JP5158172B2 - 1対の部材の相対位置を検知する方法および機構 - Google Patents

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Description

本発明は、1対の部材の相対位置を検知する方法および機構に関する。
従来、互いに対向する1対の部材を相対位置精度良く配置させなければならない様々な装置が存在し、その一例として、基板と、基板に対向して配置された磁石とを含む磁気センサがある。例えば特許文献1,2に記載されているセンサは、検知回路として、磁気抵抗効果素子を含むブリッジ回路を有する。このセンサによると、外部磁界に起因する各磁気抵抗効果素子のそれぞれの電気抵抗の変化を求め、それに基づいて、磁石からブリッジ回路に加わる磁界の向きが求められる。それにより、磁石とブリッジ回路との相対位置関係がわかる。従って、被測定部材(例えば車両のハンドル(ステアリングホイール)の軸)に磁石を取り付け、その磁石に対向する位置に固定された基板に、前記したようなブリッジ回路を含むセンサ素子を設けると、被測定部材の使用時にその位置や回転角度を測定することが可能である。なお、被測定部材にセンサ素子を取り付け、それに対向する位置に磁石を固定することも考えられる。
このようなセンサでは、初期状態において基板のブリッジ回路とそれに対向する磁石とが所定の相対位置関係を有していないと、被測定部材の位置や回転角度を正しく求められない。具体的には、ブリッジ回路を構成する電気部品を含むパッケージを磁石に対して傾斜することなく対向させることが好ましい。パッケージ内の電気部品は磁石に比較して小さいものであるが、この電気部品に対して磁場強度および磁束密度が均等に与えられることが求められる。また、この磁気センサの測定精度を高めるため、また、安全上の理由から信頼性を高めるために、2つ以上のブリッジ回路を用いる場合、特に2つのパッケージ内にそれぞれブリッジ回路が収容されている場合には、各ブリッジ回路に加わる磁場強度および磁束密度が等しいことが好ましい。磁場強度や磁束密度が不均等であると、両ブリッジ回路の間で測定結果(例えば被測定部材の位置や回転角度)に誤差が生じるからである。したがって、ブリッジ回路を構成する電気部品を収容したパッケージは、できるだけ位置精度良く実装することが求められる。
特開2009−281784号公報 特開2007−309694号公報 特開平10−335397号公報 特開平7−270107号公報
従来、1対の部材を相対位置精度良く配置するためには、機械的な位置合わせの精度を高めるのが一般的である。磁気センサの場合には、ブリッジ回路を構成する電気部品をパッケージに搭載する際の位置決めと、パッケージを基板に実装する際の位置決めと、基板を装置本体(筐体やフレーム等)に固定する際の位置決めと、磁石を被測定部材に取り付ける際の位置決めとが行われる。ブリッジ回路と磁石の最終的な相対位置の誤差は、前記した4回の機械的な位置決めの際のそれぞれの誤差が積み重なったものである。一般に、電気部品をパッケージに搭載する際の誤差は100μm以下程度であっても、それ以外の3つの作業における誤差はそれぞれ1mm以下程度であり、ブリッジ回路と磁石の最終的な相対位置の誤差は、最大で3mm以上になる可能性がある。機械的な位置決めの精度を向上させようとしても限界があり、大幅な改善は困難である。
以上、磁気センサを例示して説明したが、それ以外の様々な装置においても、1対の部材を相対精度良く配置することが求められる場合が多々存在する。
相対位置を検知する装置としては、特許文献3,4に示されているように、接点同士の接触による導通の有無に基づいて1対の部材の位置合わせを可能にするものがある。しかし、非接触で容易に精度良く相対位置を検知することができる効果的な方法は見出されていない。
そこで本発明の目的は、互いに対向する1対の部材の相対位置を容易に検知して、相対位置精度を向上させるための位置合わせに利用することができる、非接触で1対の部材の相対位置を検知する方法および機構を提供することにある。
本発明の、互いに対向する1対の部材の相対位置を検知する方法によると、一方の部材に磁石を取り付け、他方の部材に検知用電気配線を形成し、両部材を相対的に移動または回転させることによって、磁石から加わる磁束の変化に基づいて検知用電気配線に誘導起電力を発生させ、検知用電気配線に発生した誘導起電力の大きさを検知することによって、磁石が取り付けられた一方の部材と、検知用電気配線が形成された他方の部材の相対位置関係を求める。磁石が取り付けられている一方の部材は被測定部材であり、検知用電気配線が形成されている他方の部材は、被測定部材の使用時に被測定部材との相対位置関係を求めるための検知回路を搭載した基板である。そして、検知用電気配線は、検知回路とは独立して形成されており、検知回路によって被測定部材と検知回路との相対位置関係を求める前に、磁石と基板の位置合わせを行うために磁石と前記基板の相対位置を求めるか、または、検知回路の一部を、検知用電気配線として利用し、検知回路によって被測定部材と検知回路との相対位置関係を求める前に、磁石と基板の位置合わせを行うために磁石と基板の相対位置を求めることを特徴とする。
本発明の、互いに対向する1対の部材の相対位置を検知する機構は、一方の部材に取り付けられている磁石と、他方の部材に形成されている検知用電気配線と、両部材の相対的な移動または回転によって、磁石から加わる磁束の変化に基づいて検知用電気配線に発生する誘導起電力を検知する誘導起電力検知手段と、を有する。磁石が取り付けられている一方の部材は被測定部材であり、検知用電気配線が形成されている他方の部材は、被測定部材の使用時に被測定部材との相対位置関係を求めるための検知回路を搭載した基板である。そして、検知用電気配線は、検知回路とは独立して形成されており、検知回路によって被測定部材と検知回路との相対位置関係を求める前に、磁石と基板の位置合わせを行うために磁石と基板の相対位置を求めるためのものであるか、または、検知回路の一部が、検知用電気配線として利用され、検知回路によって被測定部材と検知回路との相対位置関係を求める前に、磁石と基板の位置合わせを行うために磁石と基板の相対位置を求めるために用いられるものである。
本発明によると、互いに対向する1対の部材の相対位置を、非接触で、容易かつ精度良く検知することができる。従って、1対の部材の高精度の位置合わせに寄与することができる。
本発明の1対の部材の相対位置を検知する機構を示す斜視図である。 本発明の1対の部材の相対位置を検知する機構の他の例を示す斜視図である。 本発明の1対の部材の相対位置を検知する機構を含む磁気センサの一例を示す回路図である。 図3に示す磁気センサを車両に組み込んだ状態を示す要部の概略図である。 本発明の1対の部材の相対位置を検知する機構の変形例を示す平面図である。 (a),(b)は、本発明の1対の部材の相対位置を検知する機構の他の実施形態の要部をそれぞれ示す回路図である。 本発明の1対の部材の相対位置を検知する機構における磁石の回転数と、検知用電気配線に発生する誘導電圧の最大値と最小値の差との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[相対位置検知機構の基本原理]
まず、本発明の1対の部材の相対位置を検知する機構(相対位置検知機構)の基本原理について説明する。図1に示すように、本発明では、互いに対向して配置され、かつ相対的に移動または回転する1対の部材1,3のうちの一方の部材1に磁石2が配置され、他方の部材3に検知用電気配線4a〜4dが形成されている。検知用電気配線4a〜4dは、電気的に互いに独立して、誘導起電力検知手段である電圧計5a〜5dに接続されており、好ましくは部材3の四隅に形成されている。
両部材1,3が相対的に移動または回転すると、磁石2から検知用電気配線4a〜4dに対してそれぞれ印加される磁束が変化することによって、検知用電気配線4a〜4dに誘導起電力が発生する。そこで、各電圧計5a〜5dが、検知用電気配線4a〜4dの各々に発生する誘導電圧を測定する。この結果、検知用電気配線4a〜4dの全ての誘導電圧が同じ大きさであると、磁石2から各検知用電気配線4a〜4dに対して等しい磁束が加わっていることがわかる。これは、磁石2と各検知用電気配線4a〜4dの位置関係が全て等しいことであり、すなわち、検知用電気配線4a〜4dが形成されている部材3が、磁石2が配置されている部材1に対して、均等な間隔を保って水平に(平行に)位置していると考えられる。
これに対し、検知用電気配線4a〜4dに発生する誘導電圧が異なっている場合には、磁石2から各検知用電気配線4a〜4dに対して加わる磁束が異なっている。これは、検知用電気配線4a〜4dのうちの一部は磁石2に近接し、他の一部は磁石2から離れていることを意味する。すなわち、検知用電気配線4a〜4dが形成されている部材3が、磁石2が配置されている部材1に対して斜めに位置しているか、あるいは平面方向に位置ずれしていることがわかる。
なお、仮に、検知用電気配線4a〜4dが形成されている部材3が、磁石2が配置されている部材1に対して斜めに配置されることが望ましい場合には、各検知用電気配線4a〜4dにそれぞれ発生する誘導電圧の大きさが、予め決められた所定のバランスを維持しているか否かを検知することによって、所定の相対位置が維持されているかどうかを知ることができる。すなわち、検知用電気配線4a〜4dが形成されている部材3と、磁石2が配置されている部材1とが所望の相対位置関係にあるときの、各検知用電気配線4a〜4dに発生する誘導電圧の大きさのバランスを予め求めておく。そして、実測した各検知用電気配線4a〜4dにおけるそれぞれの誘導電圧が、予め求められているバランスを保っているか否かによって、所望の相対位置関係が維持されているかどうかを知ることができる。
このように、磁石2と検知用電気配線4a〜4dを用いることにより、1対の部材1,3の相対位置関係を知ることができる。そして、所望の相対位置関係が得られていない場合には、連続的または断続的に検知用電気配線4a〜4dに発生する誘導電圧を測定しながら両部材1,3の位置を調節して、検知用電気配線4a〜4dに発生する誘導電圧が全て一致するように、または、予め求められている所定のバランスになるように、調節することができる。これにより、1対の部材1,3が所望の相対位置関係になるように位置合わせすることができる。
なお、前記した説明では、四角形状の部材3の四隅に検知用電気配線4a〜4dを形成しているが、部材3が大きすぎて磁石2からの磁束の影響をほとんど受けない部分が存在する場合には、磁束の影響を受ける程度に磁石2から近い位置に各検知用電気配線4a〜4dを形成すればよい。また、検知用電気配線および電圧計は必ずしも4つ以上存在する必要はなく、3つまたは2つであってもある程度の効果が得られる。一般的には、複数の検知用電気配線が、磁石2と対向する位置を中心として均等な位置に配置されることが好ましい。また、前記した説明では、誘導起電力検知手段として誘導電圧を測定する電圧計5a〜5dが設けられているが、誘導起電力検知手段として誘導電流を測定する電流計が設けられていても同様の効果が得られる。
[センサの基本構成]
前記した本発明の相対位置検知機構を備えた装置の一例として、被測定部材の角度を検知するセンサがある。このセンサの基本構成について説明する。
図2に示すように、このセンサは、被測定部材(一方の部材)1に取り付けられている磁石(永久磁石)2と、この磁石2と対向する位置に固定されている基板(他方の部材)3とを含む。磁石2には、基板3と対向する面内にS極とN極が存在する。基板3には、電気部品の一例であるセンサ素子6が設けられている。センサ素子6は、基板3の中央であって磁石2の中心とほぼ対向する位置にあり、検知回路7として、外部から加えられる磁界に応じて出力が変化するブリッジ回路を内蔵している。
図3に示すように、検知回路7は電気配線8を介して処理装置9に接続されており、処理装置9が検知回路7の出力を測定することによって、外部から加わる磁界の向きを検知することができ、ひいては、磁石2が取り付けられている被測定部材1の、基板3上のセンサ素子6に対する相対位置や角度を知ることができる。この基板3上に、検知回路7および電気配線8から独立して、前記した検知用電気配線4a〜4dが形成されている。被測定部材1に取り付けられている磁石2が移動または回転すると、前記したように、基板3上の検知用電気配線4a〜4dに誘導起電力が発生する。そして、検知用電気配線4a〜4dに生じる誘導電圧を電圧計5a〜5dが測定することによって、初期状態における基板3と被測定部材1の相対位置関係を知ることができる。
[検知回路の詳細な構成]
基板3上のセンサ素子(電気部品)6内に構成されている検知回路7の一例について、以下に詳細に説明する。図3に模式的に示されているように、この検知回路7は、ホイートストンブリッジ7aを含むブリッジ回路である。ホイートストンブリッジ7aは、4つの磁気抵抗効果素子(MR素子)13を有している。ホイートストンブリッジ7aの点P2が電源10に接続され、点P2に対向する点P4が接地端子11に接続されている。また、2つの点P1,P3が、処理装置9の電圧計12に接続されて点P1と点P3の間の電位差(以下「出力電圧」と言う)が検出される。この出力電圧に基づいて、処理回路14が各MR素子13の抵抗値の変化を検知する。なお、各MR素子13等の配置に関する本明細書中の説明は、図3に示す回路図上でのレイアウトに関するものである。各MR素子13等の、基板3上での実際の実装位置は、これらの説明や図3によって限定されるものではなく、任意に変更可能である。
ホイートストンブリッジ7a内のMR素子13は、ピンド層の固定された磁化方向と、外部磁界に応じて変化するフリー層の磁化方向との相対関係によって抵抗値が変化する。検知回路7のホイートストンブリッジ7aでは、図3に示す回路図上において隣り合うMR素子13のピンド層同士が、互いに反対向きの磁化方向を有しており、図3に示す回路図上においてホイートストンブリッジ7aの中心を挟んで対向するMR素子13のピンド層同士が同じ磁化方向を有している。これらの磁化方向は、図3に矢印でそれぞれ示されている。
このような構成において、例えば、図示しているように図3の右向きの外部磁界23が検知回路7に加わった場合には、ホイートストンブリッジ7aの4つのMR素子13の抵抗は全て等しくなるので、出力電圧は0になる。そして、この外部磁界23の向きが、矢印で示されている方向から(例えば反時計回りに)変化するにつれて、ホイートストンブリッジ7aの出力電圧は変化する。外部磁界23の角度の変化に対する出力電圧の変化をグラフで表すと、図示しないが、正弦曲線で表される。従って、ホイートストンブリッジ7aの出力電圧を測定すると、外部磁界23の向き(角度)がわかる。その外部磁界23の向きから、検知回路7の各MR素子13に磁界を及ぼす磁石2(図1参照)の位置(回転角度)を求めることができる。
[センサの用途]
前記したとおり、本発明の相対位置検知機構を含む装置の代表的な例は、前記した検知回路7を内蔵したセンサ素子6を有する角度センサである。図4に示す例では、被測定部材である車両のハンドル(ステアリングホイール)1の軸1aの一部に、磁石(永久磁石)2が取り付けられている。そして、この磁石2と対向する位置において、図示しない取付部材に基板3が固定されている。基板3上の検知回路7は、電気配線8および処理装置9を介してモータ25に接続されている。モータ25のピニオン25aが、操舵車軸26に取り付けられているギア26aと連結されている。操舵車軸26は、ハンドル1の軸1aに連結されている。従って、運転者がハンドル1を切ると、軸1aに取り付けられた磁石2が移動して、この磁石2から検知回路7のホイートストンブリッジ7aの出力電圧が変化する。このホイートストンブリッジ7aの出力電圧の変化を電圧計12が検出して処理回路14が演算することによって、磁石2の位置が求められ、それによってハンドル1の回転角度が求められる。そして、その回転角度に応じてモータ25が作動させられてピニオン25aおよびギア26aを介して操舵車軸26が回転させられる。このモータ25による操舵車軸26の回転が、使用者がハンドル1を切ることによる操舵の補助として作用し、小さな力で操舵が行えるいわゆるパワーステアリングが実現する。
もちろん、本発明の相対位置検知機構を含む装置は、図4に示す車両のハンドル1用の角度センサに限定されるものではなく、ブラシレスモータ、ファン、レーザープリンターのミラー、ロボットの間接機構など、様々な被測定部材の位置や角度を検知するセンサに採用できる。さらに、センサに限られずあらゆる用途において、互いに対向して配置され、かつ相対的に移動または回転する1対の部材の相対位置精度の検知や向上が望まれる装置に広く適用される。図1に示す構成のように、電気部品が存在しない部材3を含む構成であっても構わない。
磁石2は、図1に示すような円形状の永久磁石に限られず、電磁石等を含めて、基板3に磁界を及ぼすものであれば、どのような磁石であってもよい。
[変形例]
図1,2に示す例では、検知用電気配線4a〜4dが基板3上に印刷等によって形成されているが、図5に示すように、一方の部材である被測定部材1に対向する他方の部材としてリードフレーム24が用いられる構成にすることもできる。リードフレーム24上にセンサ素子6を含むパッケージ27が配置されており、リードフレーム24のリード24aは、センサ素子6の検知回路(ブリッジ回路)7に接続された電気配線8の一部を構成している。一方、リード24bは、検知回路7および電気配線8から分離して形成されたものであり、検知用電気配線4a〜4dの一部を構成している。このような構成であると、センサ素子6を含むパッケージ27を搭載するリードフレーム24に、複数(図示している例では4本)のリード24bを追加して形成するだけで、初期状態の相対位置を検知する本発明の相対位置検知機構を容易に構成できる。
[他の実施形態]
前記した実施形態の図1に示す構成では、基板3上に電気部品等は存在せず検知用電気配線4a〜4dのみが設けられている。そして、前記した実施形態の図2に示す構成では、基板3上に、センサ素子6の検知回路7および電気配線8から独立して、検知用電気配線4a〜4dが形成されている。しかし、検知回路7自体を、検知用電気配線としても利用する構成にすることもできる。
本実施形態では、図6(a),(b)に示すように、磁石2が相対的に移動または回転するときに、検知回路7であるブリッジ回路の各点P1〜P4に生じる誘導電圧を測定する。例えば、図6(a)に示すように、点P1と点P2の間に生じる誘導電圧V1と、点P2と点P3の間に生じる誘導電圧V2と、点P3と点P4の間に生じる誘導電圧V3と、点P4と点P1の間に生じる誘導電圧V4とを、それぞれ電圧計(図示せず)によって測定する。例えば、全ての誘導電圧V1〜V4が一致すると、センサ素子6(少なくともブリッジ回路の点P1〜P4)が磁石2に対して傾かずに均等な位置関係にあることがわかる。しかし、誘導電圧V1〜V4が互いに相違していると、センサ素子6が磁石2に対して傾いて位置していることがわかる。そこで、磁石2と基板3のいずれか一方または両方の位置を調節する。例えば、図示しないが、基板3と取付部分との間にスペーサを挿入するなどして、基板3と磁石2の相対位置を調節し、全ての誘導電圧V1〜V4が一致するようになった状態で固定する。ただし、全ての誘導電圧V1〜V4を一致させるのではなく、各誘導電圧V1〜V4が所定のバランスとなるように調節する場合もある。
図6(b)には、本実施形態の変形例が示されている。この変形例では、ブリッジ回路の点P1と点P3の間に生じる誘導電圧V5と、点P2と点P4の間に生じる誘導電圧V6とを、それぞれ電圧計(図示せず)によって測定する。両誘導電圧V5,V6が一致すると、センサ素子6が磁石2に対して傾かずに均等な位置関係にあることがわかる。しかし、誘導電圧V5,V6が互いに相違していると、センサ素子6が磁石2に対して傾いて位置しているため、磁石2と基板3のいずれか一方または両方の位置を調節し、両誘導電圧V5,V6を一致させてから固定する。ただし、両誘導電圧V5,V6を一致させるのではなく、両誘導電圧V5,V6が所定のバランスとなるように調節する場合もある。
なお、誘導電圧(電位差)を求める点の取り方は、これらの例に限られず、任意に変更可能である。また、複数のブリッジ回路が存在する場合に、全てのブリッジ回路において誘導電圧を測定してもよく、複数のブリッジ回路のうちの1つまたはいくつかを選択して誘導電圧を測定するようにしてもよい。
なお、このセンサ素子6の本来の機能として、前記したようにブリッジ回路をセンサ素子6の検知回路7として用いて、被測定部材(例えばハンドル1の軸1a)およびセンサ素子6を含む完成状態の装置(例えば車両)の使用中の被測定部材の位置や回転角度を検知する際には、ブリッジ回路に電源10から電圧を印加して、MR素子13の磁気抵抗効果を利用する。
これに対し、装置(例えば車両)の完成前の段階、すなわち、磁石2および基板3を完全に固定する前の段階で、初期状態の相対位置を検知するためにブリッジ回路の一部を本発明の相対位置検知機構の検知用電気配線として利用する際には、MR素子13の磁気抵抗効果は利用せず、ブリッジ回路に電源10から電圧を印加しない状態でブリッジ回路に生じる誘導起電力(誘導電圧)を測定する。
このように、本実施形態では、従来のセンサ素子6の機能とは異なる機能をブリッジ回路に持たせている。そして、複数の測定個所での誘電電圧が互いに一致する場合、あるいは、各誘導電圧のバランスが、予め求められている所定のバランスに一致する場合には、磁石2と基板3が適切な相対位置関係にあると判断する。これに対し、複数の測定個所での誘電電圧が互いに異なる場合、あるいは、各誘導電圧のバランスが、予め求められている所定のバランスに一致しない場合には、磁石2と基板3が適切な相対位置関係にないと判断する。そこで、例えばスペーサ等を用いて基板3(または磁石2)の取り付け姿勢を調節することによって、複数の測定個所での誘電電圧が互いに一致するように、あるいは、各誘導電圧のバランスが、予め求められている所定のバランスに一致するようにして、それから基板3(または磁石2)をしっかりと固定する。
先に説明した実施形態では、センサ素子6の外側、場合によってはパッケージ27の外側に検知用電気配線4a〜4bが設けられているが、後に説明した実施形態では、パッケージ27の内部のセンサ素子6自体の一部を、検知用電気配線4a〜4dとしても利用している。どちらの実施形態を採用するかは、使用者が任意に選択すればよい。
また、複数のセンサ素子6が存在する場合には、各センサ素子6に関してそれぞれ磁石2との相対位置を検知してもよいが、複数のセンサ素子のうちの1つのみに関して磁石2との相対位置を検知してもよい。
複数のパッケージ27が存在する場合には、各パッケージ27にそれぞれ対応して複数組の検知用電気配線4a〜4dを形成して、各パッケージ27毎に関してそれぞれ磁石2との相対位置を検知してもよい。ただし、複数のパッケージ27に対して1組の検知用電気配線4a〜4dのみを形成してもよい。例えば、パッケージ27同士の間の位置には検知用電気配線4a〜4dを形成せず、複数のパッケージ27が設けられた領域の外側の位置に検知用電気配線4a〜4dを形成して、磁石2との相対位置を検知してもよい。
さらに、本発明の応用例として、検知用電気配線4a〜4dに生じる誘導電圧の大きさにより、磁石2から加わる磁束の大きさが適切であるか否かを知ることができる。磁石2が回転し続けると、検知用電気配線4a〜4dの特定の部分に加わる磁束の変化により、正弦曲線状または余弦曲線状の波形を有する誘導電圧が発生する。磁石2と検知用電気配線4a〜4dとが適切な位置関係にあるときに、磁石2が特定の回転数で回転するとどの程度の大きさの誘導電圧が発生するかを、予め求めておく、例えば、図7には、適切な相対位置関係における磁石2の回転数と、特定の検知用電気配線4a〜4dに発生する誘導電圧(最大値と最小値の差)との関係を予め求めた結果を示している。そこで、磁石2を特定の回転数(例えば3000rpm)で回転したときに、所定の誘導電圧が生じるか否か、例えば図7の例では最大値と最小値の差が11mV、すなわち、概ね+5.5mV〜−5.5mVの誘導電圧が発生するか否かを検知することにより、所定の磁束が検知用電気配線4a〜4dに加わっているか否かを知ることができる。
本発明において、磁石の数や検知用電気配線の数は限定されるものではなく、図示しないが、例えば一方の部材の複数の箇所にそれぞれ磁石が配置されており、他方の部材には1箇所のみに検知用電気配線が設けられていても、前記した実施形態と同様に、誘導起電力または誘導電流を測定することによって、1対の部材の相対位置の関係を知ることができる。
1 被測定部材(一方の部材)
2 磁石
3 基板(他方の部材)
4a〜4d 検知用電気配線
5a〜5d 電圧計(誘導起電力検知手段)
6 センサ素子(電気部品)
7 検知回路(ブリッジ回路)
7a ホイートストンブリッジ
8 電気配線
9 処理装置
10 電源
11 接地端子
12 電圧計
13 磁気抵抗効果素子(MR素子)
14 処理回路
23 外部磁界
24 リードフレーム
24a,24b リード
25 モータ
25a ピニオン
26 操舵車軸
26a ギア
27 パッケージ
P1〜P4 点
V1〜V6 誘導電圧

Claims (10)

  1. 互いに対向する1対の部材の相対位置を検知する方法であって、
    一方の前記部材に磁石を取り付け、
    他方の前記部材に検知用電気配線を形成し、
    前記両部材を相対的に移動または回転させることによって、前記磁石から加わる磁束の変化に基づいて前記検知用電気配線に誘導起電力を発生させ、
    前記検知用電気配線に発生した誘導起電力の大きさを検知することによって、前記磁石が取り付けられた前記一方の部材と、前記検知用電気配線が形成された前記他方の部材の相対位置関係を求め
    前記磁石が取り付けられている前記一方の部材は被測定部材であり、前記検知用電気配線が形成されている前記他方の部材は、前記被測定部材の使用時に該被測定部材との相対位置関係を求めるための検知回路を搭載した基板であり、
    前記検知用電気配線は、前記検知回路とは独立して形成されており、前記検知回路によって前記被測定部材と該検知回路との相対位置関係を求める前に、前記磁石と前記基板の位置合わせを行うために前記磁石と前記基板の相対位置を求める
    ことを特徴とする、1対の部材の相対位置を検知する方法。
  2. 互いに対向する1対の部材の相対位置を検知する方法であって、
    一方の前記部材に磁石を取り付け、
    他方の前記部材に検知用電気配線を形成し、
    前記両部材を相対的に移動または回転させることによって、前記磁石から加わる磁束の変化に基づいて前記検知用電気配線に誘導起電力を発生させ、
    前記検知用電気配線に発生した誘導起電力の大きさを検知することによって、前記磁石が取り付けられた前記一方の部材と、前記検知用電気配線が形成された前記他方の部材の相対位置関係を求め、
    前記磁石が取り付けられている前記一方の部材は被測定部材であり、前記検知用電気配線が形成されている前記他方の部材は、前記被測定部材の使用時に該被測定部材との相対位置関係を求めるための検知回路を搭載した基板であり、
    前記検知回路の一部を、前記検知用電気配線として利用し、前記検知回路によって前記被測定部材と該検知回路との相対位置関係を求める前に、前記磁石と前記基板の位置合わせを行うために前記磁石と前記基板の相対位置を求める
    ことを特徴とする、1対の部材の相対位置を検知する方法。
  3. 前記他方の部材の複数の個所に前記検知用電気配線をそれぞれ形成し、各々の前記検知用電気配線に誘導起電力をそれぞれ発生させ、各々の前記検知用電気配線にそれぞれ発生した誘導起電力の大きさを検知することによって、前記一方の部材と前記他方の部材の相対位置関係を求める、請求項1または2に記載の1対の部材の相対位置を検知する方法。
  4. 前記検知用電気配線が形成されている前記複数の個所は、前記他方の部材の前記磁石に対向する位置を中心として均等な位置関係にある、請求項に記載の1対の部材の相対位置を検知する方法。
  5. 請求項3または4に記載の1対の部材の相対位置を検知する方法を用いて1対の部材の相対位置を調節する方法であって、
    各々の前記検知用電気配線に発生した誘導起電力の大きさが全て一致するように、または、各々の前記検知用電気配線に発生した誘導起電力の大きさのバランスが、予め決められたバランスと一致するように、前記一方の部材と前記両方部材のうちのいずれか1つまたは両方の位置を調節する
    1対の部材の相対位置を調節する方法。
  6. 互いに対向する1対の部材の相対位置を検知する機構であって、
    一方の前記部材に取り付けられている磁石と、
    他方の前記部材に形成されている検知用電気配線と、
    前記両部材の相対的な移動または回転によって、前記磁石から加わる磁束の変化に基づいて前記検知用電気配線に発生する誘導起電力を検知する誘導起電力検知手段と、
    を有し、
    前記磁石が取り付けられている前記一方の部材は被測定部材であり、前記検知用電気配線が形成されている前記他方の部材は、前記被測定部材の使用時に該被測定部材との相対位置関係を求めるための検知回路を搭載した基板であり、
    前記検知用電気配線は、前記検知回路とは独立して形成されており、前記検知回路によって前記被測定部材と該検知回路との相対位置関係を求める前に、前記磁石と前記基板の位置合わせを行うために前記磁石と前記基板の相対位置を求めるためのものである
    1対の部材の相対位置を検知する機構。
  7. 互いに対向する1対の部材の相対位置を検知する機構であって、
    一方の前記部材に取り付けられている磁石と、
    他方の前記部材に形成されている検知用電気配線と、
    前記両部材の相対的な移動または回転によって、前記磁石から加わる磁束の変化に基づいて前記検知用電気配線に発生する誘導起電力を検知する誘導起電力検知手段と、
    を有し、
    前記磁石が取り付けられている前記一方の部材は被測定部材であり、前記検知用電気配線が形成されている前記他方の部材は、前記被測定部材の使用時に該被測定部材との相対位置関係を求めるための検知回路を搭載した基板であり、
    前記検知回路の一部が、前記検知用電気配線として利用され、前記検知回路によって前記被測定部材と該検知回路との相対位置関係を求める前に、前記磁石と前記基板の位置合わせを行うために前記磁石と前記基板の相対位置を求めるために用いられるものである
    1対の部材の相対位置を検知する機構。
  8. 前記磁石は、前記他方の部材に対向する面内にS極とN極を有する、請求項6または7に記載の1対の部材の相対位置を検知する機構。
  9. 前記他方の部材の複数の個所に前記検知用電気配線がそれぞれ形成されており、前記誘導起電力検知手段は、各々の前記検知用電気配線にそれぞれ発生する誘導起電力を検知する、請求項6から8のいずれか1項に記載の1対の部材の相対位置を検知する機構。
  10. 前記検知用電気配線は、前記他方の部材の、前記磁石に対向する位置を中心として均等な位置関係にある複数の個所に形成されている、請求項に記載の1対の部材の相対位置を検知する機構。
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