JP5157727B2 - ボイラ給水システム - Google Patents

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この発明は、ボイラへの給水システムに関するものである。特に、蒸気利用機器からのドレンを給水タンクへ回収してボイラへの給水の昇温を図りつつも、ボイラへの給水を利用して圧縮機の圧縮熱を回収して、ボイラへの給水の昇温ならびに圧縮機の油の冷却を有効に図ることのできるボイラ給水システムに関するものである。
下記特許文献1には、蒸気を用いて動力を起こすスクリュ型膨張機(1)と、このスクリュ型膨張機(1)により駆動される空気圧縮機(2)とを備える蒸気システムが開示されている。
特開昭63−45403号公報
圧縮機は、動作中、圧縮熱を生じる。油潤滑式の圧縮機の場合、潤滑油の温度が高すぎると、潤滑油の粘度が下がることで膜切れを起こしたり、空気が膨張して圧縮するのに不都合を来したりする。一方、潤滑油の温度が低すぎると、潤滑油の粘度が上がることで、圧縮機の駆動に動力を要することになる。そのため、潤滑油の温度を所望に維持する必要が生じる。
前記特許出願1に開示される発明のように、スクリュ型膨張機と空気圧縮機とを備えた蒸気システムの場合、スクリュ型膨張機への蒸気供給のために、さらにボイラを備えることが想定される。その場合、圧縮機の冷却を図るために、ボイラへの給水を利用することも考えられる。しかしながら、ボイラへの給水は断続的になされるので、単にボイラへの給水を用いるだけでは、圧縮機の冷却を有効に図ることができないおそれがある。
仮に、給水タンクの貯留水と圧縮機の潤滑油とを、それぞれ熱交換器へ循環させて間接熱交換するとしても、それだけでは潤滑油の温度を所望に維持することはできない。しかも、スクリュ型膨張機などの蒸気利用機器からのドレンを給水タンクへ回収して省エネルギーを図ろうとする場合、給水タンク内の水は昇温するため、圧縮機の冷却水には適さない温度となるおそれもある。
この発明が解決しようとする課題は、蒸気利用機器からのドレンを給水タンクへ回収してボイラへの給水の昇温を図りつつも、給水タンクへの給水を用いて圧縮機の圧縮熱を回収して、ボイラへの給水の昇温ならびに圧縮機の油の冷却を有効に図ることができるボイラ給水システムを提供することにある。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、ボイラへの給水を貯留すると共に、ボイラからの蒸気のドレンが回収される給水タンクと、この給水タンクへの給水を貯留する補給水タンクと、この補給水タンクから熱交給水ポンプを介して水が通される一方、この水で冷却しようとする被冷却液が通される熱交換器と、この熱交換器に通される被冷却液の液温に基づき、前記熱交給水ポンプから前記熱交換器へ供給する水量を調整する熱交給水量調整手段と、前記熱交換器から前記給水タンクへの排水路に設けられ、前記給水タンク内の水位に基づき開閉される補給水弁と、前記熱交換器から前記補給水弁への排水路から分岐して前記補給水タンクへ向かう分岐路に設けられ、前記補給水弁が閉じられることで開かれる戻し弁と、前記給水タンク内の水位が下限水位を下回ると給水設備から前記給水タンクへ給水するバイパス給水路とを備えることを特徴とするボイラ給水システムである。
請求項1に記載の発明によれば、蒸気利用機器からのドレンを給水タンクへ回収することで、省エネルギーを図ることができる。また、給水タンクとは別に補給水タンクを設け、この補給水タンクの水で被冷却液の冷却を図ることができる。給水タンクとは別に補給水タンクを設けることで、給水タンクにドレンを回収しても、それによって補給水タンクの水を昇温させることはない。これにより、回収されたドレンによって給水タンクの水が昇温しても、補給水タンクの水で被冷却液の冷却を図ることができる。しかも、被冷却液の液温に基づき、熱交給水ポンプから熱交換器へ供給する水量を調整することで、被冷却液を所望温度にすることができる。また、補給水タンクの水は、被冷却液との熱交換により温められた後、補給水タンクを介さずに給水タンクへ供給される。熱交換後の水を補給水タンクへ戻した後、補給水タンクから給水タンクへ供給する場合には、熱交換により温められた水を冷やしてしまうが、熱交換後に直ちに給水タンクへ供給することで、そのような不都合を回避できる。給水タンクが所要水位にあれば、熱交換後の水は補給水タンクへ戻されるが、無駄に捨てることなく有効利用される。さらに、補給水タンクからの給水では不足する場合には、バイパス給水路を介して給水タンクへ給水されるので、給水タンク内への給水は円滑且つ確実になされる。その上、熱交換器へ通す前記被冷却液を圧縮機の潤滑油とする場合には、圧縮熱の回収により、省エネルギーを図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記補給水弁は、電磁弁から構成され、前記戻し弁は、前記補給水弁が閉じられることで開弁圧に達して開放され、前記熱交換器から前記補給水タンクへの排水を可能とする逆止弁とされたことを特徴とする請求項1に記載のボイラ給水システムである。
請求項2に記載の発明によれば、熱交換後の水は、電磁弁を介して給水タンクへ供給されるか、逆止弁を介して補給水タンクへ戻される。そして、このような択一的制御を、電磁弁の開閉を制御するだけで簡易に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、前記熱交給水量調整手段は、前記熱交換器に通される被冷却液の液温に基づき、前記熱交給水ポンプの回転数を制御するインバータとされ、前記熱交換器は、前記補給水タンクからの水が通されると共に、油潤滑式の圧縮機との間で前記被冷却液としての潤滑油が循環され、前記圧縮機から前記熱交換器へ供給される潤滑油を設定温度に維持するように、前記インバータにより前記熱交給水ポンプを制御して、前記補給水タンクから前記熱交換器へ供給する水量を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ給水システムである。
請求項3に記載の発明によれば、熱交給水ポンプをインバータ制御することで、簡易に油潤滑式圧縮機の潤滑油を所望温度に維持することができる。
請求項4に記載の発明は、前記熱交給水量調整手段は、前記熱交換器に通される被冷却液の液温に基づき、前記熱交給水ポンプからの水を、前記熱交換器を介して前記給水タンクまたは前記補給水タンクへ供給するか、前記熱交換器を介さずに前記給水タンクまたは前記補給水タンクへ供給するかの分配割合を調整する温調三方弁とされ、前記熱交換器は、前記補給水タンクからの水が通されると共に、油潤滑式の圧縮機との間で前記被冷却液としての潤滑油が循環され、前記圧縮機から前記熱交換器へ供給される潤滑油を設定温度に維持するように、前記温調三方弁を制御して、前記補給水タンクから前記熱交換器へ供給する水量を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ給水システムである。
請求項4に記載の発明によれば、温調三方弁を制御することで、簡易に油潤滑式圧縮機の潤滑油を所望温度に維持することができる。
請求項5に記載の発明は、前記補給水タンクは、給水弁を介して給水可能とされる一方、排水弁を介して排水可能とされ、前記給水弁は、前記補給水タンク内の水が下限水位を下回ると開放される一方、上限水位を上回ると閉鎖され、前記排水弁は、前記熱交換器に供給される水が上限温度を上回ると開放される一方、下限温度を下回ると閉鎖されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボイラ給水システムである。
請求項5に記載の発明によれば、熱交換後の水の補給水タンクへの戻り量が増え過ぎ、補給水タンク内の水温が上がり過ぎて、被冷却液の冷却に適さない温度となった場合には、補給水タンクの水について、少なくとも一部の入れ替えを図ることができる。
請求項6に記載の発明は、前記補給水タンク内は、隔壁を介して上下に区画されつつも、その隔壁よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通されており、前記給水弁を介した前記補給水タンクへの給水は、前記隔壁よりも下部領域へなされる一方、前記補給水タンクから前記排水弁を介した排水は、前記隔壁よりも上部領域からなされ、前記補給水タンクから前記熱交換器への給水は、前記隔壁よりも下部領域からなされる一方、前記熱交換器から前記補給水タンクへの排水は、前記隔壁よりも上部領域へなされることを特徴とする請求項5に記載のボイラ給水システムである。
請求項6に記載の発明によれば、補給水タンク内に隔壁を設けて、補給水タンク内の水に、高温領域と低温領域とを作り出すことができる。これにより、補給水タンクへの給水は低温領域へ行い、補給水タンクからの排水は高温領域から行い、被冷却液を冷却するための熱交換器への給水は低温領域から行い、熱交換器にて温められた水の戻しは高温領域へ行うことで、熱交換能力の維持とシステム効率の向上とを図ることができる。
請求項7に記載の発明は、前記給水タンクと前記補給水タンクとは、一つの共通タンクとして構成され、この共通タンクは、ボイラへの給水を貯留すると共に、ボイラからの蒸気のドレンが回収され、前記熱交換器は、前記熱交給水ポンプにより前記共通タンクとの間で水が循環されると共に、この循環水で冷却しようとする被冷却液が通され、前記補給水弁、前記分岐路、前記戻し弁、および前記バイパス給水路の設置が省略され、前記共通タンク内は、隔壁を介して上下に区画されつつも、その隔壁よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通されており、前記給水弁を介した前記共通タンクへの給水は、前記隔壁よりも下部領域へなされる一方、前記共通タンクから前記排水弁を介した排水は、前記隔壁よりも上部領域からなされ、前記共通タンクから前記熱交換器への給水は、前記隔壁よりも下部領域からなされる一方、前記熱交換器から前記共通タンクへの排水は、前記隔壁よりも上部領域へなされ、前記共通タンクから前記ボイラへの給水は、前記隔壁よりも上部領域からなされる一方、前記共通タンクへのドレンの回収は、前記隔壁よりも上部領域へなされることを特徴とする請求項5に記載のボイラ給水システムである。
請求項7に記載の発明によれば、給水タンクと補給水タンクとが統一されて、一つの共通タンクから構成される。そして、共通タンク内に隔壁を設けて、共通タンク内の水に、高温領域と低温領域とを作り出すことができる。これにより、共通タンクへの給水は低温領域へ行い、共通タンクからの排水は高温領域から行い、被冷却液を冷却するための熱交換器への給水は低温領域から行い、熱交換器にて温められた水の戻しは高温領域へ行い、ボイラへの給水は高温領域から行い、共通タンクへのドレンの回収は高温領域へ行うことで、熱交換能力の維持とシステム効率の向上とを図ることができる。
請求項8に記載の発明は、前記給水タンクと前記補給水タンクとは、一つの共通タンクとして構成され、この共通タンクは、ボイラへの給水を貯留すると共に、ボイラからの蒸気のドレンが回収され、前記熱交換器は、前記熱交給水ポンプにより前記共通タンクとの間で水が循環されると共に、この循環水で冷却しようとする被冷却液が通され、前記補給水弁、前記分岐路、前記戻し弁、および前記バイパス給水路の設置が省略され、前記共通タンク内は、隔壁を介して左右に区画されつつも、その隔壁を挟んだ一方領域と他方領域とは一部において互いに連通されており、前記給水弁を介した前記共通タンクへの給水は、前記一方領域へなされる一方、前記共通タンクから前記排水弁を介した排水は、前記他方領域からなされ、前記共通タンクから前記熱交換器への給水は、前記一方領域からなされる一方、前記熱交換器から前記共通タンクへの排水は、前記一方領域へなされ、前記共通タンクから前記ボイラへの給水は、前記他方領域からなされる一方、前記共通タンクへのドレンの回収は、前記他方領域へなされることを特徴とする請求項5に記載のボイラ給水システムである。
請求項8に記載の発明によれば、給水タンクと補給水タンクとが統一されて、一つの共通タンクから構成される。そして、共通タンク内に隔壁を設けて、共通タンク内の水に、高温領域と低温領域とを作り出すことができる。これにより、共通タンクへの給水は低温領域へ行い、共通タンクからの排水は高温領域から行い、被冷却液を冷却するための熱交換器への給水は低温領域から行い、ボイラへの給水は高温領域から行い、共通タンクへのドレンの回収は高温領域へ行うことで、熱交換能力の維持とシステム効率の向上とを図ることができる。
さらに、請求項9に記載の発明は、前記一方領域は、第二の隔壁を介して上下に区画されつつも、その第二の隔壁よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通されており、前記給水弁を介した前記共通タンクへの給水は、前記第二の隔壁よりも下部領域へなされ、前記共通タンクから前記熱交換器への給水は、前記第二の隔壁よりも下部領域からなされる一方、前記熱交換器から前記共通タンクへの排水は、前記第二の隔壁よりも上部領域へなされることを特徴とする請求項8に記載のボイラ給水システムである。
請求項9に記載の発明によれば、共通タンク内は、第一の隔壁で左右に仕切られると共に、その一方領域は、さらに第二の隔壁で上下に仕切られる。これにより、各領域間に温度差を生じさせて、熱交換能力の維持とシステム効率の向上とを一層図ることができる。
この発明のボイラ給水システムによれば、蒸気利用機器からのドレンを給水タンクへ回収してボイラへの給水の昇温を図りつつも、給水タンクへの給水を用いて圧縮機の圧縮熱を回収して、ボイラへの給水の昇温ならびに圧縮機の油の冷却を有効に図ることができる。また、実施の形態に応じて、システムの簡略化、省スペース化、およびコストダウンを図ることができる。
以下、本発明のボイラ給水システムについて、実施例に基づきさらに詳細に説明する。
図1は、本発明のボイラ給水システム1の実施例1を備える蒸気システム2の一例を示す概略図である。この蒸気システム2において、ボイラ3への給水系統に本発明が適用されている。そのため、まず、図示例の蒸気システム2の概略について説明し、その後、そのボイラ3への給水系統である本実施例のボイラ給水システム1について説明する。
図1に示される蒸気システム2は、ボイラ3と、このボイラ3からの蒸気を用いて動力を起こす蒸気エンジン4と、この蒸気エンジン4により駆動される圧縮機5とを備える。蒸気エンジン4と圧縮機5とは、図1において二点鎖線で示されるように、一つのユニット6として構成されてもよい。
ボイラ3は、蒸気ボイラであれば、その構成を特に問わない。ボイラ3へは、給水タンク7から水が、給水ポンプ8と逆止弁9とを介して供給される。ボイラ3への給水系統には軟水装置10と脱酸素装置11とが備えられるので、脱気された軟水がボイラ3へ供給される。ボイラ3へ供給された水は、ボイラ3で蒸気化される。ボイラ3からの蒸気は、第一蒸気ヘッダ12へ供給され、この第一蒸気ヘッダ12の蒸気が、一または複数の各種の蒸気利用機器13へ供給される。
この種の蒸気利用機器の一つとして、蒸気エンジン4がある。蒸気エンジン4へは、第一蒸気ヘッダ12から蒸気が、給蒸路14を介して供給される。第一蒸気ヘッダ12から蒸気エンジン4への給蒸路14には、電磁弁または電動弁から構成される給蒸弁15が設けられる。この給蒸弁15の開閉または開度を制御することで、蒸気エンジン4の作動の有無または出力を調整できる。
蒸気エンジン4は、供給される蒸気により回転駆動力を得る装置であるが、蒸気エンジン4において蒸気は膨張して減圧される。従って、蒸気エンジン4は、圧縮機5の駆動源としてだけでなく、減圧弁としても機能する。これにより、蒸気エンジン4にて使用後の蒸気は、減圧弁通過後の蒸気として、各種の蒸気利用機器(図示省略)において、そのまま利用することもできる。そのために、蒸気エンジン4にて使用後の蒸気は、排蒸路16を介して第二蒸気ヘッダ17へ供給され、この第二蒸気ヘッダ17の蒸気が、一または複数の各種の蒸気利用機器へ供給される。
第一蒸気ヘッダ12と第二蒸気ヘッダ17とは、バイパス路18を介しても接続される。具体的には、第一蒸気ヘッダ12から給蒸弁15への給蒸路14と、蒸気エンジン4から第二蒸気ヘッダ17への排蒸路16とが、バイパス路18で接続される。このバイパス路18には、バイパス弁19が設けられる。バイパス弁19は、好適には自力式の減圧弁とされ、第二蒸気ヘッダ17内の蒸気圧を所定に維持するように、機械的に自力で開度調整される。
蒸気エンジン4は、好適にはスクリュ式蒸気エンジンである。スクリュ式蒸気エンジンは、互いにかみ合うスクリュロータ間に蒸気が導入され、その蒸気によりスクリュロータを回転させつつ蒸気を膨張して減圧し、その際のスクリュロータの回転により動力を得る装置である。
圧縮機5は、油潤滑式であれば、その構成を特に問わないが、ここではスクリュ式の空気圧縮機である。スクリュ式圧縮機は、互いにかみ合って回転するスクリュロータ間に気体を吸入して、スクリュロータの回転により圧縮して吐出する装置である。
圧縮機5は、蒸気エンジン4により駆動される。具体的には、スクリュ式蒸気エンジン4のスクリュロータの回転駆動力を用いて、スクリュ式圧縮機5のスクリュロータが回転される。このように、圧縮機5は、基本的には蒸気エンジン4で駆動されるが、電動機(図示省略)でも補助駆動可能とされてもよい。
次に、ボイラ給水システム1について説明する。本実施例のボイラ給水システム1は、ボイラ3への給水を貯留する給水タンク7と、この給水タンク7への給水を貯留する補給水タンク20と、この補給水タンク20の水を循環させて圧縮機5の冷却を図る熱交換器21とを主要部として備える。
給水タンク7は、ボイラ3への給水を貯留すると共に、蒸気利用機器13などからドレンが回収される。図1では、第一蒸気ヘッダ12の蒸気の利用機器13(蒸気エンジン4を含む)と、第二蒸気ヘッダ17の蒸気の利用機器(図示省略)からのドレンが、それぞれドレン回収路22を介して給水タンク7へ回収される。そして、給水タンク7の水は、給水ポンプ8および逆止弁9を介して、ボイラ3へ供給可能とされる。
補給水タンク20は、給水タンク7への給水を貯留すると共に、軟水装置10および脱酸素装置11を介して水が供給可能とされる。軟水装置10は、イオン交換樹脂などを用いて、原水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの硬度分を除去する装置である。脱酸素装置11は、中空糸膜などを用いて、水中の酸素を除去する装置である。
原水は、軟水装置10と脱酸素装置11とを介することで、脱気された軟水として、補給水タンク20へ供給される。この補給水タンク20への給水路23には、給水弁24が設けられる。この給水弁24の開閉を制御することで、補給水タンク20への給水の有無が切り替えられる。なお、脱気された軟水が空気と接触することで、再び酸素が溶け込むのを防止するために、給水タンク7および補給水タンク20の水面には、ビーズ25,25,…が一面に浮かべられる。
補給水タンク20には、水位検出器26が設けられる。この水位検出器26による検出信号に基づき給水弁24を制御することで、補給水タンク20内は所望水位に維持される。水位検出器26は、アナログ式のレベル水位検出器でもよいが、本実施例では、水位に比例した出力を得ることができる静電容量式の水位検出器が用いられる。そして、給水弁24は、補給水タンク20内の水が下限水位を下回ると開放される一方、上限水位を上回ると閉鎖される。
前述したように、圧縮機5は、油潤滑式、より具体的にはスクリュ式の空気圧縮機とされる。この場合、ケーシング内で互いにかみ合って回転するスクリュロータの潤滑と、圧縮空気を作り出す空間の形成のために、ケーシング内に潤滑油が存在する。この潤滑油は、所望温度に水冷されることで、圧縮機5に発生する圧縮熱の冷却の役目も担うものである。潤滑油が水冷されて所望温度に維持されることで、圧縮しようとする空気が膨張する不都合も回避される。
このような潤滑油の水冷のために、圧縮機5の潤滑油は、補給水タンク20の水と、熱交換器21にて間接熱交換可能とされる。具体的には、熱交換器21は、圧縮機5から供給路27を介して潤滑油が供給され、その潤滑油は排出路28を介して圧縮機5へ戻される。圧縮機5から熱交換器21への供給路27には、第一温度センサ29が設けられる。一方、熱交換器21から圧縮機5への排出路28には、循環ポンプ30が設けられる。この循環ポンプ30を作動させることで、圧縮機5と熱交換器21との間で潤滑油が循環される。
また、熱交換器21は、補給水タンク20から給水路31を介して水が供給され、その水は排水路32を介して給水タンク7へ排水可能とされる。補給水タンク20から熱交換器21への給水路31には、第二温度センサ33および熱交給水ポンプ34が設けられる。この熱交給水ポンプ34は、インバータ35により回転数を制御可能とされる。これにより、熱交給水ポンプ34から熱交換器21への給水量が調整可能とされる。一方、熱交換器21から給水タンク7への排水路32には、補給水弁37が設けられる。熱交換器21から給水タンク7への排水路32には、補給水弁37の手前において補給水タンク20への分岐路38が設けられる。この分岐路38には、熱交給水ポンプ34を作動させた状態で補給水弁37が閉じられた場合に開かれる戻し弁39が設けられる。この戻し弁39は、通常は分岐路38を正逆両方向へ閉鎖しているが、熱交給水ポンプ34を作動させた状態で補給水弁37が閉じられた場合にのみ、開弁圧に達して開放され、熱交換器21からの水を補給水タンク20へ戻す逆止弁とされる。
給水タンク7には、第一水位検出器40と第二水位検出器41との二つの水位検出器が設けられる。各水位検出器40,41は、補給水タンク20の水位検出器26と同様の構成である。補給水弁37は、第一水位検出器40による検出水位に基づき、開閉を制御される。本実施例では、水位に比例した出力を得ることができる静電容量式の水位検出器40が用いられ、補給水弁37は、給水タンク7内の水が下限水位を下回ると開放される一方、上限水位を上回ると閉鎖される。補給水弁37が閉じられた場合、戻し弁39が開放されることで、熱交換器21からの水は、分岐路38を介して補給水タンク20へ戻される。
給水タンク7には、脱酸素装置11からの水が、補給水タンク20を介さずに、バイパス給水路42を介して、直接に供給可能とされる。バイパス給水路42には、バイパス給水弁43が設けられる。バイパス給水弁43は、第二水位検出器41による検出水位に基づき、開閉を制御される。圧縮機5から熱交換器21へ供給される潤滑油の液温との関係で熱交給水ポンプ34から熱交換器21へ供給される水量が少なく、補給水タンク20から給水タンク7への給水量が不足する場合には、第二水位検出器41による検出水位に基づきバイパス給水弁43が開放されて、給水タンク7内への給水が図られる。本実施例では、水位に比例した出力を得ることができる静電容量式の水位検出器41が用いられ、バイパス給水弁43は、給水タンク7内の水が下限水位を下回ると開放される一方、上限水位を上回ると閉鎖される。第二水位検出器41による下限水位は、第一水位検出器40による下限水位より下方に設定される。また、第二水位検出器41による上限水位は、第一水位検出器40による上限水位より下方に設定される。
熱交給水ポンプ34は、熱交換器21に通される潤滑油の液温に基づき、インバータ35により回転数を制御される。具体的には、圧縮機5から熱交換器21へ供給される潤滑油を設定温度に維持するように、第一温度センサ29による検出温度に基づき、インバータ35により熱交給水ポンプ34が制御されて、補給水タンク20から熱交換器21へ供給される水量が調整される。
ところで、給水タンク7および補給水タンク20には、それぞれ、所定以上の水を外部へあふれさせるためのオーバフロー路44,45が設けられている。また、補給水タンク20の水は、排水路46を介して排水可能とされる。排水路46には排水弁47が設けられている。この排水弁47の開閉を制御することで、補給水タンク20からの排水の有無が切り替えられる。排水弁47は、補給水タンク20内の水温に基づき、開閉を制御される。具体的には、排水弁47は、第二温度センサ33による検出温度に基づき制御され、その温度が上限温度を上回ると開放される一方、下限温度を下回ると閉鎖される。
次に、本実施例のボイラ給水システムの動作について説明する。
まず熱交換器21における潤滑油の冷却について説明する。これには、圧縮機5から熱交換器21へ供給される潤滑油の温度に基づき、補給水タンク20から熱交換器21への給水量が制御される。具体的には、圧縮機5から熱交換器21へ供給される潤滑油を設定温度に維持するように、第一温度センサ29による検出温度に基づきインバータ35により熱交給水ポンプ34が制御されて、補給水タンク20から熱交換器21への給水量が調整される。つまり、潤滑油の温度が上がると、熱交給水ポンプ34の回転数を上げて冷却水量を増やす一方、潤滑油の温度が下がると、熱交給水ポンプ34の回転数を下げて冷却水量を減らすことで、潤滑油を設定温度に維持することが図られる。
次に、補給水タンク20から給水タンク7への補給水の供給について説明する。前述したように、給水タンク7内の水位は、第一水位検出器40と第二水位検出器41とにより監視される。そして、第一水位検出器40による検出水位が下限水位を下回ると、補給水弁37が開放される。これにより、補給水タンク20の水が、熱交換器21を介して、給水タンク7へ供給される。一方、第一水位検出器40による検出水位が上限水位を上回ると、補給水弁37が閉鎖される。これにより、それまで閉じていた戻し弁39が開弁圧に達して開放され、分岐路38を介して補給水タンク20への戻り路が確保される。よって、熱交換器21からの水が、熱交換器21からの排水路32の中途から分岐路38を通り、補給水タンク20へ戻される。このように、補給水弁37と戻し弁39とは択一的にいずれかのみが開放されることで、補給水タンク20から給水タンク7への給水の有無が切り替えられる。
また、このような補給水量とドレン水量とを合わせても、ボイラ3の給水量が確保できずに給水タンク7内の水位が下がると、第二水位検出器41がそれを検知して、バイパス給水弁43を開放してバイパス給水路42から直接に給水タンク7へ水が補給される。つまり、圧縮機5から熱交換器21へ供給される潤滑油の液温との関係で、熱交給水ポンプ34による吐出量が少なくなると、熱交換器21から給水タンク7への給水量が減り、給水タンク7を所望水位に維持できない場合がある。この場合、第二水位検出器41により、下限水位が検知され、バイパス給水弁43が開放されることで、所定まで給水タンク7への給水がなされる。
一方、分岐路38を介して補給水タンク20への戻り量が増え過ぎると、補給水タンク20内の水温が上がることになる。そして、補給水タンク20内の水温が上がり過ぎると、補給水タンク20内の水は、熱交換器21における潤滑油の冷却に適さなくなるおそれがある。そこで、補給水タンク20から熱交換器21への給水路31に設けた第二温度センサ33により、熱交換器21に供給される水の温度を監視し、その水温が上限温度を上回ると、排水弁47が開放される。これにより、補給水タンク20内の水は、排水路46を介して排出を図られるが、補給水タンク20内の水が下限水位まで下がれば、給水弁24が開放されて補給水タンク20への給水が開始される。このような給排水により、補給水タンク20内の水の入れ替えが図られ、補給水タンク20内の水が下限温度を下回ると、排水弁47が閉鎖される。その後、補給水タンク20内の水位は上昇し、上限水位になると給水弁24が閉鎖される。なお、第二温度センサ33の設置位置から明らかなとおり、補給水タンク20内の水温は、補給水タンク20内自体にて監視してもよいし、図示例のように、補給水タンク20から熱交換器21への給水路31にて監視してもよい。
本実施例のボイラ給水システムによれば、蒸気利用機器13からのドレンを給水タンク7へ回収することで、省エネルギーを図ることができる。また、給水タンク7とは別に補給水タンク20を設け、この補給水タンク20の水で圧縮機5の潤滑油の冷却を図ることができる。給水タンク7とは別に補給水タンク20を設けることで、給水タンク7にドレンを回収しても、それによって補給水タンク20の水を昇温させることはない。これにより、回収されたドレンによって給水タンク7の水が昇温しても、補給水タンク20の水で潤滑油の冷却を図ることができる。しかも、潤滑油の液温に基づき、熱交給水ポンプ34から熱交換器21へ供給する水量を調整することで、潤滑油を所望温度に維持することができる。この際、熱交給水ポンプ34をインバータ制御することで、熱交換器21へ供給される潤滑油の条件(温度,流量)や、熱交換器21へ供給される冷却水の水温が変化しても、潤滑油を所望温度に維持することができる。さらに、補給水タンク20の水は、潤滑油との熱交換により温められた後、補給水タンク20を介さずに給水タンク7へ供給されるので、高温のまま供給でき効率がよい。
図2は、本発明のボイラ給水システム1の実施例2を備える蒸気システム2の一例を示す概略図である。本実施例2のボイラ給水システム1と、これを備える蒸気システム2とは、基本的に前記実施例1と同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例2は、補給水タンク20の構成において、前記実施例1と異なる。本実施例2では、補給水タンク20内は、上下方向中途部において、水平板状の隔壁48により、一部を残して上下に区画される。これにより、補給水タンク20内は、隔壁48を介して上下に区画されつつも、その隔壁48よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通される。
この場合、脱酸素装置11からの給水路23は、隔壁48よりも下部領域に接続される一方、排水路32は、隔壁48よりも上部領域に接続される。すなわち、給水弁24を介した補給水タンク20への給水は、隔壁48よりも下部領域へなされる一方、補給水タンク20から排水弁47を介した排水は、隔壁48よりも上部領域からなされる。
また、熱交換器21への給水路31は、隔壁48よりも下部領域に接続される一方、熱交換器21からの排水路32からの分岐路38は、隔壁48よりも上部領域に接続される。すなわち、補給水タンク20から熱交換器21への給水は、隔壁48よりも下部領域からなされる一方、熱交換器21から補給水タンク20への戻りは、隔壁48よりも上部領域へなされる。
このような構成の場合、補給水タンク20内の水に、隔壁48を介して、高温領域と低温領域とを作り出すことができる。すなわち、隔壁48よりも上部領域は、下部領域よりも高温領域とされ、隔壁48よりも下部領域は、上部領域よりも低温領域とされる。そして、脱酸素装置11からの比較的低温の給水は低温領域へ行われる一方、排水路46への排水は高温領域から行われる。また、潤滑油を冷却するための熱交換器21への給水は低温領域から行われる一方、熱交換器21にて温められた水の戻しは高温領域へ行われる。このようにして、熱交換能力の維持とシステム効率の向上とを図ることができる。その他の構成は、前記実施例1と同様であるため、説明は省略する。
図3は、本発明のボイラ給水システム1の実施例3を備える蒸気システム2の一例を示す概略図である。本実施例3のボイラ給水システム1と、これを備える蒸気システム2とは、基本的に前記実施例1と同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例3は、潤滑油の液温に基づく熱交換器21への冷却水量の調整方法において、前記実施例1と異なる。すなわち、前記実施例1では、第一温度センサ29の検出温度に基づき、熱交給水ポンプ34をインバータ制御したが、本実施例3では、以下に述べるように構成され制御される。
本実施例3では、熱交給水ポンプ34をインバータ制御する代わりに、温調三方弁49が用いられる。具体的には、熱交給水ポンプ34から熱交換器21への給水路31の中途と、熱交換器21から給水タンク7への排水路32の中途とは、バイパス路50で接続されている。そして、その給水路31とバイパス路50との分岐部には、温調三方弁49が設けられる。この温調三方弁49は、第一温度センサ29の検出温度に基づき、熱交給水ポンプ34からの水を熱交換器21へ供給するか、熱交換器21を介さずにバイパス路50へ供給するかの分配割合を調整する機械式または電動式の三方弁である。
本実施例3では、温調三方弁49を制御することで、熱交換器21へ供給する冷却水量を調整して、圧縮機5の潤滑油を所望温度に維持することができる。その他の構成は、前記実施例1と同様であるため、説明は省略する。なお、本実施例3においても、前記実施例2と同様に、補給水タンク20に隔壁48を設けてもよい。その場合、前記実施例2において、熱交給水ポンプ34をインバータ制御する代わりに、バイパス路50と温調三方弁49とを設ければよい。
図4は、本発明のボイラ給水システム1の実施例4を備える蒸気システム2の一例を示す概略図である。本実施例4のボイラ給水システム1と、これを備える蒸気システム2とは、基本的に前記実施例2と同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例4は、前記実施例2の構成において、排水路46および排水弁47の設置がなされない。この場合、第二温度センサ33の検出温度に基づき、補給水タンク20内の水温が上限温度を上回ると、給水弁24を開放して、オーバフロー路45から高温水を捨てて、補給水タンク20内の水の入れ替えが図られる。そして、このような給排水により、補給水タンク20内の水が下限温度を下回ると、給水弁24が閉鎖される。その他の構成は、前記実施例2と同様であるため、説明は省略する。ところで、このような補給水タンク20内の水の入れ替えは、実施例2に限らず、他の実施例にも同様に適用可能である。
図5は、本発明のボイラ給水システム1の実施例5を備える蒸気システム2の一例を示す概略図である。本実施例5のボイラ給水システム1と、これを備える蒸気システム2とは、基本的に前記実施例2と同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例5は、前記実施例2の構成において、給水タンク7と補給水タンク20とを統一して、一つの共通タンク51として構成したものである。この場合、共通タンク51内は、隔壁48を介して上下に区画されつつも、その隔壁48よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通される。そして、給水弁24を介した共通タンク51への給水は、隔壁48よりも下部領域へなされる一方、共通タンク51から排水弁47を介した排水は、隔壁48よりも上部領域からなされる。また、共通タンク51から熱交換器21への給水は、隔壁48よりも下部領域からなされる一方、熱交換器21から共通タンク51への排水は、隔壁48よりも上部領域へなされる。さらに、共通タンク51からボイラ3への給水は、隔壁48よりも上部領域からなされる一方、共通タンク51へのドレンの回収は、隔壁48よりも上部領域へなされる。
本実施例5では、共通タンク51の水は、給水路31を介して熱交換器21へ供給され、排水路32を介して共通タンク51へ戻される。排水路32には、実施例1や実施例2における補給水弁37、分岐路38および戻し弁39は設けられない。共通タンク51の水位は、前記実施例1と同様に、水位検出器52にて監視され、その検出水位に基づき給水弁24の開閉が制御される。
前記実施例1と前記実施例3との関係と同様に、本実施例5において熱交給水ポンプ34をインバータ制御する代わりに、前記実施例3と同様にバイパス路50と温調三方弁49とを設けてもよい。
図6は、本発明のボイラ給水システム1の実施例6を備える蒸気システム2の一例を示す概略図である。本実施例6のボイラ給水システム1と、これを備える蒸気システム2とは、基本的に前記実施例5と同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
前記実施例5では、共通タンク51内を上下に区画したが、本実施例6では、共通タンク51内を左右に区画している。すなわち、共通タンク51内は、隔壁48を介して左右に区画されつつも、その隔壁48を挟んだ一方領域(図6では右側領域)と他方領域(図6では左側領域)とは一部において互いに連通される。そして、給水弁24を介した共通タンク51への給水は、一方領域へなされる一方、共通タンク51から排水弁47を介した排水は、他方領域からなされる。また、共通タンク51から熱交換器21への給水は、一方領域からなされる一方、熱交換器21から共通タンク51への排水は、一方領域へなされる。さらに、共通タンク51からボイラ3への給水は、他方領域からなされる一方、共通タンク51へのドレンの回収は、他方領域へなされる。
図6において二点鎖線で示すように、共通タンク51の一方領域内を、第二の隔壁53により、さらに上下に区画してもよい。この場合、一方領域は、第二の隔壁53を介して、上下に区画されつつも、その隔壁53よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通される。そして、給水弁24を介した共通タンク51への給水は、第二の隔壁53よりも下部領域へなされる。また、共通タンク51から熱交換器21への給水は、第二の隔壁53よりも下部領域からなされる一方、熱交換器21から共通タンク51への排水は、第二の隔壁53よりも上部領域へなされる。その他の構成および変形例は、前記実施例5と同様のため、その説明は省略する。
本発明のボイラ給水システム1は、前記各実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特に、ボイラ3への給水を用いて、各種液体の水冷を図る構成であれば足り、蒸気システム2の構成は、前記各実施例に限定されない。
また、前記各実施例では、蒸気エンジン4により駆動される圧縮機5の冷却について説明したが、従来公知の電気により駆動される通常の圧縮機に対しても同様に適用できる。
また、前記各実施例では、熱交換器21に圧縮機5の潤滑油を循環させて、圧縮機5の冷却を図る場合について説明したが、本発明のボイラ給水システム1は、圧縮機5の冷却に限らず、それ以外の用途にも幅広く対応可能である。その場合、熱交換器21には、潤滑油に代えて、冷却を図ろうとする液体を通せばよい。
また、前記各実施例では、給水タンク7と補給水タンク20との各水位は、静電容量式の水位検出器26,40,41により検出したが、その他の構成で検出してもよい。たとえば、電極棒の下端が水に浸かるか否かで特定水位の有無を検出する構成を用いてもよい。その場合、下端部の高さ位置を互いに異ならせた二本の電極棒を用いる。すなわち、下限水位を検出する電極棒と、上限水位を検出する電極棒との二本の電極棒により、補給水弁37や給水弁24などの開閉が制御される。
また、前記各実施例では、圧縮機5と熱交換器21との間で潤滑油を循環させるために、循環ポンプ30を設けたが、この循環ポンプ30は必ずしも必要ではない。圧縮機5は、通常、その出口において、オイルセパレータを介して、圧縮空気と潤滑油とが分離される。そして、圧縮機5からの潤滑油は、オイルセパレータを介して熱交換器21へ供給される。この場合、オイルセパレータの内圧により、潤滑油が熱交換器21へ押し出される一方、圧縮機5の吸込みにより、熱交換器21から圧縮機5へ潤滑油が戻される。これにより、循環ポンプ30がなくても、圧縮機5と熱交換器21との間で、潤滑油を循環させることが可能となる。
さらに、前記実施例1〜3および5では、所望時に排水弁47を開くことで、補給水タンク20内の水の一部を入れ替える構成としたが、これに代えて、所望時に、クーリングタワーや冷却装置との間で、補給水タンク20内の水を循環させ、補給水タンク20内の水の冷却を図ってもよい。
本発明のボイラ給水システムの実施例1を備える蒸気システムの一例を示す概略図である。 本発明のボイラ給水システムの実施例2を備える蒸気システムの一例を示す概略図である。 本発明のボイラ給水システムの実施例3を備える蒸気システムの一例を示す概略図である。 本発明のボイラ給水システムの実施例4を備える蒸気システムの一例を示す概略図である。 本発明のボイラ給水システムの実施例5を備える蒸気システムの一例を示す概略図である。 本発明のボイラ給水システムの実施例6を備える蒸気システムの一例を示す概略図である。
符号の説明
1 ボイラ給水システム
2 蒸気システム
3 ボイラ
5 圧縮機
7 給水タンク
10 軟水装置
11 脱酸素装置
13 蒸気利用機器
20 補給水タンク
21 熱交換器
22 ドレン回収路
24 給水弁
29 第一温度センサ
31 給水路
32 排水路
33 第二温度センサ
34 熱交給水ポンプ
35 インバータ(熱交給水量調整手段)
37 補給水弁
38 分岐路
39 戻し弁
42 バイパス給水路
43 バイパス給水弁
47 排水弁
48 隔壁
49 温調三方弁(熱交給水量調整手段)
51 共通タンク
53 第二の隔壁

Claims (9)

  1. ボイラへの給水を貯留すると共に、ボイラからの蒸気のドレンが回収される給水タンクと、
    この給水タンクへの給水を貯留する補給水タンクと、
    この補給水タンクから熱交給水ポンプを介して水が通される一方、この水で冷却しようとする被冷却液が通される熱交換器と、
    この熱交換器に通される被冷却液の液温に基づき、前記熱交給水ポンプから前記熱交換器へ供給する水量を調整する熱交給水量調整手段と、
    前記熱交換器から前記給水タンクへの排水路に設けられ、前記給水タンク内の水位に基づき開閉される補給水弁と、
    前記熱交換器から前記補給水弁への排水路から分岐して前記補給水タンクへ向かう分岐路に設けられ、前記補給水弁が閉じられることで開かれる戻し弁と、
    前記給水タンク内の水位が下限水位を下回ると給水設備から前記給水タンクへ給水するバイパス給水路と
    を備えることを特徴とするボイラ給水システム。
  2. 前記補給水弁は、電磁弁から構成され、
    前記戻し弁は、前記補給水弁が閉じられることで開弁圧に達して開放され、前記熱交換器から前記補給水タンクへの排水を可能とする逆止弁とされた
    ことを特徴とする請求項1に記載のボイラ給水システム。
  3. 前記熱交給水量調整手段は、前記熱交換器に通される被冷却液の液温に基づき、前記熱交給水ポンプの回転数を制御するインバータとされ、
    前記熱交換器は、前記補給水タンクからの水が通されると共に、油潤滑式の圧縮機との間で前記被冷却液としての潤滑油が循環され、
    前記圧縮機から前記熱交換器へ供給される潤滑油を設定温度に維持するように、前記インバータにより前記熱交給水ポンプを制御して、前記補給水タンクから前記熱交換器へ供給する水量を調整する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ給水システム。
  4. 前記熱交給水量調整手段は、前記熱交換器に通される被冷却液の液温に基づき、前記熱交給水ポンプからの水を、前記熱交換器を介して前記給水タンクまたは前記補給水タンクへ供給するか、前記熱交換器を介さずに前記給水タンクまたは前記補給水タンクへ供給するかの分配割合を調整する温調三方弁とされ、
    前記熱交換器は、前記補給水タンクからの水が通されると共に、油潤滑式の圧縮機との間で前記被冷却液としての潤滑油が循環され、
    前記圧縮機から前記熱交換器へ供給される潤滑油を設定温度に維持するように、前記温調三方弁を制御して、前記補給水タンクから前記熱交換器へ供給する水量を調整する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ給水システム。
  5. 前記補給水タンクは、給水弁を介して給水可能とされる一方、排水弁を介して排水可能とされ、
    前記給水弁は、前記補給水タンク内の水が下限水位を下回ると開放される一方、上限水位を上回ると閉鎖され、
    前記排水弁は、前記熱交換器に供給される水が上限温度を上回ると開放される一方、下限温度を下回ると閉鎖される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボイラ給水システム。
  6. 前記補給水タンク内は、隔壁を介して上下に区画されつつも、その隔壁よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通されており、
    前記給水弁を介した前記補給水タンクへの給水は、前記隔壁よりも下部領域へなされる一方、前記補給水タンクから前記排水弁を介した排水は、前記隔壁よりも上部領域からなされ、
    前記補給水タンクから前記熱交換器への給水は、前記隔壁よりも下部領域からなされる一方、前記熱交換器から前記補給水タンクへの排水は、前記隔壁よりも上部領域へなされる
    ことを特徴とする請求項5に記載のボイラ給水システム。
  7. 前記給水タンクと前記補給水タンクとは、一つの共通タンクとして構成され、
    この共通タンクは、ボイラへの給水を貯留すると共に、ボイラからの蒸気のドレンが回収され、
    前記熱交換器は、前記熱交給水ポンプにより前記共通タンクとの間で水が循環されると共に、この循環水で冷却しようとする被冷却液が通され、
    前記補給水弁、前記分岐路、前記戻し弁、および前記バイパス給水路の設置が省略され、
    前記共通タンク内は、隔壁を介して上下に区画されつつも、その隔壁よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通されており、
    前記給水弁を介した前記共通タンクへの給水は、前記隔壁よりも下部領域へなされる一方、前記共通タンクから前記排水弁を介した排水は、前記隔壁よりも上部領域からなされ、
    前記共通タンクから前記熱交換器への給水は、前記隔壁よりも下部領域からなされる一方、前記熱交換器から前記共通タンクへの排水は、前記隔壁よりも上部領域へなされ、
    前記共通タンクから前記ボイラへの給水は、前記隔壁よりも上部領域からなされる一方、前記共通タンクへのドレンの回収は、前記隔壁よりも上部領域へなされる
    ことを特徴とする請求項5に記載のボイラ給水システム。
  8. 前記給水タンクと前記補給水タンクとは、一つの共通タンクとして構成され、
    この共通タンクは、ボイラへの給水を貯留すると共に、ボイラからの蒸気のドレンが回収され、
    前記熱交換器は、前記熱交給水ポンプにより前記共通タンクとの間で水が循環されると共に、この循環水で冷却しようとする被冷却液が通され、
    前記補給水弁、前記分岐路、前記戻し弁、および前記バイパス給水路の設置が省略され、
    前記共通タンク内は、隔壁を介して左右に区画されつつも、その隔壁を挟んだ一方領域と他方領域とは一部において互いに連通されており、
    前記給水弁を介した前記共通タンクへの給水は、前記一方領域へなされる一方、前記共通タンクから前記排水弁を介した排水は、前記他方領域からなされ、
    前記共通タンクから前記熱交換器への給水は、前記一方領域からなされる一方、前記熱交換器から前記共通タンクへの排水は、前記一方領域へなされ、
    前記共通タンクから前記ボイラへの給水は、前記他方領域からなされる一方、前記共通タンクへのドレンの回収は、前記他方領域へなされる
    ことを特徴とする請求項5に記載のボイラ給水システム。
  9. 前記一方領域は、第二の隔壁を介して上下に区画されつつも、その第二の隔壁よりも上部領域と下部領域とは一部において互いに連通されており、
    前記給水弁を介した前記共通タンクへの給水は、前記第二の隔壁よりも下部領域へなされ、
    前記共通タンクから前記熱交換器への給水は、前記第二の隔壁よりも下部領域からなされる一方、前記熱交換器から前記共通タンクへの排水は、前記第二の隔壁よりも上部領域へなされる
    ことを特徴とする請求項8に記載のボイラ給水システム。
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