JP5162395B2 - 付着物除去ノズル及び方法並びに溶液製膜方法 - Google Patents

付着物除去ノズル及び方法並びに溶液製膜方法 Download PDF

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Description

本発明は、付着物除去ノズル及び方法並びに溶液製膜方法に関するものである。
セルロースアシレートフィルムは、透明度が高く、強靭性や光学等方性に優れる等の特徴から、例えば、液晶表示装置における偏光板の保護フィルムや光学補償フィルム、視野角拡大フィルムとして利用されている。セルロースアシレートフィルムは、一般的に溶液製膜方法で作られている。溶液製膜方法とは、エンドレスで走行させた支持体の上に、セルロースアシレート及び溶媒を含むドープを流延して流延膜を形成した後、この流延膜を支持体から剥ぎ取り、乾燥してフィルムとする方法である。
ところで、溶液製膜方法では、製膜を続けていると支持体の表面に付着物が付着し、付着物が付着した箇所で支持体から流延膜を円滑に剥ぎ取ることが難しくなり、最悪の場合には剥ぎ取り不能となって製膜を一時中断しなければならないという問題がある。付着物が付着した支持体を使い続けると、上記の問題に加えて、流延膜の表面に付着物が転写し、完成したフィルムの光学ムラを引き起こす。そこで、特許文献1では、流延膜の剥ぎ取り後で流延膜の形成前の支持体表面に対し、ドライアイス粒子を含む洗浄ガスを吹き付けて、支持体の表面の付着物を除去するようにしている。
特開2007−269013号公報
しかしながら、上記のようなドライアイス粒子の噴出による支持体表面の洗浄でも、取りきれずに支持体表面に付着物が残ることがあり、この残存する付着物による光学ムラ故障が発生することがわかった。このため、支持体への付着物について鋭意検討した結果、付着物には油分に起因する油分起因付着物や、薄膜状に固着した付着物などがあり、単にドライアイス粒子を含む洗浄ガスを吹き付けただけでは、十分な除去効果が得られないことが判った。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、付着物を確実に除去することができる付着物除去ノズル及び方法並びに溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明の付着物除去ノズルは、キャリアガスの導入口及び噴出口を有するキャリアガス通路と、前記キャリアガス通路内に液化二酸化炭素を送出する二酸化炭素通路と、前記二酸化炭素通路が前記キャリアガス通路に開口し、その開口サイズが異なる複数の二酸化炭素噴出口を有するドライアイス粒子形成部とを備えることを特徴とする。
また、前記キャリアガスの噴出口はスリット状に形成されていることが好ましい。
さらに、前記二酸化炭素噴出口は、少なくとも大径と小径の2サイズがあり、交互に配置されていることが好ましい。
また、前記二酸化炭素噴出口が形成されるキャリアガス通路の面は平面であり、前記大径二酸化炭素噴出口と前記小径二酸化炭素噴出口とが千鳥に配置されていることが好ましい。
さらに、前記小径の二酸化炭素噴出口の開口面積総和と前記大径の二酸化炭素噴出口の開口面積総和との比を1:9〜9:1の範囲内とすることが好ましい。
また、第1ノズル本体及び第2ノズル本体を重ね合わせて、この重ね合わせ部分に前記キャリアガス通路が形成され、前記キャリアガス通路は、前記キャリアガスの噴出口から順に、送出流路、前記送出流路の通路断面積よりも大きな通路断面積を有する第1ポケット、前記第1ポケットの通路断面積よりも小さな通路断面積を有する前記ドライアイス粒子形成部、及び前記ドライアイス粒子形成部の通路断面積よりも大きな通路断面積を有する第2ポケットを備えることが好ましい。
さらに、本発明の付着物除去方法は、キャリアガス通路に開口サイズが異なる噴出口から液化二酸化炭素を送って複数サイズのドライアイス粒子を形成し、前記複数サイズのドライアイス粒子を前記キャリアガスにより噴出口から吹き出し、前記ドライアイス粒子を付着物に衝突させて前記付着物を除去することを特徴とする。
また、前記ドライアイス粒子は、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
さらに、本発明の溶液製膜方法は、エンドレスに走行する支持体の上に、ポリマー溶液と溶媒とを含むドープを流延し、流延膜を形成する流延膜形成工程と、前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取り乾燥してフィルムとする乾燥工程と、前記流延膜を剥ぎ取った前記支持体の表面に対し、請求項1から6いずれか1項記載の付着物除去ノズルを用いて前記支持体面に付着した付着物を除去する付着物除去工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、キャリアガス通路に開口サイズが異なる噴出口から液化二酸化炭素を送って複数サイズのドライアイス粒子を形成し、複数サイズのドライアイス粒子をキャリアガスにより噴出口から吹き出すから、複数種類の付着物を確実に除去することができる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、ここに示す形態は本発明に係わる一例であって、本発明を限定するものではない。
図1及び図2に示すように、付着物除去装置2は、付着物除去ノズル3を備え、付着物除去ノズル3から付着物に向けて洗浄ガス120を吹き付けることにより、付着物を除去する。この付着物除去ノズル3は、第1ノズル本体11、第2ノズル本体12からなり、第1ノズル本体11及び第2ノズル本体12を重ね合わせて構成されている。
付着物除去ノズル3は、キャリアガス100が導入されるキャリアガス導入口13と、液化二酸化炭素110が導入される二酸化炭素導入口14と、洗浄ガス120を噴出するスリット状の洗浄ガス噴出口15と、キャリアガス導入口13及び洗浄ガス噴出口15を連通させるキャリアガス流路16と、二酸化炭素導入口14から導入された液化二酸化炭素110を一時的に収容するヘッダ17と、ヘッダ17及びキャリアガス流路16を連通させる小径二酸化炭素流路18及び大径二酸化炭素流路19とを備える。
小径二酸化炭素流路18の出口側には、リング状の小径オリフィス21が設けられ、大径二酸化炭素流路19の出口側には、リング状の大径オリフィス22が設けられている。各オリフィス21,22は、固定部材24により固定されている。
各二酸化炭素流路18,19は、2列に亘って設けられ、千鳥に配置されている。各二酸化炭素流路18,19は、1列に4個ずつの計8個ずつ設けられている。8個の小径二酸化炭素流路18それぞれに小径オリフィス21が設けられ、8個の大径二酸化炭素流路19それぞれに大径オリフィス22が設けられている。なお、1列に8個の小径二酸化炭素流路18を設け、もう1列に8個の大径二酸化炭素流路19を設けてもよい。
小径オリフィス21は、内径0.2mmで形成され、大径オリフィス22は、内径0.35mmで形成されている。小径オリフィス21の開口面積総和と大径オリフィス22の開口面積総和との比Rは、1:3.06となる。なお、小径オリフィス21及び大径オリフィス22の内径は、0.2mm以上0.5mm以下の範囲内で適宜変更可能である。0.2mm未満だと、圧力損失が大きすぎて大径オリフィス22に選択的に流れ、小径ドライアイス粒子111の発生が困難になる。0.5mmを超えると、圧力損失が小さくなり、オリフィス21,22内で液体から固体に変わってしまう。また、比Rは、1:9〜9:1の範囲内で適宜変更可能であり、3:7〜7:3の範囲内であることが好ましく、4:6〜6:4の範囲内であることがさらに好ましい。比Rを変えるときには、各二酸化炭素流路18,19及び各オリフィス21,22の数や、各オリフィス21,22の内径を変えることにより行う。比Rが1:9〜9:1の範囲から外れると、ドライアイス粒子111,112のどちらか一方による除去作用しか得られない。
キャリアガス流路16は、粒子形成部31を有する。この粒子形成部31は、キャリアガス100と、小径二酸化炭素流路18から小径オリフィス21を通って送られる液化二酸化炭素110とから、小径ドライアイス粒子111をつくるとともに、キャリアガス100と、大径二酸化炭素流路19から大径オリフィス22を通って送られる液化二酸化炭素110とから、大径ドライアイス粒子112をつくり、小径ドライアイス粒子111及び大径ドライアイス粒子112を含む洗浄ガス120をつくる。小径オリフィス21及び大径オリフィス22は、付着物除去ノズル3の幅方向に交互に設けられているから、幅方向において均一に小径ドライアイス粒子111及び大径ドライアイス粒子112が含まれる。
キャリアガス流路16は、粒子形成部31の下流側に、キャリアガス流路16の断面積よりも大きな断面積を有する第1整流用ポケット35を有し、第1整流用ポケット35の下流側に、洗浄ガス噴出口15に洗浄ガス120を送る送出流路36を有する。また、キャリアガス流路16は、粒子形成部31の上流側に、キャリアガス流路16の断面積よりも大きな断面積を有する第2整流用ポケット37を有する。
キャリアガス導入口13は、配管40を介してキャリアガス100の供給源であるキャリアガスタンク41と接続する。配管40には、キャリアガス100の流量を調節する絞り弁42が設けられる。
二酸化炭素導入口14は、配管50を介して液化二酸化炭素110の供給源である二酸化炭素タンク51と接続する。配管50には、液化二酸化炭素110の流量を調節する絞り弁52が設けられる。なお、配管50を分岐させ、分岐した配管を、小径二酸化炭素流路18及び大径二酸化炭素流路19それぞれに個別に接続してもよい。
絞り弁42,52は、コントローラ55により調節される。コントローラ55の制御の下、絞り弁42,52の開度がそれぞれ所望の範囲に調節される。絞り弁42,52の開度の調節により洗浄ガス120の吹き付け圧力、キャリアガス100と液化二酸化炭素110との混合比率などを調節することができる。
キャリアガス100は、例えば、空気などが用いられる。キャリアガスタンク41は、キャリアガス100を所定の圧力に圧縮した状態で格納してもよい。液化二酸化炭素110としては、純度の高いものを用いることが好ましい。また、二酸化炭素タンク51や配管50の条件としては、二酸化炭素タンク51から送られる液化二酸化炭素110が、粒子形成部31に到達するまでに、液化状態を維持しえる程度のものであればよい。
キャリアガス100は、所定の流量Q1(m3 /mm・分)で配管40を介してキャリアガスタンク41からキャリアガス導入口13に導入される。液化二酸化炭素110は、所定の質量流量Q2(kg/mm・分)で配管50を介して二酸化炭素タンク51から二酸化炭素導入口14に導入される。
(混合比)
キャリアガス100の流量Q1、液化二酸化炭素110の流量Q2が、下記式(1)ないし(3)のいずれかを満たすことが好ましい。
(式1) 0.0075<Q1<0.025(m3 /mm・分)のときに、0.0025≦Q2≦0.025(kg/mm・分)
なお、式1のQ1の条件において、Q2が、0.007(kg/mm・分)以上0.01(kg/mm・分)以下であることがより好ましく、略0.0083(kg/mm・分)であることが最も好ましい。
流量Q1が0.0075(m3 /mm・分)以下の場合は、表面212a上の液状付着物X1及び固形付着物X2の除去を十分に行うことができず好ましくない。Q2が0.0025(kg/mm・分)未満である場合は、表面212a上の液状付着物X1及び固形付着物X2の除去を十分に行うことができず好ましくない。また、Q2が0.025(kg/mm・分)を超える場合は、洗浄ガス120に含まれる各ドライアイス粒子111,112により付着物除去ノズル3の各流路16,36が閉塞するため、結果として、表面212aの洗浄が十分に行うことができず好ましくない。
(式2) 0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、0.0016≦Q2≦0.034(kg/mm・分)
なお、式2のQ1の条件において、Q2が、0.0025(kg/mm・分)以上0.034(kg/mm・分)以下であることがより好ましく、0.0125(kg/mm・分)以上0.034(kg/mm・分)以下であることが最も好ましい。
0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、Q2が0.0016(kg/mm・分)未満である場合は、表面212a上の液状付着物X1及び固形付着物X2の除去を十分に行うことができず好ましくない。Q2が0.034(kg/mm・分)を超える場合は、各ドライアイス粒子111,112により付着物除去ノズル3の各流路16,36が閉塞するため、結果として、表面212aの洗浄が十分に行うことができず好ましくない。
(式3) 0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、0.00083≦Q2≦0.042(kg/mm・分)
なお、式3のQ1の条件において、Q2が、0.0016(kg/mm・分)以上0.042(kg/mm・分)以下であることがより好ましく、0.0125(kg/mm・分)以上0.042(kg/mm・分)以下であることが最も好ましい。
0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、Q2が0.00083(kg/mm・分)未満の場合は、表面212a上の液状付着物X1及び固形付着物X2の除去を十分に行うことができず好ましくない。Q2が0.042(kg/mm・分)を超える場合は、各ドライアイス粒子111,112により付着物除去ノズル3の各流路16,36が閉塞するため、結果として、表面212aの洗浄が十分に行うことができず好ましくない。また、流量Q1が0.1(m3 /mm・分)以上の場合は、洗浄ガス120に含まれている各ドライアイス粒子111,112との衝突により、表面212aに表面欠陥が形成してしまうおそれがあるため、好ましくない。
なお、小径ドライアイス粒子111の粒径は、5μm以上10μm以下であることが好ましく、大径ドライアイス粒子112の粒径は、8μm以上30μm以下であることが好ましい。各ドライアイス粒子111,112は、粒径が30μmを超えると大きすぎて支持体表面を傷付けるおそれがある。逆に粒径が5μm未満であると小さすぎて付着物を粉砕する効率が落ちる。
洗浄ガス120を吹き付ける圧は、好ましくは600kPa以上4000kPa以下であり、より好ましくは1000kPa以上2500kPa以下である。吹き付け圧が4000kPaを超えると、付着物除去ノズル3内に各ドライアイス粒子111,112が詰まるおそれがある他、流延ドラム212の表面212aを傷付けるおそれがある。一方で、600kPa未満では、洗浄ガス120の衝突時に発生するエネルギーが小さいため、付着物を粉砕する効果が弱い。
付着物除去装置2には、図示しないシフト部が接続されている。このシフト部の操作により、流延ドラム212の表面212aに効率良く洗浄ガス120を吹き付けることを目的として、洗浄ガス噴出口15から流延ドラム212までの距離L1(図2参照)や、流延ドラム212に対して洗浄ガス120を吹き付ける角度θ1(図2参照)が適宜調節される。この角度θ1は、好ましくは45°以上135°以下であり、より好ましくは70°以上110°以下、最も好ましくは85°以上95°以下である。この角度θ1は、付着物の形状等に応じて適宜調節される。
洗浄ガス噴出口15から流延ドラム212の表面212aに対して洗浄ガス120が噴射され、表面212aに付着した付着物が除去される。
図4に示すように、付着物除去装置2は、吸引カバー60により覆われる。吸引カバー60は、図示しない吸引装置に接続された吸引管61により洗浄ガス噴出口15近傍の空気を吸引する。
図3に示すように、付着物除去装置2は、フィルム製造設備200に設置される。フィルム製造設備200は、ドープ調製部201と、流延室202と、渡り部203と、テンタ204と、乾燥室205と、冷却室206と、巻取室207とから構成されている。ドープ調製部201は、セルロースアシレートと溶媒とを含むドープを調製する。
流延室202には、ドープ調製部201からのドープが送り込まれるフィードブロック211と、支持体としての流延ドラム212と、ドープを流延ドラム212に流延する流延ダイ213と、流延ドラム212上の流延膜214を湿潤フィルム215として剥ぎ取る剥取ローラ216と、流延膜214及び湿潤フィルム215から蒸発した溶剤ガスを凝縮液化する凝縮器217(コンデンサ)と、液化した溶剤を回収する回収装置218とが設けられている。流延ドラム212には伝熱媒体供給装置(図示省略)が接続されており、この伝熱媒体供給装置の内部に伝熱媒体を供給することで、流延ドラム212の表面温度を所望の温度に調整している。流延室202には、その内部温度を調整するための温調装置220が取り付けられている。
フィードブロック211の内部にはドープの流路が形成されている。この流路の配置を調整することにより、所望の構造の流延膜214を形成することができる。流延ダイ213には減圧チャンバ222が取り付けられており、この減圧チャンバ222は、流延ダイ213の吐出口から流延ドラム212に到達するまでのドープの流れの後方を減圧し、流延ドラム212に対するドープの接触を安定させる。
流延ドラム212は連続回転が可能なステンレス製のドラムから構成される。また、流延ドラム212の表面には研磨加工が施されている。これにより、流延ドラム212上には平面性に優れる流延膜214が形成される。なお、支持体として流延ドラムを使用するが、支持体の形態は特に限定されるものではない。例えば、1対のローラに巻き掛けられ、無端で走行する流延バンドを支持体として用いてもよい。支持体の材質は耐腐食性や高強度を有するステンレスから構成されている。
図4に示すように、付着物除去装置2は、減圧チャンバ222と剥取ローラ216との間であって、流延ドラム212の表面212a近傍に設置されている。
図3に戻って、渡り部203は、複数のローラと送風装置203aとで構成されており、各ローラで湿潤フィルム215を支持し搬送する間に、送風装置203aから乾燥風を供給して湿潤フィルム215の乾燥を促進させる。
テンタ204は、その内部に複数のピンを備えたピンプレートと乾燥風を供給するための乾燥装置(共に図示しない)とが備えられており、湿潤フィルム215の両側端部に各ピンを差し込み固定した後、搬送する間に、湿潤フィルム215の乾燥をいっそう促進させてTACフィルム(以下、フィルム)225とする。ここで、対面するピンの間隔を調節することにより湿潤フィルム215の幅方向に対して張力を付与することができる。この張力の大きさを適宜調節すれば湿潤フィルム215の分子配向を好適に制御でき、結果として、所望のレタデーション値をフィルムに発現させることができる。
本発明では、フィルムに光学特性を付与することを目的とし、必要に応じてクリップテンタを設置しても良い。クリップテンタとは、湿潤フィルム215の把持手段である多数のクリップと乾燥装置とを備えた延伸乾燥機を意味し、クリップで把持した湿潤フィルム215を搬送しつつ乾燥する間に、対面するクリップの間隔を拡縮させることにより湿潤フィルムの幅方向に張力を付与するものである。
テンタ204の下流にはカッタを備えた耳切装置227が設置されている。耳切装置227によりフィルム225の両側端部が切断される。また、耳切装置227に接続されたクラッシャ228はフィルム225の切断片をチップ状に粉砕する。なお、このチップはフィルムの原料として再利用可能であるため原料コストが削減できる。
乾燥室205には、多数のローラ230と乾燥風を供給するための送風装置(図示しない)とが備えられており、ここでフィルム225の乾燥が十分に行なわれる。また、乾燥室205の外部には乾燥室205中の溶媒ガスを回収する吸着回収装置232が接続されている。
乾燥室205に併設された冷却室206は、乾燥室205で加熱されたフィルム225を略室温まで冷却する。フィルム225を冷却する方法は特に限定されず、略室温とした室内にフィルム225を放置して自然に冷やしても良いし、冷熱や冷却風を供給して人為に冷やしても良い。冷却室206の下流には、フィルム225の帯電圧を調節するための強制除電装置233が設置されている。また、本実施形態では、強制除電装置233の下流側にフィルム225にナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ234を設けている。巻取室207の内部には、フィルム225を巻き取るための巻取装置235と、フィルム225に押圧を付与するためのプレスローラ236とが備えられている。
巻取室207に送られたフィルム225は、プレスローラ236でその中心方向に押圧されながら巻取装置235に巻き取られる。これにより、しわやつれがなく面状が良好なロール状のフィルムが製造される。
次に、付着物除去装置2の作用について説明する。図1に示すように、流延ドラム212の表面212aには、油分やウォーターマーク等の液状付着物X1や、剥取ローラ216で流延膜214を剥ぎ取ったときに、剥ぎ取りきれずに残った固形付着物X2が付着している。なお、付着物X1,X2、ドライアイス粒子111,112、オリフィス21,22の開口の各サイズは、図面を判り易くするために誇大に表示してある。付着物除去装置2は、流延ドラム212の表面212aに付着した液状付着物X1及び固形付着物X2を除去する。
コントローラ55の制御の下、絞り弁42,52の開度がそれぞれ所望の範囲に調節される。キャリアガス100は、所定の流量Q1(m3 /mm・分)で配管40を介してキャリアガスタンク41からキャリアガス導入口13に導入され、粒子形成部31まで送られる。液化二酸化炭素110は、所定の質量流量Q2(kg/mm・分)で配管50を介して二酸化炭素タンク51から二酸化炭素導入口14に導入され、小径二酸化炭素流路18及び大径二酸化炭素流路19に送られる。各二酸化炭素流路18、19に送られた液化二酸化炭素110は、小径オリフィス21及び大径オリフィス22を通って粒子形成部31に送られる。粒子形成部31では、キャリアガス100に二酸化炭素ガスと小径ドライアイス粒子111及び大径ドライアイス粒子112とを加えた洗浄ガス120がつくられる。
洗浄ガス120は、洗浄ガス噴出口15から噴射され、液状付着物X1及び固形付着物X2に衝突する。小径ドライアイス粒子111及び大径ドライアイス粒子112が、液状付着物X1及び固形付着物X2に衝突することにより、液状付着物X1及び固形付着物X2が表面212aから除去される。固形付着物X2と液状付着物X1とのいずれにも、小径ドライアイス粒子111及び大径ドライアイス粒子112が衝突するが、液状付着物X1の除去には、小径ドライアイス粒子111が大きく寄与し、固形付着物X2の除去には、大径ドライアイス粒子112が大きく寄与する。
付着物の除去作用としては、(1)ドライアイス粒子と付着物との衝突により、吹き付けられるドライアイス粒子の運動エネルギーが付着物の破壊に用いられること、(2)付着物との衝突に起因してドライアイス粒子が液化二酸化炭素となり、この液化二酸化炭素が付着物を溶解すること、(3)液化二酸化炭素やドライアイス粒子の気化時による体積膨張が付着物を吹き飛ばすこと、及び(1)〜(3)の組合せによる相乗効果が挙げられる。特に液状付着物X1に対しては、小径ドライアイス粒子111によって上記(1)〜(3)の作用効果、特に(2),(3)の作用効果が顕著に作用しその除去効果が得られるものと思われる。また、固形付着物X2に対しては、大径ドライアイス粒子112によって上記(1)の作用効果が顕著に作用し、その除去効果が得られるものと思われる。
ドライアイス粒子との衝突に起因する効果により除去された付着物は微細化される。付着物除去装置2で付着物を除去している間は、吸引カバー60で周辺の空気を吸引するため、付着物や残存物による厚みムラや析出物故障などの発生につながることはない。また、表面212aに残存したとしても微小物であり、これによる析出物故障に発展することもない。なお、吸引カバー60での吸引力は、洗浄ガス120の吹き付け圧よりも小さい範囲で適宜調節すれば良く特に限定はされない。
本発明のように洗浄ガス120を吹き付ける方法は、流延ドラム212の表面212aに付着する付着物の除去に有用である。付着物は、脂肪酸エステルを主成分とするものを代表とし、脂肪酸や脂肪酸金属塩の他、ドライアイス粒子の吹き付けにより粉砕される、或いは、液化二酸化炭素に溶解し、液化二酸化炭素とともに蒸発するものが被対象となる。また、上記実施形態では、ドライアイス粒子と空気とからなる洗浄ガス120を用いると記載したが、これに限らず、空気の変わりに窒素や不活性ガスなどを用いても良い。
洗浄ガス120は、流延ドラム212上に流延膜214を形成する前、若しくは流延ドラム212から流延膜214を剥ぎ取った後において吹き付ける。このとき、常時(連続的に)或いは間欠的に吹き付けを行う。流延膜214が剥ぎ取られた後であって可能な限り早期に洗浄ガス120を吹き付ければ、付着物の成長が進んでいないので効率良く付着物を粉砕除去できる。洗浄ガス120を吹き付ける時間は、付着物の粉砕を効率良くかつ効果的に行うことを目的として、好ましくは0.001秒以上5秒以下であり、より好ましくは0.01秒以上5秒以下である。
本発明のように洗浄ガス120を用いて流延ドラム212を洗浄する方法を用いれば、不織布等の清掃手段と対比して流延ドラム212の表面212aに洗浄跡を残すことなく付着物を取り除くことができ、流延ドラム212の表面212aを傷付けるおそれも軽減される。また、付着物除去装置2を減圧チャンバ222と剥取ローラ216との間であって流延ドラム212の表面212a近傍に設置すればフィルムの製造を停止させることなく洗浄することができる。なお、洗浄ガス120を吹き付ける方法は、防爆管理下にある流延ドラム212の表面212aの洗浄手段として適用可能である。
なお、上記実施形態では、内径が異なる小径オリフィス21及び大径オリフィス22を設け、小径ドライアイス粒子111と大径ドライアイス粒子112との2サイズのドライアイス粒子を生成したが、内径が異なる3種類以上のオリフィスを設けて、3サイズ以上のドライアイス粒子を生成してもよい。また、オリフィスの開口を段階的に変化可能にして、3サイズ以上のドライアイス粒子を生成してもよい。
さらに、各二酸化炭素流路18,19に開閉弁、切替弁、絞り弁などを設けて、特定のオリフィスへの液化二酸化炭素110の送出を選択的に行うことで、各ドライアイス粒子111,112の混合比率を変更してもよい。
また、本発明に係わるドラム洗浄機は、流延ドラムに対して被接触式であって、流延ドラムに対してその幅方向に均一に洗浄ガスを吹き付けることができるものが好ましい。好適な事例としては、例えば、支持体の幅方向全長と略同等の送風口を有するものが挙げられる。また、予め、小スケールでドープを流延する等して支持体の表面に付着物が付着しやすいポイントを特定しておき、このポイントに狙いを定めてドラム洗浄機をランダムに設置しても良い。
さらに、上記実施形態ではフィルム製造設備において流延ドラムの表面の付着物を除去する、いわゆるオンライン形態を記載したが、フィルム製造設備から取り出した流延ドラムの表面に同様の除去処理を施す、いわゆるオフライン形態で付着物を除去してもよい。更に、ドラム洗浄機の設置数は特に限定されず、1機或いは複数機を用いてもよい。複数のドラム洗浄機を用いる場合には、これらを流延ドラムの幅方向に並列してもよいし、予め、小スケールでドープを流延するなどして付着物が付着すると予想される箇所を特定した上で、当該箇所に狙いを定めてランダムに設置してもよい。1機の場合には、ドラム幅全域に走行可能な走査型の洗浄機を用いることが好ましい。これにより広域で付着物を粉砕することができる。なお、流延ドラムの替わりになる支持体として、回転ローラに掛け渡されて無端で走行する流延バンドを用いる場合でも、本発明の効果は発揮される。
また、上記実施形態では、液状付着物X1と固形付着物X2とが付着した平坦な被洗浄面に対してサイズの異なるドライアイス粒子が混在した洗浄ガスを吹き付けるようにしたが、被洗浄面はこれに限定されることなく、例えば凹凸表面に付着した固形付着物に対しても、本発明を用いて洗浄することができる。この場合には、図5に示すように、小径ドライアイス粒子111により付着物除去ノズル3に近い凸側洗浄面300aに付着した第1固形付着物Z1を除去し、大径ドライアイス粒子112により付着物除去ノズル3から遠い凹側洗浄面300bに付着した第2固形付着物Z2を除去する。この場合には、各固形付着物Z1,Z2に合わせたドライアイス粒子111,112が得られるように、各オリフィス21,22の内径を決定する。より具体的には、ドライアイス粒子111,112が洗浄面に到達する間に、液化や昇華して粒径が小さくなっても、目標とする洗浄面の固形付着物に対して衝突し、この衝突時の運動エネルギーにより固形付着物を破壊し除去し得る粒径が維持される大きさでドライアイス粒子111,112を形成するように、オリフィス21,22のサイズを決定する。なお、洗浄面300a,300bに付着した液状付着物に対しても同様に除去することができる。
本発明に係わるフィルム製造設備のうち、流延ダイ、減圧チャンバ、支持体等の構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
また、上記実施形態では、ポリマーフィルムとしてTACフィルムを用いて説明を行ったが、TACフィルムに限定されることなく、各種ポリマーフィルムにも本発明が適用できる。
本発明に用いることのできるポリマーフィルムとしては、例えば、セルロースアシレートフィルムのほかに、溶液製膜方法によって製造される環状オレフィン等のポリマーフィルムや、溶融製膜方法によって製造されたポリマーフィルムに対し本発明を適用することができる。
(セルロースアシレート)
セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、すなわちアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBはアシル基の置換度を表わし、置換度Aはアセチル基の置換度、また置換度Bは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
また、本発明に用いられるポリマーはセルロースアシレートに限定されるものではない。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1である)を意味する。
全アシル化置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位及び6位の水酸基による置換度の総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBはその20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位の置換度が0.75以上であり、さらには0.80以上であり特には0.85以上であるセルロースアシレートも挙げることができる。これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(ドープ)が作製できる。特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。さらに粘度が低く、濾過性の良い溶液の作製が可能となる。セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでも良い。
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。セルロースアシレートを用いた溶液製膜方法によるフィルムの製造方法についても、同じく特開2005−104148号の[0517]段落から[0913]段落に詳細に記載されている。これらの記載も本発明に適用可能である。
(環状オレフィン)
環状オレフィンはノルボルネン系化合物から重合されるものが好ましい。この重合は開環重合、付加重合いずれの方法でも行える。付加重合としては例えば特許3517471号公報記載のものや特許3559360号公報、特許3867178号公報、特許3871721号公報、特許3907908号公報、特許3945598号公報、特表2005−527696号公報、特開2006−28993号公報、国際公開第2006/004376号パンフレットに記載のものが挙げられる。特に好ましいのは特許3517471号公報に記載のものである。
開環重合としては国際公開第98/14499号パンフレット、特許3060532号公報、特許3220478号公報、特許3273046号公報、特許3404027号公報、特許3428176号公報、特許3687231号公報、特許3873934号公報、特許3912159号公報記載のものが挙げられる。なかでも好ましいのが国際公開第98/14499号パンフレット、特許3060532号公報記載のものである。これらの環状オレフィンの中でも付加重合のものの方がより好ましい。
次に、本発明に係わる実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。なお、ここに示す形態は、本発明に係わる一例であって、本発明を限定するものではない。
〔フィルム製造〕
フィルム製造設備200において、流延ドラム212の表面212a上に、ドープを乾燥厚み80μmで流延し、流延膜214を形成した。自己支持性を有する流延膜214を、剥取ローラ216で支持しながら流延ドラム212から剥ぎ取って湿潤フィルム215を得た。渡り部203及びテンタ204を介して湿潤フィルム215を所定の残留溶媒量まで乾燥しフィルム225を得た。
〔ドラム洗浄〕
付着物除去装置2により、オンラインで流延ドラム212の洗浄を行った。流延ドラム212の表面212aに対する洗浄ガス120の吹き付け角度θ1は85°とした。小径オリフィス21の内径を0.2mmとし、大径オリフィス22の内径を0.35mmとした。比Rは、1:1とした。
キャリアガス100の流量Q1(m3 /mm・分)を0.04とし、液化二酸化炭素110の質量流量Q2(kg/mm・分)を0.02とした。
洗浄ガス120の吹き付け圧を900kPaとして、その吹き付け時間を5秒とした。
流延ドラム212の表面212aに汚れ(液状付着物X1及び固形付着物X2)が付着しているか否かを目視により確認した。洗浄ガス噴出口15から流延ドラム212までの距離L1は、1mm、3mm、5mm、10mmのそれぞれで実験を行った。この実験の結果を表1に示す。
表1において、汚れの付着度合の評価として、A〜Fまでランク付けした。Aランクは汚れの付着が全く確認されない場合、Bランクは汚れの付着が非常に少ない場合、Cランクは汚れの付着が少ない場合、Dランクは汚れの付着が若干確認されたが製造上問題にはならないレベルの場合、Eランクは汚れの付着が確認されたがギリギリ製造上問題にはならないレベルの場合、Fランクは非常に多くの汚れが確認され、製造上問題がある場合とした。この結果、L1=1mmの場合には、汚れは非常に少なく(Bランク)、L1=3mm、L1=5mm、L1=10mmの場合には、汚れの付着が若干確認されたが製造上問題にはならないレベルであった(Dランク)。
Figure 0005162395
実施例2では、比Rを1:9とした以外は、全て実施例1と同様にした。なお、比Rは、小径二酸化炭素流路18、大径二酸化炭素流路19及び各オリフィス21,22の数を変えることにより行う。この実験の結果を表1に示す。その結果、L1=1mm、L1=10mmの場合には、汚れの付着が確認されたがギリギリ製造上問題にはならないレベルであり(Eランク)、L1=3mmの場合には、汚れの付着が少なく(Cランク)、L1=5mmの場合には、汚れの付着が若干確認されたが製造上問題にはならないレベルであった(Dランク)。
実施例3では、比Rを9:1とした以外は、全て実施例1と同様にした。この実験の結果を表1に示す。その結果、L1=1mm、L1=3mmの場合には、汚れの付着が非常に少なく(Bランク)、L1=5mm、L1=10mmの場合には、汚れの付着が確認されたがギリギリ製造上問題にはならないレベルであった(Eランク)。
〔比較例1〕
比較例1では、大径オリフィス22を用いずに、小径オリフィス21のみを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にした。すなわち、比較例1では、洗浄ガス120には、小径ドライアイス粒子111のみが含まれる。その結果、L1=1mmの場合には、汚れの付着が全く確認されず(Aランク)、L1=3mmの場合には、汚れの付着が若干確認されたが製造上問題にはならないレベルであり(Dランク)、L1=5mm、L1=10mmの場合には、汚れの付着が確認されたがギリギリ製造上問題にはならないレベルであった(Eランク)。
〔比較例2〕
比較例2では、小径オリフィス21を用いずに、大径オリフィス22のみを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にした。すなわち、比較例2では、洗浄ガス120には、大径ドライアイス粒子112のみが含まれる。その結果、L1=1mmの場合には、非常に多くの汚れが確認され、製造上問題があり(Fランク)、L1=3mm、L1=10mmの場合には、汚れの付着が若干確認されたが製造上問題にはなないレベルであり(Cランク)、L1=5mmの場合には、汚れの付着が非常に少なかった(Bランク)。
なお、小径オリフィス21及び大径オリフィス22の内径が、0.2mm以上0.5mm以下の範囲内であれば、上記した実験結果と同様の結果を得られた。
実施例4では、L1を3mmとし、比Rは、1:9、3:7、1:1、7:3、9:1のそれぞれで実験を行い、それ以外は、全て実施例1と同様にした。液状付着物X1の除去状況、固形付着物X2の除去状況を目視により確認した。この実験の結果を表2に示す。その結果、比Rが1:9の場合には、液状付着物X1は付着が若干確認されたが製造上問題にはならないレベルであり(Dランク)、固形付着物X2は全く確認されなかった(Aランク)。比Rが3:7の場合には、液状付着物X1は付着が若干確認されたが製造上問題にはなないレベルであり(Cランク)、固形付着物X2は付着が非常に少なかった(Bランク)。比Rが1:1の場合には、液状付着物X1及び固形付着物X2ともに、付着が非常に少なかった(Bランク)。比Rが7:3の場合には、液状付着物X1は付着が非常に少なく(Bランク)、固形付着物X2は付着が若干確認されたが製造上問題にはなないレベルであった(Cランク)。比Rが9:1の場合には、液状付着物X1は全く確認されず(Aランク)、固形付着物X2は付着が若干確認されたが製造上問題にはならないレベルであった(Dランク)。
Figure 0005162395
ドラム洗浄機と流延ドラムとを示す概略図である。 ドラム洗浄機を示す斜視図である。 フィルム製造設備を示す概略図である。 ドラム洗浄機を利用した流延ドラム周辺の概略図である。 凹凸表面に付着した固形付着物に対して小径ドライアイス粒子及び大径ドライアイス粒子を噴射した状態を示す概略図である。
符号の説明
2 付着物除去装置
3 付着物除去ノズル
11 第1ノズル本体
12 第2ノズル本体
13 キャリアガス導入口
15 洗浄ガス噴出口
21 小径オリフィス
22 大径オリフィス
31 粒子形成部
35 第1整流用ポケット
36 送出流路
37 第2整流用ポケット
100 キャリアガス
110 液化二酸化炭素
111 小径ドライアイス粒子
112 大径ドライアイス粒子
120 洗浄ガス
200 フィルム製造設備
212 流延ドラム
212a 表面
214 流延膜
225 TACフィルム

Claims (9)

  1. キャリアガスの導入口及び噴出口を有するキャリアガス通路と、
    前記キャリアガス通路内に液化二酸化炭素を送出する二酸化炭素通路と、
    前記二酸化炭素通路が前記キャリアガス通路に開口し、その開口サイズが異なる複数の二酸化炭素噴出口を有するドライアイス粒子形成部とを備えることを特徴とする付着物除去ノズル。
  2. 前記キャリアガスの噴出口はスリット状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の付着物除去ノズル。
  3. 前記二酸化炭素噴出口は、少なくとも大径と小径の2サイズがあり、交互に配置されていることを特徴とする請求項2記載の付着物除去ノズル。
  4. 前記二酸化炭素噴出口が形成されるキャリアガス通路の面は平面であり、前記大径二酸化炭素噴出口と前記小径二酸化炭素噴出口とが千鳥に配置されていることを特徴とする請求項3記載の付着物除去ノズル。
  5. 前記小径の二酸化炭素噴出口の開口面積総和と前記大径の二酸化炭素噴出口の開口面積総和との比を1:9〜9:1の範囲内としたことを特徴とする請求項3または4記載の付着物除去ノズル。
  6. 第1ノズル本体及び第2ノズル本体を重ね合わせて、この重ね合わせ部分に前記キャリアガス通路が形成され、
    前記キャリアガス通路は、前記キャリアガスの噴出口から順に、送出流路、前記送出流路の通路断面積よりも大きな通路断面積を有する第1ポケット、前記第1ポケットの通路断面積よりも小さな通路断面積を有する前記ドライアイス粒子形成部、及び前記ドライアイス粒子形成部の通路断面積よりも大きな通路断面積を有する第2ポケットを備えることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の付着物除去ノズル。
  7. キャリアガス通路に開口サイズが異なる噴出口から液化二酸化炭素を送って複数サイズのドライアイス粒子を形成し、
    前記複数サイズのドライアイス粒子を前記キャリアガスにより噴出口から吹き出し、
    前記ドライアイス粒子を付着物に衝突させて前記付着物を除去することを特徴とする付着物除去方法。
  8. 前記ドライアイス粒子は、5μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項7記載の付着物除去方法。
  9. エンドレスに走行する支持体の上に、ポリマー溶液と溶媒とを含むドープを流延し、流延膜を形成する流延膜形成工程と、
    前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取り乾燥してフィルムとする乾燥工程と、
    前記流延膜を剥ぎ取った前記支持体の表面に対し、請求項1から6いずれか1項記載の付着物除去ノズルを用いて前記支持体面に付着した付着物を除去する付着物除去工程とを有することを特徴とする溶液製膜方法。
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