JP5159086B2 - 超音波診断装置及びカテーテルナビゲーションシステム - Google Patents

超音波診断装置及びカテーテルナビゲーションシステム Download PDF

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Description

本発明は、超音波ガイド下で血管内にカテーテルを挿入する場合に用いられ、特にカテーテルを所望とする血管に簡便且つ正確に挿入するために使用されるものである。
超音波診断は、超音波プローブを体表から当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。この他、システムの規模がX線、CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便な診断手法であると言える。この超音波診断において用いられる超音波診断装置は、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度のものが開発されており、超音波診断はX線などのように被曝の影響がなく、産科や在宅医療等においても使用することができる。
近年、血管内カテーテルによる治療(血管インターベンション)において、体内のカテーテルの位置をモニタリングする方法として、X線による血管造影の他に、超音波も用いられている。これは、超音波画像では血管壁(すなわち、血流及びその周辺組織)とカテーテルの両方の画像を映像化することができるため、例えば血管分岐が存在する場合に、目的とする血管にカテーテルが挿入されているか(True)、別の分岐した血管に挿入されているか(Sub)を容易に判断することができ、カテーテルを進め易いこと等の利点があるからである。血管インターベンションは、頚動脈、腎動脈、大動脈、冠動脈、上肢動脈/静脈、下肢動脈/静脈など多く血管を適用対象としている。
なお、本願に関連する公知文献としては、例えば次のようなものがある。
特開2004−283373号公報 特開平11−318884号公報 特開2003−305039号公報
しかしながら、従来の超音波診断装置を用いて血管インターベンションでのモニタリング画像を取得する場合、血管を通るスキャン断面を得るために、操作者がプローブを移動させながら例えば図8(a)、(b)に示すような適切な角度、位置等を探さなければならない。そのため、カテーテル操作を行う血管インターベンションでは作業が繁雑となり、術中における作業負担が大きい。また、血管は曲がっていたり、分岐していたりなど立体的な構造をしており、一次元アレイプローブを用いる場合、血管の走行方向に沿った超音波断面像を抽出ことは困難である。
上記問題点を解決するため、例えばドプラ情報や血管壁の情報を用いて超音波ボリュームデータにおける血管の走行を判定し、血管の走行方向中心軸に沿った超音波断面像を描出し、さらに血管が曲がっている場合には、二次元断層像も曲面として描出する方法がある。しかしながら、この方法では、生体内に超音波ガイド下でカテーテルを挿入し、所望とする部位まで到達させるためには、画像上の複数の血管の中からカテーテルが入っている血管を人為的に判断しなければない。従って、術者の作業負担は依然大きいと言える。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、超音波ガイド下での血管インターベンションにおいて、現在のカテーテルの位置、カテーテルが挿入されている血管、カテーテルを進行させるべき位置を良好に視認することができる超音波画像を提供可能な超音波診断装置及びカテーテルナビゲーションシステムを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
一実施形態に係る超音波診断装置は、被検体に挿入されるカテーテルの挿入予定経路に関する位置情報である第1の位置情報を記憶する記憶手段と、前記被検体を超音波走査し超音波走査領域に関する画像データを取得するデータ取得手段と、前記超音波走査領域に関する位置情報である第2の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報と、カテーテルの位置検出装置から供給されるカテーテルの位置情報である第3の位置情報との間の対応付けを行う対応付け手段と、対応付けられた前記第1乃至第3の位置情報と前記超音波走査領域に関する画像データとに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路及び現在のカテーテルの位置が明示された超音波画像であるナビゲーション画像を生成する画像生成手段と、前記第1の位置情報と前記第3の位置情報とに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路に上に前記カテーテルが存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記現在のカテーテルの位置が前記カテーテルの挿入予定経路上に存在するか否かを明示的に示す付帯情報を生成する付帯情報生成手段と、前記ナビゲーション画像と前記付帯情報とを同時に表示する表示手段と、を具備するものである。
一実施形態に係るカテーテルナビゲーションシステムは、カテーテルの挿入予定経路に関する位置情報である第1の位置情報を記憶する記憶手段と、前記被検体を超音波走査し超音波走査領域に関する画像データを取得するデータ取得手段と、前記超音波走査領域に関する位置情報である第2の位置情報を取得する位置情報取得手段と、被検体に挿入されるカテーテルの位置情報である第3の位置情報を検出するカテーテル位置検出手段と、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報と、前記第3の位置情報との間の対応付けを行う対応付け手段と、対応付けられた前記第1乃至第3の位置情報と前記超音波走査領域に関する画像データとに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路及び現在のカテーテルの位置が明示された超音波画像であるナビゲーション画像を生成する画像生成手段と、前記第1の位置情報と前記第3の位置情報とに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路に上に前記カテーテルが存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記現在のカテーテルの位置が前記カテーテルの挿入予定経路上に存在するか否かを明示的に示す付帯情報を生成する付帯情報生成手段と、前記ナビゲーション画像と前記付帯情報とを同時に表示する表示手段と、を具備することを特徴とするものである。
以上本発明によれば、超音波ガイド下での血管インターベンションにおいて、現在のカテーテルの位置、カテーテルが挿入されている血管、カテーテルを進行させるべき位置を良好に視認することができる超音波画像を提供可能な超音波診断装置及びカテーテルナビゲーションシステムを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係るカテーテルナビゲーションシステム1の構成を示した図である。同図に示すように、本カテーテルビゲーションシステム1は、カテーテルシステム2、超音波診断装置3とを具備している。
カテーテルシステム2は、カテーテル2aと、当該カテーテルの所定の位置(例えば、その先端)に設けられるカテーテル位置検出装置2bとを有する。カテーテル2aは、血管インターベンションに用いられ、目的に応じてその先端にバルーン、カッター等を備え、血管内を経由して所定の位置に挿入される。カテーテル位置検出装置2bは、超音波診断装置3と有線又は無線で接続され、カテーテル2aの先端の空間的位置を特定するための情報(カテーテル位置情報)を超音波診断装置3に送信する。
なお、本実施形態では、説明を具体的にするため、図2に示すように、下肢部の血管インターベンション(左足の付け根から血管にカテーテルを挿入し、つま先に進行させて足首周辺の到達予定位置までカテーテルを進行させる血管インターベンションを例とする。しかしながら、本発明の技術的思想は、超音波ガイド下で被検体内にカテーテルを挿入するものであればよく、例えばカテーテルの種類、挿入部位に拘泥されない。
図3は、本システム1の超音波診断装置3のブロック構成図を示している。同図に示すように、本超音波診断装置3は、装置本体11、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14を具備している。
超音波プローブ12は、装置本体11からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。当該超音波プローブ12から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分を依存して、周波数偏移を受ける。なお、当該超音波プローブ12からの超音波送受信によって走査される領域を超音波走査領域と呼ぶ。超音波走査領域は、例えば二次元画像取得の場合には二次元走査面となり、三次元画像取得の場合には三次元走査空間となる。
また、この超音波プローブ12には、プローブ位置検出装置120が設けられている。このプローブ位置検出装置120は、超音波プローブ12の空間的位置を検出する。検出された超音波プローブ12の空間的位置は、有線又は無線によって超音波装置3に送信される。
入力装置13は、装置本体11に接続され、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11に取り込むための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を有している。例えば、操作者が入力装置13の終了ボタンやフリーズボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、当該超音波診断装置は一時停止状態となる。また、例えば所定のスイッチを操作することで、当該超音波診断装置3の動作は、後述するナビゲーション画像の生成や付帯情報を表示するナビゲーションモードに移行する。
モニター14は、装置本体11からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や血流情報を画像として表示する。また、モニター14は、後述するナビゲーション画像の生成や付帯情報を所定の形態で表示する。
装置本体11には、超音波送信ユニット21、超音波受信ユニット22、Bモード処理ユニット23、ドプラ処理ユニット24、画像生成ユニット25、ナビゲーション画像生成ユニット26、画像合成ユニット27、制御プロセッサ(CPU)28、記憶ユニット29、インターフェースユニット30が設けられている。以下、個々の構成要素の機能について説明する。
超音波送信ユニット21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。パルサ回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。
なお、超音波送信ユニット21は、制御プロセッサ28の指示に従って所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に送信駆動電圧の変更については、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
超音波受信ユニット22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、その後加算器は加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
Bモード処理ユニット23は、送受信ユニット21からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。
ドプラ処理ユニット24は、送受信ユニット21から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。得られた血流情報は画像生成ユニット25に送られ、平均速度画像、分散画像、パワー画像、これらの組み合わせ画像としてモニター14にカラー表示される。
画像生成ユニット25は、Bモード処理ユニット23からの信号列(超音波スキャンの走査線信号列)を、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、超音波診断画像データ(二次元断層画像データ、ボリューム画像データ)を生成する。この時、エッジ強調や時間平滑化、空間平滑化など、種々の画像フィルタも施され、ユーザの好みに応じた画質を提供できるようになっている。なお、当該画像生成ユニット25に入る以前のデータは、「生データ」と呼ばれることがある。
ナビゲーション画像生成ユニット26は、超音波走査領域に対応するボリュームデータ及び当該超音波走査領域の位置情報と、カテーテルの位置情報と、カテーテル挿入予定経路の位置情報に基づいて、ナビゲーション画像を生成する。このナビゲーション画像の生成については、後で詳しく説明する。
画像合成ユニット27は、画像生成ユニット25又はナビゲーション画像生成ユニット26から受け取った画像を種々のパラメータの文字情報や目盛等と共に合成し、ビデオ信号としてモニター14に出力する。特に、画像合成ユニット27は、ナビゲーション画像と、制御プロセッサ28において実行される現在のカテーテル位置の正誤判定の結果とを所定の形態で表示する。
制御プロセッサ28は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する。制御プロセッサ28は、記憶ユニット29から画像生成・表示等を実行するための制御プログラム、カテーテルナビゲーション機能を実現するための専用プログラム等を読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・制御等を実行する。特に、制御プロセッサ28は、超音波プローブ12の空間的位置と当該超音波プローブに対する超音波走査領域の位置とに基づいて、当該超音波走査領域の空間的位置を特定するための位置情報(超音波走査領域の位置情報)を計算する。さらに、制御プロセッサ28は、超音波走査領域の位置情報、カテーテル位置情報、カテーテル挿入予定経路の位置情報(又は事前に取得されたボリュームデータの位置情報)との対応付け、後述する付帯情報の生成等を行う。
記憶ユニット29は、送受信条件、画像生成、表示処理を実行するための制御プログラムや、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、プローブの走査線角度情報、プローブの位置情報、ボディマーク生成プログラム、カテーテルナビゲーション機能を実現するための専用プログラムその他のデータ群が保管されている。また、記憶ユニット29は、超音波走査領域に関する画像データ、カテーテル位置情報、カテーテル挿入予定経路の位置情報、事前に取得された領域Rに関するボリュームデータ等を記憶する。この記憶ユニット29のデータは、インターフェースユニット80を経由して他の装置へ転送することも可能となっている。
インターフェースユニット30は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)、カテーテル位置検出装置2b、プローブ位置検出装置120に関するインタフェースである。なお、当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インターフェースユニット30よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
(カテーテルナビゲーション機能)
次に、本超音波診断装置3が有するカテーテルナビゲーション機能について説明する。この機能は、大きくナビゲーション画像生成機能と付帯情報提供機能とに分けられる。以下、各機能について説明する。
[ナビゲーション画像生成機能]
ナビゲーション画像生成機能とは、図3に示すような、カテーテル挿入予定経路及び現在のカテーテル位置に関する情報を含む二次元又は三次元の超音波画像(ナビゲーション画像)を生成しリアルタイム表示する機能である。カテーテル挿入予定経路は、カテーテルの(血管への)挿入開始予定位置からカテーテル到達予定位置までを少なくとも含む領域に関するボリュームデータを予め収集し、これを利用して当該ボリュームデータ上にカテーテル挿入予定経路を指定する。ボリュームデータは、どの様なモダリティによって収集されたものであってもよい。従って、超音波診断装置に拘泥されず、例えばX線コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴イメージング装置によって収集されたものであってもよい。なお、本実施形態では、説明を具体的にするため、図2に示す領域Rを含む範囲のボリュームデータが、所定のモダリティによって収集されているのもとする。
また、このボリュームデータと共に、所定の基準位置に対する当該ボリュームデータの(空間的)位置情報も予め収集しておく。このボリュームデータの位置情報の収集方法には特に限定はなく、例えば、磁気的手法や光学的手法等を採用することができる。また、基準位置については、被検体の所定部位(例えば、臍等)を採用することが好ましい。被検体部位であれば、ボリュームデータ取得時とカテーテル挿入時(超音波画像によるモニタリング時)との間で例えば被検体の体勢や装置に対する位置が異なる場合であっても、正確に対応付けができるからである。
なお、カテーテル挿入予定経路(すなわち、カテーテル挿入開始位置からカテーテル到達予定位置までのカテーテルを移動させるのに予定される経路)は、図4に示すような事前に取得された領域Rのボリュームデータ上において予め設定される。より具体的には、例えば領域Rのボリュームデータを用いて得られる三次元画像(例えば、ボリュームレンダリング画像)上において、所望するカテーテル挿入予定経路をマウス等で指定することで、カテーテル挿入予定経路を設定することができる。
図5は、ナビゲーション画像生成機能に従う処理(ナビゲーション画像生成処理)の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、制御プロセッサ28は、プローブ位置検出装置120から超音波プローブ12の空間的位置を、カテーテル位置検出装置2bからカテーテル位置情報をそれぞれ取得する(ステップS1)。制御プロセッサ28は、超音波プローブ12の空間的位置と当該プローブ12に対する超音波走査領域の位置を用いて超音波走査領域の位置情報を計算した後、カテーテル位置情報、超音波走査領域の位置情報、事前に設定されたカテーテル挿入予定経路の位置情報の対応付けを行う(ステップS2)。
次に、ナビゲーション画像生成部28は、カテーテル2の現在の位置、カテーテル挿入予定経路が明示された(例えば重畳表示等された)超音波画像であるナビゲーション画像を生成する(ステップS3)。すなわち、ナビゲーション画像生成部28は、対応付けられた各位置情報を用いて二次元超音波画像又は三次元超音波画像上におけるカテーテル2の現在の位置、カテーテル挿入予定経路を特定し、カテーテル挿入予定経路に対応する血管及びカテーテル2の現在の位置がそれぞれ固有の強調表示(例えば、高輝度表示、色別表示、矢印による明示、線による領域描出等)されたナビゲーション画像を生成する。生成されたナビゲーション画像は、所定の形態で表示される(ステップS4)。
[付帯情報提供機能]
付帯情報提供機能とは、生成されたナビゲーション画像と共に血管インターベンション等において有益な付帯情報(例えば、現在のカテーテル位置がカテーテル挿入予定経路上にあるか否かの判定結果等)を提供するものである。
図6、図7は、ナビゲーション画像Nと共に表示される付帯情報例を示した図である。例えば図6に示すように、現在のカテーテルの位置がカテーテル挿入予定経路から外れている場合には、ユーザに現在のカテーテル位置(又は進路)がカテーテル挿入予定経路から外れていることを知らせるための情報(例えば、現在のカテーテル位置が誤りである旨のメッセージ等)をナビゲーション画像Nと共に表示する。また、例えば図7に示すように、現在のカテーテルの位置がカテーテル挿入予定経路上に存在する場合には、ユーザに現在のカテーテル位置(又は進路)がカテーテル挿入予定経路上に存在することを知らせるための情報(例えば、現在のカテーテル位置が正しい旨のメッセージ等)をナビゲーション画像Nと共に表示する。また、メッセージの出力は映像に限定されず、例えば音声を単独で又は映像と共に用いて、メッセージを出力するようにしてもよい。
なお、この判定は、例えば制御プロセッサ28が、現在のカテーテルの位置とカテーテル挿入予定経路の位置とのずれを監視し、そのずれが所定の閾値を超えていない場合には現在のカテーテル位置(又は進路)が適切であると判定する一方、そのずれが所定の閾値を超えた場合には現在のカテーテル位置(又は進路)が適切でないと判定し、その判定結果に応じたメッセージがナビゲーション画像と同時に表示されるように、画像合成ユニット27を制御することで実現することができる。現在のカテーテルの位置とカテーテル挿入予定経路の位置とのずれの監視は、ナビゲーション画像上で行ってもよいし、超音波走査領域に対応するボリュームデータ上や事前に取得されたボリュームデータ上において直接行うようにしてもよい。
なお、付帯情報提供処理における判定は、カテーテル位置情報とカテーテル挿入予定経路の位置情報を用いて、バックグラウンド処理として実行することができる。従って、必ずしもナビゲーション画像の生成は必要ではなく、従って当該付帯情報の提供は、通常の超音波画像によるガイド下においても実行することが可能である。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本カテーテルナビゲーションシステムによれば、カテーテルの現在の位置と、事前に設定されたカテーテル挿入予定経路とを、リアルタイムで取得している超音波画像上に明示的に映像化したナビゲーション画像を生成し表示することができる。従って、ユーザは、表示されたナビゲーション画像を観察することで、現在のカテーテルの位置が予定したルートのどの位置まで達しているか、現在のカテーテルの位置は間違っていないか、カテーテルをこれからどの方向に移動させればよいか等を容易且つ迅速に判断することができる。
また、本カテーテルナビゲーションシステムによれば、カテーテル挿入予定経路の位置とカテーテルの現在の位置とに基づいて、カテーテルの現在の位置が正しいか否かを判定し、その判定結果を所定の形態にて表示等する。従って、ユーザは、例えばカテーテルの現在の位置が正しいと判定された場合には安心してカテーテル操作を続けることができ、一方、カテーテルの現在の位置が正しくないと判定された場合には迅速にカテーテルの位置を修正することができる。その結果、ユーザの人為的判断に加えて、装置によってカテーテルの現在の位置の適否が判定されるため、血管インターベンションにおけるカテーテルの誤操作を防止することができ、医療行為の質の向上に寄与することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
(1)本実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
(2)カテーテルの現在の位置がカテーテル挿入予定経路から外れている場合には、ナビゲーション画像と共に提供される付帯情報に、例えばカテーテル先端の現在の位置とカテーテル挿入予定経路との最短距離(ずれ量)を定量的情報を含めるようにしてもよい。この定量的情報は、カテーテル先端の現在の位置とカテーテル挿入予定経路の位置とを用いて、容易に計算することができる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、超音波ガイド下での血管インターベンションにおいて、現在のカテーテルの位置、カテーテルが挿入されている血管、カテーテルを進行させるべき位置を良好に視認することができる超音波画像を提供可能な超音波診断装置及びカテーテルナビゲーションシステムを実現することができる。
図1は、本実施形態に係るカテーテルナビゲーションシステム1の構成を示した図である。 図2は、カテーテル挿入予定経路及び事前にボリュームデータが取得される領域Rを示した図である。 図3は、本カテーテルナビゲーションシステム1の超音波診断装置3のブロック構成図を示している。 図4は、領域Rに関するボリュームデータを示した図である。 図5は、ナビゲーション画像生成処理の流れを示したフローチャートである。 図6は、付帯情報提供機能の一例を説明するための図である。 図7は、付帯情報提供機能の他の例を説明するための図である。 図8は、血管インターベンションにおける通常の超音波モニタリングの手法を説明するための図である。
符号の説明
1…超音波診断装置31…装置本体、12…超音波プローブ、13…入力装置13、14…モニター、21…超音波送信ユニット、22…超音波受信ユニット、23…Bモード処理ユニット、24…ドプラ処理ユニット、25…画像生成ユニット、26…ナビゲーション画像生成ユニット、27…画像合成ユニット、28…制御プロセッサ(CPU)、29…記憶ユニット、30…インターフェースユニット

Claims (4)

  1. 被検体に挿入されるカテーテルの挿入予定経路に関する位置情報である第1の位置情報を記憶する記憶手段と、
    前記被検体を超音波走査し超音波走査領域に関する画像データを取得するデータ取得手段と、
    前記超音波走査領域に関する位置情報である第2の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報と、カテーテルの位置検出装置から供給されるカテーテルの位置情報である第3の位置情報との間の対応付けを行う対応付け手段と、
    対応付けられた前記第1乃至第3の位置情報と前記超音波走査領域に関する画像データとに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路及び現在のカテーテルの位置が明示された超音波画像であるナビゲーション画像を生成する画像生成手段と、
    前記第1の位置情報と前記第3の位置情報とに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路に上に前記カテーテルが存在するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、前記現在のカテーテルの位置が前記カテーテルの挿入予定経路上に存在するか否かを明示的に示す付帯情報を生成する付帯情報生成手段と、
    前記ナビゲーション画像と前記付帯情報とを同時に表示する表示手段と、
    を具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記表示手段は、前記ナビゲーション画像上における前記カテーテルの挿入予定経路を高輝度領域又は他の領域と異なる色彩が割り当てられた領域として表示することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記位置情報取得手段は、前記超音波走査に用いられる超音波プローブの空間的位置と、当該超音波プローブに対する前記超音波走査領域の空間的位置とに基づいて、前記第2の位置情報を取得することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波診断装置。
  4. カテーテルの挿入予定経路に関する位置情報である第1の位置情報を記憶する記憶手段と、
    前記被検体を超音波走査し超音波走査領域に関する画像データを取得するデータ取得手段と、
    前記超音波走査領域に関する位置情報である第2の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    被検体に挿入されるカテーテルの位置情報である第3の位置情報を検出するカテーテル位置検出手段と、
    前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報と、前記第3の位置情報との間の対応付けを行う対応付け手段と、
    対応付けられた前記第1乃至第3の位置情報と前記超音波走査領域に関する画像データとに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路及び現在のカテーテルの位置が明示された超音波画像であるナビゲーション画像を生成する画像生成手段と、
    前記第1の位置情報と前記第3の位置情報とに基づいて、前記カテーテルの挿入予定経路に上に前記カテーテルが存在するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、前記現在のカテーテルの位置が前記カテーテルの挿入予定経路上に存在するか否かを明示的に示す付帯情報を生成する付帯情報生成手段と、
    前記ナビゲーション画像と前記付帯情報とを同時に表示する表示手段と、
    を具備することを特徴とするカテーテルナビゲーションシステム。
JP2006297083A 2006-10-31 2006-10-31 超音波診断装置及びカテーテルナビゲーションシステム Expired - Fee Related JP5159086B2 (ja)

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