JP5160737B2 - 磁性活性炭を用いた磁気分離廃水処理システム - Google Patents

磁性活性炭を用いた磁気分離廃水処理システム Download PDF

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Description

本発明は、再生可能な磁性活性炭に廃水中の溶存性有機物などを吸着させて除去し、磁気分離技術により磁性活性炭を回収し再利用する廃水の高度・高速処理技術に関する。
染色工場、食品工場、製紙工場、半導体工場などから出る産業廃水や生活廃水中には、COD原因物質やBOD原因物質などの水質汚濁原因物質が懸濁物質、コロイダル物質及び溶解物質の形態にて存在している。このような廃水の処理には、濾過、沈殿、吸着、磁気分離等の物理的処理法、オゾン、過酸化水素、紫外線等により酸化分解させる物理化学的処理法、活性汚泥法、生物膜処理法等の生物処理法などが用いられてきた。
例えば、活性汚泥法による廃水処理は、典型的には好気性微生物を高濃度に含む活性汚泥に廃水を入れた混合液を曝気することにより混合液中に溶解した溶存酸素を利用して微生物が廃水中の汚濁物質を分解するプロセスである(例えば、特許文献1参照)。しかし、活性汚泥法による廃水処理では、大掛かりな曝気槽を必要とし、また、余剰汚泥も発生する。
また、例えば、磁気分離による廃水処理では、超伝導磁石の高磁場内に磁性細線からなる磁気フィルターを設置して、高勾配磁場を作り出し、磁性の付与された被分離物質を強い磁気力で捕獲、分離していた。凝集沈殿法とこの磁気分離技術を組み合わせて、主に廃水中の懸濁物質やコロイダル物質を除去する技術も提示されている(例えば、特許文献2参照)。図8は、凝集沈殿法と磁気分離を組み合わせた従来の廃水処理システムの一例を示す。まず、凝集槽11において凝集剤を用いて廃水中の汚濁物質を磁性体と絡めて磁性フロックを形成させる。次に、沈殿槽12において重い磁性フロックは沈殿させて分離し、汚泥槽16で処理する。沈殿槽12の上澄み水は超伝導磁気分離装置14に送って磁性フロックを分離し、処理水は排水又はリサイクルする。
一方、廃水中の汚濁物質をさらに高度に除去し、環境汚染のない排水又はリサイクル水とすることが社会的な要請としてあり、磁気分離による廃水処理においても、特に廃水中に溶解している溶存有機物についていっそうの処理能力の向上が望まれている。
磁気分離による廃水処理において溶存有機物を捕捉するには、例えば活性炭の使用が考えられるが、活性炭の再生が必要となる。従来の活性炭再生処理では、加熱(800℃)して吸着物を熱分解し、炭化物を蒸気により賦活する方法が主に用いられていた。その処理コストは薪炭の6〜7割と処理費用としては高額であり、熱による活性炭の損失も大きかった。
特開平8−257582号公報 特願平10−35872号公報
本発明の目的は、上記諸問題を解決して高速・高効率の高度廃水処理をコンパクトかつ安価な費用で行うことのできる廃水処理システムを提供することである。
本発明の別の目的は、廃水処理システムで用いられる従来の超伝導磁気分離装置の処理性能を上げること(処理の高度化)である。
また、本発明の別の目的は、廃水処理システムで用いられる活性炭を再生するため、従来の曝気機構が不要で好気性生物及び嫌気性生物に最適に適応できる生物再生槽を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、生物再生型の磁性活性炭を用いて磁気分離により高度廃水処理を行う廃水処理システムとする。具体的には、吸着能力を有する活性炭に磁性を付与した磁性活性炭を用いて廃水中の溶存有機物を捕集し、この磁性活性炭を磁気分離工程で単離し、回収した活性炭を微生物により再生して再度吸着工程で使用する。因に、磁性活性炭は0.05gで、塩素系化合物(濃度0.1mg/l程度、30ml)を1時間でほぼ100%吸着することが可能である(図9)。また、他の有機物(ビタミンやペプトン)も効率よく吸着することが実証されている。
本発明による連続磁気フィルターシステムは、廃水処理用の超伝導磁石を用いた磁気分離装置と、磁性ワイヤのメッシュからなり、磁気分離装置の前段に配置されて少なくとも部分的に超伝導磁石の磁場の影響下にある回転式フィルターベルトと、回転式フィルターベルトに付着した被分離物質を剥離させる除去部とを備える。磁気分離装置は、従来の超伝導磁気分離装置でよく、例えば磁場中に磁気細線からなる磁気フィルターが設けられたものである。
また、本発明による連続磁気フィルターシステムは、回転式フィルターベルトの位置する場所の磁場を大きくするための追加コイルを、超伝導磁石の励磁コイルにおける回転式フィルターベルトを設けた側の端部近傍に設けることもできる。この追加コイルにより、回転式フィルターベルトが被分離物質に及ぼす磁気力が強化され、分離能力が向上する。
本発明で用いられる磁気分離装置は、超伝導磁石のボア内に磁気細線からなる磁気フィルターを設けず、廃水通路の壁面に付着した被分離物質を吸引により除去するための吸引除去手段を備える構成とすることもできる。主に廃水の流速が比較的遅い場合に有効であり、超伝導磁石の作る磁場中心の(ボアの長手方向のほぼ中央)壁面に付着した被分離物質を連続的に吸引、除去できる。
また、本発明で用いられる磁気分離装置は、前記超伝導磁石のボア内に複数の吸引孔が設けられた磁気フィルターを1段又は複数段備える構成とすることもできる。この吸引孔の周縁は突出した磁性体から成り、この吸引孔は吸引除去管に連通しており、吸引孔の周縁及び吸引孔内に付着した被分離物質を吸引除去管を介して連続的に吸引して除去できる。磁性体から成る吸引孔の突出した周縁にて高勾配磁場が発生して磁性の付与された被分離物質が強い磁気力で引き付けられるので、廃水の流速が比較的速い場合にも有効である。
本発明による磁性活性炭の生物再生槽は、磁性活性炭に吸着された廃水中の有機物を分解する生物を含んだ水を貯留する1段又は複数段の槽と、再生させる磁性活性炭を磁性ベルト上に取り入れて付着させる活性炭取入れ部と、再生した磁性活性炭を磁性ベルトから剥離し取り出す活性炭取出し部と、槽内で上下に複数回蛇行して槽内に貯留した水面から出入りさせる蛇行回転式の磁性ベルトとを備える。微生物による磁性活性炭の再生は、活性炭に吸着した有機物を生物分解により無機化し、低コストかつ省エネルギーで活性炭の半永久的な再利用を可能にする。
本発明による磁性活性炭の生物再生槽で用いられる槽は、1段とすることもできるし、複数段(複数の槽を直列に配置)とすることもできる。複数段の槽の場合にも、1段の場合と同様に1つの環状の磁性ベルトが用いられ、初段の槽から順次最終段の槽まで各槽を蛇行して進行した後、最終段の槽から槽の外部に出て槽底の下を通って初段の槽に戻す構造とすることができる。このような複数段の槽の構成は、1つの槽では磁性活性炭を量的に再生処理しきれない場合や、同じ環境では生存できない複数の細菌を利用する場合に特に有効である。
また、本発明による磁性活性炭の生物再生槽は、磁性ベルトに対する槽内の相対的な水位を変えることにより、磁性ベルトが水中にある時間と空中にある時間との比率を変える構成としてもよい。磁性活性炭の再生に使用する好気性生物と嫌気性生物の組み合わせによって、最適な好気性条件及び嫌気性条件に調整できる。
本発明による廃水処理システムは、廃水中の汚濁物質を磁性活性炭に吸着させる吸着槽と、磁性活性炭を磁気分離する少なくとも1つの超伝導磁気分離装置と、少なくとも1つの上記生物再生槽とを備え、超伝導磁気分離装置により分離、回収された磁性活性炭を、生物再生槽にて再生して吸着槽で再利用する。この超伝導磁気分離装置は上記の連続磁気フィルターシステムとすることもできる。また、使用する磁性活性炭は粒子状又は粉末状であり、好ましくは粉末状である。
次に、本発明の連続磁気フィルターシステムの作用は次の通りである。超伝導磁石が作る外磁場(漏れ磁場)中に回転式フィルターベルトの少なくとも一部が配置されるので、回転式フィルターベルトを構成するメッシュ状の磁性ワイヤの近傍には高勾配磁場が発生する。この高勾配磁場により、本システムの上流において廃水中の汚濁物質を吸着した磁性の付与された活性炭、又は磁性体を絡めて汚濁物質を凝集した磁性フロックが、磁性ワイヤに捕捉される。回転式フィルターベルトは駆動ローラにより循環させられ、残留磁化を持った磁性活性炭等を捕捉したまた除去部まで運ぶ。除去部では、回転式フィルターベルトに水又は空気を噴射して磁性活性炭を除去し回収する。
本発明の磁性活性炭の生物再生槽の作用を説明する。廃水中の溶存有機物を吸着した磁性活性炭は、磁気分離されて回収され、磁性活性炭の生物再生槽の活性炭取入れ部にて磁性ベルト上に付着する。磁性ベルトは上下に蛇行して水中と空中を交互に進行し、その間に吸着有機物が活性炭上に付着した生物により分解される。吸着有機物が分解されて再生した活性炭は活性炭取出し部で磁性ベルトから剥離されて再生槽から取り出され、再利用される。磁性活性炭に付着した生物は、水中と空中にそれぞれ所定の時間存在しているので、使用生物の分解効率を最適にする好気及び嫌気条件を作り出すことができる。
次に、本発明の廃水処理システムの作用を説明する。磁性活性炭の吸着槽に廃水を溜め磁性活性炭を入れて撹拌し、廃水中の溶存有機物を活性炭に吸着させる。次にこの廃水を超伝導磁気分離装置に送り、磁性活性炭を分離回収し、処理水は排水又はリサイクル水として再利用する。超伝導磁気分離装置で分離回収された磁性活性炭は生物再生槽に送られ、生物処理によって再生される。再生された磁性活性炭は吸着槽に送られ再利用される。
上述したように、本発明の連続磁気フィルターシステムでは、従来の超伝導磁気分離装置の前段にその外磁場(漏れ磁場)を利用して追加のコンベヤ式磁気フィルター装置を設けたので、全体の分離効率が格段に向上した。
また、本発明の生物再生槽は、磁性ベルトを使って磁性活性炭を空中及び水中を移動させ、好気及び嫌気処理を同時に行うことができるので、従来の曝気工程を省略でき、また複数の細菌種(嫌気性細菌及び好気性細菌)によって有機物を効率よく無機化できる。また、磁性活性炭の生物再生槽は廃水処理槽とは独立に設けられ、活性炭上の微生物による分解と増殖を容易に制御でき、余剰汚泥を大幅に削減することが可能となる。加えて、磁性活性炭を高効率で再生して再使用できるので、低コスト化に貢献する。
また、本発明による廃水処理システムは、磁性活性炭による吸着と、超伝導磁石による磁気分離と、微生物による磁性活性炭の再生とを有機的に結合しているので、上記効果に加えて、高度・高速の廃水処理が実現でき、染色工場、食品工場、製紙工場、半導体工場などでの水のリサイクルに特に有効である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1は、本発明による連続磁気フィルターシステム20を示し、従来の超伝導磁気分離装置22の前段にコンベヤ式磁気フィルター装置24が設けられている。コンベヤ式磁気フィルター装置24は、メッシュ状の磁性ワイヤから成る回転式フィルターベルト28をモータ(図示せず)駆動されるローラ30及び32で回転させる。磁性ワイヤは例えば磁性のあるステンレスワイヤなどが使用でき、ワイヤ径、メッシュ形状は捕捉効率、機械的強度等を考慮して適宜設計される。このコンベヤ式磁気フィルター装置24は、水又は空気の噴射などにより磁性活性炭36等を取り除いて回収する除去部34を備える。この除去部34は、廃水の存在しない場所で、好ましくは超伝導磁石の作る外磁場(A)のほとんど無い場所に設けられる。コンベヤ式磁気フィルター装置24は、従来の超伝導磁気分離装置22の前段(上流)に配置されているのが図示されているが、後段(下流)に設けることもできる。
超伝導磁気分離装置22は、超伝導磁石26内に磁性フィルター(図示せず)を設けたものであり、磁性活性炭や磁性フロックなどの被分離物質を磁気的に磁性フィルターに引き付けて廃水から分離する。この磁性フィルターは、例えば磁気勾配を発生させるための磁性細線を張ったものであり、特に磁性細線の近傍で高勾配磁場を実現できる。被分離物質を磁性細線に引き付ける磁気力は、磁化の強さと磁気勾配の積に比例する。超伝導磁石が作る強磁場とその磁場内に置かれた磁性細線により、強い磁化と高勾配磁場が発生して大きな磁気力が得られる。もちろん、超伝導磁気分離装置22はどんなタイプのものでもよく、例えば、積層磁気フィルターを用いて連続処理できる磁気分離装置(特願2003-288440)なども使用できる。
図2は、超伝導磁石26の通常のソレノイド型コイル40に対し、コンベヤ式磁気フィルター装置24が設けられた側の端部に追加コイル42を加えて、コンベヤ式磁気フィルター装置24のところの外磁場を大きくした様子(B)を示す。これにより、磁性活性炭に作用する磁気力が強化され分離能力が高まる。追加コイル42は、既存のコイル40の巻数をコンベヤ式磁気フィルター装置24が設けられた側の端部で増やして形成してもよいし、既存のコイル40とは別にコイルを巻いて形成してもよい。別法として、磁気シールドで超伝導磁石26の周囲が覆われている場合には、コンベヤ式磁気フィルター装置24が設けられた側の磁気シールドを弱くするか、無くして外磁場を強化することもできる。
図3は、本発明の超伝導磁気分離装置22の一態様を示す。超伝導磁石26のボア内には、磁気細線等からなる磁気フィルターが設けられておらず、磁性の付与された被分離物質は、主にボアの長手方向のほぼ中央の磁場が最も強いところの廃水導管46の内壁に磁気力により引っ張られて付着する。この内壁に付着した被分離物質を、ポンプなどの駆動装置(図示せず)に管等を連結した吸引除去手段によって連続的に吸引して除去する。超伝導磁石26内での廃水の流速が十分遅く(例えば1cm/秒)、磁性の付与された被分離物質に働く超伝導磁石26の磁気力が、廃水によって流される力よりも十分大きい場合に特に有効である。もちろん、この磁気分離装置は、コンベヤ式磁気フィルター装置24なしで単独の磁気フィルター装置としても使用できる。
図4は、本発明の超伝導磁気分離装置22の別の一態様を示す。図4(A)は超伝導磁石26のボア部の縦断面図、図4(B)は正面図、図4(C)は図4Aの破線部Cの拡大図である。この構成では、複数の吸引孔48を有する磁気フィルター47が超伝導磁石26のボア内に設けられ、この吸引孔48が吸引除去管45に連結している(図4(A)及び図4(B)参照)。吸引孔48の周縁部は突出した磁性体から成り、その周辺に高勾配磁場が生成される。この高勾配磁場により磁性の付与された被分離物質36には強い磁気力が働き、吸引孔48の周縁及び内部に付着する。この付着した被分離物質36を、ポンプなどの駆動装置(図示せず)に連結した吸引除去管45によって連続的に吸引して除去する。この磁気フィルター47は、複数段設けることができ、また、この磁気分離装置22は、コンベヤ式磁気フィルター装置24なしで単独の磁気フィルター装置としても使用できる。
図5は、磁性活性炭の生物再生槽18の構成を概略的に示す。生物再生槽18は、磁性ベルト50、磁性活性炭の取入れ部52、磁性活性炭の取出し部54などから構成される。磁性ベルト50は、例えば帯状のマグネットシートを環状に繋いで形成する。磁性ベルト50は、駆動モーター56及びローラー(図示せず)等により槽中の水58から複数回出入りするよう上下に蛇行して進行する。図5では、磁性ベルトが空中及び液中で複数回の180度回転を行って上下に蛇行しているが、回転角度は任意に選択できる。処理量を大きくする点からは、180度回転が好ましい。また、図5の生物再生槽18は、1つの槽から成る例であるが、複数の槽を直列に配した複数段式の構成とすることもできる(図示せず)。複数段式の槽の場合にも、共通の1つの環状の磁性ベルトが用いられ、初段の槽から最終段の槽まで各槽を順次蛇行して進行していき、最終段の槽から初段の槽までは槽の外部を通って戻す構成とすることができる。磁性ベルト50は、駆動モータ56により駆動して循環式に移動させる。駆動モータ56の速度を調整することにより、活性炭の好気及び嫌気条件の時間の長さを変えることができる。磁性ベルト50が空中にあるときは好気性生物処理(C)が、液中にあるときには嫌気性生物処理(D)が主に行われる。生物再生槽18で使用する生物は、例えば、Bacillus属、Vibrio属、Pseudomonas属などの細菌が挙げられる。基礎実験として、塩素系化合物で吸着が飽和した活性炭を、細菌(Pseudomonas属)の培養液に浸しつつ、嫌気条件と好気条件を交互に曝したところ、24時間で最大65%の吸着能力が再生された(図10)。
まず、磁気分離により回収された磁性活性炭36は、活性炭取入れ部52にて生物再生槽18の磁性ベルト50上に取り入れられる。磁性活性炭36に吸着されている有機物は、磁性活性炭36が磁性ベルト50上にくっ付いて槽内の水中及び空中を搬送される間、磁性活性炭上に付着している生物により分解され再生される。再生された磁性活性炭36’は活性炭取出し部54にて磁性ベルト50から引き剥がされて生物再生槽18から取り出される。
図6は、使用する好気性生物及び嫌気性生物の分解能力を最適にするため、磁性ベルト50の高さ位置を上下に調整して好気性条件及び嫌気性条件の時間の比率を変える方法を説明する。図6(A)は磁性ベルト50を液面60に対して上げた状態を示し、好気性条件下にある時間が長い。図6(B)は磁性ベルト50を液面60に対して下げた状態を示し、嫌気性条件下にある時間が長くなっている。図6では、磁性ベルト50を上下させているが、液面を上下させてもよい。
活性汚泥法で廃水を浄化する際に生じる細菌の死骸および不完全分解物を余剰汚泥というが、理論的には、微生物の自己分解速度と増殖速度が一致すれば、余剰汚泥の発生を防ぐことができる。しかし、廃水の処理速度を維持すると、微生物の活性が変わり、どうしても余剰汚泥が生じる。余剰汚泥の除去は、生物処理法における課題の1つである。本発明では、生物処理の槽と廃水処理の槽が別になっているので、余剰汚泥の発生防除に専念しながら、生物処理が行える。
図7は、本発明による廃水処理システムを示し、磁性活性炭の吸着槽10と超伝導磁気分離装置14と磁性活性炭の生物再生槽18とを備える。吸着槽10と超伝導磁気分離装置14の間に、沈殿槽12を設けて、重量の重いものを沈殿させ分離してもよい。
廃水処理システムの動作は、まず、吸着槽10において、予め磁性を付与しておいた磁性活性炭36に廃水中の溶存性有機物などを吸着させる。次に、高勾配の高磁場下で強い磁気力を発揮できる超伝導磁気分離装置14において、有機物を吸着した磁性活性炭36を廃水から分離、回収する。処理された廃水は放水されるか又はリサイクル水として再利用される。超伝導磁気分離装置14により分離回収された磁性活性炭36は、磁性活性炭の生物再生槽18に送られ、吸着されている有機物を生物により分解して再生する。再生した磁性活性炭36’は吸着槽10で再利用する。
本発明の廃水処理システムは、廃水をこのシステムでの処理に適した状態にするため、システムの前段に前処理装置を設けてもよい。例えば染色工場からの廃水は温度60〜70℃、濁度(SS濃度)100〜450mg/lを有し得るが、前処理により好ましくは40℃以下、50mg/l以下にする。前処理装置では、例えばラジエーター又は熱交換器で廃水の温度を下げ、例えば凝集沈殿槽で懸濁物質を除去して濁度を下げることができる。前処理装置でオゾン処理を行ってもよい。
磁性活性炭の吸着槽10で用いる活性炭は、磁性を帯びさせた活性炭であり、例えば、(i)フェライト法による磁性付与、(ii)マグネタイトと活性炭の衝突による磁性付与等によって製造できる。
従来、活性炭での廃水処理は、例えば粒状活性炭を充填したカラムに廃水を通じて行われていた。粒状活性炭は、流失しにくく、加熱再生しやすいため、廃水処理の主流として使用されている。一方、粉末状活性炭は、表面積が大きく、有機物の吸着能力が極めて高いという利点をもつが、水と共に流失しやすく、加熱すると細孔が塞がれ、活性炭としての機能を失うので、あまり使用されてこなかった。本発明の一実施態様では、粉末状活性炭に磁気を帯びさせ、磁気分離によって回収可能とし、微生物活性により常温での再生を行う構成としたので、粉末状活性炭の効率的な使用が可能となった。
磁性活性炭の吸着槽10では、磁性活性炭と廃水を接触させて溶存有機物を吸着させるので、接触効率と吸着効率を上げることが望まれる。粉末状活性炭を用いると吸着効率が粒状と比べ格段に上がり、活性炭を微粉化してその懸濁水溶液をエジェクターで廃水に撹拌混入することにより、接触効率を上げることもできる。
本発明による連続磁気フィルターシステムの概略を示す説明図である。 本発明による連続磁気フィルターシステムにおいて外磁場を大きくする構成を示す説明図である。 本発明による超伝導磁気分離装置の一例の構成を示す説明図である。 本発明による超伝導磁気分離装置の別の例の構成を示す説明図であり、図4(A)はその縦断面図、図4(B)は正面図、図4(C)は図4(A)中の破線部Cの拡大説明図である。 本発明による磁性活性炭の生物再生槽の概略を示す説明図である。 好気条件と嫌気条件の時間比率を変える方法を示す説明図である。 本発明による廃水処理システムの構成を示す説明図である。 従来の廃水処理システムの構成を示す説明図である。 塩素系化合物(2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール)に対する活性炭の吸着率の測定法(A)と測定結果(B)を示す。 塩素系化合物(2−クロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール)に対する活性炭の吸着率と細菌による再生率の測定結果を示す。
符号の説明
10 磁性活性炭の吸着槽
14 超伝導磁気分離装置
18 磁性活性炭の生物再生槽
20 連続磁気フィルターシステム
22 超伝導磁気分離装置
24 コンベヤ式磁気フィルター装置
26 超伝導磁石
28 回転式フィルターベルト
38 水通路
50 磁性ベルト
52 活性炭取入れ部
54 活性炭取出し部

Claims (3)

  1. 超伝導磁石のボア内に導入された廃水中の汚濁物質吸着磁性活性炭を磁気分離するための廃水処理用超伝導磁石と、前記超伝導磁石のボア内の廃水通路の壁面に付着した汚濁物質吸着磁性活性炭を吸引により除去するための吸引除去手段とを備える磁気分離装置と、
    磁性ワイヤのメッシュからなり、磁気分離装置の前段に配置されて少なくとも部分的に超伝導磁石の磁場の影響下にある回転式フィルターベルト28と、
    回転式フィルターベルト28に付着した汚濁物質吸着磁性活性炭を剥離させる除去部と
    を備える連続磁気フィルターシステム。
  2. 回転式フィルターベルトの位置する場所の磁場を大きくするための追加コイル、超伝導磁石の励磁コイルにおける回転式フィルターベルトを設けた側の端部近傍に設けた請求項1に記載の連続磁気フィルターシステム。
  3. 前記磁気分離装置が、前記超伝導磁石のボア内に複数の吸引孔が設けられた磁気フィルターを1段又は複数段備え、該吸引孔の周縁は高勾配磁場を作るため突出した磁性体から成り、この吸引孔は吸引除去管に連通しており、吸引孔の周縁及び吸引孔内に付着した汚濁物質吸着磁性活性炭を吸引除去管を介して吸引して除去する、請求項1又は2に記載の連続磁気フィルターシステム。
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