以下、本発明の実施の形態における遊技機について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に説明している。図1は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10を正面側からみた斜視図であり、図2は、同パチンコ遊技機10を背面側からみた斜視図である。
本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10は、図1に示すように、外枠11、前枠12、窓枠13及び当該窓枠13に覆われた遊技盤30(後述)などを備えている。また、パチンコ遊技機10の背面には、図2に示すように、液晶ディスプレイ型の演出表示装置37(後述)などの表示制御や、本発明の演出手段としてのプロジェクタ演出手段100(後述)及びその他の可動役物などによる遊技演出の制御を行う、本発明の制御装置としての表示演出サブ基板21、各種遊技音の出力制御を行う音サブ基板22、入賞時におけるパチンコ遊技機10の動作等を含むパチンコ遊技機10の主要な動作を制御する主基板23、パチンコ球(遊技球)の払い出し動作を制御する払出基板24、各基板等に電源を供給する電源基板25等の各種基板が、例えば透明ケースに収納された状態で取り付けられている。
具体的に、外枠11は、パチンコホールの台島に設置されており、前後面が開口するように四角筒状に形成されている。前枠12は、外枠11の前端面に左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。また、この前枠12の前面下部には、上面が開口する下皿14と、上面が開口する上皿15とが固定されている。
下皿14の右端周辺にはハンドル台16が固定されており、ハンドル台16には発射ハンドル19が回動自在に装着されている。この発射ハンドル19の後方には発射モータが固定されており、発射モータの回転軸には打球槌が連結されている。この発射モータは打球槌の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル19が回動操作されたときには発射モータに駆動電源が供給される。その結果、打球槌が駆動して上皿15内のパチンコ球が弾き出される。
窓枠13は前枠12の前面に装着されている。この窓枠13には円形孔状の窓部17が形成されており、窓部17の内周面には透明なガラスやアクリル等からなる透明板17aが固定されている。この窓枠13の左上隅部及び右上隅部の裏面には、遊技音を出力するスピーカ18が固定されている。また、窓枠13には複数の装飾LEDが固定されている。
上述の遊技盤30は、前枠12の後面に装着されている。以下、この遊技盤30及び遊技盤30に備えられる各構成部材について図3を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態における遊技盤30の正面図である。この遊技盤30は、上述のように前枠12の後面に装着されており、窓枠13の透明板17aに前方から覆われている。
遊技板31は、その板面(遊技盤30の盤面)等に遊技盤30の有する各構成部材を固定するための板である。ガイドレール32は、この遊技板31の表面側に固定されて、この遊技板31上に、パチンコ球の発射通路31aと遊技領域31bとを形成する。遊技領域31bには複数の障害釘39が打ち込まれている。上述の打球槌が弾いたパチンコ球は、発射通路31aを通して遊技領域31b内に放出される。そして、遊技領域31b内に放出されたパチンコ球は障害釘39に当りながら転動して遊技領域31b内を落下する転動遊技を行う。
遊技盤30のほぼ中央部には、センター役物と呼ばれる装飾演出手段が設けられている。本実施の形態におけるセンター役物は、カラー液晶ディスプレイ等を用いた演出表示装置37と、その周りに配置された装飾部材等で構成されている。このうち、演出表示装置37は、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定結果に基づき変動演出表示を行う広い面積の表示画面37aを有している。
また、遊技盤30には、投影装置110から投影された静止情報を像としてスクリーン101に映し出す演出を行う本発明の演出手段としてのプロジェクタ演出手段100が配置されており、本実施の形態では、演出表示装置37の表示画面37aの右側方に配置されている。また、本実施の形態のプロジェクタ演出手段100は、演出表示装置37の表示画面37aで行われる変動演出表示などのパチンコ遊技機10の演出制御に応じて静止情報を投影することで遊技の演出を行うようになっている。なお、プロジェクタ演出手段100の構成及びその制御の詳細については後述する。
また、演出表示装置37の下方には、パチンコ球を始動入賞口33に入賞し易くなるように誘導する誘導路を始動入賞口33の真上に設けた、略水平面で構成されたステージ36が配置されている。このステージ36には、遊技領域31bの途中(本実施の形態では、演出表示装置37の表示画面37aの左側の装飾部材における所定位置)から装飾部材内に設けられたワープ通路36aに入ったパチンコ球が誘導されるように構成されている。
また、遊技領域31b内において、演出表示装置37の下方には始動入賞口33が配置されている。この始動入賞口33は、パチンコ球が入賞することによって、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行う起点となるものであり、上方に開口するポケット状に形成されており、開閉可能な一対の可動片33xを備えている。始動入賞口33は、可動片33xが閉塞されているときには開口面積が小さくなってパチンコ球が入賞し難くなり、可動片33xが開放されているときには開口面積が大きくなってパチンコ球が入賞し易くなる。
また、始動入賞口33の下方には、大入賞口34が配置されている。この大入賞口34は図示しないアクチュエータの作動により開閉する開閉扉34aを備えており、この開閉扉34aは、遊技状態が大当り遊技状態になると開口し、その際には大入賞口34が上方に向かってポケット状に幅広く開口し、多数のパチンコ球が同時かつ連続的に大入賞口34に入賞可能となる。
また、大入賞口34の下方には、遊技領域31bを転動して落下してきたパチンコ球のうち、どの入賞口にも入賞しなかったパチンコ球が排出されるアウト口38が配置されている。
また、遊技領域31b内の所定位置には、パチンコ球が入賞可能な一般入賞口35が上方に開口するポケット状に形成されている(本実施の形態では、遊技領域31bの左下部に複数の一般入賞口35が形成されている)。
次に、プロジェクタ演出手段100の構成及びその制御について、図4〜図23等を参照して、詳細に説明する。図4は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10のプロジェクタ演出手段100の投影装置110を正面側からみた斜視図である。図5〜図10は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10のプロジェクタ演出手段100の投影装置110及びスクリーン101の正面図、上面図、下面図、左側面図、右側面図、背面図である。図11は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10のプロジェクタ演出手段100の投影装置110から光源160,170を除いたものの左側面図、図12は、図11のA−A断面図、図13は、図11のB−B断面図、図14は、図13の状態から原動車130を90°回転させた状態の図である。図15は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機100の投影装置110の動作の仕方を示す図である。図16は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の投影装置110から投影された静止情報を像としてスクリーン101に映し出した状態を正面側からみた斜視図であり、図17〜図19は、図16の状態から静止情報の投影状態を徐々に変化させた斜視図である。図20は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の投影装置110から投影された静止情報を像としてスクリーン101に映し出した状態を背面側からみた斜視図である。図21は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の投影装置110から投影した2つの静止情報をスクリーン101上でクロスフェードさせる様子を示す斜視図である。図22は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の投影装置110の制御に関する装置のブロック図である。図23は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の投影装置110の制御に関するタイムチャートの一例を示す図である。
なお、各図においては、便宜上、実際の構成を簡略化したり省略したりして図示している箇所がある。例えば、図4〜図21では、各部材に接続されて電気信号が通る電気配線の図示を省略している。また、以下の説明においては、特段の記載がない限り、各部材の表面側(前方)とはパチンコ遊技機10の正面側を指し、各部材の裏面側(後方)とはパチンコ遊技機10の背面側を指すものとする。
本発明の実施の形態のプロジェクタ演出手段100は、前記したように、静止情報を投影する投影装置110と、当該投影装置110から投影された静止情報を像として映し出すスクリーン101とを有している。以下、プロジェクタ演出手段100を構成する投影装置110及びスクリーン101の構成について、詳述する。
まず、スクリーン101について説明する。スクリーン101は、投影装置110から投影された静止情報を像として映し出し、その静止情報を遊技者に視認させるものである。図1に示すように、本実施の形態のスクリーン101は、遊技盤30の前方に配置された透明板17aにおける、演出表示装置37の表示画面37aの右側方の位置に、裏面側から半透明シートを貼り付けることでスクリーン101として機能するように構成されており、このスクリーン101により静止情報が透明板17aに所謂ヘッドアップディスプレイのように映し出されるようになっている。また、本実施の形態のスクリーン101は、投影装置110から投影された静止情報が背面側に映し出され、その映し出された静止情報を透過(半透過)させてスクリーン101を挟んだ正面側から遊技者が視認するように構成された、所謂リアタイプスクリーンである。また、本実施の形態のスクリーン101は、略方形状に形成されており、センター役物の装飾部材における演出表示装置37の表示画面37aの右側方の範囲に収まるような大きさに形成されている。
次に、投影装置110について説明する。投影装置110は、文字や画像等の静止情報をスクリーン101に向けて投影する装置である。図6等に示すように、本発明の実施の形態の投影装置110は、動力源120、原動車130、第1従動車140及び第2従動車150の2つの従動車からなる駆動機構と、第1従動車140に搭載された第1フィルム円盤180及び第2従動車150に搭載された第2フィルム円盤190の2つのフィルム盤と、第1光源160及び第2光源170の2つの光源とを有する構成となっている。以下、それぞれの構成について、詳細に説明する。
なお、本発明の従動車としての第1従動車140と第2従動車150の構成は、互いを左右に反転させたものとほぼ同様の構成であるので、第1従動車140について以下に詳細に説明し、第2従動車150については詳細な説明を省略する。すなわち、第1従動車本体141と第2従動車本体151、本発明の従動車回動軸としての第1従動車回動軸142と第2従動車回動軸152、本発明の従動車回動面としての第1従動車回動面143と第2従動車回動面153、本発明の溝部としての第1溝部144と第2溝部154、第1被案内部145と第2被案内部155等は、それぞれ互いを左右反転させたものとほぼ同様の構成となっている。
また、本発明のフィルム盤としての第1フィルム円盤180と第2フィルム円盤190の構成も、互いを左右に反転させたものとほぼ同様の構成であるので、第1フィルム円盤180について以下に詳細に説明し、第2フィルム円盤190については詳細な説明を省略する。すなわち、第1フィルム円盤本体181と第2フィルム円盤本体191、本発明の静止情報源としての第1フィルム182と第2フィルム192、本発明の回動面としての第1フィルム円盤回動面183と第2フィルム円盤回動面193等は、それぞれ互いを左右反転させたものとほぼ同様の構成となっている。
また、本発明の光源としての第1光源160と第2光源170、第1光源160の第1LED161と第2光源170の第2LED171の構成についても、互いを左右に反転させたものとほぼ同様の構成であるので、第1光源160及び第1LED161について以下に詳細に説明し、第2光源170及び第2LED171については詳細な説明を省略する。
動力源120は、原動車130及び2つの従動車140,150等、プロジェクタ演出手段100における動的要素を作動させる動力を供給する手段である。本発明の実施の形態における投影装置110の第1フィルム円盤180及び第2フィルム円盤190は、両方とも、この動力源120から供給される動力によって間歇的に作動するようになっている。図4,図12,図22等に示すように、本発明の実施の形態の動力源120は、本発明の制御装置としての表示演出サブ基板21からの信号でモータ121を所定量回動させ、このモータ121の回動により、モータ121に接続された回動軸の先端に固定された第1ピニオンギア122が所定量回動するようになっている。
原動車130は、動力源120の動力により回動し、その回動に応じて第1従動車140及び第2従動車150を間歇的に回動させるものである。図8,図10等に示すように、本発明の実施の形態の原動車130は、略円盤状に形成された原動車本体131を有しており、この原動車本体131の表面側に、動力源120の動力により原動車回動軸136を中心に回動する原動車回動面135を有している。また、図11,図12に示すように、原動車本体131の裏面側に、動力源120に固定された第1ピニオンギア122と歯合する第2ピニオンギア133が固定配置されており、この第2ピニオンギア133を介して動力源120の動力を原動車130に伝えるようになっている。
また、図4,図5,図13〜図15に示すように、原動車本体131の表面側の原動車回動面135には、原動車回動軸136から外れた位置に、駆動用突部132が突出形成されている。さらに、図13〜図15等に示すように、原動車本体131の表面側には、原動車回動軸136を中心軸とした略円柱形状の案内部134が突出形成されている。なお、駆動用突部132と案内部134の配置関係としては、駆動用突部132が、原動車回動面135における案内部134の形成箇所より周縁部側に形成されるように構成されている。また、駆動用突部132及び案内部134の動作等の詳細については、後述する。
本発明の従動車としての第1従動車140は、動力源120の動力により作動する原動車130の回動に応じて、本発明の従動車回動軸としての第1従動車回動軸142を中心に所定量(一定角度)ずつ間歇的に回動するものである。そして、この間歇的な回動により、当該第1従動車140に搭載された第1フィルム円盤180を間歇的に回動させるものである。図6,図7,図9,図10,図13〜図15に示すように、本発明の実施の形態の第1従動車140は、略星形の第1従動車本体141を有している。この第1従動車本体141の表面側には、第1従動車回動軸142を中心に回動すると共に第1フィルム円盤180を搭載する本発明の従動車回動面としての第1従動車回動面143を有しており、この第1従動車回動面143は、原動車130の原動車回動面135と平行になるように配置されている。なお、第1従動車回動軸142は、原動車130の原動車回動軸136、第2従動車回動軸152とそれぞれ平行に配置されていると共に、それぞれ異なる位置(同軸とならない様に所定距離離れた位置)に配置されている。
また、図10,図13〜図15に示すように、第1従動車本体141の第1従動車回動面143には、その周縁部から第1従動車回動軸142に向かって、一定角度毎に複数の本発明の溝部としての第1溝部144が形成されている。この第1溝部144は、原動車130の駆動用突部132を挿入可能な大きさ、形状及び位置に形成されている。本発明の実施の形態では、5つの第1溝部144が第1従動車本体143上で均等間隔(第1従動車回動軸142を中心として72°毎(360°÷5=72°))に形成されており、この5つの第1溝部144により、第1従動車本体141が略星形となっている。
ここで、図13,図14等に示すように、前記した駆動用突部132は、第1従動車140の第1溝部144及び第2従動車150の第2溝部154の双方の溝部に挿入可能な大きさ、形状及び位置に形成されており、原動車130の原動車回動面135の回動と共に回動するようになっている。そして、原動車130の回動と共に駆動用突部132が所定量回動することで、この駆動用突部132が、第1従動車140の第1溝部144又は第2従動車150の第2溝部154に挿し込まれる方向に動きながら、第1溝部144又は第2溝部154と接する箇所を押して第1従動車140又は第2従動車150を所定量回動させる。さらに、駆動用突部132の一連の回動の流れの中で、駆動用突部132が第1溝部144又は第2溝部154に対して挿入可能な最奥位置まで挿入されたら、駆動用突部132が、第1溝部144又は第2溝部154から抜き出される方向に動きながら、第1溝部144又は第2溝部154と接する箇所を押して第1従動車140又は第2従動車150を所定量回動させる。そして、このように原動車130と第1従動車140又は第2従動車が動いた結果、第1従動車140又は第2従動車150を必要な一定角度分だけ間歇的に回動させる構造になっている。なお、第1溝部144及び第2溝部154は、駆動用突部132が最奥位置まで挿入されても奥側の壁面までは到達しない程度の深さに形成されていると共に、駆動用突部132が挿し込まれながら又は抜き出されながらその側壁に接して押すことができる程度の幅に形成されている。
また、図13〜図15に示すように、第1従動車本体141における第1溝部144を形成すると共に第1溝部144同士を仕切る部分の周縁部側には、第1従動車140が間歇的に回動する際に、原動車130の案内部134に当接して沿う第1被案内部145が形成されている。この第1被案内部145は、案内部134に当接する箇所の形状が、略円柱形状の案内部134の側面のカーブした曲面形状に合わせるように、同様の曲面形状に形成されている。
そして、前記した案内部134と、第1被案内部145及び第2被案内部155を有することにより、駆動用突部132を用いて第1従動車140及び第2従動車150を間歇的に回動させる際に、案内部134の曲面形状に形成された側面に、第1従動車140の第1被案内部145及び第2従動車150の第2被案内部155を当接させて沿わせ、その状態で第1従動車140及び第2従動車150を回動させることができる。これにより、第1従動車140及び第2従動車150の回動をスムーズに行えるようにすると共に、それぞれの従動車140,150に搭載された第1フィルム円盤180及び第2フィルム円盤190が回動時にガタついたりブレたりしないようにすることができるものである。
また、第1従動車140が配置される位置及び第1従動車140における第1従動車本体141の大きさ及び形状は、原動車130の配置される位置及び原動車130における駆動用突部132の配置される位置,大きさ,形状に対し、当該原動車130の駆動用突部132が、第1従動車本体141の第1溝部144に挿し込まれてから抜き出される間に、第1従動車140が丁度所定の間歇的な回動を行うことできる位置とされている。本発明の実施の形態では、第1従動車140が1回の間歇的な回動で72°の回動を行うようにそれぞれが設定されている。
また、図4〜図7,図9,図10,図15〜図20に示すように、第1従動車本体141の第1従動車回動面143には、本発明のフィルム盤としての第1フィルム円盤180が搭載されている。この第1フィルム円盤180は、正面視略円形状の第1フィルム円盤本体181を有しており、その第1フィルム円盤本体181には、本発明の回動面としての第1フィルム円盤回動面183が略円形状に形成されている。また、図10,図15,図20に示すように、第1フィルム円盤180は、その第1フィルム円盤本体181の第1フィルム円盤回動面183の中心が第1従動車回動軸142と一致するように第1従動車本体141の第1従動車回動面143に固定されており、動力源120の動力によって、原動車130を介し、第1従動車140の間歇的な回動と共に間歇的に回動するようになっている。また、第1フィルム円盤回動面183の大きさは、少なくとも第1従動車本体141の第1従動車回動面143よりも大きくなるように形成されており、その第1フィルム円盤回動面183における第1従動車回動面143より外側に突出した位置となる周縁部に沿って一定角度毎に本発明の静止情報源としての第1フィルム182が複数配置されている。
また、図7,図9等に示すように、本発明の光源としての第1光源160が、第1フィルム円盤180の背面側(第1従動車140側)に配置されている。この第1光源160は、第1フィルム円盤180の静止情報源としての第1フィルム182に向けて第1従動車140側から光を出射して、第1フィルム182から静止情報を投影して像としてスクリーン101に映し出すものである。
また、この第1光源160は、第1フィルム円盤180が間歇的な回動を行った後に停止した際に、何れかの第1フィルム182に光を出射してスクリーン101に丁度、静止情報の像S1を映し出すことができる位置に配置されている。本発明の実施の形態では、図15に示すように、投影装置110の外側位置となるパチンコ遊技機10の正面側からみて右側下方に停止する第1フィルム182の静止情報をスクリーン101に投影するために、第1光源160は、第1フィルム円盤180の第1フィルム円盤回動面183の右側下方の背面側に配置されている。また、本発明の実施の形態の第1光源160には、多色発光可能な第1LED161が搭載されており、同じ種類の静止情報をスクリーン101に映し出す際でも、色を変えて映し出す(又は、色を変えながら映し出す)ことができるようになっている。
さらに、本発明の実施の形態では、第1光源160の第1LED161のそれぞれ光を出射する方向が、パチンコ遊技機10の真っ直ぐ前方より互いの光源の方向に所定角度傾斜している(すなわち、互いの光の出射方向が内側に向いている)。これにより、それぞれのフィルム盤180,190のフィルム182,192から投影される静止情報を、スクリーン101の同じ位置に像S1,S2として重ねて映し出すことができるようになっている。
このように、第1フィルム円盤180における第1フィルム円盤本体181の第1フィルム円盤回動面183を、第1従動車回動軸142を中心に間歇的に回動させることで、第1フィルム円盤180の第1フィルム円盤回動面183上の複数の静止情報源としての第1フィルム182を間歇的に回動させて、第1光源160の第1LED161の光を当てる第1フィルム182を変更する構成となっており、これにより、投影される静止情報を次々と変更できるようになっている。本発明の実施の形態では、図15に示すように、第1フィルム円盤180の第1フィルム円盤回動面183における第1従動車回動面143より外側に突出した位置となる周縁部に沿って、5つの第1フィルム182が72°毎に均等かつ連続的に配置されて環状になっており、5つの第1溝部144が72°毎に形成された第1従動車本体141を有する第1従動車140の1回の間歇的な回動に応じて、第1フィルム182が1つ分ずつ間歇的に回動するようになっている。
そして、第1フィルム円盤180が1回の間歇的な回動後に停止した際に、第1光源160の第1LED161から、当該第1LED161の前方に停止した第1フィルム182に対して光を出射することで、光が当該第1フィルム182を透過して第1フィルム182の静止情報を投影し、スクリーン101に静止情報の像S1を映し出すものである。
なお、第1フィルム円盤180を始めとする複数のフィルム盤は、第1従動車140を始めとする複数の従動車毎の従動車回動面に搭載されており、それぞれの従動車と共に間歇的に回動するように構成されている。また、第1光源160を始めとする複数の光源は、第1フィルム円盤180を始めとする複数のフィルム盤毎に配設されており、それぞれのフィルム盤に配置された静止情報源としての複数のフィルムに光を当てるように構成されている。
次に、前記したプロジェクタ演出手段100を用い、本発明の制御装置としての表示演出サブ基板21の制御によって行われるクロスフェード(モーフィング)効果を有する遊技演出について、図16〜図23を用いて説明する。ここで、プロジェクタ演出手段100を用いた遊技演出を行うタイミングとしては、パチンコ遊技機10の遊技状態が所定の状態(例えば、大当り状態、リーチ状態、予告状態、または特に前記したような特別な状態でない通常の遊技状態等)となった適宜のタイミングである。ここで、図22に示すように、主制御基板23から表示演出サブ基板21に対して、前記したような遊技状態においてプロジェクタ演出手段100を用いた遊技演出を行うように指示する制御信号が送られた場合には、当該信号を受信した表示演出サブ基板21は、予め記録されているシーケンスデータの中から当該信号に該当するデータを呼び出し、これを用いてプロジェクタ演出手段100の投影装置110(特には、駆動源120のモータ121、第1光源160の第1LED161、第2光源170の第2LED171)に対して、予め定められた所定のシーケンス制御信号が、定められた時間等に応じて送られ、例えば以下に説明するような遊技演出の表示を行う。
まず、表示演出サブ基板21から、図23の(1)に示すように、本発明の一の光源としての第1光源160の第1LED161に最大出力で光を出射するように指示する制御信号を出しながら、本発明の他の光源としての第2光源170の第2LED171に光を出射しないように指示する制御信号を出した状態で、駆動源120のモータ121に動作を開始させる制御信号を出す。すると、図16,図21(a)に示すように、第1従動車140に搭載された本発明の一のフィルム盤としての第1フィルム円盤180に配置された第1フィルム182のうち、第1光源160の第1LED161の前方に位置するものに対して第1LED161から最大出力で光を出射して、スクリーン101に本発明の一の静止情報としての第1静止情報(ここでは「臨」の文字)を像S1として明確に映し出す。また、第2光源170の第2LED171からは光が出射されないため、第2従動車150に搭載された本発明の他のフィルム盤としての第2フィルム円盤190に配置された第2フィルム192からは、スクリーン101に本発明の他の静止情報としての第2静止情報の像S2は映し出されない。また、動力源120のモータ121を駆動させて、原動車130を正面側から見て左回りに回動させ、駆動用突部132を上部から下部に左回りに移動させる。その原動車130の駆動用突部132によって、第2従動車150が正面側から見て右回りに回動を開始する。
その後、所定時間が経過した後に、表示演出サブ基板21から、図23の(2)に示すように、第2光源170の第2LED171に光を出射しないように指示する制御信号を出し、駆動源120のモータ121にその後一定時間が経過するまで動作を継続するように制御信号を出しながら、第1光源160の第1LED161に、出射する光を徐々に弱くするように指示する制御信号を出す。すると、図17に示すように、第1従動車140に搭載された第1フィルム円盤180に配置された第1フィルム182のうち、第1光源160の第1LED161の前方に位置するものに対して第1LED161から出射する光が徐々に減光され、スクリーン101に映し出された第1静止情報(ここでは「臨」の文字)の像S1が薄くなっていく。また、図16と同様に、第2光源170の第2LED171からは光が出射されないため、第2従動車150に搭載された第2フィルム円盤190に配置された第2フィルム192からは、スクリーン101に第2静止情報の像S2は映し出されない。また、動力源120のモータ121は駆動し続け、原動車130を正面側から見て左回りに動作開始から180°回動させるまで、駆動用突部132を上部から下部に左回りに移動させる。その原動車130の駆動用突部132によって、第2従動車150が正面側から見て72°右回りに回動する。その結果、第2従動車150に搭載された第2フィルム円盤190が72°右回りに間歇的に回動する。これにより、5つ配置された第2フィルム192の位置が1つ分ずれることとなる。
その後、さらに所定時間が経過した後に、表示演出サブ基板21から、図23の(3)に示すように、駆動源120のモータ121に動作を停止し続けるように制御信号を出し、第1光源160の第1LED161に、出射する光を徐々に弱くするように指示する制御信号を出しながら、第2光源170の第2LED171に、光を出射して徐々に強くするように指示する制御信号を出す。すると、図18,図21(b)に示すように、第1従動車140に搭載された第1フィルム円盤180に配置された第1フィルム182のうち、第1光源160の第1LED161の前方に位置するものに対して第1LED161から出射する光が完全に消えるまで減光され、スクリーン101に映し出された第1静止情報(ここでは「臨」の文字)の像S1が完全に消えるまで薄くなっていく。また、第2従動車150に搭載された第2フィルム円盤190に配置された第2フィルム192のうち、第2光源170の第2LED171の前方に位置するものに対して第2LED171から出射される光が徐々に増光され、スクリーン101に第2静止情報(ここでは「兵」の文字)の像S2が徐々に濃くなるように映し出されていく。そして、第1静止情報の像S1が消えるまでの間は、スクリーン101に第1静止情報の像S1と第2静止情報の像S2が重なるように表示されることとなる。
その後、またさらに所定時間が経過した後に、表示演出サブ基板21から、図23の(4)に示すように、駆動源120のモータ121に動作を停止し続けるように制御信号を出し、第1光源160の第1LED161に、光を出射しない指示する制御信号を出しながら、第2光源170の第2LED171に、出射する光を徐々に強くするように指示する制御信号を出す。すると、図19,図21(c)に示すように、第2従動車150に搭載された第2フィルム円盤190に配置された第2フィルム192のうち、第2光源170の第2LED171の前方に位置するものに対して第2LED171から出射される光がさらに増光され、スクリーン101に第2静止情報(ここでは「兵」の文字)の像S2が徐々に濃く明確になるように映し出されていく。また、第1光源160の第1LED161からは光が出射されないため、第1従動車140に搭載された第1フィルム円盤180に配置された第1フィルム182からは、スクリーン101に第1静止情報の像S1は映し出されない。
このように、表示演出サブ基板21により、スクリーン101に映し出される静止情報の像を、第1静止情報の像S1から第2静止情報の像S2に徐々に入れ替わるように変化させるクロスフェード(モーフィング)効果を有する演出を行うように制御する。
また、この後、続けて次のような遊技演出を行っても良い。以下、説明する。
まず、前記した図21(c),図23の(4)の状態である、第2従動車150に搭載された第2フィルム円盤190に配置された第2フィルム192のうち、第2光源170の第2LED171の前方に位置するものに対して第2LED171から光を出射して、スクリーン101に第2静止情報(ここでは「兵」の文字)を像S2として映し出した状態から、表示演出サブ基板21から動力源120に制御信号を送って駆動させ、原動車130を正面側から見て左回りに180°回動させて、駆動用突部132を下部から上部に左回りに移動させる。その原動車130の駆動用突部132によって、第1従動車140が正面側から見て72°右回りに間歇的に回動し、第1従動車140に搭載された第1フィルム円盤180を72°右回りに間歇的に回動させる。これにより、5つ配置された第1フィルム182の位置が1つ分ずれることとなる。
この間に、第2光源170からの光の出射を徐々に減光させていき、第1フィルム円盤180が停止したら、表示演出サブ基板21から第1光源160に制御信号を送り、第1フィルム円盤180に配置された第1フィルム182のうち、第1光源160の第1LED161の前方に位置するものに対して第1LED161から光を徐々に増光させるように出射して、スクリーン101の同位置に第1静止情報(ここでは「闘」の文字)を像S1として映し出し、徐々に減光させている第2静止情報の「兵」の文字の像S2と重ねて表示する。
その後、第2光源170からの光を減光させ続けると共に、第1光源160からの光を増光させ続けることで、スクリーン101から第2静止情報の「兵」の文字の像S2が消えて、第1静止情報の「闘」の文字の像S1のみが残って表示される状態となる。このように、表示演出サブ基板21により、スクリーン101に映し出される静止情報の像を、第2静止情報の像S2から第1静止情報の像S1に徐々に入れ替わるように変化させるクロスフェード(モーフィング)効果を有する演出を行うように制御する。
なお、前記したような第1静止情報の像S1→第2静止情報の像S2→第1静止情報の像S1…というクロスフェード(モーフィング)効果を有する遊技演出をさらに繰り返して、次々に静止情報が入れ替わっていく遊技演出を行うようになっていても良い。
以上のように、本実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)10は、静止情報を投影する投影装置110と、該投影装置110から投影された前記静止情報を像S1,S2として映し出すスクリーン101と、を有するプロジェクタ演出手段(演出手段)100を備えたパチンコ遊技機(遊技機)10において、前記投影装置110は、投影する静止情報を変更できるように複数のフィルム(静止情報源)182,192を配置したフィルム盤180,190と、前記フィルム(静止情報源)182,192に光を出射することで前記静止情報を投影して像S1,S2として前記スクリーン101に映し出す光源160,170と、を複数組有しており、第1光源(一の光源)160と第1フィルム円盤(一のフィルム盤)180により前記スクリーン101に映し出された一の静止情報の像S1を減光させながら、第2光源(他の光源)170と第2フィルム円盤(他のフィルム盤)190により前記スクリーン101の同位置に映し出された他の静止情報の像S2を増光させていくように、それぞれの光源160,170を制御することで、前記スクリーン101に映し出される静止情報の像S1,S2を、一の静止情報の像S1から他の静止情報の像S2に徐々に入れ替わるように変化させる演出を行う表示演出サブ基板(制御装置)21を有していることを特徴とする。
そして、本実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)10によれば、複数のフィルム盤180,190と複数の光源160,170を用いて静止情報を投影するのみの比較的単純な装置で、様々な静止情報同士によるクロスフェード効果(モーフィング効果)を有する演出を行うことができる。その結果、装置を小型化することができ、単純な機構である故に壊れ難くすることができ、高価な装置を使用せずに遊技の興趣を向上させる複雑な演出を行うことができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)10は、静止情報を投影する投影装置110と、該投影装置110から投影された前記静止情報を像S1,S2として映し出すスクリーン101と、を有するプロジェクタ演出手段(演出手段)100を備えたパチンコ遊技機(遊技機)10において、前記投影装置110は、一の動力源120と、該動力源120の動力により回動する原動車回動面135を有すると共に、該原動車回動面135の原動車回動軸136から外れた位置に突出した駆動用突部132を有する一以上の原動車130と、前記原動車回動面135と平行な従動車回動面143,153を有し、該従動車回動面143,153の周縁部から従動車回動軸142,152に向かって一定角度毎に前記駆動用突部132が挿入可能な複数の溝部144,154が形成された複数の従動車140,150と、を有し、前記原動車回動軸136と前記従動車回動軸142,152は、それぞれ平行かつ異なる位置に配置されており、前記駆動用突部132が、前記原動車130の回動と共に回動しながら前記従動車140,150の何れかの前記溝部144,154に挿入された後に抜き出されることで、一定角度ずつ前記従動車140,150を間歇的に回動させる駆動機構と、前記複数の従動車140,150毎の前記従動車回動面143,153に搭載されて前記従動車140,150と共に間歇的に回動し、前記従動車回動面143,153より大きなフィルム円盤回動面(回動面)183,193を有し、当該フィルム円盤回動面(回動面)183,193における前記従動車回動面143,153より突出した位置に、前記静止情報として投影可能な複数のフィルム(静止情報源)182,192を配置した複数のフィルム盤180,190と、該複数のフィルム盤180,190毎に異なる位置に配設され、それぞれのフィルム盤180,190の前記フィルム(静止情報源)182,192に向けて光を出射して、それぞれの前記静止情報を投影して像S1,S2として前記スクリーン101に映し出す複数の光源160,170と、を有することを特徴とする。
そして、本実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)10によれば、間歇機構を用いた比較的単純な機構で、スクリーン101に複数種類の静止像を次々に映し出すような演出を行うことができ、その結果、装置を小型化することができ、単純な機構である故に壊れ難くすることができ、高価な装置を使用せずに遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、複数の従動車140,150を有すると共に、それぞれの従動車140,150のフィルム盤180,190に対する光源160,170を有しているため、複数の静止情報を同時又は素早く切り替えてスクリーン101に映し出すことができ、比較的単純な機構でより複雑な演出を行うことができる。しかも、一の動力源120で複数の従動車140,150を間歇的に回動させることができるため、複数の動力源で複数の従動車140,150を動かす場合に比べて、モータ等の動力源から発する熱量を少なくすることができ、また、装置をより小型化することができる。
なお、以上説明した各実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
例えば、前記した実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を用いて説明したが、これに限るものではなく、本発明は、パチスロ遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。
また、前記した実施の形態では、スクリーン101は略方形状の形に形成されていたが、本発明はこれに限るものではなく、スクリーンが円形や楕円形等、他の形状に形成されていても良い。また、前記した実施の形態では、スクリーン101は遊技盤30の前方に配置された透明板17aの裏面側に半透明シートを貼り付けてスクリーンとする構成であったが、本発明はこれに限るものではなく、独立した1枚のシート等、投影装置110から投影された静止情報を像として映し出すことが可能な適宜のもので良い。
また、スクリーンの大きさや配置する位置も適宜で良く、例えば、遊技盤の上方や下方などに配置されていても良いし、演出表示装置37の表示画面37aと丁度重なる位置及び大きさにスクリーンが配置されていて、液晶画面等の表示と重なって投影装置からの静止情報を映し出したり、液晶画面等の表示と投影装置からの静止情報とを交互に表示したりするようになっていても良い。
また、前記した実施の形態のスクリーン101はリアタイプスクリーンであったが、本発明はこれに限るものではなく、スクリーンは、投影された静止情報を正面側から受けて、当該正面側からその静止情報を遊技者が視認する、所謂フロントタイプスクリーンであっても良い。この場合には、スクリーンを遊技盤のより後方側に配置してスクリーンの前面側から静止情報を投影するような構成とするか、スクリーンを遊技盤のより前方側に配置するときには、ミラー等を用いて静止情報の投影方向や投影位置を変化させてスクリーンの前面側から静止情報を投影するような構成とする必要がある。
また、前記した実施の形態では、投影装置110の動力源120はモータ121を用いたものであったが、これに限るものではなく、静止情報源としてのフィルムを所望の状態に移動できるものであれば、ソレノイド等の他の動力源を用いても良い。また、動力源の大きさや配置箇所等についても適宜で良い。
また、前記した実施の形態では、フィルム盤に光を出射する光源は、従動車が配置されている側にあったが、本発明はこれに限るものではなく、光源からの光がフィルム盤のフィルム(静止情報源)の静止情報をスクリーンに対して投影可能な位置関係であれば、光源の位置は、従動車が配置されている側と反対側であっても良い。
また、前記した実施の形態では、1つの動力源120で作動する1つの原動車130に対応して2つの従動車140,150が間歇的に回動し、それぞれの従動車140,150に搭載された2つのフィルム盤180,190が従動車140,150と一緒に間歇的に回動すると共に、2つのフィルム盤180,190毎にそれぞれのフィルム盤180,190上のフィルム(静止情報源)182,192に光を出射する光源160,170を備えている構成となっていたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、1つの動力源で作動する1つの原動車130に対応してそれぞれフィルム盤を搭載した3つ以上の従動車が間歇的に回動し、それぞれのフィルム盤毎に光源を備えている構成となっていても良い。また、1つの動力源で2つ以上の原動車が作動するようになっており、それぞれの原動車にフィルム盤を搭載した1つ以上の従動車が対応するようになっており、それぞれのフィルム盤毎に光源を備えている構成となっていても良い。さらに、動力源を2つ以上有していて、それぞれの動力源に対して1つ以上の原動車が作動し、それらの原動車にフィルム盤を搭載した1つ以上の従動車が対応するようになっており、それぞれのフィルム盤毎に光源を備えている構成となっていても良い。
また、前記した実施の形態では、2つの従動車のフィルム盤から同時に異なる静止情報を投影し、一方を減光(フェードアウト)しながら他方を増光(フェードイン)させることで、クロスフェード(モーフィング)の効果を持たせるようになっていたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、2つの従動車のフィルム盤には、交互に投影することで一の静止情報から他の静止情報に徐々に変化していくような、少しずつ変化させた複数の静止情報源が配置されており、2つの従動車のフィルム盤の一方だけから静止情報を投影しながら、他方は間歇的に回動させ、停止したらその他方だけから静止情報を投影して、一方はさらに間歇的に回動させる、という繰り返しの制御を行うことでモーフィング効果を有する遊技演出を行うようになっていても良い。
また、前記した実施の形態では、制御装置による投影装置110の制御方法として、一方の光源からの光を減光させて一方のフィルム盤の静止情報が徐々に薄くなるようにしながら、他方のフィルム盤を回動させ、回動が停止したら他方の光源からの光を増光させて他方のフィルム盤の静止情報が徐々に濃くなるようにしていたが、本発明はこのような制御方法に限定されるものではない。例えば、一方の光源からの光を減光させずに一方のフィルム盤の静止情報が濃い状態のまま、まず、他方のフィルム盤を回動させ、回動が停止した後で、一方の光源からの光を減光させて一方のフィルム盤の静止情報が徐々に薄くなるようにしながら、他方の光源からの光を増光させて他方のフィルム盤の静止情報を徐々に濃くなるようにしても良い。
また、光源からの光の増光及び減光のパターンは、前記したような光が消えるまで減光するパターン、光が最大出力になるまで増光するパターンだけでなく、減光の途中で増光させたり、増光の途中で減光させたり、というような2つの静止情報の像の双方が濃くなったり薄くなったりしながら一方の静止情報から他方の静止情報に変化していくような複雑なパターンとなっていても良い。また、このようなパターンを繰り返すようになっていても良い。
さらに、光源からの光の増光及び減光と、フィルム盤の回動によるフィルム(静止情報源)の変更の順序やパターンは、その他適宜で良い。
また、前記したように、従動車を3つ以上有している構成ならば、1つの従動車を回動させている間に、他の2つの従動車のフィルム盤から同時に静止情報を投影することが可能となる。これを用いて、少しずらした画像を同時に映し出し、これを繰り返すことでモーフィング効果を得るようにすることもでき、また、少しずらした画像で3D画像を映し出すようなことも考えられる。
また、前記した実施の形態の従動車140,150は、5つの静止情報を有するフィルム(静止情報源)182,192がそれぞれ等分に配置されたフィルム盤180,190を搭載しており、それに合わせて5つの溝部144,154が形成されて略星形となった従動車本体141,151を有しており、原動車130の回動に応じて1つのフィルム分ずつ(すなわち、360°÷5=72°ずつ)間歇的に回動する構成となっていたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、フィルム盤が、4つ以下又は6つ以上のフィルム(静止情報源)を等分に配置した構成となっていても良い。この場合はそれに合わせて、従動車本体がそのフィルムの数に応じた数の溝部を有しており、原動車の回動に応じて従動車がそのフィルムの数に応じた角度ずつ(例えば、フィルムが6つの場合には、360°÷6=60°ずつ)間歇的に回動する構成となっているものとする。
また、前記した実施の形態では、フィルム盤を回動させる機構として、動力源120、原動車130、従動車140,150を有する間歇駆動機構を利用したが、本発明はこれに限るものではなく、他の間歇駆動機構を利用しても良いし、間歇駆動機構以外の駆動機構でフィルム盤を回動させるようになっていても良い。
また、前記した実施の形態では、フィルム盤として円盤状のフィルム円盤180,190を採用していたが、本発明はこれに限るものではなく、フィルム(静止情報源)が投影可能で回動させることが可能であれば、四角形や六角形、八角形、その他の形状のフィルム盤であっても良い。また、フィルム盤は短冊状等の回動させないような形状に形成されていても良い。また、これらの場合に1つのフィルム盤に配置するフィルム(静止情報源)の数も適宜で良い。特に、フィルム盤が短冊状等の回動させない形状の場合は、スクリーンに投影する静止情報を替えるためにフィルムを移動させる方法も直線方向への往復移動等、フィルム盤の形状に合わせた移動法が採用されていれば良い。
また、前記した実施の形態では、駆動用突部132と案内部134は原動車回動面136から別々に突出する構成となっていたが、これに限るものではなく、案内部と駆動用突部が一の突出部材で構成されていて、案内部から先細りした先端に駆動用突部があるような(例えば、ひょうたん型のような)形状になっていても良い。
また、前記した実施の形態における原動車の駆動用突部が、原動車回動面に対して、突出した状態と引っ込んだ状態とに出し入れ可能となっていても良い。駆動用突部の出し入れの動力源としては、ソレノイドやモータを用いたカム構造等が考えられる。このように駆動用突部を出し入れ可能とすることで、フィルム盤から投影される静止情報を、その円盤上に並んだ順番に関係なくより自由に投影することができるようになる。すなわち、一方のフィルム盤にA、B、C、D、Eの順番に静止情報源が配置されており、他方のフィルム盤にF、G、H、I、Jの順番に静止情報源が配置されている場合、前記した実施の形態では、通常、A、F、B、G、C、H、D、I、E、Jの順番に静止情報が投影される。しかし、駆動用突部が出し入れ可能となっていると、例えば、一方のフィルム盤からAを投影している間に原動車を2回転させ、その際に駆動用突部を、他方のフィルム盤と交わるときだけ突出させ、一方のフィルム盤と交わるときには引っ込ませるようにすれば、一方のフィルム盤は回動させずに、他方のフィルム盤だけ静止情報2つ分回動させることができる。その結果、一方のフィルム盤からAを投影した後に、他方のフィルム盤からFでなくGを投影させるように静止情報の投影順を変更することが可能となる。
また、前記した実施の形態では、光源として多色発光のものを使用していたが、勿論、単色発光のものを使用しても良い。
また、投影装置のフィルム盤とスクリーンの間にレンズ部材を有していても良い。このようにレンズ部材を有していると、スクリーンに映し出す静止情報の大きさを変化させたり、レンズに装飾が施されていれば静止情報の形等に変化を付けたりすることができるようになる。レンズ部材は、フィルム盤側に固定されていても良いし、フィルム盤とスクリーンの間の空間に配置されていても良い。また、レンズ部材が移動可能に構成されていても良い。移動可能であれば、同じ静止情報を投影する際に、レンズを介したものとレンズを介さないもので変化を付けることができる。
また、前記した実施の形態では、フィルム盤の静止情報源は、フィルム盤の周縁部に沿って複数の静止情報源が連続的に環状に一重に並んでいたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、、静止情報源が、連続的に環状に配置されておらず、フィルム盤の周縁部に沿って点在するようになっていても良い。また、フィルム盤の周縁部に沿って複数の静止情報源が並ぶと共に、その内側にもう一重(又はもう二重)、複数の静止情報源が並ぶように構成されていても良い。このように、フィルム盤上に静止情報源が二重、三重に配置されていれば、より多くの静止情報をスクリーンに投影することが可能となるものである。