JP5163373B2 - アクチュエータ、および撮像装置 - Google Patents
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また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のアクチュエータであって、前記発光部と前記光変位部との間に、前記発光部からの光を拡散させる光拡散層を有することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載のアクチュエータであって、前記発光部において、前記第1の光を発する部位と前記第2の光を発する部位とが交互に市松模様状に配されている。
図1は、本発明の実施形態に係るカメラモジュール400を搭載した携帯電話機100の概略構成を例示する模式図である。なお、図1および図1以降の図では方位関係を明確化するために、XYZの相互に直交する3軸が適宜付されている。
図2は、カメラモジュール400の構成例を模式的に示す分解斜視図である。図2で示すように、カメラモジュール400は、撮像素子層10、撮像センサホルダ層20、赤外カットフィルタ層30、第1レンズ層40、第2レンズ層50、アクチュエータ層60、平行バネ下層70、第3レンズ層80、平行バネ上層90、および保護層CBの10層がこの順番で積層されて形成されている。そして、10層に含まれる相互に隣接する各2層の間が、エポキシ樹脂などの樹脂によって接合されており、各層間に樹脂が介在している。また、各層10〜90,CBは、±Z方向の面において略同一の矩形状(ここでは、一辺が約5mmの正方形)の外形を有する。なお、後述するが、第3レンズ層80については、カメラモジュール400の製造途中で、連結部が図中の太破線で描かれた部分84a,84bで切断され、枠部F8とレンズ部81とが分離された状態となる(図4(b)参照)。
図3および図4は、撮像素子層10、撮像センサホルダ層20、赤外カットフィルタ層30、第1レンズ層40、第2レンズ層50、アクチュエータ層60、平行バネ下層70、第3レンズ層80、平行バネ上層90、および保護層CBの構成例をそれぞれ示す平面図である。
図3(a)で示すように、撮像素子層10は、例えば、COMSセンサまたはCCDセンサなどで形成される撮像素子部11、その周辺回路、および撮像素子部11を囲む外周部F1を備えるチップである。なお、ここでは図示を省略しているが、撮像素子層10の裏面(−Z側の面)には、撮像素子部11に対する信号の付与、および撮像素子部11からの信号の読み出しを行うための配線を接続するための各種端子が設けられる。更に、撮像素子部11の+Z側の面は、被写体からの光を受光する面(撮像面)として機能し、外周部F1が、撮像素子層10の+Z側に隣接する撮像センサホルダ層20に対して接合される。
図3(b)で示すように、撮像センサホルダ層20は、例えば、樹脂などの素材によって形成され、接合によって取り付けられる撮像素子層10を保持するチップである。具体的には、撮像センサホルダ層20の略中央には、断面が略正方形の開口21がZ方向に沿って設けられ、該開口21の断面は+Z側に行くに従って小さくなる。なお、図3(b)の破線で描かれた四角形は、−Z側の面における開口21の外縁を示す。更に、撮像センサホルダ層20の外周部の−Z側の面が隣接する撮像素子層10と接合され、該外周部の+Z側の面が隣接する赤外カットフィルタ層30と接合される。
図3(c)で示すように、赤外カットフィルタ層30は、透明基板上に屈折率の異なる透明薄膜が多層化されて構成された赤外線をカットするフィルタのチップである。具体的には、赤外カットフィルタ層30は、例えば、ガラスまたは透明樹脂で構成される基板の上面に屈折率の異なる多数の透明薄膜をスパッタリングなどで形成したもので、薄膜の厚みおよび屈折率の組合せにより、透過する光の波長帯が制御される。例えば、赤外カットフィルタ層30としては、600nm以上の波長帯の光を遮断するものが好ましい。更に、赤外カットフィルタ層30の外周部の−Z側の面が隣接する撮像センサホルダ層20と接合され、該外周部の+Z側の面が隣接する第1レンズ層40と接合される。
図3(d)で示すように、第1レンズ層40は、正のレンズパワーを有する光学レンズからなるレンズ部41と、該レンズ部41を囲み且つ該第1レンズ層40の外周部を構成する枠部F4とが同一の素材で一体成型されて形成されたチップである。そして、第1レンズ層40を構成する素材としては、フェノール系の樹脂やアクリル系の樹脂、あるいはガラスなどが挙げられる。なお、レンズ部41は、第1〜3レンズ層40,50,80による焦点が撮像素子部11に対応したものとなるように光を屈折させる光学レンズとなっている。更に、枠部F4の−Z側の面が隣接する赤外カットフィルタ層30と接合され、該枠部F4の+Z側の面が隣接する第2レンズ層50と接合される。
図3(e)で示すように、第2レンズ層50は、負のレンズパワーを有する光学レンズからなるレンズ部51と、該レンズ部51を囲み且つ該第2レンズ層50の外周部を構成する枠部F5とが同一の素材で一体成型されて形成されたチップである。そして、第2レンズ層50を構成する素材としては、第1レンズ層40と同様に、フェノール系の樹脂やアクリル系の樹脂、あるいはガラスなどが挙げられる。なお、レンズ部51は、レンズ部41と同様に、第1〜3レンズ層40,50,80による焦点が撮像素子部11に対応したものとなるように光を屈折させる光学レンズとなっている。更に、枠部F5の−Z側の面が隣接する第1レンズ層40(具体的には、枠部F4)と接合され、該枠部F5の+Z側の面が隣接するアクチュエータ層60と接合される。
図3(f)で示すように、アクチュエータ層60は、撮像素子層10の撮像面側に配置されるとともに、第3レンズ層80のレンズ部81を移動させる薄板状の第1および第2可動部61,62を備えるチップである。また、アクチュエータ層60は、外周部を構成する枠部F6と、該枠部F6の内側の中空部分に対して該枠部F6から突設される2枚の板状の第1および第2可動部61,62とを備える。ここでは、2枚の第1および第2可動部61,62は、一端がそれぞれ枠部F6に固設され、且つY軸に沿って延設されており、枠部F6が2枚の第1および第2可動部61,62を囲むように形成されている。そして、枠部F6は、カメラモジュール400が携帯電話機100における画像取得再生部200の筐体に対して固定されている部分(本発明の「固定部」に相当する)を構成する。
図4(a)で示すように、平行バネ下層70は、りん青銅などの金属材料で構成され、枠部F7と、弾性部71とを有するチップであり、バネ機構を形成する層(弾性層)となっている。枠部F7は、平行バネ下層70の外周部を構成する。そして、枠部F7の−Z側の面が隣接するアクチュエータ層60(具体的には、枠部F6)と接合され、該枠部F7の+Z側の面が隣接する第3レンズ層80と接合される。弾性部71は、3つの略直線状に伸びる板状部材71a,71b,71cがコの字型に連結されて形成され、3つの板状部材71a,71b,71cのうちの両側の2本の板状部材71a,71cの各一端、すなわち弾性部71の両端が、枠部F7の2箇所に固設される。ここでは、弾性部71は、枠部F7の内側の中空部分に配置されるため、枠部F7が、弾性部71を囲むように形成される。
図4(b)で示すように、第3レンズ層80は、枠部F8と、レンズ部81と、レンズ保持部83とを有するチップである。この第3レンズ層80を構成する素材としては、第1および第2レンズ層40,50と同様に、フェノール系の樹脂やアクリル系の樹脂、あるいはガラスなどが挙げられる。
図4(c)で示すように、平行バネ上層90は、平行バネ下層70と同様な構成を有し、りん青銅などの金属材料で構成され、枠部F9と、弾性部91とを有するチップであり、バネ機構を形成する層(弾性層)となっている。枠部F9は、平行バネ上層90の外周部を構成する。そして、枠部F9の−Z側の面が隣接する第3レンズ層80(具体的には、枠部F8)と接合され、該枠部F9の+Z側の面が隣接する保護層CBと接合される。弾性部91は、弾性部71と同様に、3つの略直線状に伸びる板状部材91a,91b,91cがコの字型に連結されて形成され、3つの板状部材91a,91b,91cのうちの両側の2本の板状部材91a,91cの各一端、すなわち弾性部91の両端が、枠部F9の2箇所に固設される。ここでは、弾性部91は、枠部F9の内側の中空部分に配置されるため、枠部F9が、弾性部91を囲むように形成されている。枠部F9のより具体的な構成については、上述した枠部F7と同様となるため、ここでは、説明を省略する。
図4(d)で示すように、保護層CBは、盤面が略正方形の板状の透明部材であり、例えば、樹脂やガラスなどによって構成される。そして、保護層CBの外周部の−Z側の面が隣接する平行バネ上層90(具体的には、枠部F9)と接合される。保護層CBの外周部は、例えば、外周に沿って凸形状を持つ構造にして、凸形状の上端面で接合するようにしても良い。
図5および図6は、アクチュエータ層60の詳細な構成を説明するための図である。図5および図6では、各層10〜90,CBを+Z方向から見た平面図を示した図3および図4とは異なり、アクチュエータ層60を構成する各部を−Z方向から見た平面図が示されている。
図7は、アクチュエータ層60に電圧を印加するための電気回路を例示する図である。図7で示すように、配線部621aには配線C1aが電気的に接続され、配線部621bには配線C1bが電気的に接続され、該配線C1a,C1bはそれぞれ配線C3を介して電源Psの負極に対して電気的に接続される。そして、配線C4の一端が電源Psの正極に対して電気的に接続され、該配線C4の他端がスイッチSwの第1端子Taに対して電気的に接続される。また、配線C2aの一端が配線部622aに対して電気的に接続され、該配線C2aの他端がスイッチSwの第2端子Tbに対して電気的に接続される。また、配線C2bの一端が配線部622bに対して電気的に接続され、該配線C2bの他端がスイッチSwの第3端子Tcに対して電気的に接続される。したがって、スイッチSwの第1端子Taと第2端子Tbとが電気的に接続される場合には、各第1発光部61Uに対して電圧が印加され、該各第1発光部61Uが第1波長光を射出する。一方、スイッチSwの第1端子Taと第3端子Tcとが電気的に接続される場合には、各第2発光部61Vに対して電圧が印加され、該各第2発光部61Vが第2波長光を射出する。
図10および図11は、カメラモジュール400の構造を例示する図である。具体的には、図10は、カメラモジュール400を保護層CB側(上方)から見た平面図であり、図11は、図10の切断面線XI−XIから見た断面模式図である。なお、図10および図11では、アクチュエータ層60の配線部621a,621b,622a,622bに対して外部から電気的に接続される配線C1a,C1b,C2a,C2b,C3,C4、スイッチSw、および電源Psについては図示が省略されている。
図12および図13は、第3レンズ層80に含まれるレンズ部81の駆動態様を説明するための図である。図12および図13では、レンズ部81と弾性部71,91の状態を側方から見た模式図が示されている。なお、実際にはレンズ保持部83を弾性部71,91が挟持しているが、図12および図13では、説明の簡略化のために、弾性部71,91がレンズ部81を点Pu,Pdで保持しているように示されている。また、図12では、弾性部71,91が変形していない状態(初期状態)が示され、図13では、弾性部71,91が変形している状態(変形状態)が示されている。
図14は、カメラモジュール400の製造工程の手順を例示するフローチャートである。図14で示すように、(工程A)複数のシートの準備(ステップS1)、(工程B)複数のシートの接合(ステップS2)、(工程C)ダイシング(ステップS3)、(工程D)光軸の偏芯の検査(ステップS4)、および(工程E)撮像素子層の結合(ステップS5)が順次に行われることで、カメラモジュール400が製造される。以下、各工程について簡単に説明する。
図15および図16は、準備する10枚のシートU2〜U9,UCBの構成例を示す平面図である。ここでは、各シートU2〜U9,UCBが、円盤状である例を示して説明する。
図17は、複数のシートU2〜U9,UCBを順次に積層させて接合する工程を模式的に示す図である。
9つのシートU2〜U9,UCBが積層された形成された積層部材が、ダイシング装置によってチップ毎に切り離されて、9つの層20〜90,CBが積層された光学系のユニット(光学ユニット)が多数生成される。
上記ダイシングによって生成された多数の光学ユニットについて、レンズ偏芯測定機によって、3つのレンズ部41,51,81の光軸のズレ量(すなわち偏芯)が所定の許容値域範囲(例えば、5μm以内)に入っているのか否か検査される。一般に、カメラモジュール400を構成する部品のうち、最も高価となるのは撮像素子層10である。そして、光軸の偏芯が所定の許容値域範囲から外れたカメラモジュール400は、不良品として扱われる。このため、光学ユニットの段階で不良品と良品とが選別され、良品に対してのみ撮像素子層10を取り付けられることで、カメラモジュール400の製造コストならびに資源の無駄使いの低減が図られる。
光軸の偏芯の検査によって良品であると判別された各光学ユニットの下面(具体的には、撮像センサホルダ層20の裏面)に対して、撮像素子層10のチップが、いわゆるエポキシ樹脂系の接着剤、または紫外線硬化接着剤を用いた接合によって取り付けられて、カメラモジュール400が完成される。このとき、各カメラモジュール400のアクチュエータ層60の配線部621a,621b,622a,622bに対して、配線C1a,C1b,C2a,C2b,C3,C4、スイッチSw、および電源Psが外部から電気的に接続される。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
11 撮像素子部
20 撮像センサホルダ層
30 赤外カットフィルタ層
40 第1レンズ層
41,51,81 レンズ部
50 第2レンズ層
60 アクチュエータ層
61 第1可動部
61B 第1ベース部材
61U 第1発光部
61V 第2発光部
62 第2可動部
62B 第2ベース部材
70 平行バネ下層
80 第3レンズ層
90 平行バネ上層
100 携帯電話機
400 カメラモジュール
601 固定枠層
602 発光層
603 光拡散層
604 光変位素子層
621 第1板状部材
622 第2板状部材
631 第1光拡散部
632 第2光拡散部
641 第1光変位素子部
642 第2光変位素子部
700 光ピックアップ装置
CB 保護層
F6,F61 枠部
Claims (7)
- 固定部と、
一端が前記固定部に固設され、且つ一方向に延設される板状の可動部と、
を備え、
前記可動部が、
一端が前記固定部に固設され、且つ前記一方向に延設される板状のベース部と、
前記ベース部の一方主面上において該ベース部と一体的に形成され、且つ第1の光の照射に応じて前記一方向に伸び、第2の光の照射に応じて前記一方向に縮む光変位部と、
を有し、
前記第1の光および前記第2の光を前記光変位部に対して同一面側から照射する発光部を有することを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1に記載のアクチュエータであって、
前記ベース部が、
前記発光部を含むことを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1または請求項2に記載のアクチュエータであって、
前記発光部と前記光変位部との間に、前記発光部からの光を拡散させる光拡散層を有することを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載のアクチュエータであって、
前記発光部において、前記第1の光を発する部位と前記第2の光を発する部位とが交互に市松模様状に配されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1から請求項4の何れかに記載のアクチュエータであって、
前記発光部が、
前記第1の光を発する第1の有機EL素子と、前記第2の光を発する第2の有機EL素子とを含むことを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1から請求項5の何れかに記載のアクチュエータであって、
前記光変位部が、
ジアリールエテンを用いて構成されることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1から請求項6の何れかに記載のアクチュエータと、
前記アクチュエータによって移動される光学レンズと、
を備えることを特徴とする撮像装置。
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