JP5165269B2 - 磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法 - Google Patents

磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5165269B2
JP5165269B2 JP2007102171A JP2007102171A JP5165269B2 JP 5165269 B2 JP5165269 B2 JP 5165269B2 JP 2007102171 A JP2007102171 A JP 2007102171A JP 2007102171 A JP2007102171 A JP 2007102171A JP 5165269 B2 JP5165269 B2 JP 5165269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
fluid
detection
magnetic substance
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007102171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008008885A (ja
Inventor
幹 藤井
茂樹 籠宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiyo Electric Co Ltd
Diesel United Ltd
Original Assignee
Meiyo Electric Co Ltd
Diesel United Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiyo Electric Co Ltd, Diesel United Ltd filed Critical Meiyo Electric Co Ltd
Priority to JP2007102171A priority Critical patent/JP5165269B2/ja
Publication of JP2008008885A publication Critical patent/JP2008008885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5165269B2 publication Critical patent/JP5165269B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

本発明は、磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法に関するものである。
例えば、ピストンのような往復動部品を有するエンジン等の原動機においては、ピストンとシリンダ等の摺動により、ピストン及びシリンダ等に磨耗が生じ、鉄粉等の磁性体が生じる。而して、このような磁性体が生じた際には、エンジンからのドレイン油が流通する流路にドレイン油と同伴して磁性体が流れるため、流路のドレイン油中に含まれる磁性体の濃度を適宜測定し、機器の磨耗状況を正確に把握する必要がある。
一般に、機器の磨耗状態を把握する場合には、手作業で潤滑油やドレイン油をサンプリングして化学的な手法により磁性体の濃度を計測したり、又、潤滑油やドレイン油が流れる流路の近傍に磁性体濃度計測装置を配置して磁性体の濃度を計測している。
ここで、磁性体の濃度計測装置の一例としては、ドレイン油が流下する流路の近傍に、磁場印加手段と、超電導量子干渉素子の磁気センサを含む磁気計測手段とを備え、磁化された磁性成分の磁場のみを検出するものがある(例えば特許文献1参照。)。又、他の例としては、ドレイン油の流路近傍に第一コイルを配する実測用のLC発振回路と、ドレイン油の磁性体の影響を受けない位置に第二コイルを配する補正用のLC発生回路とを備え、実測用のLC発生回路の発振周波数と、補正用のLC発生回路の発振周波数との差を利用して磁性体の濃度を検出するものがある(例えば特許文献2参照。)。
特開平10−268013号公報 特開2005−83897号公報
しかしながら、従来例の如く、化学的な手法、磁性成分の磁場、単なる発振周波数の差により磁性体の濃度を計測する方法では、磁性体の濃度を精度良く計測することができないという問題があった。
又、手作業により潤滑油やドレイン油等の流体をサンプリングして磁性体の濃度を計測する場合には、手間がかかると共に一定の間隔でしか計測を行うことができないという問題があった。更に、従来の磁性体濃度計測装置を用いる場合には、固形分の堆積や流体の流量変化により、外乱を生じると共に、連続的に精度良く計測できないという問題があった。更に又、他の例の磁性体濃度計測装置を用いる場合であっても、ノイズを一層低減して微量な磁性体の濃度を精度良く計測することが求められていた。
本発明はこのような実情に鑑みてなしたもので、磁性体の濃度を精度良く計測し、更に流体に含まれる磁性体の微小な濃度を連続的に計測する磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、磁性体を含む流体が流下する流路、又は磁性体を含む流体が溜まる溜り部に接続されて流体導出入手段及び検出手段を配する検出部と、前記検出手段に接続されてロックインアンプを配する信号処理部とを備え、
前記検出部は、流体導出入手段により流体を導出入し且つ検出手段を介して交流電圧の出力信号から流体導入時の磁性体の検出信号と流体排出時の補正用検出信号とを取得し、
前記信号処理部は、
同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記磁性体の検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記磁性体の検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて直流電圧信号に変換し、
また同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記補正用検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記補正用検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて直流電圧信号に変換し、
磁性体の検出信号による変換後の直流電圧信号と、補正用検出信号による変換後の直流電圧信号とから差分を検出し、該差分を磁性体の濃度として検出するように構成されたことを特徴とする磁性体濃度計測装置、にかかるものである。
本発明は、磁性体を含む流体が流下する流路、又は磁性体を含む流体が溜まる溜り部に接続されて流体導出入手段及び検出手段を配する検出部と、前記検出手段に接続されてロックインアンプを配する信号処理部とを備え、
前記検出部は、流体導出入手段により流体を導出入し且つ検出手段を介して流体導入時の磁性体の検出信号と流体排出時の補正用検出信号とを取得し、
前記信号処理部は、
同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記磁性体の検出信号からノイズ除去を行ったのち直流電圧信号に変換し、
また同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記補正用検出信号からノイズ除去を行ったのち直流電圧信号に変換し、
磁性体の検出信号による変換後の直流電圧信号と、補正用検出信号による変換後の直流電圧信号とから差分を検出し、該差分を磁性体の濃度として検出するように構成されたことを特徴とする磁性体濃度計測装置、にかかるものである。
本発明において、前記信号処理部は、リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相をずらし、磁性体の非検出時に、出力信号を直流電圧信号に変換した値をゼロに近づけるように構成されることが好ましい。
本発明において、前記検出手段は、磁性体の検出信号を取得する出力用コイルと、励磁用コイルとを備え、前記励磁用コイルに交流電圧を印加して出力用コイルに交流電圧の出力信号を生じさせ、前記出力信号から磁性体の検出信号又は補正用検出信号を取得すると共に、前記励磁用コイルに接続された発振回路からリファレンス信号を取得するように構成されることが好ましい。
本発明において、前記検出手段は、複数の励磁用コイルを互いに逆方向に巻いて配置すると共に、検出用コイルを複数の励磁用コイルの間に配置し、前記検出用コイルの出力信号が小さくなるように構成されることが好ましい。
本発明において、前記流体導出入手段は、ピストンの往復動で流体を導出入するように構成されることが好ましい。
本発明において、磁性体を含む検査対象物、又は磁性体を含む流体から、磁性体の濃度、濃度の変化率、濃度変化の振幅、濃度変化の周期、多点計測時における濃度偏差のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、予め求めた磁性体の濃度と摺動物の状態との相関関係より、摺動物の状態を判断するように構成するように構成されることが好ましい。
本発明において、摺動物の状態に応じて警告又は/及び警報を発する警告手段を備えるように構成されることが好ましい。
本発明において、摺動物の状態に応じて、摺動物に対する潤滑流体の供給量、供給時期、供給圧力、供給温度、潤滑流体の噴射方法、潤滑流体の性状を制御するように構成するように構成されることが好ましい。
本発明は、磁性体を含む流体が流下する流路、又は磁性体を含む流体が溜まる溜り部から検出部へ流体を導入し、検出部の流体から磁性体の検出信号を取得すると共に同一周波数のリファレンス信号を準備し、磁性体の検出信号と同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプによりノイズ除去を行い、磁性体の濃度用の出力値として直流電圧信号に変換するように処理される流体導入時の処理工程と、
前記検出部から流体を排出し、検出部内の補正用検出信号を取得すると共に同一周波数のリファレンス信号を準備し、補正用検出信号と同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプによりノイズ除去を行い、比較用の出力値として直流電圧信号に変換するように処理される流体排出時の処理工程とを備え、
前記磁性体の濃度用の出力値を、前記比較用の出力値により補正することを特徴とする磁性体濃度計測方法、にかかるものである。
本発明において、流体導入時の処理工程、交流電圧の出力信号から磁性体の検出信号を取得し、前記磁性体の検出信号と、同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプにより前記磁性体の検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記磁性体の検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて磁性体の濃度用の出力値に変換し、
流体排出時の処理工程で、交流電圧の出力信号から補正用検出信号を取得し、前記補正用検出信号と、同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプにより前記補正用検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記補正用検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて比較用の出力値に変換することが好ましい。
本発明において、流体導入時の処理工程と、流体排出時の処理工程とを交互に連続的に繰り返すことにより、磁性体の濃度用の出力値と、比較用の出力値とから差分を更に直流電圧信号に変換し、予め求めた相関性によって前記差分を磁性体の濃度に変換し、外乱や経時変化による計測誤差を排除することが好ましい。
本発明において、前記リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相をずらし、信号処理装置の出力信号を直流電圧信号に変換した値をゼロに近づけることは、後段のアンプで最大限の増幅する上で好ましい。
本発明において、磁性体を含む検査対象物、又は磁性体を含む流体から、磁性体の濃度、濃度の変化率、濃度変化の振幅、濃度変化の周期、多点計測時における濃度偏差のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、予め求めた磁性体の濃度と摺動物の状態との相関関係より、摺動物の状態を判断することが本装置の自己診断を行い、適切な状態で計測していることを常時確認する上で好ましい。
本発明において、摺動物の状態に応じて警告又は/及び警報を発することが適切な状態で計測していることを常時確認する上で好ましい。
本発明において、摺動物の状態に応じて、摺動物に対する潤滑流体の供給量、供給時期、供給圧力、供給温度、潤滑流体の噴射方法、潤滑流体の性状を制御することが好ましい。
このように、本発明によれば、磁性体の濃度に応じて生じる励磁用コイルの電圧と出力用コイルの電圧とその信号の位相差の変化を利用するので、磁性体を含む検査対象物と、励磁用コイル又は/及び出力用コイルとを接近させることで、この電圧と位相差の変化を感度良く検出することができる。即ち、磁性体の濃度を精度良く計測することができる。又、本発明は、励磁用コイルの電圧と出力用コイルの電圧との間に生じる位相差及び出力用コイルの電圧変化を用いるので、磁性体の有無による励磁用コイルのリアクタンスの変化、磁性体の有無による出力用コイルのリアクタンスの変化、検査対象物に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化、コイルの周辺物体に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化等の様々な変化を総合的に捉え、磁性体の濃度を精度良く計測することができる。
本発明によれば、励磁電圧と同一の周波数のリファレンス信号を準備し、検出部内の流体より磁性体の検出信号を取得してリファレンス信号との位相差及び出力用コイルの電圧変化を計測し、計測した位相差の量に応じて直流電圧信号に変換し、次に、流体が排出された検出部より、検出部内の補正用検出信号を取得してリファレンス信号との位相差を計測し、計測した位相差の量に応じて直流電圧信号に変換し、変換後の流体導入時の値と、変換後の流体排出時の値との差分を磁性体の濃度とするので、位相差の変化及び出力用コイルの電圧変化を利用して磁性体の濃度を極めて精度良く計測することができる。なお、位相差の変化及び出力用コイルの電圧変化は最終的に電圧の実効値に変換され、磁性体検出信号とする。
本発明によれば、励磁電圧と同一の周波数のリファレンス信号を準備し、検出部内の流体より取得された磁性体の検出信号をバンドパスフィルタでノイズを除去し、更に、リファレンス信号とあわせてノイズ除去し、磁性体の濃度用の直流電圧成分に変換し、次に、流体が排出された前記検出部より取得された補正用検出信号を、リファレンス信号とあわせてノイズ除去し、比較用の直流電圧成分に変換し、変換後の各直流成分の値の差分を流体の磁性体の濃度とするので、測定時の出力信号に重畳したノイズを除去すると共に、流体の導出入により堆積した固形分を排出し、流体の磁性体の微小な濃度を精度良く計測することができる。
流体の導出入を繰り返し行って各計測値の差分を複数取得するので、複数回分のデータを処理して経時変化による計測誤差を常に排除し、流体の磁性体の微小な濃度を連続的に計測することができる。
本発明において、交流電圧の出力信号から流体導入時の磁性体の検出信号と流体排出時の補正用検出信号とを取得し、前記各信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じた直流電圧信号に変換することにより、わずかな位相差を大きな出力値として得られ、磁性体の濃度を高感度に検出するので、流体の磁性体の微小な濃度を好適に精度良く計測することができる。
以上説明したように、本発明によれば、位相差を利用するので、磁性体の濃度を精度良く、連続的に計測することができるという優れた種々の効果を奏し得る。
本発明の実施の形態の第一例である磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法を説明する。図1〜図8は本発明の実施の形態の第一例を示すものである。
第一例の磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法は、磁性体粉を含むドレイン油等の流体が流れる配管の流路1に、流体導出入手段(駆動手段)2及び検出手段3を備える検出部4を接続し、検出部4の検出手段3には、信号処理装置5を備える信号処理部(計測手段)6を接続し、更に信号処理部6には、計測値表示及び異常判定装置7を接続している。
配管の流路1は、直線で水平方向に延在し、摺動物を備えた機器(図示せず)へ潤滑油を流出入するものである。ここで、配管の流路1は、直線で水平方向に延在する流路に限定されるものでなく、曲線状に延在する流路、角度を有して延在する流路、鉛直方向や斜め方向に延在する流路でも良い。又、流体は、潤滑油に限定されるものでなく、流体ならばどのようなものでも良い。更に、摺動物は、駆動用ピストン及び駆動用シリンダに限定されるものでなく、摺動するものならばどのようなものでも良い。
検出部4は、流路1に開口8を形成する筒状の検出部本体9と、検出部本体9の内部を摺動して潤滑油(検出流体)を導出入する流体導出入手段2のピストン2aと、流体導出入手段2のピストン2aを進退動させる駆動手段の回転部10と、検出部本体9の外周部に配置される検出手段3のコイル11を備えている。
又、検出手段3のコイル11は、互いに逆方向に巻かれて直列に接続された二個の励磁用コイル11a,11aと、二個の励磁用コイル11a,11aの間に近接配置される検出用コイル(出力用コイル)11bとを備え、励磁用コイル11aに交流電圧を印加した際には、検出用コイル11bに交流電圧(励磁電圧)の出力信号を生じさせるようになっている。又、二個の励磁用コイル11a,11aと、検出用コイル11bは、相互インダクタンスが略均等になるようにコイル11の巻き数、コイル11間の距離を調整して、相互インダクタンスが略同じとなるように調整している。又、励磁用コイル11aと検出用コイル11bの個数は特に限定されるものではない。更にコイル11の外方には、外部からノイズが入らないよう、アルミ製の筒等のシールドを設けることが好ましい。
更に、検出手段3のコイル11は、図2に示す如く、一個の励磁用コイル11cと、一個の励磁用コイル11cに近接して配置される検出用コイル(出力用コイル)11dとを備えても良く、この場合も同様に、励磁用コイル11cに交流電圧を印加した際には、検出用コイル11dに交流電圧(励磁電圧)の出力信号を生じるようになっており、磁性体の非検出時には、検出用コイル11dの交流電圧(励磁電圧)の出力信号が小さくなるように調整されている。
信号処理部6は、図3に示す如く、検出用コイル11bの出力信号から磁性体の検出信号又は補正用検出信号を取得するよう、検出用コイル11bに接続されて微弱な波形信号を増幅する増幅回路12と、増幅回路12に接続されて波形信号のノイズを所定範囲で削除するバンドパスフィルタ13と、励磁用の正弦波を得る正弦波発振回路14と、正弦波発振回路14に接続されて正弦波の位相をずらす位相回路15と、位相回路15に接続されて正弦波を矩形波にするエッジトリガー回路16とを備えている。
ここで、位相回路15は、設定の際や調整の際に、磁性体非検出時の状態で位相を10°〜170°、好ましくは45°〜135°、更に好ましくは90°前後ずらすことが好ましい。なお、波形の電気的なずれにより多少前後してずらしても良い。又、位相回路15は、バンドパスフィルタ13と信号処理装置5との間に位置し、リファレンス信号の代わりに、磁性体の検出信号及び補正用検出信号をずらすようにしても良い。更に、信号処理装置5は、ロックインアンプが好ましいが、位相差の変化を計測できる構成ならばどのようなものでも良い。
又、信号処理部6は、バンドパスフィルタ13とエッジトリガー回路16とに夫々接続される信号処理装置5と、信号処理装置5に接続されて出力信号を直流電圧信号に変換するローパスフィルタ17と、ローパスフィルタ17に接続されて直流電圧信号を増幅する増幅器18と、増幅器18に接続され且つ検出流体の導出入による直流電圧信号の変動量のみを透過させる交流信号透過回路19と、交流信号透過回路19に接続される増幅器20とを備えている。ここで、交流信号透過回路19と増幅器20の間には、図4に示す如く、ピストン2aの動きに応じた交流信号を直流信号に変換する直流変換回路21を備え、後の処理を容易にするようにしても良い。
更に計測値表示及び異常判定装置7は、図1〜図4に示す如く、信号処理部6の増幅器20に接続されて、信号を磁性体の濃度に変換するようになっており、内部には、摺動物の潤滑状態に対して潤滑制御や異常の警告等を為し得るよう、所定の制御を行う制御部22を備えている。
以下、本発明を実施する形態の第一例の作用を説明する。
潤滑油(流体)に含まれる磁性体粉の濃度を計測する際には、流体導出入手段2のピストン2aを引き込むことにより流路1から潤滑油を検出部4内に導入し、潤滑油のある状態で出力信号を計測処理する。ここで、流体導出入手段2のピストン2aは、励磁用コイル11aの一個、検出用コイル11bの半分程度にドレイン油が位置するまで潤滑油を引き込むことが好ましい。
検出部4内にドレイン油を導入した状態で計測処理する際(流体導入時の処理工程)には、検出部4の潤滑油から、検出用コイル11b、増幅回路12及びバンドパスフィルタ13を介して磁性体の検出信号を取得する(図6では(A'))と共に、励磁用コイル11a、正弦波発振回路14、位相回路15及びエッジトリガー回路16により、所定の角度で位相をずらして励磁電圧と同一周波数で一定の位相差を生じる矩形波のリファレンス信号を準備し(図6では(B'))、信号処理装置5により、リファレンス信号をあわせてノイズ除去を行うと共に、磁性体の検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、ローパスフィルタ17により、磁性体の濃度用の出力値として平滑な直流電圧信号に変換し(図6では(D'))、増幅器18を介して交流信号透過回路19に入力する。なお、図6の(B')では位相を90°前後ずらして設定しており、図6の(C')は、リファレンス信号により、磁性体の検出信号を反転させた状態を示し、この面積を積分処理すると図6の(D')となっている。
続いて、流体導出入手段2のピストン2aを押し出すことにより検出部4内の潤滑油を排出(導出)し、潤滑油がない状態(流体導出入手段2自体)の出力信号を計測処理する。ここで、流体導出入手段2の往復運動の時間間隔は、計測する流体の粘度等により変化するが、数秒間隔で行うことが好ましい。
検出部4内から潤滑油を排出(導出)した状態で計測処理する際(流体排出時の処理工程)には、検出部4から検出用コイル11b、増幅回路12及びバンドパスフィルタ13を介して補正用検出信号を取得する(図5では(A))と共に、励磁用コイル11a、正弦波発振回路14、位相回路15及びエッジトリガー回路16により、所定の角度で位相をずらして励磁電圧と同一周波数で一定の位相差を生じる矩形波のリファレンス信号を準備し(図5では(B))、信号処理装置5により、リファレンス信号をあわせてノイズ除去を行うと共に、補正用検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、ローパスフィルタ17により、比較用の出力値として平滑な直流電圧信号に変換し(図5では(D))、増幅器18を介して交流信号透過回路19に入力する。なお、図5の(B)では位相を90°前後ずらして設定しており、図5の(C)は、リファレンス信号により、磁性体の検出信号を反転させた状態を示し、この面積を積分処理すると図5の(D)となっている。
そして、交流信号透過回路19により、磁性体の濃度用の出力値を補正するよう、図6に示す如く、磁性体の濃度用の出力値と、比較用の出力値とから差分ΔVを求め、計測値表示及び異常判定装置7により、予め求めた濃度との相関性(関数処理)によって差分を磁性体の濃度に変換する。ここで、磁性体の濃度用の出力値(直流電圧信号)と、比較用の出力値(直流電圧信号)は、信号処理装置5により、磁性体の出力信号とリファレンス信号との位相差Δfと、及び補正用の出力信号とリファレンス信号と位相差(図示せず)とを検出し、検出した位相差の量に応じて変換されるものであっても良い。
続いて、流体導出入手段2のピストン2aを連続的に往復動することにより、検出部4内に潤滑油を導入した状態での計測処理(流体導入時の処理工程)と、検出部4内から潤滑油を排出(導出)した状態での計測処理(流体排出時の処理工程)とを交互に連続的に繰り返し、交流信号透過回路19等により、磁性体の濃度用の出力値と、比較用の出力値とから差分の信号を検出すると共に移動平均処理を行い、計測値表示及び異常判定装置7を介して磁性体の濃度の平均値を求める。なお、磁性体の濃度用の出力値は、図5の(D')の如く、流体導出入手段2の往復動により、比較用の出力値に対して上下動する交流信号となっている。又、この交流信号を直流変換回路21を用いて直流信号に変換しても良い。
更に、計測表示及び異常判定装置7では、制御部22により、図7に示す如く、予め、原動機のピストン等における摺動物の摺動状態と磁性体の濃度との相関関係(基準データ)が入力される(ステップS1)と共に、磁性体を含む流体(検査対象物)から、信号処理部6等を介して磁性体の濃度、磁性体の濃度の変化率、磁性体の濃度変化の振幅、磁性体の濃度変化の周期、多点計測時における濃度偏差のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し(ステップS2)、次いで、相関関係(基準データ)と磁性体を含む流体(検査対象物)から取得した情報を比較し(ステップS3)、ピストン等の摺動物の摺動状態を判定し(ステップS4)、ピストン等の摺動物の摺動状態に応じて、摺動物に対するドレイン油(潤滑流体)の供給量、供給時期、供給圧力、供給温度、ドレイン油(潤滑流体)の噴射方法、ドレイン油(潤滑流体)の性状を制御する(ステップS5)と共に、磁性体粉の濃度が一定の濃度を超えてピストン等の摺動物の磨耗量が大きいと判定した場合には、整備が必要な時期に達しているとして、計測値表示及び異常判定装置7より警告表示、警報、警告灯を介し管理者に告知する(ステップS6)。
このように、実施の形態の第一例によれば、励磁用コイル11aの電圧と検出用コイル(出力用コイル)11bの電圧との間に生じる位相差を用いると共に、磁性体を含む検査対象物と、励磁用コイル11a又は/及び出力用コイル11bとを接近させた際に、磁性体の濃度に応じて生じる位相差の変化を利用するので、磁性体の濃度を精度良く計測することができる。又、実施の形態の第一例は、励磁用コイル11aの電圧と検出用コイル11bの電圧との間に生じる位相差及び出力用コイル11bの電圧変化を用いるので、磁性体の有無による励磁用コイル11aのリアクタンスの変化、磁性体の有無による検出用コイル(出力用コイル)11bのリアクタンスの変化、検査対象物に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化、コイルの周辺物体に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化等の様々な変化を総合的に捉え、磁性体の濃度を精度良く計測することができる。ここで、磁性体の濃度を計測する際に、磁性体の有無による励磁用コイル11aのリアクタンスの変化、磁性体の有無による検出用コイル(出力用コイル)11bのリアクタンスの変化、検査対象物に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化、コイルの周辺物体に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化等の中から一部の変化の位相差を利用して計測した場合には、電圧の位相差の場合と異なり、他の変化の影響を受けるので、磁性体の濃度を精度良く計測することができない。
事実、本発明者が行った実験結果によれば、図8のグラフで示す通り、実施の形態例で数百ppmの鉄粉を含む流体(検査対象)を測定した場合には、検査対象物の投入と同時に出力(濃度)が上昇し、更に検査対象物の排出に伴って出力(濃度)が低下しており、磁性体に対する反応が明瞭且つ迅速で、磁性体の濃度を精度良く計測できることが明らかである。
又、第一例において、計測手段に信号処理装置5のロックインアンプを使用すると、ロックインアンプにより磁性体の検出信号とリファレンス信号との位相差を検出すると共にノイズ除去し、検出した位相差の量に応じた信号に変換するので、わずかな位相差で磁性体の濃度を高感度に検出し、潤滑油の磁性体の微小な濃度を好適に精度良く計測することができる。
更に、第一例において、ロックインアンプのリファレンス信号として励磁用コイル11aの電圧を用いると、交流電圧の出力信号から潤滑油導入時の磁性体の検出信号と、潤滑油排出時の補正用検出信号とを取得するので、ロックインアンプにより位相差を容易に検出すると共にノイズ除去し、潤滑油の磁性体の微小な濃度を好適に精度良く計測することができる。
又、第一例において、検査対象物と励磁用コイル11a又は/及び出力用コイル11bとを接近させる手段として、磁性体を含む流体が流れる流路又は磁性体を含む流体が溜る溜り部から検査対象物を導入する駆動手段を有すると、流体の検査対象を容易に取得若しくは排出するので、潤滑油の磁性体の微小な濃度を連続的に精度良く計測することができる。
第一例によれば、検出部4内の流体より磁性体の検出信号を取得すると共に同一周波数のリファレンス信号を準備し、リファレンス信号との位相差の変化及び出力用コイル11bの電圧変化を計測し、計測した位相差の量に応じた信号に変換し、次に、流体が排出された検出部4より検出部4内の補正用検出信号を取得すると共にリファレンス信号との位相差の変化を計測し、計測した位相差の量に応じた信号に変換し、変換後の流体導入時の値と、変換後の流体排出時の値との差分を磁性体の濃度とするので、位相差の変化及び出力用コイル11bの電圧変化を利用して磁性体の濃度を極めて精度良く計測することができる。なお、位相差の変化及び出力用コイル11bの電圧変化は最終的に電圧の実効値に変換され、磁性体検出信号とする。
又、磁性体の濃度を、潤滑油の導出入の1回における変化幅を計測値として取得すると共に、潤滑油の導出入を連続して行って信号値を連続して取得するので、複数のデータを平均処理して、経時変化による基準点(ゼロ点)のドリフトや、オフセットの変化(揺らぎ)の影響を常に排除し、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を連続的に計測することができる。
第一例において、リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相は、他方の信号から、ずらして設定されると、増幅器18,25による信号の増幅を一層容易に行い得るので、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を好適に計測することができる。ここで、位相を10°〜170°ずらした場合には磁性体の微小な濃度を計測でき、位相を45°〜135°ずらした場合には磁性体の微小な濃度を好適に計測でき、位相を90°前後ずらした場合には磁性体の微小な濃度を極めて好適に計測できる。
第一例において、リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相をずらし、磁性体の非検出時に、信号処理装置(ロックインアンプ)5の出力信号を直流電圧信号に変換した値をゼロに近づけると、信号の増幅を容易に行い得るので、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を好適に計測することができる。
第一例において、検出手段3は、磁性体の検出信号を取得する検出用コイル11bと、励磁用コイル11aとを備え、励磁用コイル11aに交流電圧を印加して検出用コイル11bに交流電圧の出力信号を生じさせ、出力信号から磁性体の検出信号又は補正用検出信号を取得すると共に、励磁用コイル11aに接続された発振回路14等からリファレンス信号を取得するように構成されると、交流電圧により磁性体の濃度に応じて電圧及び位相が変化するので、磁性体の濃度の計測を容易にし、潤滑油の磁性体の微小な濃度を好適に計測することができる。又、励磁用コイル11aを用いるので、検出用コイル11bの出力信号に対する同一周波数のリファレンス信号を容易に準備することができる。
第一例において、検出手段3は、複数の励磁用コイル11aを互いに逆方向に巻いて配置すると共に、検出用コイル11bを複数の励磁用コイル11aの間に配置し、検出用コイル11bの出力信号が小さくなるように構成されると、増幅器18,25を介して磁性体の濃度を高感度に検出するので、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を精度良く計測することができる。
第一例において、流体導出入手段2は、ピストン2aの往復動でドレイン油を導出入するように構成されると、堆積した固形分を容易に排出すると共に計測を連続的に行い、外乱や経時変化による計測誤差を排除し、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を連続的に精度良く計測することができる。又、ピストン2aの往復運動により固形分等の堆積物を好適に排除するので、定期的なエアブローや機械的な除去を不要にすることができる。更に、ドレイン油が高粘度の場合であってもピストン2aの往復運動により一定間隔でドレイン油を確実に導出入し得るので、ドレイン油の磁性体の濃度を連続的に精度良く計測することができる。
第一例において、信号処理部6は、同一周波数のリファレンス信号を用いて、流体導入時の磁性体の検出信号、又は流体排出時の補正用検出信号からノイズ除去を行う信号処理装置5を備えると、検出部4内の潤滑油より取得された磁性体の検出信号をバンドパスフィルタ13でノイズを除去し、更に、同一周波数のリファレンス信号とあわせて信号処理装置5によりノイズ除去し、次に、ドレイン油が排出された検出部4より取得された補正用検出信号を、リファレンス信号とあわせて信号処理装置5によりノイズ除去し、変換後の各信号の値の差分をドレイン油の磁性体の濃度とするので、測定時の出力信号に重畳したノイズを除去し、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を精度良く計測することができる。
第一例において、磁性体を含む流体(検査対象物)から、磁性体の濃度、濃度の変化率、濃度変化の振幅、濃度変化の周期、多点計測時における濃度偏差のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、予め求めた磁性体の濃度と摺動物の状態との相関関係より、摺動物の摺動状態を判断すると、ピストン等の摺動物の状態確認、メンテナンス、ドレイン油(潤滑流体)の制御を極めて容易且つ正確に行うことができる。
第一例において、摺動物の状態に応じて警告又は/及び警報を発する計測表示及び異常判定装置(警告手段)7を備えると、ピストン等の摺動物の状態確認、メンテナンスを極めて容易且つ迅速に行うことができる。
第一例において、摺動物の状態に応じて、摺動物に対するドレイン油(潤滑流体)の供給量、供給時期、供給圧力、供給温度、ドレイン油(潤滑流体)の噴射方法、潤滑流体の性状を制御すると、ピストン等の摺動物の摺動状態を好適に維持することができる。
本発明の実施の形態の第二例である磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法を説明する。図9〜図11は本発明の実施の形態の第二例を示すものである。
第二例の磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法は、磁性体粉を含むドレイン油等の流体が流下する配管の流路31に、流体導出入手段32及び検出手段33を備える検出部34を接続し、検出部34の検出手段33には、ロックインアンプ35等を備える信号処理部36を接続し、更に信号処理部36には、計測値表示及び異常判定装置37を接続している。
ここで、配管の流路31は、駆動用ピストンと駆動用シリンダ等を備えたディーゼルエンジン等の機器(図示せず)からドレイン油を排出するものであり、流路31の下流には、ドレイン油の溜め部38を形成する閉止手段の開閉弁39と、開閉弁39を回避するように配置される分岐流路40とを備えており、分岐流路40は、溜め部38の上流側に形成される分岐口41と、開閉弁39の下流側に形成される合流口42とを備え、溜め部38から溢れ出したドレイン油を下流側へ流すようになっている。又、流体は、ドレイン油に限定されるものでなく、磁性体を含む流体ならばどのようなものでも良い。
検出部34は、開閉弁39と分岐口41の間の流路31に配置されるように溜め部38に開口43を形成する筒状の検出部本体44と、検出部本体44の内部を摺動する流体導出入手段32のピストン32aと、流体導出入手段32のピストン32aを進退動させる駆動手段の回転部45と、検出部本体44の外周部に配置される検出手段33の複数のコイル46を備えている。
検出手段33の複数のコイル46は、互いに逆方向に巻かれて直列に接続された二個の励磁用コイル46a,46aと、二個の励磁用コイル46a,46aの間に配置された検出用コイル46bとを備え、励磁用コイル46aに交流電圧を印加した際には、検出用コイル46bに交流電圧の出力信号を生じさせると共に、磁性体の非検出時に検出用コイル46bの出力信号が小さくなるように調整されている。又、二個の励磁用コイル46a,46aと、検出用コイル46bは、相互インダクタンスが略均等になるようにコイル46の巻き数、コイル46間の距離を調整しており、相互インダクタンスが略均等になるように調整している。ここで、検出用コイル46bの出力信号は小さくなるように調整することが好ましい。又、励磁用コイル46aと検出用コイル46bの個数は特に限定されるものではない。更にコイル46の外方には、外部からノイズが入らないよう、アルミ製の筒等のシールドを設けることが好ましい。又、コイル46は、第一例と同様に、一個の励磁用コイルと、一個の励磁用コイルに近接して配置される検出用コイル(出力用コイル)とを備えても良い。
信号処理部36は、検出用コイル46bの出力信号から磁性体の検出信号又は補正用検出信号を取得するよう、検出用コイル46bに接続されて微弱な波形信号を増幅する増幅回路47と、増幅回路47に接続されて波形信号のノイズを所定範囲で削除するバンドパスフィルタ48と、励磁用コイル46a,46aに接続されて励磁用の正弦波を得る正弦波発振回路49と、正弦波発振回路49に接続されて正弦波の位相をずらす位相回路50と、位相回路50に接続されて励磁用の正弦波を矩形波にするエッジトリガー回路51とを備えている。ここで、位相回路50は、バンドパスフィルタ48とロックインアンプ35の間に位置し、リファレンス信号の代わりに、磁性体の検出信号及び補正用検出信号を90°前後ずらすようにしても良い。又、位相回路50は、磁性体非検出時に位相を90°ずらすことが好ましいが、波形の電気的なずれにより多少前後してずらしても良い。更に、位相回路50は、位相のずれを第一例と略同様に、磁性体非検出時の状態で10°〜170°の範囲にしても良い。
又、信号処理部36は、バンドパスフィルタ48とエッジトリガー回路51とに夫々接続されるロックインアンプ35と、ロックインアンプ35に接続されて出力信号を直流電圧信号に変換するローパスフィルタ52と、ローパスフィルタ52に接続されて直流電圧信号を増幅する増幅器53と、増幅器53に接続される交流信号透過回路54と、交流信号透過回路54に接続される増幅器55とを備えている。ここで、交流信号透過回路54と増幅器55の間には、図11に示す如く、ピストン32aの動きに応じた交流信号を直流信号に変換する直流変換回路56を備え、後の処理を容易にするようにしても良い。
更に計測値表示及び異常判定装置37は、信号処理部36の増幅器55に接続されて、信号を磁性体の濃度に変換し且つ異常の警告を為し得るようになっている。更に計測値表示及び異常判定装置37は、第一例と同様に、ピストン等の摺動物の潤滑状態に対して潤滑制御や異常の警告等を為し得るよう、所定の制御を行う制御部(図示せず)を備えても良い。
以下、本発明を実施する形態の第二例の作用を説明する。
ドレイン油(流体)に含まれる磁性体粉の濃度を計測する際には、予め検出部34の流体導出入手段32のピストン32aを押し出した状態で流路31の開閉弁39を閉じ、溜め部38に一定量のドレイン油を溜める。次に、流体導出入手段32のピストン32aを引き込むことにより溜め部38のドレイン油を検出部34内に導入し、ドレイン油のある状態で出力信号を計測処理する。ここで、流体導出入手段32のピストン32aは、励磁用コイル46aの一個、検出用コイル46bの半分程度にドレイン油が位置するまでドレイン油を引き込むことが好ましい。
検出部34内にドレイン油を導入した状態で計測処理する際(流体導入時の処理工程)には、検出部34のドレイン油から検出用コイル46b、増幅回路47及びバンドパスフィルタ48を介して磁性体の検出信号を取得する(図6では(A'))と共に、励磁用コイル46a、正弦波発振回路49、位相回路50及びエッジトリガー回路51を介して、磁性体の検出信号(励磁電圧)と同一周波数で90°前後ずらして設定された矩形波のリファレンス信号を準備し(図6では(B'))、ロックインアンプ35により、磁性体の出力信号と、同一周波数のリファレンス信号とをあわせてノイズ除去を行い、ローパスフィルタ52により、磁性体の濃度用の出力値として平滑な直流電圧信号に変換し(図6では(D'))、増幅器を介して交流信号透過回路54に入力する。なお、図6の(C')は、リファレンス信号により、磁性体の検出信号を反転させた状態を示し、この面積を積分処理すると図6の(D')となる。
続いて、流体導出入手段32のピストン32aを押し出すことにより検出部34内のドレイン油を排出(導出)し、ドレイン油がない状態(流体導出入手段32自体)の出力信号を計測処理する。ここで、流体導出入手段32の往復運動の時間間隔は、計測する流体の粘度等により変化するが、数秒間隔で行うことが好ましい。
検出部34内からドレイン油を排出(導出)した状態で計測処理する際(流体排出時の処理工程)には、検出部34のドレイン油から検出用コイル46b、増幅回路47及びバンドパスフィルタ48を介して補正用検出信号を取得する(図5では(A))と共に、励磁用コイル46a、正弦波発振回路49、位相回路50及びエッジトリガー回路51を介して、補正用検出信号(励磁電圧)と同一周波数で90°前後ずらして設定された矩形波のリファレンス信号を準備し(図5では(B))、ロックインアンプ35により、補正用検出信号と、同一周波数のリファレンス信号とをあわせてノイズ除去を行い、ローパスフィルタ52により、比較用の出力値として平滑な直流電圧信号に変換し(図5では(D))、増幅器を介して交流信号透過回路54に入力する。なお、図5の(C)は、リファレンス信号により、磁性体の検出信号を反転させた状態を示し、この面積を積分処理すると図5の(D)となる。
そして、交流信号透過回路54により、磁性体の濃度用の出力値を補正するよう、図6に示す如く、磁性体の濃度用の出力値と、比較用の出力値とから差分ΔVを求めて直流電圧信号に変換し、計測値表示及び異常判定装置37により、予め求めた相関性(関数処理)によって差分を磁性体の濃度に変換する。ここで、磁性体の濃度用の出力値(直流電圧信号)と、比較用の出力値(直流電圧信号)は、ロックインアンプ35により、磁性体の出力信号とリファレンス信号との位相差Δfと、及び補正用の出力信号とリファレンス信号と位相差(図示せず)とを検出し、検出した位相差の量に応じて変換されるものであっても良い。
続いて、流体導出入手段のピストン32aを連続的に往復動することにより、検出部34内にドレイン油を導入した状態での計測処理(流体導入時の処理工程)と、検出部34内からドレイン油を排出(導出)した状態での計測処理(流体排出時の処理工程)とを交互に連続的に繰り返し、交流信号透過回路54等により、磁性体の濃度用の出力値と、比較用の出力値とから差分の信号を検出すると共に移動平均処理を行い、計測値表示及び異常判定装置37を介して磁性体の濃度の平均値を求める。なお、磁性体の濃度用の出力値は、図6の(D')の如く、流体導出入手段の往復動により、比較用の出力値に対して上下動する交流信号となっている。又、この交流信号を直流変換回路56を用いて直流信号に変換しても良い。
ここでドレイン油を計測する状態において、磁性体粉の濃度が一定の濃度を超えた場合には、駆動用流体導出入手段と駆動用シリンダ等を備えた機器の磨耗量が大きく、整備が必要な時期に達しているとして、計測値表示及び異常判定装置37より警告表示、警告音、警告灯を介し管理者に告知する。又、制御部(図示せず)を備えた場合には、第一例と同様に、ピストン等の摺動物の摺動状態と磁性体の濃度との相関関係(基準データ)と、磁性体を含む流体(検査対象物)から取得した情報とを比較し、ピストン等の摺動物の摺動状態を判定し、摺動物に対するドレイン油(潤滑流体)の制御や、警報等の発令を行っても良い。
このように実施の形態の第二例によれば、検出部34内のドレイン油より取得された磁性体の検出信号を、同一周波数のリファレンス信号とあわせてロックインアンプ35によりノイズ除去し、磁性体の濃度用の直流電圧成分に変換し、次に、ドレイン油が排出された検出部34より取得された補正用検出信号を、同一周波数のリファレンス信号とあわせてロックインアンプ35によりノイズ除去し、比較用の直流電圧成分に変換し、変換後の各直流成分の値の差分をドレイン油の磁性体の濃度とするので、測定時の出力信号に重畳したノイズを除去すると共に、流体導出入手段によりドレイン油を導出入して、堆積した固形分を排出し、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を精度良く計測することができる。又、実施の形態の第二例は、第一例と同様に、励磁用コイル46aの電圧と検出用コイル46bの電圧との間に生じる位相差を用いるので、磁性体の有無による励磁用コイル46aのリアクタンスの変化、磁性体の有無による検出用コイル(出力用コイル)46bのリアクタンスの変化、検査対象物に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化、コイルの周辺物体に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化等の様々な変化を総合的に捉え、磁性体の濃度を精度良く計測することができる。ここで、磁性体の濃度を計測する際に、磁性体の有無による励磁用コイル46aのリアクタンスの変化、磁性体の有無による検出用コイル(出力用コイル)46bのリアクタンスの変化、検査対象物に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化、コイルの周辺物体に発生する渦電流の変化、渦電流によるジュール損失の変化等の中から一部の変化の位相差を利用して計測した場合には、電圧の位相差の場合と異なり、他の変化の影響を受けるので、磁性体の濃度を精度よく計測することができない。
又、磁性体の濃度を、ドレイン油の導出入の1回における各直流成分として取得すると共に、ドレイン油の導出入を繰り返し行って各直流成分の値の差分を複数取得するので、複数のデータを平均処理して、経時変化による基準点(ゼロ点)のドリフトや、オフセットの変化(揺らぎ)の影響を常に排除し、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を連続的に計測することができる。
第二例において、交流電圧の出力信号からドレイン油導入時の磁性体の検出信号とドレイン油排出時の補正用検出信号とを取得し、ロックインアンプ35により各信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じた信号に変換すると、わずかな位相差で磁性体の濃度を高感度に検出するので、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を好適に精度良く計測することができる。
第二例において、リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相をずらし、磁性体の非検出時に、ロックインアンプ35の出力信号を直流電圧信号に変換した値をゼロに近づけると、信号の増幅を容易に行い得るので、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を好適に計測することができる。
第二例において、リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相は、他方の信号から90°前後ずらすと、増幅器53,55による信号の増幅を一層容易に行い得るので、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を極めて好適に計測することができる。
第二例において、検出手段は、磁性体の検出信号を取得する検出用コイル46bと、励磁用コイル46aとを備え、励磁用コイル46aに交流電圧を印加して検出用コイル46bに交流電圧の出力信号を生じさせ、出力信号から磁性体の検出信号又は補正用検出信号を取得すると共に、励磁用コイル46aに接続された発振回路49等からリファレンス信号を取得するように構成されると、交流電圧により磁性体の濃度に応じて電圧及び位相が変化するので、磁性体の濃度の計測を容易にし、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を好適に計測することができる。又、励磁用コイル46aを用いるので、検出用コイル46bの出力信号に対する同一周波数のリファレンス信号を容易に準備することができる。
第二例において、検出手段は、複数の励磁用コイル46aを互いに逆方向に巻いて配置すると共に、検出用コイル46bを複数の励磁用コイル46aの間に配置し、検出用コイル46bの出力信号が小さくなるように構成されると、増幅器53,55を介して磁性体の濃度を高感度に検出するので、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を精度良く計測することができる。
第二例において、流体導出入手段は、ピストン32aの往復動でドレイン油を導出入するように構成されると、堆積した固形分を容易に排出すると共に計測を連続的に行い、外乱や経時変化による計測誤差を排除し、ドレイン油の磁性体の微小な濃度を連続的に精度良く計測することができる。又、ピストン32aの往復運動により固形分等の堆積物を好適に排除するので、定期的なエアブローや機械的な除去を不要にすることができる。更に、ドレイン油が高粘度の場合であってもピストン32aの往復運動により一定間隔でドレイン油を確実に導出入し得るので、ドレイン油の磁性体の濃度を連続的に精度良く計測することができる。更に、第二例は、第一例と略同様な作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態の第三例である磁性体濃度計測装置を説明する。図12は本発明の実施の形態の第三例を示すものである。なお、図中図9と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
第三例の磁性体濃度計測装置は、ドレイン油等の流体が流下する配管の流路31を変形したものであり、第三例の流路61には第一例と略同じ検出部34を接続している。
第二例の配管の流路61は、駆動用ピストンと駆動用シリンダ等を備えたディーゼルエンジン等の機器(図示せず)からドレイン油を排出するものであり、流路61の下流には、水平方向から鉛直方向に湾曲して延在するメイン流路62と、メイン流路62の鉛直方向の部分に配置される閉止手段の開閉弁63と、開閉弁63を回避するよう第一例と略同様に分岐口64と合流口65を形成して配置される分岐流路66と、開閉弁63と分岐口64の間から所定長さで水平方向に延在する延在流路67と、延在流路67の端側とメイン流路62の水平方向の部分とを接続する小径の連絡流路68とを備えている。
ここで、分岐口64から閉止手段の開閉弁63までのメイン流路62は、古いドレイン油の流体を溜める第一の溜め部69となり、延在流路67と連絡流路68は、新たなドレイン油の流体を受け入れて溜める第二の溜め部70となっている。又、分岐流路66は、第一例と同様に第一の溜め部69から溢れ出したドレイン油を下流側へ流すようになっている。更に、連絡流路68は、メイン流路62の鉛直方向の部分よりも、ドレイン油が最初に流入されるように配置されている。
一方、検出部34は、延在流路67と連絡流路68の合流部分に配置されるように第二の溜め部70に開口43を形成する筒状の検出部本体44と、検出部本体44の内部を摺動する流体導出入手段32のピストン32aと、流体導出入手段32のピストン32aを駆動させる駆動手段(図示せず)と、検出部本体44の外周部に配置される検出手段33の複数のコイル46と、コイル46の信号を制御する検出手段33の信号処理部36と、信号処理部36に接続された計測値表示及び異常判定装置37とを備えている。又、検出部34の検出部本体44は、流体の導出入の確実性を高めるために、延在流路67の端部から延在するように配置されている。
以下、本発明を実施する形態の第三例の作用を説明する。
ドレイン油に含まれる磁性体粉の濃度を計測する際には、予め検出部34の流体導出入手段32のピストン32aを押し出した状態で配管のメイン流路62の開閉弁63を閉じ、第一の溜め部69及び第二の溜め部70に一定量のドレイン油を溜め、流体導出入手段32を用いて第二の溜め部70のドレイン油を導出入することにより、実施の形態の第一例と略同様に、磁性体の濃度を計測する。
このように実施の形態の第三例によれば、第一例と略同様な作用効果を得ることができる。又、実施の形態の第三例において、溜め部は、古い流体を溜める第一の溜め部69と、新たな流体を受け入れて溜める第二の溜め部70を備え、検出部34を第二の溜め部70に接続すると、流体導出入手段32により検出部34内に新たなドレイン油の流体を導入するので、古い流体と新たな流体が混ざることを防止し、流体の磁性体の濃度を連続的に精度良く計測することができる。更に、検出部34の配置と共に第一の溜め部69及び第二の溜め部70により流体へのエアの混入を好適に防止するので、流体の磁性体粉の濃度を連続的に且つ極めて精度良く計測することができる。
なお、本発明の磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、磁性体の濃度を連続的に測定して外乱や経時変化の影響を排除するものならば、形態例に限定されるものでなく、他の構成や信号処理でも良いこと、流体はドレイン油に限定されるものでなく、他の油、水溶液、水、粉体等でも良いこと、流体導入時の処理工程の信号と、流体排出時の処理工程の信号との差分を求めることができるものならば、手段は限定されるものでなく、他の処理手段でも良いこと、流体導出入手段はピストンの代わりに偏心回転体でも良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の実施の形態の第一例を示す概念図である。 本発明の実施の形態の第一例において他の例を示す概念図である。 本発明の実施の形態における流体導出入手段及び信号処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における流体導出入手段及び信号処理部の構成を示す他の例のブロック図である。 磁性体の影響のない状態で出力信号から比較用の出力値(直流電圧信号)までの処理を示す概念図である。 磁性体の影響のある状態で出力信号から磁性体の濃度用の出力値(直流電圧信号)までの処理を示す概念図である。 磁性体(検査対象物)の濃度等を求めて摺動物の摺動状態を判定するフロー図である。 実際に検査対象物を測定した際の検出状態を示すグラフである。 本発明の実施の形態の第二例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第二例における流体導出入手段及び信号処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の第二例における流体導出入手段及び信号処理部の構成を示す他の例のブロック図である。 本発明の実施の形態の第三例を示す概略図である。
符号の説明
1 流路
2 流体導出入手段(駆動手段)
2a ピストン
3 検出手段
4 検出部
5 信号処理装置
6 信号処理部(計測手段)
7 計測値表示及び異常判定装置(警告手段)
11 コイル
11a 励磁用コイル
11b 検出用コイル(出力用コイル)
11c 励磁用コイル
11d 検出用コイル(出力用コイル)
14 正弦波発振回路(発振回路)
31 流路
32 流体導出入手段
32a ピストン
33 検出手段
34 検出部
35 ロックインアンプ
36 信号処理部
37 計測値表示及び異常判定装置(警告手段)
46 コイル
46a 励磁用コイル
46b 検出用コイル(出力用コイル)
49 正弦波発振回路(発振回路)
61 流路
70 第二の溜め部

Claims (16)

  1. 磁性体を含む流体が流下する流路、又は磁性体を含む流体が溜まる溜り部に接続されて流体導出入手段及び検出手段を配する検出部と、前記検出手段に接続されてロックインアンプを配する信号処理部とを備え、
    前記検出部は、流体導出入手段により流体を導出入し且つ検出手段を介して交流電圧の出力信号から流体導入時の磁性体の検出信号と流体排出時の補正用検出信号とを取得し、
    前記信号処理部は、
    同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記磁性体の検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記磁性体の検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて直流電圧信号に変換し、
    また同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記補正用検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記補正用検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて直流電圧信号に変換し、
    磁性体の検出信号による変換後の直流電圧信号と、補正用検出信号による変換後の直流電圧信号とから差分を検出し、該差分を磁性体の濃度として検出するように構成されたことを特徴とする磁性体濃度計測装置。
  2. 磁性体を含む流体が流下する流路、又は磁性体を含む流体が溜まる溜り部に接続されて流体導出入手段及び検出手段を配する検出部と、前記検出手段に接続されてロックインアンプを配する信号処理部とを備え、
    前記検出部は、流体導出入手段により流体を導出入し且つ検出手段を介して流体導入時の磁性体の検出信号と流体排出時の補正用検出信号とを取得し、
    前記信号処理部は、
    同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記磁性体の検出信号からノイズ除去を行ったのち直流電圧信号に変換し、
    また同一周波数のリファレンス信号を用いてロックインアンプにより前記補正用検出信号からノイズ除去を行ったのち直流電圧信号に変換し、
    磁性体の検出信号による変換後の直流電圧信号と、補正用検出信号による変換後の直流電圧信号とから差分を検出し、該差分を磁性体の濃度として検出するように構成されたことを特徴とする磁性体濃度計測装置。
  3. 前記信号処理部は、リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相をずらし、磁性体の非検出時に、出力信号を直流電圧信号に変換した値をゼロに近づけるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体濃度計測装置。
  4. 前記検出手段は、磁性体の検出信号を取得する出力用コイルと、励磁用コイルとを備え、前記励磁用コイルに交流電圧を印加して出力用コイルに交流電圧の出力信号を生じさせ、前記出力信号から磁性体の検出信号又は補正用検出信号を取得すると共に、前記励磁用コイルに接続された発振回路からリファレンス信号を取得するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体濃度計測装置。
  5. 前記検出手段は、複数の励磁用コイルを互いに逆方向に巻いて配置すると共に、検出用コイルを複数の励磁用コイルの間に配置し、前記検出用コイルの出力信号が小さくなるように構成されたことを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の磁性体濃度計測装置。
  6. 前記流体導出入手段は、ピストンの往復動で流体を導出入するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体濃度計測装置。
  7. 磁性体を含む検査対象物、又は磁性体を含む流体から、磁性体の濃度、濃度の変化率、濃度変化の振幅、濃度変化の周期、多点計測時における濃度偏差のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、予め求めた磁性体の濃度と摺動物の状態との相関関係より、摺動物の状態を判断するように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の磁性体濃度計測装置。
  8. 摺動物の状態に応じて警告又は/及び警報を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の磁性体濃度計測装置。
  9. 摺動物の状態に応じて、摺動物に対する潤滑流体の供給量、供給時期、供給圧力、供給温度、潤滑流体の噴射方法、潤滑流体の性状を制御するように構成したことを特徴とする請求項7に記載の磁性体濃度計測装置。
  10. 磁性体を含む流体が流下する流路、又は磁性体を含む流体が溜まる溜り部から検出部へ流体を導入し、検出部の流体から磁性体の検出信号を取得すると共に同一周波数のリファレンス信号を準備し、磁性体の検出信号と同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプによりノイズ除去を行い、磁性体の濃度用の出力値として直流電圧信号に変換するように処理される流体導入時の処理工程と、
    前記検出部から流体を排出し、検出部内の補正用検出信号を取得すると共に同一周波数のリファレンス信号を準備し、補正用検出信号と同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプによりノイズ除去を行い、比較用の出力値として直流電圧信号に変換するように処理される流体排出時の処理工程とを備え、
    前記磁性体の濃度用の出力値を、前記比較用の出力値により補正することを特徴とする磁性体濃度計測方法。
  11. 流体導入時の処理工程、交流電圧の出力信号から磁性体の検出信号を取得し、前記磁性体の検出信号と、同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプにより前記磁性体の検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記磁性体の検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて磁性体の濃度用の出力値に変換し、
    流体排出時の処理工程で、交流電圧の出力信号から補正用検出信号を取得し、前記補正用検出信号と、同一周波数のリファレンス信号とをあわせてロックインアンプにより前記補正用検出信号からノイズ除去を行うと同時に、前記補正用検出信号とリファレンス信号との位相差を検出し、検出した位相差の量に応じて比較用の出力値に変換することを特徴とする請求項10に記載の磁性体濃度計測方法。
  12. 流体導入時の処理工程と、流体排出時の処理工程とを交互に連続的に繰り返すことにより、磁性体の濃度用の出力値と、比較用の出力値とから差分を更に直流電圧信号に変換し、予め求めた相関性によって前記差分を磁性体の濃度に変換し、外乱や経時変化による計測誤差を排除することを特徴とする請求項10又は11に記載の磁性体濃度計測方法。
  13. 前記リファレンス信号の位相又は磁性体の検出信号の位相をずらし、信号処理装置の出力信号を直流電圧信号に変換した値をゼロに近づけることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の磁性体濃度計測方法。
  14. 磁性体を含む検査対象物、又は磁性体を含む流体から、磁性体の濃度、濃度の変化率、濃度変化の振幅、濃度変化の周期、多点計測時における濃度偏差のうち少なくとも一つ以上の情報を取得し、予め求めた磁性体の濃度と摺動物の状態との相関関係より、摺動物の状態を判断することを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の磁性体濃度計測方法。
  15. 摺動物の状態に応じて警告又は/及び警報を発することを特徴とする請求項14に記載の磁性体濃度計測方法。
  16. 摺動物の状態に応じて、摺動物に対する潤滑流体の供給量、供給時期、供給圧力、供給温度、潤滑流体の噴射方法、潤滑流体の性状を制御することを特徴とする請求項14に記載の磁性体濃度計測方法。
JP2007102171A 2006-05-30 2007-04-09 磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法 Active JP5165269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007102171A JP5165269B2 (ja) 2006-05-30 2007-04-09 磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006149383 2006-05-30
JP2006149383 2006-05-30
JP2007102171A JP5165269B2 (ja) 2006-05-30 2007-04-09 磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008008885A JP2008008885A (ja) 2008-01-17
JP5165269B2 true JP5165269B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=39067210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007102171A Active JP5165269B2 (ja) 2006-05-30 2007-04-09 磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5165269B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021033238A1 (ja) 2019-08-19 2021-02-25 株式会社Ihi原動機 磁性体濃度計測装置

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4917079B2 (ja) * 2008-08-26 2012-04-18 株式会社日本製鋼所 ボールネジ機構の劣化検査方法
JP5467857B2 (ja) * 2009-12-24 2014-04-09 株式会社Ihi 粒子の濃度検出方法およびその装置
JP5002608B2 (ja) * 2009-03-12 2012-08-15 株式会社Ihi 硬質粒子の濃度検出方法
US8659287B2 (en) 2009-03-12 2014-02-25 Ihi Corporation Hard particle concentration detecting method
JP5550969B2 (ja) * 2010-04-08 2014-07-16 株式会社ディーゼルユナイテッド ディーゼル機関の状態監視運転方法
JP2012181182A (ja) * 2011-02-09 2012-09-20 Jfe Steel Corp 金属粉末の見掛密度測定方法および測定装置、混合粉末の製造方法および製造装置、ならびに粉末成形体の製造方法および製造装置
KR101307298B1 (ko) * 2011-10-24 2013-09-11 한국건설생활환경시험연구원 유도 인덕턴스를 이용한 콘크리트 회수수 농도측정기 및 이를 이용한 농도 측정방법
BE1023946B1 (fr) * 2016-03-14 2017-09-19 Safran Aero Boosters Sa Capteur de particules dans un fluide d'un systeme de lubrification
JP6946908B2 (ja) * 2017-09-29 2021-10-13 オムロン株式会社 状態判定ユニット、検知装置、状態判定方法、および状態判定プログラム
JP7137530B2 (ja) * 2019-05-31 2022-09-14 株式会社日立ビルシステム 金属不純物検査装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5529734A (en) * 1978-08-24 1980-03-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Defacement measuring method of piston ring
JPH0726758U (ja) * 1992-02-07 1995-05-19 東京瓦斯株式会社 リモートフィールド渦流式探傷装置に於ける受信コイル
JP2001023833A (ja) * 1999-07-13 2001-01-26 Hitachi Metals Ltd コイルブロック及びトナーセンサ
JP2002296893A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Ricoh Co Ltd トナー濃度検知装置、これを用いた画像形成装置又はディジタル複写機、磁性体検知装置、導体検知装置
JP2003232776A (ja) * 2002-02-08 2003-08-22 Marktec Corp 渦流探傷装置および渦流探傷方法
JP3682460B1 (ja) * 2004-04-09 2005-08-10 株式会社ディーゼルユナイテッド 運動機関

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021033238A1 (ja) 2019-08-19 2021-02-25 株式会社Ihi原動機 磁性体濃度計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008008885A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5165269B2 (ja) 磁性体濃度計測装置及び磁性体濃度計測方法
KR101351287B1 (ko) 자성체 농도 계측 장치 및 자성체 농도 계측 방법
US7956601B2 (en) Device and process for detecting particles in a flowing liquid
US8354836B2 (en) Device and process for detecting particles in a flowing liquid
US9651411B2 (en) Electromagnetic flowmeter and self-diagnosing method of exciting circuit unit thereof
CN106537113B (zh) 粒子计数器和分类系统
EP2998758A3 (fr) Magnétomètre sans asservissement et à compensation des fluctuations de la pente de resonance en champ faible, réseau de magnétomètres et procédé de mesure
US20170248572A1 (en) Lubricant condition assessment system
US9797851B2 (en) Integrated ultrasonic-inductive pulse sensor for wear debris detection
WO2012115149A1 (ja) 信号処理装置およびレーザ計測装置
WO2010103824A1 (ja) 硬質粒子の濃度検出方法、粒子の濃度検出方法およびその装置
JP5155588B2 (ja) 導電体濃度計測装置及び導電体濃度計測方法
RU2478943C2 (ru) Устройство и способ измерения содержания воды и концентрации соли в потоке многофазного флюида
WO2008081571A1 (ja) 金属状態検出装置及び金属状態検出方法
WO2007129462A1 (ja) 導電体濃度計測装置及び磁性体濃度計測装置
US10132747B2 (en) Absorption spectrometer
EP3144644B1 (en) Method and apparatus for interference reduction
MX2021002335A (es) Metodo y dispositivo para medir una velocidad de flujo de un caudal de gas.
WO2012115150A1 (ja) 信号処理装置およびレーザ計測装置
RU2642148C1 (ru) Измеритель перемещений
JP2007316057A (ja) 導電体濃度計測装置及び磁性体濃度計測装置
JP2018025502A (ja) 導電体濃度計測装置
Zhan A new on-line wear debris detector in lubrication oil
KR101651045B1 (ko) 병렬형 신호처리구조를 이용한 배관의 비파괴 검사시스템 및 그 시스템을 이용한 검사방법
dos Santos et al. Capacitive measuring system for two-phase flow monitoring

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5165269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250