JP5159435B2 - ラミネートフィルム及び発熱物包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、効率的な熱伝達及び放熱効果を兼ね備えたラミネートフィルム及びこのフィルムを用いた発熱物包装体に関する。
周知のように、ラミネートフィルムは、金属箔をプラスチックからなる層で挟む構造を持つ。特に、アルミ箔を用いたラミネートフィルムは、防湿性,ガスバリアー性,遮光性に優れた性能を持っており、包装材料として化学工業製品や医薬品等に幅広く使用されている。
近年、地球環境保護の観点より、各種産業機器及び家電製品などの省エネルギー化は、緊急に取り組むべき課題となっている。特に、自動車技術では走行性能を損わずに燃費を改善し、車両コストを増やさず、最も量販が見込める方式としてHEVが今後の自走者の核になると考えられる。
現在のところ、HEV用の電源システムとしてニッケル水素電池が使用されているが、よりエネルギー密度の高いHEV用のリチウムイオン二次電池の開発に注目が集まっている。
これまでのリチウムイオン二次電池は、携帯電話にも用いられるように角型のリチウムイオン二次電池が主流であった。しかし、HEVや航空用途への関心が高まるにつれて、省スペース、高エネルギー密度、高レートといった性能が求められている。そこで、これまでの金属缶の電池容器から薄くて軽量なラミネート式リチウム二次電池の開発が進められてきた。
即ち、外装容器を金属からアルミラミネートフィルムへ変えることでエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が得られた。しかし、ラミネート式リチウム二次電池は高いエネルギー密度を有するものの、充放電によるストレスや過充電等の過大ストレスが印加されると、リチウムセルが発熱して膨張する。そして、最悪の場合には破裂して火災発生の誘引となることもある。
以上の現象から、ラミネート式リチウムイオン二次電池には、発熱膨張により電池寿命が低下し、発熱膨張させないためのストレス低減で電力量を抑えるといったデメリットが発生してしまう。従って、高出力で長寿命なラミネート式ラミネートイオン二次電池の開発にはいかにリチウムセル内部の熱を効率的に放熱するかが重要となってくる。
これまで、特許文献1では、組電池内の構造ではあるが、リチウムセル内部の熱を効率的に外部へ放出するために、セルの外装の一面に導電体を当接し、外部に熱を放出している。また、特許文献2では、リチウムポリマー電池外装体表面に放熱層を形成し、放熱性能を向上させている。
特開2007−123016号公報 特開2006−114575号公報
上述した特許文献1,2に開示された技術は、ラミネートフィルム等外装体の金属層まで到達した熱を外部に効率的に放出するというものである。
しかし、ラミネートフィルムに使用されている金属、例えばアルミニウムは赤外線を反射する特性があることから、外装体内部で発生した熱は外装体中の金属で反射され、内部で蓄熱されてしまう。
また、外装表面に熱伝導体シート等を設置して放熱特性の向上をはかる場合、外装材内部の温度が外部温度よりも高い場合には効果を発揮するが、逆に外部の温度が外装内部の温度を超えてしまう場合には、熱伝導シートは包装体に対して加熱効果をもたらす可能性がある。
ここで、ラミネートフィルム金属層の発熱要素側に熱吸収機能を付与させれば、現状のラミネートフィルムの放熱性を高めることができる。
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、従来と比べて放熱性を向上し得るラミネートフィルム、及びこのフィルムを発熱要素の外装材に用いた発熱物包装体を提供することを目的とする。
本発明に係るラミネートフィルムは、プラスチックフィルムからなる保護層と、この保護層上に形成された、金属箔からなる金属層と、この金属層上に形成されたプラスチックフィルムからなる熱融着層と、前記金属層と熱融着層間に形成された接着層とを具備するラミネートフィルムにおいて、前記接着層、もしくは熱融着層、もしくは金属層と接着層間、もしくは接着層と熱融着層間、もしくは熱融着層の外側の少なくともいずれか1つに熱吸収機能を付与することを特徴とする。
また、本発明に係る発熱物包装体は、前記ラミネートフィルムを発熱要素の外装材に用いることを特徴とする。
本発明によれば、金属層上の発熱要素側,具体的には接着層、もしくは熱融着層、もしくは金属層と接着層間、もしくは接着層と熱融着層間、もしくは熱融着層の外側の少なくともいずれか1つに熱吸収機能を付与することにより、ラミネートフィルムの放熱性を高めることができる。また、こうしたラミネートフィルムを用いた発熱物包装体によれば、発熱要素からの熱が金属層に反射されることなく、熱融着層に吸収されるので、金属層に効率的に伝導され、放熱特性を向上できる。
また、発熱要素の包装体内部においてその内部の温度が重要視される場合、例えばラミネート式リチウムイオン二次電池では、放熱特性の向上は基準値以上の温度での電解液の分解を抑制できるため、電池寿命、信頼性を向上させることが可能である。
以下、本発明に係るラミネートフィルム及び発熱物包装体について説明する。
本発明において、保護層の材料としては、延伸ポリエステル樹脂またはナイロンフィルムが挙げられる。ここで、延伸ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネートが挙げられる。ナイロンフィルムとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10が挙げられる。
本発明において、保護層は機械的強度を向上、耐ピンホール性及び電池の外装体との絶縁性を向上させるために用いられるもので、一層でもよいが、特に耐ピンホール性、即ち保護層にピンホールが形成されていたとしても、ピンホールが保護層の表裏に渡り貫通することがないように2層或いはそれ以上に積層化して用いてもよい。例えば、2層に積層する場合は、延伸ポリエステルと延伸ポリエステル、あるいはナイロンフィルムとナイロンフィルムといった同種、同材料を組み合わせて積層化してもよく、あるいは延伸ポリエステルとナイロンフィルムといった異種、異材料を組み合わせて積層化してもよい。
なお、保護層をあまり多く積層化した場合は、機械的強度等は向上するものの、放熱特性が低下し、それに伴って電池寿命が短くなってしまう恐れもあるので、2層程度が好ましい。
本発明において、金属層は、外部から電池特にリチウムイオン電池の内部に水蒸気が侵入することを防止するための層で、金属層単体のピンホール、及び加工適正を安定化し、耐ピンホールをもたせるためにアルミニウム、ニッケルなどの金属が用いられる。
本発明において、熱融着層としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン系共重合体の酸変性物、シラン変性物が用いられる。
本発明において、接着層は、金属層及び外装体の内層である熱融着層を接着させるために設ける層であり、熱融着層に使用される材料から選択される。具体的には、例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン樹脂、エチレン又はプロピレンとアクリル酸、または、メタクリル酸との共重合体、あるいは、金属架橋ポリオレフィン樹脂を使用することができる。
以下に、本発明のラミネートフィルムについて図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1を参照する。図中の符番1,2は2層積層化した保護層で、符番1はポリエチレンテレフタレート(PET)からなる保護層、符番2はナイロンからなる保護層である。これらの積層化した保護層には、アルミニウム(Al)箔からなる金属層3、接着層4及びポリプロピレン(PP)からなる熱融着層5が順次形成されている。ここで、接着層4は熱吸収機能を付与したもので、両面粘着性PPに熱吸収剤を混練して、黒く着色された層で構成されている。接着層4の材料には、混練後の使用時に接着性に問題がない材料を使用し、顔料などに使用される材料、例えばカーボン、金属酸化物を使用することができる。本実施例1ではカーボンを用いた。接着層4において、カーボンは両面粘着性PPと混練することで熱吸収効率の最も高い黒色に着色できるが、黒色に限定されず、混練することで熱吸収効率が高まる材料であればよい。
上述したように、実施例1に係るラミネートフィルムは、PETからなる保護層1上に、ナイロンからなる保護層2、Al箔からなる金属層3、両面粘着性PPに熱吸収剤を混練してなる熱吸収機能を付与した接着層4、及びPPからなる熱融着層5が順次形成された構成になっている。
(実施例2)
図2を参照する。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番6は、両面粘着性PPからなる接着層である。この接着層6上には、熱吸収機能を付与した熱融着層7が形成されている。熱融着層7は、PPにカーボンを混練して得られる。
上述したように、実施例2に係るラミネートフィルムは、PETからなる保護層1上に、ナイロンからなる保護層2、Al箔からなる金属層3、両面粘着性PPからなる接着層6、及びPPにカーボンを混練して得られる熱吸収機能を付与した熱融着層7が順次形成された構成になっている。
(実施例3)
図3を参照する。但し、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番8は、熱融着層5上に形成された熱吸収機能を有する熱吸収シートである。ここで、熱吸収シート8としては、熱融着層5との接着性が良好でかつ包材(ラミネートフィルムで包まれる材料)内部に影響がない材料、具体的にはPPにグラファイトを混練したものが挙げられるが、これに限定されない。なお、前記グラファイトの代わりに例えばカーボン,金属酸化物を使用することができる。
上述したように、実施例3に係るラミネートフィルムは、PETからなる保護層1上に、ナイロンからなる保護層2、Al箔からなる金属層3、両面粘着性PPからなる接着層6、PPからなる熱融着層5、及び熱吸収機能を有する熱吸収シート8が順次形成された構成になっている。
(実施例4)
図4を参照する。但し、図1〜図3と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番9は、金属層3と接着層6間に形成された,熱吸収機能を有する熱吸収シートである。熱吸収シート9には、両面粘着性PPにグラファイトを混練したものを用いた。なお、前記グラファイトの代わりに例えばカーボン,金属酸化物を使用することができる。
上述したように、実施例4に係るラミネートフィルムは、PETからなる保護層1上に、ナイロンからなる保護層2、Al箔からなる金属層3、両面粘着性PPにグラファイトを混練してなる熱吸収機能を有する熱吸収シート9、両面粘着性PPからなる接着層6、及びPPからなる熱融着層5が順次形成された構成になっている。
(実施例5)
図5を参照する。但し、図1〜図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番10は、接着層6と熱融着層5間に形成された,熱吸収機能を有する熱吸収シートである。熱吸収シート10には、両面粘着性PPにグラファイトを混練したものを用いた。なお、前記グラファイトの代わりに例えばカーボン,金属酸化物を使用することができる。
上述したように、実施例5に係るラミネートフィルムは、PETからなる保護層1上に、ナイロンからなる保護層2、Al箔からなる金属層3、熱吸収機能を有する熱吸収シート10、変性PPからなる接着層6、両面粘着性PPにグラファイトを混練してなる熱吸収機能を有する熱吸収シート10、及びPPからなる熱融着層5が順次形成された構成になっている。
(実施例6〜8)
実施例6のラミネートフィルムは、図示しないが、PETからなる保護層上に、ナイロンからなる保護層、Al箔からなる金属層、両面粘着性PPからなる熱吸収機能を有する接着層、及びPPからなる熱吸収機能を有する熱融着層が順次形成された構成となっている。
実施例7のラミネートフィルムは、図示しないが、PETからなる保護層上に、ナイロンからなる保護層、Al箔からなる金属層、両面粘着性PPからなる熱吸収機能を有する接着層、PPからなる熱吸収機能を有する熱融着層が順次形成された構成となっている。
実施例8のラミネートフィルムは、図示しないが、PETからなる保護層上に、ナイロンからなる保護層、Al箔からなる金属層、両面粘着性PPからなる熱吸収機能を有する接着層、PPからなる熱吸収機能を有する熱融着層、及び熱吸収機能を有する熱吸収シートが順次形成された構成となっている。
(従来例1)
図6を参照する。但し、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
従来例1のラミネートフィルムは、PETからなる保護層1上に、ナイロンからなる保護層2、Al箔からなる金属層3、両面粘着性PPからなる接着層11及びPPからなる熱融着層12が順次形成されている。
上記実施例1及び従来例1に係るラミネートフィルムの放熱特性を比較するために、図7に示すようにして放熱実験を行った。即ち、発熱プレート21上に熱融着層側が発熱プレート21と接すように、上記実施例によるラミネートフィルム22と従来のラミネートフィルム23を接触させ固定した。
まず、図7の状態でラミネートフィルム22,23を接着させた発熱プレート21を65℃に加熱した。次に、その後の両ラミネートフィルム22,23の放熱性を比較するため、サーモグラフィをラミネートフィルムの保護層1の表面に設置し、温度の変化を観察した。その結果、従来のラミネートフィルム23が発熱開始15.5秒後に65℃に達したのに対し、本発明のラミネートフィルム22は発熱開始3.7秒で65℃に達した。この結果より、本発明のラミネートフィルム22は、従来のラミネートフィルム23と比較して熱吸収速度が速いことが確認できた。この結果は、下記表1に示すとおりである。
また、他の実施例2〜8に係るラミネートフィルムに関しても上記と同様な放熱実験を行ったところ、下記表1に示す結果が得られた。なお、表1中、「+」は機能を付与したことを意味し、「両面粘着性PP+熱吸収」とは熱吸収機能を付与した両面粘着性PPを示す。
Figure 0005159435
表1より、本発明のラミネートフィルムは、全て従来のラミネートフィルムより熱吸収速度が速いことがわかる。しかし、熱吸収層が多い実施例7においては、65℃に到達する時間は長くなり、熱吸収速度が遅いことがわかる。また、熱吸収層が1層である実施例においても、金属層に熱吸収層に接している実施例1のフィルムと比較して、金属層に接していない実施例2,3のフィルムでは熱吸収速度が遅いことがわかる。
以上の結果より、金属層により近い位置に熱吸収層を設けることが望ましく、熱吸収層の数が多すぎる場合にはそのラミネートフィルムの放熱効果は低下することがわかる。
(従来例2)
従来例2のラミネートフィルムは、従来例1のラミネートフィルムの外面に放熱用としてアルミニウムからなる金属板を貼り付けた構成となっている。従来例2のラミネートフィルムは、具体的には、アルミニウムからなる金属板上に、PETからなる保護層、ナイロンからなる保護層、Al箔からなる金属層、両面粘着性PPからなる接着層、及びPPからなる熱融着層が順次形成された構成となっている。
(実施例9)
本実施例9では、本発明に係るラミネートフィルムを実際に発熱要素の包材に用いた場合、従来のラミネートフィルムを発熱要素の包材として用いた場合と比較して、どのような効果が得られるのか調査を行った。調査は、発熱要素をリチウムイオンセルとしたラミネート式リチウム二次電池を用いて行った。また、リチウムイオンセルには、正極活物質とAl集電体からなる正極と負極活物質とCu集電体からなる負極とをセパレーターを介在させて積層させ、正極集電体上に正極端子、負極集電体上に負極端子を接合し、これが定格容量1Ahとなるようにして電極群を用いた。
上記電極群を2つ用意し、1つは図1に示す本発明のラミネートフィルムを用いた電池パックに、他方を従来のラミネートフィルムを用いた電池パックに収容する。電極群を包むのに十分な大きさのラミネートフィルムを保護層1が外側となるようにU字状にし、これに正負極端子が上部から出るように電池群を入れ、左右にヒートシールし、夫々に電解液を注入後、上端部を減圧封止して3.6V、1Ahのラミネート式リチウム二次電池とした。
次に、本発明のラミネートフィルムを外装材に用いたラミネート式リチウムイオン二次電池と、従来のラミネートフィルムを外装材に用いたラミネート式リチウムイオン二次電池の比較を行うために、25℃で設定したインキュベーター内にて充放電サイクル試験を行った。この充放電サイクル試験は、1Cレートの定電流・定電圧(CC・CV)で行い、充電電圧4.2V、放電電圧2.8Vとした。なお、定格容量の80%を切った時点で寿命とした。
その結果を図8に示す。図8において、横軸はサイクル数、縦軸は容量維持率となっており、比較例のラミネートフィルムを外装材に用いた従来品では、1400サイクル経過時の容量維持率が79.9%であった。これに対し、本発明のラミネートフィルムを外装材に用いた本発明品では、1400サイクル経過時の容量維持率は85.4%であった。なお、図8において、曲線aは比較例、曲線bは実施例1、曲線cは実施例2、曲線dは実施例3、曲線eは実施例6のラミネートフィルムの場合を夫々示す。
このように、本実施例では、定格容量1Ahのリチウムイオンセルを用いてICレートの試験のため、従来品との差は1400サイクル経過時で5.5%であった。しかし、さらに高レートの試験になればリチウムイオンセルからの発熱量は大きくなり、また高容量のリチウムイオンセルを使用すればより熱が溜まりやすくなることは明らかで、それにより本発明の効果がより大きく現れることも明白である。
上記実験結果より、本発明のラミネートフィルムが、従来のラミネートフィルムと比較して熱吸収速度が速いことが確認できた。また、発熱要素側からラミネートフィルムへの熱伝導速度が速いことが、ラミネートフィルムの放熱速度が速いことを証明している。
上記実験結果より、本発明のラミネートフィルムをリチウムイオンセルの外装材として用いた際に、現状のラミネートフィルムを外装材に用いたリチウムイオンセルよりも容量維持率が高いことから、本発明を用いたリチウムイオンセルが現状品を用いたリチウムイオンセルと比較して放熱特性が優れていることを証明している。
以上より、次のことが考察される。
1)本発明に係るラミネートフィルムは、現状使用されているラミネートフィルムと比較して、熱融着層から金属層方向への優れた熱吸収性能によって、発熱要素から所定方向への放熱量を増加させることができ、発熱手段の放熱効率を高めることができる。
2)本発明に係るラミネートフィルムは、取扱いとしては現状のラミネートフィルムと同様なので、現状のラミネートフィルムが発熱要素の外装に用いられているシステムへの適用が非常に容易である。
3)従って、本発明のラミネートフィルムは、ラミネート式リチウムイオン二次電池等の発電要素の外装材に使用できる他、所定方向への放熱促進を必要とする家電などの設備器具への応用も可能である。
なお、本発明は、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
図1は、本発明の実施例1に係るラミネートフィルムの断面図。 図2は、本発明の実施例2に係るラミネートフィルムの断面図。 図3は、本発明の実施例3に係るラミネートフィルムの断面図。 図4は、本発明の実施例4に係るラミネートフィルムの断面図。 図5は、本発明の実施例5に係るラミネートフィルムの断面図。 図6は、比較例に係るラミネートフィルムの断面図。 図7は、本発明と比較例に係るラミネートフィルムの放熱特性を比較する為の説明図。 図8は、本発明の実施例1,2,3,6及び比較例に係るラミネートフィルムの容量維持率とサイクル数との関係を示す特性図。
符号の説明
1,2…保護層、3…金属層、4,6…接着層、5,7…熱融着層、8,9,10…熱吸収シート、21…発熱プレート、22…ラミネートフィルム。

Claims (5)

  1. プラスチックフィルムからなる保護層と、この保護層上に形成された、金属箔からなる金属層と、この金属層上に形成されたプラスチックフィルムからなる熱融着層と、前記金属層と熱融着層間に形成された接着層とを具備するラミネートフィルムにおいて、
    前記接着層、もしくは熱融着層、もしくは金属層と接着層間、もしくは接着層と熱融着層間、もしくは熱融着層の外側の少なくともいずれか1つに熱吸収機能を付与することを特徴とするラミネートフィルム。
  2. 前記接着層、もしくは前記熱融着層の少なくともいずれか一方に、熱吸収剤を混練させて熱吸収機能を付与することを特徴とする請求項1記載のラミネートフィルム。
  3. 前記熱吸収剤がカーボンまたはグラファイトであることを特徴とする請求項2記載のラミネートフィルム。
  4. 請求項1乃至3いずれか一記載のラミネートフィルムを発熱要素の外装材に用いることを特徴とする発熱物包装体。
  5. 発熱要素が電池要素であることを特徴とする請求項4記載の発熱物包装体。
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