JP5161382B1 - 水流噴射装置およびそれを備えた水流発電システム - Google Patents

水流噴射装置およびそれを備えた水流発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】環境に優しくかつ低コストの発電を行なうことができる水流噴射装置およびそれを備えた水流発電システムを提供することを目的とする。
【解決手段】道路80の下の地中に水路90を形成し、水路90内に水を満たす。また、水路90内に水流噴射装置10と発電タービン130を設置し、水流噴射装置10が発電タービン130に向けて水を噴出する。自動車150の前輪が、踏み板70を登ると、踏み板70に自動車150の重量がかかるので、油圧ピストン21が押し下げられる。このとき、水流噴射装置10の噴出口41から水が勢いよく噴出されるので、水路90内の水は噴出方向に流れ、下流に設置された発電タービン130を回す。これにより、発電が行なわれる。
【選択図】図4

Description

本発明は、水流噴射装置およびそれを備えた水流発電システムに関し、より詳細には、道路、線路等に設置される水流噴射装置およびそれを備えた水流発電システムに関する。
近年、環境汚染が深刻な原子力発電に代わり、例えば太陽光発電、風力発電等の自然エネルギーを利用する発電方法の開発が進められている。しかし、これらの発電方法は、天候に左右されたり、風力に左右されたりするので、安定して電力を供給することが難しいという問題がある。また、ソーラーパネルを設置したり、風車を設置したりするために、広大な土地が必要になるという問題もある。
また、特許文献1には、高速道路の料金所の地下に発電装置として機能するポンプ型水槽を設置し、当該ポンプ型水槽の上を自動車が通過する際に水槽内の水路に流れる水を利用して発電タービンを回すことにより、発電することが開示されている。
特開2007−2832号公報
しかし、特許文献1に開示されているポンプ型水槽では、その内部に設けられた水路に水を流すことによって発電を行なうので、ポンプ型水槽ごとに少なくとも1台の発電タービンを設置しなければならない。このため、ポンプ型水槽の製造コストが高くなり、ひいては発電コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、環境に優しくかつ低コストの発電を行なうことができる水流噴射装置およびそれを備えた水流発電システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、外部から力を与えられると水流を噴出する水流噴射装置であって、
外部から与えられた力を伝達する圧力伝達部と、
内壁を摺動しながら上下に移動可能なピストンと、貫通孔が設けられ、かつ内壁に固定された支持板と、一端および他端が前記ピストンおよび前記支持板にそれぞれ固定され、かつ復元力を有する弾性体とを有し、前記ピストンと前記支持板とによって挟まれた空間に水を蓄えることが可能なシリンダと、
前記シリンダに取り付けられ、前記シリンダから噴出された水の噴出方向を制御する排出管とを備え、
前記圧力伝達部は、
媒体槽と、
前記媒体槽の内壁を摺動しながら上下に移動可能な圧力伝達ピストンと、
前記媒体槽の底面と前記シリンダとを接続する配管と、
前記媒体槽と、前記配管と、前記配管および前記ピストンによって挟まれた前記シリンダの空間とに密閉された圧力媒体とを備え、
前記外部から与えられた力が前記圧力伝達ピストンに与えられると、前記圧力伝達ピストンが前記媒体槽の内壁を摺動しながら下方に移動することによって、前記外部からの力を前記ピストンに伝え、
前記ピストンが前記弾性体によって押し上げられると、前記圧力伝達ピストンが前記媒体槽の内壁を摺動しながら上方に移動し、
前記外部から与えられた力が前記弾性体の前記復元力よりも強いとき、前記ピストンは前記弾性体を押し縮めるように移動し、前記シリンダに蓄えられた水を噴出することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記シリンダの側面に設けられた開口部に取り付けられ、前記シリンダの前記空間と連通する給水管をさらに備え、
前記外部から与えられた力が前記弾性体の前記復元力よりも弱いとき、前記ピストンは前記弾性体によって押し上げられ、前記給水管から前記シリンダの前記空間に水が供給されることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記支持板の前記貫通孔を塞ぐための第1の逆止弁と、前記シリンダの側面の前記開口部を塞ぐための第2の逆止弁とをさらに備え、
前記シリンダに蓄えられた水を噴出するとき、前記第1の逆止弁が開くと共に、前記第2の逆止弁が閉じ、
前記シリンダの前記空間に水を供給するとき、前記第1の逆止弁が閉じると共に、前記第2の逆止弁が開くことを特徴とする。
の発明は、第1から第のいずれかの発明において、
前記弾性体はばねであることを特徴とする。
の発明は、水流によって発電する水流発電システムであって、
自動車が互いに逆方向に走行可能な車線をそれぞれ少なくとも1車線ずつ含む道路と、
前記車線の下方の地中に埋設された複数の主水路と、前記複数の主水路の各端部を接続する複数の横断水路とによって構成され、水を貯水する環状水路と、
少なくとも前記排出管が前記環状水路の水中に没するように取り付けられた、第1から第のいずれかの発明に係る水流噴射装置と、
前記水流噴射装置の前記圧力伝達ピストンに取り付けられ、前記道路の路面に配置された複数の踏み板と、
前記環状水路内に設置された発電タービンとを備え、
前記水流噴射装置は、前記自動車が前記踏み板上を通過したときに前記踏み板を押し下げることにより、前記排出管から水を噴出して前記環状水路内の水を循環させ、
前記発電タービンは、前記環状水路内を循環する水によって回されることを特徴とする。
第6の発明は、水流によって発電する水流発電システムであって、
列車が互いに逆方向に走行可能な単線の線路をそれぞれ少なくとも1線路ずつ含む複線の線路と、
前記単線の線路の下方の地中に埋設された複数の主水路と、前記複数の主水路の各端部を接続する複数の横断水路とによって構成され、水を貯水する環状水路と、
少なくとも前記排出管が前記環状水路の水中に没するように取り付けられた、第1から第のいずれかの発明に係る水流噴射装置と、
前記水流噴射装置の前記圧力伝達ピストンに取り付けられ、前記単線の線路を構成する2本のレールの間の地面に配置された踏み板と、
前記環状水路内に設置された発電タービンとを備え、
前記水流噴射装置は、前記列車が前記踏み板上を通過したときに、前記列車の底面に取り付けられた押圧部が前記踏み板を押し下げることにより、前記排出管から水を噴出して前記環状水路内の水を循環させ、
前記発電タービンは、前記環状水路内を循環する水によって回されることを特徴とする。
第7の発明は、第5または第6の発明において、
給水管は水を取り入れるための給水口を有し、前記給水口は前記環状水路に貯水された水の水位よりも低い位置に設けられていることを特徴とする。
第8の発明は、第5から第7のいずれかの発明において、
前記発電タービンは、水流が噴出される方向であって、前記水流噴射装置の前記排出管の近傍に設置されていることを特徴とする。
第9の発明は、第5から第8のいずれかの発明において、
前記発電タービンと送電線に接続された蓄電池をさらに備え、前記蓄電池は前記発電タービンによって発電された電気を蓄積し、前記送電線を介して外部に送電することを特徴とする。
10の発明は、第の発明において、
前記押圧部は、前記列車の底面に取り付けられた支持部材と、前記支持部材に回転可能に取り付けられた弾性材からなるタイヤとによって構成され、
前記タイヤの地面からの高さは、前記踏み板の高さよりも低くなるように固定され、
前記列車が前記踏み板上を走行するとき、前記タイヤは前記踏み板上を転がりながら進むことによって押圧することを特徴とする。
11の発明は、第10の発明において、
前記踏み板は、前記列車の進行方向に向かって高さが高くなる斜面のみからなることを特徴とする。
第1の発明によれば、外部から圧力伝達部に力を与えられると、与えられた力が圧力伝達部内の圧力媒体によってピストンに伝えられる。ピストンに伝えられた力が、シリンダのピストンと支持板とによって挟まれた空間に収納された弾性体の復元力よりも強い場合には、ピストンが弾性体を押し縮める。これにより、シリンダのピストンと支持板とによって挟まれた空間に蓄えられていた水が支持板の貫通孔から押し出されるので、水流噴射装置は、排出管によって噴出方向を制御された水流を噴出することができる。このように、水流噴射装置は、水流を噴出する際に環境を汚染する物質を排出することがない。また、水流噴射装置の構造が簡単であるため保守点検が容易である。また、電力等のエネルギーを供給しなくても動作させることができるので、水流噴射装置の運転コストを抑えることができる。さらに、圧力伝達部とシリンダとを接続する配管が設けられているので、外部からの力に対して圧力伝達部を垂直に保ちつつ、配管だけを曲げて水路に設置することができる。これにより、外部からの力を効率よくピストンに伝達することができるとともに、水流噴射装置を幅の狭い水路に設置することができる。この場合、掘削のための工事費を低減することができ、ひいては発電コストを低減することができる。
第2の発明によれば、外部から与えられた力が弾性体の復元力よりも弱くなると、弾性体によってピストンが押し上げられ、シリンダの支持板とピストンとによって挟まれた空間に水が供給される。これにより、外部から再び力が与えられると、水流噴射装置は主流を噴出することができる。
第3の発明によれば、ピストンを押し下げるときには、第1の逆止弁を開き、第2の逆止弁を閉じるので、シリンダ内に蓄えられた水を貫通孔からのみ押し出すことができる。また、ピストンを押し上げるときには、第1の逆止弁を閉じ、第2の逆止弁を開くので、給水管のみからシリンダ内に水を供給することができる。このように、ピストンから水を押し出したり、ピストンに水を供給したりすることを効率的に行なうことができる。
の発明によれば、弾性体としてばねを使用することにより、外部から力を与えられていないとき、または弱い力を与えられているとき、ピストンを容易に押し上げることができる。さらに、ゴムなどを使用する場合に比べて水流噴射装置の耐久性を向上させることができる。
の発明によれば、互いに逆方向に走行可能な車線をそれぞれ少なくとも1車線ずつ含む道路を自動車が走行することにより、路面に設置された踏み板が自動車によって押し下げられる。その結果、環状水路に取り付けられた水流噴射装置の排出管から環状水路内に水が噴出され、環状水路内を水が循環する。この循環する水によって、発電タービンが回され、発電が行われる。このような発電システムは、環境を汚染する物質を排出することがないので、環境に優しい発電を行なうことができる。また、低コストで動作する水流噴射装置から噴出される水流を利用して発電を行なうので、発電コストを低く抑えることができる。
の発明によれば、互いに逆方向に走行可能な単線の線路をそれぞれ少なくとも1線路ずつ含む複線の線路を列車が走行することにより、単線の線路を構成する2本のレールの間の地面に設置された踏み板が、列車の底面に取り付けられた押圧部によって押し下げられる。その結果、環状水路に取り付けられた水流噴射装置の排出管からを環状水路内に水が噴出され、環状水路内を水が循環する。この循環する水によって、発電タービンが回され、発電が行われる。このような発電システムは、環境を汚染する物質を排出しないので、環境に優しい発電を行なうことができる。また、低コストで動作する水流噴射装置から噴出される水流を利用して発電を行なうので、発電コストを低く抑えることができる。
第7の発明によれば、給水管の給水口を環状水路に貯水された水の水位よりも低い位置に設けることによって、給水口からシリンダ内に水を供給しやすくすることができる。
第8の発明によれば、水流噴射装置から噴出される水流の噴出方向の近傍に発電タービンを設置するので、流速が速い水流によって発電タービンを回すことができる。これにより、発電タービンの回転が速くなるので、より多くの発電を行なうことができる。
第9の発明によれば、発電タービンは蓄電池に接続されているので、発電タービンによって発電された電気を蓄電池に蓄電することにより、蓄電池に接続された送電線を介して各家庭等に直接送電したり、変電所に送電したりすることができる。
10の発明によれば、2本のレールの間に配置された踏み板は、列車の底面に取り付けられたタイヤが踏み板上を転がりながら進むので、列車が踏み板上を走行する際に受ける衝撃が少なく、乗客の乗り心地を悪くすることはない。
11の発明によれば、踏み板は列車の進行方向に向かって高くなる斜面のみからなるので、踏み板の製造が容易であり、水流噴射装置の製造コストひいては水流発電システムによる発電コストを低減することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る水流発電システムに使用される水流噴射装置の構成を示す図である。 図1に示す水流噴射装置において、シリンダ内の水を噴出するときの動作を示す図である。 図1に示す水流噴射装置において、シリンダ内に水を供給するときの動作を示す図である。 図1に示す水流噴射装置を用いて発電する原理を示す図である。 図1に示す水流噴射装置を用いて発電する原理を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る水流発電システムの構成を示す平面図である。 図6に示す水流発電システムにおいてA−A線に沿った断面図である。 図6に示す水流発電システムにおいて、主水路の幅が踏み板を並べた領域の幅よりも狭い場合を示す断面図である。 図8に示す水流発電システムに使用される水流噴射装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る水流発電システムの構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る水流発電システムの構成を示す平面図である。 (A)および(B)は、それぞれ図11に示す水流発電システムの線路を走行する列車の正面図および側面図である。 図12に示す列車の底面に取り付けられた押圧部の形状を示す図である。 (A)および(B)は、それぞれ図11に示す水流発電システムの線路の間に設けられた踏み板上を通過する列車の正面図および側面図である。 図13に示す列車に取り付けられた押圧部のタイヤが踏み板上を進む様子を示す図である。 図11に示す水流発電システムにおいて、2本のレールに挟まれた地面に、レールが延びる方向に沿って踏み板を一列に並べた図である。 図11に示す水流発電システムにおいて、複数の踏み板が線路の間に並行に並べられた配置を示す図である。 図17に示す線路上を走行する列車の正面図である。 図11に示す水流発電システムに使用可能な他の形状の踏み板を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る水流噴射装置およびそれを備えた発電システムについて、添付図面を参照して詳細に説明する。
<1.第1の実施形態>
<1.1 水流噴射装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る水流発電システムに使用される水流噴射装置10の構成を示す図である。図1に示すように、水流噴射装置10は、油圧部20と、シリンダ31と、排出管40と、給水管50とからなり、油圧部20の油圧ピストン21に外部から力が加えられると、排出管40から水流を噴出することができる装置である。
油圧部20は、油槽22と、油槽22の内壁を摺動しながら上下に移動可能な油圧ピストン21と、油槽22の底面に接続された配管23とからなる。油圧ピストン21と後述するシリンダ31のピストン32とによって挟まれた、油槽22、配管23およびピストン32の上方のシリンダ31内の空間に、鉱物油を主成分とする作動油24が封入されている。
油圧ピストン21に力が加えられると、油圧ピストン21は油槽22内を下降し、油圧ピストン21の断面積とピストン32の断面積との比に応じた下向きの力が作動油24を介してピストン32に伝わる。この場合、油圧ピストン21の面積をピストン32の面積よりも大きくすれば、ピストン32に伝わる力が大きくなるだけでなく、ピストン32の下向きの移動距離は、油圧ピストン21の移動距離よりも長くなる。
シリンダ31内には、その内壁を摺動しながら上下に移動可能なピストン32と、シリンダ31の下方でシリンダ31の内壁に固定された支持板34と、ピストン32と支持板34とによって挟まれた空間に収納されたコイルばね(以下、「ばね」という)33とが含まれる。
シリンダ31の上部には、油槽22から延びる配管23が接続されている。シリンダ31内をピストン32が上下に移動することにより、作動油24は、配管23からピストン32の上部のシリンダ31に入ったり、シリンダ31から配管23に出たりする。また、ピストン32と支持板34とによって挟まれたシリンダ31内の空間には、水を注入したり噴出したりすることができる。
支持板34には、貫通孔35が設けられると共に、その下面に逆止弁36(第1の逆止弁)が取り付けられている。ばね33は、その一端がピストン32の下面に固定され、他端が支持板34の上面に固定されており、シリンダ31の長さ方向に伸縮可能な状態でシリンダ31内に収納されている。
このため、シリンダ31内に水が入っている状態で、ばね33の復元力よりも大きな力でピストン32が押し下げられると、ばね33が縮むことによって、シリンダ31内に入っていた水が貫通孔35から勢いよく排出される。また、ピストン32に加えられていた力がばね33の復元力よりも弱くなると、ばね33の復元力によりピストン32は元の位置まで押し上げられる。
逆止弁36は、貫通孔35を開いたり閉じたりする。すなわち、シリンダ31内の水が貫通孔35から噴出されるときには、シリンダ31内の圧力が高くなるので、逆止弁36が開く。しかし、ピストン32がばね33によって押し上げられることによって、シリンダ31内の圧力が低くなれば、逆止弁36は閉じ、貫通孔35を塞ぐ。このため、水が外部から貫通孔35を通ってシリンダ31内に逆流することはない。
また、シリンダ31内に水を供給するために、シリンダ31の側面に開口部37が設けられ、給水管50が開口部37に取り付けられている。給水管50はシリンダ31の側面に対して斜め上方に向かって延びるように取り付けられている。これにより、給水管50からシリンダ31内に水を供給することができる。開口部37に近いシリンダ31の内壁には逆止弁52(第2の逆止弁)が取り付けられている。ピストン32および逆止弁36、52の動作については後述する。
排出管40はシリンダ31の底面に接続され、支持板34の貫通孔35から噴出された水は排出管40から外部に噴出される。このため、排出管40の噴出口41の向きを変えることにより、水流噴射装置10は水流を任意の方向に噴出することができる。
<1.2 水流噴射装置の動作>
図2は、シリンダ31内の水を噴出するときの水流噴射装置10の動作を示す図であり、図3は、シリンダ31内に水を供給するときの水流噴射装置10の動作を示す図である。
まず、ピストン32が上方に移動し、ピストン32と支持板34とによって挟まれたシリンダ31内の空間に、水が満たされているとする。このとき、図2に示すように、外部から油圧ピストン21に力を加えられると、油圧ピストン21は押し下げられる。油圧ピストン21に加えられた力は、封入された作動油24を介してシリンダ31内のピストン32に伝わり、ピストン32を下向きに押し下げようとする。ピストン32を押し下げようとする力がばね33の復元力よりも大きければ、ピストン32はばね33を押し縮めて下向きに移動する。このとき、シリンダ31内の圧力が高くなり、開口部37は逆止弁52によって塞がれるので、シリンダ31内の水が給水管50に逆流することはない。また、逆止弁36は開き、シリンダ31内の水は貫通孔35から排出管40に噴出される。
次に、油圧ピストン21に加えられていた力がばね33の復元力よりも弱くなれば、ばね33が復元力によって伸び、ピストン32はばね33によって押し上げられる。ピストン32が押し上げられれば、封入された作動油24を介して上向きの力が油圧ピストン21に伝えられ、油圧ピストン21は押し上げられる。これにより、油圧ピストン21は、力が加えられる前の位置に戻る。このとき、シリンダ31内の圧力が低くなるので、逆止弁36が閉じ、逆止弁52が開く。これにより、貫通孔35が塞がれ、開口部37が開くので、給水管50からシリンダ31内に水が供給され、ピストン32と支持板34とによって挟まれたシリンダ31内の空間に水が満たされる。
再び外部から油圧ピストン21に力が加えられれば、油圧ピストン21は押し下げられ、排出管40から水が噴出される。また、油圧ピストン21に加えられていた力が弱くなれば、給水管50からシリンダ31内に水が供給され、ピストン32および油圧ピストン21は元の位置に戻る。このようにして、油圧ピストン21に力が加えられるごとに、水流噴射装置10は水を噴出する。
また、逆止弁36、52が同時に開いたり閉じたりすることはないので、シリンダ31内から水を噴出する経路と、シリンダ31内に水を供給する経路とが異なる。これにより、水の噴出および供給を効率よく行なうことができる。
なお、ばね33の代わりに、ゴム等の弾性体を使用することもできる。しかし、ばね33を使用することにより、水流噴射装置10の耐久性を向上させることができる。
<1.3 水流発電システムの原理>
図4および図5は、図1に示す水流噴射装置10を用いて発電する原理を示す図である。図4に示すように、道路80の下の地中に水路90を形成し、水路90内に水を満たす。また、水路90内に水流噴射装置10と発電タービン130を設置し、水流噴射装置10の噴出口41から発電タービン130に向けて水を噴出するように、噴出口41の方向を調整する。なお、詳細は後述するが、水流噴射装置10の噴出口41と発電タービン130だけでなく、給水管50の給水口51も水中に没するように、水路90内の水位を調整する。
自動車150が水流噴射装置10上を走行しやすいように、水流噴射装置10の油圧ピストン21の上面に踏み板70が取り付けられている。踏み板70は、図4に示すように、油圧ピストン21の上面から左下方に向かって延びる斜面と、右下方に向かって延びる斜面とが油圧ピストン21の上面で繋がれた板である。自動車150の前輪は、図4の左側から踏み板の左側斜面を登って油圧ピストン21の上面に到達し、さらに右側の斜面を下る。
踏み板70は、その前後の端部が道路80の路面によって支えられている。踏み板70上に自動車150の前輪が乗り上げると、踏み板70に自動車150の重量がかかるので、踏み板70を支える両端部が路面上を滑り、踏み板70の高さが低くなる。これにとり、油圧ピストン21が押し下げられ、水流噴射装置10の噴出口41から水が噴出される。その結果、水路90内の水は噴出方向に流れ、下流に設置された発電タービン130を回すので、発電が行なわれる。なお、踏み板70の高さおよび傾斜は、自動車に乗っている人の乗り心地が悪くならないように設定される。
図5に示すように、自動車150の前輪が踏み板70上を通過すると、踏み板70に自動車150の重量がかからなくなるので、水流噴射装置10の油圧ピストン21は元の位置に戻る。これにより、踏み板70も押し上げられて元の高さに戻る。
次に、自動車150の後輪が踏み板70上を走行すると、再び水流噴射装置10の噴出口41から水が勢いよく噴出され、水路90内の水は噴出方向に流れるようになる。このようにして、水路90内に水流が生じると、発電タービン130は水流によって回され、発電が行なわれる。水流噴射装置10が水を噴出する回数が多くなればなるほど、水流の流速は速くなり、発電タービン130を回す回数が多くなる。
水路90を環状にした環状水路内で水を循環させれば、水流噴射装置10から水路90内の水に与えられるエネルギーは蓄積されるので、水路90内を循環する水流の流速が速くなる。これにより、発電タービン130の回転数が多くなり、発電量をより増やすことができる。このように、水路90を環状水路にすることによって、水流噴射装置10から噴出される水のエネルギーを効率的に発電に利用することができる。
また、図4および図5では、水流発電の原理を示すために、水路90内に設置された水流噴射装置10および発電タービン130はそれぞれ1台ずつとしたが、多数の水流噴射装置10および発電タービン130を水路90内に設置すれば、それに応じて発電量をより増やすことができる。
そこで、水流噴射装置10を用いて効率的に発電を行なうことができる水流発電システム100を以下に説明する。
<1.4 水流発電システム>
図6は、本発明の第1の実施形態に係る水流発電システム100の構成を示す平面図であり、図7は、図6に示す水流発電システム100においてA−A線に沿った断面図である。
図6に示すように、片側1車線ずつ、合計2車線の道路110の下方の地中に、環状水路120が形成されている。環状水路120は、道路110の各車線に沿って延びる2本の主水路121と、2本の主水路121をその両端でそれぞれ接続する2本の横断水路122とによって構成されている。水は、環状水路120を循環するように流れている。図6の各主水路121では、環状水路120内の水は、その上方の道路110を走行する自動車と同じ方向(矢印で示す方向)に流れ、全体として環状水路120を右回りに流れている。
各主水路121には、それぞれ2台の発電タービン130が設置され、これら2台の発電タービン130は所定の距離だけ離して1台ずつ設置されている。発電タービン130は蓄電池135に接続されており、発電タービン130によって発電された電気は蓄電池135に蓄電される。蓄電池135には送電線(図示しない)が接続されているので、送電線を介して各家庭等に直接送電したり、変電所に送電したりすることができる。
各車線の路面には、幅が車線幅とほぼ等しく、長さが複数個分の踏み板70の長さに相当する面積を有し、水流噴射装置の油圧ピストンに取り付けられた複数個の踏み板70をマトリクス状に並べた領域140が、車線ごとにそれぞれ2箇所ずつ設けられている。この領域140は、発電タービン130が設置された主水路121の上流側の路面上に設けられている。これにより、水流噴射装置10から噴出された直後の水流によって発電タービン130を回すことができるので、発電タービン130を高速で回転させることができ、発電量を増やすことができる。
また、踏み板70が配列された領域140の幅を各車線の幅とほぼ等しい長さにすることによって、自動車が路面上を進行方向に向かって左右のいずれかに偏って走行している場合であっても、自動車はいずれかの踏み板70上を確実に走行することができる。これにより、道路110を走行する大多数の自動車が発電に寄与するので、発電量を増やすことができる。
図7に示すように、図示しない配管または排出管の長さを調整することによって、主水路121内に設置された複数の水流噴射装置の噴出口41は、主水路121内の異なる位置および深さにそれぞれ配置されている。これにより、各噴出口41から主水路121内に噴出される水流が環状水路120内の水全体を一様に循環させる。この場合、主水路121の幅方向に複数台の発電タービン130を並べて設置することにより、各発電タービン130を略同じ回転数で回すことができるので、発電量をより増やすことができる。
また、図5に示すように、水流噴射装置10が水を噴出した後、ばね33の復元力によってピストン32が元に戻る際に、給水管50の給水口51からシリンダ31内に水を供給できるようにするために、水路90内を流れる水の水位を、給水管50の給水口51よりも高い位置になるようにする。これにより、シリンダ31内のピストン32が上昇することによって、シリンダ31内の圧力が低くなったとき、逆止弁52が開き、水路90内の水がシリンダ31内に確実に供給することができる。
図8は、図6に示す水流発電システム100において主水路121の幅が踏み板70を並べた領域140の幅よりも狭い場合を示す断面図である。図9は、図8に示す主水路121の端部に取り付けられた水流噴射装置15の構成を示す図である。図8に示す主水路121の端部付近に、主水路121の中央付近に取り付けられた水流噴射装置10と同じ水流噴射装置を取り付ければ、水流噴射装置10の噴出口41と給水口51を主水路121内に配置することができない。そこで、図9に示す斜めに傾いた水流噴射装置15を準備し、油圧ピストン21上に踏み板70を取り付け、主水路121内に設置する。このような水流噴射装置15を設置することにより、主水路121の幅が狭くても発電を行なうことができる。この場合、主水路121を掘削するための工事費を低減することができ、ひいては発電コストを低減することができる。
また、図6では、主水路121内に設置する発電タービン130は1台ずつとした。しかし、複数の水流噴射装置10のうち、より近い位置に設置された水流噴射装置10の噴出口41から噴出される水流を有効に利用できるように、発電タービン130の設置台数および設置方法を変えてもよい。例えば、主水路121の幅が広い場合には複数台の発電タービン130を主水路121の幅方向に並べて設置してもよい。また、主水路121の深さが深い場合には、複数台の発電タービン130を深さ方向に並べて設置してもよい。いずれの場合にも、主水路121内の水流を有効に活用することができるので、発電コストを低減することができる。
また図6では、上記実施形態では、環状水路120を流れる水の方向は、自動車の走行方向と同じであるとした。しかし、水流噴射装置10の排出管40の噴出口41を逆向きにすることにより、環状水路120を流れる水の方向を自動車の走行方向と逆向きの方向にすることができる。
<1.5 効果>
第1の実施形態によれば、水流噴射装置10は、水流を噴出する際に環境を汚染する物質を排出することがなく、また水流噴射装置10の構造が簡単であるため保守点検が容易である。また電力等のエネルギーを供給しなくても、水流噴射装置10は動作するので、その運転コストを抑えることができる。
また、道路110の下方の地中に水を貯水する環状水路120が設けられ、環状水路120に水流噴射装置10が取り付けられている。水流噴射装置10に取り付けられた踏み板70上を自動車150が走行すれば、水流噴射装置10から噴出される水流によって、環状水路120内の水が循環し、発電タービン130を回す。これにより、環境を汚染する物質を排出することがないので、環境に優しい発電を行なうことができる。また、低コストで動作する水流噴射装置10から噴出される水流を利用して発電を行なうので、発電コストを低く抑えることができる。
<1.6 変形例>
図10は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る水流発電システム200の構成を示す平面図である。図10に示すように、片側2車線ずつ、合計4車線の道路210の下方の地中に、環状水路220が形成されている。環状水路220は、各車線に沿って延びる4本の主水路221と、4本の主水路221をその両端でそれぞれ接続する2本の横断水路222とによって構成されている。水は、環状水路220を循環するように流れている。各主水路221では、水は、その上方の道路210を走行する自動車と同じ方向(矢印で示す方向)に流れ、全体として環状水路220を右回りに流れている。
各主水路221にそれぞれ2台の発電タービン130が設置され、これら2台の発電タービン130は所定の距離だけ離して1台ずつ設置されている。発電タービン130で発電された電気を蓄電するために、発電タービン130に接続された、1または2台以上の蓄電池(図示を省略)が設けられている。
道路210の路面に、幅が車線幅とほぼ等しく、長さが複数個分の踏み板70の長さに相当する面積を有し、水流噴射装置の油圧ピストンに取り付けられた複数個の踏み板70をマトリクス状に並べた領域240が、車線ごとにそれぞれ2箇所ずつ設けられている。
このように、車線の数が多くなれば、それに応じて設置される水流噴射装置および発電タービン130の台数を多くすることができるので、発電量が増える。また、環状水路220内を循環する水流の流速を速くすることができるので、発電タービン130の回転数が多くなり、発電量がより増える。
この水流発電システム200は、2車線(片側1車線)または4車線(片側2車線)の道路だけでなく、より多くの車線を有する道路に適用することもできる。また、車線数が偶数の道路だけでなく、奇数の道路にも適用することができる。
<2.第2の実施形態>
図11は、本発明の第2の実施形態に係る水流発電システム300の構成を示す平面図である。図11に示すように、並走する2本の線路310の下方の地中にそれぞれ主水路321が設けられ、各線路310の中央には、水流噴射装置に取り付けられた踏み板370が設置されている。より詳しくは、2本のレール311に挟まれた地面の中央に、レール311の延びる方向に沿って踏み板370が配置されている。
図12(A)および図12(B)は、それぞれ図11に示す水流発電システム300の線路310を走行する列車350の正面図および側面図であり、図13は、図12に示す列車350の底面に取り付けられた押圧部360の形状を示す図である。図12(A)および図12(B)に示すように、列車350の底面には、押圧部360が取り付けられている。
図13に示すように、押圧部360は、ゴム製のタイヤ361と支持部材362とからなる。タイヤ361は、列車350の進行方向に回転可能となるように、支持部材362によって列車350の底面に取り付けられている。列車350は、自動車150と異なり、線路310上を走行するので、地面に設置する踏み板370の位置が決まれば、タイヤ361を取り付けるべき列車350の底面の位置が決まる。また、タイヤ361は、踏み板370が設置されていない場所では地面に接触しないように、後述するように所定の高さに取り付けられている。タイヤ361は、ゴム等の弾力性素材からなり、かつ踏み板370の斜面を登るように転がるので、列車350が踏み板370上を走行する際の受ける衝撃が少なく、列車の乗客の乗り心地を悪くすることはない。また、タイヤ361を回転させることによってタイヤ361の摩耗を減らすことができるので、タイヤ361の寿命を長くすることができる。
図14(A)および図14(B)は、それぞれ図11に示す水流発電システムの線路の間に設けられた踏み板上を通過する列車350の正面図および側面図である。図14(A)および図14(B)に示すように、列車350が踏み板370上を走行するときに、タイヤ361は踏み板370上を転がりながら踏み板370を押し下げる。
図15は、図13に示す列車350に取り付けられた押圧部360のタイヤ361が踏み板370上を進む様子を示す図である。図15に示すように、踏み板370が設置されている箇所では、タイヤ361は、斜面である踏み板370上を転がりながら進む。このとき、タイヤ361の地面からの高さは、踏み板370の高さよりも低くなるように固定されているので、タイヤ361が踏み板370上を転がりながら登るときに踏み板370を下方に押さえる。これにより、油圧ピストン21が押し下げられ、水流噴射装置から水が噴出される。この噴出された水によって、環状水路320内の水が循環して発電タービン130を回し、発電が行なわれる。
本実施形態による効果は、第1の実施形態による効果と同じであるので、その説明を省略する。
なお、図11では、2本のレール311に挟まれた地面の中央に、踏み板370を1つだけを配置したが、複数の踏み板を配置してもよい。図16は、図11に示す水流発電システム300において2本のレール311に挟まれた地面の中央に、レール311が延びる方向に沿って踏み板370を一列に並べた図である。この場合、タイヤ361は、踏み板370を一つずつ順に下方に押さえるので、水流噴射装置は主水路321内の水中に順に水を噴出する。
図17は、図11に示す水流発電システム300において2本のレール311に挟まれた地面に、複数の踏み板370を並行に並べた図である。図18は、図17に示す線路上を走行する列車350の正面図である。この場合、各踏み板370を同時に下方に押さえる必要がある。このため、図18に示すように、各踏み板370にそれぞれ対応するように複数本のタイヤ361が、列車350の底面に取り付けられている。なお、タイヤ361の幅を広くすれば、1本のタイヤ361で複数の踏み板370を同時に下向きに押すことができるので、取り付けるタイヤ361の本数を減らすことができる。
このように、設置する踏み板370を多くすることによって、各踏み板370が取り付けられた水流噴射装置から水が噴出されるので、環状水路320内を流れる水の流速がより速くなる。これにより、環状水路内に設置された発電タービン130の回転数が多くなるので、発電量もより増える。
また、図19は、水流発電システム300に使用可能な他の形状の踏み板375を示す図である。図19に示すように、踏み板375は、タイヤ361が転がりながら登るべき斜面になる板のみから構成されていてもよい。この場合、踏み板375の製造が容易になるので、水流噴射装置の製造コストを低減することができる。また、油圧ピストン21の形状も図19に示すように、左右対象の形状でなくてもよい。なお、タイヤ361は踏み板375を下方に押すための力を加えるだけであり、列車の走行には無関係である。このため、タイヤ361の接する踏み板375の位置が最も高い位置から低い位置に急に変化しても、列車の乗客の乗り心地に悪影響を与えることはない。
また、上記実施形態では、複線の場合について説明したが、例えば複々線等、複数の線路が並走するように敷設された線路に本発明を適用することにより、上記実施形態と同様にして発電を行なうことができる。
<3.各実施形態に共通する変形例>
上記第1および第2の実施形態では、油圧部20の作動油24として鉱物油を使用する場合について説明した。しかし、鉱物油の代わりに、難粘性であるリン酸エステル系や水−グリコール系の作動油、環境に優しい植物油や合成油を使用してもよい。また、その他の液体を使用してもよい。さらに、液体の代わりに圧縮空気等の気体を使用してもよい。そこで、本明細書では、これらの液体および気体をまとめて圧力媒体、油圧部20を圧力伝達部、油圧ピストン21を圧力伝達ピストン、油槽22を媒体槽ということがある。
<4.従来技術との対比>
最後に、本発明と従来技術との相違点、当該相違点に基づく本発明の有利な効果について説明する。特開2007−2832号公報に記載された発電は、車両が通過した際に発生する水流を用いて発電タービンを回すことにより行なわれる水流発電であり、環境汚染に配慮した発電である点では本発明と共通している。
しかし、従来技術では、個々のポンプ型水槽内を流れる水流によって、その内部に設けられた発電タービンを回すために、ポンプ型水槽ごとに発電タービンを設置しなければならない。このため、ポンプ型水槽の製造コストが高くなり、ひいては発電コストも高くなる。また、発電タービンの大きさをあまり大きくできないので、発電量も少ない。これに対して、本発明に係る水流噴射装置10、15には発電タービンを設ける必要がなく、複数の水流噴射装置10、15ごとに発電タービン130を設ければよいので、水流発電システム100、200、300の製造コストを抑えることができる。また、発電タービン130は、道路110、210等の下に設けた環状水路120、220、320に設置されるので、大型の発電タービンを設置することができる。このため、より多くの電気を短時間で発電することができる。
また、従来技術に記載されたポンプ型水槽では、2つのピストンに対して補助板を含む1つのシーソー盤が取り付けられているのに対して、本発明では、1つの油圧ピストン21、21aに対して1つの踏み板70、370がそれぞれ取り付けられている。これにより、本発明の踏み板70、370の面積を、従来技術のシーソー盤の面積に比べて小さくすることができるので、シーソー盤よりもより多くの踏み板70、370を道路110上に配置することができる。このため、本発明に係る水流発電システム100、200、300は、従来技術に比べてより多くの電気を効率的に発電することができる。
10、15…水流噴射装置
20…油圧部
31…シリンダ
32…ピストン
33…ばね(コイルばね)
34…支持板
35…貫通孔
36…逆止弁(第1の逆止弁)
37…開口部
40…排出管
50、50a…給水管
51…給水口
52…逆止弁(第2の逆止弁)
70、370…踏み板
100、200、300…水流発電システム
110、210…道路
120、220、320…環状水路
130…発電タービン
135…蓄電池
150…自動車
310…線路
350…列車
361…タイヤ

Claims (11)

  1. 外部から力を与えられると水流を噴出する水流噴射装置であって、
    外部から与えられた力を伝達する圧力伝達部と、
    内壁を摺動しながら上下に移動可能なピストンと、貫通孔が設けられ、かつ内壁に固定された支持板と、一端および他端が前記ピストンおよび前記支持板にそれぞれ固定され、かつ復元力を有する弾性体とを有し、前記ピストンと前記支持板とによって挟まれた空間に水を蓄えることが可能なシリンダと、
    前記シリンダに取り付けられ、前記シリンダから噴出された水の噴出方向を制御する排出管とを備え、
    前記圧力伝達部は、
    媒体槽と、
    前記媒体槽の内壁を摺動しながら上下に移動可能な圧力伝達ピストンと、
    前記媒体槽の底面と前記シリンダとを接続する配管と、
    前記媒体槽と、前記配管と、前記配管および前記ピストンによって挟まれた前記シリンダの空間とに密閉された圧力媒体とを備え、
    前記外部から与えられた力が前記圧力伝達ピストンに与えられると、前記圧力伝達ピストンが前記媒体槽の内壁を摺動しながら下方に移動することによって、前記外部からの力を前記ピストンに伝え、
    前記ピストンが前記弾性体によって押し上げられると、前記圧力伝達ピストンが前記媒体槽の内壁を摺動しながら上方に移動し、
    前記外部から与えられた力が前記弾性体の前記復元力よりも強いとき、前記ピストンは前記弾性体を押し縮めるように移動し、前記シリンダに蓄えられた水を噴出することを特徴とする、水流噴射装置。
  2. 前記シリンダの側面に設けられた開口部に取り付けられ、前記シリンダの前記空間と連通する給水管をさらに備え、
    前記外部から与えられた力が前記弾性体の前記復元力よりも弱いとき、前記ピストンは前記弾性体によって押し上げられ、前記給水管から前記シリンダの前記空間に水が供給されることを特徴とする、請求項1に記載の水流噴射装置。
  3. 前記支持板の前記貫通孔を塞ぐための第1の逆止弁と、前記シリンダの側面の前記開口部を塞ぐための第2の逆止弁とをさらに備え、
    前記シリンダに蓄えられた水を噴出するとき、前記第1の逆止弁が開くと共に、前記第2の逆止弁が閉じ、
    前記シリンダの前記空間に水を供給するとき、前記第1の逆止弁が閉じると共に、前記第2の逆止弁が開くことを特徴とする、請求項2に記載の水流噴射装置。
  4. 前記弾性体はばねであることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の水流噴射装置。
  5. 流によって発電する水流発電システムであって、
    自動車が互いに逆方向に走行可能な車線をそれぞれ少なくとも1車線ずつ含む道路と、
    前記車線の下方の地中に埋設された複数の主水路と、前記複数の主水路の各端部を接続する複数の横断水路とによって構成され、水を貯水する環状水路と、
    少なくとも前記排出管が前記環状水路の水中に没するように取り付けられた、請求項1からのいずれか1項に記載の水流噴射装置と、
    前記水流噴射装置の前記圧力伝達ピストンに取り付けられ、前記道路の路面に配置された複数の踏み板と、
    前記環状水路内に設置された発電タービンとを備え、
    前記水流噴射装置は、前記自動車が前記踏み板上を通過したときに前記踏み板を押し下げることにより、前記排出管から水を噴出して前記環状水路内の水を循環させ、
    前記発電タービンは、前記環状水路内を循環する水によって回されることを特徴とする、水流発電システム。
  6. 流によって発電する水流発電システムであって、
    列車が互いに逆方向に走行可能な単線の線路をそれぞれ少なくとも1線路ずつ含む複線の線路と、
    前記単線の線路の下方の地中に埋設された複数の主水路と、前記複数の主水路の各端部を接続する複数の横断水路とによって構成され、水を貯水する環状水路と、
    少なくとも前記排出管が前記環状水路の水中に没するように取り付けられた、請求項1からのいずれか1項に記載の水流噴射装置と、
    前記水流噴射装置の前記圧力伝達ピストンに取り付けられ、前記単線の線路を構成する2本のレールの間の地面に配置された踏み板と、
    前記環状水路内に設置された発電タービンとを備え、
    前記水流噴射装置は、前記列車が前記踏み板上を通過したときに、前記列車の底面に取り付けられた押圧部が前記踏み板を押し下げることにより、前記排出管から水を噴出して前記環状水路内の水を循環させ、
    前記発電タービンは、前記環状水路内を循環する水によって回されることを特徴とする、水流発電システム。
  7. 給水管は水を取り入れるための給水口を有し、前記給水口は前記環状水路に貯水された水の水位よりも低い位置に設けられていることを特徴とする、請求項5または6に記載の水流発電システム。
  8. 前記発電タービンは、水流が噴出される方向であって、前記水流噴射装置の前記排出管の近傍に設置されていることを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の水流発電システム。
  9. 前記発電タービンと送電線に接続された蓄電池をさらに備え、前記蓄電池は前記発電タービンによって発電された電気を蓄積し、前記送電線を介して外部に送電することを特徴とする、請求項から8のいずれか1項に記載の水流発電システム。
  10. 前記押圧部は、前記列車の底面に取り付けられた支持部材と、前記支持部材に回転可能に取り付けられた弾性材からなるタイヤとによって構成され、
    前記タイヤの地面からの高さは、前記踏み板の高さよりも低くなるように固定され、
    前記列車が前記踏み板上を走行するとき、前記タイヤは前記踏み板上を転がりながら進むことによって押圧することを特徴とする、請求項に記載の水流発電システム。
  11. 前記踏み板は、前記列車の進行方向に向かって高さが高くなる斜面のみからなることを特徴とする、請求項10に記載の水流発電システム。
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