JP5157249B2 - 継手部の漏洩検知システム - Google Patents

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本発明は、漏洩時の危険性が高いとされる気体又は液体の化学物質を製造又は取り扱う施設などに設置されている化学装置、配管及びバルブ等の継手部から、その化学物質が漏洩した場合、迅速に検知又は測定することによって、漏洩による大事故及び環境への悪影響を未然に防止するための化学物質の漏洩検知システムに関する。
現在の各種化学プラント等においては、漏洩時の危険性が高いとされる気体又は液体の化学物質が多く製造又は取り扱われている。
例えば、ポリウレタンの原料であるイソシアネート類は、塩素及び一酸化炭素から合成される塩化カルボニル(ホスゲン)とアミン類との反応であり、副生成物として腐食性の高い塩化水素が大量に生成される。また、軽さや強靭さ、耐熱性、透明性など多くの有用な特性を持つことからコンパクトディスクや、自動車ヘッドランプレンズなどに良く利用されるポリカーボネート樹脂の製造プロセスにおいても、一般に塩化カルボニルを取り扱っている。塩素は常温で刺激臭を有し、塩化カルボニルは干草臭をもつ有毒気体であり、塩化水素は刺激臭のある発煙性気体である。仮にこれらの物質が外部に流出すると人体に危険ばかりでなく、その流出量によっては環境に重大な悪影響をもたらすことになる。
また、漏洩が環境に悪影響をもたらす物質はこれに限らず、例えば、酸化エチレン、HCN、弗素、弗化水素及び弗化珪素などがある。これらのガス状の物質は、ポリカーボネート樹脂などの化学製品製造プロセス、界面活性剤製造プロセス、金属熱処理業、電気めっき業、アルミニウム精錬、燐酸肥料製造、ガラス製造工場で用いられたり発生したりする。
これら各種の化学物質を製造又は取り扱うことは現在の化学工業にとっては不可欠なものであり、これらを扱う化学プラントなどの施設は多数存在し、年々大型化されているため、化学物質漏洩のリスクは高まる一方である。
従来、これらを解決する方法として設備の接合部、フランジ等を少なくする検討や気体又は液体の漏れ検知法の開発がなされている。例えば、漏洩を防止するため、タンクや配管などをできるだけ溶接加工し、放射線検査等を行う方法が採用されている。また、配管等を2重構造にして、内壁と外壁の間に中空層を設けて漏洩する物質を迅速に検知する方法が開発され知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、溶接加工できる範囲には限界がある。また、これらタンク、配管などそのものからの漏洩検知手段を改善したとしても、実際の化学プラントではタンク、バルブや配管等を接合する継手部(フランジ等)が多数存在しているため、その継手部からの漏洩に対する検知手段としては未だ十分ではないという欠点を有している。
また、プラント配管等の継手部分からのガス漏洩を簡便に検知する方法として、特定のガスと反応し、発色又は変色する染料、顔料等からなる検知剤を基材に塗布又は含浸させ、この基材を管継手等ガス漏洩が予想される箇所に巻きつけておき、配管からの漏洩が発生した際の基材の変色によりガス漏洩箇所を目視などにより確認する方法が開発されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、この方法は定期的な巡回による目視などによる確認が必要であり、連続的にモニターできないのでガス漏洩を即座に発見できるとは限らない。
さらに、配管やタンクなどの継ぎ目が覆われた状態で設置され、かつ内部に所定の気体が封入されており、その内部の圧力変化を検知して配管に設けられた弁の閉塞を行う方法が開発され知られている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、この方法によれば継ぎ目が覆われているため、継ぎ目部分の不良状況が不明であり、その継ぎ目部分の処置を迅速に出来るとは限らないという欠点を有している。
特開2000−55795号公報 特開2004−251657号公報 特開2000−9285号公報
本発明の課題は、従来技術における上記したような課題を解決し、前述のような施設に設置される化学装置、タンク、バルブや配管等を接合する多数の継手部(フランジ等)からの有害な化学物質等の内部流体の漏洩リスクを低減するための方法及び、その漏洩を迅速に検知し、監視者が集中管理できる有害な化学物質の漏洩検知システムを提供することにある。
本発明者らは、以上の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、化学装置、配管やバルブの継手部から内部流体の漏洩を抑えた上で、万が一発生してもこれを迅速に発見できる構造にし、不断の漏洩有無の管理を集中管理すれば重大な事故及び環境への悪影響を未然に防げることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下に示す漏洩検知システムに関する。
(1)内部に流体が流れる状態にある配管の継手部からの前記流体の漏洩を検知するシステムであって、
前記継手部に設けられ、空気又は不活性ガスからなる気体が流通するシール部と、
前記シール部に接続され、該シール部に前記気体を供給する導入管と、
前記シール部に接続され、該シール部内の気体を排出する排出管と、
前記排出管に接続され、該排出管から採取した気体を分析する分析手段と、
前記分析手段による分析結果を通知する通知手段と
を有し、且つ
前記シール部は、同心円状に2重に配置されたOリングと、外周側の前記Oリングと内周側の前記Oリングとの間に形成され前記導入管及び前記排出管と接続されたガス流通部とを備え、前記導入管から前記ガス流通部に供給される空気又は不活性ガスからなる気体の圧力が、前記配管内部の圧力よりも低く調整された状態にあることを特徴とする、継手部の漏洩検知システム。
(2)前記流体が、気体の化学物質である、(1)記載の継手部の漏洩検知システム。
(3)複数箇所の前記継手部の前記排出管にバルブを配し、該バルブの開閉により、前記排出管から採取した気体を順次分析することを特徴とする(1)記載の継手部の漏洩検知システム
(4)前記内周側のOリングは、前記配管内を流通する前記流体に対して浸透性を有しない材質からなることを特徴とする(1)記載の継手部の漏洩検知システム。
(5)前記継手部は、前記各配管の端部に形成され配管本体から径方向に向かって延びるフランジと、対向して接合される前記フランジの一方側に形成され前記Oリングが個々に収容される2個のOリング溝と、前記2個のOリング溝の間に形成され前記ガス流通部を形成するガス流通溝と、前記フランジ内に形成され前記ガス流通溝と連通する導入孔と、前記フランジ内に形成され前記ガス流通溝と連通する排出孔とを有してなることを特徴とする(1)記載の継手部の漏洩検知システム。
(6)前記継手部が、化学プラント装置の継手部であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の継手部の漏洩検知システム。
本発明は、万が一にも漏洩による危険性が高いとされる気体又は液体の化学物質が、流通する配管、バルブ又は化学装置の継手部から漏洩が発生しても漏洩箇所を早期発見し、重大な事故及び環境への悪影響を未然に防ぐと共に、後の迅速な対応ができ、化学工場が担う環境保全に対する責任を果たすことができる。
(1)シール部
本発明の漏洩検知システムにおけるシール部は、内部に流体が流通する配管の継手部に設けられている。前記シール部の構造としては、該継手部の管周に亘って同心円状にOリングを2重(外周側Oリングと内周側Oリング)に配し、これら外周Oリングと内周Oリングの間に同じく同心円状に溝(ガス流通溝又はガス流通部)が設けられたものである。また、前記溝(ガス流通部)以外にOリングの脱着が容易になるように、継手部に溝又はガイドを有することができる。
該継手部に配するOリングの寸法、線径は、継手部の寸法に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。そのOリングの材質は、内部流体の性状に応じていることが重要で特に限定されるものではない。例えば一般に市販されているニトリルゴム、弗素ゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムなどや、高機能Oリングとして耐薬品性、耐溶剤性及び耐熱性を有するパーフロロエラストマー、四弗化エチレン樹脂など、又は弾性を持ったゴム(弗素ゴム、シリコーンゴム)を四弗化エチレン樹脂などで完全に被覆したものなどが用いられる。
またOリング硬さの制約はなくステンレス材や特殊金属のハステロイ(商品名)、ニッケル、インコネル(商品名)材などをOリングに加工したものでもよい。更に漏れ止め機能を十分に発揮するために、それら金属Oリングを四弗化エチレン樹脂やシリコーンゴムなどで完全に被覆したものも用いられる。
Oリングが接する部分の表面粗さは、接する部分の摩擦抵抗を少なくして、しかも漏れ止め機能を十分に発揮しOリングそのものの寿命を長くするために、鏡面仕上げにならない程度に表面の仕上げを高精度にしたものが望ましい。
なお、継手部の前記ガス流通部の溝以外に、Oリングの脱着が容易になるよう継手部に溝又はガイドを設置することが望ましい。
前記ガス流通部の溝の形状は特に制約されることはなく、真空用Oリング取付溝やあり溝などの特殊溝でもよい。継手部の接合面の接面圧力は特に限定されないが、Oリングを溝に装着した際に約8〜30%のつぶししろができるように装着すると漏れ止めがより向上するので望ましい。
前記シール部に供給されるガスとしては、空気及び不活性ガスからなる気体が用いられる。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられる。当該気体は、導入管及び排出管内の結露を防止するために脱湿したものを用いた方が良く、好ましくは露点が−20℃以下のものが望ましい。
継手部のシール部に供給される空気及び不活性ガスからなる気体の圧力は、流体が流通する配管の内部より低い圧力であれば特に限定されない。気体の圧力と配管内部の圧力の差は特に限定されないが、0.01〜10kg/cm2G程度が好ましい。
(2)導入管
前記シール部には、該シール部に空気又は不活性ガスからなる気体を供給する導入管が接続されている。導入管の他方は、コンプレッサー等のガス供給装置と接続されており、これによりシール部に気体を供給することができる。また、ガス流通部へ供給する気体は脱湿するのが好ましいことから、ガス供給装置とシール部との間に気体を脱湿又は除湿するための装置(脱湿機等)を設けることもできる。前記導入管はシール部内では導入孔としてガス流通部につながり、該導入孔を通して気体がガス流通部に供給される。
(3)排出管
前記シール部には、該シール部内の気体と継手部から漏れ出る配管内の流体とを含むガスを排出する排出管が接続されている。排出管の他方は、該排出管から採取したガス(継手部から漏れ出る配管内の流体を含む気体)を分析する分析手段と接続されている。前記排出管はシール部内では排出孔としてガス流通部からつながり、該排出孔を通して継手部から漏れ出る配管内の流体を含む気体がシール部から排出され、排出管を通して前記分析手段へ供給される。
(4)分析手段
継手部から漏れ出る配管内の流体は、ガス流通部を流れる気体とともに排出管を通して採取され、分析手段へ供給される。分析手段としては、公知のガス検知手段を用いたガス分析装置(検知装置)であればよく、特に限定されない。
継手部から漏れ出る配管内の流体の検知装置数としては、継手部1箇所に検知装置1台を配することが望ましいが、検知装置数が多くなると保守点検が困難になる。このような場合は複数箇所の継手部からの各排出管にバルブを配し、該バルブの開閉により定期的に各排出管のガスを順次1台の検知装置に供給することで検知装置の台数を低減しつつも確実に各継手部からの漏洩を監視することができる。このような検知手段は、大規模化学プラントのように多数の継手部が存在する施設で特に有効であり、多くの継手部を幾つかのグループに配し、グループ毎に検知装置を設置し集中管理することができる。
検知装置としては、例えばガスクロマトグラフ分析装置やその他濃度計、測定装置及びセンサーなどが挙げられる。検知装置は、検知対象である化学物質によって異なるが、現在市販されている各種分析計及び測定装置、並びに現在公知の技術で開発可能なものであれば良く、特に制限されない。特に、データの繰り返し安定性と精度が高い検知方法が望ましい。
(5)通知手段
前記分析手段による分析結果は、通知手段によって管理者等の必要なところへ通知される。例えば、前記分析手段において検知した検出データは、検知信号によって集中管理棟の監視コンピュータ等で受信される。
(6)配管
本発明の継手部を有する配管は、内部に流体が流れるものであれば目的や形状等は特に制限されるものではなく、化学プラント装置の配管のみならず、バルブ、タンク、回転機械等のいずれであってもよい。本発明の継手部は、化学プラント装置、金属熱処理装置、電気めっき装置、アルミニウム精錬プラント装置、リン酸肥料製造プラント、ガラス製造プラント等の配管に適用することができるが、好ましくは化学プラント装置の配管継手部に好適に用いられる。特に好ましくは、ポリカーボネート樹脂製造プラント装置に用いることができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<実施例1>
本実施例1では、流体として漏洩による危険性が高いとされる塩化カルボニル(ホスゲン)を流通する配管1,2の継手部についての実施例を説明する。図1は実施例1に係る塩化カルボニルを流通する配管1,2の継手部の断面図で、図2は実施例1に係る当該継手部の接合面(フランジ)3,4を表す。図3は実施例1に係る継手部1箇所に対して検知装置1台を配した漏洩検知システムを示したものである。
配管1,2の接合面3,4の接合箇所には、管周に亘ってOリング5,6が2重に配されている。配管1,2の端部には、配管本体20から径方向に向かって延びるフランジ21,22が形成されており、各フランジ21,22の端面は接合面3,4となっている。フランジ21,22は、ハステロイC(HASTELLOY C:商品名)にて形成されており、接合面3,4の表面粗さは、日本工業規格(JIS:B2406−1991)の1.6S仕上げとなっている。
フランジ21側の接合面3には、環状のOリング用溝23,24が形成されている。Oリング用溝23,24は、配管1の中心に対して同心円状に設けられており、溝23は溝24よりも外周側に配されている。Oリング用溝23,24の内部にはそれぞれ、Oリング5,6が収容される。内周側のOリング6には、インコネル(商品名)材質で中空加工のもの、外周側のOリング5には、弗素ゴム材質のものが使用される。
フランジ22側の接合面4は、溝のない平坦面となっている。図1に示すように、フランジ21,22をボルト25及びナット26にて締結すると、Oリング用溝23,24内のOリング5,6は、対向する接合面4に押接される。これにより、配管1,2の内部空間がOリング5,6によってシールされると共に、Oリング5,6間にはシール部が形成される。
外周側Oリング5と内周側Oリング6の間には、ガス流通溝(ガス流通部)7が設けられている。ガス流通溝7は、フランジ21の接合面3に環状に形成されており、図2に示すように、フランジ接合箇所では、外周から、外周側Oリング5−ガス流通溝7−内周側Oリング6が管周に亘って配されている。上記ガス流通溝7は、導入孔8’を通して導入管8と、及び排出孔9’を通して排出管9と接続されている。導入孔8’,排出孔9’は、フランジ外周面21から中心方向に向かって延びており、図1に示すように、ガス流通溝7の上端部と連通している。当該継手部では、上記導入管8からガス流通溝7に空気を導入し、また上記排出管9からガス流通溝7のガス(継手部から漏れ出る配管内の塩化カルボニルを含む空気)を排出するように構成されている。
図3に示すように、導入管8はコンプレッサー10と接続されている。フランジ21とコンプレッサー10との間には、ガス流通溝7に供給する空気を除湿するための脱湿機14が設けられている。排出管9は、定電位電解式の塩化カルボニル検知装置を使用したガス分析装置(分析手段)11と接続されている。ガス分析装置11は、集中管理棟に配置された監視コンピュータ(通知手段)13と接続されている。ガス流通溝7に対しては、コンプレッサー10から導入管8を介して空気が供給される。その際、ガス流通溝7には、コンプレッサー10で圧縮後、脱湿機14で露点−40°C以下に脱湿した空気が供給される。ガス流通溝7に導入された空気は、ガス流通溝7から排出管9を介してフランジ外へ排出され、ガス分析装置11に導入される。
このような継手部構造では、内周側のOリング6は、配管1,2内を流通する危険性が高いとされる塩化カルボニルの漏洩を防止している。もし、該Oリング6の不具合で塩化カルボニル12が該Oリング6をすり抜けることがあっても、外周側Oリング5によって継手部から外気への漏洩は防止され、塩化カルボニル12はガス流通溝7内の空気と共に排出管9から排出される。ガス流通溝7内の空気に塩化カルボニル12が混入すると、この塩化カルボニル12はガス分析装置11に導入され、検知される。ガス分析装置11からは、検知信号が監視コンピュータ13に送られ、継手部にて塩化カルボニルの漏洩があった旨が集中管理者に知らされる。
なお、塩化カルボニルを流通する前には、配管1,2内に脱湿された圧縮空気を2kg/cm2Gの圧力まで張り込み、気密試験を実施して配管1,2からの空気の漏れがないことを確認する。
なお、前述の継手部構造では、フランジ21側にOリング用溝23,24とガス流通溝7を共に配した構成を示したが、Oリング用溝23,24とガス流通溝7を別のフランジに配する構成も可能である。すなわち、フランジ21側にOリング用溝23,24を配する一方、フランジ22側にガス流通溝7や導入孔8’、排出孔9’を形成するような構成も可能である。さらに、導入孔8’と排出孔9’を別のフランジに形成する構成も可能である。
また、前述の継手部構造では、フランジ21側にOリング用溝23,24とガス流通溝7を共に配した構成を示したが、Oリング用溝23,Oリング用溝24,ガス流通溝7,導入孔8’及び排出孔9’の各々をフランジ21側又はフランジ22側の何れに設けても良く、それらの組み合わせに制限はない。すなわち、それらを種々の組み合わせで別のフランジに形成する構成も可能である。
<実施例2>
本実施例2は、複数の継手部に対して検知装置を1台配した漏洩検知システムに関するものであり、大規模化学プラントのように多数の継手部が存在する場合のものである。図4に、実施例2に係る複数の継手部に対して検知装置を1台配した漏洩検知システムを示す。
複数の継手部a,b,c,dに対してガス分析装置11が1台配されている。前記継手部a,b,c,dから接続される排出管a1,b1,c1,d1には、仕切弁(バルブ)a2,b2,c2,d2が配されている。前記排出管a1,b1,c1,d1は、該仕切弁を通った後、合流してガス分析装置11に接続されている。このほかは実施例1と同様になっている。
このガス分析装置11には、常に排出管a1,b1,c1,d1から排出ガスが導入され、もし内周Oリングの不具合で配管内を流通する塩化カルボニルが該Oリングをすり抜けた場合、実施例1と同様に検出して集中管理者に知らされる。
集中管理者は、仕切弁(バルブ)a2,b2,c2,d2が定期的に順次開閉を繰り返すよう予め組み込まれたプログラムを使用して、漏洩箇所の特定化を行うと共に、早急にプラント停止などの対策を実施することができる。
<実施例3>
配管1,2の継手部に流通する塩化カルボニルを漏洩による危険性が高いとされる塩素ガスに変更し、ガス分析装置11に塩素検知装置を用いた以外は実施例1と同様にした。
<比較例1>
漏洩による危険性が高いとされる塩化カルボニルを流通する配管15,16の継手部についての比較例を以下に記述する。図5は比較例に係る塩化カルボニルを流通する配管15,16の継手部の断面図で、図6は比較例に係る該継手部の接合面(フランジ)17,18を表す。配管15,16の接合面17,18の接合間には、4弗化エチレン樹脂製のガスケット19が設けられる。
<比較例2>
継手部接合面の内周側Oリング6の材質をインコネルから塩化カルボニルに対して浸透性を有するニトリルゴムに変更した以外は実施例1と同様に行った。その結果、配管1,2に塩化カルボニルを流通開始のあとにガス分析装置11が塩化カルボニルを検知した。塩化カルボニルの流通を停止して配管内を安全化した後、内周側Oリング6を新品のニトリルゴムに交換して、再度塩化カルボニルの流通を再開したが、しばらくして再びガス分析装置11が塩化カルボニルを検知したため、塩化カルボニルの流通を停止した。ニトリルゴムは塩化カルボニルに対して浸透性を有するため、内周側Oリングに適していないことが示された。
<比較例3>
継手部接合面の外周側Oリング5の材質を弗素ゴムからインコネルに変更した以外は実施例1と同様に行った。その結果、塩化カルボニルを流通する前の配管1,2に脱湿された圧縮空気を2kg/cm2Gの圧力まで張り込み気密試験を実施したが、気密性を確保できなかったため塩化カルボニルの流通を断念した。
以上のように本発明に関して、実施例を示しつつ具体例を説明したが、本発明はもとより実施例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包括される。
例えば仕切弁(バルブ)a2,b2,c2,d2が定期的に開閉を繰り返すように設定したプログラムは、漏洩の検知前から使用することもできるし、当該仕切弁の開閉プログラムは如何なる組み合わせも可能であり、何ら制約を受けるものではない。また、図4に示した漏洩監視システムを並列に複数設置し、各検知装置からの信号を集中管理棟のコンピュータに送ることで集中管理者に知らせることもできる。
本発明の実施例1,2,3、比較例2,3に係る塩化カルボニル又は塩素ガスを流通する配管の継手部の断面図である。 本発明の実施例1,2,3、比較例2,3に係る塩化カルボニル又は塩素ガスを流通する配管の継手部の接合面(フランジ)図である。 本発明の実施例1,3、比較例2,3に係る漏洩による塩化カルボニル又は塩素ガスを流通する配管の継手部1箇所に対して検知装置1台を配した漏洩検知システム図である。 本発明の実施例2に係る複数の継手部に対して検知装置を1台配した漏洩検知システム図である。 本発明の比較例1に係る塩化カルボニルを流通する配管の継手部の断面図である。 本発明の比較例1に係る塩化カルボニルを流通する配管の継手部の接合面(フランジ)図である。
符号の説明
1,2 配管
3,4 接合面
5 外周側Oリング
6 内周側Oリング
7 溝(ガス流通部)
8 導入管
9 排出管
8’ 導入孔
9’ 排出孔
10 コンプレッサー
11 ガス分析装置
12 危険性が高いとされる流体(ホスゲン等)
13 監視コンピュータ
14 脱湿機
15,16 配管
17,18 接合面
19 ガスケット
20 配管本体
21,22 フランジ
23,24 Oリング用溝
25 ボルト
26 ナット
a,b,c,d 継手部
a1,b1,c1,d1 排出管
a2,b2,c2,d2 仕切弁(バルブ)
e 検知装置

Claims (6)

  1. 内部に流体が流れる状態にある配管の継手部からの前記流体の漏洩を検知するシステムであって、
    前記継手部に設けられ、空気又は不活性ガスからなる気体が流通するシール部と、
    前記シール部に接続され、該シール部に前記気体を供給する導入管と、
    前記シール部に接続され、該シール部内の気体を排出する排出管と、
    前記排出管に接続され、該排出管から採取した気体を分析する分析手段と、
    前記分析手段による分析結果を通知する通知手段と
    を有し、且つ
    前記シール部は、同心円状に2重に配置されたOリングと、外周側の前記Oリングと内周側の前記Oリングとの間に形成され前記導入管及び前記排出管と接続されたガス流通部とを備え、前記導入管から前記ガス流通部に供給される空気又は不活性ガスからなる気体の圧力が、前記配管内部の圧力よりも低く調整された状態にあることを特徴とする、継手部の漏洩検知システム。
  2. 前記流体が、気体の化学物質である、請求項1記載の継手部の漏洩検知システム。
  3. 複数箇所の前記継手部の前記排出管にバルブを配し、該バルブの開閉により、前記排出管から採取した気体を順次分析することを特徴とする請求項1記載の継手部の漏洩検知システム。
  4. 前記内周側のOリングは、前記配管内を流通する前記流体に対して浸透性を有しない材質からなることを特徴とする請求項記載の継手部の漏洩検知システム。
  5. 前記継手部は、前記各配管の端部に形成され配管本体から径方向に向かって延びるフランジと、対向して接合される前記フランジの一方側に形成され前記Oリングが個々に収容される2個のOリング溝と、前記2個のOリング溝の間に形成され前記ガス流通部を形成するガス流通溝と、前記フランジ内に形成され前記ガス流通溝と連通する導入孔と、前記フランジ内に形成され前記ガス流通溝と連通する排出孔とを有してなることを特徴とする請求項1記載の継手部の漏洩検知システム。
  6. 前記継手部が、化学プラント装置の継手部であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の継手部の漏洩検知システム。
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