JP5158824B2 - 筋シナジー解析方法、筋シナジー解析装置、及び筋シナジーインターフェース - Google Patents

筋シナジー解析方法、筋シナジー解析装置、及び筋シナジーインターフェース Download PDF

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Description

本発明は、筋電信号に基づいて運動する筋対群の筋シナジー関連技術に関する。
例えばスポーツ運動において効率的にトレーニングを行うためには、対象となる身体運動を適切に評価する指導者が必要である。しかし、指導者はスポーツ人口に比して少なく、かつその評価は経験等に依存しており、必ずしも一定ではない。一方、対象運動を工学的に定量評価しようとする試みがあるが、かかる試みの多くは、運動全体のパフォーマンス又は身体表面に取り付けたセンサからの情報に基づく表面的評価に留まっている。
近年、汎用的な運動中の人体内部の筋活動をリアルタイムに推定、可視化するシステムが記載されている(非特許文献1)。このシステムは、検体に取り付けたマーカを検知するモーションキャプチャーシステムと、検体の動きを検知するプレート状の感圧素子から構成される床反力計と、検知結果に対して所与の演算を実行する計算機とから構成され、身体運動のより詳細な解析、深部感覚推定への応用の可能性について多くの注目を集めている。このシステムでは、主に運動学データに基づき、汎用運動時の筋張力を可視化することを可能にしている。
また、特許文献1には、筋電計で得られた複数の筋肉の筋電信号より各筋肉の張力を検出し、各筋肉の張力に応じて定まる複数の関節の状態と複数の筋肉の張力との履歴に基づいて、複数の関節の状態の組み合わせの時系列を推定する機械学習のモデルを生成する技術が記載されている。この技術によれば、筋肉の動きが制約されることなく、複数の筋肉の筋電信号に基づいて所望の複数の関節の状態やこれらの状態の組み合わせの時系列を精度よく高速に推定できる。
また、非特許文献2には、運動のための筋シナジーの組合せに関して記載されている。より詳細には、非特許文献2には、13箇所の筋からそれぞれ検出した時系列的な筋電信号を多変量解析によって5種類の主要成分で表される合成変数(得点)に変換する手法が開示されている。このようにして、制御対象モデルの変数の種類を減じることで、モデルに対する運動理解及び機械的な制御が容易となる。
特開2007−136041号公報
村井昭彦、黒崎浩介、山根克、中村仁彦、"モーションキャプチャ、EMG、筋の動特性モデルに基づく筋張力のリアルタイム推定及び可視化"第14回ロボテシクスシンポジア、北海道、2009年3月16日 E.Bizzi,V.C.K,Cheung,A.d’Avella,P.Saltiel、M.Tresch、"Combining modules for movement",www.elsevier.com/locate/brainresrev,受理2007年8月4日、オンライン入手2007年9月5日
ところで、非特許文献1は、モーションキャプチャーシステムや床反力計を要するため、規模が大掛かりで、かつ高価であるという問題がある。また、汎用運動を解析対象としていることから膨大な自由度を扱うことになり、リアルタイム計算を実現する上で、計算コストが無視できない。また、運動者毎に身体モデルを同定する必要があるため、適切な身体の筋骨格モデルが必要となる。特許文献1は、装置への学習段階では、三次元位置計測装置が必要となり、装置が大掛かりである。これら非特許文献1及び特許文献1には、複数の変数に対して多変量解析(主成分解析)を施すことは記載されていない。
一方、非特許文献2には、多数の筋電信号に対して多変量解析を施して変数を減少させる(すなわち運動パターンを圧縮する)点が記載されている。しかしながら、非特許文献2には、経時的な筋電信号に関して解析が施されているのみで、特定の運動に起因する、すなわちタスク志向型における筋協調に関する発想はない。従って、計算処理に要するコスト、時間は無視できないものとなる。
また、本発明者らは、人体等の検体の上肢回転や歩行等の所定の運動における筋協調による固有の筋シナジーを得、かつ多変量解析を行って、少ない種類の主成分による運動評価を可能にする筋シナジー解析方法及びその装置を提案した(特願2009−212149)。より具体的には、この筋シナジー解析方法は、検体の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号を検出するステップと、前記検体の所定の運動中に検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比を時系列データとして算出するステップと、前記時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い例えば第1,第2主成分得点を算出するステップとを備えたものである。これにより、より少ない種類の主成分によって運動を評価可能にした。
ところで、上記提案の通り、拮抗する筋ペアに生じる筋電信号と主成分得点との間に高い相関性が存在することが解明できたものの、大脳運動野からの運動コマンドと拮抗する筋ペアへの筋電位コマンドとの間のメカニズムは依然として不明のままであり、制御系としては不充分なものであった。
本発明の目的は、検体の所定の運動毎における筋協調の関係である固有の筋シナジーを得、かつ多変量解析を行って、少ない種類の主成分による運動評価を可能にする筋シナジー解析方法及びその装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、多数の筋のそれぞれに対する活動コマンドを数少ない運動コマンドから作成することが可能な筋シナジーに基づく筋シナジーインターフェースを提供することにある。
本発明に係る筋シナジー解析方法は、検体の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号を検出するステップと、前記検体の所定の運動中に検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比を時系列データとして算出するステップと、前記時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出するステップとを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置は、検体の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号を検出する検出器と、前記検体の所定の運動中に前記検出器によって検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比を時系列データとして算出する筋拮抗比算出手段と、前記時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出する第1の主成分解析手段とを備えたことを特徴とするものである。なお、拮抗する筋ペアの筋電信号レベルの正規化した比、すなわち正規化した筋拮抗比を用いて時系列データ化してもよい。
これらの発明によれば、人間等の検体である、検査対象となる身体部位の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号が、所定の運動中に、検出器で経時方向に検出される。筋拮抗比算出手段によって、検出器によって検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比が時系列データとして算出される。次いで、第1の主成分解析手段によって、時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析が行われて、相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分が算出される。従って、従来に比して、装置がコンパクトになる。
このように、各筋の筋電位行列に対して、単に多変量解析(ここでは主成分解析)を施すのではなく、運動における筋の協調を考慮して、筋拮抗比という概念を導入し、この概念に対して、主成分解析を施すことで、変数の種類を低減させて処理の容易、高速化を実現して、リアルタイム処理が可能となる。また、煩雑かつ困難な身体各部位のパラメータ同定が不要であるため、その分、処理が簡易となる。また、主成分解析後の変数の種類が、第3主成分までであると、表示に際して3次元座標系で表現できるという利点がある。しかも、筋拮抗比を採用することで、運動の種類毎に主成分解析の結果も異なり、運動に即した主成分の数、得点が得られる。
また、この算出された主成分得点は、必要に応じて処理される。例えば、単に出力(典型的には、モニタに表示)される場合、他人との比較のために出力される態様、同一人の理想の運動(参照情報)との比較のために出力される態様、同一人の理想の運動との対比のために、自己の理想運動の情報と今回の測定した結果の差分を算出して、算出した差分が表示される態様において適用可能である。特に、自己との対比の態様に関しては、固有の運動に対し理想との対比という点で、タスク志向型を実現可能である。また、熟練運動における運動の巧みさを解明することも可能であり、スポーツ科学、運動生理学の分野に有用となり得る。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースは、複数の筋に所与の運動を行わせるインターフェースにおいて、前記複数の拮抗する筋対群に対する運動を規定する運動情報を入力する運動コマンド設定手段と、前記運動情報を主成分情報に変換する第1の変換手段と、前記主成分情報を前記各拮抗する筋対へ印加する電位信号に変換する第2の変換手段とを備えたものである。
この発明によれば、運動コマンド設定手段によって、前記複数の拮抗する筋対群に対する運動を規定する運動情報が入力されると、第1の変換手段によって、この運動情報が主成分情報に変換され、次いで、第2の変換手段によって、前記主成分情報が前記各拮抗する筋対へ印加するための電位信号に変換される。そして、各拮抗する筋対は、変換して得られた、対応する各電位信号によって筋活動させられ、これによって、規定された運動が実行される。従って、各拮抗する筋対への運動指示が、高い相関を有するより数少ない主成分情報で行うことができるため、従来に比して処理が高速となり、かつ構成がコンパクトになる。
本発明によれば、検体の所定の運動毎における筋協調の関係である固有の筋シナジーを得、かつ多変量解析を行って、少ない種類の主成分による運動評価ができる。
また、本発明によれば、各拮抗する筋対への運動指示を、高い整合性を有するより数少ない主成分情報で行わせることができ、従来に比して処理を高速化でき、かつ構成をコンパクト化できる。
本発明に係る筋シナジー解析装置の一実施形態を示す全体構成図である。 検体の筋の一例として、歩行運動に関与する右片脚下肢8筋についての筋名と付着位置とを示す模式図である。 信号処理部によって実行される測定処理の一例を示すフローチャートである。 信号処理部によって実行される評価処理の一例を示すフローチャートである。 信号処理部によって実行される評価処理の一例を示すフローチャートである。 行列Rに対して、累積寄与率が90%以上となる3つの主成分の主成分得点を第1主成分、第2主成分、第3主成分をx軸、y軸、z軸にとった図表である。 図6における各主成分の要素を筋拮抗比順に示した図表である。 筋活性度を示す図表である。 筋拮抗比の主成分得点のうち、ここでは第1、2主成分における差分を表示した図である。 EMG、手先位置および関節角の測定結果を示す図表である。 各関節角の遷移を示す図表である。 主成分得点の推移を示す図表である。 第1主成分得点を横軸に、第2主成分得点を縦軸にプロットした様子を示す図表である。 本発明に係る筋シナジーインターフェースの一例を示す構成図である。 本発明に係る筋シナジーインターフェースによって実行される処理手順の概要を示すフロー図である。 上肢の水平面内運動における運動コマンド生成の流れを示すフロー図である。 被験者の頭部、肩から手先までの各筋の位置関係と、各拮抗する筋対の関係を示す筋の模式図である。 手先を水平面内で時計回りの円運動をさせたとき、横軸に第1主成分w1を、縦軸に第2主成分w2を採って、(w1,w2)の点の運動位置(時間経過;図中の矢印参照)を表した図表である。 手先を水平面内で反時計回りの円運動をさせたとき、横軸に第1主成分w1を、縦軸に第2主成分w2を採って、(w1,w2)の点の運動位置(時間経過;図中の矢印参照)を表した図表である。 第1主成分得点w1が肩と手先とを結ぶ直線上に沿った伸縮(r)に対応することを示す重回帰分析結果の図表である。 第2主成分得点w2が肩あるいは頭部を中心とした手先の回転(θ)に対応することを示す重回帰分析結果の図表である。 クランクタスク(時計回り)における実験値(r、θ)から時計回りの(w1,w2)を推定した結果(上記重回帰モデルを利用)を示す図表である。 クランクタスク(時計回り)における実験値(r、θ)から反時計回りの(w1,w2)を推定した結果(上記重回帰モデルを利用)を示す図表である。 筋拮抗比の変換の一例を示すフロー図である。 人工筋アームの駆動を説明する図表で、(a)は実験1,2を示し、(b)は実験3を示している。 級数展開における近似結果を示す図表で、(a)は歩行(3km/h)を分解した図、(b)(c)はその時の主成分w1,w2を示している。 ダフィング方程式による近似結果を示す図表で、(a)は歩行(3km/h)を分解した図、(b)はその時の主成分w1に関する情報を示し、(c)はその時の主成分w2に関する情報を示している。
図1は、本発明に係る筋シナジー解析装置の一実施形態を示す全体構成図である。本装置1は、検体の筋電位を検出する筋電計10と、検出した筋電位に基づいて所定の信号処理を施すマイクロコンピュータ等で構成される信号処理部20とを備える。本装置1には、必要に応じて、端子を介して有線又は無線でロボット30が接続されている。ロボット30は、機構体の所要部位を運動させるための複数のアクチュエータ31を有する。アクチュエータ31は、電気信号に応じて空圧を調整し、空気圧ゴムチューブを伸張、収縮可能にするMcKibben型人工筋肉等で構成されており、信号処理部20からの信号を駆動信号として受信し、動作を行う。アクチュエータ31はMcKibben型人工筋肉に限定されず、電気信号で、あるいは電気信号を変換した別の力によって機械的運動に変える電気機械変換素子、例えば電磁ソレノイド、圧電素子、モータ等であってもよい。
筋電計10は、所要数の電極11と、各電極11に生じる電気信号を検出する筋電検出回路12と、検出された電気信号に対して所定の前処理を施す前処理回路13とを備える。電極11は、導電性材料からなり、所定形状例えば円形を有し、直径は数mm〜十数mmが好ましく、本実施形態では10mm程度である。筋電検出回路12は、所要数の接続端子を有し、それぞれの電極11とリード線もしくは、無線を介して接続されている。筋電検出回路12は、各端子に入力される筋電位を時分割で順番に繰り返し取り込むものである。あるいは、同期して取り込むものでもよい。筋電位信号は、レベルが数μV〜数mV、周波数が数Hz〜数10KHz程度の交流信号である。そこで、前処理回路13は、筋電位を処理可能なレベル(数V)まで増幅するアンプ、筋電位の主要周波数帯である10Hz〜150Hzの信号のみを通過させるバンドパスフィルタ、及び全波整流回路を備えている。また、前処理回路13は、筋電位信号をデジタルで処理するべく、出力側にAD変換部を備えている。なお、前処理回路13の一部、例えばフィルタは信号処理部20内でソフトウエアとしてのデジタルフィルタで処理する態様としてもよい。
信号処理部20は、CPUを有するマイクロコンピュータで構成されており、本発明に係る信号処理のための処理プログラムや所要の画像情報等を記憶するROM21、処理途中のデータを一時的に記憶するRAM22、所要の指示を行うためのテンキーやマウス等で構成される操作部23及びモニタ24が接続されている。モニタ24は、操作部23からの入力情報の確認や処理結果を表示するものである。ROM21内の処理プログラムは、RAM22に読み出され、保持された状態で実行される。
信号処理部20のCPUは、RAM22上に保持された処理プログラムを実行することによって、筋電位の測定処理を実行する測定処理部201、取り込まれた筋電位から所定の拮抗する筋ペアに対する筋拮抗比を算出する筋拮抗比算出部202、算出された筋拮抗比に対して多変量解析(主成分解析)を実行して主成分の設定とそれらの得点を算出する第1の主成分解析部203、いずれも第1の主成分解析部203で算出された値であって、事前に取り込まれた基準となる参照主成分得点と新たな測定によって得られた主成分得点との差分を算出する第1の差分算出部204、及び主成分解析の結果をモニタ24に表示する他、参照主成分得点との差分をモニタ24に表示する表示制御部205として機能する。
また、信号処理部20のCPUは、RAM22上に保持された処理プログラムを実行することによって、取り込まれた筋電位から所定の拮抗する筋ペアに対する筋活性度を算出する筋活性度算出部206、算出された筋活性度に対して多変量解析(主成分解析)を実行して主成分の設定とそれらの得点を算出する第2の主成分解析部207、及びいずれも第2の主成分解析部207で算出された値であって、事前に取り込まれた基準となる参照主成分得点と新たな測定によって得られた主成分得点との差分を算出する第2の差分算出部208として機能する。
なお、表示制御部205は、第1の表示制御手段として、第1の差分算出部204によって算出された差分のモニタ24、及び第2の表示制御手段として、第2の差分算出部208によって算出された差分のモニタ24への表示を行う。
第1、第2の主成分解析部203,207では、さらに、それぞれの主成分の寄与度が算出され、その累積寄与率(累積値)が所定の閾値、例えば90%を超えるまでの寄与度の高い順の、第1主成分、第2主成分、…が採用される。
測定に先立って、検体のうち所定の運動(固有のタスク、すなわちタスク志向型)を行わせる部位、すなわち測定対象となる筋の表面側の皮膚面に、例えば皮膚抵抗を低減する剤を塗り、その上に電極11が貼着される。この状態で、検体が前記所定運動、例えば歩行運動を実行する。
図2は、検体の筋の一例として、歩行運動に関与する右片脚下肢8筋についての筋名と付着位置とを示す模式図である。図2には、股関節1関節筋、股関節膝関節2関節筋、膝関節1関節筋、足関節筋の各屈筋・伸筋の計8個の筋m1〜m8が示されている。また各屈筋・伸筋をペアとした8筋を表1に示す。
Figure 0005158824
表1のr1〜r8は、各筋拮抗比の番号を示している。r1〜r4は、一関節筋に関する拮抗する筋ペア群の各比であり、r5〜r8は、二関節筋を含む拮抗する筋ペア群の各比である。表1は、二関節構造における二関節筋と一関節筋との協調による動作に関する報告(熊本水頼編著:“ヒューマノイド工学、生物進化から学ぶ、2関節ロボット機構”、東京、2006)に基づいている。なお、例えば、腕及び手を用いての運動においては、表1とは異なる表が作成される(表2、表3参照。詳細は後述する)。
測定処理部201は、検体の運動に合わせて各電極11からの筋電位を経時方向に検出するものである。例えば、一連の運動を複数に分割し、各区分内での筋電位を平均化する等して、各区分の筋電位を決定する。また筋電位は、予め測定された各筋の最大検出電位に対して百分率で表して(% MaximamVoluntaryContraction:%MVC)、出力するものとしている。なお、所定運動を複数回連続して行わせ、各所定運動の検出データで平均するようにして検出精度をアップさせるようにしてもよい。
ここで、各区分の時間をt、各区分における各筋pの%MVCをmptと表すとき、各筋の時間毎の%MVCを行にとったものを筋順で並べた行列を筋活動データ行列Mとすると、行列Mは、式1で表される。
Figure 0005158824
各区分の時間をtとし、各区分における各筋拮抗比番号pに対して算出された筋拮抗比をrtpと表し、各時間の8筋の筋拮抗比を行にとったものを、時系列順に縦に並べた行列をRとすると、行列Rは式2で表される。筋拮抗比算出部202は、各行列の数値を算出する。
Figure 0005158824
次いで、第1の主成分解析部203によって、行列Rに対して主成分解析が施されると、各筋拮抗比の平均値Eが、式3のように得られる。
Figure 0005158824
行列Rは、主成分解析によって筋協調を求めるためのものである。また、筋活性度算出部206は、式1において、拮抗する筋ペア同士の%MVCの値を加算する。加算値はそれぞれ筋活性度という。上記と同様な考え方により、第2の主成分解析部207によって、筋活性度に対しても主成分解析が行われる。なお、筋活性度算出部206は、筋拮抗比算出部202における拮抗する筋ペアと同一のペアを対象とすることが好ましいが、限定される必要はない。また、第1、第2の主成分解析部203,207によって、筋数のパラメータが主成分の種類数に減少、すなわち圧縮されることで、その後の処理負担が減り、迅速となる。
主成分解析により算出された主成分のうち、寄与度の高いn個の主成分を決定する。これらの主成分の中で、第k番目に高い寄与率を持つものを第k主成分といい、第k主成分に対する固有値λは、式4のように求められ、対応する寄与率c、累積寄与率Cを、式5,式6のように表す。
Figure 0005158824
Figure 0005158824
Figure 0005158824
また、第1、第2の差分算出部204,208は、事前に取り込まれた基準となる参照主成分得点と新たな測定によって得られた主成分得点との差分を算出するものである。
次に、図3は、信号処理部20によって実行される測定処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャーは、検体の基準となる参照情報を取得するものである。まず、処理に先立って(あるいは処理の最後であってもよい)、検体を識別する情報、例えば氏名の登録が行われる。
この後、各電極11から前処理回路13を介して周期的に筋電位が取得され(ステップS1)、取得された筋電位データは参照データとして例えばRAM22に蓄積される(ステップS3)。次いで、筋拮抗比が算出され(ステップS5)、算出された筋拮抗比に対して第1の主成分解析が実行される(ステップS7)。
続いて、参照データから筋活性度が算出され(ステップS9)、算出された筋活性度に対して第2の主成分解析が実行される(ステップS11)。次いで、各主成分解析の結果がモニタ24に確認的に表示される(ステップS13)。モニタ24の画像を見て、異常との操作部23からの入力がなければ、参照データを取得するための測定が終了する。なお、測定結果に異常があれば、同様にして測定をやり直せばよい。また、本実施形態では、筋電位データを格納する一方、第1、第2の主成分解析は確認表示のために行っているが、格納していない。一方、第1、第2の主成分解析の結果を、予め格納する態様としてもよい。予め格納する態様では、後の差分表示において、その都度計算する必要がない。
図4、図5は、信号処理部20によって実行される評価処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、一般的には、図3の検体と同一の検体について行われる。すなわち、評価に先立って、評価対象となる検体の氏名が入力され、入力された氏名と既に登録されている氏名との照合が行われ、一致する氏名があれば、ステップS21に移行する。一方、不一致であれば、未登録検体として、好ましくは図3のフローチャートが実行される。
次いで、各電極11から前処理回路13を介して周期的に筋電位が取得され(ステップS21)、取得された筋電位データがRAM22に保存される(ステップS23)。次いで、筋拮抗比の評価指示の有無が判断される(ステップS25)。この判断が肯定されると、保存データから筋拮抗比の算出が実行され(ステップS27)、続いて、第1の主成分解析が実行されて、主成分得点が得られる(ステップS29)。
続いて、同一の検体について格納されている参照筋電位データが読み出され、参照用の筋拮抗比が算出され(ステップS31)、参照用の第1の主成分解析が実行される(ステップS33)。
次いで、ステップS29で得られた主成分得点と、ステップS33で得られた主成分得点との差分が算出され(ステップS35)、その結果がモニタ24に表示される(ステップS37)。主成分は第1主成分、第2主成分、…というように、複数種類であることから、それぞれを直交座標軸としてモニタ24に表示する。両主成分得点の差分の計算は、各座標軸単位で行ってモニタ24に表示する単元式でもよいし、複数元の差分をまとめて演算し、その結果を表示する方法でもよい。
差分のモニタ24への表示中は、表示の終了、例えば終了キーが押下されたか否かが判断される(ステップS51)。終了でなければ、ステップS53に進む。
一方、ステップS25で、判断が否定されると、保存データから筋活性度の算出が実行され(ステップS39)、続いて、第2の主成分解析が実行されて、主成分得点が得られる(ステップS41)。続いて、同一の検体について格納されている参照筋電位データが読み出され、参照用の筋活性度が算出され(ステップS43)、参照用の第2の主成分解析が実行される(ステップS45)。
次いで、ステップS41で得られた主成分得点と、ステップS45で得られた主成分得点との差分が算出され(ステップS47)、その結果がモニタ24に表示される(ステップS49)。この表示は、ステップS37と略同様の方法で行われる。
そして、ステップS51で、終了か否かの判断が行われ、終了であれば、すなわち、終了キーなどが押下されたのであれば、本フローを抜ける。一方、終了でなければ、ステップS53で、他方側の差分表示に移行する指示の有無が判断される。例えば、この指示は、例えば特定のキーを割り当てておけばよい。他方側の差分表示に移行する指示がなければ、ステップS51に移行する。一方、他方側の差分表示に移行する指示があれば、現在が第1の主成分解析による得点の差分表示状態か否かが判断され(ステップS55)、この判断が肯定されれば、第2の主成分解析による得点の算出、差分表示状態に切り換えられ(ステップS39へ移行)、判断が否定されれば、第1の主成分解析による得点の算出、差分表示状態に切り換えられる(ステップS279へ移行)。なお、前記主成分解析の算出、及び差分表示が行われ、そのデータが一時的に保存されることで、かかる主成分解析の算出及び差分表示が行われていることが判断された場合に、ステップS55の後、第2の主成分解析による得点の差分表示状態に切り換えられ(ステップS49へ移行)、判断が否定されれば、第1の主成分解析による得点の差分表示状態に切り換えられる(ステップS37へ移行)。
上記構成及び処理によれば、検電計10とコンピュータからなる信号処理部20とで装置が構成されるので、小型で安価な装置を提供することが可能となり、一般的な普及が容易となる。
また、筋拮抗比の主成分解析による主成分得点と参照主成分得点との差分、また筋活性度の主成分解析による主成分得点と参照主成分得点との差分を表示することで、定量評価が可能となり、理想運動に近づけるために必要な筋シナジーの修正法(身体の動かし方)を教示することができる。さらに、差分結果を評価情報とすることで、ユーザへの直接的運動教示が可能なロボットシステムや機能的電気刺激システムに応用することで、新たなコーチングやリハビリテーションへの適用が可能となる。
次に、実験例について説明する。
<実験例1>
検体として健常成人男性の歩行運動に対して、EMG(筋活動を直接計測する筋電図:electromyogram)計測を行い、筋協調を重視し、筋協調の最小単位と考える拮抗する筋同士の比(筋拮抗比)の概念を導入し、それを用いて主成分解析を行う。これにより8つの筋拮抗比が、3つのパターンに圧縮できた。また、拮抗する筋同士の活動を足し合わせる、筋活性度の概念も導入し、今回用いた筋拮抗比という概念と合わせて、筋協調を考える上で拮抗する筋群の働きが非常に重要な役割を果たしていることを示す。
(実験方法)
本研究ではトレッドミル歩行中の筋活動に焦点を当て、健常成人男性(23歳、身長174.5[cm]、体重48[kg]、利き足右)に自然歩行時の右片脚下肢8筋を選択し、筋電位を計測した(図2参照)。
(実験機器)
筋電位の計測は、10[mm]の表面電極を電極間距離20[mm]にて使用し、筋電位取得装置および生体アンプWEB-9000(日本光電社製)で筋電位を増幅したのち、AD変換記録装置LX-110(TEAC社製)と画像記録装置AQVU(TEAC社製)とを用いて、カメラ画像を同期して記録した。カメラ画像データは歩行相を判断するために用いた。歩行相は右踵接地から次の右踵接地までを1歩行周期とし、両脚が接地している間を両脚支持期、右下肢のみが接地している間を単脚支持期、右下肢が接地していない間を遊脚期と呼び、1歩行周期は順に、両脚支持期・単脚支持期・両脚支持期、遊脚期と分別される。また、サンプリング周波数は1[KHz]とした。
(被験筋)
検体の被験筋は、二関節構造における二関節筋と一関節筋の協調による動作に関する前記報告(熊本水頼編著;前述)を元に、股関節1関節筋、股関節膝関節2関節筋、膝関節1関節筋、足関節筋の各屈筋・伸筋をペアとした8筋を対象とした。図2に筋の筋名と付着位置を示す。
(実験環境)
検体(被験者)に電極11を貼り付ける際には、スキンピュア(日本光電社製)で皮膚処理を行い、皮膚抵抗を10[kΩ]以下とした。歩行は、トレッドミルT650m(SportsArt Fitness社製)を用い、走行速度、3.0[km/h]、4.0[km/h]の設定で1分間ずつ行ってもらい、各速度での歩行運動時の筋電位を計測した。
(データ処理)
筋電位は、前述の通り、筋間での正規化をとるために最大等尺性収縮時の筋電位に対する百分率%MVCで表す。そのために予め各筋の最大等尺性収縮時の筋電位を計測しておく。実測値、正規化用データにそれぞれ整流化、フィルタリング(10-150[Hz] 帯域通過)、平滑化を施し、実測値を正規化用データで除すことで、データを百分率で表した後、1歩行周期毎でデータを平均化し、時間軸も百分率(1000ポイント)で表した。さらに、5[%]時間ごとにデータを平均し、時間を(t1 . . . t20)で表した。また、各筋のうち作用が相反するもの同士を拮抗する筋ペア群として、お互いの比率を算出し、筋拮抗比とした。今回はその中から、前記表1の組み合わせの筋拮抗比を用いた。
(解析)
得られたデータは8筋の情報が含まれており、これらの情報をより少ないパラメータで表現するために、これらデータに対し主成分分析を行った。これにより、8筋の自由度がさらに少ない要素に圧縮でき、この圧縮した情報が筋協調につながるのではないかと考える。筋拮抗比番号をp、各時間をt、各筋拮抗比をrtpとして前記式2〜式6を得ている。なお、筋活動データ行列Rは、20×8の行列とした。
算出された主成分ベクトルは、拮抗する筋ペア群の組合せに対応すると考える。
行列Rに対して、累積寄与率が90%以上となる3つの主成分の主成分得点を第1主成分、第2主成分、第3主成分をx軸、y軸、z軸にとったグラフが図6、各主成分の要素を筋拮抗比番号順に示したグラフが図7である。
他項目を以下に示す。
[走行速度4.0km/hのとき]
={2.16, 1.80, 3.32, 1.56, 0.89, 2.85, 1.37, 0.96}
λ={4.62, 2.43, 0.91}
c={0.56, 0.29, 0.11}
C={0.56, 0.85, 0.96}
[走行速度3.0km/hのとき]
={2.10, 1.45, 3.20, 2.03, 0.99, 2.45, 0.98, 0.87}
λ={4.03, 2.76, 0.74}
c={0.49, 0.33, 0.09}
C={0.49, 0.82, 0.91}
なお、図6において、第3主成分は、値−2.000〜2.000までを、0.200ずつの20区分に分けたもので、色彩で識別表示している。また、図6中、各プロットには、t1,t2,…t20の経時情報が付されている。今、色彩の識別表示を、最下位から最上位に向けて、識別番号1(値−2.000〜−1.800)から識別番号20(値1.800〜2.000)の番号を付すとき、
図6(a)のt1からt20までの識別番号は、{10,9,8,8,9,12,15,19,19,16,11,7,3,3,5,7,9,12,12,9}であり、
図6(b)のt1からt20までの識別番号は、{11,6,7,7,7,9,13,18,19,18,13,9,8,7,6,7,9,11,13,13}である。但し、実際には、モニタ24はカラーモニタが採用されるため、そのままで色識別が可能である。
また、図8は、筋活性度を示すグラフである。図9は、筋拮抗比の主成分得点のうち、ここでは第1、2主成分における差分を表示した図である。なお、図6〜図8において、(a)は4.0[km/h]、(b)は3.0[km/h]である。
表示制御部205は、時間情報の第1主成分の差分を算出すると共に、算出した差分を矢印で表示している。あるいは、各時間情報中の同一時間となるプロット位置とプロット位置と間に線分を表示し、かつ参照側から新たな測定側に向けて矢印を付すように描画してもよい。
(考察)
G.Cappelliniら(“Motor Patterns in HumanWalking and Running”, J Neurophysiol Vol.95,p.3426-3437, 2006.)の報告では、32筋の筋電位に対し5つのタイミングパターンで筋電位データを十分説明できるとしていたが、本処理は8筋に対する8種の筋拮抗比について3つの主成分で表した際、累積寄与率は90%を超え、3つの要素基本パターンで標準化した筋電位データを説明できることが判った。
次に、筋協調について検討する。行列Rに対する主成分解析の結果の、累積寄与率が90%を超えるまでの各主成分の要素と、筋拮抗比の主な作用を比較すると、第1主成分は股関節伸展、第2主成分は膝関節伸展、第3主成分は足関節伸展の役割をもっていると考えられる。第1主成分、第2主成分をそれぞれx軸、y軸にとったグラフは楕円に近い形を描くのが特徴的である。歩行相と対応させてみると、両脚支持期を除いて、ほぼ一定間隔で主成分得点が変化しているのがわかる。また、第3主成分は両脚支持期付近で値が大きくなることがわかる。これら結果から歩行動作を3つの主成分の重みを変化させることで説明できることがわかる。さらに、これらの値の正負も重要な意味を持っており、符号の反転は、作用の反転を意味していると考えられる。すなわち、y軸を例にとるならば、立脚期から遊脚期に移行する際に、y軸の符号が反転している。これは歩行相と対応させて考えると、作用が反転していることがわかる。
筋活性度では、ほぼすべての拮抗する筋ペアで踵接地付近での活動が高くなっている。これは踵接地の瞬間、外乱に備えて関節剛性を高めていると考えられ、リハビリテーション分野などで一般的に言われている、踵接地時の衝撃に対する筋活動の特徴に関連付けられる(江原義弘: “人間の歩行、ロボットの歩行”, 計測と制御、Vol45,p.1018-1023,2006.)。またボールキャッチングでは、ボールが手に触れる前後だけ、手首や肘の拮抗する筋の活性度が上がり、関節剛性を高めて衝撃に備えるという報告にも類似性が予想される(Theodore E.Milner: “Adaptation to destabilizing dynamics by means ofmuscle cocontraction”, Exp BrainRes Vol43,p.406-416,2002.)。足関節拮抗筋の活性度だけが単脚支持期の間、高まっているのも特徴である。
なお、本実験では、歩行動作中の健常男性右片脚8筋の筋電位を計測し、筋拮抗比に基づく主成分解析を行い、筋協調を求めた。今回行った、筋拮抗比に基づいた解析結果では、先のG.Cappelliniらの重視する筋活動のタイミングに比して、運動中の筋協調が重視された結果となったといえる。これら筋拮抗比を用いた主成分解析は、歩行評価などに応用が考えられる。また、活性度によって外乱に対して安定性を高めている可能性も示された。以上のことから、関節運動において拮抗する筋同士の働きは非常に重要であると考えられる。
<実検例2>
(実験方法)
本実験では、手先の拘束を全く受けずに、平面内で時計回りの円軌道を描くという固有のタスクについて、健常成人男性(22歳,右利き)の協力のもと、筋電位、手先位置および関節角の測定を行った(図10)。
筋電位測定を行った筋の名称を表2に示す。
Figure 0005158824
また、各パラメータの定義及び筋の付着点を表3に示す。
Figure 0005158824
手先位置及び関節角の初期値は、
(φ,θ1,θ2,θ3,)=(−π/2,π/2,π/2,0)とする。
(実験タスク)
手先は全く拘束しないが、重力を補償するために十分に高い天井からひもを吊るし、上腕を支える。目標円軌道半径は100[mm]とし、なるべく目標円軌道を描くよう被験者に指示した。全データのx座標およびy座標それぞれの平均値を回転中心とみなし、計測後に回転中心c及び位相角φを算出する。また、φ=0を1試行の開始地点/終了地点とみなす。そして、1試行を8秒〜10秒で行うように指示し、60秒間で6試行分の測定データを取得した。
(筋電位測定)
筋電位の測定は、10[mm]の表面電極を電極間距離20[mm]にて使用し、筋電位取得装置及び生体アンプWEB-9000(日本光電社製)で筋電位を増幅した後、PowerLab8/30 (ADInstruments 社製)を通じて行い、サンプリング周波数1[khz]で記録した。なお、被験者に電極を張り付ける際にはスキンピュア(日本光電社製)を用い、皮膚抵抗が10[kΩ]以下となるように処理を行った。
(その他の計測機器)
本実験装置(システム)には、SenSable Technologies 社製(SensAble technologies: http://www.sensable.com/.)が開発した力覚提示デバイスであるPHANTOMを導入した。ただし、本運動(タスク)では力覚提示を行わず、手先位置計測のみを行った。また、関節角の計測にはゴニオメータ(Biometrics社製)を用い、ADボード(Contec 社製)を通じて取得した電圧値を角度値に変換した。
(解析)
各筋の間に存在する協調関係を明らかにするため、表4で定義する筋拮抗比r1〜r4を求め、さらに1試行の長さを正規化するなどした上で主成分分析を行った。解析手順を以下で述べる。
Figure 0005158824
(%MVCおよび筋拮抗比の算出)
筋電位で取得したデータに対して、整流化、フィルタリング(50〜150[Hz];通過帯域)、平滑化を順に施した上で、予め測定した最大等尺性収縮時の値で除する事により正規化し、その百分率を取って%MVCに変換する。更に、表4に従い、%MVCから筋拮抗比を求める。
(試行の正規化)
1試行にかかる時間が均一ではないため、各試行時間について正規化を行った。さらに各試行を時間的に25分割し、各時間区間をt1,t2,…,t25と定義する。そして、各時間区間内のデータを平均し、さらに全試行の平均値を求め、その結果、得られたデータを代表データとして扱う。
(筋拮抗比の主成分解析)
代表データのうち、筋拮抗比を表わす4列を抜き出す。抜き出した25行4列のデータについて主成分解析を行い、その結果を用いて、筋拮抗比に基づく人間の運動解析を行う。
(結果)
主成分解析の結果を、表4に示す。なお、第1主成分得点をP1、同様に第2主成分得点以下をP2,P3,P4で表す。また、各関節角の遷移について図11に、主成分得点の推移を図12に、及び第1主成分得点を横軸に、第2主成分得点を縦軸にプロットした様子を図13に示す。なお、図13においては、5ポイント毎に時間区間をラベリングしてある。
(考察)
第2主成分までの累積寄与率が95%以上になるという結果が得られた。従って、第1主成分、第2主成分の主成分得点、及び主成分ベクトルに着目して考察を行う。
本実験で行った運動(タスク)は、平面内をゆっくりと移動するタスクであるため、各関節角パラメータ、すなわち手先位置を維持するための筋拮抗が生じていると考えることができる。θ1とP1、θ2とP2をそれぞれ見比べてみると、主成分得点のグラフと角度のグラフの位相がほぼ合致していることからも、上で述べた考えが正しいことが確認できた。
次に、第1主成分および第2主成分についての考察を行う。まず、第1主成分については、φ=π/2およびφ=−π/2付近で主成分得点が0に近づき、φ=π付近で最大値、φ=0付近で最小値に近づくことから、左右方向あるいは運動基部と運動端部とを結ぶ方向に垂直な方向(偏角方向)の運動を支配している成分であることが分かる。例えば、φ=0は、円軌道上で最も右の位置であり、肩関節が最も伸展するため、結果は妥当であると考える。
次に、第2主成分については、第1主成分と同様に考えると、前後方向あるいは運動基部と運動端部とを結ぶ方向(動径方向)の運動を支配している成分であることが分かる。例えばφ=π/2は円軌道上で最も手前の位置であることから、この結果は妥当であると考える。
また、φ=0付近を除けば、ほぼ真円上に主成分得点P1 P2がプロットされている。手先位置と対応付けて見ると興味深い。
なお、本実験は、平面内で時計回りの円軌道を描くタスクを取り上げ、筋拮抗比を用いた動作解析の一例を示した。そして、筋拮抗比を用いて筋協調の説明を行った。本実験で用いた装置(システム)では、PHANTOMを導入することによって、極めて自由度の高いタスクの実験を行うことが可能となっている。PHANTOMPremium 3.0/6DOF は、作業空間内において最大22[N]の力を発生することができ、3次元的なフォースフィールドを生成することが可能である。また、平面内でのタスクのみならず、3次元的な運動計測も可能であり、本装置(システム)を利用した上肢の幅広い運動解析を行うことができるもの思われる。
なお、本発明は、以下の態様を採用することが可能である。
(1)本実施形態では、腕と脚の所要の運動(タスク)を対象としたが、本発明は、これに限定されず、拮抗する筋ペアを備える関節部位における所定の運動(タスク)に適用可能である。
(2)本実施形態では、歩行相判断用にカメラを用いたが、カメラ必須ではなく、例えば時間情報を利用して歩行相を設定するようにしてもよい。
(3)本実施形態では、検体から得られる基準及び差分信号を、図1に示すロボット30のアクチュエータ31に供給することで、差分状況をモニタ24を介して観察する場合に比して、ロボット30を用いて実際の動きの中で、所定の運動(タスク)のコーチングをより好適に行うことが可能となる。
(4)本実施形態では、各主成分得点の差分をモニタ24に表示するようにしたが、この差分に応じたレベルの電気刺激信号を検体の所与の部位(筋)に付与することで、検体の所定の運動(タスク)を理想(基準)に近づけるような機能的電気刺激システムにも適用可能である。
図14は、本発明に係る筋シナジーインターフェースの一例を示す構成図である。図15は、本発明に係る筋シナジーインターフェースによって実行される処理手順の概要を示すフロー図である。
筋シナジーインターフェース100は、制御対象160に対する運動内容を指示する運動コマンド設定部110と、マイクロコンピュータ等で構成される制御部120とを備えている。制御部120は、運動コマンド設定部110からのコマンドを主成分情報に変換する第1の変換部130と、第1の変換部130で得られた主成分情報を制御対象160を運動させる信号に変換する第2の変換部140とを備えている。そして、筋シナジーインターフェース100は、第2の変換部140で得られた信号を、運動指示のための電位信号として出力する出力部150とを備えている。
制御対象160は、リハビリ対象者(ヒト)であってもよい。ヒトの場合、対象筋肉に対向した皮膚表面に電極151,151を貼付し、この電極151に出力部150からの電位信号を出力するようにすればよい。本実施形態では、電位信号は、後述するように拮抗する筋対毎に生成される。また、制御対象160は、ヒトの動きを支援する(リハビリ用の)装具(パワースーツ等)やロボットなども想定される。装具やロボットの場合、機構体の所要部位を運動させるための複数の人工筋等のアクチュエータを有する。アクチュエータは、電気信号に応じて空圧を調整し、空気圧ゴムチューブを伸張、収縮可能にするMcKibben型人工筋肉等で構成されており、出力部150からの信号を電位信号(駆動信号)として受信し、動作を行う。アクチュエータはMcKibben型人工筋肉に限定されず、電気信号で、あるいは電気信号を変換した別の力によって機械的運動に変える電気機械変換素子、例えば電磁ソレノイド、圧電素子、モータ等であってもよい。
運動コマンド設定部110は、運動コマンドである情報が入力可能な構成、例えば、キーボードやマウス等からなる操作入力部を少なくとも備えている。また、運動コマンド設定部110は、入力された運動を規定する運動情報を、典型的には位置情報として出力するものである。位置情報は、例えば、軸上とか平面内での運動態様を、後述するように直交座標で規定している。
制御部120は、更にモニタ121を備え、入力データや処理途中のデータが確認可能な態様としてもよい。また、制御部120は、制御プログラムや基本データ類を記憶するROMや処理途中の情報を一時的に記憶するRAMで構成される所要の記憶部122を有する。
第1の変換部130は、運動コマンド設定部110で設定される直交座標の位置情報を極座標に変換する座標変換部131、及び極座標と主成分情報との関係を規定する主成分得点変換部132から構成されている。第2の変換部140は、主成分得点情報を元に主成分に変換する主成分処理部141、主成分を各筋拮抗比及び活性度に変換するための出力変換部142、及び筋拮抗比及び活性度から、拮抗する筋対を構成する主動筋と拮抗筋とに印加されるレベルの電位信号を作成する筋活動コマンド生成部143から構成されている。
図15において、ステップS101は、運動コマンド設定部110によって、例えば手先位置情報(x、y)が目標運動情報として設定される。このステップS101で設定される情報は、位置情報の他、運動速度や加速度が、更には運動速度が速い場合における動的干渉や、手先の動きに規制(手先力)等をかける所定の制約がある場合における付属情報が含まれてもよい。なお、運動コマンド設定部110で入力される目標運動情報としては、手先の運動を規定する情報の他、歩行の運動を規定する情報であってもよく、また位置情報の他、運動に応じて該運動を規定するのに好ましい情報を採用する態様としてもよい。例えば、歩行運動の場合における情報としては、歩行速度情報と歩幅情報とが採用可能である。かかる情報であっても、足先の位置を規定する情報となり得る。
ステップS121は、上述した手先に対する運動情報の設定の場合であり、ステップS122は、上述した歩行における運動情報の設定の場合である。なお、歩行の基底関数とは、歩行運動を記述する基本の関数をいう。ステップS103は、主成分得点を取得する処理を行う。ステップS104は、取得した主成分得点から主成分を生成する処理を行う。ステップS105は、主成分を筋拮抗比及び活性度に変換する処理を行う。ステップS160は、拮抗する筋対毎に主動筋と拮抗筋とに印加する電位信号を生成し、対応する電極151に出力する処理を行う。
図15に示す処理手順は、ステップS101〜ステップS103の処理と、ステップS104〜ステップS106の処理に大別される。ステップS101〜ステップS103までの処理を第1の変換処理とし、ステップS104〜ステップS106の処理を第2の変換処理とする。
まず、ステップS104〜ステップS106の第2の変換処理について説明する。この第2の変換処理は、特願2009−212149において本発明者らによって既に提案されている。
すなわち、第2の変換処理は、多変量解析を利用して得られる主成分情報から、各拮抗する筋対を構成する主動筋と拮抗筋とにそれぞれ筋活動コマンドとしての電位信号を生成し、出力する処理である。これは、拮抗する筋対の各筋へ印加される電位信号のレベルと主成分情報との間に高い相関性が存在することに基づくものである。
特願2009−212149においては、検体に所定の運動動作、例えば上肢の水平面内での円運動、下肢による歩行運動を行わせると共に、これらの運動において活動する筋の電位を筋と対向する皮膚に貼付した電極を介して検出し、検出した各筋の電位を多変量解析を介して、主成分を抽出した。例えば、上肢では、図17に示すように、肩から手先にかけての、三角筋前部繊維(m1)、・・・、尺側手根伸筋(m8)の筋電位を、筋の協調関係を表す各拮抗する筋対の筋拮抗比と筋活性度とに置き換え、これらの各拮抗する筋対の筋拮抗比と筋活性度とから、多変量解析を実行して、第1、第2、第3、・・・の主成分を算出し、寄与度が所定%、好ましくは略90%を超える主成分を抽出するものである。この上肢の円運動動作では、第1、第2の主成分で累積寄与率90%を超えている。従って、第1、第2の主成分の得点を求め、更に主成分ベクトルを求めて、運動に寄与する力として各拮抗する筋対の主動筋と拮抗筋とに対して、高い相関を有する電位信号が生成可能となる。
また、下肢による歩行運動を行わせると共に、これらの運動において活動する筋の電位を筋と対向する皮膚に貼付した電極を介して検出し、検出した各筋の電位を多変量解析を介して、主成分を抽出した。例えば、足の付け根から足先にかけて、股関節1関節筋、股関節膝関節2関節筋、膝関節1関節筋、足関節筋の各屈筋・伸筋をペアとした8筋を対象にした。検出した筋電位を各拮抗する筋対の筋拮抗比と筋活性度とに置き換え、これらの各拮抗する筋対の筋拮抗比と筋活性度とから、多変量解析を実行して第1、第2、第3、・・・の主成分を算出し、寄与度が所定%、好ましくは略90%を超える主成分を抽出するものである。この下肢の歩行動作では、第1、第2の主成分で少なくとも累積寄与率80数%を超えている。従って、第1、第2の主成分の得点を求め、更に主成分ベクトルを求めて、運動に寄与する力として各拮抗する筋対の主動筋と拮抗筋に対して、高い相関を有する電位信号が生成可能となる。
このように、予め運動を司る筋及び運動内容(上述の例では、上肢の円運動、下肢の歩行運動)が決まると、当該運動を規定する主成分情報が決まることになる。そこで、事前に決まる主成分情報を利用して、運動内容から主成分得点を得る処理を含む第1の変換処理(図15のステップS101〜S103)が可能となる。以下、説明する。
まず、運動内容が決まれば、対応する主成分の種類が決まる。例えば、上肢の水平面内運動であれば、第1、第2の主成分が所要の累積寄与率で予め決定される。そして、後述するように、運動コマンドと主成分との間に何等かの相関があれば、当該相関を利用することで、運動コマンドを解析して各筋に対する電位信号を生成するという複雑な演算を実行することなく、図15のステップS101からステップS106まで、主成分情報を利用した一連の、すなわち簡易、迅速に電位信号を生成する処理が可能となる。
そこで、まず、運動コマンドの内容と当該運動に対応した主成分との関係を説明する。運動コマンドは、大脳運動野で生成される、運動内容を記述する目標位置(x、y)として定義される。前述の上肢による水平面内での運動であれば、目標手先位置(x、y)である。
ここで、上肢による上記水平面内運動を分析すると、肩と手先を結ぶ直線上に沿った伸縮(距離r)と、肩あるいは頭部を中心とした手先の回転(角度θ)とで記述し得る。到達運動タスクやクランク回転タスクにおける検出筋電位の主成分解析の結果、多くの事例で運動コマンドはかかる2種類の意味を持つことが判っている。
すなわち、手先の運動コマンドを極座標(r、θ)で表現していると考えられる。大脳運動野では目標とする手先の運動が直交座標系で表現されるため、中枢・脊髄神経系で極座標への座標変換が行われていると考えられる。手先運動情報として目標手先位置の他、速度、加速度、またダイナミックな干渉や手先が環境に及ぼす力やモーメント等の付属的な情報も考慮すると、上肢の水平面内運動における運動コマンド生成の流れは、図16のようになる。
図16は、上肢の水平面内運動における運動コマンド生成の流れを示すフロー図である。図16において、まず、ステップS201で、運動コマンド設定部110によって目標手先位置(x、y)が設定される。目標位置の設定は、座標を直接入力する態様でもよいし、予め運動内容(座標情報)と識別情報とを関連付けて記憶しておき、識別情報を指定することで対応する運動内容が指定される態様としてもよい。この場合、運動内容は、制御部120内の記憶部122に記憶されていればよい。運動内容には、単に位置情報の他、運動速度等もあることから、必要な付属的な情報も指定可能な態様がよい。
ステップS202、S203で、目標手先位置(x、y)は、公知の直交座標−極座標変換式を使用する等して、極座標(r、θ)に変換される。ステップS204で、付属事項も含めて、目標手先位置(r、θ)+α(速度・加速度・動的干渉・手先力・姿勢)が得られる。
そして、ステップS205で、主成分毎の得点(w1,w2)がそれぞれ算出される。具体的には、
w1=f(r、r′、r″)+α1(動的干渉、手先力、姿勢)
w2=g(θ、θ′、θ″)+α2(動的干渉、手先力、姿勢)
と表される。なお、記号「′」は1次微分を示し、記号「″」は2次微分を示す。上記において、二次微分項は必ずしも存在するとは限らず、逆に、場合によっては3次微分項が必要となる態様も考えられる。ここでは、主成分W1が極座標の距離rに対応し、主成分w2が極座標の角度θに対応している。また、運動コマンドが極座標(r、θ)で表現されていることは、歩行運動中の下肢においても同様であり、腰に対する足先位置を極座標(r、θ)で表現したものが、(w1,w2)に対応している。
続いて、実験結果を説明する。表5は、本実験における筋電位計測の対象となる8つの筋の名前と、対応する電極貼付位置とを示す。
Figure 0005158824
また、各筋拮抗比の定義を以下(表6)に示す。
Figure 0005158824
図17は、被験者7の頭部70、肩から手先までの各筋の位置関係と、各拮抗する筋対の関係を示す筋の模式図である。
<実験タスク>
平面内で手先位置を半径100[mm]の目標円軌道に沿って移動させるタスクを行い、カメラ等による手先位置の計測と筋電位計測とを行った。なお、重力を補償するために十分に高い天井から紐を吊るし、上腕を支えた。
<実験結果1>
時計回りの運動における主成分ベクトル(2つの主成分の累積寄与率90%以上)と主成分得点との関係は、表7及び図18の通りである。
本実験では、筋電位の測定は、例えば10[mm]の表面電極を電極間距離20[mm]にて使用し、筋電位取得装置及び生体アンプWEB-9000(日本光電社製)で筋電位を増幅した後、PowerLab8/30 (ADInstruments 社製)を通じて行い、サンプリング周波数1[khz]で記録した。なお、被験者に電極151を張り付ける際にはスキンピュア(日本光電社製)を用い、皮膚抵抗が10[kΩ]以下となるように処理を行った。また、本実験装置(システム)には、SenSable Technologies 社製(SensAble technologies: http://www.sensable.com/.)が開発した力覚提示デバイスであるPHANTOMを導入した。ただし、本運動(タスク)では力覚提示を行わず、手先位置計測のみを行った。また、関節角の計測にはゴニオメータ(Biometrics社製)を用い、ADボード(Contec 社製)を通じて取得した電圧値を角度値に変換した。各筋の間に存在する協調関係を明らかにするため、表6で定義する筋拮抗比r1〜r4を求め、さらに1試行の長さを正規化するなどした上で主成分分析を行った。さらに、筋電位で取得したデータに対して、整流化、フィルタリング(50〜150[Hz];通過帯域)、平滑化を順に施した上で、予め測定した最大等尺性収縮時の値で除する事により正規化し、その百分率を取って%MVC(% Maximum Voluntary Contraction)に変換した。そして、表6に従い、%MVCから筋拮抗比を求めた。
Figure 0005158824
表7から、第1主成分ベクトルの第1,3要素(0.5807,-0.5635)は、肩伸展(+)と肘屈曲(−)を表しており、第1主成分が肩と手先を結ぶ直線上に沿った伸縮(r)に対応していることが判る。一方、第2主成分ベクトルの第2要素(0.9472)は、2関節筋による肩と肘の同時屈曲(+)を表しており、第2主成分が肩あるいは頭部を中心とした手先の回転(θ)に対応していることが判る。図18は、手先を水平面内で時計回りの円運動をさせたとき、横軸に第1主成分w1を、縦軸に第2主成分w2を採って、(w1,w2)の点の運動位置(時間経過;図中の矢印参照)を表した図表である。
また、反時計回りの運動における主成分ベクトルについても同様であることを確認した。すなわち、反時計回りの運動における主成分ベクトル(2つの主成分の累積寄与率90%以上)と主成分得点との関係は、表8及び図19の通りである。
Figure 0005158824
表8から、第1主成分ベクトルの第1,3要素(0.6216,-0.4704)は、肩伸展(+)と肘屈曲(−)を表しており、第1主成分が肩と手先を結ぶ直線上に沿った伸縮(r)に対応していることが判る。一方、第2主成分ベクトルの第2要素(0.8141)は、2関節筋による肩と肘の同時屈曲(+)を表しており、第2主成分が肩あるいは頭部を中心とした手先の回転(θ)に対応していることが判る。図19は、手先を水平面内で反時計回りの円運動をさせたとき、横軸に第1主成分w1を、縦軸に第2主成分w2を採って、(w1,w2)の点の運動位置(時間経過;図中の矢印参照)を表した図表である。
<実験結果2>
図20は、第1主成分得点w1が肩と手先とを結ぶ直線上に沿った伸縮(r)に対応することを示す重回帰分析結果の図表である。横軸は運動位置(時間)で、縦軸はw1であり、破線は実験に基づくもの、実線は重回帰分析したものである。クランクタスク(時計回り)におけるw1の(r、r′)による推定結果を、式7で示す。
w1=−0.02r−0.05r′+12.6 ・・・(式7)
図21は、第2主成分得点w2が肩あるいは頭部を中心とした手先の回転(θ)に対応することを示す重回帰分析結果の図表である。横軸は運動位置(時間)で、縦軸はw2であり、破線は実験に基づくもの、実線は重回帰分析したものである。クランクタスク(時計回り)におけるw2の(θ、θ′)による推定結果を、式8で示す。
w2=6.5θ+7.7θ′−15.3 ・・・(式8)
図20、図21に示すように、重回帰分析された曲線w1、w2はいずれも計測値から多変量解析された主成分得点と比べて近似し、高い相関関係にあることが判る。
<実験結果3>
図22は、クランクタスク(時計回り)における実験値(r、θ)から時計回りの(w1,w2)を推定した結果(上記重回帰モデルを利用)を示す図表である。図23は、クランクタスク(時計回り)における実験値(r、θ)から反時計回りの(w1,w2)を推定した結果(上記重回帰モデルを利用)を示す図表である。図22、図23において、破線は実験に基づくもの、実線は重回帰分析したものである。
図23から判るように、重回帰分析された曲線w1、w2はいずれも計測値から多変量解析された主成分得点と比べて近似し、高い相関関係にあることが判る。従って、反時計回りの筋電位計測をすることなく、運動を生成するための筋電位信号を合成することができる。
以上のように、種々の運動内容について予め主成分解析が施されて主成分が規定されている場合、座標変換部131によって直交座標系の運動コマンドが極座標に変換され、更に必要に応じて付属情報も含めて、主成分得点変換部132によって略一意的に(高い相関性を有して)、主成分得点に変換される(図15のステップS101〜S103)。
続いて、主成分処理部141によって主成分得点が主成分に変換される処理が行われ、出力変換部142によって、各拮抗する筋対に対して筋拮抗比及び筋活性度が算出される。そして、筋活動コマンド生成部143によって、得られた各拮抗する筋対の筋拮抗比及び筋活性度から、主動筋と拮抗筋とに印加される電位信号が生成され、制御対象160がヒトの場合、対応する電極151に出力される。筋協調として、筋拮抗比及び筋活性度を利用することで、制御信号をより数少なくすることができる。
なお、本発明は、以下の態様を採用することが可能である。
(1)制御対象160が、人工筋アームを備えた筋骨格ロボット、例えば上肢筋骨格ロボットである場合、人体の場合と同様に目標手先運動を人工筋活動コマンドに変換するメカニズムが必要となる。また、人体の動きを検知する筋電計及び上述のようにして筋活動コマンドを生成する制御部を備えたマスタ側とマスタ側からの出力信号に対応して運動を行うスレーブ機側であるロボットを制御する場合(いわゆるマスタースレーブシステム)には、ヒトとロボットとでは筋特性や構造が異なるため、ヒトの筋電位計測結果からリアルタイムで得られる筋拮抗比や筋活性度をロボットの筋拮抗比や筋活性度に変換する必要がある。
図24は、筋拮抗比の変換の一例を示すフロー図である。筋活性度についても同様である。なお、変換関数f、gは予め例えば実験結果等から獲得しておけばよい。あるいは、筋拮抗比と手先位置との関係を実験的に求め、手先位置の肩に対する動径方向の変位が第1主成分得点、偏角方向の変位が第1主成分得点に対応するよう主成分ベクトルを決定してロボットの筋拮抗比に変換する方法もある。
この図24のフロー図は、例えば図15のステップS105の段階で実行される。まず、ステップS301で、筋拮抗比r(ヒト)(なお、rは前述のrtpに相当)が生成される。次いで、ステップS302で、目標関節角=f(r)の設定が行われる。さらに、ステップS303で、筋拮抗比r(ロボット)=g(目標関節角)の変換が行われる。そして、図15のステップS106に代えて、ステップS304で人工筋活動コマンドが出力される。人工筋活動コマンドは、ロボットの人工筋アーム(アクチュエータ)に対応する駆動信号として出力される。このようにすることで、前記マスタースレーブシステムへの適用が可能となる。
図25は、人工筋アームの駆動を説明する図表である。ヒトと同様の筋骨格構造を有するロボットでは、ヒトが用いている主成分ベクトルを人工筋アームに適用することで、ヒトの運動コマンド(w1,w2)をそのまま利用して人工筋アームを操作できる可能性がある。図25、図26は、ヒトと同様の筋骨格構造を有するロボットにヒトが用いている主成分ベクトル埋め込み、人工筋の制御コマンドを計算した後、人工筋アームを駆動した実験結果を示している。
図25は、主成分得点w1,w2を離散的に与え、人工筋の制御コマンドを計算した後、人工筋アームを駆動した場合のものである。図25(a)の実験1(w1)はそのときの手先位置をプロットしたもので、グラフの矢印は主成分得点w1が離散的に大きくなる方向を表している。同様に、矢印に示すように、主成分得点w2を離散的に大きくしていった場合の手先位置をプロットしたものが実験2(w2)である。
図25(b)において、実験3(w1,w2)は、w1,w2を同時に変えたときの結果を示している。図25(b)によれば、(w1,w2)を適当に与えることによって、水平面内の任意の位置(可動範囲内の)に手先を位置決めできることが判る。人工筋アームの側もヒトと同様の制御部を実装しておけば、ヒトの運動コマンド(w1,w2)をそのまま利用して人工筋アームを操作することが可能である。
(2)本実施形態では、図15のステップS101で設定する運動コマンドとして直交座標を採用したが、運動を規定する運動情報としては、これに限定されず、例えば歩行運動では、運動を規定できれば、他の情報、例えば歩幅と周期であってもよい。そして、この態様の場合、図15のステップS101〜S103に代えて、以下の式9、式10で表される方法が採用可能である。
Figure 0005158824
式9は、歩行動作における主成分得点運動の特徴を、級数展開で表した数式である。式10は、主成分得点w1及びw2が周期T,T/2のみの級数展開式で記述できるとした場合、w1,w2が持っているある性質を利用するようにして表現したものである。ある性質とは、w1,w2を半周期だけ位相をずらし、それぞれの和と差を取ると、必ず正弦波様や余弦波様(正弦波や余弦波に近似した波形)が得られるというものである。そして、その周期は和を取る場合には歩行周期Tに対してT/2になり、一方、差をとるとTになる。
この性質を満たすための、w1,w2の式の形は、逆算を行うことで、式9のw1(t)、w2(t)の級数展開の式を得ることができる。なお、数式中の変数は、w1:第1主成分得点、w2:第2主成分得点、T:1歩行周期、a1,a2,a3,a4:第1主成分得点w1の級数展開の係数、b1,b2,b3,b4:第2主成分得点w2の級数展開の係数である。
図26は、級数展開における近似結果を示す図表で、図26(a)は歩行(3km/h)を分解した図、図26(b)(c)はその時の主成分w1,w2を示している。図26(b)(c)において、各点は計測結果から得られた主成分得点、実線は本級数展開の数式による近似結果であり、両者は極めて近似していることが認められる。
また、式10は、歩行動作における主成分得点運動の特徴を表すためのダフィング方程式である。
Figure 0005158824
ヒトの歩行現象を説明する場合、生理学分野の長年の研究により、CPG(CentralPattern Generator)と呼ばれる歩行パターンを発生する仕組みが中枢下位にあることが示唆されている。そして、かかるパターン生成器の挙動を非線形振動子を用いて説明する研究が行われている。また、振動子を定義することで運動指令の挙動を表す力学場が定義できる。一方、脳科学の分野においても脳内に力学場を仮定して現象を説明しようとする試みがあるが、同様に運動指令そのものである主成分得点運動を支配する力学場を見つけることが必要となり、そのためにダフィング方程式を採用した。この方程式自体は様々な工学分野に出てくる一般的なモデルである。この方程式で近似して得られる解を半周期分位相をずらして和や差を取ると、正弦波や余弦波に似た波形を示し、式9で示した級数展開法の動機となった現象を満足することとなる。外力が印加されたダフィング方程式は、パラメータの決定が難しい面があるものの、さまざまな歩行動作を、この式で説明することが可能である。すなわち、パラメータが決まれば、さまざまな歩行運動を記述可能できる。なお、この式におけるパラメータは、主成分得点運動を機械モデルと表した場合、それぞれの変数は、c:粘性係数、k:弾性係数、A:周期外力(例えば重心運動)の振幅、T:歩行周期、z:定常外力(例えば上位中枢からの速度指令)である。また、ダフィング式は、変数A,zが他のパラメータに比べて大きく影響することから、かかる変数A,z、いわゆる歩幅と歩行周期とを適宜に調整設定することで、所要の運動が記述可能となる。
図27は、ダフィング方程式による近似結果を示す図表で、図27(a)は歩行(3km/h)を分解した図、図27(b)はその時の主成分w1に関する情報を示し、図27(c)はその時の主成分w2に関する情報を示している。図27(b)(c)において、破線は計測結果から得られた主成分得点、実線はダフィング方程式による近似結果であり、両者は極めて近似していることが認められる。
また、ダフィング方程式においては、パラメータを変更することによって、図27の3km/hとは異なる別の歩行速度、例えば4km/hでの主成分得点を算出することが可能である。この場合も、実測を行って、その結果から得られる主成分得点と、ダフィング方程式のうち、速度に寄与するパラメータzの設定によって推定した4km/hでの主成分得点とが近似していることが認められている。
(3)本実施形態では、2次元の運動について説明したが、本発明は、前述したように、軸上での1次元の運動の他、3次元の運動にも適用可能である。例えば3次元の運動の場合、直交座標から3次元極座標(r、θ、φ)(φ:俯仰角)に変換され、各極座標が累積寄与度に依存する数の主成分に置換することで上述と同様に処理可能である。
以上、説明したように、本発明に係る筋シナジー解析方法は、検体の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号を検出するステップと、前記検体の所定の運動中に検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比を時系列データとして算出するステップと、前記時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出するステップとを備えることが好ましい。これによれば、各筋の筋電位行列に対して、単に多変量解析(ここでは主成分解析)を施すのではなく、運動における筋の協調を考慮して、筋拮抗比という概念を導入し、この概念に対して、主成分解析を施すことで、変数の種類を低減させて処理の容易、高速化を実現して、リアルタイム処理が可能となる。また、煩雑かつ困難な身体各部位のパラメータ同定が不要であるため、その分、処理が簡易となる。また、主成分解析後の変数の種類が、第3主成分までであると、表示に際して3次元座標系で表現できるという利点がある。しかも、筋拮抗比を採用することで、運動の種類毎に主成分解析の結果も異なり、運動に即した主成分の数、得点が得られる。
また、本発明に係る筋シナジー解析方法において、前記検体の筋拮抗比に基づいて得られた主成分を参照主成分とし、この参照主成分と、新たな検査によって算出された同検体の筋拮抗比に基づいて得られた主成分との差分を算出するステップと、算出された前記差分を第1の表示部に表示するステップとを備えることが好ましい。この構成によれば、検体が同一人物である場合には、事前に取得しておいた自己の基準となる参照運動状態との対比が差分という形で示されることから、基準状態に近づけるアドバイスが的確に得られる。
また、本発明に係る筋シナジー解析方法において、前記検体の運動中に検出された筋電信号から前記拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルを加算して筋活性度の時系列データを算出するステップと、前記時系列データの各時刻における前記筋活性度を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出するステップとを備えることが好ましい。この構成によれば、筋拮抗比に対する多変量解析に加えて、好ましくは、拮抗する筋ペアについて筋活性度という新たな概念を導入し、この成分に対して、多変量解析を施したので、上記筋拮抗比と併用することで、運動の推定、評価がより正確となる。
また、本発明に係る筋シナジー解析方法において、前記検体の筋活性度に基づいて得られた主成分を参照主成分とし、この参照主成分と、新たな検査によって算出された同検体の筋活性度に基づいて得られた主成分との差分を算出するステップと、算出された前記差分を第2の表示部に表示するステップとを備えることが好ましい。この構成によれば、事前に取得しておいた自己の基準となる参照運動状態との対比が差分という形で示されることから、基準状態に近づけるアドバイスが的確に得られる。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置は、検体の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号を検出する検出器と、前記検体の所定の運動中に前記検出器によって検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比を時系列データとして算出する筋拮抗比算出手段と、前記時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出する第1の主成分解析手段とを備えることが好ましい。本発明によれば、筋シナジー解析方法と同様な作用を有する。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置において、第1の検体と第2の検体における両主成分の差分を算出する第1の差分算出手段と、前記第1の差分算出手段によって算出された差分を第1の表示部に表示する第1の表示制御手段とを備えることが好ましい。この構成によれば、第1の検体と第2の検体の差分が具体的に表示されるので、対比が的確、かつ容易となる。例えば、体格などが近似した者同士が同一の運動をした場合に、互いの差異を具体的に知ることが可能となる。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置において、前記第1の検体と前記第2の検体とは同一体であることが好ましい。この構成によれば、第1、第2の検体が同一人物である場合には、事前に取得しておいた自己の基準となる参照運動状態との対比が差分という形で示されることから、基準状態に近づけるアドバイスが的確に得られる。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置において、各主成分の寄与度の累積値が第1の閾値を超えていることが好ましい。この構成によれば、多変量解析で得られた主成分の種類は、寄与度の累積値が第1の閾値を超えたものであるので、分析結果を信頼性のあるものとすることができる。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置において、前記検体の運動中に前記検出器によって検出された筋電信号から前記拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルを加算して筋活性度の時系列データを算出する筋活性度算出手段と、前記時系列データの各時刻における前記筋活性度を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出する第2の主成分解析手段とを備えることが好ましい。この構成によれば、筋拮抗比に対する多変量解析に加えて、好ましくは、拮抗する筋ペアについて筋活性度という新たな概念を導入し、この成分に対して、多変量解析を施したので、上記筋拮抗比と併用することで、運動の推定、評価がより正確となる。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置において、第1の検体と第2の検体における両主成分の差分を算出する第2の差分算出手段と、前記第2の差分算出手段によって算出された差分を第2の表示部に表示する第2の表示手段とを備えることが好ましい。この構成によれば、第1の検体と第2の検体の差分が具体的に表示されるので、対比が的確、かつ容易となる。例えば、体格などが近似した者同士が同一の運動をした場合に、互いの差異を具体的に知ることが可能となる。
また、本発明に係る筋シナジー解析装置において、各主成分の寄与度の累積値が第2の閾値を超えていることが好ましい。この構成によれば、多変量解析で得られた主成分の種類は、寄与度の累積値が第1の閾値を超えているものであるので、分析結果を信頼性のあるものとすることができる。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースは、複数の筋に所与の運動を行わせる筋シナジーインターフェースにおいて、前記複数の拮抗する筋対群に対する運動を規定する運動情報を入力する運動コマンド設定手段と、前記運動情報を主成分情報に変換する第1の変換手段と、前記主成分情報を前記各拮抗する筋対へ印加する電位信号に変換する第2の変換手段とを備えることが好ましい。この発明によれば、各拮抗する筋対への運動指示が、高い相関を有するより数少ない主成分情報で行うことができるため、従来に比して処理が高速となり、かつ構成がコンパクトになる。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースにおいて、前記第1の変換手段は、運動情報としての直交座標系の位置情報を極座標系に変換するものであることが好ましい。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースにおいて、前記第1の変換手段は、運動情報としての運動周期及び1周期での単位運動を極座標系に変換することが好ましい。この構成によれば、直交座標系の位置情報以外の情報も適用可能となるので、制御対象に合わせた高い汎用性が得られる。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースにおいて、前記第1の変換手段は、前記運動情報を2種類の主成分情報に変換し、前記第2の変換手段は、得られた主成分情報を前記各拮抗する筋対への電位信号に変換することが好ましい。この構成によれば、主成分情報を寄与率の高い2種類とし、この2種類の主成分情報が少なくとも各拮抗する筋対への電位信号に変換されるので、相関性の高い運動が可能となる。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースにおいて、前記第1の変換手段は、少なくとも前記複数の拮抗する筋群から構成される運動基部と運動端部との間の距離と回転角度とを2種類の主成分情報に置換し、前記第2の変換手段は、得られた2種類の主成分情報を前記各拮抗する筋対への電位信号に変換することが好ましい。この構成によれば、2種類の主成分情報が距離と回転角度とに置換される。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースにおいて、前記第1の変換手段は、前記運動実行時の制約に応じた固有値を算出することが好ましい。この構成によれば、運動の速度、加速度、動的干渉、運動先端への運動への制約内容等の付属情報に応じて固有値が設定されるため、これらの付属情報に対応した主成分得点が設定される。
また、本発明に係る筋シナジーインターフェースにおいて、前記第2の変換手段は、前記主成分情報を筋拮抗比及び活性度に変換するものであることが好ましい。この構成によれば、ヒトやヒトを模擬した人工筋を有するロボット等の制御対象への適用が可能となる。
1 筋シナジー解析装置
10 筋電計(検出器)
20 信号処理部
201 測定処理部
202 筋拮抗比算出部(筋拮抗比算出手段)
203 第1の主成分解析部(第1の主成分解析手段)
204 第1の差分算出部(第1の差分算出手段)
205 表示制御部(第1の表示制御手段、第2の表示制御手段)
206 筋活性度算出部(筋活性度算出手段)
207 第2の主成分解析部(第2の主成分解析手段)
208 第2の差分算出部(第21の差分算出手段)
24 モニタ(第1の表示部、第2の表示部)
100 筋シナジーインターフェース
110 運動コメント設定部
120 制御部
130 第1の変換部
131 座標変換部
132主成分得点変換部
140 第2の変換部
141 主成分処理部
142 出力変換部
143 筋活動コマンド生成部
150 出力部
151 電極
160 制御対象

Claims (18)

  1. 検体の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号を検出するステップと、前記検体の所定の運動中に検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比を時系列データとして算出するステップと、前記時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出するステップとを備えたことを特徴とする筋シナジー解析方法。
  2. 前記検体の筋拮抗比に基づいて得られた主成分を参照主成分とし、この参照主成分と、新たな検査によって算出された同検体の筋拮抗比に基づいて得られた主成分との差分を算出するステップと、算出された前記差分を第1の表示部に表示するステップとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の筋シナジー解析方法。
  3. 前記検体の運動中に検出された筋電信号から前記拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルを加算して筋活性度の時系列データを算出するステップと、前記時系列データの各時刻における筋活性度を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出するステップとを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の筋シナジー解析方法。
  4. 前記検体の筋活性度に基づいて得られた主成分を参照主成分とし、この参照主成分と、新たな検査によって算出された同検体の筋活性度に基づいて得られた主成分との差分を算出するステップと、算出された前記差分を第2の表示部に表示するステップとを備えたことを特徴とする請求項3に記載の筋シナジー解析方法。
  5. 検体の拮抗する筋ペア群における各筋に生じる筋電信号を検出する検出器と、前記検体の所定の運動中に前記検出器によって検出された筋電信号から拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルの筋拮抗比を時系列データとして算出する筋拮抗比算出手段と、前記時系列データの各時刻における前記筋拮抗比を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出する第1の主成分解析手段とを備えたことを特徴とする筋シナジー解析装置。
  6. 第1の検体と第2の検体における両主成分の差分を算出する第1の差分算出手段と、前記第1の差分算出手段によって算出された差分を第1の表示部に表示する第1の表示制御手段とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の筋シナジー解析装置。
  7. 前記第1の検体と前記第2の検体とは同一体であることを特徴とする請求項6に記載の筋シナジー解析装置。
  8. 各主成分の寄与度の累積値が第1の閾値を超えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の筋シナジー解析装置。
  9. 前記検体の運動中に前記検出器によって検出された筋電信号から前記拮抗する筋ペアの筋電信号のレベルを加算して筋活性度の時系列データを算出する筋活性度算出手段と、前記時系列データの各時刻における筋活性度を変数として多変量解析を行って相関の寄与度の高い少なくとも第1主成分を含む主成分を算出する第2の主成分解析手段とを備える請求項5〜8のいずれかに記載の筋シナジー解析装置。
  10. 第1の検体と第2の検体における両主成分の差分を算出する第2の差分算出手段と、前記第2の差分算出手段によって算出された差分を第2の表示部に表示する第2の表示制御手段とを備えたことを特徴とする請求項9に記載の筋シナジー解析装置。
  11. 各主成分の寄与度の累積値が第2の閾値を超えていることを特徴とする請求項9又は10に記載の筋シナジー解析装置。
  12. 複数の筋に所与の運動を行わせる筋シナジーインターフェースにおいて、
    前記複数の拮抗する筋対群に対する運動を規定する運動情報を入力する運動コマンド設定手段と、前記運動情報を主成分情報に変換する第1の変換手段と、前記主成分情報を前記各拮抗する筋対へ印加する電位信号に変換する第2の変換手段とを備えたことを特徴とする筋シナジーインターフェース。
  13. 前記第1の変換手段は、運動情報としての直交座標系の位置情報を極座標系に変換するものであることを特徴とする請求項12記載の筋シナジーインターフェース。
  14. 前記第1の変換手段は、運動情報としての運動周期及び1周期での単位運動を極座標系に変換するものであることを特徴とする請求項12記載の筋シナジーインターフェース。
  15. 前記第1の変換手段は、前記運動情報を2種類の主成分情報に変換し、前記第2の変換手段は、得られた主成分情報を前記各拮抗する筋対への電位信号に変換することを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の筋シナジーインターフェース。
  16. 前記第1の変換手段は、少なくとも前記複数の拮抗する筋群から構成される運動基部と運動端部との間の距離と回転角度とを2種類の主成分情報に置換し、前記第2の変換手段は、得られた2種類の主成分情報を前記各拮抗する筋対への電位信号に変換することを特徴とする請求項15に記載の筋シナジーインターフェース。
  17. 前記第1の変換手段は、前記運動実行時の制約に応じた固有値を算出することを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の筋シナジーインターフェース。
  18. 前記第2の変換手段は、前記主成分情報を筋拮抗比及び活性度に変換するものであることを特徴とする請求項12〜17のいずれかに記載の筋シナジーインターフェース。
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