JP5166399B2 - 微生物の単離および培養のためのデバイスおよび方法 - Google Patents

微生物の単離および培養のためのデバイスおよび方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2006年4月4日に出願された「Devices And Methods for the Isolation And Cultivation of Microorganisms」と題される米国仮特許出願第60/789,101号の恩典を主張し、その内容は全体が参照として本明細書に組み入れられる。
連邦政府により援助を受けた研究または開発に関する記述
本発明に関する仕事の一部は、米国衛生研究所(National Institutes of Health)(助成金第R21 AI059489-01号)に基づいて提供された米国政府の援助を受けてなされた。従って、米国政府は本発明について一定の権利を有する。
技術分野
本分野は、微生物学に関する。より明確には、本分野は公知および新規な微生物の単離および/または培養するためのデバイスおよび方法に関する。
背景
全ての公的に利用可能なヌクレオチドおよびアミノ酸配列の注釈付きコレクションであるGenBank(登録商標)配列データベースは、約30,000種の菌由来の配列を含む。この数は印象的に見えると考えられるが、最近の推定では、海には最大200万の異なる種の細菌が、また土1トンにはその数の倍以上が保持されであろうことが示唆されている(Curtisら著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:10494-10499, 2002(非特許文献1))。さらに、GenBank(登録商標)に示された約13,000の細菌だけが公式に説明され、且つこれらのうちのほとんど全部が40の細菌門の4の中に位置している(DeLong, Curr. Opin. Microbiol. 4:290-295, 2001(非特許文献2))。他の微生物種に関する知識の不足は同様またはより大きい。これは、環境からのかなり大多数の微生物が、実験室の培養に抵抗するという事実の少なくとも一部に原因している。「難培養性(uncultivables)」と呼ばれるこれらは、天然の全微生物種の99-99.99%に相当する(例えば、Young, ASM News 63:417-421, 1997(非特許文献3)を参照)。
微生物の多様性は、通常、特定の生息地から単離したDNA試料より16S rRNA遺伝子を増幅することによって調べられる。配列をその後で互いに、および公知の種由来の16S rRNA配列と比較する。既存の16S rRNA遺伝子配列に対する近しい一致が全く無い場合には、その後で試験配列は新規な微生物を示すと考えられ、且つ「難培養性微生物(uncultured microorganism)」と呼ばれる。翻訳に重要である16S rRNA遺伝子は、これら試験用の選抜用遺伝子であり、それらは近縁種の間にはいくらかの配列変化を見せてはいるが、広大な分類学的な距離を超えて保存されると考えられている。環境の直接サンプリングから得られた16S rRNA配列の発生分析から、細菌および古細菌の中のほとんどあらゆる分類群で難培養微生物が見つけられ、門レベルでのいくつかの群が、公知の培養可能な標本に同定されないことが示唆される(例えば、Giovannoni et al., Nature 345: 60-63, 1990(非特許文献4);およびDojka et al., Appl. Environ. Microbiol. 66:1617-1621, 2000(非特許文献5)参照)。
この不一致は、主に、環境サンプルからの微生物がわずかしかペトリ皿中の栄養培地上に育たないためである。微生物合計数およびプレート数の間の差は数桁である。成長培地の操作により環境サンプル由来の微生物の回復を改良する試みは、限られた場合にしか成功していない。従って、以前より難培養性微生物を単離および成長させるための新規な方法が望まれている。これらの方法は、薬学的および工業的過程に有用な新規な代謝産物の貴重な資源である微生物の同定に有用であると考えられる。さらにこれらの方法は、グローバルな規模で、栄養物を分解および再生するのに重要な微生物の同定に有用であると考えられる。
Curtisら著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:10494-10499, 2002 DeLong, Curr. Opin. Microbiol. 4:290-295, 2001 Young, ASM News 63:417-421, 1997 Giovannoni et al., Nature 345: 60-63, 1990 Dojka et al., Appl. Environ. Microbiol. 66:1617-1621, 2000
概要
本発明は、微生物を単離および/または培養するための新規なデバイスおよび方法に関する。
1つの局面では、微生物を単離および/または培養するためのデバイスは、内部に中空間隙を規定する第1の半透膜を含むように提供される。微生物は以前に培養済みの、以前から難培養性の、または新規の微生物であってよい。いくつかの態様では、微生物は細菌(bacterium)、真菌(fungus)、原生生物(protist)、および微細藻類(microalga)からなる群より選択される。特定の態様では、微生物は放線菌(actinomycetes)または極微菌(microfungus)である。いくつかの態様では、微生物は糸状微生物(filamentous microorganism)である。特定の態様では、微生物は糸状放線菌(filamentous actinobacterium)、または糸状菌(filamentous fungus)である。他のある態様では、微生物は好極限性細菌(extremophile)である。
いくつかの態様では、第1の半透膜は、それ自体に折り重ねられ、折り重ねられた膜内に中空間隙を形成するようにその周辺部で取り付けられる。他の態様では、第1の半透膜は、デバイス内部に別々のチャンバーを作るようにその周辺部で取り付けられる。第1の半透膜は天然または合成ポリマーで作ることができる。いくつかの態様では、第1の半透膜は、ポリカーボネート、セルロース、酸化アルミニウム、ポリスルホン、アルギン酸、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、シリカゲル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。第1の半透膜は、当業者に公知の任意の方法で、それ自身に取り付けられる。特定の態様では、取り付けは接着材よって達成される。いくつかの態様では、半透膜は、約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。
別の態様では、微生物を単離および/または培養するためのデバイスはさらに表面を含む。いくつかの態様では、表面は、ペトリ皿、組織培養皿、または実質的に中空内部を有するあらゆる他の容器の半分である。他の態様では、表面は、膜が構造物に取り付けられる場合に、膜と構造物との間に実質的に中空の空隙があるように、半透膜の取り付け部位を提供する任意の構造物である。
いくつかの態様では、デバイスはさらに微生物成長用の培地を含む。いくつかの態様では、培地は、微生物が単離および/または培養される環境に接触する第1の膜の内部表面上に提供される。成長培地は、微生物の成長を支持する任意の培地を用いることができる。いくつかの態様では、培地は寒天、アガロース、アルギン酸、ゲランガム、シリカゲル、カラギーナン、アラビアゴム、グアーガム、トラガントゴム、キサンタンガム、プロピレングリコアルギネート(propyleneglycoalginate)、微晶性セルロース、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。ある態様では、培地は添加物を含んでいてよい。特定の態様では、培地は約0.5%から約2.5%の寒天、約1%のビタミン溶液および約1%微量無機質溶液(ATCC(登録商標))を含む。他の特定の態様では、培地は約0.5%から約2.5%のゲランガム、約1%のビタミン溶液、および約1%の微量無機質溶液(ATCC(登録商標))を含む。
別の態様では、微生物を単離および/または培養するためのデバイスは、第1の半透膜でコートされたゲル化剤を含み、該第1の半透膜は微生物の侵入を透過させる。いくつかの態様では、ゲル化剤は、寒天、アルギン酸、カラギーナン、アラビアゴム、グアーガム、トラガントゴム、キサンタンガム、プロピレングリコアルギネート、微晶性セルロース、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様では、半透膜は、約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。半透膜は、あらゆる天然、合成、または半合成のポリマーから作られる。いくつかの態様では、天然、合成、または半合成のポリマーは、ポリスルホン、アルギン酸、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、シリカゲル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
なお別の態様では、微生物を単離および/または培養するためのデバイスは、約0.00001μmから約10.0μmの孔径を有する第2の半透膜を含む。別の態様では、第1および第2の膜は、約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。さらなるの態様では、第1の膜は約0.00001μmから約0.2μmの孔径を有し、かつ第2の膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。一部の態様では、第1および第2の膜は同じ材料から作られる。ある別の態様では、第1および第2の膜は異なる材料から作られる。いくつかの態様では、第1および第2の膜は、互いの周辺部で取り付けられ、2つの膜の間に中空空隙を規定する。他の態様では、半透膜は、周辺部に取り付けられ、同様にデバイス内部に別々にチャンバーが作られる。第1および第2の半透膜は、当業者に公知のあらゆる方法によって取り付けることができる。特定の態様では、取り付けは接着材によって達成される。いくつかの態様では、デバイスはさらに、微生物が成長するための培地を含む。一部の態様では、培地はより大きな孔径を有する膜の内部表面上に提供され、微生物が単離および/または培養される環境に接する。成長培地は微生物の成長を支持するあらゆる培地であってよい。いくつかの態様では、培地は、寒天、アガロース、アルギン酸、ゲランゴム、シリカゲル、カラギーナン、アラビアゴム、グアーガム、トラガントゴム、キサンタンガム、プロピレングリコアルギネート、微晶性セルロース、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。一部の態様では、培地は添加物を含んでもよい。特定の態様では、培地は約0.5%から約2.5%寒天、約1%ビタミン溶液および約1%微量無機質溶液(ATCC(登録商標))を含む。他の特定の態様では、培地は約0.5%から約2.5%ゲランガム、約1%ビタミン溶液および約1%微量無機質溶液(ATCC(登録商標))を含む。
さらに別の態様では、デバイスは、2つの半透膜と、2つの膜が取り付けられる構造物とを含む。一部の態様では、構造物は中空のディスクまたはリングである。いくつかの態様では、膜は構造物の上面および底面に取り付けられる。一部の態様では、2つの膜の間に実質的に中空の閉鎖型空隙を作るように、膜を構造物の上および下の縁に取り付ける。ある態様では、第1および第2の膜は、約0.00001μmから約10.0μmの孔径を有する。他の態様では、第1および第2の膜は、約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。さらなる態様では、第1の膜は約0.00001μmから約0.2μmの孔径を有し、かつ第2の膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。いくつかの態様では、第1および第2の膜は、同じ材料から作られる。別の態様では、第1および第2の膜は異なる材料から作られる。いくつかの態様では、デバイスはさらに微生物が成長するための培地を含む。他の態様では、培地は、より大きな孔径を有する膜の内部表面に提供され、微生物が単離および/または培養される環境に接する。
いくつかの態様では、デバイスはさらに、目的の環境で用いることを可能にする改変を含む。
別の態様では、内部に実質的な中空空隙を規定する、固い不浸透性の外部境界を有するチャンバーを含む、微生物を培養または単離するためのデバイスが提供される。チャンバーは上面および底面を有する。デバイスはさらに、チャンバーの上面に取り付けられた第1の半透膜およびチャンバーの底面に取り付けられた第2の半透膜を含む。第1および第2の半透膜は、当業者に公知のあらゆる方法を介し、チャンバーに取り付けられる。特定の態様では、取り付けは接着材により達成される。
半透膜は、天然、合成、または半合成ポリマーから作ることができる。いくつかの態様では、半透膜はポリカーボネート、セルロース、酸化アルミニウム、ポリスルホン、アルギン酸、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、シリカゲル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様では、第2の膜は第1の膜の孔径より大きな孔径を有する。他の態様では、第2の膜は、第1の半透膜と同じ孔径を有する。いくつかの態様では、第1および第2の膜は、約0.00001μmから約10.0μmの孔径を有する。別の態様では、第1および第2の膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。さらなる態様では、第1の膜は約0.00001μmから約0.2μmの孔径を有し、かつ第2の膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。
微生物は、以前に培養済み、以前より難培養性、または新規な微生物であることができる。いくつかの態様では、微生物は細菌、真菌、原生生物、および微細藻類からなる群より選択される。特定の態様では、微生物は、放線菌または極微菌である。いくつかの態様では、微生物は糸状微生物である。特定の態様では、微生物は糸状放線菌、または糸状菌である。一部の態様では、微生物は好極限性細菌である。
いくつかの態様では、チャンバーはワッシャーである。特定の態様では、ワッシャーは金属、プラスチック、真鍮、ファイバー、ガラス、セラミック、ナイロン、テフロン(登録商標)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択された材料を含む。いくつかの態様では、ワッシャーは、インナーレーススペーサー、アウターレーススペーサー、フェンダーワッシャー、メトリックワッシャー、および平ワッシャーからなる群より選択される。いくつかの態様では、デバイスはさらに、微生物成長用の培地を含む。他の態様では、培地はより大きな孔径を有する膜の内部表面上に提供され、微生物が単離および/または培養される環境に接する。いくつかの態様では、デバイスはさらに、目的の環境に用いることを可能にする1つまたは複数の改変を含む。
他の態様では、上面および底面を有し、内部に実質的な中空空隙を規定するワッシャーを含む微生物を培養または単離するためのデバイスが提供される。微生物は以前に培養済み、以前より難培養性、または新規な微生物であってよい。いくつかの態様では、微生物は細菌、真菌、原生生物、および微細藻類からなる群より選択される。特定の態様では、微生物は、放線菌または極微菌である。いくつかの態様では、微生物は糸状微生物である。特定の態様では、微生物は糸状放線菌、または糸状菌である。一部の態様では、微生物は好極限性細菌である。
いくつかの態様では、ワッシャーは金属、プラスチック、真鍮、ファイバー、ガラス、セラミック、ナイロン、テフロン(登録商標)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。いくつかの態様では、ワッシャーは、インナーレーススペーサー、アウターレーススペーサー、フェンダーワッシャー、メトリックワッシャー、および平ワッシャーからなる群より選択される。いくつかの態様では、約0.00001μmから約0.2μmの孔径を有する第1の半透膜は、ワッシャーの平らな上面に取り付けられる。いくつかの態様では、約0.02μmから約0.03μmの孔径を有する第1の半透膜は、ワッシャーの上面に取り付けられる。他の態様では、約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する第2の半透膜は、ワッシャーの底面に取り付けられる。一部の態様では、約0.2μmから約0.45μmの孔径を有する第2の半透膜は、ワッシャーの平らな底面に取り付けられる。第2の半透膜は、当業者に公知のあらゆる方法を介して、ワッシャーに取り付けできる。特定の態様において、取り付けは接着材によって達成される。
いくつかの態様では、デバイスはさらに微生物成長用の培地を含む。特定の態様では、培地はより大きな孔径を有し、微生物が単離および/または培養される環境に接する膜の内部表面上に提供される。一部の態様では、デバイスはさらに、目的とする環境に用いることを可能にする1つまたは複数の改変を含む。
別の局面では、環境から微生物を単離および/または培養するための方法を提供する。該方法は、目的の環境に上述のデバイスのいずれかを設置することを含む。環境は、微生物を含む、または含んでいてもよい。微生物は以前に培養済み、以前より難培養性、または新規な微生物であってもよい。いくつかの態様では、微生物は細菌、真菌、原生生物、および微細藻類からなる群より選択される。特定の態様では、微生物は、放線菌または極微菌である。いくつかの態様では、微生物は糸状微生物である。特定の態様では、微生物は糸状放線菌、または糸状菌である。一部の態様では、微生物は好極限性細菌である。他の一部の態様では、微生物はプランクトンである。
本方法は、微生物が、半透膜の1つまたは複数の孔を通してデバイスに侵入し、デバイス内にコロニー形成を可能にすることを含む。本デバイスは、通常、目的とする環境の表面上に設置、または中に浸される。
特定の態様では、環境は自然環境、または人工環境である。他の態様では、自然環境の再現バージョンである。一部の態様では、環境は、陸上、水中、宇宙、および極限環境からなる群から選択される。特定の態様では、環境は海環境、淡水環境、湿地帯環境、森林、ゴミ処理地、鉱山、または農地である。一部の他の態様では、デバイスは沈殿物または土壌の表面もしくは中に設置される。他の態様では、デバイスは、水柱で吊り下げられる。特定の態様では、沈殿物または土壌は、森林、農地、ツンドラ地帯、高山帯、ゴミ処理地、鉱山、サンゴ沈澱物、ケイ質堆積物、炭酸沈殿物、または植物材料が豊富な沈澱物由来である。
いくつかの場合、微生物は環境と接する膜の内部表面上にコロニーを形成してもよい。他の場合、微生物はデバイスにおける培地の上または中にコロニーを形成してもよい。一部の他の場合、微生物は膜の外表面にコロニーを形成してもよい。
特定の態様では、本方法はさらに、デバイスを開き、微生物のコロニーを採集し、および/または新鮮なデバイスに微生物を再播種することを含む。特定の態様では、本方法はさらに、デバイスを開き、栄養含有培地への環境に接していたデバイス内の膜の内部表面にレプリカを置床することを含む。
特定の態様では、本方法はさらに、デバイス内の微生物を同定することを含む。いくつかの態様では、同定は、16S rRNAシーケンシング、全ゲノムショットガンシーケンシング、マイクロアレイ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される方法によって達成される。
添付の図面と共に読みながら、本発明自体のように、上述およびその他の本発明の目的、様々なそれらの特徴が、以下の説明からより明らかになるであろう。
詳細な説明
本明細書に引用する全ての文献は、それぞれの個々の出版物もしくは特許または特許出願が具体的かつ個々に、すべての目的のためにその全体が参照により組み入れられることが示されるのと同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本明細書に含まれた開示に矛盾する参照によって組み入れられた刊行物および特許または特許出願に限り、本明細書は、どんなあらゆる矛盾する題材に優先および/または優位であることを意図する。
本出願は、微生物を単離および培養するためのデバイスおよび方法を特徴とする。これらのデバイスおよび方法は、環境から微生物が侵入できる半透膜を有するデバイスを使って、微生物が関心対象環境から単離および培養され得るという発見に基づく。デバイスを特異的な環境に置いた場合、微生物は、膜の孔を通して環境からデバイスに侵入でき、デバイスへ侵入する際に通った膜の内部表面上のデバイス内に、またはデバイス内の成長培地の表面もしくは培地中に、コロニーを形成できる。
微生物を単離および培養するためのデバイス
本発明の成長および培養デバイスは、その非常に簡単な形状で、閉じたまたは封をした半透膜を含む。本明細書にて用いられる用語「閉じた」または「封をした」は、半透膜が、膜によって囲まれた空隙を環境から分離することを意味する。この分離は、半透膜の孔を通して微生物または小拡散分子の侵入を可能にする。
半透膜はそれ自身折りたたまれることによって閉じられてもよく、且つ折りたたまれた膜の周辺部を互いに取り付け、閉じられた内部空隙を作ることができる。半透膜は、閉鎖型バッグ、バルーン、または微生物が侵入し成長できる任意の他の構造物として組み立てることができる。半透膜はそれ自身に、他の半透膜に、もしくはペトリ皿の縁のような構造物、もしくは当技術分野で周知の任意の技術(例えば、接着材または熱定着による)を用いてワッシャーの表面に取り付けることができる。付属品の様式は、膜または他の表面に取り付ける、および環境条件に持ちこたえることができる能力に基づいて選択される。最も重要な、付属品の様式は通常、微生物に対する無毒性である。ある場合には、封剤が使用される。SuperSilicon Type 7(Versachem Corp.)は非常に丈夫な化合物であり、多くの劣悪な条件下でも非常によく維持する。この封剤の毒性試験は、大腸菌の成長に何の効果も示さなかったとき、陰性と判定された。表面および膜の間に閉じられた空隙を作るために、表面(例えば、ペトリ皿または他の容器の半分)に半透膜を取り付けることができる。半透膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。本開示を通じて用いられるような「約」については、引用された値の周りに±20%の範囲を有する数値を意味する。本明細書に記載されたデバイスに対する半透膜は、天然または合成のポリマーから作ることができる。膜は、それらが置かれる環境に耐えるように十分頑丈なように、通常選択される。本明細書で使用するための膜の非限定的な例は、ポリカーボネート膜、セルロース膜、およびアルミニウム膜を含む。
異なる形状では、本発明のデバイスは2つの半透膜を含む。2つの半透膜は、それらの周辺部で互いに取り付けられ、2つの膜の間に中空間隙を規定する。2つの半透膜は、リング、ディスク、または固体表面などの表面に取り付けることができる。2つの膜は、同じまたは異なる材料(例えば、天然または合成ポリマー)から作ることができる。さらに、膜は同じ孔径または異なる孔径を有していてもよい。例えば、2つの膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。または、2つの膜のうち1つは約0.00001μmから約0.2μmで、第2の膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。
上記デバイスはまた、デバイスを置いた、もしくは掛けた、もしくは留め金で止めて固定した環境の表面にデバイスを残すか、または特定の環境にデバイスを配置することを可能にするために、膜を圧するための付属品のようなさらなる修飾を含むことができる。デバイスの形状、サイズ、および修飾は、微生物が単離された環境、環境の温度、単離されたコロニーの数などを含むいくつかの要因に基づき当技術分野において周知の技術により容易に決定されるが、これらに限定されない。
本発明のあるデバイスは、上面および底面を有し、内部に中空空隙を規定する固い不浸透性の、外側の境界を有する構造物を含む。半透膜は構造物の上面および底面に取り付けられ、結果、構造物内に中空間隙を囲っている。構造物の上面および底面に取り付けられた膜は、同じまたは異なる材料から作ることができる。本発明において使用する際の有用な材料は、あらゆる天然または合成のポリマーを含む。さらに、膜は同じまたは異なる孔径を有していてよい。ある非限定的な例では、2つの膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。他の非限定的な例では、2つの膜の一方は約0.00001μmから約0.2μmの孔径を有し、かつ第2の膜は約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する。
特定の態様では、構造物はワッシャーを含む。ワッシャーは穴のある薄いディスクで、通常ネジ部品の荷重を支持するのに用いられる。あらゆる種類のワッシャーが本発明のデバイスには用いられる。ワッシャーの非限定的な例は、金属ワッシャー、プラスチックワッシャー、真鍮ワッシャー、ファイバーワッシャー、メトリックワッシャー、ナイロンワッシャー、テフロン(登録商標)ワッシャー、インナーレーススペーサー、アウターレーススペーサー、フェンダーワッシャー、および平ワッシャーを含む。上述の半透膜は、ワッシャーの上面および底面に取り付けられ、それによってワッシャーの中空空隙を取り囲む。
上述の本発明のデバイスの全ては、さらに成長培地を含む。成長培地は微生物の成長を支持するあらゆる培地であることができる。適切な培地の非限定的な例は、寒天ベース、アガロース、ゲランガム、アルギン酸、プロピレングリコアルギネート、ヒドロゲル、シリカゲル、カラギーナン、アラビアガム、グアーガム、トラガントガム、キサンタンガム、微晶性セルロース、およびそれらの組み合わせを含む。培地はまたビタミンやミネラルのような添加物を含むことができる。成長培地の特異的な非限定的な例は、ベース1(約0.5%から約2.5%寒天、1%ビタミン溶液、および1%微量無機質溶液)、またはベース2(約0.5%から約2.5%ゲランガム、1%ビタミン溶液、および1%微量無機質溶液)を含む。
いくつかの微生物は付着および成長のために、固体表面などの特異的な表面を必要とする可能性がある。そのような表面が無い場合、これらの微生物はコロニーを分裂および/または形成することができない場合もり得る。そのような場合には(例えば、海の砂地の潮汐平底から微生物を育てることを伴うもの)、殺菌処理された砂を培地中の寒天に添加してよい。
微生物を単離および/または培養するための特定のデバイスは、半透過性フィルムもしくはコーティングを形成できる天然または合成のポリマーで、適切な成長培地を封入もしくはカプセル化することにより構築することができる。ポリマーは約0.2μmから約10.0μmの孔径を有するが、約0.00001μmから約10.0μmの孔径を有していてもよい。本明細書に記載されたデバイスに用いることができる天然または合成のポリマーの非限定的な例は、ポリスルホン、アルギン酸、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、シリカゲル、およびそれらの組み合わせを含む。
微生物を単離および培養する方法
本明細書に記載されたデバイスは微生物を単離および/または培養するための方法に有用である。そのような方法は、通常、微生物が単離され、1つまたは複数の微生物がデバイスに侵入し、デバイス内にコロニーを形成することを可能にする環境に本発明のデバイスを提供することを含む。デバイスは通常、所望の環境の表面に置かれる、または中に浸される。微生物は半透膜の孔を通してデバイスに侵入し、デバイスの侵入を通して膜の内部表面上にコロニーを形成する。成長培地が存在するこれらのデバイスでは、微生物は成長培地の表面上、または成長培地の中にコロニーを形成する。いくつかの場合では、微生物はデバイスの外表面にコロニーを形成してもよい。微生物はその後単離し、培養し、同定することができる。
微生物のタイプ
単離および培養された微生物は公知の微生物、以前より難培養性の微生物、または新規な微生物でありえる。いくつかの場合には、単離および/または培養される微生物は、細胞生物の3つの公知のドメイン、即ち細菌(Bacteria)、古細菌(Archaea)、真核生物(Eukarya)のうちの1つである。本明細書に記載されたデバイスを用いる単離および培養できる微生物の非限定的な例は、細菌、真菌、原生生物、および微細藻類である。記載されたデバイスで、どんな微生物も単離および培養できるが、デバイスは糸状微生物に最も有効である。糸状微生物は半透膜の孔を通して容易にデバイスに新有することができるからである。糸状微生物の非限定的な例は、糸状放線菌および糸状菌を含む。
微生物が単離および/または培養される環境
微生物はあらゆる環境から単離および培養できる。環境は自然環境、人工環境、または自然環境の再現バージョンであることができる。「自然環境の再現バージョン」とは、可能な程度に自然環境を再現するためにセットしながら実験室で作成されたあらゆる環境を意味する。例えば、海の環境の再現バージョンは、海の環境からの水および沈殿物を含む水槽であってよい。森林土壌環境の再現バージョンは、森林から得られた土壌を含む容器を含んでいてよい。微生物を得ることができる非限定的な代表的な環境は、陸環境、水生環境、極限環境、および惑星または他の空間環境を含む。
いくつかの環境は、森林、農地、ツンドラ地帯、高山帯、ゴミ処理地、または鉱山からのような淡水、海水、沈澱物、および土壌を含む。海洋堆積物は、サンゴ沈澱物、珪質環境、炭酸環境、および植物材料豊富環境(例えばマングローブ)を含むが、これらに限定されない。他の有用な環境は、建物内の特定の領域、例えば、換気装置、浴室の壁面、または病室の表面などの部位から単離される微生物を有する病院が含まれる。
微生物が単離できる他の環境は、極限環境を含む。「極限環境」については、pHレベル、空気圧、温度、塩分、放射線、乾燥(脱水)および酸素レベルなどの条件が、多くの有機体が生存している地球の残りとかなり異なっているというあらゆる環境を意味する。そのような環境は、嫌気性菌、好熱性細菌、好冷菌、好酸性、好アルカリ性細菌、好塩菌、好圧性細菌、および好乾性を含む微生物の発見に通じると予測されるが、これらに限定されない。
宇宙探査が前向きに動いているように、同定される新環境は、本明細書に記載されたデバイスが新規な微生物を同定するのに有用であり得る絶好の場所となると考えられる。デバイスを宇宙(例えば火星)に持っていき、これらの新環境に置くことができ、または宇宙からの土壌もしくはその他の材料を地球の実験室で微生物の同定に用いることができる。
本明細書に記載されたデバイスは、また、ヒトまたは家畜などの被検体から微生物を単離および培養するのに用いられてもよい。デバイスは、口などのように微生物が存在していると予想される位置に置いてよい。このように使用するには、デバイスは変更する(例えば、半透膜を特定の位置内に/特定の位置に置くことができる構造の追加)必要があると考えられる。例えば、ヒト被検者の口から微生物を同定するなら、本明細書に記載されたデバイスのいずれも、被検者の口の中で、デバイスを保持するために、木製またはプラスチックのストリップに取り付けられてもよい。従って、これらの方法は被験者における微生物感染の診断に有用であり得る。
インキュベーション
微生物を単離および/または培養するために、本明細書に記載されたデバイスを選択された環境中で、微生物がデバイスに侵入しコロニーを形成することを可能にする十分な期間インキュベートする。典型的には、デバイスは環境中の表面でインキュベートされるかまたは環境中に浸される。例えば、デバイスを森林土壌またはこの森林環境の再現されたバージョンの表面に置いてもよい。または、あるいはさらに、デバイスを土壌中に挿入してもよい。デバイスを環境の表面に置き、またデバイスが少なくとも半透膜を有する場合、より大きな孔径を有する半透膜を、単離および培養される微生物を含む環境に接するように置く。
選択された環境中で、研究者が必要と決定した限り、例えば、少なくとも1日、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、もしくは少なくとも15日間、デバイスをインキュベートしてもよい。いくつかの場合、デバイスは選択された環境中で約1日から約14日間、約5日から約7日間、または約5日から約14日間インキュベートする。
デバイスを自然環境の再現されたバージョンでインキュベートする場合には、通常室温、または自然環境が測定された温度で、インキュベーションを実行する。しかしながら、インキュベーションの温度は、特定の状況次第ですぐに当業者によって決定することができる。
微生物を検出する方法
明示された期間、選択された環境中で本明細書に記載されたデバイスをインキュベートした後、コロニーが形成されたかどうか決定するため、デバイスを開けることができる。検出は、単純な目視検査または顕微鏡的な方法による、当業者に公知のあらゆる方法を含んでよいがこれらに限定されない。
海洋微生物に関する先の仕事は、沈殿物の中では、単発性微生物が希少であり、ほとんどの微生物が砂粒および砕岩質の粒子の表面にミクロコロニーを形成することを示す。これらのミクロコロニーは、かなり小さく、数百の細胞に数ダースだけからなり、解剖顕微鏡下で検出できるより数倍も小さい。当然に、そのようなコロニーは特別に探されない限り、見逃してしまうと考えられる。これらのミクロコロニーを可視化する1つの方法は、複式顕微鏡下で生体染色剤(例えば、アクリジンオレンジ、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、カルコフロール、ユウロピウムキレート)を用いることである。ノマルスキー型微分干渉顕微鏡も非常に有用である。しかしながら、細胞が、生体染色/ノマルスキー型顕微鏡によりバックグラウンドに対して対照をなしても、二次培養のためにこれらのコロニーを扱うのは困難な場合がある。従って、試料およびミリグラムの寒天を操作し、非常に少ない数の細胞を扱う他の方法を開発した。成長培地としての半液体寒天で、タングステン線はそれを操作するマイクロマニピュレーターの有無に関わらず、非常に有用と判明した。また、複式顕微鏡のほとんど普遍的な特徴である倒立画像補正用の顕微鏡の追加のプリズムも特定の助けとなる。この修飾で、顕微鏡は左から右への反転なく物体を見せ、タングステン線の操作を非常に容易にする。そのような試料を扱うために特に適切な顕微鏡施設は、例えば、蛍光画像を備えたZeiss Axioplan 2 MOT、ノマルスキー/DIC顕微鏡、位相差顕微鏡、および先端高度技術を駆使した画像システム(例えば、共焦点画像表現および3-D表現が可能なImprovisionソフトウェアパッケージOpenLab.によって操作される浜松の超高速の高解像度の冷却CCDカメラ)を含んでよい。
微生物の同定
本発明のデバイスで成長する微生物を同定するため、デバイスから得られるコロニー由来の細胞は、当技術分野において既知の任意の方法により分析できる。例えば、ある有用な同定方法は16S RNA遺伝子シーケンシングである。本方法は、例えば、Qiagen DNA Mini Kit(Qiagen、バレンシア、カリフォルニア)を用いることにより、微生物からDNAを単離することを含む。微生物由来の16S rRNA遺伝子はPCRにより16S rRNA遺伝子に対してプライマーを用いて増幅し得、また増幅産物は例えば、Big Dyeターミネーターサイクルシーケンシングキット(Applied BioSystems、フォスターシティ、カリフォルニア)を用いることによって、シーケンスされ得る。例えば公知の16S RNA遺伝子を有するオンラインGenBank(登録商標)データベースを用いる、シーケンスされた遺伝子の比較は、生物を同定でき、また新規な種/属を示すか否か示すことができる。
微生物を同定する他の方法には、マイクロアレイ(例えば、Wangら., PLoS Biol 1:2003参照)、または全ゲノムショットガンシーケンシング(例えば、Tysonら, Nature, 428(6978):37-43, 2004;およびVenterら, Science, 304(5667):66-74, 2004参照)の利用が含まれる。
特に、糸状微生物は、当技術分野において既知の糸状体同定方法、ウェットマウンティング、グラム染色、Neisser染色、PHB染色、鞘染色、ポリサッカライド(India Ink)染色、および硫黄酸化試験を用いることにより同定できるが、これらに制限されない。
再播種
本発明のデバイスから得たコロニーを、本明細書に記載のデバイスに再播種して、微生物数を増やすために用いることができる。例えば、微生物のコロニーを、所与の環境におけるインキュベートの5日間から約7日間後に、無菌の歯のピックまたは無菌のパスツールピペットを用いてピックアップさし、均質化し、新しいデバイスに播種するために用いることができる。他の場合では、微生物は所与の環境におけるインキュベートの約10日間から約14日間後にピックアップされる。一部の微生物はこの時間で気中菌糸を形成でき、再播種用の微生物の選択を容易にすると考えられる。
播種されたデバイスは、微生物を得た環境に再配置する、またはこの環境の再現されたバージョンに置くことができる。半透膜は成長する微生物に必要なチャンバーへの自然環境の要素の拡散を許容する。
あるいはまた、デバイスは異なる、または人工環境に置くことができる。そのような場合には、淡水と同様に塩で成長する能力、もしくは室温よりむしろ多様な温度で成長する能力などの異なるまたは新規に得られた特性を有する微生物を選択することができると考えられる。
[本発明101]
内部に中空空隙を規定する第1の半透膜を含むデバイスであって、該半透膜が約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する、微生物を培養または単離するための、デバイス。
[本発明102]
膜によって規定された中空空隙内に培地をさらに含むデバイスであって、該培地が微生物の成長を可能にする、本発明101記載のデバイス。
[本発明103]
培地がゲル化剤を含むデバイスであって、該ゲル化剤が第1の半透膜でコートされ、該半透膜が微生物の侵入を透過させる、本発明102記載のデバイス。
[本発明104]
約0.000001μmから約10μmの孔径を有する第2の半透膜をさらに含むデバイスであって、第1の半透膜および第2の半透膜が、互いに周辺部で取り付けられかつ2つの膜の間に中空空隙を規定する、本発明101記載のデバイス。
[本発明105]
微生物の成長を可能にする培地をさらに含むデバイスであって、該培地が2つの膜の間の空隙に提供される、本発明104記載のデバイス。
[本発明106]
第1および第2の半透膜が約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する、本発明104記載のデバイス。
[本発明107]
以下を含む、微生物を培養または単離するためのデバイス:
(a)チャンバーが上面および底面を有する、内部に中空空隙を規定している固い不透過性の外側の境界を有する構造物;
(b)該構造物の上面に取り付けられた第1の半透膜;ならびに
(c)第1の半透膜の孔径より大きな孔径を有する、該構造物の底面に取り付けられた第2の半透膜。
[本発明108]
微生物の成長を可能にする培地をさらに含むデバイスであって、該培地が構造物内の空隙に提供される、本発明107記載のデバイス。
[本発明109]
構造物がワッシャーである、本発明107記載のデバイス。
[本発明110]
ワッシャーが金属、プラスチック、真鍮、ファイバー、ガラス、セラミック、ナイロン、テフロン(登録商標)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、本発明109記載のデバイス。
[本発明111]
半透膜が、ポリカーボネート、セルロース、酸化アルミニウム、ポリスルホン、アルギン酸、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、シリカゲル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料である、本発明107記載のデバイス。
[本発明112]
第1および第2の膜が、同じ材料または異なる材料からなる、本発明107記載のデバイス。
[本発明113]
第1の膜が約0.000001μmから約0.2μmの孔径を有する、本発明107記載のデバイス。
[本発明114]
第1の膜が約0.02μmから約0.03μmの孔径を有する、本発明107記載のデバイス。
[本発明115]
第2の膜が約0.2μmから約0.45μmの孔径を有する、本発明107記載のデバイス。
[本発明116]
培地が、寒天、アルギン酸、カラギーナン、アラビアゴム、グアーガム、トラガントガム、キサンタンガム、プロピレングリコアルギネート(propyleneglycoalginate)、微晶性セルロース、およびそれらの組み合わせを含む、本発明107記載のデバイス。
[本発明117]
微生物が、細菌、真菌、原生生物、および微細藻類からなる群より選択される、本発明107記載のデバイス。
[本発明118]
微生物が、糸状放線菌、糸状菌、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される糸状の微生物である、本発明107記載のデバイス。
[本発明119]
微生物が、以前から難培養性の微生物であるかまたは新規な微生物である、本発明107記載のデバイス。
[本発明120]
以下を含む、微生物を培養または単離するためのデバイス:
(a)内部に中空空隙が規定される、上面および底面を有するワッシャー;
(b)ワッシャーの平らな上面に取り付けられた、約0.000001μmから約0.2μmの孔径を有する第1の半透膜;ならびに
(c)ワッシャーの平らな底面に取り付けられた、約0.2μmから約10.0μmの孔径を有する第2の半透膜。
[本発明121]
ワッシャー内の空隙に位置する微生物の成長を可能にする培地をさらに含む、本発明120記載のデバイス。
[本発明122]
以下の工程を含む、微生物を培養または単離する方法:
(a)微生物を含む環境中に、本発明107記載のデバイスを設置する工程;および
(b)微生物を膜内の孔を通して中空間隙に侵入させ、その中にコロニーを形成させる工程。
[本発明123]
環境が自然環境である、本発明122記載の方法。
[本発明124]
以下の工程を含む、微生物を培養または単離する方法:
(a)微生物を含む環境中に、本発明108記載のデバイスを設置する工程;
(b)微生物を膜内の孔を通して中空間隙中の培地に侵入させ、その中にコロニーを形成させる工程。
[本発明125]
環境が自然環境である、本発明124記載の方法。
[本発明126]
デバイスの半透膜が、環境に接触するように設置される、または環境中に浸される、本発明124記載の方法。
本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。実施例は、本発明の範囲または精神を、そこに記載する特定の方法に制限すると解釈されない。対照的に、本明細書の詳細の読後では、手段は様々な他の態様、修飾、およびそれらの同等物を有することが明確に理解されることが、添付された特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、当業者に示唆されると考えられる。
実施例
実施例1
微生物のインサイチュ培養のためのデバイスの構造
本発明に基づく微生物のインサイチュ培養のための例示的なデバイスを、本出願の図1Aおよび1Bに図示する。
デバイスは金属またはプラスチックワッシャー(例えば外側の直径が70 mm、内径が33 mm、厚さ3 mm、Bruce Watkins Supply, Inc., ウィルミントン、ノースカロライナ)、および異なる孔径を有する2つの半透過性のポリカーボネート膜を含む。ポリカーボネート膜の1つは、約0.03μm(Osmonics, Inc., ウェストボーラフ、マサチューセッツ)の孔径を有するが、2番目の膜は約0.2μmから約0.5μm(ISOPORE(商標)、Millipore社)の孔径を有する。2つのポリカーボネート膜の間に、微生物が成長できる中空の間隙がある。
デバイスを構築するため、より大きな孔径を有するポリカーボネート膜を、Silicon Glue II(General Electric, ウォーターフォード、ニューヨーク)で、ワッシャーの底面に取り付けた。この膜をワッシャーの底面に取り付けた後、3 mlのベース1培地(1.2% 寒天、1% ビタミン溶液、および1% 微量無機質溶液(ATCC(登録商標))または3 mlのベース2培地(1.5%ゲランガム、1%ビタミン溶液、および1%微量無機質溶液(ATCC(登録商標))をこの膜に注ぎ、内部の空隙をある程度満たした。次に、ワッシャーの上面をSilicon Glue IIを用いて、より小さな孔径を有するポリカーボネート膜で封をし、培地表面の上側および上面の膜の下側の間に空隙を残した。全ての操作を無菌条件下で行った。
実施例2
土壌試料由来の特有の細菌種の回収および培養
土壌試料中に存在する微生物を同定するため、土壌試料をVerrill Farm(コンコード、マサチューセッツ、米国)の庭から回収し、試料を自然乾燥し、使用するまでプラスチック容器に格納した。
いくつかのデバイス(実施例1で記載されたものに類似し、以下「トラップ」と呼ぶ)を、土壌試料の表面に置き、より大きな孔径を有する膜が土壌の表面に接触するようにした。デバイスを土壌の表面で、5から7日間室温でインキュベートした。インキュベート後、デバイスを微生物存在に関する証拠がないかどうか調べた。
糸状微生物は、底面の膜の穴を通して侵入でき、5から7日間のインキュベート後にデバイスの内部の成長培地上にコロニーを形成した(図2参照)。トラップの上面の膜をその後で剥がし、トラップをひっくり返し、底面の膜をその後で剥がし、また内部材料のスラブを無菌のペトリ皿上に落とした。さらに室温で5から7日間インキュベート後、多くの菌株が気中菌糸を形成し(図3参照)、また容易に再播種することができた。
57の放線菌のミクロコロニーを、0.2μmの孔径の底面膜(即ち、ワッシャーの底面に取り付けられた膜)を有する図1Aに記載のデバイスのゲランガムベースの表面からランダムにピックアップし、凝固剤としてゲランガムを有する栄養培地上に再播種した。
単離株の約半分が、ストレプトマイセスの異なる種類に属していた(表1参照)。残りの単離株は、希少な放線菌属を示し、その大部分は抗生物質の産生株として周知である。
(表1)底面の膜上の成長培地から単離された放線菌のリスト
Figure 0005166399
本明細書に記載されたデバイスから単離された種、および従来の条件下でペトリ皿上に生えた土壌試料由来の種の間にはほとんど重複はなかった(表2参照)。これは、特有の微生物種にアクセスするための本明細書に記載されたデバイスの能力を示す。
(表2)寒天プレートから単離された放線菌のリスト
(普通寒天、フミン酸寒天、麦芽エキス寒天)
Figure 0005166399
実施例3
土壌試料由来の真菌種の培養
土壌試料から糸状菌を単離するため、実施例1に記載されたデバイスを、ワッシャーの底面に取り付ける膜(「底面」膜)を、0.2μmより大きな孔径を有するISOPORE(商標)膜フィルター(Millipore Corporation)となるように改良した。
そのように改良されたデバイスを、ISOPORE(商標)膜が土壌の表面に接触するように、マサチューセッツ由来の土壌試料の表面に置き、5日間室温でインキュベートした。インキュベーション期間後、デバイスを開き、無菌のパスツールピペットを用いて、寒天またはゲランガムベースの断片を切断し真菌の菌糸を単離し、その後麦芽エキス栄養培地上に播種した。
この土壌試料由来の全ての真菌単離株は子嚢菌門に属した。特に、本明細書に記載されたデバイス由来の属(表3参照)および従来の条件下で寒天プレート上に生えた同じ土壌試料由来の種の間に重複は全くみつからなかった(表4参照)。
(表3)デバイスからの真菌単離株
Figure 0005166399
(表4)マサチューセッツ由来の土壌試料から直接培養により単離された真菌種
Figure 0005166399
これらの発見は、本明細書に記載されたデバイスが新規な真菌、または他の新規な微生物を単離するのに用いることができることを示唆する。
実施例4
空のトラップ
「空のトラップ」とは、特定の成長培地を欠くことを除き、実施例1に記載されたものと同様のデバイスである。
例示的な空のトラップデバイスを図4に図式的に示した。そのようなデバイスは、金属またはプラスチックワッシャー(a)ならびに2つの半透膜(bおよびc)を含む、膜はワッシャーの上面および底面に取り付けられる。いくつかの場合、空のトラップの両方の半透膜は、同じ孔径を有する(例えば、約0.2μmから約10.0μm)。他の場合には、ワッシャーの上面に取り付けられた膜の孔径は、ワッシャーの底面に取り付けられた膜の孔径(例えば約0.2μmから約10.0μm)より小さい(例えば約0.00001μmから約0.2μm)。
実施例5
空のトラップデバイスを用いる微生物の成長
4つの空のトラップデバイスを、マサチューセッツから得た土壌試料中に挿入し、室温で5日間インキュベートした。その後、トラップを開き、DIC立体顕微鏡で調べた。図5に示したように、空のトラップは微生物の成長チャンバーとして機能し得ることが分かった。膜の内部表面にコロニーを形成した微生物は、主に放線菌に属している。真菌の菌糸も存在していた。
ワッシャーの底面に取り付けられた膜の内部表面上のコロニーをレプリカプレーターを用いて寒天平板にトランスファーし、さらに7日間室温でインキュベートした(図6参照)。
これらの実験は、空のトラップは微生物を単離および培養するのに有用なデバイスであることを示す。
実施例6
微生物単離用のゲル化剤デバイスの構築および使用
寒天、アルギン酸、カラギーナン、アラビアゴム、グアーガム、トラガントゴム、キサンタンガム、プロピレングリコアルギネート、および微晶性セルロースを含むがこれらに制限されない、天然、半合成、または合成のゲル化剤は、このデバイスのマトリックスとして用いられる。
ゲル化剤の球を構築するため、ゲル化剤、例えば寒天(約0.7%から約2%)、をオートクレーブ処理し、その後40℃から50℃に冷やした。その後、ノズルを通して冷たい鉱油中に寒天小滴をたらすことで、寒天を球状にする。寒天の球のサイズは、ノズル径および小滴の比によって調製される。寒天の球の直径は、典型的には、約0.01 mmから約5 mm(通常2から3 mm)である。
ゲル化剤の球を、その後、天然または合成のポリマーでコーティングする。球をコーティングするため、乾燥させたゲル化剤の球を選択されたポリマー溶液中に導入し、その後、何層ものポリマーで球をコーティングできる培地中に移し、その結果、微生物単離のための所望のゲル化剤デバイスが形成される。例えば、所望のポリマーコーティングを得るため、乾燥させた寒天球を、ジメチルホルムアミドにおける10% ポリスルホン(Sigma-Aldrich, 製造番号42,830-2)の溶液中に浸し、水に移した。
所望の環境から微生物を得るため、ゲル化剤デバイスを選択された環境中(例えば、森林由来の土壌の表面、もしくはその中;または海洋堆積物の表面、もしくはその中)に、微生物がデバイスに侵入しコロニーを形成するのに有効と研究者によって決定された期間置く。
インキュベート後、デバイスを切断し、微生物のコロニーについて、寒天を目視または光学顕微鏡的に調べる。微生物を単離し、且つもし望ましいならば、新しいデバイス中に再播種する。
実施例7
微生物単離用のデバイスの使用
土壌試料中に存在する微生物を同定するため、実施例1に記載されたトラップを、合衆国で回収した様々な異なる土壌試料を用いて、実施例2に記載されたように使用した。
以下の表5は、トラップから単離された生物をまとめたものである。
(表5)トラップから単離された微生物
Figure 0005166399
Figure 0005166399
相同性の%は、単離された生物由来の16s rDNAがGenbank(登録商標)データベースの公知のいずれの株にどの位類似しているか言及する。
生物活性は、バチルス、大腸菌(E.coli)、またはインフルエンザ菌(H. influenza)のいずれに対し活性がある菌叢上のスポットアッセイを用いて計測した。
微生物を単離および/または培養するのに用いられる本出願で記載されたデバイスの非限定的な態様を詳密に表したものである。デバイスは金属またはプラスチックワッシャー(1)を含む;ワッシャーの上面に取り付けられた0.03μmの孔径ポリカーボネート膜フィルター(2);ワッシャーの底面に取り付けられた0.2μmから0.8μm孔径のポリカーボネート膜フィルター(3);ならびに2つの膜の間に規定された空隙内の成長培地(例えば寒天またはゲランガムベース)(4)。 図1Aに示されるデバイスの横断面図の略図である。 室温でデバイスのインキュベーション7日後に、孔径0.2μmの底面の膜を有する図1Aに記載したデバイスのゲランガムベース中で成長している放線菌マイクロコロニーの写真を表す。 図2Aの放線菌マイクロコロニーを拡大した写真を表す。 デバイスのインキュベーション14日後に、孔径0.2μmの底面の膜を有する図1Aのデバイスのゲランガムベースの表面上の、放線菌の気中および基底菌糸の写真を表す。 デバイスのインキュベーション14日後に、孔径0.2μmの底面の膜を有する図1Aのデバイスのゲランガムベースの表面上の、放線菌の気中および基底菌糸の写真を表す。 デバイスのインキュベーション14日後に、孔径0.2μmの底面の膜を有する図1Aのデバイスのゲランガムベースの表面上の、放線菌の基底菌糸の写真を表す。 デバイスのインキュベーション14日後に、孔径0.2μmの底面の膜を有する図1Aのデバイスのゲランガムベースの表面上の、放線菌の気中および基底菌糸の写真を表す。 デバイスのインキュベーション14日後に、孔径0.2μmの底面の膜を有する図1Aのデバイスのゲランガムベースの表面上の、放線菌の気中および基底菌糸の写真を表す。 微生物を単離および培養するのに用いられた本発明のデバイスの別の非限定的な態様の横断面図の略図である。図に示されるデバイスは金属またはワッシャーにより形成される(a);ワッシャーの上面に取り付けられた孔径0.03μmのポリカーボネート膜フィルター(b);ならびに、ワッシャーの底面に取り付けられた孔径0.2μmから0.4μmのポリカーボネート膜フィルター(c)。 図4のワッシャーの底面に取り付けられた孔径0.4μmの膜上で成長する微生物のコロニーの写真を表す。 図4のワッシャーの底面に取り付けられた孔径0.4μmの膜上で成長する微生物のコロニーの写真を表す。 図4のワッシャーの底面に取り付けられた孔径0.4μmの膜にレプリカ置床し7日後の栄養寒天上に形成されるコロニーの写真を表す。

Claims (23)

  1. 内部に、閉じたまたは封をした中空空隙を規定する第1の半透膜、および
    膜によって規定された中空空隙内の培地であって、微生物の成長を可能にする培地
    を含むデバイスであって、該半透膜が0.2μmから10.0μmの孔径を有する、微生物を培養または単離するための、デバイス。
  2. 培地がゲル化剤を含むデバイスであって、該ゲル化剤が第1の半透膜でコートされ、該半透膜が微生物の侵入を透過させる、請求項記載のデバイス。
  3. 0.000001μmから10μmの孔径を有する第2の半透膜をさらに含むデバイスであって、第1の半透膜および第2の半透膜が、互いに周辺部で取り付けられかつ2つの膜の間に中空空隙を規定しており、ならびに培地が2つの膜の間の空隙に提供される、請求項1記載のデバイス。
  4. 第1および第2の半透膜が0.2μmから10.0μmの孔径を有する、請求項記載のデバイス。
  5. 以下を含む、微生物を培養または単離するためのデバイス:
    (a)上面および底面を有する、内部に中空空隙を規定している固い不透過性の外側の境界を有する構造物;
    (b)該構造物の上面に取り付けられ、かつ0.000001μmから10μmの孔径を有する、第1の半透膜
    (c)第1の半透膜の孔径より大きな孔径を有し、かつ0.2μmから10.0μmの孔径を有する第2の半透膜であって、該構造物の底面に取り付けられた、第2の半透膜;ならびに
    (d) 構造物内の中空空隙に提供される、微生物の成長を可能にする培地
  6. 構造物がワッシャーである、請求項記載のデバイス。
  7. ワッシャーが金属、プラスチック、真鍮、ファイバー、ガラス、セラミック、ナイロン、テフロン(登録商標)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項記載のデバイス。
  8. 半透膜が、ポリカーボネート、セルロース、酸化アルミニウム、ポリスルホン、アルギン酸、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、シリカゲル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料である、請求項記載のデバイス。
  9. 第1および第2の膜が、同じ材料または異なる材料からなる、請求項記載のデバイス。
  10. 第1の膜が0.000001μmから0.2μmの孔径を有する、請求項記載のデバイス。
  11. 第1の膜が0.02μmから0.03μmの孔径を有する、請求項記載のデバイス。
  12. 第2の膜が0.2μmから0.45μmの孔径を有する、請求項記載のデバイス。
  13. 培地が、寒天、アルギン酸、カラギーナン、アラビアゴム、グアーガム、トラガントガム、キサンタンガム、プロピレングリコアルギネート(propyleneglycoalginate)、微晶性セルロース、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培地を含む、請求項記載のデバイス。
  14. 微生物が、細菌、真菌、原生生物、および微細藻類からなる群より選択される、請求項記載のデバイス。
  15. 微生物が、糸状放線菌、糸状菌、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される糸状の微生物である、請求項記載のデバイス。
  16. 微生物が、以前から難培養性の微生物であるかまたは新規な微生物である、請求項記載のデバイス。
  17. 以下を含む、微生物を培養または単離するためのデバイス:
    (a)内部に中空空隙が規定される、上面および底面を有するワッシャー;
    (b)ワッシャーの平らな上面に取り付けられた、0.000001μmから0.2μmの孔径を有する第1の半透膜;ならびに
    (c)ワッシャーの平らな底面に取り付けられた、0.2μmから10.0μmの孔径を有する第2の半透膜。
  18. ワッシャー内の空隙に位置する培地であって、微生物の成長を可能にする培地をさらに含む、請求項17記載のデバイス。
  19. 以下の工程を含む、微生物を培養または単離する方法:
    (a)微生物を含む環境中に、請求項記載のデバイスを設置する工程;および
    (b)微生物を膜内の孔を通して中空間隙に侵入させ、その中にコロニーを形成させる工程。
  20. 環境が自然環境である、請求項19記載の方法。
  21. 以下の工程を含む、微生物を培養または単離する方法:
    (a)微生物を含む環境中に、請求項記載のデバイスを設置する工程;および
    (b)微生物を膜内の孔を通して中空間隙中の培地に侵入させ、その中にコロニーを形成させる工程。
  22. 環境が自然環境である、請求項21記載の方法。
  23. デバイスの半透膜が、環境に接触するように設置される、または環境中に浸される、請求項21記載の方法。
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