JP5162789B2 - 小形単指向性アンテナ - Google Patents

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Description

この発明は、通常の八木宇田アンテナに類似の形状を有するが、指向性方向を大幅に短縮し、その直交方向について僅かに短縮した小形単指向性アンテナに関している。
ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)用に700MHz帯の電波の割り当てが計画されている。この場合、波長は約42cmなので、車載アンテナとしての利用を考えると、自動車から1波長以上離してアンテナを設置することが難しい。また、通常のアンテナでは、小形化されたものでも、波長程度の距離まで車体に近づけると特性が変化してしまう、という問題がある。
ITS用の車載アンテナとして、導体近傍に設置しても、特性劣化の少ない、小形のアンテナが望まれる。また、ITS用の車載アンテナは、自動車の進行方向に対して複数方向の領域をカバーすることが有効になると考えられる。
一般に、単指向性アンテナの場合、無指向性のものより利得が向上する。このような利得の向上により、通信範囲の拡大に加え、望まない他システムとの干渉を低減する効果も得ることができる。また、単指向性のアンテナを組み合わせて、複数の方向の領域をカバーすることは容易である。
さらに、割り当てられる周波数帯域は、10MHzと狭帯域である(比帯域約1.4%)。このような周波数帯域の場合、他システムとの与干渉は、例えば、濾波回路を用いることで避けることができる。しかし、アンテナ自体を狭帯域に設計することができれば、濾波回路側の負担を低減できることは明らかである。
通常の八木宇田アンテナでは、各素子長を調整することでビーム形状を調整するが、本発明では、導波素子あるいは反射素子を形成するダイポール共振素子の中央に適切なリアクタンスを持った分布定数線路を設けてビーム形状を調整する、という相違がある。分布定数線路を用いることで、素子長を調整する場合より設計が容易になり、また、コイルやキャパシタなどの個別の回路デバイスを装荷する場合より素子ばらつきが無く、しかも経年変化の小さいアンテナを作製可能である、という長所がある。
一般に、無指向性のアンテナを自動車に設置する場合、導電体である車体の影響を受けて、アンテナ単体の場合の良好な特性が劣化することがある。この劣化を避けるための対策として、裏(筐体)側への放射を抑えることを行う。このため、例えば、地導体や反射板を設けるが、この方法では広い面積を必要とする。
マイクロストリップアンテナは低姿勢であり、裏側に地板を有し単指向性なので、例えば自動車の屋根上に置いても特性変化は小さい。しかし、700MHz帯では、大きな地板を必要とするので、持ち運び時には、大きさが問題となる。
これに対して、地板を必要としない単指向性アンテナとして八木宇田アンテナがあるが、ビーム方向を上に向けて物の上に置こうとすると、大きな高さを必要とするので、物の上に置きにくい。また、アンテナサイズも最低半波長四方必要である。
また、本発明に比較的近い従来技術としては、特許文献1(特開平6−69723号公報)に、導波器に補助素子を付け、それら間の接続を電子的に制御して、導波器または反射器として使用できるようにして、指向性を前後に切換可能にした八木アンテナが開示されたものがある。また、特許文献2(特開2005−142925号公報)には、保持金具を反射器として利用することにより4分の1波長分の小形化を図ったアンテナ装置が開示されている。
しかし、特許文献1あるいは特許文献2の開示では、導波器と放射器との間隔、および放射器と反射器との間隔は、用いる周波数のほぼ4分の1波長の距離にあるものであり、本発明とは明らかに異なるものである。
本発明は、給電素子、反射素子、導波素子の3素子からなり、通常の八木宇田アンテナに類似のものである。しかし、通常の八木宇田アンテナの各素子間隔が給電素子の共振波長のほぼ4分の1(0.25)なのに対して、本発明のアンテナでは、各素子間隔がほぼ20分の1(0.05)波長以下であり、さらに、実用的に望ましい40分の1(0.025)波長以下とすることも可能であり、通常のものの10分の1以下と小形である点に特徴がある。この様に、高さを約0.05波長以下に抑えるので、アンテナを設置することによる凸凹を抑制することができる。
特開平6−69723号公報 特開2005−142925号公報
導体近傍に設置可能で小形の単指向性アンテナを提案する。
本発明の小形単指向性アンテナは、導体に近接して設置することによる特性劣化が小さい。また、高さが低いので、端末筐体への内蔵や車体への設置に適している。また、単指向性を得られるので、人体方向への放射を低減し、人体のアンテナ特性への影響を抑えるとともに、人体への電波の影響を抑えることができる。
概観すると本発明は、給電素子、反射素子、導波素子の3素子からなる八木宇田アンテナに類似の小形単指向性アンテナである。素子間隔をほぼ20分の1(0.05)波長以下、または、実用的に望ましい約0.025波長以下とすることができ、この場合は通常の10分の1と小形である。ビーム方向を上に向けて置いても、高さ(つまりアンテナの幅)は波長の約0.05と、通常の長さ0.5波長に比べて、低くすることができる。また、ビーム形成のために、ダイポール長を調整するのではなく、適切な長さの分布定数線路をダイポールの中心に付加する。この構成は、素子長を調整するより設計が容易であり、また、回路デバイスを装荷するより低コストで素子ばらつきが無く経年変化が小さい、という特徴がある。
このような小形単指向性アンテナを実現するために、本発明は、互いに離れて順に並行する導波素子と給電素子と反射素子とを含み、それらの並行する方向の中心線が共通の平面上にあるように配置し、上記給電素子に給電し、上記反射素子から導波素子に向かう指向性を有するようにする。また、上記導波素子と給電素子との間隔、および、上記給電素子と反射素子との間隔は、上記給電素子の共振波長の100分の5以下とする。さらに、上記導波素子または反射素子には、ビーム形成部を備える。前記ビーム形成部は、上記アンテナの主たる指向性を、より鋭くするか単一化するものである。
上記導波素子または反射素子に備えられるビーム形成部は、それぞれ、正のリアクタンス値を持つものである。
また、上記ビーム形成部は、屈曲した分布定数線路を用いて構成してもよい。
また、上記ビーム形成部を、上記導波素子または反射素子の長手方向での中心に設ける。
また、上記導波素子と給電素子と反射素子とは、同一の平面状導体から形成したものである。
また、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、それぞれの長手方向の中心について、線対称性、点対称性、あるいは鏡像対称性のいずれか1つの対称性を示すものである。
また、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、それぞれの長手方向の中心について、線対称性を示し、上記アンテナの上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、上記長手方向に直交する線について線対称性を有するものであってもよい。
上記アンテナの有する線対称性の対称線を境にして、半分を電気的配線で、残りの半分を上記電気的配線の電気的鏡像で構成することもできる。より具体的には、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子を、通常のモノポールアンテナと同様に、モノポール素子を接地導電体の近くに配置して、モノポール素子とその電気的鏡像で構成する。
上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、キャパシタあるいはインダクタの付加によって、長手方向のサイズを短縮することができ、一層の小形化を図ることができる。
また、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、逆L型アンテナなどのように、あるいはさらに折り曲げることで、長手方向のサイズを短縮することもできる。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
図1、図2は、導波素子1、給電素子2、反射素子3、および反射素子3の中心部に設けられたビーム形成部5aを含む小形単指向性アンテナを示す図である。図1のビーム形成部5aは、2回折り返しタイプの分布定数回路で構成したものであり、180度の点対称性を有する。また、図2のビーム形成部5bは、1回折り返しタイプの分布定数回路で構成したものであり、中心を通りビーム方向に沿った線について線対称性を有する。
図3(a)は、1枚のプリント基板からよく知られた印刷技法を用いて製造することができる小形単指向性アンテナを示している。714MHzに用いる場合には、アンテナ幅を28mmにすることができる。また図3(b)は、3枚のプリント基板を用いて製造した導波素子1、給電素子2、反射素子3を重ねて、21mm幅のなかに納める例を示している。
図4は、714MHz用の各素子の幅を細くすることにより、アンテナ幅を変えずに素子間隔を広げる例を示している。(1)は、素子間隔が0.025(=1/40)波長の場合で、(2)は、素子間隔が0.0333(=1/30)波長の場合である。
より詳しくは、導波素子と反射素子とにそれぞれリアクタンスX1、X2を設けた図5に示すアンテナについて、以下に説明する。この実施例では、上記と同様に3素子とし、また、素子間隔を狭くしている。これは、ビーム方向の高さを抑えるためであり、導波素子をさらに追加して4素子にする場合でも、ビーム方向の高さを従来のものに比べて抑えることができる。また、通常の素子間隔は、給電素子の共振波長に対して、4分の1波長分であるが、周波数帯域が狭帯域の場合には、それに比べて素子間隔を狭くすることが可能である。
また、従来技術では、反射素子の寸法を調節して最適化するが、この実施例においては、その代わりに、図5に示すような3素子エスパアンテナとして、リアクタンスの最適値を求めるようにする。ここで、それぞれのサイズは、以下の様にする。
幅Wは、均一に0.016667波長、
ダイポール長はl(エル)0=0.47波長、l(エル)1=l(エル)2=0.46波長、
ポート部の間隔δを0.016667波長、とする。
素子間隔d1、2が、d=d1=d2=0.1波長、0.05波長、0.025波長の3種類について、等価ステアリングベクトルモデルを用いてシミュレーションした。図6にそれぞれのdの値について、その結果から得られた動作利得Gw(=Ga/Mで計算、Mは不整合損)のリアクタンス値X1、X2依存性を示す。構造パラメータの計算にはシミュレータ(IE3D)を用い、周波数は波長が切りのよい42cmとなる714MHzで行った。この場合、アンテナ寸法は固定されるので、構造パラメータの解析は1回だけで良い。導体は銅の電気特性に設定した。また、UHF帯用のケーブルは一般に75Ωであるので、75Ω整合に対する不整合損Mを計算した。図6を見ると、得られる最大動作利得は、素子間隔dを狭くしても大きくは劣化しない。例えば、(c)d1=d2=0.025波長と狭くしても、6dBiを越える動作利得が得られることが分かる。ただし、素子間隔d1、2を狭くするほど、動作利得が6dBiを越えるリアクタンス領域が狭くなる。
なお、6dBiの利得はパッチアンテナ1つで実現可能であるが、パッチアンテナはパッチ部より大きな地板を要する。図17(a)に示すように、地板一辺を1波長(λ)としても、本発明のアンテナはパッチアンテナの3.5%に小形化できる。また、図17(b)に示すように、機械的にビーム方向をH面内に回転させようとする場合、パッチアンテナでは、地板を含めて回転するため、大きな回転のためのスペースが必要となる。一方、本発明の場合は、ほとんどアンテナ占有スペースを変化させること無く、ビーム方向を回転できる。
図6より、動作利得Gwが最高となるようなリアクタンス値(X1、X2)を求めることができる。また、このリアクタンス値を実現するため、キャパシタンス(C1、C2)やインダクタンス(L1、L2)を以下のように決めることができる。素子間隔dが;
0.1波長の場合 :C1=2.79pF、 L2=7.80nH、
0.05波長の場合 :C1=12.38pF、L2=6.02nH、
0.025波長の場合:X1=0、 L2=7.58nH。
また、この状態のH面指向性利得パターンを図7に示す。これらの間で、指向性には大きな相違はないことが分かる。
ここで、図6(c)から、2つのリアクタンス値X1とX2を切り換えて、ダイバーシチ効果を得ることが、素子間隔dを0.025波長と狭くした場合にも可能であることが分かる。
次に、電流分布の様子を図8に示す。濃い部分は強い電流が流れることを示している。図8(a)に示すように、素子間隔dが0.1波長のときには、給電素子に強く電流が流れるが、図8(b)、(c)に示すように、素子間隔dが0.05波長と0.025波長のときには、給電素子より強い電流が無給電素子に流れる。この様に、素子間隔dが狭いとき、アレーとして電流ウェイトが通常の八木宇田アンテナとは大きく異なることが分かる。
また、上記の素子間隔dのそれぞれの値について、指向性利得Gdと不整合損の逆数=1/M、動作利得Gwの周波数特性を図9に示す。図9(a)、(b)、(c)は、それぞれ、dが、0.1波長、0.05波長、0.025波長の場合である。図9から、素子間隔を狭くすると、狭帯域になることが分かる。これは、指向性利得はほぼ一定であるが、整合の特性が狭帯域になることが原因である。上記の様にUHF帯ITSに割り当てられる帯域は10MHzと狭帯域であるので、帯域フィルタの負荷低減のために、アンテナが狭帯域であることは、実用上有利である。
特に、素子間隔dを0.025波長とした場合は、アンテナ幅が約28mmと非常に狭く、また、長さが約20cmであり、平面形状であることから、自動車の室内、例えばサンバイザーに設置することできる。この場合は、水平偏波となる。
また、X1を0Ω、すなわち短絡状態にできるので、X2のみに固定のインダクタを装荷すればよいことが、上記の結果から分かる。この場合は、製造コスト的にも有利であるうえ、設計に当たっては、検討すべきパラメータ数が1個ですむ。例えば、X2=34Ωで最適化できる。このリアクタンス値は714MHzでは7.58nHのインダクタで実現可能である。
次に、素子ばらつきの回避と、コスト削減が可能な構成として、インダクタを用いない構成を提案する。
<タイプ1>
まず、素子の寸法を調整するものについて、説明する。X2を反射素子3の長さ調整で動作利得が最適となるように調整した結果、l(エル)2を0.5075波長としたとき、Gd=6.25dBiの指向性利得と、Gw=3.82dBiの動作利得(GwはIE3Dの算出値)と、約13dBのFB(Front/Back)比が得られた。(ここでは、ビーム方向とその真後ろの利得の比でFB比を定義する。)
しかし、動作利得が図6(c)で得られる6dBiに達しない。これは、リアクタンスX2の装荷は、給電素子の給電部から見たインピーダンス行列mnについて、ポート2の自己インピーダンスZ22の虚部にX2のリアクタンス値を付加したのに相当するが、反射素子3の長さにより、Z22の虚部の以外にZ22の実部や他のインピーダンス行列成分(Z02、Z12、Z00、Z11)にも変化を与えてしまうためである。なお、ポート1とはX1を装荷する端子対、ポート2とはX2を装荷する端子対のことである。また、ポート0は中央の給電素子の給電部の端子対のことを表す。また、インピーダンス行列の要素Zmnは、ポートnに単位電流を流し、他のポートを全て開放した場合に、ポートmに発生する電圧で定義される。
そこで、反射素子3に加え給電素子2、導波素子1の長さも最適化した。l(エル)0=0.52143波長、l(エル)1=0.465238波長、l(エル)2=0.4966667波長のとき、Gw=6.26dBiの動作利得と、約8dBのFB比が得られる。しかし、上記したように、素子長を変化させると、全てのポート間インピーダンス行列Zmnが変化してしまう。
そこでさらに、X2=34nHのインダクタンスを分布定数線路で置き換える方法を検討する(これは、図10のポート部の間隔δ=0.016667波長に相当)。図10のように、(b)1回折り返した場合をタイプ2、(c)2回折り返した場合をタイプ3とする。
<タイプ2>
この場合、動作利得が最大になる折り返し部の寸法は、図10(b)に示すように、s=0.0208波長、W’=0.00833波長である。またこのとき、動作利得Gw=6.97dBi、FB比=約10となる。
<タイプ3>
図10(c)に示すタイプ3では、s=0.004738波長、W’=0.00333波長のとき最適で、動作利得Gw=6.41dBi、FB比=約14が得られる。各タイプの特性を図11に、H面動作利得パターンを図12に示す。図7に示すd=0.025波長の3素子エスパアンテナの指向性に最も近いのは、タイプ3であることがわかる。
各タイプの電流分布を図13に示す。どの場合も、図8(3)の場合と同様に、無給電素子には給電素子より強い電流が流れている。また、タイプ2とタイプ3では、反射素子3の分布定数線路に大きな電流が流れることが分かる。
次に、図14のように、ビーム方向と反対側に導体が設置されることによる影響について述べる。この場合の条件として、導体板は無限の広さを有し、給電素子の中心とは間隔hで設置されるものとする。これは、本発明の小形単指向性アンテナを自動車のバンパー部に設置するような場合を想定している。この条件での指向性利得Gdと動作利得Gw(IE3Dの算出値)の間隔hへの依存性を、タイプ1、2、3についてそれぞれ図15(a)、(b)、(c)に示す。図15のそれぞれは、中心周波数を0.714GHzとして、10MHz帯域の下限0.709GHzと上限0.719GHzにおける特性曲線を示している。配置上、タイプ2とタイプ3は後ろに出っ張りがあるため、間隔hは、それぞれ0.0544波長、0.03833波長までとしている。指向性の周波数変動は小さいので、3つの周波数の指向性利得Gdの特性曲線は、ほぼ重なっている。
一方、帯域内の整合変化があるため、動作利得Gwの特性曲線は3つの周波数で分かれている。周波数変動が最も小さいのはタイプ3である。またタイプ1やタイプ2では、低周波側0.709GHzにおける特性が高周波側0.719GHzより悪いので、周波数範囲を高い方にずらした方が良い周波数特性が得られることが分かる。
また、導体が無い場合の特性をグラフの右端(alone)に示す。それに比べて、導体板があることによる特性劣化は、少ないことが分かる。すなわち、導体近接による整合劣化は大きくない。これは、アンテナ自体が、ビームと反対方向への放射が小さい(FB比が高い)特性をもつためと考えられる。
また、地板が無限に大きいと言う理想のものではあるが、ある程度以上導体板に近づけた方がむしろ、動作利得が向上する傾向がある。ただし、タイプ1とタイプ2は接触直前まで近づけると、急激に利得が低下する。タイプ1では3の素子の電流が妨げられるため、タイプ2は強く電流が流れる分布定数線路部の電流が妨げられるためと考えられる。一方、タイプ3では、分布定数線路の極近くまで近づけてもあまり変化がないのは、反射素子3のダイポール本体からは少し離れており、また、折り返しの電流がタイプ2より小さいためと考えられる。
帯域内の最低動作利得GwMinが最小となる状態をWorst、最大となる状態をBestとして、それぞれの場合の無限導体板との間隔h、およびGwMinと最大動作利得GwMinを、単体の状態の特性と共に図16に示す。タイプ3では、地板とアンテナの給電部との間隔hを、約0.075波長(3.15cm)に設定すると、6.7dBi以上の動作利得が得られることが分かる。
また周波数特性を広帯域化することは、図9のエスパアンテナの結果から、素子間隔dを広くすることにより可能である。素子の太さを細くすれば全体の幅の増加は抑えることも可能である。例えば、上記の図4に示す様に各素子の幅を抑制して、全体の幅を変えずに素子間隔を現状の1/40波長から1/30波長まで拡大できる。
次に、アンテナ全体としてさらに小形化する例を示す。
まず、アンテナ全体としては、直線状のアンテナ素子の長手方向に直交する線について折り曲げることで、アンテナ長を僅かに短縮できる。
また、上記アンテナの有する線対称性の対称線を境にして、半分を電気的配線で、残りの半分を上記電気的配線の電気的鏡像で構成することもできる。より具体的には、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子を、通常のモノポールアンテナと同様に、モノポール素子を接地導電体の近くに配置して、そのモノポール素子とその電気的鏡像とで構成する。この場合の接地導体は、平面あるいは概略平面と見做せるものであることが望ましく、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子となるそれぞれのモノポール素子の長手方向は、その接地導体に垂直な方向であることが望ましいが、傾きを持たせることによって偏波面を調整することもできる。
空中線の途中にコイルやコンデンサを用いて空中線の長さの短縮化を図った通常のダイポールアンテナの場合と同様に、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、キャパシタあるいはインダクタの付加によって、長手方向のサイズを短縮することができ、一層の小形化を図ることができる。
また、本発明の場合も、逆L型アンテナなどのように折り曲げることで、小形化を図ることができる。つまり、上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子を、例えば、それぞれ90度あるいは複数の点でさらに折り曲げることで、長手方向のサイズを短縮することもできる。
図18に示す様に、本発明は、UHF帯のITS用車載アンテナとして、自動車の車体に近接して設置可能である。長さが約20cmなので,水平偏波となるがサンバイザーに設置することもできる。また、上記の例では、幅が約3cmなので、バンパーに埋め込むことも可能である。バンパー部の車体の形状を考慮して設計すれば、利得をさらに改善する設計が可能と思われる。しかし、単体で設計しておけば、単体で使用できる上、車体との間隔を車種により調整することにより利得を改善できる。このような使用法によって、複数の車種に共通に利用することは、量産効果によるコスト低減には好ましい。
なお、本発明のアンテナは、全体の幅が全体の長さに比べ小さく、裏側の金属の影響を受けにくいことから、より高い周波数に適用すれば、通信端末筐体に内蔵することも可能である。また、単指向性なので人体への不要照射を抑える目的にも利用できる。このように、要求される帯域を満たすことができれば、他の無線システムにも応用可能である。
導波素子1、給電素子2、反射素子3、および反射素子3の中心部に設けられたビーム形成部5aを含むタイプ3の小形単指向性アンテナを示す図であり、ビーム形成部5aは、2回折り返しタイプの分布定数回路で構成したものである。 導波素子1、給電素子2、反射素子3、および反射素子3の中心部に設けられたビーム形成部5bを含むタイプ3の小形単指向性アンテナを示す図であり、ビーム形成部5bを、1回折り返しタイプの分布定数回路で構成したものである。 (a)1枚のプリント基板からよく知られた印刷技法を用いて製造することができる小形単指向性アンテナを示す図、(b)3枚のプリント基板を用いて製造した小形単指向性アンテナを示す図である。 各素子の幅を細くすることにより、アンテナ幅を変えずに素子間隔を広げる例を示す図である。 導波素子と反射素子とにそれぞれリアクタンスX1、X2を装荷した小形単指向性アンテナを示す図である。 素子間隔が0.1波長、0.05波長、0.025波長について、IE3Dを用いたシミュレーションの結果から得られた動作利得Gwのリアクタンス値X1、X2依存性を示す図である。 素子間隔が0.1波長、0.05波長、0.025波長について、等価ステアリングベクトルモデルを用いたシミュレーションの結果から得られたH面指向性利得パターンを示す図である。 素子間隔が0.1波長、0.05波長、0.025波長について、各素子の電流分布の様子を示す図である。濃いほど電流が強いことを表す。 素子間隔が0.1波長、0.05波長、0.025波長について、指向性利得Gdと不整合損の逆数=1/M、動作利得Gwの周波数特性を示す図である。 単指向性を実現する3つの小形単指向性アンテナの構成例を示す図である。 タイプ1、2、3の各素子構成と、指向性利得Gd、動作利得Gw、およびFB比の特性表を示す図である。 タイプ1、2、3のH面動作利得パターンを示す図である。 タイプ1、2、3の各素子の電流分布を示す図である。 ビーム方向と反対側に導体が設置された小形単指向性アンテナを示す図である。 ビーム方向と反対側に導体が設置されたタイプ1、2、3について、指向性利得Gdと動作利得Gwの間隔hへの依存性を示す図である。 ビーム方向と反対側に導体が設置されたタイプ1、2、3の各々について、帯域内の最小動作利得GwMinが最低となる状態(Worst)および最大となる状態(Best)の無限導体板との間隔hと、その状態のGwMinおよび最大動作利得GwMinを、単体の状態(Alone)の特性と共に示す図である。 本発明の小形単指向性アンテナとパッチアンテナとの寸法及び占有スペースの比較を示す図である。 UHF帯のITS用車載アンテナの、自動車の車体への設置例を示す図である。
符号の説明
1 導波素子
2 給電素子
3 反射素子
4 給電部
5a、5b ビーム形成部
10、10a、10b、10c プリント基板

Claims (7)

  1. 互いに離れて順に並行する導波素子と給電素子と反射素子とを含み、それらの並行する方向の中心線が共通の平面上にあるように配置し、上記給電素子に給電し、上記反射素子から導波素子に向かう指向性を有するアンテナであって、
    上記導波素子と給電素子との間隔、および、上記給電素子と反射素子との間隔は、上記給電素子の共振波長の100分の5以下であり、
    上記導波素子または反射素子は放射ビーム形成部を備え、
    前記放射ビーム形成部は、(1)該放射ビーム形成部を設けない場合に比べて、上記アンテナの主たる指向性を、より鋭くするか単一化するもので、(2)上記導波素子または反射素子の長手方向での中心に設けられ、(3)正のリアクタンス値を持ち、(4)屈曲した分布定数線路を用いた構成であり、
    さらに、(5)上記導波素子とそれに設けられる分布定数線路または反射素子とそれに設けられる分布定数線路は、同一の平面状導体から形成したものであることを特徴とする小形単指向性アンテナ。
  2. 上記導波素子と給電素子と反射素子とは、同一の平面状導体から形成したものであることを特徴とする請求項に記載の小形単指向性アンテナ。
  3. 上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、それぞれの長手方向の中心について、線対称性、点対象性、あるいは鏡像対称性のいずれか1つの対称性を示すことを特徴とする請求項に記載の小形単指向性アンテナ。
  4. 上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、それぞれの長手方向の中心について、線対称性を示し、
    上記アンテナの上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、上記長手方向に直交する線について線対称性を有することを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか1つに記載の小形単指向性アンテナ。
  5. 上記アンテナの有する線対称性の対称線を境にして、半分を電気的配線で、残りの半分を上記電気的配線の電気的鏡像で構成することを特徴とする請求項に記載の小形単指向性アンテナ。
  6. 上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、キャパシタあるいはインダクタの付加によって、長手方向のサイズを短縮したものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の小形単指向性アンテナ。
  7. 上記導波素子、給電素子、あるいは反射素子は、折り曲げることで、長手方向のサイズを短縮したものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の小形単指向性アンテナ。
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