以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
[実施形態1]
本発明の第1実施形態を、図1を基に詳細に説明する。図1は本実施形態に係わる反射型液晶表示装置の構成を示す等価回路図の一例である。
図1において、1,2は信号線、3−6は画素部のスイッチ素子である電界効果トランジスタ(以下、トランジスタという)、7−10は液晶、11−14は保持容量、15,16は駆動線(走査線)、17は水平シフトレジスタ、18は垂直シフトレジスタである。また、19はビデオ線、20,21はサンプリングスイッチを表す。
次に、本実施形態に係わる反射型液晶表示装置の動作を簡単に説明する。図1では2画素は×2画素のマトリクスで説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。実際の反射型液晶表示装置では、X画素×Y画素(例えば、1280画素×720画素、1920画素×1080画素)の画素が複数個配されたマトリクスが存在する。
まず、垂直シフトレジスタ18から駆動線15にトランジスタ3,4をオン状態にするべく駆動信号が入力される。このオン状態時に、水平シフトレジスタ17によりサンプリングスイッチ20,21が順次動作し、ビデオ線19から信号線1,2にビデオ信号を伝達する。すなわち、まず、サンプリングスイッチ20が開いて、信号線1にビデオ線19のビデオ信号が伝達される。すると画素スイッチ3を通して保持容量11に電荷が蓄積され、液晶7に電圧が印加される。
次いで、サンプリングスイッチ20が閉じた後に、サンプリングスイッチ21が開いてビデオ線19のビデオ信号が信号線2に伝達される。そして、そのビデオ信号が画素スイッチ4を通して保持容量12に書き込まれる。このシーケンスでX方向(水平方向、図中トランジスタ3,4の並び方向)に順次信号が画素に書き込まれていく。
第1行分の全ての画素に信号が書き込まれた後に、垂直シフトレジスタ18により駆動線15に接続されるトランジスタ3,4がオフにされる。次に第2行目の画素に信号が書き込むべく、垂直シフトレジスタ18から駆動線16に、トランジスタ5,6をオン状態にするべく駆動信号が入力される。この後の動作は上記の第1行の画素の動作と同じである。全画素に信号を書き込んだ後、再びこの動作が繰り返される。
図2は、本実施形態の反射型液晶表示装置の画素構成を示す平面図と概略的断面図である。図2(A)は本実施形態の画素レイアウトの平面図であり、図2(B)は図2(A)のA−A’における断面図である。なお、図2(B)において、各層間の絶縁層は絶縁膜32を除き簡易化のために省略されている。
図2において、30は画素電極となる反射電極、31は反射電極30下に設けられた遮光膜、32は反射電極30の間の絶縁膜、33はポリシリコンのゲート電極である。スルーホール38は反射電極30と、下地配線37及び下地層51とを電気的に接続するプラグである。34は、画素のスイッチ素子であるトランジスタの主電極領域となるドレイン領域で、本発明の第一半導体領域に相当する。64はコンタクトホールで、下地層51とドレイン領域34とを接続する。ドレイン領域34は、下地層51、下地配線37を介して、反射電極30と電気的に接続されている。35はトランジスタのソース領域で、信号線40と電気的に接続されている。信号線40からの電荷がゲート電極33の制御によりドレイン領域34に転送される。36は、ドレイン領域34やソース領域35と同じ導電型の拡散領域であり、本発明の第二半導体領域に相当する。反射電極と同電位である一方の電極39と、電極39に対向して存在する他方の電極としての拡散領域36とで容量(図1の保持容量11−14に対応する)が形成される。反射電極30としてはAl,AlSi,AlCu,Ti,Ta,W,Ag,Pt,Ru,Ni,Au,TiN等の金属膜、或いはこれら金属の化合物膜を用いるのが好適である。しかしながら、反射電極30は特にこれらの材料に限定されない。どの金属を用いる場合も研磨することにより反射率を向上させることができる。図2では、半導体基板内に容量の電極が設けられているが、容量の電極は別途半導体基板上に設けてもよい。70は第一導電型の半導体基板であるp型Si基板である。なお、本実施形態では、p型Si基板にnMOSトランジスタを使用している形態である。そのため、ドレイン領域34、ソース領域35、及び拡散領域36は第二導電型であるn型の不純物半導体領域である。
ここで、半導体基板または半導体領域に到達する光は、主に反射電極間の絶縁膜32から漏れてくる光であり、遮光膜31などにより半導体基板又は半導体領域まで到達せずに減衰、吸収してしまえば問題ない。しかしながら、光源からの光が強い場合には、遮光膜31などで減衰、吸収しきれずに半導体基板又は半導体領域内に入射してくる。光が入射すると、電子−ホールペアが発生し、光キャリアとなる。本実施形態ではp型Si基板70にnMOSトランジスタを形成しているため、ホールは最も電位の低い基板電位(グランド電位)であるコンタクト領域42から電極41へ抜ける。一方、電子の場合は最も高い電位に向けてドリフトし、たとえばソース領域35から抜けていく。ここで、もし発生した電子がドレイン領域34に捕られると、フローティング状態となっているこの部分の電圧を下げることになり、表示特性を好ましくないものにしてしまう。
図1及び図2に示されるように、画素は反射電極に接続されるスイッチ素子、そのスイッチ素子に接続される保持容量を少なくとも有するものである。本実施形態において、p型Si基板70内における画素の領域は、ドレイン領域34、ソース領域35及び拡散領域36を含むものである。コンタクト領域42は画素ごとに設けることができ、画素の領域にコンタクト領域42を含めることができるが、複数画素ごと、例えば4画素ごとに1つのコンタクト領域を設けることもできる。ここでは拡散領域36が保持容量の一方の電極を構成しているが、光キャリアを吸い込む拡散領域とは別に保持容量の一方の電極を構成する他の拡散領域を設けることもできる。この場合は、ドレイン領域34、ソース領域35、光キャリアを吸い込む拡散領域及び他の拡散領域が画素の領域に含まれる。
本実施形態では、容量形成のための拡散領域36の電位を、ドレイン領域34に与えられる電圧の基準値よりも高く設定する。たとえば、垂直配向液晶を用いて電圧の基準値を7Vとした場合、交流駆動のためドレイン領域には7V±5Vの電圧が与えられる。この場合には例えば、拡散領域36に与えられる電圧をドレイン領域34に与えられる電圧の基準値よりも高い8Vに設定する。こう設定することで基板内に生じた光キャリアの電子はすみやかに拡散領域36に集まり、ドレイン領域34のフローティング部には集まりにくい構成となり、表示特性の劣化を抑制できる。なお、本発明において、電圧とはグランド電位を基準とした電位差である。
上記例を一般的な表記で示す。多数キャリアの単位電荷量をQとした時、多数キャリアが電子の場合、単位電荷Q=−qであるので(q=1.6×10−19C)、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積は−7qとなる。拡散領域36の電圧を8Vとすると、拡散領域36における単位電荷量と電圧の積は−8qとなり、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも小さくなる。このように、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも拡散領域34の単位電荷量と電圧の積を小さくすることで、拡散領域36に電子が流れ込むような電位勾配が発生する。そのため、光キャリアである電子が拡散領域36により吸い込まれる。
なお、本実施形態では、p型Si基板にnMOSトランジスタを使用している形態を用いて説明しているが、反対の導電型であるn型Si基板でpMOSトランジスタを使用する形態でも問題はない。この場合、光キャリアはホールであるため、多数キャリアであるホールに対して、拡散領域36に与えられる電圧をドレイン領域34に与えられる電圧の基準値7Vより低くするために、例えば拡散領域36に与えられる電圧を6Vとする。このとき多数キャリアの単位電荷はホールであるためQ=qとなり、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積は7qとなる。拡散領域36の電圧を6Vとすると、拡散領域36における単位電荷量と電圧の積は6qとなり、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも小さくなる。このように、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも拡散領域34の単位電荷量と電圧の積を小さくすることで、拡散領域36に正孔が流れ込むような電位勾配が発生する。そのため、光キャリアである正孔が拡散領域36により吸い込まれる。
また、p型Si基板でnMOSトランジスタの場合において、より強く光キャリアを拡散領域36で吸い込むために、拡散領域36に与えられる電圧を駆動期間におけるドレイン領域に与えられる最高電圧である12Vよりも高い電圧にすることが好ましい。この場合、全ての駆動期間において、拡散領域36に与えられる電圧は、ドレイン領域に与えられる電圧よりも高くなる。そして、全ての駆動期間において、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも拡散領域34の単位電荷量と電圧の積が小さくなる。これにより、電位勾配をより急にすることが可能となり、拡散領域36により電子が流れ込みやすくなる。n型Si基板でpMOSトランジスタを使用する場合には、より強く光キャリアを拡散領域36で吸い込むために、拡散領域36に与えられる電圧を駆動期間におけるドレイン領域に与えられる最低電圧である2Vよりも低い電圧にすることが好ましい。この場合、全ての駆動期間において、拡散領域36に与えられる電圧は、ドレイン領域に与えられる電圧よりも低くなる。そして、全ての駆動期間において、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも拡散領域34の単位電荷量と電圧の積が小さくなる。
なお、本実施形態では画素のスイッチ素子として、MOSトランジスタを用いた場合について説明したが、特にスイッチ素子の構成に限定されるものではない。それは、本発明は、画素電極と接続されるスイッチ素子がオフ状態の時に、フローティング状態となっているスイッチ素子の一方の主電極領域となる半導体領域に電荷が集まると表示特性に影響を与える、という課題を解決するものであるからである。また本実施形態では、拡散領域36は容量の他方の電極を構成しているが、容量を構成する拡散領域とは別個に設けても良い。
図3は本実施形態の液晶パネルの画素部の断面図である。46は光透過性基板となるガラス基板、47はITOなどの透明電極、43はITO側の斜方蒸着膜、44は反射電極側の斜方蒸着膜、45は透明電極47と反射電極30との間に挟まれて配向された液晶である。本実施形態では垂直配向液晶を用いたが特にかかる液晶に限定されない。また、ガラス側の背面には反射防止膜構造の膜を積層しているが、ここでは省略している。
次に、図4を用いて本発明の反射型液晶表示装置を用いた液晶プロジェクターシステムについて説明する。図4は、本発明の反射型液晶表示装置を用いた液晶プロジェクター用光学システムの一例である。101はランプ、102はリフレクター、103はロッドインテグレーター、104はコリメーターレンズ、105は偏光変換系、106はリレーレンズ、107はダイクロイックミラー、108は偏光ビームスプリッターである。また、109はクロスプリズム、110は本発明の反射型液晶表示装置、111は投影レンズ、112は全反射ミラーである。ランプ101から出た光束はリフレクター102で反射し、インテグレーター103の入り口に集光する。このリフレクター102は楕円リフレクターであり、発光部及びインテグレーター入り口にその焦点が存在する。インテグレーター103に入った光束はインテグレーター内部で0〜数回反射を繰り返し、インテグレーター出口で2次光源像を形成する。2次光源形成法としてはフライアイを用いた方法も有るが、ここでは省略する。2次光源からの光束はコリメーターレンズ104を通して、おおむね平行光とされ、偏光変換系の偏光ビームスプリッター105に入射する。P波は偏光ビームスプリッター105で反射し、λ/2板を通り全てがS波となり、リレーレンズ106に入射する。光束は、リレーレンズ106によりパネルに集光される。パネルに集光される間に、色分解ダイクロイックミラー107、偏光板(不図示)、偏光ビームスプリッター108、クロスプリズム109等で色分解系が構成され、S波がそれぞれ3枚準備された本発明の反射型液晶表示装置110に入射する。反射型液晶表示装置110では映像に合わせて画素ごとに電圧を制御する。液晶の作用によりS波を楕円偏光(もしくは直線偏光)に変調し、偏光ビームスプリッター108でP波成分を透過させ、クロスプリズム109で色合成した後、投影レンズ111から投影する。
次に、図2または図3を用いて本発明の反射型液晶表示装置の作製方法について述べる。
p型Si基板70を部分熱酸化し、LOCOS(Local Oxdation ofSilicon)酸化膜等のフィールド酸化膜を形成する。さらにこの基板を再度熱酸化し、膜厚600オングストロームのゲート酸化膜を形成する。ついで、パターニング後にリンをドーズ量1015cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1018cm−3程度の拡散領域36を形成する。ついでリンを1020cm−3程度ドープしたn型ポリシリコンからなるゲート電極33と電極39を形成する。そして、リンをドーズ量1012cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1016cm−3程度のn型不純物半導体領域であるn型低濃度ドレインを形成する。酸化膜をCVD法により堆積、エッチバック法によりポリシリコンの電極39とゲート電極33の側壁を残して酸化膜を除去する。その後パターニングされたフォトレジストをマスクとして、リンをドーズ量1015cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1019cm−3程度のソース領域35、ドレイン領域34を形成し、nMOSトランジスタを形成する。同様にpMOSトランジスタを形成する。
その後、基板全面に層間絶縁膜を形成する。層間絶縁膜はPSG(Phospho−silicate Glass)やNSG(Nondope Silicate Glass)/BPSG(Boro−Phospho−SilicateGlass)や、TEOS(Tetraetoxy−silane)等が適用可能である。ソース領域35、ドレイン領域34の直上にコンタクトホール64をパターニングし、スパッタリング等によりAlを蒸着した後にパターニングし、信号線40や電極41や下地層51などの第1金属導電層を形成する。この第1金属導電層と、ソース、ドレイン領域とのオーミックコンタクト特性を向上させるために、TiとTiNの積層膜等のバリアメタルを、第1金属導電層とソース領域35、またはドレイン領域34との間に形成するのが望ましい。その後、さらに層間絶縁膜と、下地配線37等の第2金属導電層を積層して形成し、次いで遮光膜31である金属膜を形成する。金属膜は例えばTi、TiN、Al等の金属もしくはそれらの積層膜であるが、特にこの材料に限定されない。この遮光膜31で主な光を遮光する。パターニング後、さらに層間絶縁膜を形成した後、プラグを開ける。ついで、プラグにタングステンを堆積した後にCMP法により平坦化する。その後、反射電極層をスパッタ法によりおよそ200nm堆積し、パターニングして反射電極30を形成する。その後に、保護膜32としてのシリコン酸化膜をプラズマCVD法により100nm形成した。さらに、斜方蒸着装置により、液晶配向のためのシリコン酸化膜を斜方蒸着膜44としておよそ100nm形成した。
ガラス基板46の透明電極47上にも斜方蒸着装置により同様にシリコン酸化膜を斜方蒸着膜43としておよそ100nm形成し、その後p型Si基板70と、ガラス基板46を貼り合せた。貼り合せた基板間に垂直配向型の液晶を注入し、そしてワイアボンディングで電極を取り出して、反射型液晶表示装置を作製した。この反射型液晶表示装置を3枚用いて、液晶プロジェクターシステムを作製したところ、高輝度で、信頼性の高い液晶プロジェクターが作製できた。
[実施形態2]
本発明の実施形態2を図5に基づいて説明する。図5は実施形態2に係る反射型液晶表示装置の画素構成を示すための画素レイアウトの平面図である。なお、実施形態1と同様の構成要素は同じ番号を付与し、詳細な説明は割愛する。実施形態2において、実施形態1の拡散領域36をp型Si基板70の基板面上から見て、「コ」の字状に配置したものである。実施形態2においては、光キャリアの吸い込み口であるn型の拡散領域36が、ドレイン領域34の回りを囲うようにコの字型に配置されている。このn型の拡散領域36は、ゲート配線62に接続されるゲート電極33と、ソース領域35とドレイン領域34との間の領域とが重なる領域であるチャネル領域以外を囲うように設けることができる。なお、光キャリアの吸い込み口であるn型の拡散領域36は、「コ」の字状に限定されるものではなく、例えばp型Si基板70の基板面上から見て、「L」字状としてドレイン領域34の周囲を囲うように設けてもよい。
[実施形態3]
本発明の実施形態3を図6に基づいて詳細に説明する。
図6は、本発明の実施形態3の反射型液晶表示装置に用いられる画素部を示し、図6(A)は画素部の平面図、図6(B)は画素部の断面図である。ここで、実施形態1と同様の構成要素は同じ番号を付与し、詳細な説明は割愛する。
実施形態3では、実施形態1に加えて、p型領域50がドレイン領域34と拡散領域36の間に形成されている。p型領域50は、p型Si基板70の内部で生じた光キャリアである電子が、ドレイン領域34に到達しにくいようにポテンシャルバリア層として機能する。図6(B)で示すようにp型Si基板70の表面から内部まで深くまでp型領域50があれば好ましい。しかしながら本発明はそれに特に限定されず、p型領域50が表面のみであったり、深部のみであったりしても効果は有り、また、イオン注入により多段階に注入してこのバリア層を形成しても良い。
また、実施形態3においては実施形態1と同様に、拡散領域36は電子の吸い込み口として機能させている。実施形態3において、実施形態1に比べてドレイン領域34を小さく形成し、かつドレイン領域34上に形成される下地層51でドレイン領域34を遮光し、ドレイン領域34の直上からの入射を抑制している。ドレイン領域34の外に入射した光による光キャリアは、ポテンシャル障壁となるp型領域50によりドレイン領域34への拡散が抑制される。そのため、光の入射による表示特性の劣化がさらに抑制される。本実施形態では、拡散領域36の電圧を実施形態1と同様に調整している。しかしながら、本実施形態では、拡散領域36は設けなくともよく、ポテンシャル障壁となるp型領域50のみを設けてもドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。すなわち、図6(B)では、p型Si基板70内における画素の領域は、ドレイン領域34、ソース領域35、拡散領域36及びp型領域50を含むものであるが、ドレイン領域34、ソース領域35、及びp型領域50を含むものを画素領域としてもよい。ただし、実施形態1と同様に電圧が調整された拡散領域36を有する画素の方が、よりドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。
本実施形態の作製方法について述べる。基本的な工程は、実施形態1と同様である。p型領域50は、例えばゲート酸化膜を形成しパターニングした後に、ボロンを加速電圧30KeV,70KeV,140KeVの3条件で不純物濃度5×1017cm−3程度になるようにイオン注入を行うことにより形成され得る。ついで、パターニング後にリンをドーズ量1015cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1018cm−3程度の拡散領域36を形成する。その他の工程は実施形態1と同様である。なお、本実施形態ではp型基板の例であり、nMOSトランジスタを画素スイッチに使用しているが、n型基板でpMOSトランジスタを画素スイッチに使用しても問題はない。このとき光キャリアはホールとなるため、ポテンシャルバリア層となる領域50はn型の領域となる。
その後、ガラス基板46の透明電極47上にも斜方蒸着装置により同様にシリコン酸化膜を斜方蒸着膜43としておよそ100nm形成し、その後p型Si基板70と、ガラス基板46を貼り合せた。貼り合せた基板間に垂直配向型の液晶を注入し、そしてワイアボンディングで電極を取り出して、反射型液晶表示装置を作製した。この反射型液晶表示装置を3枚用いて、液晶プロジェクターシステムを作製したところ、高輝度で、信頼性の高い液晶プロジェクターが作製できた。
[実施形態4]
図7に基づいて、本発明の実施形態4を詳細に説明する。
図7は、本発明の実施形態4の反射型液晶表示装置に用いられる画素部分の断面図である。本実施形態では、ポテンシャルバリアとして機能するp型領域52が、ドレイン領域34の下部に形成されている。本実施形態においても実施形態1及び実施形態3と同様に、電子の吸い込み口としては拡散領域36が設けられている。実施形態4においても実施形態3と同様に、実施形態1に比べてドレイン領域34を小さく形成し、かつドレイン領域34上に形成される下地層51でドレイン領域34を遮光し、ドレイン領域34の直上からの入射を抑制している。斜め入射や散乱によりドレイン領域34の下部深くに入射した光による光キャリアは、ポテンシャル障壁となるp型領域52によりドレイン領域34への拡散を抑制することができる。したがって、光の入射による表示特性に劣化が大きく抑制される。p型領域52の深さは、ドレインに近く浅いほうが光キャリア抑制特性や容量を増加させることができるため好ましいが、耐圧の問題等設計的な事項等を考慮して適宜設定される。
また、本実施形態では、拡散領域36の電圧を実施形態1と同様に調整している。しかしながら、本実施形態では、拡散領域36は設けなくともよく、p型領域52のみを設けてもドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。すなわち、図7では、p型Si基板70内における画素の領域は、ドレイン領域34、ソース領域35、拡散領域36及びp型領域52を含むものであるが、ドレイン領域34、ソース領域35、及びp型領域52を含むものを画素領域としてもよい。ただし、実施形態1と同様に電圧が調整された拡散領域36を有する画素の方が、よりドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。また図8のように、実施形態3のp型領域50と組み合わせてp型領域53を設けると、プロセス的には工程数が増加するが光キャリア抑制の面では好ましいことは言うまでもない。この反射型液晶表示装置を3枚用いて、液晶プロジェクターシステムを作製したところ、高輝度で、信頼性の高い液晶プロジェクターが作製できた。
[実施形態5]
実施形態3では、p型基板70の基板面上から見て、ドレイン領域34の周囲の一部に線状にp型領域50のポテンシャル障壁を設けた例について説明した。本実施形態では、実施形態3のp型領域と同様のポテンシャル障壁となるp型領域54を、p型基板70の基板面上から見て、「L」字状や「コ」の字状としてドレイン領域34の周囲を囲うように設けている。
図9は、本発明の実施形態5の反射型液晶表示装置に用いられる画素部分の平面図である。図9では、ポテンシャル障壁となるp型領域54を「コ」の字状に配置したものである。図9においては、ポテンシャル障壁となるp型領域54が、ドレイン領域34の回りを囲うように「コ」の字型に配置されている。このp型領域54は、ゲート配線62に接続されるゲート電極33と、ソース領域35とドレイン領域33との間の領域とが重なる部分、つまりチャネル領域以外を囲うように設けることができる。p型領域54は、図7に示すp型領域52と組み合わせて、ドレイン領域34の下部を含めてドレイン領域を囲うようにポテンシャル障壁を設けることもできる。なお、図9においてp型領域54を「コ」の字状に配置したが、本実施形態はそれに限定されるものではなく、「L」字状に配置し、チャネル領域の周囲を一部囲うように設けてもよい。
[実施形態6]
図10は、本発明の実施形態6の反射型液晶表示装置に用いられる画素部分の平面図である。
図10に示すように、ゲート線86はコンタクト領域85を介してトランジスタのゲートに接続され、信号線82から信号が、反射電極と接続されたドレイン領域89へ伝播される。81は信号線82のコンタクト領域である。ドレイン領域89と上の矩形状の第1金属導電層(第一導電層となる)80はコンタクトで接続され、且つその上の矩形状の第2金属導電層(第二導電層となる)84と接続している。なお、第1金属導電層80、第2金属導電層84は特に矩形状でなくてもよく、必要に応じてその形状が設定される。
本実施形態においては、どの方向においても第1金属導電層80よりも第2金属配線層84の方が小さい。すなわち、半導体基板側から見たときに、第1金属導電層80は、第2金属導電層84を覆うように、第1金属導電層80の外周は第2金属導電層84の外周よりも大きくなっている。
83は最上部の反射電極(画素電極となる)と第2金属導電層84とを接続しているプラグ部であり、反射電極の隙間から入射した光はこのプラグ部83の周辺から光が漏れこむことになる。しかし第2金属導電層84のほぼ重心(重心又は実質的に重心と判断される領域と含む)にプラグ部83を配置することで半導体基板に入射する光を抑制できる。このように入射した光は第2金属導電層84で反射される。第2金属導電層84と、その周囲に設けられた第2金属導電層84と同層の金属層87との隙間から入射した光は、第1金属導電層80で再び反射されることになる。つまり、液晶側からみたときに、同じ導電層である第2金属導電層84と金属層87の隙間の下(開口部下)には第1金属導電層80が配置され、遮光効果が向上する。
このように、どの領域においても金属導電層が存在することから、光が半導体基板に入射するには複数回の反射を行うことになる。よって、本実施形態の配線レイアウトを実施形態1〜5に適用することにより、半導体基板に入射する光を抑制することができる。そして、さらに半導体基板の構造により、光キャリアによるスイッチ素子の動作への悪影響による特性の劣化を抑制することができる。また半導体領域を金属配線層80より小さくすることで、半導体基板、特にドレイン領域近傍での半導体基板へ入射する光の絶対量は大きく抑制される。
この構成の画素で反射型液晶表示装置を作製した。この反射型液晶表示装置を3枚用いて、液晶プロジェクターシステムを作製したところ、高輝度の光でも光リークによる特性劣化は生じず、信頼性の高い液晶プロジェクターが作製できた。
[実施形態7]
本発明の実施形態7について、図11を基に詳細に説明する。なお、実施形態1と同じ構成要素には同じ番号を付与し、説明は割愛する。
図11は、本実施形態の反射型液晶表示装置の画素構成を示す平面図と概略的断面図である。図11(A)は本実施形態の画素レイアウトの平面図であり、図11(B)は図11(A)のA−A’における断面図である。なお、図11(B)において、各層間の絶縁層は絶縁膜32を除き簡易化のために省略されている。
図11において、実施形態1を説明する図2と異なるところは、図2では半導体基板としてp型Si基板70を用いていたが、本実施形態の図11では、半導体基板としてpウエル72を有するn型Si基板71を用いている。n型Si基板71のpウエル72内における画素の領域は、ドレイン領域34、ソース領域35及び拡散領域36を含むものである。
本実施形態では、容量形成のための拡散領域36の電圧を、ドレイン領域34に与えられる基準電圧よりも高く設定する。たとえば、垂直配向液晶を用いて基準値を7Vとした場合、交流駆動のためドレイン領域には7V±5Vの電圧が与えられる。この場合には例えば、拡散領域36の固定電圧を8Vに設定する。こう設定することで基板内に生じた光キャリアの電子はすみやかに拡散領域36に集まり、ドレイン領域34のフローティング部には集まりにくい構成となり、表示特性の劣化を抑制できる。
上記例を一般的な表記で示す。多数キャリアの単位電荷量をQとした時、多数キャリアが電子の場合、単位電荷Q=−qであるので(q=1.6×10−19C)、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積は−7qとなる。拡散領域36の電圧を8Vとすると、拡散領域36における単位電荷量と電圧の積は−8qとなり、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも小さくなる。このように、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも拡散領域36の単位電荷量と電圧の積を小さくすることで、拡散領域36に電子が流れ込むような電位勾配が発生する。そのため、光キャリアである電子が拡散領域36により吸い込まれる。
なお、本実施形態ではn型Si基板のpウエルにnMOSトランジスタを使用している形態を用いて説明しているが、p型Si基板のnウエルにpMOSトランジスタを使用する形態でも問題はない。この場合、光キャリアはホールであるため、多数キャリアであるホールに対して、拡散領域36に与えられる電圧をドレイン領域34に与えられる電圧の基準値7Vより低くするために、例えば拡散領域36に与えられる電圧を6Vとする。このとき多数キャリアの単位電荷はホールであるためQ=qとなり、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積は7qとなる。拡散領域36の電圧を6Vとすると、拡散領域36における単位電荷量と電圧の積は6qとなり、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも小さくなる。このように、ドレイン領域34における単位電荷量と電圧の基準値の積よりも拡散領域34の単位電荷量と電圧の積を小さくすることで、拡散領域36に正孔が流れ込むような電位勾配が発生する。そのため、光キャリアである正孔が拡散領域36により吸い込まれる。
また、n型Si基板でpウエルのnMOSトランジスタの場合において、より強く光キャリアを拡散領域36で吸い込むために、拡散領域36の電圧を駆動期間におけるドレイン領域の最高電圧である12Vよりも高い電圧にすることが好ましい。これにより、電位勾配をより急にすることが可能となり、拡散領域36により電子が流れ込みやすくなる。なお、本実施形態では画素のスイッチ素子として、MOSトランジスタを用いた場合について説明したが、特にスイッチ素子の構成に限定されるものではない。それは、本発明は、画素電極と接続されるスイッチ素子がオフ状態の時に、フローティング状態となっているスイッチ素子の一方の主電極領域となる半導体領域に電荷が集まると表示特性に影響を与える、という課題を解決するものであるからである。また本実施形態では、拡散領域36は容量の一方の電極を構成しているが、容量の一方を構成する拡散領域とは別個に設けても良い。
次に、図11を用いて本発明の反射型液晶表示装置の作製方法について述べる。
n型Si基板71を部分熱酸化し、LOCOS(Local Oxdation ofSilicon)酸化膜等のフィールド酸化膜を形成する。ついでLOCOSをマスクとしてボロンをドーズ量1012cm−2程度イオン注入し、p形不純物領域であるPウエル72を形成する。この基板を再度熱酸化し、膜厚600オングストロームのゲート酸化膜を形成する。ついで、パターニング後にリンをドーズ量1015cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1018cm−3程度の拡散領域36と電極39を形成する。ついでリンを1020cm−3程度ドープしたn型ポリシリコンからなるゲート電極33を形成する。そして、リンをドーズ量1012cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1016cm−3程度のn型不純物領域であるn型低濃度ドレインを形成する。酸化膜をCVD法により堆積、エッチバック法によりポリシリコンの電極39とゲート電極33の側壁を残して酸化膜を除去する。その後パターニングされたフォトレジストをマスクとして、リンをドーズ量1015cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1019cm−3程度のソース領域35、ドレイン領域34を形成し、nMOSトランジスタを形成する。同様にpMOSトランジスタを形成する。
その後、基板全面に層間絶縁膜を形成する。層間絶縁膜はPSG(Phospho−silicate Glass)やNSG(Nondope Silicate Glass)/BPSG(Boro−Phospho−Silicate Glass)や、TEOS(Tetraetoxy−silane)等が適用可能である。ソース領域35、ドレイン領域34の直上にコンタクトホールをパターニングし、スパッタリング等によりAlを蒸着した後にパターニングし、信号線40や電極41や下地層51などの第1金属導電層を形成する。この第1金属導電層と、ソース、ドレイン領域とのオーミックコンタクト特性を向上させるために、TiとTiNの積層膜等のバリアメタルを、第1金属導電層とソース、ドレイン領域との間に形成するのが望ましい。その後、さらに層間絶縁膜と、下地配線37などの第2金属導電層を積層して形成し、ついで遮光膜31である金属膜を形成する。金属膜は例えばTi、TiN、Al等の金属もしくはそれらの積層膜であるが、特にこの材料に限定されない。この遮光膜31で主な光を遮光する。パターニング後、さらに層間絶縁膜を形成した後、プラグを開ける。ついで、プラグにタングステンを堆積した後にCMP法により平坦化する。その後、反射電極層をスパッタ法によりおよそ200nm堆積し、パターニングして反射電極層を形成する。その後に、保護膜32としてのシリコン酸化膜をプラズマCVD法により100nm形成した。さらに、斜方蒸着装置により、液晶配向のためのシリコン酸化膜を斜方蒸着膜44としておよそ100nm形成した。
ガラス基板46の透明電極47上にも斜方蒸着装置により同様にシリコン酸化膜を斜方蒸着膜43としておよそ100nm形成し、その後p型Si基板70と、ガラス基板46を貼り合せた。貼り合せた基板間に垂直配向型の液晶を注入し、そしてワイアボンディングで電極を取り出して、反射型液晶表示装置を作製した。この反射型液晶表示装置を3枚用いて、液晶プロジェクターシステムを作製したところ、高輝度で、信頼性の高い液晶プロジェクターが作製できた。
[実施形態8]
本発明の実施形態8を図12に基づいて詳細に説明する。図12は、本発明の実施形態3の反射型液晶表示装置に用いられる画素部を示し、図12(A)は画素部の平面図、図12(B)は画素部の断面図である。ここで、実施形態3または実施形態7と同様の構成要素は同じ番号を付与し、詳細な説明は割愛する。
実施形態8では、実施形態7に加えて、p型領域50がドレイン領域34と拡散領域36の間に形成されている。p型領域50は、pウエル72の内部で生じた光キャリアである電子が、ドレイン領域34に到達しにくいようにポテンシャルバリア層として機能する。図12(B)で示すようにpウエル72の表面から内部まで深くまでp型領域50があれば好ましい。しかしながら本発明はそれに特に限定されず、p型領域50が表面のみであったり、深部のみであったりしても効果は有り、また、イオン注入により多段階に注入してこのバリア層を形成しても良い。また、実施形態8においては実施形態7と同様に、拡散領域36は電子の吸い込み口として機能させている。実施形態8において、実施形態7に比べてドレイン領域34を小さく形成し、かつドレイン領域34上に形成される下地層51でドレイン領域34を遮光し、ドレイン領域34の直上からの入射を抑制している。ドレイン領域34の外に入射した光による光キャリアは、ポテンシャル障壁となるp型領域50によりドレイン領域34への拡散が抑制される。そのため、光の入射による表示特性の劣化がさらに抑制される。本実施形態では、拡散領域36の電圧を実施形態7と同様に調整している。しかしながら、本実施形態では、拡散領域36は設けなくともよく、ポテンシャル障壁となるp型領域50のみを設けてもドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。すなわち、図12(B)では、pウエル72内における画素の領域は、ドレイン領域34、ソース領域35、拡散領域36及びp型領域50を含むものであるが、ドレイン領域34、ソース領域35、及びp型領域50を含むものを画素領域としてもよい。ただし、実施形態7と同様に電圧が調整された拡散領域36を有する画素の方が、よりドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。
本実施形態の作製方法について述べる。基本的な工程は、実施形態7と同様である。p型領域50は、例えばゲート酸化膜を形成しパターニングした後に、ボロンを加速電圧30KeV,70KeV,140KeVの3条件で不純物濃度5×1017cm−3程度になるようにイオン注入を行うことにより形成され得る。ついで、パターニング後にリンをドーズ量1015cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1018cm−3程度の拡散領域36を形成する。その他の工程は実施形態7と同様である。なお、本実施形態ではpウエルを有するn型Si基板の例であり、nMOSトランジスタを画素スイッチに使用しているが、nウエルを有するp型Si基板でpMOSトランジスタを画素スイッチに使用しても問題はない。このとき光キャリアはホールとなるため、ポテンシャルバリア層となる領域50はn型の領域となる。
その後、ガラス基板46の透明電極47上にも斜方蒸着装置により同様にシリコン酸化膜を斜方蒸着膜43としておよそ100nm形成し、その後n型Si基板71と、ガラス基板46を貼り合せた。貼り合せた基板間に垂直配向型の液晶を注入し、そしてワイアボンディングで電極を取り出して、反射型液晶表示装置を作製した。この反射型液晶表示装置を3枚用いて、液晶プロジェクターシステムを作製したところ、高輝度で、信頼性の高い液晶プロジェクターが作製できた。
[実施形態9]
図13に基づいて、本発明の実施形態9を詳細に説明する。
図13は、本発明の実施形態9の反射型液晶表示装置に用いられる画素部分の断面図である。本実施形態では、ポテンシャルバリアとして機能するp型領域52が、ドレイン領域34の下部に形成されている。本実施形態においても実施形態7及び実施形態8と同様に、電子の吸い込み口としては拡散領域36が設けられている。実施形態9においても実施形態3と同様に、実施形態7に比べてドレイン領域34を小さく形成し、かつドレイン領域34上に形成される下地層51でドレイン領域34を遮光し、ドレイン領域34の直上からの入射を抑制している。斜め入射や散乱によりドレイン領域34の下部深くに入射した光による光キャリアは、ポテンシャル障壁となるp型領域52によりドレイン領域34への拡散を抑制することができる。したがって、光の入射による表示特性に劣化が大きく抑制される。p型領域52の深さは、ドレインに近く浅いほうが光キャリア抑制特性や容量を増加させることができるため好ましいが、耐圧の問題等設計的な事項等を考慮して適宜設定される。
また、本実施形態では、拡散領域36の電圧を実施形態7と同様に調整している。しかしながら、本実施形態では、拡散領域36は設けなくともよく、p型領域52のみを設けてもドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。すなわち、図13では、n型Si基板のpウエル72内における画素の領域は、ドレイン領域34、ソース領域35、拡散領域36及びp型領域52を含むものであるが、ドレイン領域34、ソース領域35、及びp型領域52を含むものを画素領域としてもよい。ただし、実施形態7と同様に電圧が調整された拡散領域36を有する画素の方が、よりドレイン領域34への光キャリアの拡散は抑制され得る。また図14のように、実施形態8のp型領域50と組み合わせてp型領域53を設けると、プロセス的には工程数が増加するが、光キャリア抑制の面では好ましいことは言うまでもない。この反射型液晶表示装置を3枚用いて、液晶プロジェクターシステムを作製したところ、高輝度で、信頼性の高い液晶プロジェクターが作製できた。