JP5166240B2 - 種々の系列の抗生物質の検出および特定を同時に行なうインビトロ方法およびこの方法による分析キット - Google Patents

種々の系列の抗生物質の検出および特定を同時に行なうインビトロ方法およびこの方法による分析キット Download PDF

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Description

本発明は、生物学的に認識される分子を捕捉して1つの混合体中にある複数の異なる抗生物質を高感度で検出すると同時に、各抗生物質が属する系列を特定することができる方法に関し、ある系列に属する抗生物質を特定するための分析機序が、別の系列に属する抗生物質を特定するための分析機序を妨害しないという条件の下で行なわれる。
本発明は、この方法を実行するための分析用キットにも関する。
食品の監視とチェックの基本原則は、食品の製造過程のできるだけ上流で分析を行い、汚染の疑いがある食品を迅速に特定し取り除くことである。
一般な分析試験として行なわれる、「スクリーニング」とよばれる分析試験の場合、最初の分析で陽性とされたサンプルは、実際に陽性であると見なされ、「確認」試験と呼ばれる次の試験にかける必要がある。他方、最初の分析結果が陰性の場合には、これは十分であり、さらなる分析で結果を再確認する必要はない(1)
この分析試験で重要な点は、第1に、最初の分析で極力多数の抗生物質の検出が可能でなければならない。したがって、分析またはスクリーニング試験は、一つのサンプルについて複数の抗生物質を検出可能な複数試料分析試験でなければならない。
第2に、確認試験は、対象とする抗生物質を単離および特定しておくことが必要な極めて特異的な確認方法であるため、スクリーニング試験から確認試験に直ちに切り替えることができるように、スクリーニング試験で陽性とされたサンプルに含まれる抗生物質の系列が分かることが重要である。
第3に、スクリーニング試験は「誤った陰性」を示してはいけないということである。これは、その後の確認試験が行なわれないためである。
以下に示すように、抗生物質の検出方法が種々知られている。
その一つは、試料の細菌株の増殖に対する阻害力を測定する微生物学的試験である。
この種類の試験では、結果が得られるまでに比較的長いインキュベーション時間(3〜16時間)が必要とされる。一般に、これらの試験(デルボテスト(Delvotest SP)(登録商標)、BRT試験、コパン(Copan)(商標)、エクリプス(Eclipse)(商標)、バリオ(Valio)(商標))では、使用される細菌株がしばしば種々の系列の抗生物質に敏感であるため、種々の系列の抗生物質を同時に認識し得る。
しかし、この種の試験では、分析対象の各抗生物質が属する系列を正確に特定することができない。
また、サンプル中の対象とする抗生物質と、単一認識サイトとして受容体または抗体のいずれかを有する標識競合化合物との競争反応を利用して抗生物質を検出するインビトロ試験が行なわれている。エリザ(ELISA)(酵素免疫蛍光測定法)またはRIA(放射性免疫測定法)/RRA(放射線受容体測定法)において、分析のために必要とされる時間は約2〜6時間である。これらの方法、特にRRA実験法は、種々の系列の抗生物質のいくつかを同時に検出し得る。しかしこの場合、この方法では陽性を示す各抗生物質の系列を特定することはできない。
また、最近まで、対象とする抗生物質を単離し特定することが可能な物理化学的方法は、主にクロマトグラフ分離システムと質量分析検出システム(GC/MSまたはLC/MS)とを組み合わせる方法であった。この方法では、対象とする各抗生物質に応じて、適切な条件を設定する必要がある。この方法では、単一の抗生物質、または同じ系列の複数の抗生物質を同時に分析することが可能であり、また同じ系列の抗生物質のすべてを検出することは可能であるが、複数の系列の抗生物質ではけっして可能ではない。クロマトグラフ分離の原理は、所定の抗生物質の物理化学的特性の特徴を利用しているが、これらの特性はしばしば抗生物質の系列ごとに異なる。分析しようとする抗生物質の種類が分からない場合、存在する全ての抗生物質の系列についての方法を考慮しなければならない。
近年、はるかに迅速な方法が開発されている。これらの方法は、「迅速(RAPID)試験」と呼ばれ、多数のサンプルについて迅速なスクリーニング試験を行うために使用される。一般に、これらの方法では、生体分子化合物の競争反応を利用して抗生物質の特定を行なう。分析を迅速かつ容易にするために、これらの種類の試験には、側方流動を有する膜デバイス(テトラセンサー(Tetrasensor)(商標)、SNAP(登録商標)、ベータ−スター(Beta−STAR)(商標)、ROSA)が用いられる。これらの試験は抗生物質の系列に従って分類されるが、今まで単一の操作で種々の系列に属する抗生物質を検出できるものはない。
農業食品業界に一次スクリーニング分析を課すことは妥当だとしても、できるだけ多数の疑わしい抗生物質を特定することが可能な完成度の高い分析方法が要求されるであろう。各々の抗生物質毎に特定の試験を行うのではなく、複数試料分析試験を一回行うことがより実用的かつ経済的である。この業務には、多大な時間、試料管理、および費用を必要とする。これは食品の効率的管理の障害となる。
例えば10分未満程度でいくつかの系列の抗生物質のすべてを検出することが可能な複数試料分析試験が存在しないことによって、チェックの効率が大きく制限される。
特に、農業食品産業は、一回の操作で少なくとも2つの系列に属する抗生物質の分析を可能にする新しい方法に関心がある。
動物に投与される抗生物質の種類は、適用が治療目的または予防目的であるか、あるいは、動物種、対抗する細菌、獣医学診療、適用される法律、利用可能な手段、さらに地理的地域によって変動しうる。一部の特定の治療の場合、薬剤の混合物が使用される。原則として、医師は、有効であると評価するすべての市販抗生物質の中から選択される抗生物質製剤を使用する。
使用される抗菌剤および抗生物質の主な系列は、ペニシリンおよびセファロスポリン、テトラサイクリン、スルファミド、アミノグリコシドおよび
アミノサイクリトール、マクロライド、クロラムフェニコールまたは他のペプチド、イオノフォア、ニトロフラン、キノロン、カルバドックス等である。これらの系列は、化学的に異なるきわめて広範囲の化合物に及ぶ。
獣医薬および農業生産における抗生物質の集中的な使用は、抗生物質に対して耐性となった細菌株の出現をもたらすと考えられている。ヒトの健康を保護し、かつこの分野において法律を制定するために、多くの国々(欧州連合、米国、カナダ等)は食品の抗生物質の残留物に対する最大限の許容限界(MRL−許容残留量)を設定した(2)。ある程度、これらのMRLにより、陽性試料と陰性試料、すなわち、不合格試料と合格試料との間の境界が設定される。
同時に、2002年8月12日の委員会決定では、試料を検査するために使用される分析方法に適用可能な必要最低限性能限界(MRPL)が確立され、結果の判定の一般基準が規定された(3)
指令96/23/ECの規定を満足するスクリーニング試験は、立証可能な証拠に基づき、エラー率5%未満の基準に一致することを認証できる分析方法であるとされている。
1995年には、抗生物質の含量を分析した全試料の平均1パーセントがMRLよりも高いレベルを有し、陽性を示した。これらの陽性が確認された場合、最も検出頻度の高い抗生物質はペニシリンおよびテトラサイクリンであった(4)
テトラサイクリンを検出するためのシステムが、出願人の「遺伝子調節機序および対応する分析キットを使用するインビトロ分析を実行するための方法」という名称の特許出願WO−A−03/048770号に記載されている。この方法では、テトラサイクリン以外のものを検出することはできない。好ましい処方では、試薬は、テトラサイクリンに対する耐性を生じる大腸菌(E.coli)の遺伝子制御機序から単離されたTetR受容体と、受容体およびコロイド金とコンジュゲートしたプロテインA調製物を認識することができる抗体と、を含んで成る。また、回収(捕捉)システムは、ニトロセルロース膜に固定されたアビジン分子に付着可能な、ビオチン化された特異的DNAの断片である。インキュベーション中に、試料の存在下で受容体とDNAの断片との相互作用が生じるのは、テトラサイクリンが存在しないときのみであり、DNAの断片と受容体とが錯体を形成したとき、受容体に付着した金粒子が発色信号を生じる。一方、受容体がテトラサイクリンを認識した場合はDNAの断片と錯体を形成することができず、その結果、発色信号は生じない。
β−ラクタムを認識するシステムが、「生体液体におけるβ−ラクタム環を有する抗生物質を判定するための方法」という名称の特許WO−A−99/67416号に記載されている。この方法によれば、β−ラクタム以外のものを検出することは不可能である。発明者は好ましい処方において、精製されビオチン化学的されたリケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)の単離受容体と、この受容体に会合するコロイド金でコンジュゲートした抗ビオチン抗体調製物を開示し、さらに、ヒト免疫グロブリンに結合したセファロスポリンがニトロセルロース膜に固定された結合体を開示している。試料中にβ−ラクタムが無い場合、ビオチン受容体は膜に固定された抗生物質に付着し、ビオチン受容体に付着した金粒子によって生じる発色信号が検出される。一方、予備インキュベーション中にサンプル中の抗生物質にビオチン受容体が結合した場合は、ビオチン受容体は固定された抗生物質とは結合することができず、発色信号は生じない。
迅速スルファミド認識システムが、R.ヘルハイエン(Verheijen)らによって記載され(5)、かつ「サルファジミジン残留物の検出のための一段階ストリップ試験の開発」という名称としても知られている。このシステムでは上記のβ−ラクタムの検出のものと同様の原理が用いられている。一例を挙げると、スルファジミジンに特異性を有する抗体がコロイド金とコンジュゲートされ、スルファジミジンがオボアルブミンにコンジュゲートされてニトロセルロース膜に固定される。試料が抗体によって認識されるスルファジミジン系抗生物質を含む場合、コロイド金とコンジュゲートした抗体と錯体を形成し、膜に固定されたスルファジミジンと抗体の錯体形成を不能にする結果、膜への付着が不能になる。一方、試料にスルファジミジン系抗生物質が存在しないとき、金粒子がコンジュゲートされた抗体は、膜に固定されたスルファジミジンを認識し、発色信号を生じる。この文献はこの試験の特異性を記載していない。
今まで周知の側方流動による迅速方法および工程は、全て単一の系列の抗生物質の検出にのみ適用され、また、今まで少なくとも2種類の系列に属する抗生物質のすべてを単一の操作で検出する方法はない。この主な理由は、一回の分析操作で各系列の抗生物質の検出に必要とされる薬剤のすべてを独立し、かつ互いに妨害することなく用いることが技術的に困難なことにある。第2の問題は、検出された抗生物質が属する系列を特定することが困難なことにある。
以上をまとめると、小分子(MW<2,000)を検出するための周知の迅速システムは、細菌由来の受容体または免疫グロブリン(抗体)等の検出対象の抗生物質を特異的に認識することができる分子と、抗生物質を特異的に認識する部位に対する競合化合物との2つの構成要素を必要とする、競争反応を利用して行なわれる。選択される方法により、構成要素の1つが不溶性の担体に固定され、他の要素は標識される。ある場合には(フォーマット1、下記参照)、標識されるのは認識分子で、固定されるのは抗生物質の類似体であり、また別の場合には(フォーマット2、下記参照)、標識されるのは抗生物質の類似体で、不溶性物に付着するのは認識分子である。
テトラサイクリン検出システムの独創性は、受容体が2つの相互依存した認識サイトを含んで成る結果、競合化合物が検出対象である抗生物質の類似体ではなく、同じ受容体の第2の認識部位に結合することができるDNAの断片である点にある。
すべての「迅速試験」と呼ばれる方法では、評価は「試験」ゾーン、すなわち、受容体の捕捉要素が固定された部分で生じる発色信号の強度と、「対照」ゾーン、すなわち、他の試薬(または過剰な試薬)が捕捉された部分で得られる別の発色信号の強度を比較することによって行われる。一般に、「試験」ゾーンにおける強度が「対照」ゾーンにおける強度よりも強いとき、検出対象の抗生物質は陰性と判断される。
すべてのβ−ラクタム系抗生物質の分析では、認識分子はバチルス(Bacillus)調製物から得られ、すべての場合、この認識分子は精製後に標識される。標識を行なうために、表面に化学修飾を施す。例えば、ペルオキダーゼまたはビオチンによるステアロサーモフィラス菌(Bacillus Stearothermophillus)受容体の例や、ビオチンによるリケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)受容体の例(U.C.B. S.A.によるWO−A−99/67416およびUS−A−6,524、804)、またはさらにコロイド金と直接コンジュゲートしたステアロサーモフィラス菌(Bacillus Stearothermophillus)受容体の例(チャーム社(Charm Inc.)によるUS−A−6,475,805)などである。テトラセンサー(Tetrasensor)(商標)法を除き、今まで知られている限り、認識分子を化学的に修飾して発色錯体を得ることが必要である。このために、認識分子を精製しその表面の置換基を修飾することが必要であるが、これには認識分子の主要な機能または安定性の特性を変化させるリスクを伴う。
したがって、今まで知られている限り、未精製の原料、または化学修飾されていない受容体による分析は一般に不可能である。
また、「テトラサイクリン」の分析において使用されるタイプの標識は、β−ラクタムの分析と互換性はない。これは、すべての報告された場合において「対照」ゾーンに免疫グロブリンを固定することが不可避であるためである。WO−99/67416の場合、競合化合物の「試験」ゾーンへの固定に用いられるタンパク質も免疫グロブリンである。テトラサイクリンの分析におけるようなプロテインAの使用は、必然的にβ−ラクタム系抗生物質の検出に必要とされる一方または両方の捕捉ライン上に非特異的標識を生じさせる。
別の方法として標識または担体への固定にアビジン−ビオチンの組合せを使用する場合、アビジン−ビオチンの組合せは、一種類の抗生物質を特定するための方法においてのみ使用されうる。アビジンが固定部分に用いられる場合は、すべてのビオチン化された分子がそこに付着することは可能である。かかる場合、例えば文献WO−A−99/67416および文献WO−A−03/048770に記載された2つの分析機序の組合せに基づいて、β−ラクタムとテトラサイクリンをともに検出することが可能とは考えられない。第1のケースでは、受容体はビオチン化され、次いでビオチン抗体−金の錯体によって標識され、第2のケースでは、アビジンは固定され、DNAのビオチン化断片を捕捉する。これら2つの分析機序の組合せは、アビジン−ビオチンの組合せを使用する2つの独立した系でさらなる問題をもたらすことになる。2つの既存の系の組合せにおいて、ビオチン化されたβ−ラクタム系の受容体は、テトラサイクリン系のDNAを捕捉するために必要なアビジンにも結合する結果、試料におけるテトラサイクリンのレベルとは無関係に非特異的標識をもたらす。さらに、移動相におけるビオチン抗体−金錯体の存在は、ビオチン化されたDNAを妨害し、その捕捉に必要とされるアビジンを認識できないようにし、これはさらに別の問題をもたらすことになる。
また別のアプローチとして、2つの独立した認識システムを組合せる場合、各々のマーカーの内部基準に対する発色強度によって結果を評価するとき、結果の読取りと判定がきわめて複雑な認識システムとなる。この場合、2つの「試験」バンド(「β−ラクタム」および「テトラサイクリン」)および2つの「対照」バンドが存在することになる。この方法は、分析を簡単にも実用的にもしない。2つの試験の組合せに照らして、互いに比較することによって各々の試験の強度を評価するほうがよい。かかる手順において、分析物(検体)番号1の「試験」ゾーンは分析物(検体)番号2の「対照」ゾーンとなり、分析物(検体)番号2の「試験」ゾーンは分析物(検体)番号1の「対照」ゾーンとなる。
2つの系列の抗生物質が同じ試料中に含まれている場合には、この方法では発色信号はまったく、またはほとんど生じない。これは稀なケースであるが、可能であれば、β−ラクタムとテトラサイクリンが含まれる場合、結果の判定の問題を回避するために両方の発色信号の相対強度をより容易に評価することを可能にする単一の対照線を呈する単一の対照を用いることが推奨される。明らかに、この単一の対照線は、2つ以上の試験を組み合わせて一つの方法にする場合に必要となる。
さらに別のアプローチとして、分析用キットのディップスティックを形成するために選択される材料は、2つの系列の抗生物質を同時に分析するために適していなければならない。WO99/67416に記載された好ましい実施形態において、「ロイコソルブ(Luekosorb)(登録商標)」膜の使用が推奨されているが、これはわれわれがテトラサイクリン試験に推奨した方法に適さず、かつ複数試料分析試験に適さない。きわめて不思議なことに、両方の受容体がそのそれぞれの抗体によって標識される場合、試薬が捕捉点に到達する前にロイコソルブ(Luekosorb)(登録商標)と接触すると、β−ラクタムの明確なカットオフ点を得ることは不可能である。この膜は、その効果が牛乳の精製および側方流動における使用で示されたが、この膜は標識がコロイド金とコンジュゲートした抗体およびプロテインAによって行なわれる場合に非特異的認識信号の発生原因となる。
また別のアプローチにおいて、各系列に属するすべての抗生物質を認識する受容体の選択が重要である。この選択は、受容体が抗生物質を認識する性能によってだけではなく、安定性、構造、抗原反応性、アミノ酸組成等によっても決定される。
結論として、周知の方法に基づく限り、2つ以上の独立した分析方法を単一の分析方法にまとめることは先験的に不可能である。例えば、β−ラクタム系およびテトラサイクリン系抗生物質を認識する各受容体を、一方を認識する分析機序が他方を認識する分析機序に確実に干渉しないようにしながら化学修飾し、組み合わせることができるとは考えられない。
[発明の目的]
本発明は、少なくとも2つの異なる系列に属する抗生物質が(理論上無制限に)組み合わされた混合物中の抗生物質の検出と、検出された抗生物質が属する系列の特定を同時に行なうことができる新しい分析方法を提供することを目的とする。
特に、本発明は、少なくとも2つの分析機序を、一つの分析機序が他の分析機序を妨害することなく単一の分析方法に組み合わせることが、技術的および実用的に実現可能であることを明らかにすることを目的とする。
本発明の別の目的は、複数の検体の分析を、単一の試料につき一回の分析操作で、例えば30分未満のように迅速に行なえることを技術的に明らかにすることである。
本発明の別の目的は、少なくとも2つの系列の抗生物質の検出および特定を同時に行なえる方法、およびインビトロ分析用キットを提供することである。
本発明の第1の目的は、請求項のように、種々の系列の抗生物質、すなわちβ−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファミド系からの少なくとも2つの系列に属する少なくとも2種の検出物の検出と定量を同時に行なう分析用キットに関し、これは例えば、好ましくは、溶液または凍結乾燥物の形態の少なくとも2種類の生物学的分子を含んで成り、各生物学的分子が前記種々の系列に属する検出物を含むサンプル中の所定の各検出物を同時かつ特異的に認識することが可能な、単一の反応性混合物と、単一の固形担体の形態の捕捉システムであって、固形担体の既知の位置に前記反応性混合物中の前記生物学的分子を特異的、選択的、排他的に捕捉するリガンドが配置され、
前記担体上の捕捉位置でサンプル中の抗生物質の属する系列を特定することが可能な捕捉システムとを備えることを特徴とする。
場合により、捕捉システムに、対象とする抗生物質と類似の競合化合物を用い、溶液中の受容体を標識してもよく、あるいは溶液中の競合類似体を標識し、捕捉システムに受容体を用いてもよい。本発明によれば両者を併用してもよい。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項2−16に記載されている。
本発明の第2の目的は、請求項17のように、請求項1−16のいずれか1つに記載の分析用キットによる分析方法に関し、以下の段階を有することを特徴とする。
上記の反応性混合物と、系列を決める試料とを接触させて溶液を調製し、この溶液を30℃〜50℃の温度で3〜15分間インキュベートする段階。
捕捉システムを有するディップスティックを、得られた溶液に浸漬し、3〜15分間インキュベートする段階。
ディップスティック上に現れた結果を裸眼によって視覚的に、または光学的ディップスティックリーダーによって判定する段階。
本発明の好ましい実施形態では、受容体の精製を回避することが好ましい。また、受容体を、例えばコロイド金で直接標識した抗受容体抗体、あるいは、好ましくはコロイド金を付着させたプロテインAで標識した受容体抗体により、化学修飾することを回避することが好ましい。
他方、複数試料分析試験の観点からは、コロイド金で標識されたプロテインAは、溶液中のすべての抗体の一般的なマーカーとして作用する。
本発明において使用される受容体と抗体の機能を最大に保つための原則は、化学修飾による標識を生起させないことである。この結果、本発明ではできるだけ自然な状態の細菌由来受容体を使用する。これらの受容体は、コロイド金とコンジュゲートしたプロテインAを認識する抗体を介して標識される。したがって、金に付着するのは標識タンパク質のみであり、分析対象の抗生物質を認識する認識分子ではない。
この方法により、認識分子のすべての官能基は保護される。この利点は、例えばリジン残基の特定の側鎖に基づく認識機能を利用しようとする場合に十分活かされる。化学修飾が起こる場合、報告されているほとんどの場合において、リジン側鎖のNH 残基の化学修飾が生じることは重要である。結論として、リジンの化学修飾はリジンの活性部位の劣化をもたらし、調製された薬剤が部分的に不活性になりうる。
抗体による標識は、非固定標識であるため柔軟性がある。化学的標識は不可逆的共有結合を意味するが、抗体の付着は可逆的であり、作用する力によって平衡がシフトしうる。別の利点は、前記の2番目の段階における標識を調節できることである。本発明の第2の方式において、抗体が受容体を認識するのは、抗生物質が試料中に遊離しているか、捕捉のために固定されているかに関係なく、受容体が抗生物質を認識した後の段階である。
費用や安定性等の理由だけでなく、複数試料分析試験にうまく適用するためにも、本発明では、黄色ブドウ球菌から単離されたβ−ラクタム受容体(6)を使用することが好ましい。
このβ−ラクタム受容体は、抗生物質、特にβ−ラクタム系抗生物質に抗する能力に関して最も有効な細菌由来受容体であり、インビトロで使用されたときこの受容体は、ペニシン系およびセファロスポリン系のすべてのβ−ラクタム系抗生物質に対し格別の認識能力を示す(文献(6)および実施例に示した結果を参照)。
この受容体の別の利点は、アルカリ性の等電点(pI)を有することである。これにより細胞の抽出物から抗体を得るとき、極めて容易に精製することができる。
また、われわれの選択は、きわめて特異的であり、複数試料分析試験に関係する残りのすべての試薬との非特異的応答を生じないことが、ウサギによる免疫応答の所見によっても確認されている。
本発明によれば、完全に異なる分析機序を使用して、異なる系列のいくつかの抗生物質の検出に必要なすべての要素を単一の操作に組み合わせた方法が成功裏に構築された。
本発明は、また、確実かつ経済的な複数試料分析試験を提供する。受容体や調製された抗体を精製する必要はなく、さらに、受容体を化学修飾しないので、受容体の反応性および安定性が完全に保護される。
背景技術で述べたように、本発明の競合試験は、2種類のフォーマットが考えられる。第1の場合(フォーマット1)では、受容体はコロイド金とコンジュゲートされ、分析対象の抗生物質の類似体である競合物質は、特定の捕捉点に固定されることによって捕捉システムとして作用する。
第2の場合(フォーマット2)、分析対象の抗生物質に類似する競合物質は、コロイド金とコンジュゲートされ、受容体は特定の捕捉点に固定されることによって捕捉システムとして作用する。
場合によっては、混合システム(上記のフォーマット1および2)の複数試料分析試験も可能である。
<実施例1:特異的受容体によるテトラサイクリン系およびβ−ラクタム系の同時分析(両者の検出にフォーマット1を用いる)>
この方法では、β−ラクタム系とテトラサイクリン系抗生物質の各受容体および各受容体に対する各種試薬を含有する反応性混合物と、各受容体の特異的リガンドが正確に区画された場所に固定された捕捉システムとが使用される。
[反応性混合物の調製]
β−ラクタム系抗生物質を検出するために、反応性混合物には、β−ラクタムを認識するための特異的受容体、この受容体の特異的抗体、およびコロイド金とコンジュゲートしたプロテインAの調製物が含まれる。また、テトラサイクリン系抗生物質を検出するために、反応性混合物には、テトラサイクリンの受容体、この受容体の特異的抗体、ビオチンとコンジュゲートしたDNAの特異的断片、およびコロイド金とコンジュゲートしたプロテインAの調製物が含まれる。
β−ラクタム受容体は、ゴレミ・コトラ(Golemi−Kotra)ら(6)の方法によって得られる。未精製受容体は、ミレックス(Millex)HV膜(ミリポア社(Millipore,Inc.)、米国)でろ過され、4℃で50%v/vのグリセロールの存在下に保存される。テトラサイクリン受容体は、特許出願WO−A−03/048770号に記載された方法によって得られる。
両受容体の抗体調製物は、カチャブ(Kachab)ら(7)の方法によって得られる。これらの抗体調製物は、β−ラクタム受容体についてはゴレミ・コトラ(Golemi−Kotra)ら(6)に記載の、テトラサイクリン受容体については出願WO−A−03/048770号に記載されたタンパク質の均質性まで精製受容体の調製物を撹拌することによって得られた。両方の抗体は、好ましくは、未精製で使用される。すなわち、反応性混合物に直接添加されるのは未精製血清である。第2の好ましい実施形態によれば、ポリクローナルまたはモノクローナル型の特異的抗体は、当業者に周知の方法によって精製され、次いでフレンス(Frens)法(8)のコロイド金粒子に直接または間接的に結合される。
DNA断片は、特許出願WO−A−03/048770号に記載された配列および調製に従い、ユーロゲンテック(Eurogentec)SA社(ベルギー)で購入できる。この実施例では、DNA断片はニトロセルロース膜上の捕捉点に固定されず、反応性混合物に直接混入される。このDNA断片のビオチン化された末端が、捕捉点に固定されたアビジンによって捕捉される。(下記参照)
用いられるすべての試薬は、反応性および安定性のすべての特性を保存するために化学修飾または置換なしに導入される。これらの分子は精製または非精製であり、これは明らかな経済的利点を有する。
実施例において、より詳しくは、反応性混合物は以下を含んで成る。
− 濃度360nM(ナノモル)のβ−ラクタム受容体(RSA) 5部
− 濃度4.2μM(マイクロモル)のテトラサイクリン受容体(TetR) 5部
− NaCl 150mMを含む50mM(ミリモル)NaPi緩衝液(pH7.8)で4倍に希釈した抗RSA血清 1部
− NaCl 150mMを含む50mM(ミリモル)NaPi緩衝液(pH7.8)で4倍に希釈した抗TetR血清 1部
− NaCl 690mM中の濃度が25μMの核酸の溶液 1部
− 520nmの光学密度(OD)=10のプロテインA−金(粒径40nm) 15部
− BSA2%、デキストラン1%、ショ糖5%を含む120mMヘペス緩衝液(pH8) 22部
この反応性混合物は必要に応じて調製され、または20時間凍結乾燥して調製される。
[捕捉システム]
捕捉システムは、反応性混合物中の認識分子と錯体を形成することができる化合物が所定の場所に固定されたニトロセルロース膜を含んで成る。これらの化合物は、「ベータ」信号に対して(β−ラクタムに対して)は、抗生物質、好ましくはペニシリンまたはセファロスポリン型の抗生物質であり、プロテインA、ビオチン、またはアビジンに対して特定の反応性を有さない分子に固定される。本発明の好ましい実施形態において、β−ラクトグロブリンに固定したアンピシリンが使用される。
また、「テトラ」信号に対して(テトラサイクリンに対して)は、DNA断片の末端のビオチンを認識することができるアビジンである。卵白アビジンが好ましく使用される。
「ベータ」および「テトラ」捕捉ゾーンは、それらの位置が区画され所定の位置にある限り、一方を他方の前にするか、またはその逆にするかは特に指定なく、連続的に配置される。
分析される溶液中に存在する抗生物質の種類の特定を可能にするのは、この区画の位置である。両方の捕捉システムが同じ場所に配置された場合は、分析には影響ないが、どの種類の抗生物質が実際に存在するか判定するのは不可能であろう。
[アンピシリンがコンジュゲートされたβ−ラクトグロブリンの調製]
β−ラクトグロブリンは、多くのリジン残基(10%)を含んで成る牛乳タンパク質であることから選択され、大部分のリジンは、タンパク質の外側にNH末端が面する三次元構造を有する(Pubmed,structure,1GXA)。
100mgのβ−ラクトグロブリンと15mgの2−イミノチオレンを、100mM NaPi緩衝液(pH8.5)4mlの反応液中で、60分間、25℃でインキュベートする。次いで、この混合物を、5mM PBS−EDTA緩衝液(pH7)で予め平衡状態にしたPD10カラム(アマシャム・バイオサイエンス社(Amersham Biosciences)、英国(UK))上に沈着させ、同じ組成の緩衝液で溶出させる。分画されたタンパク質を公知の方法によって収集する。
さらに、100mgのSICCを含む2mlのDMSOを、25mM NaPi緩衝液(pH8)の中にアンピシリンナトリウムを50mg/ml含む2mlの溶液とともにインキュベートし、次に、50mgのタンパク質溶液の存在下に4時間、4℃でインキュベートする。最後にこの溶液を、25mM NaPi緩衝液(pH7.5)の100倍容量を透析外液として、6時間、2回、透析する。
[中和アビジンの溶液の調製]
ピアス社(Pierce Inc.)(米国(USA))で入手可能な5mg/mlの卵白アビジンの溶液を50mM NaPi緩衝液(pH7.5)の中で調製する。
[BSA−金の対照溶液の調製]
本発明では、試験前後で一定の強度で可視的な対照ラインを使用することが好ましい。この対照ラインは、好ましくは、「試験」ラインで発生した色と同様の色を示し、次のように合成される。
10mMホウ酸塩緩衝液(pH6.5)の中で、フレンス(Frens)(8)法によって得られたコロイド金(粒径40nm、光学密度ODλmax=3)の調製物27mlに、10%BSA(シグマ(Sigma))溶液3mlを添加する。混合物を20℃で60分間インキュベートし、次に、SS34ローター(ソルバル(Sorvall))で45分間、10,000rpmで遠心分離する。次いで、残留物をNaCl 150mMを含む50mM NaPi緩衝液中に回収し、光学密度ODλmax45を得る。さらに、ニトロセルロース膜上に沈着させる溶液を同じ緩衝液で15倍に希釈し、最終的に光学密度ODを3にする。
[免疫クロマトグラフ法]
免疫クロマトグラフ法は周知であり、文献(免疫クロマトグラフ試験ストリップの開発:簡潔な指針(Developing Immunochromatographic Test Strips:A Short Guide)、ミリポア(Millipore)、米国(USA)11/96印刷文献番号TB500、96−204頁)に記載されている。
本発明において、上記で得られた調製物は、ニトロセルロース膜上の所定の区画された位置に、かつ好ましくは、液体の移動方向に沿って連続して個別に沈着される。
次いで、ニトロセルロース膜の一方の面に、例えば、アールストローム社(Ahlstrom,Inc.)(米国(USA))で入手可能な142型またはワットマン(Whatman)(英国(UK))で入手可能なGFDVA型のものであるが、パル(Pall)(英国(UK))で入手可能なロイコソルブ(Leukosorb)(登録商標)型のものではない膜を接触させ、他方の面には、例えばワットマン(Whatman)(英国(UK))で入手可能な17CHR型の吸収紙を接触させる。
[ニトロセルロース担体への捕捉化合物の沈着]
試料中に存在する抗生物質の種類を特定することを可能にするのが捕捉システム上の位置である。溶液は、1μL/cmの流量でQuanti−3000型のバイオドット(Biodot)(英国(UK))「ディスペンサー」によって沈着される。
2つのパラメータ(抗生物質)の検出の場合、β−ラクトグロブリンとアビジンの調製物が、対照ラインの両側にそれぞれ沈着される。例えば、調製されたβ−ラクトグロブリンコンジュゲートは対照ラインより下に沈着され、中和されたアビジン溶液は対照ラインより上に沈着される(図1)。結果として、β−ラクタム系抗生物質の存在は、β−ラクトグロブリン、すなわち、対照ラインより下に位置した試験ラインに標識が生じないことによって特徴づけられ、また、テトラサイクリン系抗生物質の存在は、対照ラインより上の試験ラインに標識が生じないことによって特徴づけられる。両方の抗生物質が十分な量存在する場合、対照ラインの両側には2つの信号のいずれも出現しない(図1参照)。
[牛乳のサンプル中のβ−ラクタムおよびテトラサイクリンの同時分析]
冷たい牛乳200μLを、上記により調製および/または凍結乾燥された50μLの試薬の存在下に、50℃でインキュベートする。50℃で3分インキュベーションした後、上記の捕捉システムを溶液中に浸漬する。最終判定は、3分のインキュベーション後に、マテスト社(Matest)(ドイツ)で入手可能な光学ディップスティックリーダーによって行われる。
結果は表1に記載されている。この方法では、アンピシリン4ppbおよび/またはテトラサイクリン75ppbの牛乳の試料を陽性と判断する。
表2は、言及したβ−ラクタム系およびテトラサイクリン系のさまざまな抗生物質について本方法の検出限界を示す。原則として、対照発色信号に対する試験発色信号の強度比が1以下である場合、試料は対象とするパラメータ(抗生物質)について陽性と判定される。
Figure 0005166240
Figure 0005166240
<実施例2:テトラサイクリン系、β−ラクタム系、およびスルファミド系抗生物質の同時分析(フォーマット1による3種の検出)>
この好ましい実施形態では、テトラサイクリン系およびβ−ラクタム系受容体に加え、スルファジメトキシン系抗生物質を認識する特異的抗体を用いる。
[反応性混合物の調製]
次の調合に従って、抗スルファジメトキシン抗体をさらに上記の混合物に添加する。
− 濃度360nMのβ−ラクタム受容体(RSA) 5部
− 濃度4.2μMのテトラサイクリン受容体(TetR) 5部
− NaClを150mM含む50mM NaPi緩衝液(pH7.8)で4倍に希釈した抗RSA血清 1部
− 上記組成のNaPi緩衝液で4倍に希釈した抗−TetR血清 1部
− 上記組成のNaPi緩衝液で2倍に希釈した抗スルファジメトキシン 1部
− 濃度50μMの核酸 1部
− 520nmの光学密度(OD)=10のプロテインA−金(粒径40nm) 20部
− BSA2%、デキストラン1%、ショ糖5%を含有する120mMヘペス緩衝液(pH8) 22部
この混合物は必要に応じて調製され、または20時間凍結乾燥して調製される。
[捕捉システム]
捕捉システムは実施例1のものと同様であり、ここに抗スルファジメトキシン抗体分子を特異的に捕捉する第4のラインが組込まれる(第3の試験ライン)。その他の捕捉ゾーンは前記と同様であるが、図2のように、さまざまに配置される。
[スルファジメトキシンとコンジュゲートしたBSAの調製]
ジクソン・ホランド(Dixon−Holland)およびカッツ(Katz)(9)らの方法によって調製される。スルファジメトキシン100mgとBSA200mgを、50mMリン酸緩衝液(pH7.2)2部とジオキサン1部を含んで成る25mlの混合物中に溶解し、25%グルタルアルデヒド120μLの存在下に、25℃で3時間攪拌しながらインキュベートする。次いで、50mM NaPi緩衝液(pH7.2)100容量を透析外液として、4℃で6日間、12時間ごとに緩衝液を交換しながら透析する。
[ニトロセルロース担体上への捕捉化合物の沈着]
3つのパラメータ(抗生物質)の検出の場合、捕捉ラインはニトロセルロース膜上の所定の区画された位置に、好ましくは液体の移動方向に沿って連続して個別に沈着される。好ましい実施形態によれば、β−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファジメトキシン系の捕捉ゾーン、および対照ゾーンは、それぞれ、液体の移動方向に沿って、第1、第2、第3、および最後に第4位置の順で配置される(図2)。単一の対照ゾーンが3つのマーカーの対照となる。別の実施形態として、前記実施例と同様、2つの対照ゾーンを各々の試験ゾーン間に組込むこともできる。
原則として、注意することは、本発明によれば、試験ラインおよび対照ラインは、必ずしも液体の移動方向に沿って配置される必要はない。したがって、分析キットは、配置の順序が「ベータ」−「テトラ」または「テトラ」−「ベータ」、「ベータ」−「スルファ」、または「スルファ」−「ベータ」(以下の実施例を参照)、「ベータ」−「テトラ」−「スルファ」または「スルファ」−「テトラ」−「ベータ」等であっても同等に十分に機能する。
[牛乳の試料におけるβ−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファジメトキシン系の同時分析]
冷たい牛乳200μLを上記のように調製および/または凍結乾燥した試薬50μLの存在下に50℃でインキュベートする。50℃で3分インキュベーションした後、上記の捕捉システムを溶液中に浸漬する。最終判定は、3分のインキュベーション後に、マテスト(Matest)(ドイツ)で入手可能な光学ディップスティックリーダーによって行なう。
結果を表3に示す。この分析方法では、アンピシリン4ppb、および/またはテトラサイクリン75ppb、およびスルファジメトキシン100ppbの牛乳の試料を陽性と判断する。
表4は、言及したβ−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファジメトキシン系のさまざまな抗生物質についての、本方法の検出限界を示す。原則として、対照発色信号に対する試験発色信号の強度比が1以下である場合、試料は対象とするパラメータ(抗生物質)について陽性と判定される。
Figure 0005166240
Figure 0005166240
実施例3:β−ラクタム系およびスルファミド系の同時分析(β−ラクタムはフォーマット1、スルファミドはフォーマット2で検出)
[反応性混合物の調製]
反応性混合物は以下を含んで成る。
− 濃度360nMのβ−ラクタム受容体(RSA)が5部
− 520nmの光学密度(OD)=10のコロイド金が付着したモノクローナル抗RSA抗体が10部
− NaClを150mM含む50mM NaPi緩衝液(pH7.8)で希釈されたビオチン化抗スルファジメトキシン抗体 1部
− BSA−スルファジメトキシン−金(粒径40nm)の希釈液 10部
− BSA2%、デキストラン1%、ショ糖5%を含む120mMヘペス緩衝液(pH8) 24部
この混合物は必要に応じて調製され、または20時間凍結乾燥して調製される。
[抗スルファジメトキシン抗体のビオチン化]
100mM、pH9.2の炭酸塩緩衝液で透析した抗−スルファジメトキシン抗体5mg/mlを含む溶液825μLを、1.5mg/mlでビオチン−LC−NHCの溶液(ペルビオ社(Perbio,Inc.)で入手可能)165μLの存在下に、光を避けて25℃で2時間インキュベートする。1M,トリス緩衝液(pH8)を10μL添加し30分間静置して反応を止め、次いで、NaCl 150mMを含む50mM NaPi緩衝液(pH7.8)に対して10時間の透析を2回行なう。
[金粒子とコンジュゲートしたBSA−スルファジメトキシンの調製]
対照BSA−金溶液は、実施例2に記載されたBSA−スルファジメトキシンの調合液を用いて、実施例1と同様の方法でコロイド金を固定して調合する。
[捕捉システム]
捕捉システムは実施例1のものと同様である。しかし、この実施例では、対照ゾーンの上にある第2の捕捉部位に固定されたアビジンに、ビオチン化抗スルファミド抗体が捕捉される。
[牛乳の試料におけるβ−ラクタム系およびスルファジメトキシン系の同時分析]
冷たい牛乳200μLを、上記の調製試薬50μLの存在下に30℃で15分間インキュベートする。この第1のインキュベーション後、上記の捕捉システムを溶液中に浸漬する。最終判定を15分間の第2のインキュベーション後に行う。結果を表5に示す。
Figure 0005166240
実施例4:テトラサイクリン系およびスルファミド系の同時分析(フォーマット2により両方を検出)
[反応性混合物の調製]
反応性混合物は以下を含んで成る。
― 濃度4.2μMのテトラサイクリン受容体(TetR) 5部
− 50mM NaClを含む150mM NaPi緩衝液(pH7.8)で希釈したモノクローナル抗TetRマウス抗体 1部
− 上記の組成のNaPi緩衝液で希釈した抗スルファミドウサギ抗体 1部
― BSA−スルファジメトキシン−金(粒径40nm)の希釈液 10部
− 濃度50μMのビオチン化された核酸 1部
― 520nmの光学密度(OD)=10の抗ビオチン−金(粒径40nm)抗体 10部
− BSA2%、デキストラン1%、ショ糖5%を含む120mMヘペス緩衝液(pH8) 22部
この混合物は必要に応じて調製され、または20時間凍結乾燥して調製される。
[捕捉システム]
捕捉システムは実施例1のものと同様である。しかし、この場合には、モノクローナル抗TetR抗体が捕捉される第1の捕捉部位を形成するのは、抗TetRマウス抗体であり、また、抗スルファミド抗体が捕捉される第2の捕捉部位を形成するのはニワトリ抗スルファミドウサギ抗体である。
[肉の試料におけるテトラサイクリン系およびスルファミド系の同時分析]
ブタの筋肉10gに 50mM NaPi緩衝液(pH8)30mlを添加し、ミニミックス(MinimiX)(インターサイエンス社(Interscience)、F)型の混合機で2分間混合する。次いで、エッペンドルフ(登録商標)チューブ中に収集した溶液を1分間、6,000rpmで遠心分離し、それから上清を回収する。上清200μLを上記の調製試薬50μLの存在下に25℃で15分間インキュベートする。この第1のインキュベーション後、上記の捕捉システムを溶液中に浸漬する。最終判定を15分間の第2のインキュベーション後に行う。結果を表6に示す。
Figure 0005166240
<実施例5:β−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファミド系の同時分析(β−ラクタム/テトラサイクリンはフォーマット1、スルファミド系はフォーマット2).
[反応性混合物の調製]
反応性混合物は以下を含んで成る。
− 濃度360nMのβ−ラクタムー受容体(RSA) 5部
− NaCl 150mMを含む50mM NaPi緩衝液(pH7.8)で希釈したモノクローナル抗RSAマウス抗体 1部
− 濃度4.2μMのテトラサイクリン受容体(TetR) 5部
− NaCl 150mMを含む50mM NaPi緩衝液(pH7.8)で希釈したモノクローナル抗TetRマウス抗体 1部
− 濃度50μMのビオチン化された核酸 1部
− NaCl 150mMを含む50mM NaPi緩衝液(pH7.8)で希釈したポリクローナル抗スルファミドウサギ抗体 1部
− BSA−スルファジメトキシン−金(粒径40nm)の希釈液 7部
− 520nmの光学密度(OD)=10のコロイド金(粒径40nm)が付着した抗マウス抗体 13部
− BSA2%、デキストラン1%、ショ糖5%を含む120mM,pH8のヘペス緩衝液 16部
この混合物は必要に応じて調製され、または20時間凍結乾燥して調製される。
別の好ましい方法では、モノクローナル抗RSA抗体および抗TetR抗体は、直接コロイド金の粒子とコンジュゲートされる。
[捕捉システム]
捕捉システムは実施例1のものと同様である。しかし、この場合には、RSA受容体を捕捉する第1の捕捉部位を形成するのはラクトグロブリン−アンピシリンであり、TetR受容体を捕捉する第2の捕捉部位を形成するのはアビジンであり、抗スルファミドウサギ抗体を捕捉する第3の捕捉部位を形成するのは抗ウサギニワトリ抗体である。
[牛乳の試料におけるβ−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファミド系の同時分析]
冷たい牛乳200μLを、上記の調製試薬50μLの存在下に30℃で15分間インキュベートする。この第1のインキュベーション後、上記の回収(捕捉)要素を溶液中に浸漬する。最終判定を15分間の第2のインキュベーション後に行う。結果を表7に示す。
Figure 0005166240
(文献)
(1)生きた動物および動物性食品における特定の物質およびそれの残留物を監視する手段に関する1996年4月29日の理事会指令96/23/CEおよび廃止指令85/358/CEEおよび86/460/CEEおよび決定89/187/CEEおよび91/664/CEE.
(2)動物起源の食品における動物用医薬品の最大限の残留物限界の確立のための委員会手順を規定する1990年6月26日の理事会規則(EEC)第2377/90号。
(3)Off.J.Eur.Comm.2002年、L221/8 − 2002/657/CE。
(4)ヒサオ・オカ(Hisao Oka)、農業において使用される抗生物質の化学的分析、AOAC INTERNATIONAL、1995年、ISBN0−935584−57−9。
(5)ロン フェアハイジェン(Ron Verheijen)ら、Analyst 123(1998年)、2437−2441頁。
(6)ゴレミ・コルタ(Golemi−Kotra),Dら、The Journal of Biological Chemistry、第278巻、第20号(2003年5月)、18419−18425頁。
(7)カチャブ(Kachab),E.H.ら、The Journal of Immunology Methods、第147巻、第1号(1992年)、33−41頁。
(8)フレンス(Frens),G.、Nature(London)、Phys.Sci.、241(1973年)、20頁。
(9)ディクソン・ホール(Dixon−Holland)D.E.、およびカッツ(Katz)、S.E.、(1988年)、J. Assoc.Off.Anal.Chem.(1988年)71(6)、1137−40頁。
2系列の抗生物質を同時分析する場合の、ニトロセルロース担体上の捕捉ゾーンと対照ゾーンの配置例を示す模式図である。 固定対照ゾーンも提供されている、テトラサイクリン系、β−ラクタム系、およびスルファミド系を同時分析する場合のニトロセルロース担体上の捕捉ゾーンと対照ゾーンの配置例を示す模式図である。

Claims (17)

  1. 異なる系列の抗生物質、少なくともβ−ラクタム系およびテトラサイクリン系抗生物質を同時に分析するための分析用キットであって、
    少なくとも、β−ラクタム系抗生物質を特異的に認識する第1の受容体と、
    第2の受容体と、ビオチン化された核酸断片とを含有し、前記第2の受容体は、分析試料中のテトラサイクリン系抗生物質および前記ビオチン化された核酸断片を競合的かつ特異的に認識する、反応性混合物と、
    ニトロセルロース膜の所定の位置に区画された2つの試験ゾーンに、それぞれβ−ラクタム環を有する抗生物質及びアビジン、またはこの逆、が沈着された固体担体から成る捕捉システムとを備え、
    前記捕捉システムの両試験ゾーンで検出される各々の標識強度が、標識された各受容体が各抗生物質を競合的に認識する結果に基づくように構成されることを特徴とする分析用キット。
  2. ニトロセルロース膜に結合したβ−ラクタム環を有する前記抗生物質がペニシリンまたはセファロスポリンであり、前記アビジンが、卵白アビジンであることを特徴とする請求項1に記載の分析用キット。
  3. 前記第1受容体および前記第2受容体は、コロイド金の粒子によって直接的に、または抗体及びプロテインAが付着した抗体のいずれかを介して間接的に標識されることを特徴とする請求項1に記載の分析用キット。
  4. ニトロセルロース膜に結合したβ−ラクタム環を有する前記抗生物質が、β−ラクトグロブリンに固定したアンピシリンであることを特徴とする請求項2に記載の分析用キット。
  5. 前記反応性混合物に添加された前記抗体が、化学的にまたは組換えによって修飾または非修飾され、精製または非精製であり、コロイド金の粒子に直接または間接的に付着または非付着しているモノクローナルまたはポリクローナル抗体であることを特徴とする請求項3に記載の分析用キット。
  6. 前記ニトロセルロース膜が沈着されたディップスティック担体の一端が膜に、他端が吸収紙に接触するとともに、
    液体の流れ方向に沿って配置された前記試験ゾーンと、
    2つの試験ゾーンを区画する対照ゾーンとを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析用キット。
  7. 前記対照ゾーンが、コロイド金の粒子によって標識されたタンパク質調製物によって得られることを特徴とする請求項6に記載の分析用キット。
  8. 前記対照ゾーンが、コロイド金の粒子に付着したウシ血清アルブミンもしくはBSAによって得られることを特徴とする請求項7に記載の分析用キット。
  9. β−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファミド系抗生物質を同時に分析するための請求項1に記載の分析用キットであって、
    前記反応性混合物が、さらに、スルファミド系抗生物質を特異的に認識する標識抗体を含み、
    前記捕捉システムが、さらに、スルファミドとコンジュゲートしたタンパク質の調製物が前記ニトロセルロース膜に固定されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分析用キット。
  10. スルファミド系抗生物質を特異的に認識する前記標識抗体が、コロイド金の粒子で直接または間接的に標識されていることを特徴とする請求項9に記載の分析用キット。
  11. 前記ニトロセルロース膜が沈着されたディップスティック担体の一端が膜に、他端が吸収紙に接触するとともに、
    液体の流れ方向に沿って配置された3つの前記試験ゾーンと1つの対照ゾーンとを有するか、または、
    液体の流れ方向に沿って配置された3つの前記試験ゾーンを有し、2つの前記試験ゾーンの間に配置された2つの前記対照ゾーンとを有することを特徴とする、β−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファミド系抗生物質を同時に分析するための請求項9に記載の分析用キット。
  12. 前記反応性混合物が、抗スルファミド抗体と、遊離スルファミドの標識された類似体とをさらに含有し、前記捕捉システムが、抗スルファミド抗体を標的する抗体をさらに含み前記ニトロセルソース膜の所定の位置に沈着させている、
    β−ラクタム系、テトラサイクリン系、およびスルファミド系抗生物質を同時に分析するための請求項1に記載の分析用キット。
  13. 前記遊離スルファミドの類似体は、直接または間接的にコロイド金の粒子で標識されている、請求項12に記載の分析用キット。
  14. 分析試料が液体であり、牛乳、蜂蜜、または生物由来の液体のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の分析用キット。
  15. 前記β−ラクタム系及びテトラサイクリン系抗生物質の分析に使用される受容体がBlaR受容体及びTetR受容体であり、既知の系統の微生物から単離されることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の分析用キット。
  16. 前記β−ラクタム系及びテトラサイクリン系抗生物質の分析に使用される受容体、黄色ブドウ菌から単離されたBlaR受容体及び大腸菌のプラスミドpSC101から単離されたTetR受容体であることを特徴とする請求項15に記載の分析用キット。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の分析用キットを用いた分析方法であって、
    前記反応性混合物と、系列を判定する試料とを接触させて溶液を調製し、前記溶液を30℃〜50℃の温度で3〜15分間インキュベートする段階と、
    前記捕捉システムを有するディップスティックを得られた前記溶液に浸漬し、3〜15分間インキュベートする段階と、
    前記ディップスティック上に現れた結果を裸眼によって視覚的に、または光学的ディップスティックリーダーによって判定する段階と
    を含むことを特徴とする分析方法。
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