JP5157359B2 - 時系列データ解析装置、時系列データ解析システム、時系列データ解析装置の制御方法、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

時系列データ解析装置、時系列データ解析システム、時系列データ解析装置の制御方法、プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、時系列データを解析する時系列データ解析装置に関するものである。
従来、製品の製造ラインにおける品質特性の監視と異常時における原因の推定には、一般に管理図が用いられている。管理図は、工程における偶然原因による特性値のばらつきと、異常原因による特性値のばらつきとを判断して、工程を管理するために考案されたものである。管理図は、縦軸が特性値、横軸が時刻を示し、時系列に沿って横方向にプロットされた特性値である管理線と、プロットされた特性値の製品としての許容範囲の上限および下限を合理的に判断して決定した位置にプロットされた、上下2本の管理限界線とからなる。
工程の状態をあらわす特性値が点としてプロットされたとき、全ての点が上下2本の管理限界線内にあって、点の並び方に特徴的な傾向がなければ、工程は安定状態にあるとみなすことができる。一方、点が管理限界線の外にでた場合、また点の並び方に特徴的な傾向があらわれた場合には、工程は安定状態にないとみなすことができる。この場合、工程に異常状態が生じていると判断して、その原因を調べて処置をとる必要がある。
計測不可能な要因を含む、製造ラインを構成する様々な要因によって品質特性にばらつきが発生するので、管理図は、工程における偶然原因による特性値のばらつき、および異常原因による特性値のばらつきを判断し、工程が安定な状態にあるかどうかを調べるために、広く使われている。
現状、複数の製造工程を通して製品を製造する製造ラインにおいて、すべての工程を通過した後に、最終的な品質評価を行っている。すなわち、途中の工程では品質評価を行っていない。このため、初期の工程に原因がある不良製品に対する調整や修正などが品質評価を行う段階では難しくなっている。
上記の問題を解決するために、最終的な品質評価を行う前に、最終的な品質評価で得られる特性値を予測する様々な方法が考案されている。
特許文献1には、時系列データの予測装置の予測性能を向上させることを目的とする時系列データの予測装置が開示されている。
上記の予測装置では、フィードフォワード型ニューラルネットワークを用いて構築された第1の時系列予測手段と、ARIMAモデルを用いて構築された第2の時系列予測手段と、使用条件、第1・第2の時系列予測手段の予測結果、および実測結果を入力し、使用条件毎に各予想結果および実測結果を比較することで、時系列予測手段毎に使用条件に応じて予測能力の優劣を測定する使用特性測定手段と、使用条件、予測結果、および使用特性測定手段による測定結果を入力し、使用条件および測定結果に基づいて、重み付加算方法により、予測結果を統合して最終的な予測結果を出力する統合判断手段を備えることが示されている。
また、特許文献2には、リカレントネットワークによる予測方法が開示されている。
上記の予測方法では、フィードバック結合を持ち、かつ時系列データを学習したリカレントネットワークにより予測を行っている。具体的には、ネットワークを初期化するステップと、目的とする出力データの連続点まで前処理としてネットワークにより予測を行い、予測終了時のネットワークの状態を保存するステップと、上記保存するステップで保存されたネットワークの状態から当該ネットワークにより予測を行うステップを備えることが示されている。
また、特許文献3には、作業に於いて危険作業に至る工程を時系列的な作業手順や作業環境の変化の連鎖と捕らえ、その因果関係を時系列的に解析し、危険作業を予測する予測システムについて開示されている。
上記の予測システムでは、解析対象となる作業手順の分解と前後関係の整理を行い、災害の要因を抽出し、因果関係を整理し、作業と災害要因とを結合させてペトリネットで表現し、ペトリネットを用いて作業に関するシミュレーションを行い、作業方法や作業環境等の改善を行い、所定の安全性を満足するまで処理を繰り返すことが示されている。
また、特許文献4には、過去の短い時間の時系列データから精度の高い予測を行えるようにした時系列データの予測方法が開示されている。
上記の予測方法では、予測しようとする時系列データのみではなく、相関のある他の時系列データに対しても埋め込みを行い、これらを結合して拡大ベクトルを作り、ベクトル空間内で局所的な当て嵌め等を行って予測値を得ることが示されている。
特開平7−084983号公報(1995年3月31日公開) 特開平10−283335号公報(1998年10月21日公開) 特開2001−351057号公報(2001年12月21日公開) 特開平9−282306号公報(1997年10月31日公開)
一般に品質特性を監視する際に用いられる管理図では、品質の傾向を見ることができるが、その原因が生産ラインの機器にあるものであるのか、あるいは、周囲の環境などによるものであるのかの判断ができない。
また、特許文献1および2に記載されているような、AR、ARMA、およびARIMAなどの平滑化変動モデルを用いた採集品質特性の予測や、NN、リカレントNN、およびRBFネットワークなどの差分変動モデル手法を用いた最終品質特性の予測や、上記の2つの手法を組み合わせた予測では、最終工程の品質特性の変化のみに着目しているため、突発的な変化に対応することができない。さらに、最終工程の品質特性に影響を及ぼす前工程の要因がばらついている場合、最終工程の品質特性にもばらつきが発生し、予測が困難になるという問題を生じる。
また、特許文献3に記載されているような、統計量を用いた製造ラインの各種特性と最終品質特性とのモデル化や、製造ラインの各種特性と最終品質特性の関係を構造化する構成では、実際の製造ラインでは、最終工程も含め様々な要因が直接的または間接的に影響する上に、計測不可能な要因によっても変化するために、正確な因果関係の構築は難しい。特に、計測不可能な要因による変化は、誤差としてモデリングに影響を及ぼすという問題を生じる。
また、特許文献4に記載されているような、最終品質特性を時系列予測により近似し、傾向と実測との残差が計測可能な他の要因により影響するものとして、計測可能な前工程の要因と当該残差とを統計的に関連付け、前者の近似予測と後者の統計的な予測の合算により、最終的な予測を行う構成では、時系列予測に予測不可能な要因が混入し、予測精度が低下するため、統計的に関連付けるデータの信頼性が低下するという問題を生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、予測する特性値との相関関係が存在すると判断した変動を抽出することで、可能な限り最適なモデル化を行うことが可能な時系列データ解析装置を実現することにある。
本発明に係る特性値予測装置は、上記課題を解決するために、所定のシステムにおける複種類の特性値の検知結果情報に基づいて該システムにおける予測対象特性値の時系列データを解析する時系列データ解析装置であって、上記予測対象特性値の過去の検知結果からなる時系列データを取得する時系列データ取得手段と、上記時系列データを所定の基準で平滑化した平滑化データを算出する平滑化データ取得手段と、上記時系列データと上記平滑化データとの差を差分データとして算出する差分データ取得手段と、上記平滑化データの過去の変動を解析することによって、時間経過と上記平滑化データの変動との対応関係を平滑化データ変動モデルとして特定する平滑化データモデリング手段と、上記差分データの変動に影響を与える上記特性値の種類を変動要因特性値として特定し、該変動要因特性値の変動と上記差分データの変動との対応関係を差分データ変動モデルとして特定する差分データモデリング手段とを備えている。
上記の構成によれば、過去の検知結果からなる時系列データを取得し、所定の基準で平滑化して平滑化データとすることで、環境の変化や、時間の経過や、その他の突発的な要因によって発生するばらつきを平均化し、平滑化することができる。この平滑化データは、ばらつきを取り除いた本来の特性値を示していると考えることができる。そこで、この平滑化データとして得られた特性値の値と、実測値の差分をとることによって、上記のばらつきの大きさを抽出できると考えられる。
そこで、これらの平滑化データおよび差分データをモデリングすることによって、環境の変化や、時間の経過などによる、いわゆる経時変化や外部の環境に起因する特性値のばらつきと、突発的な要因、例えば、具体的な因果関係を示すデータをセンサ情報などから得ることができる事象に起因する特性値のばらつきに分離することができる。これによって、特性値のばらつきの種類に応じて、例えば、平滑化変動モデルや差分変動モデルなどを作成するのに適切なモデル化手法を、各特性値に対して適用することができる。
上記の各工程によって、予測対象特性値を変動させる変動要因を種類に応じて分離し、変動要因の種類に応じた適切なモデル化手法を適用したモデルを作成することができる。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記差分データモデリング手段として、中間層ニューロンを持つ動径基底関数ネットワークを用い、上記差分データモデリング手段は、上記変動要因特性値の変動および上記差分データの変動を含む学習データを生成する学習データ生成手段と、上記学習データから上記差分データの目標値に基づいて中間層ニューロンの中心点を選定する第1中心点選定手段と、選定した中心点に基づいて中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することによって、上記動径基底関数ネットワークを構築するネットワーク構築手段と、上記ネットワーク構築手段によって構築した動径基底関数ネットワークに上記学習データを適用することにより差分データの推定値を算出し、算出した推定値と上記差分データの変動との誤差に基づいて、中間層ニューロンの新たな中心点を選定する第2中心点選定手段とを備えており、上記ネットワーク構築手段は、第1および第2中心点選定手段が選定した中心点に基づいて、中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することを特徴としている。
上記の構成によれば、予測精度向上させたいポイントを抽出して、所望のポイントの予測精度を向上させることができるので、最終的に判断したい点について正確に予測することで対策を実施する、または、実施しないという判断を正確に行うことができる。
具体例をあげれば、例えば、製造ラインにおける最終品質の予測であれば、管理限界値付近の値を精度良く予測することで、最終品質が良か否かを正確に予測することで、対策を実施するか実施しないかを正確に判断することができるので、製品に対する対策コストを最適化することができる。
また、別の具体例をあげれば、例えば、事務所や工場などにおいて、将来消費する電力を予測し、電力供給者と契約したデマンドを超過する可能性があれば、電力を消費する機器の稼動を一時的に停止するなどの対策を行うシステムの場合、予め設定されたデマンド電力付近の値を精度良く予測することにより、対策を実施するか実施しないかを正確に判断することができるので、デマンド超過による事業への影響を最小限に抑えることが可能になる。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記差分データモデリング手段として、中間層ニューロンを持つ動径基底関数ネットワークを用い、上記差分データモデリング手段は、上記変動要因特性値の変動および上記差分データの変動を含む学習データを生成する学習データ生成手段と、k−means法により、上記学習データから中間層ニューロンに合致する代表点を選定する代表点選定手段と、選定した中心点に基づいて中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することによって、上記動径基底関数ネットワークを構築するネットワーク構築手段とを備えてもよい。
上記の構成によれば、k−means法により代表点とする中間層ニューロンを選択するため、動径基底関数ネットワークの学習を短時間で行うことができるという効果を奏する。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記平滑化データ変動モデルおよび上記差分データ変動モデルから、予測対象時点の特性値の変動要因を推定する変動要因推定手段をさらに備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記平滑化データ変動モデルおよび上記差分データ変動モデルから、対象の特性値の変動が時系列変化による変動か、時系列変化による変動ではないか、突発的な変動、例えば、センサによって計測したある計測結果から変動の原因を特定できる、因果関係の明確な変動か、因果関係の明確な変動ではないかを判断し、特性値の変動要因を推定することができる。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記平滑化データ変動モデルまたは上記差分データ変動モデルから、予測対象時点での特性値を予測する予測手段をさらに備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記平滑化データ変動モデルおよび上記差分データ変動モデルから、ある時点における対象の特性値の変動を予測することができる。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記予測対象の時点での上記変動要因の特性値を取得し、上記差分データ変動モデルに基づいて上記差分データの予測値を算出する差分データ予測手段と、予測すべき時点での上記平滑化データの予測値を上記平滑化データ変動モデルに基づいて算出する平滑化データ予測手段と、上記差分データ予測手段による予測結果と、上記平滑化データ予測手段による予測結果とに基づいて、上記測定対象特性値の予測値を算出する予測統合手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、最適なモデル化手法でモデル生成を行った複数のモデルを用いて予測を行い、複数の予測モデルに基づく予測結果を合算することで、より正確な予測を行うことができる。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記所定のシステムにおける複数種類の特性値は、生産システムにおける生産ラインの各工程で検知されるセンサ情報であり、上記予測対象の時系列データは、上記生産ラインにおける生産対象物の品質特性の時系列データであることを特徴としている。
上記の構成によれば、予測対象の時点より前の段階、例えば、生産ラインで生産している製品を回収して、途中の工程をやり直すことができる段階で予測対象の時点を予測することで、不良品が作成される前に調整を行い、予期せぬ不良品の生成を抑えることができる。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記平滑化データ予測手段による予測結果から、上記生産対象物の経時変化に伴う品質特性の変移を管理するための閾値である経時異常原因推定基準値の上限値および下限値を設定する閾値設定手段をさらに備えることを特徴としている。
また、上記の時系列データ解析装置では、上記差分データ予測手段による予測結果から、上記生産対象物の突発変化に伴う品質特性の異常を管理するための閾値である突発異常原因推定基準値の上限値および下限値を設定する閾値設定手段をさらに備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、従来直線で設定していた管理限界に対して、品質特性の経時に伴う変移と突発変化に伴う品質特性の異常の、おのおのに対し、異常の判断基準を設定することができる。
また、上記の時系列データ解析と、センサからセンサ情報を取得し、上記時系列データ取得手段に時系列データとして入力するための目的変数検査装置と、センサからセンサ情報を取得し、上記平滑化データモデリング手段および上記差分データモデリング手段に学習パラメータとして入力するための説明変数検査装置と、上記センサ情報の取得を管理する管理装置とを備えることによって、モデル作成システムを構成することができる。
本発明の判断方法は、所定のシステムにおける複数の種類の特性値を検知し、検知結果情報に基づいて該システムにおける予測対象特性値の変動要因を特定できるモデルを作成するモデル生成方法であって、上記予測対象特性値の過去の検知結果からなる時系列データを取得するステップと、上記時系列データを所定の基準で平滑化した平滑化データを算出するステップと、上記時系列データと上記平滑化データとの差を差分データとして算出するステップと、上記平滑化データの過去の変動を解析することによって、時間経過と上記平滑化データの変動との対応関係を平滑化データ変動モデルとして特定するステップと、上記差分データの変動に影響を与える上記特性値の種類を変動要因特性値として特定し、該変動要因特性値の変動と上記差分データの変動との対応関係を差分データ変動モデルとして特定するステップを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、上述と同様の効果を奏することができる。
なお、上記判断方法を、コンピュータの制御によりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、上記のプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で実行させることができる。
本発明に係る特性値予測装置および特性値予測方法は、以上のように、過去に取得した複数のセンサ情報に基づく目的変数から、平滑化した目的変数を取り除くことによって、上記特性値と相関関係が存在すると判断した原因特定変動を抽出することができるので、原因特定変動を取り除いた予測モデルと、原因変動に基づく予測モデルを生成し、最適な手法を適用してモデルを作成し、特性値の予測を行うことができるという効果を奏する。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図17に基づいて説明すると以下の通りである。なお、以下では、一例として基板の部品取り付けからハンダの溶着までの基板実装工程における品質特性予測について説明を行うが、これに限るものではない。例えば、各地の気温に基づく消費電力予想などであってもよい。適切な目的変数および設定変を定義し、異なる特性を分離し、特性ごとにモデリングを行えば、どのような予測であってもよい。
上記構成において、本発明の予測システムが品質特性を予測する際の動作を、図1に基づき説明すると、以下の通りである。図1は、本実施形態における予測装置を用いた予測システムの概略を示す機能ブロック図である。本実施形態の予測システム1は、取得部10、学習部20、予測部70、および工程処理装置80を備えている。以下、各部について詳細を説明する。
取得部10は、工程処理装置80内の検査装置から、センサ情報などのデータを取得して学習部20に入力する。この取得部10には、目的変数取得部12および説明変数取得部14が含まれている。目的変数取得部12は、工程処理装置80内の検査装置から、目的変数に対応するデータを、説明変数取得部14は、工程処理装置80内の検査装置から、説明変数に対応するデータを取得する。なお、目的変数および説明変数と、各変数に対応するデータについて、詳細は後述する。
学習部20は、取得部10から入力されたデータに基づいて、差分変動モデル52および平滑化変動モデル54の作成を行う。なお、各モデルの作成方法について、詳細は後述する。この学習部20は、特性分離部30、予測学習部40、差分変動モデル52、平滑化変動モデル54、およびパラメータ設定部60を備えている。
特性分離部30は、入力された目標変数データから特性値を抽出し、予測学習に用いるものである。この特性分離部30は、平滑化データ抽出部32、および差分データ抽出部34を備えている。
平滑化データ抽出部32は、傾向変動、すなわち、因果関係で表現できない変動に対する特性値を抽出するものである。具体例をあげれば、基板実装におけるハンダの経時変化や、周囲の気温の変化などを指す。この平滑化データ抽出部32で抽出された傾向変動の特性値は、平滑化変動モデルの作成に用いられる。
差分データ抽出部34は、因果関係による変動に対する特性値を抽出するものである。具体例をあげれば、基盤実装における部品の縦ずれ、横ずれ、ハンダ量の過多や、その他の直接的要因などを指す。この差分データ抽出部34で抽出された因果関係の変動の特性値は、差分変動モデルの作成に用いられる。
ここで、本実施形態における因果関係の用語について説明する。ここでいう因果関係とは、測定に用いられる基板自身、または、測定される部品自身に基づく特性値の変動をさすものでる。基板または部品に原因がなく、主として製造ラインの装置や周囲の環境によって変動する特性値を因果関係で表現できないものとしている。ハンダの経時変化とは、製造ラインにおいてハンダが保存され、必要な場合に基板に印刷されて部品の接合に用いられる場合に、長時間、ハンダ表面が空気に触れた状態にあるために、徐々にハンダの粘度などが変化していくことを指している。
予測学習部40は、特性分離部30の各部で抽出された各特性値に基づいて、各モデルの作成を行うものである。この予測学習部40は、平滑化データモデリング部42、および差分データモデリング部44を含んでいる。平滑化データモデリング部42は、平滑化データ抽出部32によって抽出されたデータに基づいて平滑化変動モデル54の作成を行う。差分データモデリング部44は、差分データ抽出部34によって抽出されたデータに基づいて差分変動モデル52の作成を行う。
なお、本実施形態では、一例として、平滑化変動予測モデリング機能にはARを、差分データモデリング機能には階層型ニューラルネットワークの一種である動径基底関数ネットワーク(RBFN)を用いるものとするが、これに限るものではない。例えば、平滑化変動予測には、自己回帰移動平均(ARMA)、自己回帰和分移動平均(ARIMA)などを用いてもよいし、差分変動予測には、ニューラルネットワーク(NN)、リカレントNNなどを用いてもよい。
差分変動モデル52は、差分データモデリング部44よって作成され、平滑化変動予測に用いられる。平滑化変動モデル54は、平滑化データモデリング部42によって作成され、差分変動予測に用いられる。パラメータ設定部60は、差分変動予測の誤差に基づいて、差分データモデリング44の平滑化平滑化データモデリング機能のパラメータ、および特性分離部30の特性分離機能のパラメータを調節する。
予測部70は、作成した各モデルを用いて学習した結果を用いて、実際に最終品質特性の予測を行う機能ブロックである。この予測部70には、差分変動予測部72、平滑化予測部74、予測統合部76、および原因推定部78が含まれている。差分変動予測部72は、差分変動モデル52に基づいて因果関係による変動予測を行う。平滑化予測部74は、平滑化変動モデル54に基づいて傾向変動による変動予測を行う。これらの2つの予測結果は、予測統合部76において統合処理が行われ、最終的な品質特性の予測が行われる。
なお、本発明では、前工程における計測値を説明変数とし、最終的な品質特性の予測を目的変数と定義する。本実施形態の基板実装における例では、説明変数として、部品の縦ずれ、部品の横ずれなどを用い、最終的な品質特性である目的変数として、フィレット長を用いるが、これに限定されるものではない。
原因推定部78は、予測統合部76によって統合された最終的な品質特性の予測値と、管理限界の値とを用いて、異常の兆候を検出し、その原因究明などを行うことができる。また、管理限界値を動的に変更し、時系列に基づく原因を製造工程にフィードバックして改善を行うことや、基板実装における最終工程である、ハンダに熱を加えて部品を固定するリフロー処理を行う前に、不良が発生しそうな基板を取り除き改善を行うことができる。
工程処理装置80は、実際に基板実装における各作業、および各作業段階における特性値の計測を行うための装置である。この工程処理装置80には、印刷検査装置82、ずれ検査装置84、フィレット長検査装置86、工程管理装置90、印刷装置92、装着装置94、およびリフロー装置96が含まれている。
印刷検査装置82は、基板に印刷されたクリームハンダの量などを検査するためのセンサ装置である。ずれ検査装置84は、基板に配置された電子部品の位置ずれを検査するためのセンサ装置である。フィレット長検査装置86は、リフロー処理後に固定されたハンダのフィレット長を検査するためのセンサ装置である。各センサ装置は、光学カメラなどの画像入力装置であってもよいし、導通テストや部品の故障テストを行うようなテスト装置であってもよい。
工程管理装置90、各検査装置および各工程処理装置の制御および監視を行うための制御装置である。本実施形態では、コンピュータ(PC)によってその機能を実現するものとする。工程管理装置90は、予測部72の予測結果や、各検査装置における検査結果などに基づいて工程処理を停止または処理動作を修正するものであってもよい。
印刷装置92、工程管理装置90の指示に基づいて、プリント配線済みの基板に対してクリームハンダの印刷処理を行う。装着装置94、工程管理装置90の指示に基づいて、基板に対して電子部品の配置などを行う。リフロー装置96は、工程管理装置90の指示に基づいて、部品やハンダの配置された基板に対して熱を加え、クリームハンダを溶融させて部品を基板に接合する。
次に、本実施形態の予測システム1を用いて実際に予測を行う処理の流れについて、図2を参照して説明する。予測システム1で行う処理は、大きく学習プロセスと予測/判定プロセスに分けられる。まず、学習プロセスから処理手順を説明する。
学習プロセスでは、システムから取得したセンサ情報などの入力データに基づいて、予測モデルを作成することで学習を行う。まず、予測システム1の取得部10が、システムから目的変数および説明変数の取得を行う。本実施形態において、目的変数は基板実装における部品Aのフィレット長、説明変数は部品Aの横ずれ、部品Aの縦ずれ、および部品Aのハンダ量として説明を行うが、これに限るものではない。
まず、説明変数について説明する。基板実装の各工程の完了後には、各工程で行われた処理の良否を判断するために検査装置によって検査が行われる。具体例をあげると、印刷装置92によってプリント配線を印刷する工程が完了した後には、印刷検査装置82によって印刷の良否を判断するためデータが取得される。また、装着装置94によって部品が装着される工程が完了した後には、ずれ検査装置84によって部品装着位置の良否を判断するためにデータが収集される。本実施形態では、部品Aの横ずれ、部品Aの縦ずれ、および部品Aのハンダの量を検査装置で検査し、説明変数として取得する。
次に、目的変数について説明する。本実施形態では、部品Aのフィレット長を最終的に予測する特性値としてパラメータの設定を行う。フィレットとは、ハンダによって基盤またはランドと、部品または端子との間に形成されるなだらかな曲面を指し、フィレット長は、部品の位置ずれ、ハンダの量、ぬれ性能などのハンダの特性、クリームハンダの処方、ランド設計、加熱条件、およびその他の要因によって変動する。フィレット長は、基板に配置された部品およびハンダに熱を加え、基板を冷まし、リフロー処理を完了することで確定される。
基板実装の工程において、リフロー装置96によってリフロー処理が完了した実装基板は、フィレット長検査装置86によってフィレット長が検査される。ここで得られたフィレット長のデータは、目的変数取得部12によって取得され、特性分離部30に入力される。
特性分離部30では、取得した目的変数を平滑化することで、直近の複数の時刻に対応する、所定の連続する期間のデータの平均的な値とし、目的変数を時間の流れに沿った、連続するなだらかなグラフとする。これは、実際の目的変数では、突発的要因、例えば、パーツの配置のずれなどといった要因で、目的変数に変動が生じている可能性があるからである。
上記の目的関数の変動について、図13を参照して説明する。図13は、時間の流れに沿った目的変数および説明変数の値の変化を示すグラフである。
一番上の図のグラフ101は、目的変数(品質特性)の変化を示している。縦軸は、部品Aのフィレット長を示している。二番目の図のグラフ102は、説明変数(部品Aの縦ずれ)の変化を示している。縦軸は、部品のずれを示している。三番目の図のグラフ103は、説明変数(部品Aの横ずれ)の変化を示している。縦軸は、部品Aのずれを示している。これらの説明変数の入力は、製造ラインにおいて下のグラフに対応する工程から順に処理される。
上記3つのグラフの横軸は、経過時刻を示している。なお、一番上のグラフにおける点線のグラフ100は、グラフ101の値を平滑化したものである。平滑化の処理を行うことによって得られたグラフ100は、突発的な要因を排除した、温度、湿度、製造工程における機械の調子、ハンダの変質などといった、基板自身に起因しない、周りの環境などに起因し、経過時刻に伴う変動であると捉えることができる。本実施形態では、このような変動を「時系列変動(傾向変動、経時変化)」と呼び、基板や基板に配置されたパーツの配置などに起因する、経過時刻に伴って変動しない、突発的な変動を「因果変動」と呼ぶものとする。
特性分離処理では、平滑化によって平滑化データを計算し、平滑化データおよび実測値の残差を差分データとして抽出する処理を行う。特性分離部30で行われる平滑化処理および特性分離処理については、詳細は後述するものとする。上記の処理で平滑化データおよび差分データを分離することで、それぞれの変動に適したモデル化手法を用いてモデリングを行うことができる。再び、図2に戻って学習プロセスの処理について説明を続ける。
特性分離部30によって平滑化データおよび差分データに分離された目的変数は、それぞれ、平滑化データモデリング部42および差分データモデリング部44に入力される。平滑化データモデリング部42は、平滑化データに分類された目的関数、すなわち、平滑化された目的変数と、平滑化変動モデル54からのフィードバックを含む入力とに基づいて、平滑化変動モデル54を生成する。差分データモデリング部44は、差分データに分類された目的変数と、複数の説明変数とに基づいて、差分変動モデル52を生成する。
上記の平滑化変動モデル54および差分変動モデル52は、パラメータ設定部60によって、経過時刻に沿って次々入力される目的変数並びに説明変数に基づいて各予測モデルを更新され、差分変動予測の誤差に基づいて、各モデリング部におけるモデル生成処理のパラメータと、特性分離部30における特性分離処理のパラメータの調整とが行われる。
なお、各モデルの作成には、各予測項目に適した手法を用いる。ここでは、平滑化変動予測モデリングにはARを、差分変動予測モデリングにはRBFネットワークを用いて、モデルの生成を行うものとするが、これに限らず、NN、リカレントNN、統計量を用いた各種特性と最終品質特性とのモデル化、製造ラインの各種特性と最終品質特性との関係の構造化、最終品質特性を平滑化変動により近似し計算可能な前工程の要因と当該残差とを統計的に関連付けて近似予測と統計的な予測を合算して予測する手法、および、その他の様々な手法を用いるものであってもよい。
上記の処理が繰り返されることによって各設定パラメータを調整し、予測モデルを生成・更新・構築して行くことで学習を行う。
次に、予測/判定プロセスについて説明する。予測/判定プロセスでは、過去の所定数の目的変数から次の目的変数の値を予測し、一連の工程における現在の幾つかの説明変数から現在の目的変数の値を予測する。具体的には、図13の例で示せば、a1およびa2の目的変数の値からa3を予測し、b3およびc3の説明変数の値からa3の目的変数の値を予測する。この例では、所定の数は最近の2つの目的変数となる。
なお、学習プロセスとは異なり、予測/判定プロセスでは、幾つかの説明変数のみを入力する。図2の例では、3つの説明変数のうち2つのみを入力し、学習プロセスの学習結果によって判明した、直接影響する変数のみを用いるものとする。本実施形態では、部品Aの横ずれ、および、部品Bの縦ずれのみを説明変数として入力し、部品Aのハンダ量については、予測に直接影響しない変数として入力を行わない。
まず、平滑化変動予測に基づく傾向変更の予測から説明する。システムから取得された目的変数は、平滑化データ抽出部32において、学習プロセスで調整したパラメータに基づいて傾向変動が抽出される。抽出された傾向変動は、平滑化予測部74に入力される。平滑化予測部74では、平滑化データ抽出部おいて抽出された傾向変動と、差分変動モデル54とに基づいて傾向変動の予測値を算出する。
次に、差分変動予測に基づく差分データの予測について説明する。システムから取得された説明変数は、前述のように、予測に直接影響しないと判断された説明変数を除いて差分変動予測部72に入力される。差分変動予測部72では、入力された説明変数と、差分変動モデルとに基づいて差分データの予測値を算出する。
以上の入力値に基づいて算出された傾向変動および差分データの予測値は、予測統合部で統合され、最終予測値の算出が行われる。それぞれの予測モデルは、モデルに適合する手法を用いてモデルリングされているので、各モデルの予測値を統合することで、より正確な最終予測値の予測が可能となる。
このように算出された最終予測値と、入力された説明変数とから、原因推定部78は、品質特性の変化の原因が生産ラインなどの因果変動にあるのか、製造ラインの装置や外部の環境などの傾向変動にあるのかを判断することができる。
次に、学習プロセスで行う処理内容について、図3を参照して詳細を説明する。図3は、学習プロセスで行われる実際の処理の流れについて示したフロー図である。
まず、学習プロセスが開始されると、取得部10の目的変数取得部12および説明変数取得部14によって、次々に流れてくる実装基板から、順次、説明変数群および目的変数が測定される(S101、S102)。測定された目的変数は、平滑化データ抽出部32で平滑化処理され、平滑化データ(傾向変動)として抽出される(S103)。その後、差分データ抽出部34は、抽出された平滑化データと、S101で測定された目的変数との残差を差分データとして抽出する。
S103で抽出された平滑化データ(傾向変動)は、平滑化データモデリング部42で平滑化変動モデル54としてモデル化される(S105)。また、S104で抽出された差分データは、差分データモデリング部44で差分変動モデル52としてモデル化される(S106)。その後、パラメータ設定部60は、S105およびS106のモデル化処理に用いたデータに基づいて、平滑化データモデリング部42および特性分離部30に反映させるパラメータの調整を行う(S107)。パラメータの調節処理について、詳細は後述する。パラメータ調節の結果は、図3のフロー図の(1)の位置で反映され、S103の抽出処理におよびS106の差分変動のモデル化に反映される。
次に、パラメータ調節の処理内容について、図4を参照して詳細を説明する。図4は、パラメータ設定部60で処理されるパラメータの調節処理の流れについて示したフロー図である。
まず、パラメータ調整処理が開始されると、パラメータ設定部60によって、目的変数取得部12および説明変数取得部14で取得済の目的変数および説明変数群が呼び出される(S201)。呼び出された各変数は、差分変動予測部72および平滑化予測部74の予測機能を用いて、予測処理を行う。予測処理について、詳細は後述する。
次に、パラメータ設定部60は、予測機能を用いて計算された予測結果から、当該説明変数の因果変動の再現性を抽出する(S204)。抽出した再現性に基づいて、パラメータ設定部60は、因果関係の再現性が十分であるかを判断する(S204)。因果関係の再現性が十分であると判断した場合(S204でYes)、パラメータ調節処理は終了する。因果関係の再現性が十分ではないと判断した場合(S204でNo)、処理はS205に進む。
S205において、因果関係が平滑化されることによって再現されているかどうか判断する(S205)。因果関係が平滑化されて再現されていると判断した場合(S206でYes)、処理はS206に進む。因果関係が平滑化されて再現されていない判断した場合(S206でNo)、処理はS207に進む。
S206において、目的変数の平滑化に用いるデータサイズを短くするパラメータ調整を行う。これによって、図3の(1)にパラメータ調整を反映する。同様に、S207において、目的変数の平滑化に用いるデータサイズを長くするパラメータ調整を行う。これによって、図3の(1)にパラメータ調整を反映する。
次に、予測/判定プロセスで行う処理内容について、図5を参照して詳細を説明する。図5は、予想/判定プロセスで行われる実際の処理の流れについて示したフロー図である。
まず、予想/判定プロセスが開始されると、取得部10の目的変数取得部12および説明変数取得部14によって、次々に流れてくる実装基板から、順次、説明変数群および目的変数が測定される(S301、S302)。
測定された目的変数は、平滑化データ抽出部32で平滑化処理され、平滑化データ(傾向変動)として抽出される(S303)。その後、平滑化予測部74は、平滑化された平滑化データと、学習処理が反映された平滑化変動モデル54とに基づいて、平滑化変動予測を行う(S305)。平滑化変動予測を行った結果は、予測統合部76に入力される。
一方、測定された説明変数群は、目的変数に直接影響を及ぼす説明変数のみが選別され、差分変動予測部72に入力される(S304)。その後、差分変動予測部72は、選別された説明変数群および学習処理が反映された差分変動モデル52とに基づいて差分変動予測を行う(S306)。
その後、予測統合部76は、S305で行った平滑化変動予測と、S306で行った差分変動予測とを合算して、最終的な予測結果を算出する(S307)。その後、算出した最終予測結果に基づいて、原因推定部78は、不良原因の推定処理を行う(S308)。原因推定処理について、詳細は後述する。
次に、原因推定処理で行う処理内容について、図6を参照して詳細を説明する。図6は、原因推定処理において原因推定部78で行われる実際の処理の流れについて示したフロー図である。
まず、原因推定処理が開始されると、原因推定部78は、最終予測値が管理限界を超えているかどうか確認し(S401)、判断する(S402)。最終予測値が管理限界を超えている場合(S402でYes)、処理はS403に進む。最終予測値が管理限界を超えていない場合(S402でNo)、処理は終了する。
S403において、平滑化データ予測(平滑化変動予測)が管理限界を超えているかどうかを確認し(S403)、管理限界を超えている場合には(S404でYes)、処理はS405に進む。管理限界を超えていない場合には(S404でNo)、処理はS406に進む。管理限界を超えている場合には、異常の主な原因は経時変化であるので、これを通知する処理を行う(S405)。管理限界を超えていない場合には、異常の主な原因は前工程における要因であるので、これを通知する処理を行う(S406)。その後、原因推定処理を終了する。
次に、差分データモデリング部で行う処理内容について、図7〜図12を参照して詳細を説明する。図7は、差分データモデリングを行う動径基底関数ネットワーク(RBFN)の処理の流れについて示したフロー図である。図8は、RBFNで処理を行う際に用いる各種計算に用いられる変数の一覧を説明する表を示す図である。図9は、差分データモデリング部に用いられるRBFN予測モデルの構造を示す図である。図10は、差分データモデリング部で用いられるガウス関数を表す図である。図11(a)および図11(b)は、上記のRBFN予想モデルにおける既定関数の配置の概略を示す図である。図12は、RBFN予想モデルにおける中心点の選定について説明する図である。
ここで、RBFNについての概略について説明する。RBFNは、3層からなるフィードフォワード型のネットワークで(図9参照)、多層パーセプトロンと同様に任意の非線形関数を近似することができる。RBF(動径基底関数)とは、入力空間において局所的に反応する関数を指す。つまり、中心で最大値または最小値を取り、中心から離れるに従って単調に減少または増加していくような関数を指す。このような関数は多数存在するが、頻繁に使用されるのものが、図10に示すようなガウス関数である。
ガウス関数は、次の式1に示すような数式で表される。
Figure 0005157359
ここで、h(x)は中間層素子からの出力値、x(=x、Λ、x)は入力層素子からの入力データ、cはガウス関数の中心点、rはガウス関数の半径を指している。
基底関数ネットワークモデルの構造は、図9に示すとおり、素子数n個の入力層、素子数m個の中間層、素子数l個の出力層の3層からなる。各層は、入出力を行う素子から構成されている。各層間の素子は結線により結ばれているが、同じ層内の素子同士は結合されていない。
このモデルのx1、…、xに、a、…、a、0(x)にa+Δtを学習データとして与えることで予測モデルとすることができる。ただし、a、…、a、at+1、…a+Δtは時系列データ、Δtは、現在時刻をtとした場合に予測したい先の期間を示す。なお、h(x)とは、x、…xを要素とするベクトルであり、0(x)も同様である。
中間層における各素の出力は、基底関数の一つである釣鐘状のガウス関数を用いる(図10)。基底関数を用いた予測学習モデルでは、図9の中間層から出力層への重み(w)、既定関数h(x)の中心位置c、および半径rを決定することを指す。RBFNでは、基底関数の重み付き和によって非線形関数を表現している。基底関数の中心、幅、結合重みを変更することでRBFNの形は変化する。実測値であるデータに基づいて、実測値のデータとRBFNの出力との誤差が小さくなるように適切なパラメータを推定することが、RBFNにおける学習となる。
基底関数の配置のイメージについて、図11に示す。図11(a)に示すように個々の基底関数を配置し、図11(b)に示すように基底関数を配置することで、応答局面を作成する。
基底関数の中心、幅、結合重みを変更することでRBFNの形は変化する。すなわち、
データに基づいて、データとRBFNの出力との誤差が小さくなるように適切なパラメータを推定することが、RBFNにおける学習となる。
次に、RBFNでの処理の流れについて説明する。差分データモデリング処理が開始されると、説明変数の選択が行われる(S501)。説明変数の具体的内容については、後述する。次に、学習データの作成が行われる(S502)。本実施形態では、学習データとして、有効な説明変数について、過去の実測値と因果による変動とをRBFNの入出力関係の集合としている。
その後、S503において、k−means法を用いて、S502で作成した集合の中から中間層ニューロン数に合致するだけの中心点を選定する。S504において、S503で選定した代表点を中間層の各ニューロンの中心点と位置付け、基底の半径rを持つRBFに従い、全ての説明変数のデータ集合について、中間層の出力値を算出する。最後に、S505において、中間層と出力層との間のネットの重みwを算出する。この際、ネットの重みの算出が正常に終了するように、正規化パラメータεを利用する。
k−means法は、非階層的なクラスタ分析(クラスタリング)の代表的な手法である。k−means法では、あらかじめ固定された数のクラスタのおのおのにその代表であるプロトタイプを与え、それぞれの個体を最も近いプロトタイプに割り当てることでクラスタリングを行う。個体が割り当てられたら、次は、割り当てられた個体から新たなプロトタイプを算出する。このように、プロトタイプの算出と個体の割り当てを収束するまで繰り返すことで、適切なプロトタイプの推定とデータの分割が行われる。
k−means法のアルゴリズムは、1)k個のクラスタの中心をランダムに設定する、2)それぞれの個体を最も近い中心に割り当てる、3)クラスタごとに中心を計算しなおし、すべてのクラスタ中心が変化しなければ終了し、それ以外は2)へ戻る、というものである。
次に、図8を参照して、上述の各処理で行われる計算処理について詳細を説明する。図8は、上述の各処理で行われる計算処理で用いられる変数についての説明する説明図である。各行に示された変数について、詳細を上から順に説明する。
は現在時刻を示す変数である。y(t)は、目的変数の時刻tにおける実測値である。y(t)は、製造工程では最終工程の品質評価指標となる。x(t)は、説明変数の時刻tにおける実測値である。x(t)は、製造工程では中間工程のi番目の特性に関する観測値となる。Nは、すべての説明変数の数を示す変数である。
ts(t)は、目的変数の時刻tにおける平滑化データの実測値である。yce(t)は、目的変数の時刻tにおける因果による変動の実測値である。y^ts(t)(本明細書では、y^は、yの上にハット記号^を付加した記号を示すものとする)は、目的変数の時刻tにおける平滑化データの予測値である。y^ceは(t)は、目的変数の時刻tにおける因果による変動の予測値である。y^(t)は、目的変数の時刻tにおける予測値である。なお、ハット記号^は、予測値に対して付加されている。
は、目的変数に直接的に影響を及ぼす説明変数の数である。Tは、目的変数の系列を平滑化する際の遅延時間である。Tは、平滑化した目的変数の次点を予測するために利用する過去の計測値の数である。なお、Tは、現在の直前の値を基点として、過去にさかのぼる。Tは、平滑化した目的変数の変化が安定していると仮定する時間である。α(t)は、平滑化変動予測における時刻tでの過去i時間前の実測値が現在の値に影響を及ぼす重み集合である。
は、動径基底ネットワーク(RBFN)の中間層ニューロンの数である。rは、RBFNの中間層における各ニューロンの基底関数の半径である。wは、RBFNのi番目の中間層ニューロンと出力層ニューロンを結合するネットワークの重み集合である。εは、RBFNの中間層と出力層を結合するネットワークの重み集合を算出する際の演算を確実に実行するためのパラメータである。cijは、RBFNの中間層のi番目ニューロンの中心点におけるj番目の目的変数に対応する中心値である。z(t)は、RBFNの中間層のi番目ニューロンの時刻tにおける出力値である。
なお、上記の変数のうち、T、T、N、r、w、ε、Cijは、パラメータとして指定する。
まず、特性分離機能において、特性分離処理を行う計算式について説明する。式2は、計測した目的変数を平滑化し、平滑化データを算出する式である。
Figure 0005157359
数2で抽出した、平滑化された目的変数と、計測された目的変数との残差を、式3を用いて抽出し、因果による変動を算出する。
Figure 0005157359
上記の式2および式3を計測された目的変数に対して適用することによって、特性分離処理を行う。
次に、各予測モデルによる予測学習処理について説明を行う。平滑化データ(傾向変動)の平滑化変動予測によるモデル化では、自己回帰分析を用いて、1単位時刻前の時刻T−1を起点として、過去T時間のデータの予測関係を定式化する。この際、時刻tを予測するための関係式は、回帰係数α(T)を用いて、式4のように定式化される。
Figure 0005157359
これを過去T単位時間分作成し、連立方程式にする。このようにして得られた連立方程式を解き、過去T単位時間の区間の回帰計数α(T)を算出する。
次に、差分データに基づく予測学習処理について説明を行う。差分データの差分変動予測によるモデル化では、ステップ1において、観測した説明変数群から、因果構造獲得を用いて、目的変数に直接的に影響を及ぼす有効な説明変数群の選択を行う。
その後、ステップ2において、有効な説明変数群を入力とし、因果による変動を出力とする動径基底関数ネットワークを構築する。
具体的には、ステップ2−1において、ステップ1で選択した有効な説明変数群について、過去T時間の実測値と因果による変動をRBFNの入出力関係の集合とする。その後、ステップ2−2において、k−means法により、ステップ2−1で作成する集合の中から、中間層ニューロン数に合致するだけの代表点を選定する。
なお、k−means法により代表点を選定する代わりに、目的変数の目標値やRBFNの入出力関係の誤差を用いて、図12に示すように予測精度を向上させたいポイントを抽出して学習を行ってもよい。この方法については、別の実施形態で後述する。
その後、ステップ2−3として、ステップ2−2で選定した代表点を中間層の各ニューロンの中心点と位置付け、既定の半径rを持つRBFに従い、すべての説明変数群のデータ集合について、式5を用いて中間層の出力値を算出する。
Figure 0005157359
その後、最後に、ステップ2−4として、その後、中間層と出力層の間のネット重みwを算出する。この際、ネット重みの算出が正常に終了するように、正規化パラメータεを利用する。
次に、予測統合部76における、平滑化変動モデルを用いて平滑化データを平滑化変動予測する予測機能の処理について説明を行う。式6は、次点での平滑化データを予測するための式である。
Figure 0005157359
次に、因果構造獲得で有効と判断した目的変数群をRBFNに入力し、次点の差分データを式7により予測する。
Figure 0005157359
最後に、式6および式7で求めた上記2つの学習モデルによる予測結果を、式8を用いて合算する。
Figure 0005157359
これによって、より正確な予測結果を導き出すことが出来る。
次に、原因推定部78において、原因推定処理を行う際の手順について説明する。まず、ステップ1として、式9によって平滑化変動予測を適用して、次点における平滑化データを算出する。
Figure 0005157359
次に、ステップ2として、過去N点における差分データを算出し、式10に適用することによって、その標準偏差σを算出する。
Figure 0005157359
その後、ステップ3として、ステップ1で得られた変動の中心と標準偏差を用い、例えば、3σといった幅を持つ経時異常原因推定基準値(LTAL、HTAL)を、式11および式12で定義する。
Figure 0005157359
Figure 0005157359
また、ステップ1で得られた変動を中心として、差分データの標準偏差を用いて、例えば、3σといったの幅を持つ突発異常原因推定基準値(LAAL、HAAL)を、式13および式14で定義する。
Figure 0005157359
Figure 0005157359
最後に、ステップ4として、ステップ3で得られる二種の異常原因推定基準値に対して、計測された現時点での変動が基準を超している場合、現時点の製品をNGとし、超えていない場合、現時点の製品をOKと判断する。
以上の計算を適用することによって、各機能ブロックで行われる処理が実行される。
次に、以上の計算処理を行うことによって各機能を実行し、学習処理を行った後に、予測処理を行った結果の一例について、図14〜図17を参照して説明する。
図14〜図17は、上記の学習および予測処理を、平滑化:45、予測次数:15、学習セット:100、RBFN中間層ニューロン数:10、RBFNσ:0.3、RBFNλ:0.1のパラメータで適用した結果を示すグラフである。図14〜図17のグラフでは、実測値105、平滑化実測値106、平滑化予測値107、補完済み予測値108、正常/異常フラグ109、および突発異常原因推定基準値110(突発異常原因推定基準下限LAAL110a、突発異常原因推定基準上限:HAAL110b)のうち、いくつかが選び出されて示されている。
図14では、実測値105、平滑化実測値106、突発異常原因推定基準値110aおよび110bがグラフに示されている。実測値105には、数多くのばらつきが含まれるため、管理限界110aを超している数値が20回以上検出されていることが分かる。
図15では、平滑化実測値106、平滑化予測値107、突発異常原因推定基準値110aおよび100bがグラフに示されている。補完された予測値では、突発異常原因推定基準値110aを超える数値が6回検出されていることが分かる。
図16では、平滑化実測値106、補完済み予測値108、突発異常原因推定基準値110aおよび100bがグラフに示されている。補完された予測値では、突発異常原因推定基準値110aを超える数値が12回検出されていることが分かる。
図17では、平滑化実測値106、正常/異常フラグ109、突発異常原因推定基準値110aおよび100bがグラフに示されている。図14〜図16のデータより、9回異常フラグが検出されていることが分かる。
以上のように、本実施形態の予測装置2は、過去に取得した複数のセンサ情報から、ある時点における特性値を予測する特性値予測装置2であって、過去に取得した複数のセンサ情報を説明変数として取得する説明変数取得部14と、予測する特性値を複数の時点のセンサ情報から目的変数として時系列に沿って取得する目的変数取得部12と、時系列に沿った複数の目的変数を所定の範囲で平滑化することによって、ばらつきを平滑化した目的変数を傾向変動として抽出する平滑化データ抽出部32と、時系列に沿った複数の目的変数から平滑化した目的変数を取り除くことで、特性値との相関関係が存在すると判断した原因特定変動として抽出する差分データ抽出部34と、原因特定変動から、平滑化変動モデル54を作成する差分データモデリング部44と、差分変動モデル54からある時点における特性値を予測する差分変動予測部72とを備えている。
上記の構成によれば、過去に取得した複数のセンサ情報に基づく目的変数から、平滑化した目的変数を取り除くことによって、上記特性値と相関関係が存在すると判断した原因特定変動を抽出することができるので、原因特定変動を取り除いた予測モデルと、原因変動に基づく予測モデルを生成し、最適な手法を適用してモデルを作成し、特性値の予測を行うことができる。
また、本実施形態の予測装置2では、差分データモデリング部44として、中間層ニューロンを持つ動径基底関数ネットワークを用い、差分データモデリング部44は、上記変動要因特性値の変動および上記差分データの変動を含む学習データを生成する学習データ生成手段と、k−means法により、上記学習データから中間層ニューロンに合致する代表点を選定する代表点選定手段と、選定した中心点に基づいて中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することによって、上記動径基底関数ネットワークを構築するネットワーク構築手段とを備えてもよい。
上記の構成によれば、k−means法により代表点とする中間層ニューロンを選択するため、動径基底関数ネットワークの学習を短時間で行うことができる。
また、本実施形態の予測装置2では、ある時点における特性値は、生産ラインの最終工程における品質特性であり、上記過去に取得した複数のセンサ情報は、上記生産ラインの検査手段によるセンサ情報であり、上記最終工程は、上記生産ラインにおける当該工程の終了後に修正が不可能な工程であり、上記説明変数は、上記各センサ装置によって生産ラインの各工程の完了後に検査手段によって取得されたセンサ情報であり、上記目的変数は、上記最終工程の完了後に検査手段によって取得されたセンサ情報であることが好ましい。
上記の構成によれば、やり直しが可能な生産ラインの終了段階までのセンサ情報に基づいて、終了後に修正が不可能な最終工程の特性値を予測することができるので、生産している製品の良否を予め判断し、修正を行うことができる。
また、本実施形態の予測装置2では、平滑化変動モデル54から予測を行う平滑化予測部74と、平滑化予測部74による予測結果と、差分変動予測部72による予測結果とに基づいて、最終工程の特性値を予測する予測統合部76とを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、最適なモデル化手法でモデル生成を行った平滑化変動モデル54と、差分変動モデル52とに基づいて、2つの予測モデルに基づく予測結果を合算することで、より正確な予測を行うことができる。
また、本実施形態の予測装置2では、平滑化予測部74による予測結果と、差分変動予測部72による予測結果から閾値を動的に設定するパラメータ設定部60をさらに備えることが好ましい。
上記の構成によれば、従来直線で設定していた管理限界に対して、品質特性の経時に伴う変移と突発変化に伴う品質特性の異常の、おのおのに対し、異常の判断基準を設定することができる。
また、本実施形態の予測装置2では、予測統合部76によって予測された最終工程の特性値と、差分変動モデル52および説明変数のうち少なくとも一方とから、最終工程の特性値と関連の高い説明変数を判断することが好ましい。
上記の構成によれば、最終工程の特性値に影響を与えた原因を特定することによって、不良の発生原因を特定し、工程、環境、設定等の改善を行うことができる。なお、上述の説明では、基板実装品質特性予測への適用例について、目的変数が部品Aのフィレット長で、説明変数が部品Aのハンダ量、部品Aの縦ずれ、および部品Aの横ズレの場合について説明したが、これに限るものではない。消費電力予想へ適用し、目的変数が基幹電力量で、説明変数が計測ポイントAの気温、計測ポイントBの気温、および計測ポイントCの気温であってもよい。予測を行いたい目的変数および予測に影響すると考えられる変数である説明変数が適切に設定され、因果関係を考慮する予測モデルを形成することができれば、本実施形態と略同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態のように、基板実装などの生産工程における最終工程の目的変数の予測に適用した場合は、最終工程における処理、ここではリフロー処理を実行する前にリフロー処理後の状態を予測できるので、基板の良否をリフロー処理の前に判定し、リフロー処理の前に部品の位置などを補正することによって、不良品の発生を防ぐことができるので、特に効果が大きい。
〔実施形態2〕
本実施形態の予測システムでは、図1から図17に示されるシステムに比べて、差分変動の非線形予測におけるモデル化の処理の方法が一部異なる構成となっており、その他の構成は同様である。具体的には、図8に示すパラメータのうち、上記実施形態では用いなかった、(1)目標値付近に配置するRBFNの中間層ニューロンの数Nk、および(2)目標値Tを新たなパラメータとして使用する構成となっている。
なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
上記構成において、差分データに基づく予測学習処理について、図12および図18に基づき説明すると、以下の通りである。
本実施形態における差分データモデリングの処理の手順は以下の通りである。
差分データの差分変動予測によるモデル化では、ステップ1において、観測した説明変数群から、因果構造獲得を用いて、目的変数に直接的に影響を及ぼす有効な説明変数群の選択を行う。
その後、ステップ2において、有効な説明変数群を入力とし、因果による変動を出力とする動径基底関数ネットワークを構築する。
具体的には、ステップ2−1において、ステップ1で選択した有効な説明変数群について、過去T時間の実測値と因果による変動をRBFNの入出力関係の集合とする。その後、ステップ2−2において、ステップ2−1で作成する入出力関係の集合の中から、目的変数が目標値に近い上位の中心点をN個選定する。
その後、ステップ2−3として、ステップ2−2で選定した代表点を中間層の各ニューロンの中心点と位置付け、既定の半径rを持つRBFに従い、すべての説明変数群のデータ集合について、式5を用いて中間層の出力値を算出する。
Figure 0005157359
その後、ステップ2−4として、その後、中間層と出力層の間のネット重みwを算出する。この際、ネット重みの算出が正常に終了するように、正規化パラメータεを利用する。
その後、ステップ2−5として、ステップ2−4で構築したRBFNと、ステップ2−1で作成したRBFNの入出力関係との誤差を算出する。さらに、ステップ2−6として、ステップ2−5で算出した誤差が大きい中心点をN−N個選定する。
最後に、ステップ2−7として、ステップ2−6で選定した中心点をステップ2−4で構築したRBFNに追加するRBFの新たな中心点と位置付け、ステップ2−3およびステップ2−4と同様に半径rを決定し、中間層の出力値を算出し、重みwを算出する処理を繰り返す。
上記の処理によって、図12に示すように、予測精度を向上させたい任意のポイントを抽出することによって、予測精度向上させたいポイントを抽出して、所望のポイントの予測精度を向上させることができるので、最終的に判断したい点について正確に予測することで対策を実施する、または、実施しないという判断を正確に行うことができる。
以上のように、本実施形態の予測装置2は、差分データモデリング部44として、中間層ニューロンを持つ動径基底関数ネットワークを用い、差分データモデリング部44は、上記変動要因特性値の変動および上記差分データの変動を含む学習データを生成する学習データ生成手段と、上記学習データから上記差分データの目標値に基づいて中間層ニューロンの中心点を選定する第1中心点選定手段と、選定した中心点に基づいて中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することによって、上記動径基底関数ネットワークを構築するネットワーク構築手段と、上記ネットワーク構築手段によって構築した動径基底関数ネットワークに上記学習データを適用することにより差分データの推定値を算出し、算出した推定値と上記差分データの変動との誤差に基づいて、中間層ニューロンの新たな中心点を選定する第2中心点選定手段とを備えており、上記ネットワーク構築手段は、第1および第2中心点選定手段が選定した中心点に基づいて、中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出している。
上記の構成によれば、予測精度向上させたいポイントを抽出して、所望のポイントの予測精度を向上させることができるので、最終的に判断したい点について正確に予測することで対策を実施する、または、実施しないという判断を正確に行うことができる。
具体例をあげれば、製造ラインにおける最終品質の予測であれば、管理限界値付近の値を精度良く予測することで、最終品質が良か否かを正確に予測することで、対策の実施するか実施しないかを正確に判断することができるので、製品に対する対策コストを最適化することができる。
また、別の具体例をあげれば、事務所や工場などにおいて、将来消費する電力を予測し、電力供給者と契約したデマンドを超過する可能性があれば、電力を消費する機器の稼動を一時的に停止するなどの対策を行うシステムの場合、予め設定されたデマンド電力付近の値を精度良く予測することにより、対策を実施するか実施しないかを正確に判断することができるので、デマンド超過による事業への影響を最小限に抑えることが可能になる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、本発明の予測システム1の各ブロック、特に学習部20および予測部70は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、予測システム1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである予測システム1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記予測システム1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、予測システム1を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
以上のように、本発明の予測システム1および予測装置2は、過去に取得した複数のセンサ情報に基づく目的変数から、平滑化した目的変数を取り除くことによって、上記特性値と相関関係が存在すると判断した原因特定変動を抽出することができるので、原因特定変動を取り除いた予測モデルと、原因変動に基づく予測モデルを生成し、最適な手法を適用してモデルを作成し、特性値の予測を行うことができるので、生産ラインにおける最終品質特性の予測装置や、センサ情報に基づいてその他の様々な事象に対する予測を行う予測装置として好適に利用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、予測システムの要部構成を示すブロック図である。 上記の予測システムにおいて、学習処理および予測/判定処理を行う際の処理の流れについて示した概略図である。 上記の予測システムにおいて、特性分離処理および予測学習処理を実行する際の処理の流れを示すフロー図である。 上記の予測システムにおいて、パラメータ調整処理を実行する際の処理の流れを示すフロー図である。 上記の予測システムにおいて、予測処理を実行する際の処理の流れを示すフロー図である。 上記の予測システムにおいて、原因推定処理を実行する際の処理の流れを示すフロー図である。 上記の予測システムにおいて、差分データモデリング処理の一例を示すフロー図である。 上記の予測システムにおいて、処理を行う際に用いる各種計算に用いられる変数の一覧を説明する表を示す図である。 上記の予測システムにおいて、差分データモデリング部に用いられる基底関数ネットワーク予測モデルの構造を示す図である。 上記の差分データモデリング部で用いられるガウス関数を表す図である。 図11(a)および図11(b)は、上記の基底関数ネットワーク予想モデルにおける既定関数の配置の概略を示す図である。 上記の基底関数ネットワーク予想モデルにおける中心点の選定について説明する図である。 上記の予測システムにおいて、目的変数および説明変数の関係を説明するグラフを示す図である。 上記の予測システムを用いて予測した結果のグラフを示す図であり、実測値、平滑化実測値、突発異常原因推定基準の上限および下限が示されている。 上記の予測システムを用いて予測した結果のグラフを示す図であり、平滑化実測値、平滑化予測値、突発異常原因推定基準の上限および下限が示されている。 上記の予測システムを用いて予測した結果のグラフを示す図であり、平滑化実測値、補完済み予測値、突発異常原因推定基準の上限および下限が示されている。 上記の予測システムを用いて予測した結果のグラフを示す図であり、実測値、正常/異常フラグ、突発異常原因推定基準の上限および下限が示されている。 上記の予測システムにおいて、差分データモデリング処理の別の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 時系列データ解析システム
2 時系列データ解析装置(時系列データ解析装置)
10 取得部
12 目的変数取得部(目的変数取得手段)
14 説明変数取得部(説明変数取得手段)
20 学習部
30 特性分離部
32 平滑化データ抽出部(平滑化データ抽出手段)
34 差分データ抽出部(差分データ抽出手段)
40 予測学習部
42 平滑化データモデリング部(平滑化データモデリング手段)
44 差分データモデリング部(差分データモデリング手段)
52 差分変動モデル(差分データ変動モデル)
54 平滑化変動モデル(平滑化データ変動モデル)
60 パラメータ設定部(閾値設定手段)
70 予測部
72 差分変動予測部(差分変動予測手段)
74 平滑化変動予測部(平滑化変動予測手段)
76 予測統合部(予測統合手段)
78 原因推定部(変動要因推定手段)
80 工程処理装置
82 印刷検査装置(説明変数検査装置)
84 ずれ検査装置(説明変数検査装置)
86 フィレット長検査装置(目的変数検査装置)
90 工程管理装置
92 印刷装置
94 装着装置
96 リフロー装置

Claims (11)

  1. 所定のシステムにおける複数種類の特性値の検知結果情報に基づいて該システムにおける予測対象特性値の時系列データを解析する時系列データ解析装置であって、
    上記予測対象特性値の過去の検知結果からなる時系列データを取得する時系列データ取得手段と、
    上記時系列データを所定の基準で平滑化した平滑化データを算出する平滑化データ取得手段と、
    上記時系列データと上記平滑化データとの差を差分データとして算出する差分データ取得手段と、
    上記平滑化データの過去の変動を解析することによって、時間経過と上記平滑化データの変動との対応関係を平滑化データ変動モデルとして特定する平滑化データモデリング手段と、
    上記差分データの変動に影響を与える上記特性値の種類を変動要因特性値として特定し、該変動要因特性値の変動と上記差分データの変動との対応関係を差分データ変動モデルとして特定する差分データモデリング手段と
    上記平滑化データ変動モデルまたは上記差分データ変動モデルから、予測対象時点での特性値を予測する予測手段であって、上記予測対象時点の平滑化データの予測値を上記平滑化データ変動モデルに基づいて算出する平滑化データ予測手段を有する予測手段と、を備え、
    上記所定のシステムにおける複数種類の特性値は、生産システムにおける生産ラインの各工程で検知されるセンサ情報であり、
    上記予測対象特性値の時系列データは、上記生産ラインにおける生産対象物の品質特性の時系列データであり、
    上記平滑化データ予測手段による予測結果から、上記生産対象物の品質特性を管理するための閾値である管理限界値の上限値および下限値を設定する閾値設定手段さらに備えることを特徴とする時系列データ解析装置。
  2. 所定のシステムにおける複数種類の特性値の検知結果情報に基づいて該システムにおける予測対象特性値の時系列データを解析する時系列データ解析装置であって、
    上記予測対象特性値の過去の検知結果からなる時系列データを取得する時系列データ取得手段と、
    上記時系列データを所定の基準で平滑化した平滑化データを算出する平滑化データ取得手段と、
    上記時系列データと上記平滑化データとの差を差分データとして算出する差分データ取得手段と、
    上記平滑化データの過去の変動を解析することによって、時間経過と上記平滑化データの変動との対応関係を平滑化データ変動モデルとして特定する平滑化データモデリング手段と、
    上記差分データの変動に影響を与える上記特性値の種類を変動要因特性値として特定し、該変動要因特性値の変動と上記差分データの変動との対応関係を差分データ変動モデルとして特定する差分データモデリング手段と
    上記平滑化データ変動モデルまたは上記差分データ変動モデルから、予測対象時点での特性値を予測する予測手段と、を備え、
    上記予測手段は、上記予測対象時点の特性値を取得し、上記差分データ変動モデルに基づいて上記差分データの予測値を算出する差分データ予測手段と、
    上記予測対象時点の平滑化データの予測値を上記平滑化データ変動モデルに基づいて算出する平滑化データ予測手段と、
    上記差分データ予測手段による予測結果と、上記平滑化データ予測手段による予測結果とに基づいて、上記予測対象時点の特性値の予測値を算出する予測統合手段とを有すものであり、
    上記所定のシステムにおける複数種類の特性値は、生産システムにおける生産ラインの各工程で検知されるセンサ情報であり、
    上記予測対象特性値の時系列データは、上記生産ラインにおける生産対象物の品質特性の時系列データであり、
    上記差分データ予測手段による予測結果から、上記生産対象物の突発変化に伴う品質の異常を管理するための閾値である突発異常原因推定基準の上限値および下限値を設定する閾値設定手段さらに備えることを特徴とする時系列データ解析装置。
  3. 上記差分データモデリング手段として、中間層ニューロンを持つ動径基底関数ネットワークを用い、
    上記差分データモデリング手段は、
    上記変動要因特性値の変動および上記差分データの変動を含む学習データを生成する学習データ生成手段と、
    上記学習データから上記差分データの目標値に基づいて中間層ニューロンの中心点を選定する第1中心点選定手段と、
    選定した中心点に基づいて中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することによって、上記動径基底関数ネットワークを構築するネットワーク構築手段と、
    上記ネットワーク構築手段によって構築した動径基底関数ネットワークに上記学習データを適用することにより差分データの推定値を算出し、算出した推定値と上記差分データの変動との誤差に基づいて、中間層ニューロンの新たな中心点を選定する第2中心点選定手段とを備えており、
    上記ネットワーク構築手段は、第1および第2中心点選定手段が選定した中心点に基づいて、中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の時系列データ解析装置。
  4. 上記差分データモデリング手段として、中間層ニューロンを持つ動径基底関数ネットワークを用い、
    上記差分データモデリング手段は、
    上記変動要因特性値の変動および上記差分データの変動を含む学習データを生成する学習データ生成手段と、
    k−means法により、上記学習データから中間層ニューロンに合致する代表点を選定する代表点選定手段と、
    選定した中心点に基づいて中間層の出力値を算出し、算出した中間層の出力値に基づいてニューロンの重み値を算出することによって、上記動径基底関数ネットワークを構築するネットワーク構築手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の時系列データ解析装置。
  5. 上記平滑化データ変動モデルおよび上記差分データ変動モデルから、予測対象時点の特性値の変動要因を推定する変動要因推定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の時系列データ解析装置。
  6. 上記予測手段が、
    上記予測対象時点の特性値を取得し、上記差分データ変動モデルに基づいて上記差分データの予測値を算出する差分データ予測手段と
    上記差分データ予測手段による予測結果と、上記平滑化データ予測手段による予測結果とに基づいて、上記予測対象時点の特性値の予測値を算出する予測統合手段とをさらに備えることを特徴とする請求項に記載の時系列データ解析装置。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の時系列データ解析装置と、
    センサからセンサ情報を取得し、上記時系列データ取得手段に時系列データとして入力するための目的変数検査装置と、
    センサからセンサ情報を取得し、上記平滑化データモデリング手段および上記差分データモデリング手段に学習パラメータとして入力するための説明変数検査装置と、
    上記センサ情報の取得を管理する管理装置とを備えるモデル作成システム。
  8. 所定のシステムにおける複数種類の特性値の検知結果情報に基づいて該システムにおける予測対象特性値の時系列データを解析する時系列データ解析装置であって、時系列データ取得手段と、平滑化データ取得手段と、差分データ取得手段と、平滑化データモデリング手段と、差分データモデリング手段と、平滑化データ予測手段を有する予測手段と、閾値設定手段とを備える時系列データ解析装置の制御方法であって、
    上記時系列データ取得手段が上記予測対象特性値の過去の検知結果からなる時系列データを取得するステップと、
    上記平滑化データ取得手段が上記時系列データを所定の基準で平滑化した平滑化データを算出するステップと、
    上記差分データ取得手段が上記時系列データと上記平滑化データとの差を差分データとして算出するステップと、
    上記平滑化データモデリング手段が上記平滑化データの過去の変動を解析することによって、時間経過と上記平滑化データの変動との対応関係を平滑化データ変動モデルとして特定するステップと、
    上記差分データモデリング手段が上記差分データの変動に影響を与える上記特性値の種類を変動要因特性値として特定し、該変動要因特性値の変動と上記差分データの変動との対応関係を差分データ変動モデルとして特定するステップと、
    上記予測手段が、上記平滑化データ変動モデルまたは上記差分データ変動モデルから、予測対象時点での特性値を予測する予測ステップと、を含み、
    上記予測ステップは、上記平滑化データ予測手段が、上記予測対象時点の平滑化データの予測値を上記平滑化データ変動モデルに基づいて算出するステップを含み、
    上記所定のシステムにおける複数種類の特性値は、生産システムにおける生産ラインの各工程で検知されるセンサ情報であり、
    上記予測対象特性値の時系列データは、上記生産ラインにおける生産対象物の品質特性の時系列データであり、
    上記閾値設定手段が、上記平滑化データ予測手段による予測結果から、上記生産対象物の品質特性を管理するための閾値である管理限界値の上限値および下限値を設定するステップさらに含むことを特徴とする時系列データ解析装置の制御方法。
  9. 所定のシステムにおける複数種類の特性値の検知結果情報に基づいて該システムにおける予測対象特性値の時系列データを解析する時系列データ解析装置であって、時系列データ取得手段と、平滑化データ取得手段と、差分データ取得手段と、平滑化データモデリング手段と、差分データモデリング手段と、差分データ予測手段、平滑化データ予測手段および予測統合手段を有する予測手段と、閾値設定手段とを備える時系列データ解析装置の制御方法であって、
    上記時系列データ取得手段が上記予測対象特性値の過去の検知結果からなる時系列データを取得するステップと、
    上記平滑化データ取得手段が上記時系列データを所定の基準で平滑化した平滑化データを算出するステップと、
    上記差分データ取得手段が上記時系列データと上記平滑化データとの差を差分データとして算出するステップと、
    上記平滑化データモデリング手段が上記平滑化データの過去の変動を解析することによって、時間経過と上記平滑化データの変動との対応関係を平滑化データ変動モデルとして特定するステップと、
    上記差分データモデリング手段が上記差分データの変動に影響を与える上記特性値の種類を変動要因特性値として特定し、該変動要因特性値の変動と上記差分データの変動との対応関係を差分データ変動モデルとして特定するステップと、
    上記予測手段が、上記平滑化データ変動モデルまたは上記差分データ変動モデルから、予測対象時点での特性値を予測する予測ステップと、を含み、
    上記予測ステップは、
    上記差分データ予測手段が、上記予測手段が、上記予測対象時点の特性値を取得し、上記差分データ変動モデルに基づいて上記差分データの予測値を算出するステップと、
    上記平滑化データ予測手段が、上記予測対象時点の平滑化データの予測値を上記平滑化データ変動モデルに基づいて算出するステップと、
    上記予測統合手段が、上記差分データ予測手段による予測結果と、上記平滑化データ予測手段による予測結果とに基づいて、上記予測対象時点の特性値の予測値を算出するステップと、を含み、
    上記所定のシステムにおける複数種類の特性値は、生産システムにおける生産ラインの各工程で検知されるセンサ情報であり、
    上記予測対象特性値の時系列データは、上記生産ラインにおける生産対象物の品質特性の時系列データであり、
    上記閾値設定手段が、上記差分データ予測手段による予測結果から、上記生産対象物の突発変化に伴う品質の異常を管理するための閾値である突発異常原因推定基準の上限値および下限値を設定するステップさらに含むことを特徴とする時系列データ解析装置の制御方法。
  10. 請求項1から6の何れか1項に記載の時系列データ解析装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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