている。
8.5 リードの探索
本発明の例示的な実施形態では、マップを使用して、可能なマッチングに対し、既知の分子のライブラリを介して探索する。場合により、マップは、周知の仮想のスキャン技術において、ターゲットの分析的なモデルの代わりに使用される。本発明の例示的な実施形態では、ライブラリが前処理され、そのライブラリ中の分子は、レイアウトモデルの成分及び幾何学形状、及び/又はターゲット測定時に使用されるゲージに関連して表現される。代替的にまたは付加的に、既存のライブラリが前処理され、例えば各分子が測定ゲージに基づくパラメータモデルとして定義されている等、その内容の互換性のあるゲージの記述を生み出す。なお、この記述は、例えば、化学的挙動を持つ成分間に幾つかの重複があるので、同じ分子が2つの異なるセットの成分を用いて記述され得る等、一対一のマッピングではないかもしれない。
本発明の例示的な実施形態では、潜在的なリードが、マップによって示されるように、要求された位置において多数の成分を含んでいるまたは含むことが可能であるそれらに基づいて識別される。一つの実施例では、探索は3点またはそれよりも多い(例えば、4,5,6,7またはそれ以上)マッチングに対して為されている。他の実施例では、ライブラリ中の各分子は、要求される位置中にある成分の数に対して、及び不足している成分を取り付けるための取り付け点の有効性に対して、試験される。本発明の例示的な実施形態では、不足している成分は、適切な薬のリード(例えば、十分に強い結合)が創出されるまで、一つずつ加えられる。
典型的な探索は、MDLによるISISベースによって実行される。
探索の一つの可能な形式は、それらをファーマコフォア点の集合及び/又は部分集合に分け、クエリー中に定義された許容範囲内でのフィットを探して、探索する全ての利用可能な3D構造を詳しく調べることを含む。
8.6 リードの排斥
本発明の例示的な実施形態では、上述の方法の結果は、適切であると思われないリードを排斥する際に使用される。一つの実施例では、上述のモデルが結合及び/又は立体衝突の不足を暗に意味する場合に、リード(またはリード群)が排斥される。他の実施例では、もしリードが適切であれば、リード上の成分の一つの(または他の数の)三角形に対応するゲージがターゲットに結合すると期待されるという仮説が作られる。もしそのようなゲージが見つけられない、若しくはデータの分析がゲージ中の3つの成分の三角形の結合の確率が起こりそうでなかったということを暗に意味すれば、そのリードは排斥され、または付加的な精密調査がなされなければならない。また、代替的にまたは付加的に、あるゲージのマッチングは、リードが不適切であることを示すかもしれない。
一つの実施例では、当業者は提供される情報を使用して、特定のリードが(適度に)最適化されることが可能であるかもしれないかどうかを決定することができる。例えば、一つは、特定の成分を直接的に付加するまたは取り除くことにより(例えば、分子中での小さな変化の主な種類となるためにしばしば考慮されること)、親和力を著しく改善できることが期待される(しばしば、少なくとも3から4桁が要求される)。変化があるべき或いはあり得ることを知ることによって(例えば、どこで付加的な点が加えられることを必要とするか、どの情報が本発明の幾つかの実施形態によって提供されるかもしれないか等)、それは、例えば正しい位置で推測上の取り付け点を有して、一つの特定のリードがその要求される変化を経ることができるかどうかを見ることができる。(例えば、拘束される)特定のゲージは、その要求される変化が可能であることを示すであろう。
また、これらの方法は、リード増進プロセス中に生じる、あるリードの改良を排斥するために使用されるかもしれない。
なお、幾つかのリード排斥方法は、利用可能である全ての可能なゲージ及び/又は三角形の物差しを必要としない。どちらかといえば、たとえ部分的なライブラリであっても、例えばあるリードを排斥するために利用される。一つの実施例では、部分的に張るライブラリが使用されて、部分的なマップ(例えば、空間、非結合及び/又は全く結合していない点の一部等)を生成する。この部分的なマップは、幾つかのリードを排斥するために、及び/又は他のものの潜在的な適合性を示すために、また探索用に、使用される。さらに、単一ゲージの結合または結合の失敗でさえ、リードの安定性または安定性の欠如を示すかもしれない。一般的に、この段階での全ての化学的プロセスに関する不確かさのために、決定は単一結合定量法に基づいてなされない。
8.7 目標とされるマッピング
本発明の幾つかの実施形態では、ゲージの結合は、発見プロセスの中に定量される。一つの実施例では、その結合は、リードに関する理論または想定を検証するために使用される。例えば、もしあるリードが適切なものであると予測されれば、幾つかの特定のゲージのうちの少なくとも一つが結合することが予測される。リードは、例えば、そのような目的とされる結合がどれくらい良好であるかに基づいてランク付けされる。代替的にまたは付加的に、レイアウトの一部は、発見プロセスの結果として再マッピングされてもよい。例えば、発見プロセスは、レイアウト構造の矛盾している証拠を示すかもしれない。他の実施例では、例えば、2つの成分間の距離をより正確に決定するために、レイアウトの一部のより高分解能なマッピングが要求されるかもしれない。幾つかの場合では、ゲージの全集合を用いて分析する代わりに、ゲージは、レイアウトの特定の所望の部分に最も結合しようとする(または結合しようとしない)ものに基づいて選択される。例えば、レイアウト上の2点間の距離を決定することが必要であれば、レイアウトの他の点においてより結合しなさそうなゲージが選択される。他の実施例では、使用される成分は、例えば化学的挙動のより限定された能力の範囲を有し及び/又はより大きな方向性を有することで、より特定される。これは、異なる足場を使用することを必要とするかもしれない。場合により、そのような再マッピングのために使用されるゲージは、例えば予期しない結合確率を減少させるために、1つから3つの間である、ゲージごとにより少ない三角形を有している。代替的にまたは付加的に、好ましくない位置で立体衝突が結合を妨害しないように、ゲージが選択される。幾つかの場合では、これらのゲージは、最初にレイアウトを決定するために使用される基本的なマッピングのライブラリ中にはない。幾つかの場合では、要求されるゲージは、既存のライブラリから選択されるというよりはむしろ、その場限りで合成される。
8.8 ターゲットの適切な試験
本発明の例示的な実施形態では、マップを使用して、薬に対するターゲットとなるためのターゲットの適切性を決定する。適切性の値は例えば2進法であり、または等級分け(不連続或いは連続)されるかもしれない。本発明の幾つかの実施形態では、適切性の値はスカラー量ではなく、例えば、適切性の異なる側面を示すベクトルのそれぞれの要素を持つベクトル量である。同様な構造が、リード及び潜在的な薬の適切性を示すために使用され得る。
ターゲット適切性試験の用途の一つの実施例は、複数の潜在的なターゲットがある場合である。例えば、ある種の病気では、複数のターゲットタンパク質の間で選択する、或いは一連のタンパク質合成の異なる部分を選択する可能性がある(例えば、DNA転写、タンパク鎖の創造、タンパク質の折り畳み、タンパク質の後処理、及びタンパク質の配置など)。これらの潜在的なターゲットの幾つかは不適当であるかもしれない。
本発明の例示的な実施形態では、マップが分析され、例えば(幾つかの処置形式に対し)大き過ぎる活性領域を持つターゲットを排斥することによって、そのような適切性を検出することができる。ターゲット領域の大きさは、レイアウトの幾何学的形状から見抜くことができる。代替的にまたは付加的に、ターゲットは、大きすぎる活性の(非特定の)ターゲット領域を持つために、不適当であると判断されるかもしれず、またそれは、例えば決定されたターゲットレイアウトの特異性を分析することにより、決定され得る。代替的にまたは付加的に、ターゲットは、親和力が非常に弱い活性領域のために、不適当であるとみなされるかもしれない(例えば、多くの結合点をもつ大きな薬分子を必要とするかもしれない)。代替的にまたは付加的に、ターゲットは、ハウスキーピングタンパクとの類似点のために、不適当であると見なされるかもしれない。この類似点は、ターゲットのレイアウトを既知のハウスキーピングタンパクのレイアウトと比較することにより決定することができる。任意の人間のタンパク質との類似点は、前もって潜在的副作用を決定する際に役立つ可能性がある。リードの等級付けでは、リードは、ハウスキーピングタンパクを妨げるその可能性に基づいて評価され、選択的に、ハウスキーピングタンパクのモデルレイアウトに対しリードの結合をチェックすることにより決定される。
本発明の例示的な実施形態では、ハウスキーピングタンパクのレイアウトのデータベースが提供される。そのようなデータベースは、当技術分野において周知の方法を用いて得ることができる。代替的にまたは付加的に、そのデータベースの少なくとも一部分が、ハウスキーピングタンパクを体系的にマッピングすることによって提供される。代替的にまたは付加的に、そのデータベースの少なくとも一部分が、タンパク質により影響を受ける基質の構造の知識に基づいて、活性領域に関する幾何学形状または可能な幾何学形状の範囲の「最悪な状態の」ターゲット領域を生成することによって提供される。また、そのような最悪の状態のターゲット領域は、幾つかの再現のうちどれが正しいかを決定する際に役立つ事前の情報として使用されるかもしれない。
8.9 ターゲットの区分
本発明の例示的な実施形態では、マップは、潜在的な「正確な」ターゲットになるようなターゲットの部分を識別するために使用され、その上で、創薬方法に焦点を当てることができる。ターゲットは、全体として、薬により影響を受けるものであるが、例えば、異なる薬が活性領域の異なる部分をブロックする等、多くの方法で影響を受けるかもしれない。代替的にまたは付加的に、幾つかの薬はコンフォーマル変化を引き起こす。代替的にまたは付加的に、幾つかの薬は、ターゲット上の制御領域と相互作用する。代替的にまたは付加的に、幾つかの薬はアゴニストであり、一方で幾つかはアンタゴニストである。代替的にまたは付加的に、幾つかの結合領域は、直接の活性よりも、(例えば、分子をターゲット領域のより近くに取り付けるための基礎として)中継に利用される。結合領域は、それらの領域に結合する分子から予測することができる効果の種類に基づいて、分類されてもよい。この分類は例えば手作業であってもよい。代替的にまたは付加的に、例えばターゲットのテンプレート構造(例えば、タンパク質の特定のクラスに対して、タンパク質の各領域が何をする可能性があるか示されるもの等)に基づいて、自動的な分類が行われる。
選択的に、ターゲットを変化させることができる潜在的な制御領域が識別される。場合によっては、そのような制御領域は結合定量法中の結合に基づいて識別される。選択的に、ターゲットのモデルは、例えば、タンパク質の異なる隣接した部分上の相互作用部位の接近に基づいて、潜在的な制御位置における結合がコンフォーマル変化を引き起こすことができるかどうかを評価するために使用される。
本発明の例示的な実施形態では、活性領域は、例えばそれらの幾何学的形状に基づいて、薬物相互作用の可能性を有する下位領域に基づく異なる「正確なターゲット」に分割される。代替的にまたは付加的に、分割は、ハウスキーピングタンパクの類似する下位領域に共通していないそのような下位領域を選択することに基づく(例えば、特別な及び共通の結合領域への分割)。
8.10 薬とリードの分析及びエンハンスメント
本発明の例示的な実施形態では、上述のレイアウトは、例えば、薬を改善する際または再設計する際にまたはスクリーニングの際に、既存の薬または薬のリードを分析するために使われる。
本発明の例示的な実施形態では、レイアウトを用いて、ターゲット上の複数のターゲット領域のどれが薬と相互作用するのか、または複数の可能なターゲットからどのターゲットが所定の薬と相互作用するのかを決定する。この方法論は、例えばその工程方法が明らかでない薬の効果を分析するために使用することができる。
他の実施例では、薬を分析して、薬のどの部分がターゲットに結合するのかを決定する。これは、薬を改良するためのプロセスの基礎としての役目を果たすことができ、その中で、薬の結合部位が維持され、薬の他の部分が改良される。代替的にまたは付加的に、薬を改良するとき、薬の活性部分が変形して結合しない、または全体としての薬が変形して立体衝突が生じるということがないように、注意が払われる。
なお、単一の薬は、各ターゲットが薬の異なる、場合によっては重複している、部分と相互作用するという、所望の方法で2つの異なるターゲットと相互に作用する可能性がある。薬のそのような働きは、選択的に、薬の構造をターゲットのそれと比較することによって決定される
幾つかの場合では、薬(またはタンパク質の基質)の正確な空間的及び化学的性質が知られていない。しかし、薬に結合するターゲットのレイアウトを決定することによって、薬(または基質)の活性部分の空間的及び化学的なレイアウトを見積もることができる。
他の実施例では、レイアウトは、合成副生成物の薬物活性を決定するために使用される。薬が特定のプロセスにより生成されるとき、様々な副生成物もまた生成され、あるものは有益な活性を有し、あるものは有益でない活性を有する。本発明の例示的な実施形態では、そのような副生成物の構造は、それらが引き起こす可能性のある副作用を見積もろうとして、ターゲットの及びハウスキーピングタンパクのターゲット領域と比較される。もし特定のプロセスによって生成される副生成物の種類及び量を決定することができるならば、製薬のプロセスは、選択的に、副生成物のそのような見積もられた作用に基づいて、選択されまたは排斥される。代替的にまたは付加的に、そのような比較は、製造方法を改善する際に及び/又はどの合成パラメータを使用すればよいのかを決定する際に役立つ。この試験はまた、例えばジェネリック薬品を承認または不可とするため等の、規制目的にも使用することができる。
8.11 薬の選択
多くの場合では、ある病気を治療することができる複数の薬が存在するかもしれない。どのターゲット(及び、ハウスキーピングタンパク及び/又はその他の人間のタンパク質)が薬の影響を受けるか、どのようにそれが相互作用するかの知識は、選択的な処置間の選択時、副作用の防止時、薬の相互作用を防止または制御時、及び/又は正確な薬が選定されていない病気(例えば外来の熱帯病及び何らかのウイルス性疾患など)に対する処置の選択時に、有益であるかもしれない。
本発明の例示的な実施形態では、ターゲットのレイアウトは、複数の利用可能な薬または薬のリードのうちのどれが、ターゲットと相互作用するために最も適切であるように見えるかを選択するために使用される。薬の場合では、これは、選択的な処置手順を選定することを可能にする。また、幾つかの場合では、相互作用法の知識は、薬が最も効果的であり及び/又は副作用が最小である、それらの回数、及び/又は関連した手順、及び/又は薬の組み合わせを選択する際に役立つであろう。
代替的にまたは付加的に、薬は複数のターゲットと相互作用するように設計される。例えば、(例えば、同じまたは異なる、病気または症候群の)複数のターゲットまたはターゲット領域部分と相互作用するリードは、さらにその他のリードを処理するために、より高い得点を取るかもしれない。
場合により関連する使用は、古い薬に関する新たな使用の発見事項であり、及び/又は新たな使用に対して古い薬をどのように改良すればよいのかの決定をする際に役立つ。例えば、テンプレートにマッチングするリードを探索するとき、探索はまた、どの薬が、良好な結合を提供するためのモデル化プロセスにより予言された構造を持っているかを見るために、薬のデータベースを通じて為されるかもしれない。既存の薬は、一般に、他の性質を有する(ADMET)。
8.12 薬のエンハンスメント
上述のように、相互作用法の知識及び/又はターゲット領域との相互作用の問題は、薬となるリードを改良する際に利用できる。代替的にまたは付加的に、そのような知識は、既存のターゲットに関連するターゲットと相互作用するために、既存の薬を増進する際及び/又は薬を改善する際の使用に供され得る。2つのターゲットのレイアウトを比較することによって、例えば、薬中の有用でありそうな変化を決定することができる。代替的にまたは付加的に、ターゲット領域のレイアウトを使用して、ターゲットへの薬の結合に関連する問題を評価するため(例えば、強すぎるまたは弱すぎる等)、及び/又はそのような結合の挙動に基づく薬の改良の効果を決定することができる。本発明の例示的な実施形態では、成分が理論的に付加されて存在するかどうかを決定するために、結合時の潜在的な薬がモデルに対して評価され、結合領域中の他の点に結合するであろう。
代替的にまたは付加的に、薬のエンハンスメントは、例えば、一つの突然変異体に結合する一つの成分及び他の突然変異体に結合する一つの成分を含めて、一つよりも多くのターゲットに、または種々のターゲットの突然変異にマッチングするように、薬の効果を高めることを含む。例えばHIVでは、幾つかのタンパク質は2つの主要な種類と無数の副次的な種類を有している。このエンハンスメントは、薬の他の性質を妨げるかもしれないが、その交換条件は、有益であるとみなすことができる。
代替的にまたは付加的に、薬は、例えば複数のターゲットのモデルを分析して共有される結合点を決定し、複数のターゲットまたは突然変異体に共通している結合点の部分集合に結合するように設計される。その結果、これらの結合点のみが存在すると仮定して、様々な創薬方法が選択的に適用される。潜在的な薬の実際の定量法は、薬の種々の改良がターゲットの一つと結合し損なうことがないようにするということを確かめるために、複数のターゲット上で実行することができる。代替的にまたは付加的に、改良がなされるとき、その改良される薬が共通の結合部位に結合する及び/又は立体衝突を有するであろうかどうかが決定される。なお、例えば、突然変異体が結合点の一つにおいて予測されれば、可能な結合点の一部分にのみ結合する薬を発見するための、及び/又は、たとえ阻害分子が結合点の一つに結合されても薬が作用可能であるための、他の理由があるかもしれない。
8.13 薬の不良解析及びリエンジニアリング
しばしば、薬は市場に出て、その後機能しなくなることがある。以下に記載された方法は、その失敗の理由を決定する際に、またその後場合によっては薬を救済するために役立つかもしれない。本発明の例示的な実施形態では、薬が相互作用を及ぼしたと考えられる(例えば、副作用の種類に基づいて)薬及び/又は他のタンパク質のターゲットのレイアウトが生成される。その後、薬がターゲットと比較され、正しいターゲットへの結合及び/又は非ターゲットへの望ましくない結合の不具合を決定する。当然のことながら、そのような比較は理論的には他の方法を使用することが可能であるかもしれないが、ターゲットマッピングが提供される以前は、時間とコストの限界のためにターゲットの活性領域のそのような大きなスケールのモデル化は実用的ではなかった。
本発明の代替的な実施形態では、薬は、例えば個人差のために、一般の人々の一部にのみ適切であるということが知られている。本発明の例示的な実施形態では、不用意なターゲット及び/又はターゲットを表現する遺伝子を使用して、ターゲットのモデルまたはサンプルを再現し、その後、モデルの活性領域をマッピングする。その結果は、ある人はその薬に感度がよく、及び/又は、別の人はその薬の効能に抵抗するということを示すかもしれない。代替的にまたは付加的に、その試験は、薬の差別的な感度を決定するために、病原体の重圧に対抗してなされるかもしれない。幾つかの場合では、遺伝子の差は、例えばサルフェートに対する感度がサルフェートに対するG6PD欠陥と関係のある、既知のマーカと関係があり、その結果、薬と相性の良いような人々を分類することが簡単になるかもしれない。代替的に、遺伝子の試験は、その人にどの薬を使えばよいのかを選定する前に適用される。
8.14 分析に関する付加的な創薬
また、付加的な分析方法が創薬プロセスを増進させる。例えば、多くの薬は、ハウスキーピングタンパク或いはもし相互作用すれば不快感を引き起こすタンパク質との相互作用のために、副作用を有する。実施例は、GIタンパク質および肝臓のタンパク質を含む。幾つかの薬ターゲットが、そのようなタンパク質と同様であると知られている。本発明の例示的な実施形態では、そのような潜在的な副作用の発生要因に対してモデルが作成される。どのような潜在的な薬のリードも、もしこれらの禁止モデルの一つに結合することが示されるならば、排斥される(またはより低い点数が付される)。代替的にまたは付加的に、既知の副作用をもつ薬が分析され、それらがタンパク質に結合するのかを決定し、このタンパク質及び/又は特定の結合部位を使用して、潜在的な薬の結合の禁止を規定する。
分析の他の実施例では、潜在的な薬分子を分析して、それらが特定の酵素に対する基質として結合するかどうかを見る。そのような結合は、薬またはその排出物を無効にする速度を示すかもしれない。代替的にまたは付加的に、そのような結合は、例えば肝臓の酵素等、特定の酵素との相互作用により活性化されるプロドラッグの識別に役に立ち得る。この場合では、薬は2つの活性領域を含むかもしれず、一つは、薬の活性化に関するものであり、一つは、そのターゲットへの薬の結合に関するものである。選択的に、プロテアーゼ(または他の操作タンパク質)への結合は、成分またはゲージを適切な位置の薬分子に結合させることを付加することによって確実にされる。
他の実施例では、同じタンパク質または分子により影響を受けることが完全に知られているターゲット分子のセットを分析し、それらが結合する共通の結合幾何学的形状を有することを決定する。これは、例えば、他のターゲット分子を妨害するであろう及び/又は特定のターゲット分子に結合するときに利用されるであろう、成分を加えることによって、より選択的に結合している分子を微調整する際に役立つかもしれない。
8.15 発見プロセスの能率化
上記から分かるように、発見プロセスは、典型的に、様々な行き詰まりを経ることを含んでいる。本発明の例示的な実施形態では、ターゲットのマッピングを利用して、試みを破壊し且つ妨害しそうな発見プロセスの一部を選択する。幾つかの実施例は(それらの幾つかはこの出願中の、他の場所に記載されているが)、改善に関して適切であるとは思われないターゲットを切り捨てること、副作用を持っていそうなターゲットを識別すること、及びライブラリを取り除くことを含んでいる。本発明の例示的な実施形態では、既存のライブラリを取り除くことは、低い結合率が予測されている及び/又は他の分子に対して余剰であると思われるライブラリのリードを取り除くことによって行われる。例えば、非常に柔軟である分子は結合しなさそうである。結合率は、例えば、分子の自由度に基づくエネルギー的な検討材料を用いて、見積もられてもよい。
8.16 実用的な生成
多くのタンパク質と分子は一覧表に入れられるが、それらの多くは有用性が知られていない。タンパク質または分子に関する正確な有用性を決定することは、非常に大きな費用を必要とするかもしれない。本発明の例示的な実施形態では、分子に関する及びタンパク質に関する潜在的な有用性は、以下の方法において大きな規模上で生成されるかもしれない。分子はゲージとしての有用性をもつことが可能であり、或いはリードまたは薬としての有用性をもつことが可能である。本発明の例示的な実施形態では、例えば、10,50,100,1000またはそれらより小さい、大きい、または中間の数である、既存のターゲット領域レイアウトが、結合しそうかどうかを見るために、分子にマッチングさせられる。多くの分子が潜在的な有用性を持つことになるであろうことが期待される。一般に、より多くのマッチングはより大きな労力となるが、成功の確率を増加させる。
同様の方法では、タンパク質をマッピングすることは、それに影響を与え得る、その活性領域の形状、潜在的な基質及び/又は潜在的な薬の表示を提供する。本発明の例示的な実施形態では、その基質を決定することによりタンパク質に対して、有用性が見出される。選択的に、そのタンパク質の活性領域のレイアウトは、既知の基質及びタンパク質の構造と比較される。
この方法では、ライブラリと個々の薬及びタンパク質は、予測される有用性を持っているといえる。例えば、タンパク質は以下のタンパク質群、GPCR、プロテアーゼ、キナーゼ、イオンチャネル伝達タンパク質、または生体中に見られるペプチドの任意の形状または他の高分子、に関するものであるかもしれない。
9.典型的な発見の応用
9.1 総括
この節では、以下に述べられる方法を考慮する可能な改良とともに、既存の発見方法を説明する。
創薬に対して多くの方法が知られているが、以下の2つの主な方法は、一般に、既存の方法を包含している。
9.2 スクリーニングベースの薬設計
この発見方法は、数多くの分子に対してターゲットをスクリーニングすることによって、またその後薬を生産するためにいずれかのマッチングを増強することを試みることによって、機能している。このプロセスは以下のようである:
(a) 全てのターゲットタンパク質に等しく関係する、スクリーニングのための化合物の全般のライブラリを提供する。そのようなライブラリの典型的なサイズは、10年間ごとにおおよそ一桁(10の因子)で、絶え間なく増大する。現在の典型的な大きさは、100万から1000万である。そのライブラリは、しばしば、所有権を有しており、それぞれの団体により自主的に保守されている。
(b) 選択されたターゲットに対して団体のライブラリをふるいにかける。ターゲットに対して、要求された形状の少なくとも弱い活性(典型的に1から100μモル濃度における有効な活性)を示す化合物を探す。
(c) もしヒットが見つからなかったら、そのプロセスはここで終了である。これはしばしば、そのケースの70%を越えそうなケースのようである。もしヒットが見つかれば、最適化段階が始まり、そこでは最終出力が、ターゲットに対する強い活性(典型的にナノモル濃度における)をもつ化合物であると予測される。これは、一つまたは、以下の2つの方法の組み合わせにおいてなされる:
1.一つのヒットのみがある場合、または全てのヒットが一つの分子テーマの変形物である場合では、ヒットの多くの類似物が合成される。化合物のこのグループは、ときどき、「集中的なライブラリ」として知られる。また、これらはターゲットタンパク質に対してふるいわけされる。その目的は、ここでは、活性を増加させる最初のヒットの化学的な成分及び位置を同定することによって最初のヒットの活性を増加させるための方向を定義することである。このプロセスは、QSAR(定量的構造活性相関)を発展させることとして知られている。
2.もし化学的なグループの数がヒットとして識別されたならば、可能なファーマコフォア(ターゲットに対するヒットの結合に直接的に関与する分子構造)を識別する計算の処理が実行される。これらは、最適化に関する可能な方向を示すだけでなく、所定の分子の出発点に関するそれらの実行可能性もまた示すことができる(物理的観点から及び合成的観点からの両方)。
(d) 薬のような性質は、一般的に、このプロセスの副生成物である。初期のスクリーニングライブラリ中の分子は、しばしば、薬のような性質を有するように選択される。その最適化プロセスの間、薬のような要求及び増加された活性を同時に満たすことが直接の制御の下ではめったにないように、一部分の情報のみが利用可能である。このプロセスによりもたらされる最終的な薬の候補は、初期のスクリーニングライブラリ中のヒット化合物と密接に共通点がある。
(e) 試験をする。その薬の候補を、効き目があるかを決定するために、生きている動物のモデルで、またその後人体で試験する。多くの薬の候補は、この時点で不合格になり、改良するためのいかなる基礎をも欠如して、完全な失敗となる。
本発明の例示的な実施形態では、上述の発明に係る方法は、上述の創薬プロセスを改善するために使用することができる。例えば以下の一つ以上によって:
(a) ヒット率。上述のように、ほとんどの場合では、新しいターゲットに対してヒットが見つからない。ターゲットのマップを生成することによって、スクリーニングに使用されるリードをよりよく選定することができる。非常に弱い活性の組み合わされた表示と、マップをマッチングさせることにより、非常に弱い親和性を持つリードでさえさらなる改善のために選択される。代替的にまたは付加的に、ゲージライブラリを設計する方法は、重複を減少させるため及び結合空間の対象範囲の確保を助けるために、分子ライブラリに適用される。これは、例えば、三角形空間中のゲージ及び/又はこの空間中の不規則な分配リードを同定するためにライブラリを分析することによって、なされるかもしれない。さらに、過度の重複が決定され得る。代替的にまたは付加的に、ライブラリが分析され、例えばそれらが超過の柔軟性及び知られていない結合のパートナーを持つことに起因して、それまで結合しそうにない分子を決定することができる。代替的にまたは付加的に、もしスクリーニングが段階的であれば、分子は、それらが互いにより少ない重複をもつことに基づいて、それぞれの段階で選択され得る。
代替的にまたは付加的に、例えば高い柔軟性をもつ分子が(多くの方法で多くの分子に結合する)大きすぎるノイズを加えるかもしれず、そしてその結果無視される、少なくともプロセスの最初の段階で、幾つかの結合の結果が無視されてもよい。
代替的にまたは付加的に、結合するゲージは、それら自身リードとして使用することができる(そしてそのような結合の多くが予測される)。しばしば、ゲージライブラリは、団体のライブラリと小さく比較され、比較的小さな不利益を有するそれに加えられ得る。本発明の例示的な実施形態では、「古い」ライブラリからの結果は、最適化のための最初の出発点としての目的を果たすであろうが(前述のように)、ゲージを使用するスクリーニングから得られる情報により最適化されるであろう。場合によっては、ゲージライブラリの結合定量法は、相互作用リードを持つターゲット上で実行される。この種の定量法を使用して、リード(またはライブラリからの分子)が活性領域と相互作用するかしないかを決定することができる(例えば、それがゲージライブラリの結合に影響を与えるかどうか及びその範囲に基づいて)。この定量法は、他の結合リードを用いて及び/又は全くの非結合リードを用いて実行される定量法と比較されるかもしれない。リードの化学的性質の影響は、一つ以上の化学的に似ている、しかし非相互作用であるリードの存在下で定量を確認することにより決定され得る。
(b) プロセスの方向性。もし、ターゲットがマッピングされてリードの出発点が分かっていれば、薬を作るためのリードを増進する多くの方法がさらに存在する。本発明の例示的な実施形態では、もしリードがなければ、ターゲットの幾何学的形状及び/又は化学的挙動の知識を使用して、改良プロセスを導く際に、物理的な実験を仮想の実験に置き換える際に、及び/又は淘汰する(しそうな)際に利用する。さらに、リードの改良の種々のコンビナトリアル生成が、ターゲットレイアウトを考慮して、及び/又はリードの3次元構造に基づいて(例えば、どの三角形がそのリードによって、及びそのリード改良によって示されるかを確認することによって)、重要な(或いは最も重要な)それらのリード改良のみを選択することにより簡単にすることができるということが知られている。選択的に、決定されたレイアウトにより予測される結果とリードの実際の結合活性との間のミスマッチがレイアウトの修正時に有用である可能性もあり、リードの及び/又は裏づけを示すかもしれない予測している他のリードの化学的性質をより理解させる。
(c) 薬の回復。たとえ、薬が最終の試験段階を失敗しても、本発明の例示的な実施形態では、上述の方法が使用され、失敗の理由を決定し及び/又は薬を再現する際の手引きを提供することができる。
9.3 代替的なスクリーニングベースの薬設計
化学的なゲノミクスまたは化学ゲノミクスは、最近、非常によく行われている。それらは、最初にターゲットを見つけその後それに対する化合物を見つける代わりに、その反対のプロセスを適用する。すなわち、最初に、表現型の結果を予期する全細胞定量に対して化合物をスクリーニングする(例えば、癌細胞の選択的な死)、という考えに基づいている。その後、一度、活性化合物が見つかると、そのターゲットが見つかる。この方法の一つの考えられる利点は、多くは知られてさえいない複数のターゲット上で平行に動作していることである。しかし、既存のスクリーニングライブラリはヒットを見つけることを保証することができない。本発明の例示的な実施形態では、以下に記載されるようなゲージライブラリが使用され、それらの細胞と相互作用する複数のゲージを持つことが期待される。その相互作用は弱いかもしれないが、ささいでない数のそのような相互作用を予測することができる。
9.4 構造ベースの薬設計
この方法は、分子プロセスをシミュレートするための正確なモデル化を使用すると仮定する。このプロセスは以下のようである:
(a) ターゲットタンパク質の正確且つ詳細な3次元構造を得る。通常、X線結晶学またはNMR分析(ともに実験)を介して為される。また、計算的手法もあるが、一般に、正確ではない。
(b) タンパク質構造中の活性サイトを特定する(新しく良く知られていないターゲットに対して必ずしも直接的にではない)。
(c) 活性サイト中の該当する、また同様にファーマコフォア点として知られている結合点を特定する。これらは、弱い(非共有の)結合を引き起こすことができる位置の点である。潜在的なリガンドは、ナノモルの親和力を達成するためにこれらの点の数(通常は6以上)を同時に満たさなければならない。
(d) 幾何学的に及びファーマコフォア点を十分に満たすことに関しての双方において、活性サイトに「フィット」する分子を設計する。この段階とそれ以前の段階は共に、「ドッキング(doking)」、すなわち分子構造形状シミュレーションソフトウェアを使ってなされる。
本発明の例示的な実施形態では、以下に記載されている発明に係る方法を例えば、1つ以上、使用し、上述の創薬プロセスを改善する:
(a) 結合構造。多くの場合では、タンパク質の3次元構造は、それら自体、明らかに、ほとんど役に立たたない。多くの経験は、この(例えば幾何学的な)情報だけに基づいて強いバインダーを設計することが困難であるということを示している。そのようなリガンドは最初に知られていないが、本発明の例示的な実施形態では、ターゲットに結合するゲージは、かなりの数のそのような結合ゲージが見つかるであろう予測により、そのようなリガンドの代わりに使用される。本発明の例示的な実施形態では、ゲージ結合プロセスが適用され、その後、ターゲットがモデル化(例えば、NMRまたはX線結晶学を用いて)される。場合により、数回、異なるゲージ結合が用いられる。結合したケージを有するターゲット領域の形状は、技術的に知られた方法を用いて強いバインダーを設計するために役立つことが予測される。場合により、その知られている方法は、例えば、異なるゲージの異なる結合部位により引き起こされる異なる立体配置の結果を組み合わせるために、改良されてもよい。選択的に、複数の結合ゲージ(例えば、5,10,25,50,100またはそれらよりも少ない、中間、大きいいずれかの数)の供給は、ターゲットの結合モードを決定する際に役立ち、また場合により、部分的な結合モードを提供することによって理解を深める。一般に、より多くの作用を意味する、より多くのゲージの提供は、まさに分析の精度を増加させるであろう。
本発明の例示的な実施形態では、結合構造は、結果として例えば対照としてターゲットを用いる特別な位置により、結合する複数のゲージをもたらす。この特別な位置は、部分的なモデルが各ゲージによって提供されるよりもむしろ、ターゲット及び/又は完全な結合立体配置の結合領域の全てのモデルを生み出すかもしれない。
(b) 比較。本発明の例示的な実施形態では、シミュレーションモデルによって決定される活性領域の形状が、マッピングプロセスによって決定されるような領域の形状と比較される。その2つの間の差は、そのマッピング/再現方法を修正する際、またはそのシミュレーションモデルを修正する際に役立つかもしれない。選択的に、そのシミュレーションモデルは、より正確な距離を計算する際及び/又はどの可能な成分が結合に関与し得るかを表示する際に役立てることによって、代替的な再現間の選択のために及び/又は再現の微調整の際に使用される。
(c) 結合点の同定。一般に、モデル化ソフトウェアは、タンパク質ターゲット中の結合点を予測するのに十分正確なものではない。また、活性領域も、同定することが困難であるかもしれない。これは、特に、新たなターゲットに対する場合である。本発明の例示的な実施形態では、上述の方法は、例えば、ゲージの標準定量ライブラリを用いて、実験的に潜在的な結合点/モードを同定することによって、これらの問題の一つ又は双方を避ける。その後、これらの活性領域は、例えば、特定のターゲットに対する新しい化合物の親和力を予測するために、ドッキングソフトウェアを用いて、より深く分析される。
9.5 リガンドのモジュールアセンブリ
この方法は、おそらくSunesis incにより使用されているが、親和力を示す部分からリードを構築することにより、機能する。そのプロセスは以下のようである:
(a) 「リンカーポート(linker port)」(すなわち、結合が簡単に実行され得る分子上のサイト)を含む、基本の分子断片の限定されたライブラリを合成する。これらは、典型的に、薬理学的に「興味深い」として以前に識別された小分子であり、それらは、従順で、標準の「リンカーポート」を含みやすい。
(b) 極端に低い親和力(1ミリモル以下)を予期するターゲットタンパク質に対して基本の断片をスクリーニングする。このステップは、典型的に、問題がある。
(c) さらに高い親和力を達成するために、それらの「リンカーポート」化合物を介する2つ以上の断片のグループを結合する。2つの断片の間の距離、すなわち、結合鎖の長さが、変化し且つ最適化することができる。
本発明の例示的な実施形態では、以下に記載されている発明に係る方法を例えば、1つ以上、使用し、上述の創薬プロセスを改善する:
(a) 基本の断片は、現在、包括的なもの、すなわち典型的な多様性の数的指標が使用されるが(標準なスクリーニングライブラリとして)、これらは有限のリストを生み出さないもの、として示され得るいずれの論理によっても技術的に設計されていない。その結果、ヒットはめったに見つからず(全体的なターゲットに対して)、全体的なスクリーニングライブラリに対してよりもさらに低くなり、場合により非常に低い予測される親和力のために、それは多くの技術的問題(例えば、溶解性)を所有する。本発明の例示的な実施形態では、その断の組は、その空間を張ることに基づいて選択される。例えば、断片は成分のペア(或いはトリプレット)であるかもしれず、可能空間を張るように選択された距離及び成分の種類を有する。
(b) 幾何学形状、すなわち2つの弱い結合の成分間の適切な距離及び方向は、当技術分野において、初期スクリーニング結果からは全体的に欠けている。結合段階では、かなり制限された幾何学形状の変化のみを試すことができる(すなわち、リンカーの長さ)。本発明の例示的な実施形態では、ゲージライブラリの結合が使用され、どのように断片を統合すればよいか、どの断片が統合されるか、及び断片の結合時にどのような種類のリンカーを使用するのかを決定するための幾何学的なヒント(或いは完全なモデル)を提供する。また、これは、適切な構造(例えば既知の薬上の変化)により間隔を開けられた、結合ゲージの結合部分を含む新しい分子を合成するために使用することができる。
10.典型的な非発見用途
上記の測定方法は、また、創薬以外の用途にも適用することができる。いくつかの用途に関しては、異なるゲージセットを必要とするかもしれない。
本発明の一つの例示的な実施形態では、その測定方法は、例えば特定の薬または潜在的な毒素との逆相互作用を有する可能性のあるハウスキーピングタンパク質を識別するため等、毒性を評価するために用いられる。 これは、産業のまたは家庭の化学製品の毒性を決定する際に有用であるかもしれない。
本発明の典型的な他の実施形態では、その測定方法を使用して、例えば抗体及び/又は材料上の結合位置を識別することによって、材料及び/又は細胞に対する親和力を予測する。
本発明の典型的な他の実施形態では、その測定方法を使用して、生命体(例えばウイルス、リケッチア体、虫、原生動物、真菌、アメーバまたはバクテリア)の外観をマッピングする。これは、ワクチンの開発に役立つ可能性がある。例えば、形状が変化しないタンパク質から作られている場合、ワクチンはしばしばより効果的である。病原体の外側の結合領域のどの部分が変化しないかを決定することにより、そのような決定は、予防接種使用のための病原体から特定のタンパク質を選ぶ際に役立ち、及び/又は有益なワクチンを作成する可能性を評価する際に役立ち得る。自己免疫反応を妨げるために、パターンが、あまりに広い範囲に対し身体のタンパク質のそれに似ているかどうか見るため、既存のワクチン物質の活性領域がマッピングされてもよい。このマッチングは個人の遺伝物質に依存している可能性がある点に留意する必要がある。
あるいは、絶対測定値に対して、本発明のいくつかの実施例では、例えば、異なる状況の下でのタンパク質のコンフォーマル変化を測定するために、上記の方法を用いて相対的な測定値が決定される。同じ(または異なる−例えば、新しく予想される測定値に一致させること)結合定量法が、異なる状況の下でタンパク質に適用される可能性がある。場合によっては、より柔軟性があるゲージ及び/又はより安定していないゲージが、本出願に対して用いられる。
本発明の例示的な他の実施形態では、上記の測定方法は、新規な農薬(例えばペストまたは雑草のいくつかの種類に関してのみ重要であると知られているタンパク質に影響を及ぼすことによって明確である、ターゲットである殺虫剤および除草剤)を見つけるために用いる。代替的にまたは付加的に、人工ホルモンを開発し、植物細胞中のターゲットに適合させる。
11.従来の情報の使用
いくつかの実施例において、上述の方法は盲目的なプロセスとして記載されており、実質的にターゲットについて何も知識のない中立の出発点を想定している。場合によっては、様々なソースから及び/又はターゲットの以前の測定値によって収集される、ターゲットについての従来の知識が存在する。そのような従来の情報は様々な方法で使用することができる。以下は、いくつかの実施例である。
本発明の例示的な実施形態では、従来の情報はいくつかの変形例を提案するのに十分である。ゲージライブラリを用いる結合定量法は、再現の有無にかかわらず、例えば、ターゲットと相互に作用するリードのいずれかの部分の選択的なモデル間等の変形例の間で選択するため、または、2つのターゲット領域レイアウト再現の間で選択するために、十分な情報を提供することができる。選択的に、この目的を達成するために、ゲージセットは、区別するであろう及び/又はモデルのどちらか一つによって必要とされる、それらのゲージのみにまで減らされる。
他の実施例では、ターゲットの結晶学、NMR、IRスペクトル及び/又は化学的性質は、例えば、曖昧さを解決するために及び/又はデータの不足を克服するために、上記の再現プロセスで使用される。一つの実施例では、これらの方法は、一つ以上のゲージが実際にターゲット中でどのように結合するかについて示す。他の例では、これらの方法または他の従来の知識は、上述した点数に基づいた再現を追跡することよりもむしろ、特定の構造に再現されることを推し進めるために使用される。例えば、構造に特定の下位形状(例えば四面体の部分)を含むよう推し進めることは、そのようにしなければ定量データから再現がなされない。
他の実施例では、ターゲットの一部が既知の場合、それはその既知の部分を遮る基質と作用する可能性があり、その結果、その測定値は未知の部分に適用されるであろう。代替的に、その既知の部分中の相互作用の統計量を使用して、結合統計量をその未知の部分の構造と関連させることができる。例えば、コンピュータ・モデルまたは類似物ターゲットは、その既知の部分に、どのゲージが結合し、どのような強度であるかの評価を提供するために使用することができる。その定量結果の分析では、その既知の領域に結合するゲージは無視され、その分析法で使用されず、及び/又は、それらの結合強度はその分析の間に減少する。選択的に、もしそれを取り除くことで特定のサイズの三角形及び/又はその未知の領域に結合するための成分が残らなければ、ゲージは検討材料から取り除かれない。代替的に、例えば、一度に100,000の定量を用いる同時スクリーニングが現在の技術であると上述に示されているように、全体としてのライブラリを使用する。
他の実施例では、反復的な測定方法が用いられるときに、従来の情報は望ましい出発点への洞察力を提供することができる。
選択的に、その従来の情報は、例えばその結合環境を変化させることによって、その結合プロセスを修正するための入力値として用いられる。
他の例では、その従来の情報は、例えば、どんな環境状態が結合を提供しそうか及び/又は少なくとも妨げないかについて示すために、類似したタンパク質を用いた以前の定量の試みからの情報を使用することによって、測定の間に使用される環境状態を設定するために用いられる。
本発明の例示的な実施形態では、特定のターゲットをより良く測定するために、特定の足場、成分、及び/又はゲージの設計に従来の情報が使用される。分子は、例えば、その場限りで設計されることができ、及び/又は、前もって既知の分子を選択することによって下位ライブラリが構成される。本発明の例示的な実施形態では、足場は、足場のその変化による三角形の辺の小さい(例えば0.5オングストローム)差に起因して、そのような下位ライブラリから選ばれる。標準のマッピングプロセスでは、そのような差は重要でないかもしれない、しかし、高分解能マッピングでは、ターゲットによっては(例えば、結合が弱いところ)、それは重要かもしれない。同様に、一組のゲージが、より微細な分解能において、サイズ及び/又は化学的作用の特定の範囲を満たすために提供されるかもしれない。
12.反復測定
従来の情報の使用と同様ないくつかの方法において、反復測定は、例えば現在の段階をよりよく調整するため又は特定の可能性を排斥するために、以前の測定段階からの情報を使用可能にする。
本発明のいくつかの実施形態では、一つの段階の測定プロセスの代わりに、例えば上述のいくつかの実施形態にて説明したように、反復測定方法が使用される。この方法の1つの実施例では、より低分解能の再現が行われる。それから、同じ或いは異なるゲージライブラリを用いて、付加的な定量法が実行され、より高分解能の再現が提供される。より初期の再現は、例えば、再現プロセスのための出発点として、及び/または付加的な定量にどのゲージを使用すればよいのかを選択するために、使用することができる。本発明の例示的な実施形態では、例えば、一つの完全な定量を行うためのコスト及び/又は時間が多くかかるとき、そのような反復方法が使用される。
本発明の例示的な実施形態では、反復測定は、測定の第2のセットにおけるよりも測定の第1のセットにおけるより柔軟性があるゲージを使用する(下記に説明する)。代替的にまたは付加的に、ゲージの異なる下位集合が、測定の異なるセットに対して使用される。
段階の間の差は、例えば、どの相互作用部位がどこに位置するかなど、再現の正確さによるものであるかもしれない。代替的にまたは付加的に、例えば、2つの結合部位の間の距離または相互作用部位の結合角度において、その差が精度におけるものであるかもしれない。本発明の例示的な実施形態では、例えば、疎水結合サイズ及び方向性の結合の対象範囲の上述の仮定は、例えば、15の方向性結合を提供している、その後の再現の反復中でより厳密にされる。しかしながら、その測定の全てを、やり直す必要があるというわけではない。その代わりに、そのモデル中で変化することが予想される相互作用位置に結合するそれらのゲージのみが使用される。当技術分野で周知のさまざまな探索方法が使用され、例えば、hill-climbing等の、定量および再現プロセスの収束を提供する及び/又は決定する際に役立つ。
13.ゲージ‐物理的性質
13.1 総括
以上にゲージの様々な用途が記載されており、その幾つかは完全なゲージライブラリ(例えば、全範囲をり、充分な解像度を有する)を使用することができ、そして、幾つかは、代替的にまたは付加的に、部分的なライブラリを使用することができる。いくつかの論点の一つ以上は、そのようなライブラリの設計中に状況に応じて考慮される。ゲージ、ゲージ設計及び/又はゲージセットを設計及び/又は選択するときに、選択的に用いることができる典型的なそのような論点および検討材料を以下に述べる。その論点の幾つかが個々のゲージの特性に関係し、幾つかがセットとしてのゲージの特性に関係することが知られている。例えば、後述の典型的なゲージセットにおいて示されるような、ゲージ全集の設計(及び/又は選択)は、多数の論点及び様々な矛盾扱うかもしれない。これらの論点は、以下で調査される。一般に、たとえゲージセットの中のいくつかのゲージが役立たなくても、これは通常、全体としてゲージセットの効用を損なわない点に留意する必要がある。
図4Aは、例示的なゲージ400を示す。典型的なゲージセットは、かなり多くのゲージを含む。おそらく、全てのゲージは基本的な共通のデザインを共有するが、後述するように、これは重要でない。さらに、測定に役立つゲージ、ゲージデザイン及びゲージセットが存在し得る。
本発明の例示的な実施例では、ゲージセットの重要な部分は、足場と呼ばれる、少数の基本的な分子の配列に基づくものである。この設計方法では、足場は複数の取付け点を有し、そして、各々のゲージは取付け点で足場を選択し及び様々な成分を取付けることによって形成される。この方法の1つの潜在的な利点は、ライブラリを合成するために、少ない種々の化学的な処理のみが要求されるということである。他の潜在的な利点は、作成されたライブラリが、例えば定量のために使用される環境に反映される、より予測可能な化学的挙動を有するということである。他の潜在的な利点は、より予測可能な及び/又は制御される成分の間の距離のセットを得ることができるということである。他の潜在的な利点は、単純性がスパニング・ライブラリを設計しているということである。他の潜在的な利点は、ライブラリまたはライブラリの一部を確実に張ることがより容易であるということである。他の潜在的な利点は、この種の置換(場合により、ライブラリに対して新しい足場を用いる)を使用することが、その場限りで、欠落している或いは所望の物差しの生成を支えるということである。ある場合では、例えば、特定の距離を含んでいる新規なゲージは、既存の足場を改良することによって生成される。これらの潜在的な利点の全てが、本発明の各実施例において期待されるわけではない点に留意する必要がある。
当然のことながら、所定のライブラリに対して、一部は足場に基づくものであり、それに対して、他の一部は、例えば既存の分子ライブラリからの選択等の他の手段を用いて生成され、及び/又は様々な分子構造を用いて構成され、顧客に試みるための当技術分野で周知の設計及び合成方法が特定の性質を有する分子を生成する。更に、全体のライブラリは、足場に基づくものでなくてもよい。また、当然のことながら、全ての足場に基づくライブラリが上述の潜在的な利点の全て、一部或いは同程度を提供するというわけではない。
13.2 足場
図4Aでは、ゲージ400が足場402を含むことを示し、そこには、場合によってはより可能な取り付け点のうちの4つに、4つの成分が取り付けられる。本発明の例示的な実施形態では、ゲージ400は成分の間の距離の範囲を張るように選ばれる。本発明の例示的な実施形態では、利用可能な取り付け点の間の成分の接続の位置を変化させることによって、それぞれの成分の間の距離が、単一の足場に対して固定される。より広範囲の可能な値が、可能な足場の範囲を提供することによって選択的に達成される。しかしながら、本質的には、どの足場も必ず必要とされるわけではないことに注意しなければならない。むしろ、少なくとも本発明のいくつかの実施形態に関しては、組み合わせ的に足場を使用してライブラリを作成することはより費用効果を高めることができるということが予想される。これは図4Bにおいて例証されており、ここでは、足場を少しも参照しなくとも、ゲージはその成分及びそれらの間の距離によって定義される三角形として示される。
しかしながら、本発明の例示的な実施形態では、足場は多数の異なるゲージのいずれが構成されるかに基づいて提供される。複数の異なる又は同一の成分は、コンビナトリアル・ケミストリーの比較的標準化された方法を使用して、足場上の異なる位置に選択的に取り付けられることが可能であり、その結果、ゲージの範囲を与え、場合によっては、一般的に周知の化学的性質(例えば溶解力、蒸気圧、安定性)を持つ。
本発明のいくつかの実施形態では、足場(または複数の足場)は、成分によって定義される三角形形状(または複数の三角形形状)にまで広がらずまたは越えないように、選択される。代替的にまたは幾つかの場合では、足場及び/又は成分の幾つかは、結合を妨げ、立体衝突の原因となり得る。足場の範囲を規定することによって、いくつかのゲージに対して立体衝突を避けることができ、及び/又は、立体衝突の原因を決定することができるる。
本発明のいくつかの実施形態では、足場の幾何学的形状及び/又は化学的性質は重要である。
選択的に、結合三角形を規定する際の足場の関与は、ゲージセットの設計時には無視される。代替的に、例えば一つ以上の成分を規定するためのセットの設計の間、足場の化学的な活動が注目される。選択的に、結合を提供すること、結合手を跳ね返すこと及び/又は妨げることに基づく足場の効果は、再現又は分析の間、考慮される。代替的にまたは付加的に、例えば立体衝突の原因を決定するために、分析の間、足場の幾何学的形状が考慮に入れられる。
代替的にまたは付加的に、三角形結合の分析は、(例えば、ゲージの幾何学的形状に基づく)ターゲットに、おそらく触れていない結合三角形を無視する。
13.3 ゲージの体積幾何学的形状
三角形は原則として平面を定義し、(もしあれば)それは足場の平面であるかもしれないし、そうではないかもしれない。本発明の例示的な実施形態では、ゲージがライブラリ中の内包物に対して選択されるとき、それらの取り付けられた成分が平面に又は幾つかの他の望ましい適合部分に横たわるようにそれらが選ばれる。平面配置は様々な安定(例えば、コンフォーマル変化すること)分子が含まれるのを防止するという可能性のある利点を有し、本発明のいくつかの実施例では、それらが分析を混同し及び/又は結合確率を減らす可能性があるので、好ましくない。場合によっては、可能な非平面方向の範囲をカバーするために、ゲージのセットが提供される。いくつかの実施形態では、これは、コンフォーマル変化を示す分子を選択することよりもさらに望ましい。コンフォーマル変化を有する分子は、例えば各々の潜在的なゲージを分析することによるなどの、他の方法を使用しても除外され得る。代替的にまたは付加的に、たとえゲージの他の一部がコンフォーマル変化を示す場合であっても、その中でゲージのまたは特定の三角形の寸法が変化しないように、ゲージが選択される。選択的に、ゲージ内の特定の三角形は、例えばその三角形がコンフォーマル変化を示すということを確実にすることにより、又はその成分の一つ以上の結合に対する柔軟性を加えることによって、エネルギー的に結合しないようにすることによって無効にされ得る。しかしながら、注目すべきことは、例えばゲージが小さいため或いはゲージの他の部分及び/又は他の三角形に対する起こり得る影響のために、ゲージのそのような正確な改良が不可能であるということである。
13.4 柔軟性
ゲージの柔軟性は、ターゲットへのゲージのマッチング及びゲージの親和力によって与えられる情報量の一方または両方に悪影響を与える可能性がある。柔軟性のある分子が結合しようとする点の配置を見つける可能性は高そうであるということは確かであるが、少なくとも幾つかの場合では、柔軟性が増大すると、エントロピー的な原因で、分子の全体的な結合の確率が減少するであろう。さらに、柔軟性のある分子の結合は、固定された分子の結合よりも得られる情報が正確でない。
したがって、柔軟性のあるゲージを用いると、より多くの相互作用部位レイアウトを一致させることができるが、本発明の例示的な実施形態では、少なくともいくつかの比較的固いゲージをゲージライブラリから選択する。その結果、これらのゲージを使用する測定はより正確となる。選択的に、ゲージセット中の実質上全てのゲージは十分に固い。本発明の例示的な実施形態では、成分の間の距離があまり変化しないという点で、ゲージは変形に対して固い。代替的にまたは付加的に、成分の相対的な方向性が変化しないという点で、ゲージは回転に対して固い。選択的に、例えば多かれ少なかれ固有である成分を選択することによって、柔軟性は成分の化学的な特性に及んでいる。例えば、1つは1つの機能のみを有する成分を選択する(すなわち、tert-ブチルまたは非芳香環(例えばシクロヘキサン)を選択する疎水性に関して、または、水酸基(OH)を使用することを避ける水素結合に関する(提供者およびアクセプタである)、逆の場合も同様)。
本発明の例示的な実施形態において、しかしながら、例えばゲージ間の重複を確実にするために、少ない程度の柔軟性が提供される。1つの実施例では、それらの間の異なる距離を用いて、ターゲット中の一対の成分がゲージ中の複数対の成分によりマッチング可能なくらいに、柔軟性の度合いが充分である。本発明の例示的な実施形態では、ターゲットの中の成分の間の各々の距離が、若干長い距離を有するゲージによって、且つ若干短い距離を有するゲージによってマッチング可能なように、ゲージが設計される。ターゲット中の成分レイアウトに一致することができるよう、ゲージを曲げる又は引っ張るために比較的低いエネルギー量を必要するように、柔軟性の程度が定義されてもよい。適切なエネルギーレベルは、例えば、定量感度に、ゲージ濃度に及び/又は定量する環境に、左右されても良い。
選択的に、例えば利用可能でないゲージを補うために、少なくとも少数のゲーが柔軟性をもつ。例えば、本明細書に示されるように、回転に対する柔軟性は水素結合に参加するもの及び/又は芳香環に対して許容され得る。代替的にまたは付加的に、柔軟性のあるゲージは、固いゲージを使用して、後に微調整可能である粗い水準の情報を提供するときに役立つように使用される。選択的に、情報の減少量(例えば、結合の欠如及び/又はより正確でないがために)は、ゲージの余剰及びゲージ中の三角形の物差しによって補われる。
どの三角形が結合したかを決定する特定の方法は、上述のように、固い三角形に対して非常に大きな重みを与える点に留意する必要がある。単一のゲージ中では、複数の三角形はそれぞれ異なる固さをもつ可能性がある点に留意する必要がある。
本発明の例示的な実施形態では、Accelrys(以前は、MSI)のCatalystソフトウェアを使用して、ゲージの固さを評価する。
本発明の例示的な実施形態では、ゲージの少なくとも20%、40%、60%、80%或いはそれらより少ないか、中間であるか又は多い割合が固定している。一般に、より固いゲージを使用すると、本願明細書に記載されている方法を使用して分析することをより容易にする。しかしながら、例えば、もしそのような分子が薬と類似しているか或いはそれらをスクリーニングに適合するようにすると考えられる他の性質を有する場合、固くない分子を使用するための様々な理由に対して、そのようなゲージは利用可能ではなく及び/又は望ましいかもしれない。
本発明の例示的な実施形態では、十分に固い分子(または結合)が一つのエントロピー的な配置を有する分子として定義され、その中で、水素原子を除いては、20kcal/molより少ない熱量を消費して1オングストロームよりも大きく変化する結合は存在しない。本発明の別の実施形態は、例えば10 kcal/mol、15 kcal/mol、30 kcal/mol、40 kcal/molまたはそれらよりも小さい、その中間、それらよりも大きいエネルギーの適用で、より様々な範囲の動作、例えば0.8オングストローム、1.5オングストローム、2オングストロームまたはそれらよりも大きい、小さい、または中間の値を可能にしている、より固くない状態を許容することができる。当然ながら、完全に固い分子は通常あり得ない。その代わりに、用語「十分に固い(substantially rigid)」が、請求項中に使用されている。分子の固さが弱くなるにつれて、それらはより多くの問題に束縛される可能性があり、それらの結合の重要性においてより特有なものでなくなる可能性がある。しかしながら、より固くない分子は、例えば、適用範囲を確保するために、取得及び/又は使用することがより容易になるかもしれない。
概して、固い分子は、全ての単結合が環の一部、或いは「端部」の原子(すなわち、それらの端部の一つにおいて)を取り付けるそれらである(例えば、場合によっては回転に無関心である、単一の原子或いはNH2のような単純な成分)。例えば場合によっては5つか6つの原子を越えて、環が一旦あまりに多く成長し過ぎると、その環は柔軟性をもつようになる。例えば、原子が単結合だけに参加する隣接した単結合が2つよりも多くない場合、より大きな環も固い可能性がある(すなわち、環内の原子のいずれかが、環の部分でない原子に、二重結合によって取り付けられるそれ自身である場合、これも環のその部分を固くする可能性がある)。環の一部でない限り、単一の共有結合は回転方向に自由である。
13.5 ゲージ長
本発明の例示的な実施形態では、ゲージ辺長(すなわち成分の質量中心の間の距離)は、相互作用部位間の予測される距離範囲及び/又は小分子薬の寸法を対象範囲とするように選択される。代替的に、例えば、非小分子薬に対しては、小分子薬に範囲とは異なる範囲が選択されるかもしれない。本発明の例示的な実施形態では、選択される範囲は、2オングストロームと12オングストロームの間である。他の実施例では、その範囲は10オングストローム未満であり、さもなくば8オングストローム未満である。代替的にまたは付加的に、その範囲は3オングストロームを超え、さもなくば4オングストロームを越える。場合によっては、「外側の長さ」または「内側長さ」を利用することができ、それは三角形に属している成分の外側であるか内部であるかに基づいて定義される。
本発明の例示的な実施形態では、抽出分解能を確保するために分子が必要とするエネルギー損失を均一に抽出するように、試料抽出を選択する。例えば、第1の三角形の辺がxオングストロームであり、第2の三角形の辺がyオングストロームであれば、第1の辺により対象範囲とされる距離範囲は、その範囲に合うように分子を変形させるためのエネルギーを必要とし、第2の辺により対象範囲とされる距離範囲も同様である。通常、これは、分子が大きいほど、同じエネルギー量に対して、結合範囲が増加することを意味する。選択的に、許容されるエネルギー量は、例えば、ゲージによって検出可能な結合を認めるために使用される定量処理過程、ターゲット及び/又はゲージのパラメータである。
本発明の例示的な実施形態では、その範囲は中間の大きさにより対象範囲とされており、その結果、成分の各対に対して、少なくとも一つのゲージが各成分の距離に一致するであろう。代替的にまたは付加的に、少なくとも2つのゲージ又はゲージの辺は、成分の幾何学的形状において似ている。代替的に、2つのゲージの辺だけが一致する。異なる環境は異なる数のゲージを決定付ける可能性があり、例えば、いくつかの結合はある温度でより大きな柔軟性を示し、他の温度では示さない。
ゲージによる距離の抽出は範囲に沿って均一であるかもしれない。さもなければ、異なる三角形の辺長を取るために、三角形の間の変化する足場の影響のために、例えば、指数関数的及び/又は段階的に変化するかもしれない。
三角形の必須の関係に起因して、辺の長さの幾つかの組は、一つの三角形中で組み合わすことができない点に留意する必要がある。すなわち、どんな2辺の長さの合計もが、第3の辺の長さより大きい。
13.6 環境安定性
本発明の例示的な実施形態では、ゲージは、制御されたpH、温度及びイオン含有量を含む通常の生理状態の下でターゲットに適用される。その結果、それらは標準環境においてのみ正しく機能するように選択される可能性がある。
しかしながら、いくつかの実施例では、試験範囲は、通常存在する生理的状態に適合しないかもしれない。特定の実施例では、薬の所望の特性は、高熱温度において、或いは発熱している及び通常の生理的な温度でない患者に対して、活動であるかもしれない。
ゲージの特別なセットは非生理的な状況において使用され、例えば、いくつかのゲージを他と置き換える。代替的にまたは付加的に、ゲージの比較的安定なセットが提供され、それは広い範囲の環境にわたって同じ挙動を示す。代替的にまたは付加的に、たとえゲージの特性が変化しても、その変化が知られていれば、また、スパニング(空間を張ること)が維持されれば、再現方法を調整して環境の影響と把握することができる(例えば、三角形空間内の位置及び/又は大きさ)。
いくつかのゲージは水にあまり溶解しないので、他の起こり得る環境的な変数は使用している溶媒の種類であり、その結果定量では非標準の溶媒を使用することができる。
他の実施例では、ターゲットはコンフォーマル変化を示す可能性があり、例えばカルシウムイオンの濃度のような、環境の小さい変化の下での測定を要求される。変化に対して、ゲージの感度が、ターゲットタンパク質と同じ感度を示さないことは望ましいことであるかもしれない。
代替的にまたは付加的に、ゲージは様々な環境の変化に対して設計され又は選択されてもよく、その結果、例えば単一のゲージが様々な環境のそれぞれにおいて多数の測定を行うことができるようになっている。
13.7 ゲージの特徴と辺及び三角形の重複
上述のように、例えば、2つの異なる成分への結合を可能にする相互作用部位によって及び/又はゲージ(及び/又はターゲット)の柔軟性に起因して、2つの異なるゲージ辺長は、特定の相互作用部位の配置と一致し得る。そして、それを完全に除去することができない。
本発明の例示的な実施形態では、ゲージ測定間の重複が制御され、ゲージ空間上に実質上一定になっている。代替的にまたは付加的に、重複は最小化される。代替的に、例えば、ゲージが結合しない又は定量が失敗する場合に様々な偶然性を補うために、或いは、付加的な結合の情報を提供するために、重複が少なくとも最小量となるように働く。
実質上固いゲージが使用される場合であっても、相互作用に固有の許容範囲の水準があり、その結果幾分かの自由度が、場合によっては結合強度を犠牲にしているが常に有効である点に留意する必要がある。
重複の程度が分かっている場合、例えばクラスタ化の間に、上述の再現方法においてその影響を補正することができる。代替的にまたは付加的に、予測される重複の程度が予測される影響を示さなければ、その測定は疑わしい。
しかしながら、本発明の例示的な実施形態では、大部分の重複は、例えば三角形の2つの、3つの以上の繰り返しの因子として提供される。微小な重複は、例えば非直交の親和力(検出可能な範囲における)を有する成分を用いることによって、及び/又は、三角形間の部分的な重複の結果として、提供される可能性がある。通常、しかしながら、例えば、足場間の差及び/又は足場内の他の成分影響に起因して、正確に同じ三角形は繰り返されることがないであろう。
このように、代替的にまたは付加的に、偶発的な重複に対して、一部又は全ての三角形がゲージ間で繰り返される。本発明の例示的な実施形態では、この繰り返しを使用して、立体衝突の影響及び/又はいくつかのゲージによって示される他の予想外の化学的な挙動を補正する。代替的にまたは付加的に、その繰り返しは、ゲージの結合に基づいて、どの三角形が拘束されたかを決定するために提供される。この趣旨で、2つのゲージが含んでいる他の三角形についてゲージ間の重複がより少なくなるように、ゲージを選択することができる。しかしながら、足場が十分に異なっていれば、他の足場の三角形の大部分に重複する一つの足場の三角形の大部分の確率は小さいと思われる。これは、それぞれの足場とゲージの間の重複を分配するのに役立つかもしれない。代替的に、類似した足場を使用し、その結果、同じゲージ中の三角形の重複をより大きくしてもよい。ゲージがある程度の柔軟性をもっているという事実により重複の一部を提供し、その結果、結合点の同じ三角形配列が異なるサイズの三角形によってマッチングすることができる点に留意する必要がある。本発明の一つの例示的な実施形態では、各三角形配列の点が少なくとも一つのより大きい三角形及び少なくとも一つのより小さい三角形によってマッチングすることができるように、ライブラリを設計する。この重複は、実質上同一の三角形が少なくとも二度提供される場合に、付加的であり、或いは反復性の形式の重複の代わりであるかもしれない。
選択的に、例えば少なくともいくつかの三角形が他の三角形と同じ立体衝突の問題がないであろうことを確かめるために、特定の足場内の成分の順序を制御して予測される立体衝突を把握する。
代替的にまたは付加的に、立体衝突の問題を避けるために、同じ三角形を有する、ゲージの混合、しかし、異なる予測される立体衝突を単一の定量中に混合することができる。
本発明の例示的な実施形態では、三角形は一般に重複し、正確には同一でないが、三角形空間の三角形の分布が比較的不連続な格子となるように、格子点に近い三角形のクラスタを用いて、例えば、20%、40%、60%或いはより少ない、中間、又はより多い割合の、少なくとも幾つかのライブラリのゲージ三角形が選択される。代替的に、より少ないクラスタ化を用いて、その三角形空間の対象範囲が比較的均一になるように、例えば、20%、40%、60%或いはより少ない、中間、又はより多い割合の、少なくとも幾つかのライブラリが選択される。上述のように、非結合の様々な原因を克服するために重複が役立つ可能性がある。しかしながら、より大きな重複はより大きなライブラリを意味するかもしれない。
重複の程度は均一である必要がない点に留意する必要がある。例えば、ある三角形の大きさにおいてより立体衝突がおこる傾向があるかもれしず(例えば、それら全てが大きな足場を使用する場合)、その場合、より大きな重複が提供される可能性がある。その場合には、より大きな重複は提供される可能性がある。選択的に、例えば三角形が拘束されたかどうかを決めるための閾値を決定するために、そのクラスタ化方法は重複の程度を考慮に入れる。
13.8 ゲージの質量及び大きさ
本発明の例示的な実施形態では、ゲージは最小の質量をもつように選択される。質量が増加するにつれて、ゲージはより活性的になり、結合しそうになくなることが予想される。代替的にまたは付加的に、質量が大きくなると、しばしばサイズが大きくなり且つ立体衝突の機会が増えるようになる。本発明の例示的な実施形態では、足場は、成分を含んでいない200未満の集団を有するように選択される。場合によっては、少なくともそれらの増強された親和力による部分において、ベンゼン環の成分の増加質量が相殺される。代替的にまたは付加的に、例えば4つのfusen環の大きさよりも大きくないように(例えば約10オングストローム)、ゲージは大きさによって選択される。代替的にまたは付加的に、ゲージとして包含するための分子を選択するときに、分子があまりに大きいかあまりに重い場合、選択は失敗となる。場合によっては、大きさの考慮が相対的である点に留意する必要がある。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、三角形が足場の大きさの順序に基づく辺を有することは望ましい。特定のゲージによって提供される三角形を考慮するとき、大きな足場上の小さな三角形は無視されるかもしれず、場合によっては、より小さな足場により提供されることを強いられる。
当然のことながら、これらの実施例は限定されず、ゲージの大きさはより大きく及び/又はより大きな質量を有するかもしれず、さもなくば限定され、ゲージの大きさはより小さく及び/又はより小さい質量を有し、応用又は実行に依存している。
14.特定の及び一般のゲージセット設計
14.1 スパニング・ライブラリの大きさの測定例
特定の仮定では、以下は、ターゲット上の小分子に対する完全なスパニング・ライブラリ中の多くのゲージ及び三角形の推定である。
対象となる長さの範囲が、1オングストロームごとで、9オングストロームまでと想定すると、可能な三角形の数は10*10*10/(2*3)である(因子2は相似する三角形に関するものであり、因子3は回転の縮退に関するものである)。10の成分及び成分の方向を仮定すると、約166,000の三角形が生じる。1つのゲージにつき3つ及び5つの三角形の重複因子を仮定すると、約100,000のゲージが生じる。これらの数は、もちろん単なる一例にすぎないが、ライブラリ設計の以下の説明を明らかにする際に役立つかもしれない。
ライブラリの大きさは、張られる三角形空間、精度、ゲージの複雑さ及び重複の程度によって決まると思われる。これらのいずれかは本発明の例示的な実施形態に従って変化し、例えば、10,000以下のゲージ間と1,000,000以上のゲージ間とを用いてライブラリを生み出す。例示的な中間のライブラリの大きさは、30,000、60,000、80,000、200,000及び550,000のゲージを含む。さらに、ライブラリは、例えば上述のように、非ゲージの要素を含むことができ、又はより大きなスクリーニングライブラリの一部を形成することができる。通常、ライブラリ中のゲージの数が多ければ多いほど、全体としてそれが適用され、より機能する。しかしながら、ライブラリが大きくなるにつれて、精度、特異性及び適用範囲をより大きくして利用することができる。
7つの成分のみを有するより小さいゲージライブラリの一例は、抽出距離を8に減少させ及び/又は重複因子を2に減少させる。また、より小さくより大きいライブラリ及び/又はライブラリのパラメータの他の修正を、様々な部分的なライブラリと同様に、本発明のいくつかの実施形態において提供することができる。
他の実施例では、全てのゲージが一つの(または少数の)三角形を含むように設計されており、その場合には、約166,000のゲージが必要である(重複がない場合)。そのような特定のゲージライブラリでは、最初のクラスタ化段階は選択的に省略される。しかしながら、少なくとも偶然に、ゲージが複数の物差しを含み、その結果、依然としてクラスタ化を利用することができることが注目される。場合によっては、物差しの一部として参加することからゲージの足場部分を妨げるために及び/又は特定のゲージによって提供される異なる三角形の数を減らすために、成分がゲージ上に提供される。
14.2 ゲージの部分集合の選択
ゲージライブラリの特定の形式は部分集合ライブラリであり、それは標準のライブラリより小さくすることができる(しかし、長さ及び/又は成分の種類がより高分解能であれば、より大きくてもよい)。
本発明の例示的な実施形態では、特定の測定に対して全ゲージの一部のみが使用される。場合によっては、これは、各段階ごとに全ての利用可能なゲージを使用しない反復方法を用いていることによる。代替的にまたは付加的に、実行する定量の回数を減少させることが要求されるかもしれない。代替的にまたは付加的に、これは異なるゲージ間の多数の重複の結果であるかもしれない。本発明の例示的な実施形態では、ゲージは、例えば細胞定量中に、環境(例えば温度、pH、使用される溶媒)中でよりよく作用するように及び/又はターゲット及び/又は定量法を用いてより少ない逆相互作用を示すように選択される。代替的にまたは付加的に、これは、例えば小さい薬の全てのタンパク質ターゲットにほとんど例外なく利用できる上述の実施例に示されるような、完全なスパニング・ライブラリを作成するときの失敗の結果となるかもしれない。
固いゲージの一つの潜在的な効果は、それらの化学的な挙動が影響を受ける場合であっても、複数の固い分子の幾何学的形状が環境の変化によって受ける影響が最小限にとどまるということである点に留意する必要がある。これは、ゲージセットをより一般的にすることを可能にする。
本発明の例示的な実施形態では、部分集合のためのゲージは、例えば相互作用部位の間の距離の予測される範囲等、ターゲットの形状に基づいて選択される。
代替的にまたは付加的に、ゲージは測定の必要性に応じて選択される。例えば、特定の相互作用部位の大きさが未知であるが、親和力が弱いと分かっている場合、その相互作用部位に対して、成分の大きさの範囲内のより高密度の試料抽出を使用することができる(例えば、その部位に結合することが予測されるゲージに対して)。
代替的にまたは付加的に、ゲージは、例えば薬中の可能な水素結合の方向の種類等、利用可能な薬の種類の知識に応じて選択される。代替的にまたは付加的に、ゲージは、薬の間の差のより高い分解能を提供することによって、2つの潜在的な薬の間をより良く区別するように選択される。
本発明のいくつかの実施形態では、より低い分解能のゲージが使用されるそれらの部分のターゲットであることを考慮に入れても、ほぼ正しいモデルを再現することができるように、ゲージが選択される。代替的に、ゲージは特定の薬がターゲットに結合するかどうかを決定するために選択されるので、可能な構成のより少ない範囲を測定するために要求されるゲージだけは必要である。
選択的に、ゲージは1種類の所望の結合マッチングに応じて選択される。例えば、ターゲット及び/又は潜在的な薬が硫酸塩の結合を含むことが分かっている場合、硫酸塩の成分を含んでいるゲージが使用される。
本発明の例示的な実施形態では、ゲージの部分集合を選択する方法は:
(a)ゲージの部分集合の使用を決定すること;
(b)前記使用に適合するゲージの選択のための一つの又は複数の規則を決定すること(例えば、大きさ、成分、密度、その他例えば、上述のような);
(c)前記規則に適合する複数のゲージのライブラリから選択すること;及び、
(d)選択的に、結果として生じるライブラリが前記使用に対する所望の情報を提供しそうであるかどうかを決定すること、含む。
例えば、定量結果が再現を生じさせそうであるかどうかを見るためにシミュレーションを行うことができる(例えば、結合率、適用範囲の密度、性質又はターゲット、及び/又はゲージ上の三角形間で識別が要求される重複の程度の定量に基づいて)。他の実施例では、その情報は部分的な情報であり、その情報を識別することができるかどうかを見るためにシミュレーションを行う。
14.3 ゲージライブラリ設計
以下のテーブルにゲージライブラリ設計のための足場の例示的なものを示す:
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本発明の例示的な実施形態では、成分はMe(メチル)、Et(エチル)、Pr(プロピル)、Ph(フェノール)、CO2H、OHおよびNH2である。成分はどのR位置にも結合できるが、前述したように、全ての可能なゲージが必要であるというわけではない。R1において、インドリジン足場はCOOHかNH2を有する可能性があり、その両方は表中に示されている。特に、出願人は、通常、4つか5つの結合点をもつ足場がおおよそM3個の異なるゲージのみを使用してM個の成分をもつ三角形の全範囲を張ることができるということを発見した。これは、一般に、多くの結合点をもつ足場にとって正しい(例えば、指数部は3よりもそれほど高くない)と考えられている。
たとえライブラリが全ての可能な三角形を対象としていなくても、存続能力のある再現は多くの薬ターゲットにとっていまだ可能であり及び/又はライブラリに取り付けられる相当に実用的である点に留意する必要がある。また、上述したように、部分的な再現は、場合によっては役立つ。また、上述したように、場合によっては、たとえいずれの再現も不可能であっても、ゲージのマッチングをリードとして及び/又はリードを排斥するために使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、その方法の失敗は、概して自明であり、存在しないリードを追跡する非生産的な調査を行わない。
代替的にゼロからゲージのライブラリを構築するとき、ライブラリの少なくとも一部分を、所望の大きさ及び/又は成分を有する三角形を含む分子に対して既存のライブラリをスキャンすることによって生成することができる。選択的に、上述のように、小さく固い分子が選択される。この種のライブラリは、例えば、一組の足場に基づかないかもしれない。
14.4 ライブラリ構築方法
上述の説明から、ライブラリを構成するために使用することができる多くの方法があることは明らかであろう。少なくとも部分的に上述の規則のさまざまな適用を例示するために、以下の例示的な方法が、記載されている:
(a) ライブラリ・パラメータを決定する:例えば、ライブラリに求められるスパニング範囲及び精度;
(b) ライブラリのために成分を選択する;
(c) 足場を選択する;
(d) 足場からゲージを生成する;
(e) それらが適切であれば、生成されたゲージを加える;
(f) ライブラリが所望の精度及び/又は適用範囲でスパニング範囲を張るまで、(c)から(e)を繰り返す;及び、
(g) 選択的に、ライブラリを確認する。
本発明の例示的な実施形態によれば、例えば最長マッチを行う方法や第一適合法等の資源配分アルゴリズムを使用する。これらの名前は、一組の考えられる資源からの選択方法を参照し、特定の時間を割り当てるために準備し、例えば、足場上の利用可能なゲージからライブラリに対して選択するために測定し、又はライブラリに加えるために足場を設ける。多数の、そのような方法が当技術分野で知られており利用可能であり、本発明のいくつかの実施形態では、最適な解決、単に実用的なまたは妥当な解決を提供するためにその方法を必要としない点に注目する。
代替的な方式は、選択に基づくライブラリ構成方法である。この方法では、既存の分子ライブラリは、ゲージのような性質(例えば、本願明細書において記載されているような)を有する分子に対してスキャンされる。結果として生じる潜在的なゲージは、余計なものを取り除くためにフィルタリングすることができる。しかしながら、一般のライブラリの現状では、そのようなライブラリをスキャンすることが完全なゲージライブラリを生みださないであろうことが予想される。選択的に、そのような選択されたゲージライブラリは他の技術、例えばゲージ生成に基づく足場等、を使用して完成される。
当然のことながら、多くの可能なゲージ及びより少ない実際の要求された数を前提として、要求される数に一致する適切な及び/又は最適なゲージの組を選択するための多くの最適化技術がある。上述したように、その選択は、ライブラリが供される使用に基づくものであり、及び/又は、例えば多様性、化学的挙動、及び合成能力のような検討材料に基づくものであるかもしれない。さらに、例えば、他の足場から構成される一組のゲージを用いて、又は潜在的なリードのライブラリから選択される分子を使用することにより、ライブラリの一部が交換される可能性がある。本発明の例示的な実施形態では、(g)において、例えば、余剰を取り除き、及び所望の配分(例えば、三角形の、化学的性質の)及び重複(例えば、長さ及び/又は成分の)が特定の指針を満たす及び/又は最適であるということを確実にすることによって、構成されたライブラリが最適化される。
14.5 足場選択方法
本発明の例示的な実施形態では、概して足場は、特定の望ましい性質を有するように選択される。例えばそれは以下の一つ以上である:
(a)小ささ;
(b)固さ;
(c)コンビナトリアル・ケミストリーに対する適合性;
(d)成分及び/又は化学的なマーカ(例えば、結合定量のため、化学的操作のため)を取り付けるために、例えば、3,4,6,10,12またはより少ない、中間、より大きい任意の中間の数の、複数の結合点を含むこと;
(e)三角形の辺の範囲を規定することができるような結合点の幾何学的な配置;
(f)例えばそれぞれの状況に対して平面または容積を選択することができる、3次元構造;
(g)成分が取り付けられるかもしれない、余分の突起部の数(場合によっては、少ないことが望ましいかもしれない)。その結果、(例えば、ライブラリに対して或いは特定の三角形に対して)有用な成分が足場の形状を定義する場合に、余分は完全な足場に関連する;及び/又は、
(h)可溶性(例えば、足場内の極性のある原子の数に基づいて決定することができる)。
一般に、成分の結合位置が多くなるにつれて、足場は種々の大きさの三角形をより提供できるようになるが、これは足場(及びゲージの大きさ)に悪影響を与える可能性があり、そして三角形のほとんどが役立たなくなる可能性がある。一般に足場では、使用される結合点として潜在的な結合点の幾つかのみを指定することが、有益であるかもしれない。これは、使用される多くの異なる合成方法を減らし及び/又はそれらの均一性を促進することを可能にする。
これらの性質の全て又はいずれかでもが、本発明のいくつかの実施形態において必須であるとは限らない。実際には、小さい環及び環の分子鎖は、これらの基準を満たすように見える。このように、本発明の例示的な実施形態では、一組の足場は、所望の基準を満たす分子について、既存の知られている環及び小さい分子鎖を検討することによって生成することができる。本発明の例示的な実施形態では、この種の選択の間、大きさの範囲(例えば結合点間の距離)をもつ足場を選択するために努力がなされ、その結果、三角形の範囲は足場を使用して生成される。
一般に足場判定基準に加えて、ライブラリに対する足場の選択は他の判定基準を与えるかもしれず、例えば、ゲージのスパニング・ライブラリ及び/又は化学的性質の範囲を生成し及び/又はゲージを生成するための比較的小数の比較的小さい複雑処理を要求する。
本発明の例示的な実施形態では、足場選択処理手順は、次の通りである。既存のライブラリ部分を前提として、以下の判定基準のうちの少なくとも1つに答えるならば、新しい足場が利用可能な潜在的な足場のリストから選択される:
(a)足場が、ライブラリから失われている多数の三角形を生成する。例えば、ユーザが設定するような、10、50、100或いはそれらより小さい、中間、より大きいいずれかの数;
(b)足場は、他の足場を使用する生成を避けて、ライブラリの欠落部分を形成する少なくとも一つの(或いは、20未満、10未満、5未満、または他の、ユーザが設定する値のような、少数の三角形)三角形を生成する;
(c)足場は、多くの既知の化学的性質(例えば操作及び/又は添加成分のための方法)を有する;及び、
(d)足場は、所望の量の重複に対するポテンシャルを加える。
一般に、ゲージが多く生成されれば、ライブラリを完成することがより容易となり得る。しかしながら、全ての足場が、多くの有用な三角形を生成することができるわけではない。
ライブラリ設計の方法に基づくある相違点では、各ライブラリ要素ができるだけ異なるように選択され、その結果、この種の選択方法及び/又は少なくともいくつかの使用された判定基準は適用できず、及び従来の発想に衝突する点に留意する必要がある。
ライブラリが一杯になるにつれて、所望の性質(例えば、要求される三角形を形成するための)を有する足場を検索又は構成する可能性とともに、考慮(b)により重点がおかれる可能性がある点に留意する必要がある。更に、例えば適用範囲を確するために或いは適切な固い足場の不足のために、検索はより固くない足場を選択することとなる可能性がある。
本発明の例示的な実施形態では、ライブラリの任意の最適化段階の間、足場はそれらの質(例えば、足場判定基準に適合すること)、生成される三角形の数及び/又は生成される三角形の特徴に関しては評価される。これらの検討材料に基づいて、足場が有用でない或いは必要でないと判断される場合、足場をライブラリから取り除くことができる。
足場間の一つの差は、足場中の環の数である。一般に、環の数が増加するにつれて、足場の大きさ及び重さも増加する。用途によっては、足場中の環の数は、足場がおおよそどんな三角形の大きさを提供することができるかを決定するために発見的手法として使用される可能性がある。用途によっては、多重環の足場が必然的であるかもしれない。代替的にまたは付加的に、単環又は二重環の足場は、小さい足場に対して及び/又は立体衝突を減少するために利用することができる。
14.6 ゲージ選択方法
本発明の例示的な実施形態では、一般にゲージは特定の望ましい性質を持つように選択され、例えば以下の一つ以上である:
(a)小ささ;
(b)三角形の多さ;
(c)例えば1から100マイクロモルの範囲中において、高いさもなければ所望の、結合親和力;
(d)固さ;
(e)分子の体積を定義する、取付けられた成分;
(f)例えば、ライブラリ中の成分間の因子10及び分子間の因子100、しかしながら他の実施形態では、より小さい又はより大きい因子(例えば、1以下、5、20、50、130、250、1000或いはそれらより小さい、中間、大きい因子)等の、一つ又は両方の判定基準に対して提供することができる、成分に関する比較的均一な結合確率;及び/又は、
(g)化学的挙動。例えば、(i)溶解性を助けるためのDMSOのような合成洗剤を用いている、所定のpHの水であるターゲットの自然の溶質中における溶解度、(ii)予測される汚染物質による反応性の欠如、(iii)アミノ酸又はそれらの既知の典型的な組み合わせ及び/又は基質によるものである、ターゲットタンパク質による化学的な反応性(共有結合の生成)の欠如、(iv)性質の範囲を越える所望の挙動。
一般に、結合の均一性が高いほど、各定量法が同じ意味合いをもつことを意味する。しかしながら、そのような細かく規定される材料を提供することは、通常、実際的ではなく、そして、もし化学物質の現実的なセットが提供されれば、特定の許容範囲が実用的である。
既存の分子スクリーニングライブラリからゲージの選択によってライブラリ(またはそれの一部分)を生成するとき、各分子は、例えば、所望の判定基準に対してスクリーニングされる。分子は、選択され又は排斥される可能性がある。代替的にまたは付加的に、分子はそれと関連する適合性の得点を持つことができる。同様に、一組の潜在的なゲージは、足場から生成することができる。
本発明の例示的な実施形態では、適合性(例えば、相関的又は絶対的な)の一方または両方及びグループ判定基準の適合に基づいて、生成された/選択されたセットからゲージが選択される。本発明の例示的な実施形態では、例えば2進数の判定基準として又は点数の一部として以下の判定基準の一つ以上が適用される:
(a)提供される三角形及び/又は不足している三角形に適合されるそれらのその特徴。
(b)所望の柔軟性に対する、ゲージ及び/又は個々の三角形の柔軟性の適合。
(c)例えば細長い又は円い、全体としてのゲージの形状。その形状は、立体衝突が特定の三角形の全てを排斥しないようにその形状が変化するライブラリを構築するときに、検討材料となるかもしれない。このために、ゲージの形状は、ゲージ上の特定の三角形の位置と相互に作用する可能性があり、例えば、もし同一の三角形が2つの細長いゲージ上で見つかれば、それらのゲージの1つにおいて、三角形が軸方向であり、そして、もう一方においては、横切る軸方向であることが望ましいかもしれない。代替的にまたは付加的に、形状の検討材料は、ゲージの三次元形状及び/又はゲージ中の三角形の相対的なレイアウトに関する。
(d)例えば、4、5、又は他の数の多重点の物差しの均一な(又は他の)配分が提供される特有の非三角形である、その特定の非三角形の物差しが見出される。
ゲージ及び/又は足場において、適合性の決定が、シミュレーション及び分子分析ソフトウェアを使用すること、化学実験室試験、及び/又は同一或いは同様な化学物質に関する文献を探索することのうちの一つ以上を含むことが可能である点に留意する必要がある。
上述の選択方法は、単一の汎用ライブラリ(又は幅広い用途のための一組のそのようなライブラリ)を設計するときに、便利であるかもしれない。しかしながら、特定の性質を持つゲージ又は物差しを探すことによって及び/又は生成されるゲージ及び/又は足場を規定するときに、個人の及び/又は特別のライブラリを生成するとき、幾つかの、同様な、又は他の選択方法を使用することができることに注目すべきである。
14.7 ゲージ合成
本発明のいくつかの実施形態では、足場からのゲージライブラリの生成は、ゲージの連続的な合成を援助する可能性がある。足場に基づくものではない(または、一部が基づかない)ライブラリでは、標準の合成方法を使用することができる。
本発明の例示的な実施形態では、例えば後述するような液相法を使用してゲージが合成され、そして、例えばHPLCを使用する、標準の方法を使用して不純物が除去される。
本発明の例示的な実施形態では、並列の合成方法が使用され、そこでは、複数のゲージがすぐに合成され、その後、分けられる。本発明のいくつかの実施形態では、足場によってつくり出される可能性がある少数のゲージだけが実際に必要とされる点に留意する必要がある。代替的にまたは付加的に、特定のゲージの多くを作り出すことができなくても、所望の三角形空間のスパニング及び/又は重複を提供するために、充分な数の代替のゲージを利用することができる。例えば、10の成分をもつ5点の足場上において、100,00の組み合わせが可能であり、そのうち1000が全三角形を十分に対象範囲とする。このように、選択をすることは、例えば、その場限りで、実際の収率(例えば、相対的な収率)に基づき、或いはライブラリの事前のデザインに基づくものである。
本発明の例示的な実施形態では、コンビナトリアル・ケミストリーの方法が使用され、足場中の異なる取り付け点におけるそれぞれに成分を取り付け、選択的に、その結果、成分の組合せの全てがつくり出される。各最終生成物は、(例えば)分離を容易にするために重合体のビーズに取り付けられる。そのビーズは、つくり出されたゲージの分離及び/又は識別の援助のために符号化された色である。
代替的に、例えば以下に示すような或いは当技術分野で周知のような、他の固相法が使用される。
14.8 混合ライブラリ設計
上述したように、利便性のために、完全な汎用ライブラリは要求されない。更に、ゲージライブラリを、「標準の」スクリーニングライブラリに含むことができる。本発明の例示的な実施形態では、スクリーニング、測定、及び/又は他の用途のために使用されるライブラリ中の分子の少なくとも0.05%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、20%、40%又はより小さい、中間、より大きいいずれかの割合が、ゲージのような分子を含んでいる。そのようなゲージの中では、例えば、50%未満、30%、60%、80%、90%よりも大きい、又はより小さい、中間、より大きい割合のゲージが足場に基づくゲージであり、その場合、足場を使用して、取付けられた成分によって定義される三角形中で20%未満の重複をもつ少なくとも5つのゲージを生成する。上述したように、ライブラリは標準のスクリーニング部分を含むことができるが、かなりの数のゲージのような分子を提供することは本願明細書に記載されている方法を適用する際に役立つかもしれない。
本発明の例示的な実施形態では、ライブラリは、少なくとも5,000、10,000、20,000、50,000、80,000、100,000、又はそれらの中間又はより大きいいずれかの数のゲージを含む。これらのゲージは、例えば、ゲージ、単純なゲージ及び/又は固いゲージに基づく足場でもよい。これらのゲージは、例えば、1.1、1.5、2、3、又はより小さい、中間、より大きい程度の重複とともに、三角形空間の5、20%、40%、80%、100%、又はそれらより小さい、中間、より大きい割合を張っている。上述したように、スパニング(spanning)がより良好であるとき、より大きなライブラリを使用する費用にもかかわらず、より成功しやすいかもしれない。より小さいライブラリは多くの場合において適用し易く、さらに便利な結果をもたらす。
ゲージ間及びその他のリードライブラリ間の1つの重要な差は、本発明の例示的ないくつかの実施形態によれば、ライブラリに基づくゲージを試用して比較的大きな適合が予想されることである。例えば、少なくとも0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.5%、1%、3%、5%、10%、又はより小さい、中間、より大きな割合の数が、結合すると予想される。結合の割合は、例えばライブラリ中のゲージ間及び非ゲージリード間の比率に依存する可能性がある。
当然のことながら、これらの割合は単なる数字ではない。むしろ、たいてい、リードが結合しない所で、それらはライブラリとの性質上の差を表す。一つ以上のリードを発見するか率が大きいほど及びリードの数が多いほど、薬が発見されるであろうことがより起こり得る。しかしながら、結合しすぎるために、結合により提供される情報の質は減少する可能性がある。
また、ライブラリは、三点の物差しとより高いバランス(valance)物差しとの混合を含む可能性がある。3つよりも多い成分を含むゲージはいずれも高いバランス物差しを含むが、本発明の例示的な実施形態では、ライブラリはより高いバランス空間を張るように設計されている。例えば、ライブラリは、より高いバランス物差しの空間の少なくとも0.1%、0.3%、0.5%、又は少なくとも1%、又はそれらより小さい、中間、より大きいいずれかの割合を張る。例えば、スパニングは連続的であり(例えば、低分解能でのライブラリ全部又は高分解能でのライブラリの一部)、或いは不連続であるかもしれない(例えば、ライブラリの分離した部分)。一般に、より高いバランス物差しは、例えば三角形の100,000のライブラリに相当するスパニングの数として、例えば20,000,000という非常に多くの数を必要とするかもしれない。そして、商業的な実施は、今日利用可能である定量法よりも、さらにより並列の定量法の利用可能性に頼るかもしれない。選択的に、より高いバランス物差しが提供されてより柔軟になり、その結果、空間を張るためにより低い分解能が必要とされる。
14.9 ライブラリの信頼性の確保
本発明の例示的な実施形態では、一度ライブラリが構成され及び/又はその構成の間、様々な品質保証プロセスを使用することができる。一つの実施例では、スパニング、重複及び/又は精度の判定基準セットにライブラリが適合することを確かめるために、ライブラリを分析する。いずれかの不足している三角形及び/又はゲージを、この点で提供し、又は不足として示すことができる。代替的にまたは付加的に、低い溶解度又は高い毒性を有する分子は、除去され及び/又は類似した空間化学的な構成を示している分子と取り替えられる。
本発明の例示的な実施形態では、ライブラリの使用からの反応が使用され、ライブラリ、再現プロセスを調整し、ライブラリの設計を手助けする。
本発明の例示的な実施形態では、例えば既知の及び/又は未知の構造を有するランダムに選択されたターゲットに対して試験定量を行うことによって、ライブラリの理論上のモデル化がその実際の挙動と比較される。既知の構造を有する分子の2つの例は、任意の取付けられた要素を有する、DNA又はRNAから構成される、完全にマップ化されたタンパク質および構造である。選択的に、ターゲットはランダムではなく、ライブラリの理論上のモデルの特定の仮定を検証するために選択される。代替的にまたは付加的に、校正は、ゆっくり時間をかけてライブラリの実際の使用の結果を分析することによって行われる。
本発明の例示的な実施形態では、以下のデータの一つ以上は、そのような分析によって提供される:
(a)ゲージ及び系統(例えば類似)のゲージに対する定量結合率;
(b)一つ以上のゲージの環境状態間及び結合率間及び/又はコンフォーマル変化間の依存性;
(c)重複三角形をもつゲージ(及びその三角形)間の立体衝突のBaysian確率;
(d)三角形間の重複の実際の程度;
(e)ターゲット種類とゲージ結合の間の依存性;及び/又は、
(f)種々のアルゴリズムのためのパラメータ値(例えば閾値)。
また、ライブラリの他の性質、例えばゲージの全般的な固さ及びデータバンク中の正確さの値等を、そのような又は他の分析によって提供することができる。
本発明の例示的な実施形態では、上述の発見の結果として、例えば余剰のゲージを排斥することによって及び/又は不足している三角形を生成するためにゲージを探索することによって、ライブラリを修正する。
代替的にまたは付加的に、上述の発見の結果として、例えば特定のゲージに関するような特定の方法において、及び/又はそれらの適切な理論上のモデルから及び/又はそれらのモデルのパラメータとして、足場の挙動及び/又はゲージの系統の統計にもとづく偏差に関連するような全般的な方法において、ライブラリ及び部分的なライブラリのより遅い生成が修正され、補正情報を考慮する。
代替的にまたは付加的に、例えば、各三角形の実際の対象範囲、適合の空間形状(三角形空間中の)及び/又は種々の三角形物差し及び/又はゲージの相対的な結合強度等、どの三角形が一致したかより良く区別するために、再現プロセスが調整される。
14.10 ライブラリ設計中の人間の相互作用
ライブラリを設計するプロセスは、自動化、半自動化、或いは手動でもよい。一般に、より潜在的なゲージ及び/又は足場が利用可能であり、適切なモデル化ソフトウェアも同様に利用可能なときに、自動化された設計を提供することができる。これは、一旦完全なライブラリが利用可能であれば、部分集合を選択することは完全に自動化することができ、すぐに所望のパラメータが提供される一つの例である。例えば、既存のライブラリからのゲージの選択及び/又は既存のライブラリからの足場の選択等のいかなる場合においても、いくつかのライブラリは自動的に生成される得る。以前の情報が利用可能でないならば、合成を容易にするには手動にすることを必要とするかもしれない。しかしながら、本発明の例示的な実施形態では、足場が既知の化学的な挙動および合成経路を有するように選ばれ、その結果、成分の結合はほとんど研究業務を必要としないことを示す。場合によっては、しかしながら、人間は選択肢間の選択のみを要求されるだけではなく、実際には、特定の不足しているのゲージを見つけ、又は足場を提案することも要求される。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態によると、ライブラリの数学的記述が援助して、構造的な合成及び/又は既存の分子の分析を用いてライブラリの完全な或いはほぼ完全な自動生成を可能にしている。例えば上述ように、場合によっては手動で、特にライブラリの合成を用意にするために、その後そのようなライブラリを最適化することができる。
上述したように、再現プロセスは完全に自動的、或いは手動の側面を含んでもよい。しかしながら、一般に、少なくとも薬発見のいくつかの段階において、ゲージの結合の高ヒット率が人間の介入の必要性を減らすか又は除去することが予想される。もちろん、一度マッピングが完了するとすぐに、例えば再現されたレイアウトがどのようにターゲット適合に基づいて行われる様々な仮定に依存するか、ユーザが、様々な仮定の影響を試験することを望むかもしれない。また、多くの場合には、費用が非常に高くて不合格にされる、その一つ又は二つが選択される方法が低い可能性をもたらすであろうために、場合によっては、専門家(又は熟練したシステム)を利用して、選択肢間で選択するため或いは有望なリードを選択するかもしれない。
本発明の例示的な実施形態では、薬発見プロセス中の人間の介入の一つの時点は、最終的なファーマコフォア(例えばモデル)に適合する薬の候補を設計するときである。この段階を援助し又は自動化する種々のソフトウェアが存在することが知られている。しかしながら(まさにこの時点で)、概して人間の判断は、複雑な分子の合成の実現可能性をうまく評価する。もし提案された薬がゲージまたは単純な断片を結びつけることによってつくられるならば、しかしながら、自動評価及びおそらく生成方法が合理的であるかもしれない。
15.実験及び実施例
15.1 実験1
上述の測定方法の幾つかについて、以下の実験により試験を行った。
この実験では、HIV-1プロテアーゼへの結合を示すはずである一組の三角形の物差しを検出するために、HIV-1プロテアーゼの既知の抑制剤を分析した。三角形の物差しを含んでいる一組の分子を選択し、物理的に定量し、HIV-1プロテアーゼへの予想された結合を有することを示した。その結果は、三角形が、結合によってターゲットを測定するために用いることができる存続可能な幾何学的な下部構造であることを示す。
PDB(タンパク質データベース)の以下のエントリが、周知の結合された抑制剤を有するHIV-1プロテアーゼの構造として抽出された。すなわち、1ajv、1ajx、1dif、1gno、1hbv、1hih、1hos、1hps、1hpv、1hpx、1hsg、1hte、1htf、1htg、1hvi、1hvj、1hvk、1hvl、1ohr、1sbg、1upj、2bpv、2bpw、2bpx、2bpy、2bpz、2upj、3tlh、5hvp、7upjである。
その構造は基準フレームとしてタンパク質を使用して重畳され、その結果、空間位置および抑制剤の方向が重畳された。その後、阻害体分子は成分に分解され、それらは空間中でクラスター化した。強い結合部位は、プロテアーゼ中の実質上同じ結合部位に結合している異なる分子内の同じ成分に基づいて識別された。これらの位置の正確さは、それらの位置でのタンパク質の成分が阻害体分子の成分と互換性を持ったということを検証したことによって増加した。
強い結合部位の阻害体成分のトリプレットは、「三角形」として選ばれた。例えば、上述のようなゲージ・セットの中のゲージは、それらの三角形を有しており、結合することが予測される、または、それらの少なくともいくつかが結合しなければならない。
MDLのACD-SC(スクリーニングのために利用可能な化学総覧)の検索のためのクエリー入力値として、トリプレットが使用された。以下のテーブルに示すように、クエリー(成分および大きさ)及び剛性の必要条件に適合した分子が選択された。
Figure 0005166675
Figure 0005166675
Figure 0005166675
Figure 0005166675
Figure 0005166675
少なくとも一つのトリプレットを含んでいるそれらのために、33までの分子が結合の挙動を示すことが予測された。34以上の分子は、一見同じに見えるが、要求される三角形を含まない。
全ての分子は、実際に定量され、さまざまな濃度(10〜1000マイクロモル濃度)において活性(HIV-1プロテアーゼへの影響)を示すように見えた。これらの1から33の分子の中で、約60%が、特に分子7,9,23及び27で、活性を有することが分かった。また、34から39の分子を定量したところ、予想通りに活性を示さなかった。
上述のように、これらの結果は、一般に、ターゲットのレイアウトに適合する三角形の物差しを有するゲージが、しばしば十分に、検出可能な方法で結合しているはずであることを示すものと思われる。
15.2 実験2
この実験では、他の実験によって実行された定量結果を使用して、既知の分子に対する結合部位の空間的なレイアウトを再現し、そして、その後最新技術と比較した。
NCIは、HIVに対抗して活性が陽性の試験が行われた分子のデータベースを保持している。43,000の結果(1999年10月発表時)が、「http://dtp.nci.nih.gov」中の「public data」、次に「results from AIDS antiviral screen」において利用可能である。これらの分子から、少なくとも適度な水準の活性を示した、及び全てのそれらの成分の空間的な位置の決定を許容するのに十分に剛性のあった部分集合が選択された。これは、200未満の分子に帰着した。これらの選択された分子の成分の三角形はクラスタ化された。
クラスタ化の結果は実験1の結果と良好に適合を示し、そして、分子の三角形がPDB構造中で見られた。
これらの結果は、一組のゲージ(例えば、HIVに対して検査された分子)を使用して、活性領域を測定及びその後再現することができるということを示すように見える。
さらに、これらの結果は、適切なライブラリの少なくとも一部分が、足場を使用する構築によるよりもむしろ、利用可能なライブラリから適切なゲージを選択することによって生成される可能性があることを示すように見える。当然のことながら、例えば大きい結合親和力を有する成分の空間的な位置のみのような、全ての成分の空間位置を決定することを要求しなくてもよい。場合によっては、低い親和力を有する成分が取り除かれるかもしれない。
16.合成法の資料
以下は合成法の資料であり、複数の章に配列され、いくつかの足場(及び、それらから生じるゲージ)に関して、表1(化1)に示される。この合成の非常に重要な側面は、適切な足場およびゲージを利用することができ、また、標準の又は修正されたソースに適用される及び/又は予想される方法におけるそれらのパラメータを変化させることにより、既知の化学的なプロセスを用いることによって生成することができることを示しているということである。この資料に記載されている参考文献は、参照により本願明細書に組み込まれている。いずれにせよ、付録に記載されている部分的なライブラリは、少なくとも、部分的な再現及び/又はリードのマッチング中の重要な増加を提供するために多くの場合において役目を果たすことができる性質を有する。
当然のことながら、その資料に記載されている新しい材料、その操作方法、その合成方法、及びこの資料からの分子のグループはまた、本発明の少なくとも幾つかの側面の範囲内であると考えられ、例えば、ライブラリは、1、2、4、6、8、又はそれらの中間の数の足場を含んでいる。代替的にまたは付加的に、本発明の例示的な実施形態によるライブラリは、この資料からのゲージの少なくとも100、300、500、1000、2000、4000、10,000、20,000、又はより小さい、中間、より多くの数を含む。例えばライブラリの一部分を張るようにここに記載されている足場を用いることによって資料からゲージを選択ことは便利であるが、これは必でない。
16.1 ベンゼン、ピリミジン6員環足場
Biginelliジヒドロピリミジン合成(下記の経路)は、見込みのある多重の成分凝縮であり、β-ketoesters2のワンポット環状縮合、アルデヒド3、及び複素環1を提供する尿素4を含み、対応するピリミジン成分に酸化される。
Figure 0005166675
Biginelli一般の多成分方法

いくつかの手順が、溶液相Biginelli反応のために開発された。反応を完了へと促進するために、しかしながら通常、3つの要素2から4のうちの2つの過剰はしばしば使用されなければならず、その後、純化段階が必要である。固相合成は、樹脂2から、切断の後、良い収率および優れた純度の所望のジヒドロピリミジンを提供する(下記の経路):
Figure 0005166675
高度に置換されたピリミジンのSP合成のための他の方法が最近発表された3。この研究では、合成は、ポリマー結合されたチウロニウム塩5から出発し、アセチレンケトン6を用いて環状縮合を経て、カルボキシ・ピリミジン7を形成する(下記の経路)。
Figure 0005166675
テトラ置換ピリミジンaは、下記の経路で説明するように、修正されたBigenelliの合成を経て用意することができる:
Figure 0005166675
最初に、イミジンの機能性は、樹脂固定されたアミジン234、尿素24及びグアニジン252を生成するために酸化しやすい樹脂上に形成される。実際に、これらのアミジンは、第1のBiginelliのビルディングブロックとしての役目を果たす。次に、23から25への2つの他のBiginelliのビルディングブロック(すなわち、2及び3)の添加は、ジヒドロピリミジン足場20、21、225それぞれの生成につながる。ケトン成分(NaBH4、BF3OEt2)の結果として生じる減少は、14、15、16に至り、穏やかな酸化(CAN、CH3CN)を受けた切断(TFA、DCM、1:1)の後、所望のピリミジン8、95、10のそれぞれをもつだけの余裕がある。固相抽出(Solid Phase Extraction:SPE)により、又は単純な96 well SePackにより、酸化の完了後、CANを取り除くことができる。例えばMnO2 6、O-クロルアニル7、KMnO4 8およびCrO3、AcOH、H2SO4 9のような他の酸化試薬もまた使用することができる。R3 = OMe(ビルディングブロック2がβ-ketoesterのとき)である場合において、ジヒドロピリミジン20、21、22は、エステルの加水分解を経る(4−カルボキシ−ジヒドロピリミジン17、18、19を生成する、LiOH、THF、又は5%アルコールのKOH10)。8、9、10(1.TFA、DCM、1:1;2.CAN、CH3CN)に関するような同じモードによって、17、18、19は、4−カルボキシ−ピリミジン11、12、13それぞれの下位ライブラリを与えるために反応する。非対称的な1,3ジケトン2の場合には2つの異性体の混成が得られる点に留意する必要がある。
Figure 0005166675
テトラ置換ピリミジンへのコア・アプローチ

ジヒドロピリミジン5−カルボン酸を、イソシアン酸塩を与えるためにクゥルツィウス再配置を順に経るカルボン酸アジ化物に変換することができることが実証された11。この反応は、5アミノジヒドロピリミジンAを過剰にする。
Figure 0005166675
ピリミジンは、α-β不飽和ケトンを用いるアミジンの環状縮合によって合成することができる。最近、研究者は合成の研究を発表した12。そこでは、彼らは、様々な複素環の合成のためのSP上のα,β-不飽和ケトンの形成中のウィッティヒ反応の利用を述べている。我々は、下記に記載されている重要な段階としてα,β不飽和ケトンのビルディングブロック26の形成に基づいて、溶液中のピリミジンaの代替的な3段階の合成を提案する:
α-β不飽和ケトン26は、DMAの逆流でのNaOEtを用いる、適切なアルデヒドと対応するトリフェニルホスホニウム臭化物27のウィッティヒ反応によって高い収率および純度で得られる。リンの収率27は、アルブーゾフ反応によってα-ブローモケトン28から、直ちに利用可能であり、その後、例えばNaOEtのような強塩基による処理が続く。様々なアミジン2312b−d(図4)を有するケトン26の反応は、所望のテトラ置換ピリミジンの下位ライブラリaを提供する。
6員環上に一つ以上の定常的な官能基を有する小さい下位ライブラリb-gは、より良好な可溶性によって特徴づけられる。
Figure 0005166675
一連の2,5,6-トリ置換-4-オキソ-ジヒドロピリミジン29は、直ちに利用可能なアミジン23および樹脂が取り付けられたα-β不飽和カルボン酸3014から環化−切断法13を使用しているSPによって合成することができる(以下の経路参照)。化合物30は、ポリマーおよびアシル塩化物31(市販のα,β不飽和カルボン酸からつくられる)の結合を経て得られる。
Figure 0005166675
化合物2913bは、対応するピリミジンbへと酸化される(CAN、CH3CN)。樹脂結合したマロネートおよびマロン酸からのクネーフェナーゲル縮合生成物の合成のための固相法は、ヘテロおよび炭素環式化合物の合成のための可能性を有する(下記経路を参照)。
Figure 0005166675
マロン酸モノエステル(上述の経路参照)は、メルドラムの酸をもちいる処理によって巨視的に多孔質なワング樹脂(AgroPore, Argonaut Technologies)から合成される。非対称的のエステル34の転換はトリフルオロエタノールおよびDICを用いる処理によって達成され、その後、置換メチレンにマロネート33を与えるためにピペリジン酢酸塩の存在下でアルデヒドを用いてクネーフェナーゲル縮合が続く。33(2〜10gの樹脂)のバルク樹脂合成のために、連続してより高い収率及びより速い反応を与えた水を除去するためのDean-Starkトラップを用いて、クネーフェナーゲル縮合が実行される。マロネート33は、樹脂結合ジヒドロpyrimidone32を与えるために70°C、4〜8時間で、HClアミジン塩を中和するために過剰なK2CO3を用いて、ジメチルアセトアミド(DMA)溶液中のアミジン塩酸塩23の10の均等物で処理される。試薬消費進行度は、C=NおよびC=Oグループの吸着を観察しているFTIRによってモニタすることができる。DMA16中の0.2モル硝酸セリウムアンモニウム(CAN)を有する32の酸化は、樹脂結合ヒドロキシピリミジンを与える。酸性雰囲気下(TFA/DCM、1:1、室温、1〜2時間)での切断は、第2の下位ライブラリcを与える(下位ライブラリcは、その互変異性の形状、4-pyrimidone中に存在する)。
種々のテトラ置換6原子員環のオーダーメイドの合成の実施例は、以下に記載されている。
アミジン23−25は、対応するメチルチオピリミジンを与えるためにDIEA17の存在下で、市販の[ビス(メチルチオ)methylidene]マロンニトリル35(下記の経路参照)を有する溶液中で反応する。後者は、DCMまたはH2O2 18中のm-CPBAの1.2等価物によって酸化され、ニトリル加水分解(TFPA)10の後に、最終的なアミノピリミジン37となるNH3 19(ジオキサン、室温)を用いるアミン置換の傾向がある中間スルフィニル誘導体36を形成する。LiOHがNH3の代わりに使用されれば、ニトリル後の対応するヒドロキシピリミジン3821が得られる。
Figure 0005166675
一連のさまざまな3,4,5-トリ置換フェノール39は、「環化−切断」法22を使用して、高収率で合成されることが可能である。
Figure 0005166675
α-β不飽和ケトンとポリマー結合アセトニル群42間の基本の触媒反応は(上述の経路参照)、結果として、所望のフェノール39を得るために、樹脂からの付随する切断を有する直列マイケル付加/環状構造反応をもたらす。合成は、ナトリウム3-ヒドロオキシピリジンとの結合によってメリフィールド樹脂から合成される樹脂を使用して開始され、より充填容量が高い樹脂44を生成し、1-ブロモプロパン-2-オン(又は2-ブロモ1-フェニルプロパン-1-オン;2-ブロモ1,2ジフェニルエタノン;2-ブロモ-1-フェニルブタン-1-オン;3-ブロモブタン-2-オン)によって、うまく四分割され、ポリ-ピリニジウム塩43を与える。α-β不飽和ケトンを用いる43の反応は、16時間行われ、そして、樹脂の濾過後、ライブラリ39が得られる。
参考文献
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22. Katrritzky A., Tet. Lett., 39, 8051, (1998)
16.2 インドロ[2,3b]キノリン6,6,5,6環状足場
インドロ[2,3-b]キノリン1a,bの合成経路は、下記の経路で概説される。この合成の重要な段階は、110〜160°Cにおけるポリリン酸(PPA)中の対応するトリアゾール2a,bの分解であり、それは所望の1a,b12を与える。異性体2aおよび2bは、精製の間に、分離させることができる。開始トリアゾール2a,bは、TEA1,3の存在下で110〜120°Cにおいてベンゾトリアゾールのビルディングブロック6a,bを用い置換クロロキノリン3を過熱することによって合成することができる。ベンゾトリアゾールのビルディングブロック6a,bは、NO2群(SnCl2またはH2/Pd)の減少及びその後直ちに得られたジアミンのジアゾ化によって、一置換ニトロ‐アニリンから合成される1,4
Figure 0005166675
インドロ[2,3-b]キノリンの合成
2-クロロ-キノリン3は2基置換アニリンからの3段階で合成され、最初にアニリドは前もって活性化された(BTC、DMAP、COLLIDINE)β-ケトン酸を用いる反応、または酸性雰囲気下で5つの分子内環化が続く高温での遊離酸を用いる反応のどちらか一方によって形成される。最後に、得られたキノリノンは、3を得ることができるように新たに蒸留されたPOCl3 5によって塩素処理される。他の方法、すなわち、1a,bの固相合成は、固体支持取り付け官能基(CO2H、NH2、OH)を有する2基置換アニリンを使用して利用することができる。
Figure 0005166675
インドロ[2,3-b]キノリンの固相合成
開始アニリンは、取り付けられる官能基の種類に従って適当な樹脂に添加される。官能基がCO2Hであれば、樹脂はフェノールであり(特許の形式に従って形成を変化させるキノリンの章参照)、そして、添加はエステル化雰囲気(BTC、DMAP)下で実行される。すなわち、官能基がOHであれば、添加はミツノブ反応によって実行されることができる。そして、官能基がNH2であるならば、スルフォニルクロリド樹脂上のスルホン化雰囲気の下で添加され、或いは代替的に対応するカルボキシル誘導体からクゥルツィウス再配置によって合成されるであろう。
参考文献
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6. for other synthetic method for the preparation of Indolo[2,3-b]quinoline see
a. from acylbenzotriazole and acyl isocyante, J Org Chem 65 8069 2000
b. coupling of 3-bromoquinoline with 2-amino boronate, Synlett 1067 1997
c. via a modified Graebe Ulmann reaction, J. Med Chem 37 3503 1994
16.3 isoindoloindoles及びisoindoloindolones 6,5,5,6テトラ環状足場
本願明細書では、敏速に合成されたイミン及び内部のアリールアセチレンからisoindoloindole骨格を形成するために、Pd触媒環状構造1が記載されている。イミンおよび2基置換アセチレンは、isoindoloindoles2を生成するためにパラジウム触媒の存在下で多段階反応を経て、高い収率で得られる(下記の経路を参照)。
Figure 0005166675
isoindoloindolesの合成の全般的な計画
単一または2基置換ヨウ素アニリン7のいずれか一方、及びあらかじめつくられた2基または3基置換フェニルアセチレン5であるダイバーのビルディングブロックを用いて、isoindoloindols1‐4の大きなライブラリを得ることができる(下記の経路を参照)。
Figure 0005166675
この環付加反応は、中間のiodoimines6の分離なしで、2段階の合成からなる。合成の段階は、以下の通りである:
1.イミン6は、例えばTMOF、分子ふるい又はNa2SO4のような乾燥性試薬を使用している溶液中で形成される。
2.アセチレン5は、標準のPd触媒を使用して、市販であるか予め形成された2基および単一置換ヨードベンゼンと単一置換アセチレンの間のエック反応によって合成される3-8(下記の経路を参照)。我々が溶液相を使用するとき、触媒を回復することなしに、反応混合物が次の段階のために使用される。それが次の段階で必要とされるからである。
Figure 0005166675
置換フェニルアセチレンの合成のためのエック反応

3.DMF中のアミンLiClまたはBu4NClの存在下で、Pd(OAc)2を使用しているisoindoloindolesに対する内部アルキンの環状構造。
置換基のうちの1つがオルト位置にあるときに、閉環は一つのテトラ置換isondoloindoles1,3を供給している位置選択的な方法を続行するであろう。5のオルト位置が未占領であるとき、幾つかの置換基はσ-パラジウム中間体のパラジウムをキレート化することによって閉環の位置選択性を制御し、反応の間に形成される。他の場合では、2つの異性体をクロマトグラフィによって分離することができる。11-ヒドロキシisoindoloindolesの生成に関しては、すなわち、TMS被保護ヒドロキシアルキン11が利用可能であり、TMS除去(n-Bu4NF)11-ヒドロキシ-isoindoloindole下位ライブラリの後に生成される(下記の経路を参照)。
Figure 0005166675
11-アミノ-isoindoloindolesの生成のために、カルボキシアルキン5は、11-carboxy-isoindoloindoles1−4の合成のために使用され得る。最後は、azodocarbonyl14(n-BuOCOCl、その後NaN3)に対応するように変換することができ(下記の経路を参照)、ニトレン中間体を経た再配置を経験し、所望の11-amino-isoindoloindole下位ライブラリ13を提供することができる。
Figure 0005166675
一定の極性の官能基は、グアニジンのように添加することができる。この目的に対する最も便利な位置は、イミン10に由来するフェニル環上のパラ位置である(下記の経路を参照)。イミン10はBpoc被保護アミン基を運び、9を与えるために、適切なアルキンを有する環の形成後、直ちに保護が解除される。アミノisoindoloindole9は、その後の脱保護(TFA/DCM)の後に、最終的なライブラリ8を得るために、bis-Bocチオ尿素16(HgCl2、TEA)と化学反応する。
Figure 0005166675
16.3.1 Isoindoloindolones
若干修正されたisoindoloindolone足場(下記参照)は、2つの系統的なルートによって合成することができる:
Figure 0005166675
概略的な説明を下記の経路に示す:
上述の方法は、3つの主要な段階に分けられる:
1.2基または3基置換インドールの形成:アセチレンとヨウ化アニリンの間のvia-Heck反応。
2.オルト-ヨウ化-ベンゾイル成分を有するインドール環のベンゾイル化。インドール18への2基置換オルト-ヨウ化安息香酸BB結合は、方法1で実行することができる。方法2のDCC/DMAP17を使用しているインドールへのBBの標準の結合。前もって形成された塩化酸を使用すること18,19
Figure 0005166675
3.Pd触媒作用(エック環形成)を使用する環化20,21。添加は、ヨードベンゾイル環によって非常に特有である。7番目の位置が占有されない場合に備えて、2番目の位置の代わりにインドールの7番目の位置を付加することができる。この付加は我々に新しい足場を与え、それは他のライブラリとなる(下記の経路を参照)。
Figure 0005166675
インドール18は、樹脂付着点としてのインドールN-Hによって、跡を残さない固相インドール合成によって合成することができ22、それは自由なインドール18を与えるために切断することができる。インドール合成の最も効率的な液相方法のうちの1つは、Larock23,24により開発されたような基盤の存在下で、アセチレンを用いる2-iodo-アニリンのPd(0)中間反応である。PPTSによるアミナール結合を介したTHP樹脂の上に充填した後、単一置換2-Iodoanilineが20を与えることができる(下記の経路を参照)。触媒をPd(PPh3)2Cl2に交換して、DCE溶解基盤TGMを使用することは、アンヌレーション反応を完成の方に推し進める際に有益であることがわかった。そして、19を供給する。その後、10%のTFAを用いる樹脂切断は、自由なインドール18を与えることができる。TMS置換アセチレンがほぼ完全な位置選択性を有して80°Cで直ちに完成にまで進むことが分かった。カルボキシレート15(R2=CO2H)は、対応するazodocarbonylを介してアミンアナログ16に変換され、所望のamino-isoindoloindolone下位ライブラリを提供するために、ニトレン中間体を介して再配置を経ることができる。
Figure 0005166675
isoindoloindoloneの調製
ヒドロキシ及びカルボキシisoindolones23(X=O、CO2)は、樹脂9上の適切なiodo-anilineを充填することによって、及びTMSアセチレンを用いて環形成をもたらすことによって始まっているSP合成(上述の経路を参照)によって生成される。樹脂から切断に続いて27の続いて起こるベンゾイル化および環形成は、25を供給することができる。以下の経路において現れたisoindoloindolonesの形成の第2の方法:
Figure 0005166675
重要な段階は、分子内ウィッティヒ反応である。置換オルト・アルキル・アニリンおよび無水フタル酸誘導体は、アリール・フタルイミドを形成するために反応する。これらは、ホスホニウム塩類に変換され、isoindoloindolone系に接近することができる。
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16.4 単一原子の足場
この実施において使用される最も小さい足場は単一原子の足場である。すなわち、一つの炭素の足場であり、一般的な構造aである:
Figure 0005166675
ライブラリaは、一つの一定の官能基及びカーボン周囲の置換基の独立した変化を有する化合物を示すいくつかの下位ライブラリb‐e(下記参照)からなる:
Figure 0005166675
2つか3つのジェミナル・アミン又はヒドロキシ基原子(化合物f‐j)を支える分子の化学的な不安定性のために、2つか3つの定極性の機能性(下記参照)からなる第2の下位ライブラリは、いくぶん制限される可能性がある:
Figure 0005166675
しかしながら、α-アミノ酸k、α-ヒドロキシ酸mおよびα-ジカルボン酸lの合成は知られている。例えば、それらは、Synthesis of optically active α-amino acids by Robert M. Williams, Pergamon Pressに記載されている。
炭素の足場に基づくいくつかの化合物の大部分は市販されている。市販されていないものは、ほどんどは従来の方法による溶液中で合成することができる。第3アルコールb1は、オレフィン2の周知のエポキシ化で合成することができ(重要な段階として、エポキシド1を生成して)、要求された置換基2をすでにを所有する(下記の経路を参照)。
Figure 0005166675
電子供与基は概してその割合が増加する。雰囲気は穏やかであり、収率は高い。エポキシドの結果として生じる縮小は容易に行われる。最も共通の試薬はLiAlH4であり、それは立体配置2の転化を介して反応する3。SN2機構からの予想通りに、所望の第3アルコールbが形成されるように、切断が通常生じる。生成物bは第3アミンcの出発原料としての目的を果たし、それはジオキサンのアンモニアを有するトリフルオロメチルスルフォン酸に対応する置換によって、bから得られる。第3アルコールbの固相合成が最近報告された4。実際は、この新規な切断方法は、エステル結合したポリマー3への炭素求核の添加を含んでいる。
Figure 0005166675
この方法によって、2つの同一のアルキルまたはフェニル置換基(R2)を用いて第3アルコール類だけが合成され、その結果、生成物の多様性を制限する。しかし、第3アルコールの第二の下位ライブラリをいまだ急速に生成することができる。α-ヒドロキシ酸mは、対応するα-ケト酸4から、直接のワンポット手順によって得ることができる(下記経路)。αオキソ酸4は市販されており、Grigniard試薬(2等価、THF、-40°Cから室温)を用いるそれらの処理が所望のm生成物をもたらす。
Figure 0005166675
可溶なポリマー(PEG)6に支持されるシッフ塩基活性グリシンは、非立体特異性のアミノ酸エステルを提供しているアセトニトリル5の炭酸塩ベース(Cs2CO3)の存在下で多種多様な親電子物質によって直ちにアルキル化される。同様に、シッフ塩基活性アミノ酸t-ブチル・エステル8は、アルキル臭化物および塩基(LDA、THF、-40°C)としてのLDAを使用してα-C2基置換アナログ7(下記経路)へアルキル化が可能である。
Figure 0005166675
シッフ塩基8は、ベンゾフェノン・イミンを有するアミノ酸9の市販されているt-Buエステルの転移によって合成することができる。最後に、アルキル化された生成物は、所望の第2の下位ライブラリkを与えているTFA/DCMによって、全体的に保護が解除される。この章において生成される全ての生成物は、反無差別であり、キラル柱上の鏡像異性体の分離を必要とすると述べられているはずである。ラセミ混合物の利用もまた考慮することができる。
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16.5 ベンゾジアゼピン6,7二環式足場
ベンゾジアゼピンは、治療的で痙攣を抑制する薬品である。そのようなものとして1,4ベンゾジアゼピンは幾つかの固相合成法のターゲットであった。1,4-ベンゾジアゼピンの合成は、高収率のlactamizationを経て、7員環の閉鎖に基づいている1-8。イミン成分を介した、環閉鎖に基づくわずかに変更された固相法は、下記の経路に記載されている。
Figure 0005166675
ベンゾジアゼピンの固相合成
この方法によれば、アルデヒド樹脂13は、縮小するアルキル化(図1)を経てβ-アミノアルコール2に結合する。β-アミノアルコール(2)は、2つの代替的な経路で合成することができる(下記の経路を参照):
(1)Boc保護アミノアルコール誘導体(9)を供給するためにNaBH4(MeOH、室温、数時間)による減少に続く、対応するケトンを得るためのGriniard試薬(R2MgBr)を有するN-methoxyhydroxamateの結合。保護基の収率2の除去。
(2)Boc保護アミノアルコール誘導体(9)を形成するために、Grinard試薬(R2MgBr)との結合が続くアルデヒド誘導体にLiAlH4を用いてN-methoxyhydroxamate(8)を減らすこと。保護基の収率2の除去。
Figure 0005166675
β-アミノアルコールの合成
アルデヒド樹脂(1)とアミノアルコール塩酸塩(2)の間の結合は、樹脂固定β-アミノアルコール3を与えるために、1%AcOH、DMFであるNaBH(OAc)3を使用している還元アルキル化を経てなされる。ラセミ化を避けるために、反応混合物への還元剤の添加の前に、樹脂結合アルデヒド1とβ-アミノアルコール2との間の平衡を得ることが望ましい。第2アミンとBoc保護2基置換アントラニル酸4との間の結合は、樹脂結合中間体5をもたらす。水酸基の酸化は6を供給する。固体の支持体上の酸化は、室温においてDMSOのPySO3複合体によって、或いはTPAP(テトラ-n-propylammoniumperruthenate)触媒を用いて室温においてDMF中のNMO(N-メチルモルホリンN-酸化物)を使用する代替的な手順によって実行される。化合物6は保護解除され(TFA/DCM)、遊離アミンは、所望のベンゾジアゼピン7を得るために酸化雰囲気下で分子内環化を受ける。1,4ベンゾジアゼピンの位置3でのアミンまたは水酸基の導入は、結果として物質の分解をもたらすであろう。位置2では、OH基はケト型に異性化し、その一方で、NH2基はイミン基を用いて互変異性体を形成するであろう。
位置2においてNH2置換基を有するベンゾジアゼピンの合成の合成経路は、以下の2つの経路に記載されている:
(1)チオアミノエステル(10)は、樹脂結合中間体11(図3)を得るために、還元アルキル化(NaBH(OAc)3、DMF中の1%AcOH)によって、アルデヒド樹脂1上に取り込まれる。第2アミン(11)はアミド13を形成するために2基置換アントラニル酸(12)(EDC、NMP)と結合し、チオベンジアゼピン15を得るためにlithiated p-メトキシ・アセトアニリド(14)を用いて、分子内環化を経ることができる。周期的樹脂結合チオ中間体15は、nucleophylic置換のための好ましい脱離基(すなわち、メチルスルホキシド)を生成するために酸化が続くメチル化(MeI)を受ける。そのような置換反応は、酸性の切断の後、所望の2-アミン・ベンゾジアゼピンの下位ライブラリ17を提供している標準状態(16)(DMF、DIEA)の下で、酸性変化しやすいジメトキシ・ベンジルアミンによって操作可能である。
(2)2-アミノベンゾジアゼピンの代替的な合成は以下のようである。ベンゾジアゼピン2,5ジオン(20)は、環閉鎖が続くアミノ酸との置換アントラニル酸の結合によって形成され、中間体-2-チオベンゾジアゼピン-5-オン(21)を形成するためにLawesson試薬と反応する。アミン22は、benzodiazepinethione21とアンモニアの間の反応によって得られる。
Figure 0005166675
2-アミノベンゾジアゼピンの合成

Figure 0005166675
2-アミノベンゾジアゼピンの他の合成
βヒドロキシαアミノ酸の合成、2-カルボキシ・ベンゾジアゼピンの合成に使用されるビルディングブロックは、以下の経路に記載されている。市販されているキラルFmocセリンt-ブチル・エステル26は、Sworn酸化((COCl)2、DMSO)を経て、アルデヒド27を得る。アルデヒド27は、Gringard反応物R1MgXにより、Fmoc被保護アミノアルコールを形成し、Fmoc除去(ピペリジン、MeOH)の後に、所望のビルディングブロック28に至る。R1およびR2がカルボキシル基である場合には、出発原料はジ-tブチル・フマル酸塩23であり、エポキシ化(mCPBA、NaHCO3、DCM)中に、エポキシド24を与え、メタノールのアンモニアの後に25を供給する。
Figure 0005166675
b-ヒドロキシアミノ酸の合成
ベンゾピリドジアゼピン33の合成11,12は、下記にその経路が記載されている。2-クロロ3-アミノピリジン2912は、2基置換アジドベンゾイル塩化物のビルディングブロック30に結合する。SnCl2を有するアジ化物31の減少は、2-クロロオキサソリジノン中間体32を提供し、酸を用いた処理中に、所望のピリジンに基づく三環足場33に再配置する。
Figure 0005166675
ベンゾピリドジアゼピンの合成
33の酸素類似物の合成、すなわち、10H-Dibenzo[b,f][1,4]oxazepin-11-oneは、下記にその経路が記載されている。O-アミノフェノールのビルディングブロック35は、還元アミノ化を経て、Acid sensitive MEthoxy BenzAldehyde(AMEBA)(34)上の樹脂に取り付けられ、36を形成する。樹脂36は、HOAt/DIC方法を使用して単一置換2-フルオロ5-ニトロ安息香酸37によって更に修正され、固定された基質38を供給し、ニトロ-10Hdibenz[b,f][1,4]oxazepin-11-oneアナログ39(蛍石とフェノールの酸素の間の重要な環化段階(SNAr)が、DMF23,24,25の5%DBUを使用して実行された)の集合の準備ができていた。結果として生じる樹脂中のニトロ基の減少は、DMFのSnCl2H2Oの1.5モル溶液によって得られ、樹脂2-アミノ副ライブラリ39からのその後の切断(TFA/DCM)が得られる。
Figure 0005166675
ジベンゾ-oxazepinoneの合成
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16.6 Pyrazinoquinazolinone-6,6,6三環足場
Figure 0005166675
ピラジノ[2,1-b]キナゾリン-3,6-ジオン系は、拘束されたpeptidomometicと考えることができ、天然産物のいくつかの系統に存在する。これらの化合物のいくつかは、非常に興味深い生物学的活性を示す(J. Antibiotics 46,380, 1996, Annu Rev Biochem 62 385, 1993)。
この足場の現在知られている合成法の一つは、以下のようにグループ化される:
a:アントラニル酸またはメチル・アントラニル酸塩を用いる環状縮合のあとに続く、対応するイミノ・エーテルへの4置換2,5-ピペラジンジオンの変換1-5
Figure 0005166675
Pyrazinoquinazolinoneに対するイミノ・エーテルアントラニル酸凝縮

b:対応するγ-ホスファゼン及びその次の後者の中間体の分子内アザウィッティヒ環化を生成するホスフィンとのシュタウディンガー反応によってあとに続く、o-アジドベンゾイル塩化物を用いる4置換2,5-ピペラジンジオンのアシル化6,7
Figure 0005166675
N-o-アジドベンドイル-ジケトピペラジンを経たPyrazinoquinazolinone

変更された反応順では、N-o-アジドベンドイル-ジケトピペラジンは、アントラニル酸ユニットが、遮蔽されたアミンの機能としてアジド基を運ぶNターミナルユニットである場合に、開鎖トリペプチドを介して形成される8。環化は、キナゾリノン環を生成する。
c:ヨウ素トリフェニル・ホスフィンの存在下において適切なo-acylanthranilamideの脱水環化で合成された4-イミノ-4-H-3,1-benzoxazine中間体を経た開鎖トリペプチドの2重環化。この方法は、固相上14と同様に溶液中9-13のものが報告されており、並行配列合成に対して良い手段であり、その結果、我々の目的に適している。
Figure 0005166675
benzoxazine中間体を経たPyrazinoquinazolinone
トリペプチド6は、EDCによって仲介されたantranilic酸を用いてアミノ酸エステル(AA-OR)3の直接の結合によって合成される。2相のScotten-バウマン条件(CH2Cl2、aq Na2CO3)下のFmocアミノ酸塩化物5を有する4の凝縮は、トリペプチド6を生成する。アミノ酸塩化物5は、BTC(triphosgene)をもつ対応するFmoc-AA-OHおよびTHF、DCMまたはジオキサンのコリジンの前活性化によって、その場で合成される。これらの状況は、ラセミ化なしでAA Cloridesを供給する。オキサジンへの線状トリペプチドの変換は、Wipの状態(多くの過剰のPPh3/I2/第3アミン)によって成される。脱保護は、塩化メチレンの20%ピペリジンを用いた処理で発生したキナゾリンへの再配置に続く。キナゾリンへの環化は立体障害に影響されやすく、大きいR3,R4基の場合には、環化はより強い状態を必要とする(DMAP還流CH3CN)。若干のエピマー化(5%)がいくつかの例において起こった。
固相上のコンビナトリアル合成に対する上述の溶液中のs合成の応用は、7を供給している適切なアミノ酸(AA)を有するワング樹脂の充填によって開始する。AAの大多数に関して、前もって充填されているワング樹脂は市販されている。7は脱保護され(DMF中のピペリジン)、適切なアントラニル酸は一緒に結合され、8を得る(下記の経路で)。
Figure 0005166675
PyrazinoquinazolinoneのSPS
次の段階は、線状のトリペプチド9を得るためにFmoc-AA-Clを用いる、アニリン7のアシル化である。次の段階は、線状のトリペプチド9から10への重要な脱水環化である。完全な転換を確実にするために、Ph3Pの10の均等物が用いられた。最終的な反応は、Fmoc基のピペリジン仲介脱保護およびアミジンカルボアミド11に対するオキサジン10の再配置である。洗浄後に、樹脂は、所望のpyrazinoquinozalineライブラリ1を得ている11のcyclative切断を誘発するためにアセトニトリルにおいて還流された。精製していない化合物の収率および純度は比較的高いと主張された14。最終生成物1は、シス:トランスdiasterioisomers(通常、比率は5〜8:1)の混合物として、少数例で得られる。固相上での程度の大きいエピマー化はおおかたcyclizative切断によるものであり、HT清浄器は生成物を分離することができる。上述の合成は、合成経路の有利な特徴をうまく例示する。最初の2段階は、ペプチド結合(すなわちSPPSが進展する反応であり、種々のアミノ酸のためのほぼ定量的な収率を続行する反応)を含む。線状のトリペプチド9の脱水は、Ph3P、ヨウ素およびTEA(固相上での単純な濾過によって直ちに取り除かれる試薬)の多大な過剰を必要とする。最終ステップ中の環化を受けているエステルの機能性は固相の結合に対する位置として選択され、結果として樹脂からの自己切断になった。pyrazinoquinazoline足場の合成は、3つのビルディングブロック、2つのアミノ酸3,5、および2基置換アントラニル酸2を必要とする。
アミノ酸およびFmoc-アミノ酸は市販されている。ピラジン環(R3、R4)にヘテロ官能価(NH2、OH)をもたらすために、被保護α-hydroxy-AA14およびα-amino-AA12の合成が実行される。AA12は文献16において知られており、その合成は下記経路において示される:
Figure 0005166675
被保護α-amino-α-OHアミノ酸の合成
もう一方のAA14は、所望の14を供給する沸騰するトルエン中のt-BuOHの存在下で、グリオキシル酸とFmocNH2との間の凝縮を介して相似モードによって合成することができる。第3のビルディングブロック3,5ジメチル・アントラニル酸は市販用であるが、一方、置換アントラニル酸はオーダーメイド合成で用意しなければならない。3-メチル5-フェニル・アントラニル酸15は、市販されている3-メチル・アントラニル酸16のブロム化によって合成することができる17。その後に鈴木反応18が続く。
Figure 0005166675
3-メチル-5アルキル又はフェニル・アントラニル酸の合成
3,5-ジフェニル・アントラニル酸17は、フェニル・ボロン酸19(Aldrich)の過剰を用いるPd触媒作用クロスカップリング反応を介して、対応するジブロモ・アントラニル酸18(市販の)から合成されるであろう。
Figure 0005166675
ジフェニル・アントラニル酸の合成
また、置換アントラニル酸は、修正されたSandmayer方法論を使用して、対応する置換アニリン19から合成することができる。クロラールおよびヒドロキシルアミンとアニリンの反応は、isonitrosoacetanilideを供給し、その後続いて硫酸の環化がイサチン20を生成する。H2O2による後者の酸化は、アントラニル酸2120を供給する(下記経路を参照)。
Figure 0005166675
イサチンを経たアントラニル酸の合成
OH基22を有する位置3に置換されたアントラニル酸は、出発原料として4置換アニリン(Et、Pr、Me Aldrich)を使用して、下記の経路に記載されている反応手順に続いて合成される。アニリンは、最初に臭素化(23)され、その後CuIの存在下で選択的にモノメトキシル化が続いた。その結果得られた2-ブロモ-6-メトキシ-4-アルキル・アニリン24は、触媒としてのPd複合体(CO、Pd(PPh3)2Cl2)(=>25)を用いてカルボニル化され、最終段階は高濃度臭化水素酸の加水分解による脱保護である21
Figure 0005166675
3-ヒドロキシ-5-アルキル・アントラニル酸の合成
また、4-アルキルアニリン19aは、下記の経路にて説明するような、ジアルキル・アントラニル酸26および5-アルキル3-フェニル・アントラニル酸27の合成の出発原料としての機能を果たす。
Figure 0005166675
3-アルキル-5-カルボキシル・アントラニル酸27は、イサチン20a(1.クロラール、NH2OH、2.H2SO4)に変換されるo-アルキル・アニリン19bから開始して合成され、その後ブロム化および酸化が続き、5-ブロモ・アントラニル酸塩28を得る。シアン化物(29)とブロモの置換、及び加水分解は、3-アルキル5-カルボキシル・アントラニル酸27を供給する22
Figure 0005166675
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16.7 ピロール-5員環足場
この章では、テトラ置換ピロールの包括的な合成が記載されている。提案された合成方法は、溶液中と同様に固相(Solid Phase:SPS)上である。
Figure 0005166675
プロールライブラリおよび副ライブラリの概要

位置2にカルボキシル基を有する下位ライブラリaは溶液中で合成される。その合成はβ-ケト・エステルのニトロソ化から出発してオキシム3を得て、1,3-ジケトンによる還元凝縮によって、エチル・カルボキシケトピロール51に至る(下記の経路)1。ピロール5はメチレン1に対してカルボニル基の還元を経て、その後エチル・カルボン酸塩の加水分解に続いて下位ライブラリaを供給する。クゥルツィウス再配置は、カルボキシルをアミンに変換し、結果として最も便利に下位ライブラリaから下位ライブラリbへの変換をもたらす。(2つの異性体のR1#R2混合物が得られ、分離される可能性がある場合に)。
Figure 0005166675
下位ライブラリa,bの合成
2つのビルディングブロックは、たいていは市販されている下位ライブラリa、b、β-ケトエステル、1,3ジケトンの合成のために必要である。下位ライブラリcの化合物は、下記の経路に記載されている合成方法によって得ることができる。前の方法とは対照的に、この方法は、固相合成(SPS)を含んでいる。すなわち、以下のような、前もって取付けられたBocイミノ二酢酸モノエステル6を用いる1,2-ジケトン7の凝縮である:
Figure 0005166675
SPSによる分類aの付加的な10の化合物の合成
反応2,3は、NaOMeまたはKOtBuを用いて基本的な状態の下で実行される。イミノ二酢酸6は、還元試薬としてのナトリウムシアノホウ化水素を用いるグリオキシル酸の還元アミノ化およびその後の複数グラムスケール4のBoc保護基の導入によって、Glyのt-Buエステルから容易に合成される。下位ライブラリeは、下記の経路に記載されている方法によって合成することができる。結果生成物の位置3は固定置換水酸基を有する。また、SPSは上記のように前もって合成されたビルディングブロックを用いることを含む。その処理は、酸性塩化物10とメルドラムの酸11の反応によって、溶液中で、5つのアシル・メルドラムの酸のビルディングブロック(12)5,6を合成することから開始し、ピリジンの存在下では対応する化合物12はほとんど定量的である。このように、2、3時間6の還流のTHFのヒドロキシル樹脂(例えばオキシム樹脂9等のカルボン酸を生成する樹脂)での加熱12(5つの同等)は、CO2およびアセトンの同時解放でポリマー結合β-ケトエステル13を供給し、完成へ反応を駆り立てることを助ける。反応は、樹脂(KBrペレット)上のFT-IRによって容易にモニタすることができる。13のα-炭素の機能分化はアルキル化する試薬の過剰により実行され、二重アルキル化と同様にO-アルキル化を避ける。
このように、THF(26と同等、3時間)の1モルTBAF8の存在下におけるハロアルカン(36と同等)は、室温(図4)13から14に容易に変換する。概して、水の痕跡を除外することは重要であり、収率を減少させる可能性がある。THF/オルトギ酸トリメチル(1/1)中の樹脂結合β-ケトエステル14への、あらかじめ合成されたアミノ・ケトン1510,11(図5)(20同等、3時間、室温)の過剰の添加は、Shiff塩基16を与え、基本条件の下での溶液への生成物17の同時解放を用いる16の環化は、その後にケトン(R3 =Me,Et)の還元をもたらす。(NaBH4、BF3OEt21は下位ライブラリeを生成する。
Figure 0005166675
また、反応は、α置換β-ケトエステルを使用して溶液中で行われる。その後同じ反応が続く。βヒドロキシ・ピロールがそのケト互変異性体14中にある程度存在する可能性がある点に留意する必要がある。要求されるビルディングブロックは、市販されているβ-ケトエステル又はα-置換-β-ケトエステルである。α-アミノ・ケトンのビルディングブロックは、以下の経路で説明するように、対応するアミノ酸ヒドロキサム酸から合成することができる。
Figure 0005166675
Gly Bocヒドロオキサメートからのアミノ・ケトン類の合成。
N-保護グリシンはN-Oジメチル・ヒドロキシルアミンと反応し、ヒドロオキサメート18を与える。グリシンhydroxamteのGringard試薬(EtMgBr、MeMgBr)との反応は、余分な添加が見られないケトン19を供給する。19の脱保護は、アミノ・ケトンにビルディングブロックを与える。R3=OHの場合、グリシネイトは置換β-ケトエステルと反応する。16のさらなる生成物は、下記の経路に記載されている方法によって得られる。下位ライブラリfの合成のための重要な段階は、DTAD(21)へのアミノ・ケトン21のマイケル添加である12。得られたアミノオレフィン23は、酸性雰囲気での環化を経て、下位ライブラリfを供給する。
Figure 0005166675
2-カルボキシ-3-アミノ-ピロールの合成
2-カルボキシ-3-アミノピロール28の合成はよく知られている12,13(上述の経路参照)。それは、基本状態(NaOEt)の下で、26のエナミン形成およびその後の27の分子内環化によって行われ、28を与える。β-ケト・ニトリル25は、25のアルキル化15または対応するニトリルのアシル化16のいずれか一方によって合成することができる。
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16.8 チオフェンおよび関連する足場
2-アミノチオフェンおよび関連する足場の化学的性質は、医薬、農業、農薬および染料のそれらの適用のために30年で特別な注目を引き付けてきた。
Figure 0005166675
2-アミノチオフェンの化学的性質は、3-位置中のシアノ、carbethoxyその他、及び4-、5-位置中のアルキル、アリール、シクロアルキルおよびhetaryl基のような置換基を取り消す電子を用いて、2-アミノチオフェンAに至る最も安易で有望な合成経路を考案したGewald1abによって開発された合成方法を経て便利に利用することができる。
Figure 0005166675
Gewald反応
Gewald反応の最も単純な種類は、ワンポット手段からなる。すなわち、室温において、アミンの存在下で、活性のニトリルおよび硫黄を用いるアルデヒド、ケトン類または1,3-ジカルボニル化合物の凝縮である。エタノールDMF、ジオキサンは好適な溶媒であり、ジエチルアミン、モルホリンまたはトリエチルアミンのようなアミンが使用された1-7。この方法は、より単純な出発原料によってa-メルカプトアルデヒドまたはa-メルカプトケトンを取り替えることによって他の方法にまさる相当な改善を提供する。高い収率を得るために、ニトリルの量に基づいてアミンの0.5〜1モル相当を使用することが必要である。他の合成の種類では、2段階処理法が好まれる。a,b不飽和ニトリルは、最初にKnoevenagle-Cope凝縮によって合成され、それから硫黄およびアミンで処理される。Gewald反応のこの2段階処理法は収率が高い。アルキルアリールケトンは、ワンポット変化でチオフェンを与えないが、2段階手法中に条件を満たす収率を与える(下記の経路を参照)。
Figure 0005166675
2段階Gewald反応
エチルエステルの代わりにt-ブチルシアノ酢酸を使用することは、便利なTFA/DCM加水分解によって、3-カルボキシ-2-アミノチオフェンの遊離酸を得ることを可能にする8。被保護酸と同様に得られるアミノ酸は、下記で例証されているような、より複雑な足場への更なる変換のためのビルディングブロックとして使用することができる:
16.8.1 5,5二環式足場
Figure 0005166675
チエノピロール合成

チエノピロール足場B9(上述の経路)は、アミノカルボキシレートAとブロモ酢酸(K2CO3)の反応によって合成されてジエステル中間体1を得て、アセチル化(合成物2)(AcOH中の30%AcCl)の後に、ディークマン凝縮(EtONa、EtOH)を経て、3-ヒドロキシ-2-カルボキシチエノ[2,3-b]ピロールB1を供給する。アミノ・アナログB2は、2-アミノ-3-シアノチオフェンA1から開始することを必要とする。a-ブロモ酢酸(K2CO3アセトンまたはNaH DMF)を有するアルキル化に続くアセチル化は、類似した反応状況下で、3-アミノ-カルボキシチエノピロールB2を生成する環閉鎖に至る。位置2のアミンおよびLiOHのアセチル化は、アミンの求核性を増やすために必要とされる。
16.8.2 5,6二環式足場
チエノピリジン足場Cは、修正フリードレンデル反応を経て合成される。すなわち、基底状態でのチオフェンA、A1、5のb-ケトエステル、1,3ジケトンとの反応で下記の経路で説明されるように、チエノピリジンを形成する。
Figure 0005166675
チエノピリジン合成
他の5,6-二環式環系、チエノ・ピリミジンDは、チオフェンA、A1とクロロ・ホルマミジン塩酸塩4、11との反応によって合成される。
Figure 0005166675
チエノ・ピリミジン合成
16.8.3 5,8,5 5,8,6三環系および5,5,8,6 5,5,8,5四環系足場
足場E、F、GおよびHはチオフェンから生成することができ、図式6に記載されている。これらの化合物は、8員環ジラクタムの形成に起因する。
Figure 0005166675
8員環ジラクタムの合成
8員環の形成は、いくつかの段階を含む:
1.SOCl2 12aまたはPOCl3 12b(これらの場合、アミンはBocによって保護されている)を使用する、或いはDCC12cおよびクロロ蟻酸メチル12dによる、βアミノ酸の活性化
2.活性化された酸とN-被保護β-アミノ-t-ブチル・エステル13との結合
3.DCMのTFAによる、t-ブチル・エステルとN-Bocアミンの脱保護化
4.R'が、水素化処理によってこの段階で取り除かれることが可能なベンジル基である場合の、PyBop又はいずれかの他のアナログによる結合。
16.8.4 5,7二環式足場
ベンゾジアゼピン足場のI,J類似体の合成は、以下の経路において示される。両方の方法において、キラル・アミノ酸がα炭素の周囲の多様性を引き上げる合成に導入される。チエノジアゼピンIは2-アミノ-3-アシル-チオフェン5から合成され、前もって形成されたBocアミノ酸塩化物(アミノ酸、BTC、コリジン、THFまたはDCM)と反応する。同時に起こる環閉鎖を有する8(4N HCl)の脱保護は、2-オキソチエノジアゼピンIに至る。チオフェノジアゼピンJは、2-アミノ-3-カルボキシ-チオフェンAから出発して合成することができ、thienooxzaineジオン(BTC、コリジン、THFまたはDCM)への活性の後に、アミノ・ケトンと反応して9を得て、環閉鎖は5-オキソチエノジアゼピンJ14を供給する。
Figure 0005166675
チエノジアゼピンの合成

Figure 0005166675
チエノジアゼピンKの合成
チエノジアゼピンKの合成は、上述の経路に記載されている。2-アミン-3-アシル・チオフェン5は、最初にNaIその後にアンモニアを用いて適切なα-ハロアセチル塩化物の求核置換によってアセチル化され、アミノ・アミド1115を得る。後者は、酸性雰囲気で環閉鎖を経てチエノジアゼピンKとなる。他の変形例は、チオフェン5をフタリド被保護アミノ・アシル塩化物と反応させることであり、ヒドラジン(11)を用いる脱保護、環閉鎖でチエノジアゼピンK16を得る。
チエノアゼピンLの合成は、sucssinic無水物または酸性の塩化物モノエステルのチオフェン5との結合に基づく(下記の経路を参照)。得られたアミド12は、分子内凝縮(NaH)を経て、目標とされた化合物を提供する17
Figure 0005166675
チエノアゼピンの合成
チエノジアゼピン骨格を有する足場Mは、下記の経路で説明するように、合成され得る。N-被保護アミノアルボキシチオフェンAは、最初に前もって活性化され(BTC、コリジン、DCM)て、a-アミノアセトニトリル14との反応に服従し、アミド13を供給する。後者は、基本状態(NaOMe)の下で反応し、分子内環化を介して、2基置換中間2-アミノチエノ-1,4-ジアゼピン-5-オン15を提供する18。次の段階では、2-アミノチエノ-1,4-ジアゼピン-5-オン15はアセチル・ヒドラジンによって加熱され、チエノトリアゾロジアゼピンオンMに至る。
Figure 0005166675
チエノトリアゾロジアゼピンオンの合成
16.8.5 5,6,5,6四環系および5,6,5三環性足場
ベンズミダゾールを用いて3つの位置に置換されたチオフェン、すなわちベンズミダゾールアミノチオフェン16は、チエノ(2',3',4,5)ピリミジン(1,6)ベンズミダゾールN、N1の合成のためのビルディングブロックとしての役割を果たすことができる。出発原料2-シアノメチルベンズミダゾール16は、置換フェニレン・ジアミン17及びマロンニトリルから合成される19。ニトリル18は、硫黄元素粉末および、還流の下でTEAの触媒の総量を含んでいるドライDMF中のケトン20又はシアノアセトアミド21を使用してGewald反応を受け、チオフェン16を形成する(経路を下記で見る)。
Figure 0005166675
thienopyrimidinobenzimidazoleの合成
アルデヒドまたはケトンを用いる16の凝縮は、それぞれNおよびN1を供給する21,22
Figure 0005166675
thienopyrimidinodihydroimidazoleの合成
同様な方法を用いて、dihydroimidazoylacetonitrile2023(上述の経路を参照)とthienoimidazoyl-アセトニトリル21(下記の経路を参照)は、対応するジアミン(エチレン・ジアミンおよびチオフェン2,3ジアミン24)およびマロンニトリルから合成することができる。結果として生じるニトリルは、Gewald状態の下で、ケトンともに反応し、O、O1およびP、P1を形成する。
Figure 0005166675
足場PとP1の合成
16.8.6 5-6-5-6四環系足場
Figure 0005166675
足場Qの合成

4H-チエノ[2',3':4,5]pyrimido[2,1-b]benzothia-or?zoles Qは、上述の経路で概説されるように、アミノチオフェンAから合成することができる25。2-アミノ-3-カルボキシチオフェンは、chlorobenzimidazoleを用いて高温での凝縮を経て、chlorobenzthiazole23が対応するthienopyrimidinazoles Qに至る。
16.8.7 5-6-5三環性足場
チア-triaza-s-indacenone R(下記の経路を参照)は、文献の手法に従って得ることができる。この合成では、アミノチオフェンAは、前もって形成されるメチルチオ・イミダゾール24を用いる沸騰酢酸での環化を経て、所望のシステムRを与える。
Figure 0005166675
参考文献
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当然のことながら、いずれのステップがオンラインで実行されるか、及びいずれのステップがオフラインで実行されるか、ステップの順序を変更することを含む、ターゲット測定および創薬の上述の方法を様々に変更することができる。さらに、さまざまな並列の及び/又は連続した構成を使用して、上記発明を実施し、選択的に種々のソフトウェアツール及び/又はさまざまなハードウェア/ソフトウェアの組合せを利用することができる。さらに、方法及び装置両方の数多くのさまざまな特徴が記載されている。当然のことながら、異なる特徴が異なる方法で組み込まれる可能性がある。特定の実施形態の上に示した特徴は、その全てが、本発明の類似した例示的な実施例ごとに必要であるというわけではない。更に、上述の特徴の組合せもまた、本発明の幾つかの例示的な実施形態の範囲内にあると考えられる。また、本発明の範囲内においてコンピュータは可読のメディアであって、本発明の例示的な実施形態の一部または全部を実施するために、その上でソフトウェアが記述される。また、当然のことながら、多くの実施例が、方法としてのみ或いは装置としてのみで説明されている。本発明の範囲はまた、方法形式の実施形態を実行するために、適合され及び/又は設計され及び/又はプログラムされた、ソフトウェア及び/又はハードウェアに及ぶ。さらに、本発明の範囲は、本願明細書に記載されている装置を、使用、構築、調整及び/又は維持する方法を含む。見出しが現れる場合には、それらの見出しは、閲覧を容易にするために提供されるものであり、見出しによって提案されることで、項の内容が必ずしも制限されると解釈すべきではない。以下の請求項中で使用される際に、用語、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」、或いはそれらの活用は、「含んでいるがそれに制限されるものではない」ということを意味する。
当然のことながら、当業者により、ここまでに何が記載されてきたかに基づいて本発明が制限されることがない。むしろ、本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ制限される。
図1は、複数の結合点を含むターゲットタンパク質の概略図である。 図2は、本発明の例示的な実施形態による、創薬の方法のフローチャートである。 図3は、本発明の例示的な実施形態による、ターゲット測定の方法のフローチャートである。 図4Aは、本発明の例示的な実施形態による、典型的なゲージの模式図である。 図4Bは、図1のターゲットタンパク質に相互作用する、図4Aのゲージを示す。 図5は、本発明の例示的な実施形態による、どの三角形がターゲットに結合したかを決定する方法のフローチャートである。 図6Aは、本発明の例示的な実施形態による、図5の方法の結果から、結合部位の空間的配置を決定する方法のフローチャートである。 図6Bは、本発明の例示的な実施形態による、図5の方法の結果から、結合部位の空間的配置を決定する代替的な方法のフローチャートである。
符号の説明
102,108 結合部位
104,106 ターゲット領域
110 非機能的結合部位
400 ゲージ
402 足場
404,408,412,420 結合手
406,410,414,422 成分(moiety)
450,452,454 相互作用位置

Claims (55)

  1. 少なくとも一つのターゲット分子の少なくとも一つの化学的に活性な領域に関する情報を取得する方法であって、
    複数の硬い化学的なゲージを含む化合物からなる一組の化合物ライブラリーを用意することと、
    前記少なくとも一つのターゲットを前記複数のゲージと相互作用させることと、
    前記複数のゲージと前記少なくとも一つのターゲットの少なくとも一つとの前記相互作用を測定することによって、前記少なくとも一つのターゲット分子の少なくとも一つの化学的に活性な領域に結合したゲージの成分の三角形を表す複数の定量結果を取得することと、
    前記複数の定量結果を用いて、前記少なくとも一つのターゲット分子の少なくとも一つの化学的に活性な領域の結合点の可能な構成を表すコンピュータモデルを構築することと、
    前記コンピュータモデルを用いて前記ターゲット分子の前記化学的に活性な領域内の結合点の複数の空間的及び化学的に特有の構成を識別し、それによって前記少なくとも一つの化学的に活性な領域に関する情報を取得すること、
    を含み、
    前記ゲージの各々は、硬い足場と、該足場に接続された複数の成分とを備え、
    前記化合物ライブラリーは、前記複数の硬い足場を有する複数の化合物で構成され、
    前記複数のゲージの各々は、成分の実質的に硬い三角形を形成する3成分の少なくとも一組を含むと共に、前記成分の三角形は、正電荷、負電荷、疎水性基、水素結合供与体、水素結合受容体および芳香族からなるグループから選択される化学的結合点の三つ組を備える少なくとも一つの3点ファーマコフォアと結合することができ、また、3点ファーマコフォアの結合点の各ペアは、2から12オングストロームの範囲の距離で隔てられており、
    化学的な結合点の一組を表す3点ファーマコフォアは、3つの結合点を頂点とする三角形を形成する距離の三つ組と、前記3つの結合点のタイプの三つ組により定義され、
    前記一組の化合物ライブラリーは、全ての可能な前記3点ファーマコフォアを定義する三角形空間の少なくとも50%が前記ゲージの成分の三角形によって所定の重複で張られるように選択されること、を特徴とする方法。
  2. 前記一組の化合物ライブラリーは、前記三角形空間のうち、4オングストロームから8オングストロームまでの範囲にある前記距離によって規定される全ての可能な3点ファーマコフォアを定義する部分空間の少なくとも50%が前記ゲージの成分の三角形によって6の重複で張られるように選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一組の化合物ライブラリーは、前記三角形空間のうち、前記結合点のタイプの1つに正電荷を含んでいることによって規定される全ての可能な3点ファーマコフォアを定義する部分空間の少なくとも50%が前記ゲージの成分の三角形によって6の重複で張られるように選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記識別することが、結合ゲージの成分の三角形に適合する3点ファーマコフォアを識別することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記識別することが、結合ゲージの成分の三角形に適合しない3点ファーマコフォアを識別することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記識別することが、前記定量結果の統計分析によって識別することを含む、請求項に記載の方法。
  7. 前記識別することが、クラスタ化によって識別することを含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記識別することが、各ゲージが単一の前記成分の三角形を示すと仮定することを含む、請求項に記載の方法。
  9. 前記識別することが、少なくとも幾つかの前記ゲージが複数の前記成分の三角形を示すと仮定することを含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記定量結果のうちの少なくとも2つから、前記化学的に活性な領域のうちの少なくとも一部分の空間的なマップを再現し、前記一部分が少なくとも4つの前記化学的な結合点を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記一部分が、少なくとも6つの前記化学的な結合点を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記識別された3点ファーマコフォアの少なくとも2つから、前記化学的に活性な領域の少なくとも一部分の空間マップを再現することを含み、
    前記一部分が少なくとも4つの前記化学的な結合点を含む、請求項に記載の方法。
  13. 前記一部分が、少なくとも6つの前記化学的な結合点を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記再現することが、
    前記コンピュータモデルを用いて識別された結合点の前記構成から複数の空間的なマップを試験的に再現することと、
    前記マップに得点をつけることと、
    その得点に基づいて空間的なマップを選択すること
    を含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記再現することが、
    前記コンピュータモデルを用いて識別された結合点の前記構成から複数の空間的なマップを試験的に再現することと、
    前記マップの共通の下位構造に従って前記マップをクラスタ化することと、
    それが属しているクラスタの相対的な特性に基づいて空間的なマップを選択すること
    を含む、請求項10に記載の方法。
  16. 前記相対的な特性が大きさを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記空間的なマップが、結合点にマッチングする化学的特徴をもつ小分子の薬の結合を確保するために十分な結合点を含む請求項10に記載の方法。
  18. 前記空間的なマップが、少なくとも6つの結合点を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記空間的なマップが、少なくとも8つの結合点を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記複数のゲージが、少なくとも10,000のゲージを有する一組のゲージを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記複数のゲージが、少なくとも50,000のゲージを有する一組のゲージを含む、請求項1に記載の方法。
  22. 前記一組の化合物ライブラリーは、前記三角形空間のうち、前記結合点のタイプの1つに酸を含んでいることによって規定される全ての可能な3点ファーマコフォアを定義する部分空間の少なくとも50%が前記ゲージの成分の三角形により6の重複で張られるように選択される、請求項1に記載の方法。
  23. 前記一組の化合物ライブラリーは、前記三角形空間のうち、4オングストロームから12オングストロームまでの範囲にある前記距離によって規定される全ての可能な3点ファーマコフォアを定義する部分空間の少なくとも50%が前記ゲージの成分の三角形により6の重複で張られるように選択される、請求項1に記載の方法。
  24. 前記一組の化合物ライブラリーは、前記三角形空間のうち、8オングストロームから12オングストロームまでの範囲にある前記距離によって規定される全ての可能な3点ファーマコフォアを定義する部分空間の少なくとも50%が前記ゲージの成分の三角形により6の重複で張られるように選択される、請求項1に記載の方法。
  25. 前記ゲージの少なくとも0.5%が前記少なくとも1つのターゲットに結合する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記ゲージの少なくとも1%が前記ターゲットに結合する、請求項1に記載の方法。
  27. 前記ゲージの少なくとも3%が前記ターゲットに結合する、請求項1に記載の方法。
  28. 前記ゲージの少なくとも0.1%が前記少なくとも1つのターゲットに結合する、請求項1に記載の方法。
  29. 前記ゲージの少なくとも50%が、100未満の足場の一組に成分を加えることによって規定される、請求項1に記載の方法。
  30. 前記ゲージの少なくとも50%が、一組50未満の足場に成分を加えることによって規定される、請求項1に記載の方法。
  31. 前記ゲージの少なくとも50%が、15未満の異なる化学的な成分を前記足場に加えることによってつくられる、請求項29に記載の方法。
  32. 前前記ゲージの少なくとも50%が、10未満の異なる化学的な成分を前記足場に加えることによってつくられる、請求項29に記載の方法。
  33. 前記定量が機能的な定量である、請求項1に記載の方法。
  34. 前記定量が結合定量である、請求項1に記載の方法。
  35. 前記定量がセル定量方式である、請求項1に記載の方法。
  36. 前記定量がフロスルー定量である、請求項1に記載の方法。
  37. 前記機能的な定量が前記ターゲットの天然基質の存在下で実行される、請求項33に記載の方法。
  38. 前記ターゲットが、基質と結合するように構成されている生化学的に活性な領域を含むタンパク質を有する、請求項1に記載の方法。
  39. 前記化学的に活性な領域が、前記タンパク質の制御領域を有する、請求項に記載の方法。
  40. 前記識別することが、少なくとも60のゲージの有効な結合を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
  41. 前記識別することが、少なくとも10のゲージの有効な結合を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
  42. 前記識別することが、少なくとも100のゲージの有効な結合を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
  43. 前記識別することが、少なくとも40の異なる3点ファーマコフォアを識別することを含む、請求項に記載の方法。
  44. 前記識別することが、少なくとも10の異なる3点ファーマコフォアを識別することを含む、請求項に記載の方法。
  45. 前記識別することが、少なくとも100の異なる3点ファーマコフォアを識別することを含む、請求項に記載の方法。
  46. 前記マップをリードのデータベースと比較することと、
    前記リードと前記マップの間の類似若しくは類似の欠如に対応する更なる使用のために前記データベースからリードを選択すること
    を含む、請求項10に記載の方法。
  47. 前記マップをリードのデータベースと比較することと、
    前記リードと前記マップの間の類似に対応する更なる使用のために前記データベースからリードを排斥すること
    を含む、請求項10に記載の方法。
  48. 前記マップとの類似を有するようにリードを構成すること
    を含む、請求項10に記載の方法。
  49. 前記構成することが、前記ゲージ又は前記ゲージを規定するために使用される足場を使用して構成することを含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記構成をリードのデータベースと比較することと、
    前記リードへの前記構成のマッチングに対応する更なる使用のために前記データベースからリードを選択すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  51. 前記構成に基づいてリードを構成すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  52. 創薬のためのリードとして少なくとも一つの前記ゲージを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
  53. 立体衝突のデータを得るために、ゲージの結合を同様の結合の幾何学的形状と比較することと、
    前記ターゲットについての幾何学的な情報を提供するために前記立体衝突のデータを分析すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  54. 前記情報に基づいて前記ターゲットに対する一組の薬のリードを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
  55. 前記一組から前記ターゲットに対する既知の薬のリードを取り除くことを含む、請求項54に記載の方法。
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