JP5160533B2 - 安定性の向上した多糖をベースとした含浸固体材料、その調製方法、および使用される含浸溶液 - Google Patents
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Description
− キャビティ(空洞)または無キャビティ;
− 少なくとも1種の殺バクテリア性および/または殺菌性および/または殺虫性および/または難燃性の活性剤(この活性剤は、ホウ素、ホウ素誘導体、シリカ、シリカ誘導体、アルミニウム、アルミニウム誘導体、アルミノシリケート誘導体、リン、リン誘導体、ヨウ素、含酸素ヨウ素誘導体、およびこれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される、50重量%を超え、より一層有利には60重量%を超え、より好ましくは90重量%を超える、少なくとも1種の化合物からなる);ならびに
− 下記からなる群から選択される以下の化合物の少なくとも1種:
− ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンおよび/またはヨウ素のための錯化剤(この錯化剤は次の特徴の少なくとも1つを有する:
− 前記多糖をベースとした固体材料中に存在する、殺バクテリア性および/または殺菌性および/または殺虫性および/または難燃性の化合物の1種に少なくとも部分的に結合する;
− 前記多糖をベースとした材料中に存在する多糖の官能基と化学結合を形成する;および
− 前記多糖をベースとした固体材料中に存在するキャビティにポリマーマトリックスが存在する場合に、このポリマーマトリックスの官能基と化学結合を形成する);および
− ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンおよび/またはヨウ素の錯化剤を含むポリマーマトリックス(このポリマーマトリックスは、
− 多糖をベースとした材料中に存在する多糖の官能基と結合を形成できる;および
− 好ましくは、多糖をベースとした固体材料中に存在するキャビティの大きさと同じかまたはそれを超える大きさを有する)。
− 少なくとも部分的に水溶性である少なくとも1種のポリエチレングリコールジビニルエーテルから、ビニルエーテル官能基を有するキレート剤の群から好ましくは選択される少なくとも1種のキレート剤の存在下での陽イオン開始剤を用いる架橋によって;あるいは
− 1000g/molの領域またはそれ未満の平均分子量のポリエチレングリコールアクリレートまたはジメタクリレートを、熱開始剤の存在下で、好ましくは、さらに、アクリレートおよび/またはメタクリレート官能基を有する少なくとも1種のキレート剤の存在下で架橋することによって;
得られる。
− 1重量%から150重量%、好ましくは15重量%と40重量%の間、より一層好ましくは20重量%と30重量%の間の水;
− 26重量%から34重量%、より一層好ましくは約29重量%のリグニン;
− 16重量%から22重量%、より一層好ましくは約18重量%のヘミセルロース;および
− 37重量%から61重量%、より一層好ましくは約45重量%のセルロース;
を含み、この%は、多糖をベースとした固体材料が無水の状態にある場合の多糖をベースとした固体材料の重量に対して表されている。
− 多糖をベースとした固体材料が木材である場合は、それを引っ掻くステップ(したがって、このステップは任意選択である);
− 多糖をベースとした材料の相対湿分含量を、ASTM標準D4442に従って測定して、95%未満、好ましくは15%と30%の間、より好ましくは約20%の値まで下げるステップ;
− 多糖をベースとした材料に、少なくとも次の能力の1つを有する化学作用剤を用いて、含浸させるステップ:
− 多糖をベースとした材料の官能基と化学結合を形成する;
− 多糖をベースとした材料に存在するキャビティ(セル;cells)の中に挿入される;
− ホウ素もしくはその誘導体の1つおよび/またはシリカもしくはその誘導体の1つおよび/またはアルミニウムもしくはその誘導体の1つおよび/またはリンもしくはその誘導体の1つおよび/またはヨウ素もしくはその誘導体の1つを固定する;および
− ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンおよび/またはヨウ素の放出を、水への暴露の存在下で、遅らせる;ならびに
− 多糖をベースとした材料に、ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンおよび/またはヨウ素をベースとした溶液を用いて、含浸させるステップ。
− 多糖をベースとした材料が木材である場合は、それを引っ掻くステップ(任意選択のステップ);
− 多糖をベースとした材料の相対湿分含量を15%と35%の間の値に下げるステップ;
− ホウ素およびその誘導体および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンおよび/またはヨウ素のための錯化分子を、多糖をベースとした材料のセルの壁(walls of cells)に固定するステップ;
− 前のステップで得られた変性された多糖をベースとした材料に、ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンおよび/またはヨウ素をベースとした溶液を用いて、含浸させるステップ。
− 多糖をベースとした材料が木材である場合は、それを引っ掻くステップ(任意選択のステップ);
− 多糖をベースとした材料の相対湿分含量を15%と35%の間の値に下げるステップ;
− ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンのための錯化分子が組み入れられているポリマーマトリックスを、多糖をベースとした材料のセルの中に挿入するステップ;および
− 前の挿入ステップの処理後に、多糖をベースとした材料に、ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンをベースとした溶液を用いて、含浸させるステップ。
− 水性溶液に、0.05Mと5Mの間の量のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(THAM)および/またはNMGを溶解するステップ;
− 前のステップで調製された溶液に、過剰量のエピクロロヒドリンを添加するステップ;
− 前のステップで得られた溶液を撹拌するステップ;および
− 過剰のエピクロロヒドリンを、好ましくは有機タイプである溶媒を用いて、抽出するステップ。
− 1重量%から50重量%、好ましくは2重量%から20重量%、より好ましくは5重量%から15重量%の錯化剤;
− 40重量%から99重量%、好ましくは80重量%から95重量%、より好ましくは約90重量%の水または水系溶液;および
− 10重量%未満の不純物および/または添加剤(これらの添加剤は、好ましくは、「変性」樹脂、反応性希釈剤、含浸を容易にするための界面活性剤または目標とする領域に安定化するための緩衝液、あるいは「フィラー」からなる群から選択され、添加剤は、好ましくはアルミナまたはシリカの群から選択される);
を含む。
a)モノマー、架橋剤およびキレート分子を可溶化するステップ;
b)木材の場合、特に引っ掻くことおよび/または乾燥により多糖をベースとした材料を状態調節する(任意選択の)ステップ;
c)多糖をベースとした材料のキャビティの中に処理溶液を挿入する(好ましくは、処理される多糖をベースとした材料を入れた反応器を部分的減圧(不完全真空)にした後で)ステップ;
d)ポリマーマトリックスを架橋させるために、多糖をベースとした材料を、好ましくは60℃で1時間、加熱するステップ;および
e)前のステップの処理の後、多糖をベースとした材料に、ホウ素および/またはシリカおよび/またはアルミニウムおよび/またはリンおよび/またはヨウ素をベースとした溶液を用いて、含浸させるステップ。
a)8と13の間で、好ましくは10の領域にあり、好ましくはNaOHを用いて調節されるpHの、本発明の第3の主題において定義された少なくとも1種の溶液を用いて、前記材料に含浸させるステップ;
b)前のステップにより含浸した材料を、40と105℃の間の温度で、好ましくは50と80℃の間の温度で、より好ましくは約60℃の温度で、好ましくは15分と24時間の間、より好ましくは30分と1時間の間の時間、加熱するステップ;および
c)前のステップで得られた加熱された材料に、ホウ酸、八ホウ化二ナトリウム四水和物(DOT)、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、およびこれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される化合物の溶液(この溶液は、0.1と2.0の間、好ましくは0.2と1.0の間の範囲のホウ素分子と錯化剤とのモル比、より有利には、約0.5のホウ酸と錯化剤のモル比が得られる濃度を有する)を用いて、含浸させるステップ。
a’)式ClCH2CH(OH)CH2NHC(CHOH)3の化合物を含む含浸溶液を、
− 0.05から0.50mol、好ましくは0.1mol(12.112グラム)のTHAMを、50から500ml、好ましくは125mlの水に溶かすステップ、
− 0.06から0.60mol、好ましくは0.12mol(20%過剰)のエピクロロヒドリン(11.1グラム)を加えるステップ、
− 前のステップで得られた溶液を、好ましくは1時間、有利には周囲温度で、撹拌するステップ、
− 反応しなかった過剰量のエピクロロヒドリンを除去するために、前の撹拌ステップで得られた溶液を、抽出される溶液の最大2倍の容積に当たる容積のCH2Cl2を用いて抽出する(任意選択の)ステップ(この抽出は、好ましくは、10と100mlの間、より一層有利には、約50mlのCH2Cl2により実施される)、
により調製するステップ、
b’)多糖をベースとした材料に、7と13の間、好ましくは8と12の間、より好ましくは10のpH(このpHは、必要量(0.8ml)のNaOH(50%)の添加によって調整される)の、前のステップで得られた含浸溶液を含浸させるステップ(木材試料への挿入は、有利には、減圧下で、より好ましくは−65cmHgの減圧で実施される);
c’)0.5から24時間、好ましくは18時間続く反応の間、50と70℃の間、好ましくは60℃で加熱するステップ;および
d’)こうして変性された多糖をベースとした材料に、約0.33M(2質量%)のホウ酸水溶液(この溶液のpHは、4.58mlのNaOH(50%)の添加により、4.68から10に変わった)を含浸させるステップ(木材試料への挿入は、有利には、減圧下で、より好ましくは−65cmHgの減圧で実施される)。
− 0.2%から2.5%、好ましくは約1.2%のH3BO3;
− 溶液中の、10%から40%、好ましくは約20%のGMHP;および
− 0.1%から2.5%、好ましくは約1%の熱開始剤(これは、有利には、VA−060である)
を含む。
「保護化合物」という用語は、次の性質の少なくとも1つを有する化合物に対して用いられる:殺バクテリア剤、殺菌剤、殺虫剤および難燃剤。これらの保護化合物は、有利には、ホウ素、ホウ素誘導体(好ましくは含酸素ホウ素誘導体、例えばボラート)、シリカ、シリカ誘導体(好ましくは含酸素シリカ誘導体)、アルミニウム、アルミニウム誘導体(好ましくは含酸素アルミニウム誘導体、例えばアルミナ)、アルミノシリケート誘導体、リン誘導体(好ましくは含酸素リン誘導体)、ヨウ素、含酸素ヨウ素誘導体、ならびにこれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。含酸素ホウ素誘導体の中では、ホウ酸を挙げることができる。また、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、八ホウ素二ナトリウム四水和物(DOT)、メタホウ酸ナトリウム、五ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウムも挙げることができる(より網羅的なリストについては、Rio Tinto Borax社を参照:http://www.borax.com/)。
これらは、木材、デンプン、グアーガム、キサンタンガム、セルロース、キチン、キトサン、グリカン(glycans)、ガラクタン、グルカン、ヘミセルロース、ペクチン、マンナン、デキストリンである。好ましいデンプンは、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、モチデンプン(waxy starch)、オオムギデンプンなどである。好ましいセルロースは、カルボキシセルロース、メトキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。意図されている多糖は、天然由来のものであり、無変性であるか、または化学的および/または物理的処理によって変性されている。
これは、ある特定のパーセンテージの多糖を含む任意の材料であり、また、好ましくは室温(周囲温度)で、固体である。それは、非限定的には、木材、凝集粒子のパネル、合板またはOSB(配向性ストランドボード)であり得る。
これは、有利には、任意の水溶性エポキシ樹脂である。エチレングリコールジグリシジルエーテル(CAS:2224−15−9)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(CAS:4206−61−5)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(CAS:2425−79−8)およびポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(Mw=526)(CAS:26403−72−5)は、全て、Sigma−Aldrichから入手可能であり、可能性のある候補の例である。
これは、一般的に、ビシナル(隣接)炭素にヒドロキシル官能基を、または高濃度のヒドロキシル官能基を含む。選択される分子はまたアミン官能基も有する。高濃度のヒドロキシル官能基の存在により、ボレートの錯化が可能になり、他方、窒素原子は、ホウ素の錯化を促進するように、「局所的な」pHを許容される値に保つことによって、これらの相互作用を安定化することを可能にする。
これらの機能は、反応性化学種の重合を保証することである。それらは、有利には、第1級または第2級アミンおよびポリアミン、無水物、ポリアミド、アルコールなどから選択され得る。本発明による含浸法が実施される場合にかなりの簡単化をもたらすのは、可溶性分子の選択の問題である。
要約すると、本発明者等は、ホウ素を保持するための錯化特性を有し、また木材のセルに存在するヒドロキシル官能基と反応できる官能基(あるいは機能)を有する分子を生成させようと試みている。説明において、ステップ1から5は、この目的を達成することを目指している。
R−CH2−N(CH3)−CH2−CHOH−CHOH−CHOH
−CHOH−CH2−OH
であり、Rは、ポリマーマトリックスを表し、活性基は本質的に、「糖の尾(sugar tail)」を有する弱い塩基(第3級アミン)である。
第1ステップ
1. 0.1mol(19.5g)のNMGを150mlの水に溶かす。
2. 0.12mol(20%過剰)のエピクロロヒドリン(11.1g)を加える(これは、木材のセルの壁にNMGをグラフトすることを可能にする)。
3. 混合物を周囲温度で1時間撹拌する。
4. 過剰量のエピクロロヒドリンを除去するために、混合物を、50mlのCH2Cl2により2回抽出する;これは、エピクロロヒドリンを除去することを可能にするが、合成の成功にとって本質的ではない。
5. 水溶液は次の分子を含む。
ClCH2CH(OH)CH2N(CH3)CH2(CHOH)5CH2OH
6. この分子は、pH=10(NaOH)で、木材に迅速に含浸される。
木材−OH+Cl−R+NaOH→NaCl+H2O+木材−O−R、60℃で
8. ホウ酸(0.5M)を、減圧(真空)下に(−65cmHg)アルカリpH(pH=9)で含浸させる。
第1ステップ
1. 0.1mol(12.1g)のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(THAM)を、125mlの水に溶かす。
2. 0.12mol(20%過剰)のエピクロロヒドリン(11.1g)を加える。
3. 混合物を周囲温度で1時間撹拌する。
4. 過剰量のエピクロロヒドリンを除去するために、混合物を、50mlのCH2Cl2により2回抽出する。
5. 水溶液は次の分子を含む。
ClCH2CH(OH)CH2NHC(CHOH)3
6. この分子は、pH=10(NaOH)で、木材に迅速に含浸される。
7. 反応が起こるように、混合物を60℃で24時間加熱する(分子のグラフト化+NaCl)。
8. ホウ酸(0.5M)を、減圧(真空)下で(−65cmHg)アルカリpH(pH=9)で含浸させる。
これらの実施例は、どちらかといえば、キレート剤がグラフトされているポリマーの挿入に関する。
1. 210gのポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(Mw=526)および12.4gのホウ酸を100mlの水に加える。ホウ酸の溶解を容易にするために、この試料を穏やかに加熱する。
2. 次いで、この溶液を立方体の木材試料(19m×19mm×19mm)に、減圧(真空)下で含浸させ、次に、過剰量の湿分を除去するために、60℃で一夜乾燥する。
3. 78グラムのNMGを100mlの水に希釈する。
4. 木材に、減圧(真空)下で含浸させる。
5. 加熱を、60℃で24時間実施する。
6. NMGはエポキシ樹脂と反応する(グラフト化)。
1. 7gのH3BO3(ホウ酸)を100mlの水に溶かす。
2. 31.6gのNMG(N−メチル−D−グルカミン)をこれに加える。
3. 可溶化後、5グラムのEDA(エチレンジアミン)を加える。
4. 溶解した後、130グラムのPEGDEG(ポリエチレングリコール(400)ジグリシジルエーテル)を加え、次いで、混合する。
5. 直ちに木材に減圧(真空)下で(−65cmHg)含浸させる。
6. 加熱を、60℃で24時間実施する。
1. 9.75g(50mmol)のN−メチル−D−グルカミンおよび7.5ml(55mmol)のグリシジルメタクリレートを30mlのN−メチルピロリドンに加える。グリシジルメタクリレートは(GM)は水溶性ではないので、この合成の間、n−メチルピロリドンを溶媒として用いる。NMG官能基を有するポリマーを生成するように熱開始剤により反応するメタクリレート官能基を付け加えることを、このGMは可能にする。
2. 溶液を窒素雰囲気下で70℃で6時間混合する。
3. 混合物を放冷する。
4. 0.5gのNa2S2O8および1.01gのPEG400ジアクリレートを、30mlの水に加える。過硫酸ナトリウムは熱開始剤の役割を果たす。それは、合成された分子のメタクリレート官能基の反応、したがって重合を可能にする。
5. 2つの溶液を一緒にし、次いで、木材に含浸させる(非常に速い架橋:2分)。
6. 2重量%のホウ酸水溶液を調製し、次いで、濃厚NaOH溶液を用いて、10.3のpHに調節する。減圧(−65cmHg)下で3時間、浸漬を行う。
− 0.625gのH3BO3;
− 25mlのGMHP溶液(例えば、下に記載の調製物);および
− 0.625gのVA−060;
− 25mlのH2O中に。
1. 8.125g(50mmol)のN−メチル−D−グルカミンおよび6.25ml(55mmol)のグリシジルメタクリレートを、25mlのN−メチルピロリドンに加える。グリシジルメタクリレートは(GM)は水溶性ではないので、この合成の間、N−メチルピロリドンを溶媒として用いる。NMG官能基を有するポリマーを生成するように熱開始剤により反応するメタクリレート官能基を付け加えることを、GMは可能にする。
2. 溶液を窒素雰囲気下で70℃で6時間混合する。
3. 冷却されるようにして、25mlの水に、0.625gのVA−060を加える。VA−060は熱開始剤の役割を果たす。それは、合成された分子のメタクリレート官能基の反応、したがって重合を可能にする。この溶液に0.625gのホウ酸を加え、その後、混合する。
4. 25mlの2つの調製溶液を一緒に混合し、次いで、1回のステップで、アメリカアカマツ辺材からなる19mm×19mm×19mmの立方体の木材に、減圧(−65cmHg)を用いて含浸させる。
5. 木材のセル内でポリマーマトリックスが架橋するように、溶液を含浸させた木材を不活性雰囲気下(窒素スウィープ(sweeping))で75℃で一夜加熱する。
− 含浸剤(木材のセルの中への溶液の含浸を容易にするため);
− フリーラジカル抑制剤(処理溶液を安定化させるため);
− UV安定剤(調製されるポリマーの有用寿命を延長させるため);
− 酸化防止剤;
− 酸素捕捉剤;
− 染料
− イオン性開始剤;および
− ポリマーマトリックスの配合に通常用いられる他の添加剤。
実施例5−含浸:
式:ClCH2CH(OH)CH2NHC(CHOH)3の化合物を含む含浸溶液を以下の通り調製した:
− 0.1mol(12.112g)のTHAMの125mlの水への溶解;
− 0.12mol(20%過剰)のエピクロロヒドリン(11.1g)の添加;
− こうして得た溶液の、1時間、周囲温度での撹拌;および
− 反応しなかった過剰量のエピクロロヒドリンを除去するための、撹拌による前のステップで得た溶液の、容積50mlのCH2Cl2を用いる抽出。
実施例4’に記載の、GMHPを含む含浸溶液の調製:
1. 8.125g(50mmol)のN−メチル−D−グルカミンおよび6.25ml(55mmol)のグリシジルメタクリレートを25mlの2−メチルピロリドンに加える。グリシジルメタクリレートは(GM)は水溶性ではないので、この合成の間、N−メチルピロリドンを溶媒として用いる。NMG官能基を有するポリマーを生成するように熱開始剤により反応するメタクリレート官能基を付け加えることを、このGMは可能にする。
2. 溶液を窒素雰囲気下で70℃で7時間混合する。
3. 混合物を放冷する。
4. 0.625gのVA−600を25mlの水に加える。VA−600は熱開始剤の役割を果たす。それは、合成された分子のメタクリレート官能基の反応、したがって重合を可能にする。
5. 0.625gのホウ酸をこの溶液に加え、次いで混合する:
− 含浸溶液による木材立方体(19mm×19mm×19mm)への含浸;木材試料中への挿入は、有利には、減圧下で、より好ましくは−65cmHgの減圧で実施される;および
− ブロックを乾燥し、そこでの架橋が可能であるように、窒素雰囲気下で、75℃で18時間のブロックの加熱を行う。
この技法はAWPAプロトコルE11−06に基づく。ブロックは周囲温度で脱塩水に浸漬される。水の試料が規則的に採取され、溶液中に存在するホウ素の量を見積もるために、IPC分光法による分析が実施される(溶液を250倍に希釈した後)。結果を図5および5’に与える。
様々な処理による木材の耐分解性を評価する試験を、AWPAプロトコルE10−06に従うことによって実施した。これらの試験は、2種の木材腐朽菌:ポスティアプラセンタ(Postia Placenta)およびキチリメンタケ(Gleophyllum trabeum)を用いて実施した。
Claims (10)
- 少なくとも1種の活性剤
(ここで活性剤は、殺バクテリア活性剤、殺菌活性剤、殺虫活性剤、および難燃活性剤からなる群から選択され;
前記活性剤は、ホウ素、ホウ素誘導体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、50重量%を超える少なくとも1種の化合物を含む)、および
前記活性剤を少なくとも部分的に錯化する少なくとも1種の錯化剤、
を含む多糖をベースとした固体材料であって、
前記錯化剤は、N−メチル−D−グルカミン(NMG)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)、およびこれらの混合物からなる群の1つから選択され、
前記固体材料は、前記多糖の官能基と任意に結合を形成するポリマーマトリックスをさらに含み、
前記ポリマーマトリックスが、アミンまたはヒドロキシル官能基の存在下におけるポリエチレングリコールジグリシジルエーテルのその場での(in−situ)架橋によって得られるエポキシマトリックスであり、
前記活性剤、前記錯化剤及び前記ポリマーマトリックスの全量が、前記多糖をベースとした材料の1重量%から30重量%を占め、
前記多糖をベースとした材料に存在する前記錯化剤の量は、前記活性剤に含まれるホウ素の1モル当たり、0.5モルを超える、前記固体材料。 - 少なくとも1種の活性剤
(ここで活性剤は、殺バクテリア活性剤、殺菌活性剤、殺虫活性剤、および難燃活性剤からなる群から選択され;
前記活性剤は、ホウ素、ホウ素誘導体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、50重量%を超える少なくとも1種の化合物を含む)、および
前記活性剤を少なくとも部分的に錯化する少なくとも1種の錯化剤、
を含む多糖をベースとした固体材料であって、
前記錯化剤は、N−メチル−D−グルカミン(NMG)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)、およびこれらの混合物からなる群の1つから選択され、
前記固体材料は、前記多糖の官能基と任意に結合を形成するポリマーマトリックスをさらに含み、
前記ポリマーマトリックスが、アミンまたはヒドロキシル官能基の存在下における、ジアミンの存在下における、また、第1級または第2級アミンを含む少なくとも1種のキレート剤(これは、N−メチル−D−グルカミン(NMG)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)またはこれらの混合物である)の存在下における、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルのその場での(in−situ)架橋によって得られるエポキシマトリックスであり、
前記活性剤、前記錯化剤及び前記ポリマーマトリックスの全量が、前記多糖をベースとした材料の1重量%から30重量%を占め、
前記多糖をベースとした材料に存在する前記錯化剤の量は、前記活性剤に含まれるホウ素の1モル当たり、0.5モルを超える、前記固体材料。 - − 少なくとも1種の殺バクテリア性または殺菌性または殺虫性または難燃性の活性剤の溶液を調製するステップ;
− 前記活性剤の少なくとも1種の錯化剤の溶液を調製するステップ;
− 前記錯化剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;
− 前記活性剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;および
− 前記錯化剤の溶液により含浸させた後で、材料を加熱するステップ
を含む、多糖をベースとした材料の処理方法であって、
前記活性剤が、ホウ素またはホウ素化合物を含み、当該ホウ素の錯化剤が、
N−メチル−D−グルカミン(NMG)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)、およびこれらの混合物からなる群の1つから選択される、前記処理方法。 - 前記錯化剤の溶液による含浸および前記活性剤の溶液による含浸が、同時に実施される、請求項3に記載の方法。
- − 少なくとも1種の殺バクテリア性または殺菌性または殺虫性または難燃性の活性剤の溶液を調製するステップ;
− 前記活性剤の少なくとも1種の錯化剤の溶液を調製するステップ;
− 前記錯化剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;
− 前記活性剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;および
− 前記錯化剤の溶液により含浸させた後で、前記活性剤の溶液により含浸させる前または後に、材料を加熱するステップ
を含む、多糖をベースとした材料の処理方法であって、
前記活性剤が、ホウ素またはホウ素化合物を含み、
前記錯化剤の溶液が、該錯化剤を含む水溶性モノマーの形で錯化剤を含み、
前記モノマーが、グリシジルメタクリレートと、錯化剤であるN−メチル−D−グルカミン(NMG)との反応によって得られる、(N−グルシドール−N−メチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(GMHP)である、前記処理方法。 - − 少なくとも1種の殺バクテリア性または殺菌性または殺虫性または難燃性の活性剤の溶液を調製するステップ;
− 前記活性剤の少なくとも1種の錯化剤の溶液を調製するステップ;
− 前記錯化剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;
− 前記活性剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;および
− 前記錯化剤の溶液により含浸させた後で、前記活性剤の溶液により含浸させる前または後に、材料を加熱するステップ
を含む、多糖をベースとした材料の処理方法であって、
前記活性剤が、ホウ素またはホウ素化合物を含み、
前記錯化剤の溶液が、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを含み、前記錯化剤が第1級または第2級アミノ基を有する、前記処理方法。 - − 少なくとも1種の殺バクテリア性または殺菌性または殺虫性または難燃性の活性剤の溶液を調製するステップ;
− 前記活性剤の少なくとも1種の錯化剤の溶液を調製するステップ;
− 前記錯化剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;
− 前記活性剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;および
− 前記錯化剤の溶液により含浸させた後で、前記活性剤の溶液により含浸させる前または後に、材料を加熱するステップ
を含む、多糖をベースとした材料の処理方法であって、
前記活性剤が、ホウ素またはホウ素化合物を含み、
前記錯化剤の溶液が、(N−グルシドール−N−メチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(GMHP)の形の錯化剤、および水に少なくとも部分的に溶けるポリアルキルアクリレートを含む、前記処理方法。 - − 少なくとも1種の殺バクテリア性または殺菌性または殺虫性または難燃性の活性剤の溶液を調製するステップ;
− 前記活性剤の少なくとも1種の錯化剤の溶液を調製するステップ;
− 前記錯化剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;
− 前記活性剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;および
− 前記錯化剤の溶液により含浸させた後で、材料を加熱するステップ
を含む、多糖をベースとした材料の処理方法であって、
前記錯化剤の溶液が、式ClCH2CH(OH)CH2NHC(CHOH)3の化合物を含む溶液であり、そのpHが8と12の間であり、この溶液が、
− 0.05から0.5molのTHAMを50から500mlの水に溶かすステップ、
− 0.06から0.60molのエピクロロヒドリンを加えるステップ、および
− こうして得た溶液を、周囲温度で1時間撹拌するステップ
により得られ;
前記加熱が、50と70℃の間で0.5から24時間実施され;
前記活性剤の溶液が0.33Mのホウ酸水溶液であり、そのpHが、4.58mlのNaOH(50%)の添加により4.68から10に変わっており;
前記含浸が減圧下で実施される;
前記処理方法。 - 前記錯化剤の溶液による含浸および前記活性剤の溶液による含浸が、同時に実施される、請求項8に記載の方法。
- − 少なくとも1種の殺バクテリア性または殺菌性または殺虫性または難燃性の活性剤の溶液を調製するステップ;
− 前記活性剤の少なくとも1種の錯化剤の溶液を調製するステップ;
− 前記錯化剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;
− 前記活性剤の溶液により多糖をベースとした材料に含浸させるステップ;および
− 前記錯化剤の溶液により含浸させた後で、材料を加熱するステップ
を含む、多糖をベースとした材料の処理方法であって、
前記活性剤および前記錯化剤が、
− 0.2%から2.5%のH3BO3;
− 溶液中に、10%から40%の(N−グルシドール−N−メチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(GMHP);および
− 0.1%から2.5%の熱開始剤;
を含む同一溶液中にある、前記処理方法。
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