JP5156933B2 - スフィンゴイド塩基又はその誘導体を生産する微生物株 - Google Patents

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Description

語「スフィンゴ脂質」は、スフィンゴシンのようなスフィンゴイド塩基に由来する一群の脂質をいう。スフィンゴ脂質は、動物、植物及び微生物の細胞膜において頻繁に生じる。
セラミドは、脂肪酸とのアミド結合における塩基(スフィンゴイド塩基)として、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はジヒドロスフィンゴシン(スフィンガニン)を含むスフィンゴ脂質の特定のグループである。セラミドは、角質層(皮膚の上層)の主な脂質成分である。スフィンゴ脂質、例えばセラミドを含む組成物の局所適用は、皮膚の障壁機能及び水分を保持する特性を改善する(Curratolo, 1987年, Pharm. Res. 第4巻, 第271-277頁; Kerscher等, 1991年, Eur. J. Dermatol. 第1巻, 第39-43頁)。その上、スフィンゴイド塩基それ自体は、プロテインキナーゼCの活性を阻害するとして幾つかの生理学的効果を仲介することが知られており、それ故にそれらの抗炎症性及び抗菌活性のために化粧品又は皮膚用組成物中に含まれている。
スフィンゴシンがヒトにおけるスフィンゴ脂質の主要なスフィンゴイド塩基成分であるので、食品、医薬及び化粧用用途のためにスフィンゴシン及びスフィンゴシン含有スフィンゴ脂質を生産することは相当に商業的な関心事である。
現在、スフィンゴシン(及びスフィンガニン)の化学合成のための幾つかの経路が開発されている。しかしながら、これらの分子中の2つの立体中心の存在のために、化学合成はラセミ混合物を生じ、その25%だけが天然に生じる立体化学配置を表わす。その上、これら分子内の3つの官能基の存在のために、広範囲な保護化学が適用されなければならない。その結果、化学合成によって生産されたスフィンゴシン及びスフィンガニンは非常に高価であり、食品及び化粧用の処方中へのその取り込みを許さない。天然の起源、例えば脳又は鶏卵から単離された純粋なスフィンゴシン及びスフィンガニンについて、これはまた真実である。動物起源から抽出された異種スフィンゴ脂質調製物がまた利用可能である。純粋な化合物より安いけれども、それらは組成的な異質性に悩み及びそれらが病原性剤を含みうるので潜在的に安全でない。
哺乳動物とは反対に、フィトスフィンゴシン(スフィンゴシンではない)が微生物におけるスフィンゴ脂質の主要なスフィンゴイド塩基成分である。通常、フィトスフィンゴシンは微生物中に蓄積しないが、初めからスフィンゴ脂質生合成経路の一部である。酵母 ピキア シフェリイ(Pichia ciferrii)(Wickerham and Stodola, 1960年, J. Bacteriol. 第80巻, 第484-491頁)は、むしろ高いレベルのスフィンゴイド塩基及びその誘導体を生産するが、主成分としてC18−フィトスフィンゴシンを有するフィトスフィンゴシン類及びそのアセチル化された誘導体をもっぱら生産することが示された。該生産レベルは、初めからスフィンゴ脂質生合成について必要であるよりもはるかにより高かった。このフィトスフィンゴシンは酵母から抽出され、そして例えばセラミドに化学的に転化されることができ、それによって純粋な化粧品成分を得る (例えば、国際公開第WO 93/20038号パンフレットを参照)。
国際公開第WO 00/01839号パンフレットは、古典的な突然変異によって得られるピキア シフェリイ株がスフィンゴイド塩基 フィトスフィンゴシンの高められた生産レベルを示すことを記載する。
しかしながら、純粋な化合物としてスフィンゴシン及びスフィンガニンの天然に生じる立体異性体を生産することの経済的に実現可能な方法が利用可能でなく、かつ非常に望まれる。
Barenholz等(1973年, Biochimica et Biophysica Acta 第306巻: 第341-345頁)は、ジヒドロスフィンゴシン(スフィンガニン)内に、微細な量の放射能でラベル付けされた人工基質のセルフリー抽出物による転化を記載する。しかしながら、第344頁に著者によって報告されているように(「この仕事はジヒドロスフィンゴシンの合成だけを測定し、一方高い生産者はほとんどアセチル化されたフィトスフィンゴシンを蓄積した。」)、全体の細胞はほぼ例外なくフィトスフィンゴシンを生産する。シリンゴマイシンE耐性変異体についてのスクリーニングを介して半数体性のサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞(Grilley等, 1998年, J Biol Chem 第273頁:第11062-11068頁)におけるSYR2遺伝子の機能を妨害することによってスフィンガニンを蓄積する酵母が記載されている。しかしながら、これら酵母はスフィンガニンの非常に低いレベルを生産し、それは効率的生産のために十分でない。
Bae等(2004年, Yeast, 第21巻 : 第437-443頁)は、C4-スフィンガニンヒドロキシラーゼを欠くサッカロミセス セレビシエ sur2 null変異体のスフィンガニン生成レベルを記載する。それはたった346 pmol/mgタンパク質であることが示され、それはおよそ10マイクログラム/gバイオマスに対応する。これは、商業的な工程のためにあまりにも低すぎる。
それ故に、C-18フィトスフィンゴシン以外のスフィンゴイド塩基、特にスフィンガニン及び/又はスフィンゴシンを生産することができるピキア シフェリイ(Pichia ciferrii)株を提供することが本発明の目的である。
それ故に、第1の観点では、本発明は、バイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式I
Figure 0005156933
(ここで、A-BはCH2-CH2及びCH=CHからなる群から選択され;
Rは、
a)(CH2)m-X-(CH2)n-CH3、ここでm及びn夫々は独立して0〜18であり、XはCH2-CH2、CH=CH、C≡C、CHOH-CH2、HC=O-CH2である、但しm+nは0〜18でなければならない、及び
b)(CH2)p-CH=CH-(CH2)q-CH=CH-(CH2)w-CH3、ここでp、q及びw夫々は独立して0〜16である、但しp+q+wは0〜16でなければならない、
からなる群から選択される)
に従うスフィンゴイド塩基、又はその塩若しくはエステルを生産するピキア シフェリイ(Pichia ciferrii)株を提供する。
好ましくは、本発明の酵母株は、バイオマス乾燥重量g当たり少なくとも1 mg、より好ましくはバイオマス乾燥重量g当たり10 mgの式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産する。それによって、当業者は、スフィンゴイド塩基生産性における上限がバイオマス乾燥重量g当たり約500 mgでありうることを理解するだろう。
スフィンゴイド塩基を生産する微生物株が下記条件下で培養される場合に、本発明の微生物株のスフィンゴイド塩基生産性が好ましくは測定される。微生物細胞は、500 mlの振とうフラスコにおいて100 ml YEPD培地中に寒天平板から接種され、そして72時間、30℃及び280 rpmでインキュベーションされる。引き続き、この培養物の1%が、100 ml LCBNB生産培地で満たされたバッフルを備える新しい500 ml振とうフラスコに移され、そして96時間、30℃及び280 rpmでインキュベーションされる。
スフィンゴイド塩基生産性は好都合なことに、HPLC又はMSによって測定される。
本発明の微生物株は好ましくは酵母株であり、より好ましくはピキア(Pichia)の株であり、最も好ましくはピキア シフェリイ(Pichia ciferrii)の株である。
他の実施態様では、式Iに従うスフィンゴイド塩基は、アシルエステルの形である。アシル基は、水酸基、すなわち「実際の」エステル結合を介して、及び/又はアミノ基、すなわちアミド結合を介して、スフィンゴイド塩基に結合されうる。好ましくは、アシル基は1〜4個の炭素原子の直短鎖アシル基であり、より好ましくはアセチル基である。
好ましい実施態様では、式Iに従うスフィンゴイド塩基は、式II
Figure 0005156933
(ここで、A-B及びRは、上に定義されている)に従うD-エリスロ-(2R,3S)-配置を有する。
また好ましくは、式I又はII(ここで、Rが(CH2)m-X-(CH2)n-CH3であり、より好ましくはmは0であり、XはCH2-CH2又はCHOH-CH2であり、最も好ましくはXはCH2-CH2であり、及びnは8〜12であり、最も好ましくはnは10である)に従う化合物である。特に好ましくは、式I又はII(ここで、A-BはCH2-CH2又はCH=CHであり、及びRは(CH2)12-CH3)に従う化合物である。
当業者は、微生物的に生産されたスフィンゴイド塩基が種々の鎖長、すなわち種々の長さのR基を有するスフィンゴイド塩基の混合物を構成しうることを理解するだろう。ほぼ等しい量の種々の鎖長を含む混合物がまたありうるけれども、ときどき、一つの鎖長が主に存在しうる。
第2の観点では、本発明は、第1の観点に従う微生物株の単離のための方法を提供する。
該方法は、適切な濃度の毒素の存在下で微生物細胞の集団をインキュベーションすること、前記毒素に対して耐性である細胞のサブ集団を選択すること、そしてバイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式Iのスフィンゴイド塩基を生産する細胞の毒素耐性サブ集団から細胞を単離することを含む。
本発明に従う方法では、微生物細胞の集団は毒素の適切な濃度の存在下でインキュベーションされ、そして前記毒素に対して耐性である細胞のサブ集団が単離される(選択される)。適用される毒素は微生物細胞の開始集団に有毒であるべきである。すなわち、該毒素の適切な濃度の存在下でインキュベーションされる場合に、該毒素は、該細胞が成長すること又は生き残ることができない効果を有するべきである。毒素の適切な濃度の存在下でインキュベーションすると、該毒素に対して耐性を示す、すなわち該毒素の存在下で成長しうる細胞のサブ集団が単離される。これら毒素耐性細胞のサブセットは、(例えば)式Iに従うスフィンゴイド塩基の改善された生産レベルを提供する1以上の変異体を得ていたかもしれない。
当業者がそのような選択のために適用しうる典型的な毒素は:シリンゴマイシンE(それは、スフィンガニンヒドロキシラーゼと作用すると毒性になる(Grilley等 (1998年), J, Biol. Chem. 第273巻, 第11062-11068頁))、それ故に、耐性細胞がスフィンガニンヒドロキシラーゼネガティブ変異体でありうる;スフィンガニン、フィトスフィンゴシン及びスフィンゴシンとして、アセチル化されていないスフィンゴイド塩基(それは、成長阻害剤として、又はアポトーシス誘発化合物として毒性である(Chung等 (2001年), J. Biol. Chem. 第276巻, 第35614-35621頁 ; Cheng等 (2003年), Mol. Cell. Biol. 第23巻, 第163-177頁)、耐性細胞は非感受性のスフィンゴイド塩基を過剰生産する細胞でありうる;フモニシン(それは、(ジヒドロ)セラミドシンターゼの阻害剤であり、耐性細胞は、スフィンゴイド塩基生合成経路を介する増加されたフラックス(flux)を有する細胞でありうる(Merill (2002年), J. Biol. Chem. 第277巻, 第25843-25846頁);AAL (Alternaria alternata)毒素(それは、スフィンゴイド塩基のアナログ体であり、耐性細胞は、変更されたレベル及び/又は変更された組成のスフィンゴイド塩基を生産する細胞でありうる(Abbas等 (1994年), Plant Physiol. 第106巻, 第1086-1093頁)。
毒素の適切な濃度は典型的に、本発明の方法に付される微生物細胞のために見つけられたほぼ最小発育阻止濃度(MIC値)である。MIC値は、使用される微生物細胞に依存するだろう。そして、MIC値は例えば2〜10μg/mlでありうる。細胞の毒素耐性サブ集団から、バイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産する微生物株が単離される。
驚いたことに、毒素耐性細胞の高いパーセントがバイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産することが見つけられた。
特に、毒素 シリンゴマイシンEの使用は高いレベルのスフィンガニンを生産するシリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ細胞を生じたことが驚いたことに見つけられた。これは驚くべきである。なぜならば、サッカロミセス セレビシエ(S. cerevisiae)のような半数体種について記載された方法(Grilley等, 上述)はまた、ピキア シフェリイのような二倍体種(特に、そのような二倍体種がさらにスフィンゴイド塩基に対して高いフラックスを有する場合に)について作用するだろうことはありそうにないことが考えられるからである(Wickerham and Burton, 1962年, Bacterid Rev. 第26巻:第382-397頁)。
二倍体種が毒素に対する抵抗性に基づき特異的な変異体を単離するために厄介である幾つかの例がある。例えば、Nosek等(2002年, Curr Genet, 第42巻:第27-35頁)は、二倍体酵母株 カンジダ パラプシロシス(Candida parapsilosis) SR23が毒素の存在下でインキュベーション前に変異原性処理に付されたけれども、二倍体酵母種カンジダ パラプシロシス(Candida parapsilosis) SR23の5-フルオロオロチン酸(5-FOA)抵抗性クローンが単離されることができないことを記載する。他の出版物 (Wellington and Rustchenko, 2005年, Yeast, 第22巻: 第57-70頁) では、二倍体酵母株 カンジダ アルビカンス(Candida albicans)の5-FOA耐性クローンの単離が報告される。しかしながら、これらのクローンは、ウラシルについて原栄養性のままである。従って、5-FOAに付すことによって、オロチジン-5'-フォスフェート・デカルボキシラーゼをコードするURA3遺伝子のターゲット化された不活性化(それは、二倍体種、例えばサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の臨床株において容易にありうる)が、二倍体酵母株においてありそうになりことが明らかだった。
スフィンガニンのようなスフィンゴイド塩基は、アポトーシスを誘発することについて知られている(Cheng等, 2003年, Mol Cell Biol, 第23巻: 第163-177頁)。ピキア シフェリイは明らかに、効率的なアセチル化、引き続きフィトスフィンゴシンの分泌を介してこの問題を回避した。しかしながら、細胞がフィトスフィンゴシンの代わりにスフィンガニンを蓄積することを駆動されうる場合に、どのようにそのような有機体が反応するかは予測不能である。
本発明の方法に付される微生物細胞の集団は、1つの特別の親株に由来する同一の細胞の集団でありうる。この様式では、典型的に自然な変異体が単離されうる。本発明の方法に付される微生物細胞の集団はまた、前記集団内に遺伝的変化(variation)を故意に導入するために突然変異処理に最初に付される細胞の集団でありうる。突然変異処理は典型的にいわゆる古典的な処理を含みうるだけでなく、DNAを媒介とした形質転換をも含みうる。
古典的な処理は、原形質融合及び/又はUV照射あるいは或る化学薬品での処理を含む。
1つの実施態様では、式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産する微生物細胞は、突然変異処理に付されるが突然変異処理前に毒素処理に付されない細胞の集団から単離される。この態様は特に、突然変異処理がDNAを媒介とした形質転換である場合に特に有用であり、より特にはスフィンゴ脂質代謝経路を設計する目的を有する場合に有用である。
他の実施態様では、突然変異処理は、毒素耐性細胞で、好ましくはバイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産する毒素耐性細胞で行われる。この態様はまた、突然変異処理がスフィンゴ脂質代謝経路を設計する目的を有するDNAを媒介した形質転換である場合に特に有用である。
スフィンゴ脂質代謝経路を設計することは、様々な様式で行われうる。例えば、代謝経路からの1以上の酵素の発現レベルを変更すること、すなわち増加させ又は減少させることによってである。それによって、発現レベルを減少させることは例えば、関心のある酵素をコードする遺伝子のターゲット化された不活性化によって達成されうる。追加的に又は代替的に、例えば変更された基質特異性又は特定の基質についてのより高いアフィニティを有する酵素を得るために、代謝経路の1以上の個々の酵素を変更することによってである。
スフィンゴ脂質代謝経路を設計することの1つの例は、特に本発明の更なる観点において提供されるように、ジヒドロセラミド・デサチュラーゼの発現レベルを増加させること、すなわちジヒドロセラミド・デサチュラーゼをコードする遺伝子を過剰発現することである。
スフィンゴ脂質代謝経路を設計することのもう1つの例は、スフィンゴイド塩基、例えばスフィンガニンがセラミド(特に、ジヒドロセラミド)の代わりにこの酵素の好ましい基質であり、スフィンガニンのスフィンゴシンへの直接のイン シチュー(in situ)転化を提供するような様式でのデサチュラーゼ酵素の基質範囲の変性である。
スフィンゴ脂質代謝経路を設計することの他の例は、スフィンゴイド塩基のアセチル化パターンの変更であり、スフィンゴイド塩基の鎖長組成及び/又はスフィンゴイド塩基の増加された又は減少された分泌の変更である。
変更されたアセチル化パターンを有するスフィンゴイド塩基は、親株と比べて式Iに従うスフィンゴイド塩基の多かれ少なかれアセチル化された形を生産する株が単離されるような様式で、修飾されたアセチル化活性及び/又は修飾された分泌活性を有する変異体株をスクリーニングし、そしてありうる富化によって得られうる。
本発明はさらに、分泌されたスフィンゴシンに向けてセラミドを介して細胞内のスフィンガニンからの増加されたフラックスが得られるような様式で、任意的にセラミダーゼ活性の修飾と組み合わせて、任意的にアセチル化酵素の修飾と組み合わせて、任意的に分泌機構の酵素の修飾と組み合わせて、ジヒドロセラミド・デサチュラーゼの活性の修飾を認識する。
本発明の1つの実施態様では、親株と比較して、式Iに従うスフィンゴイド塩基の改善された生産性及び/又は発現レベルにおける変化及び/又はスフィンゴ脂質代謝経路の酵素の細胞内局在化を示す微生物株が単離される。
それによって、スフィンゴイド塩基の改善された生産性は、親株と比較して生産性における増加及び/又は親株によって実質的に生産されないスフィンゴイド塩基の生産を含む。それによって、スフィンゴ脂質代謝経路の酵素の発現レベルにおける変化は、親株と比較して発現レベルにおける増加及び/又は親株において発現されていない酵素活性の発現を含む。
本発明の文脈において、親株は、式Iに従うスフィンゴイド塩基を実質的に生産しない株である。例えば、適切な親株は、特定の条件下で、バイオマス乾燥重量g当たり0.1 mgよりも低いレベルで式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産する株でありうる。親株はまた、式Iに従うスフィンゴイド塩基から除外される相当量のスフィンゴイド塩基を生産する株、例えば好ましくはピキア シフェリイ NRRL Y-1031 F-60-10及び/又は国際公開95/12683号パンフレットに記載されている何らかのピキア シフェリイ株(全て、主にC-18フィトスフィンゴシンを生産する)でありうる。
第3の観点では、本発明は、好ましくは酵母 ピキア シフェリイから得られうるジヒドロセラミド・デサチュラーゼ活性を有するポリペプチドを提供する。特に、ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ活性を有する本発明のポリペプチドは、SEQ ID No:1に従うアミノ酸配列を有し及び/又はSEQ ID No:1に最も好ましくは少なくとも90%のパーセンテージ同一性を有するアミノ酸配列を有する(相同性ポリペプチド)。相同性ポリペプチドは、他の微生物、特に酵母、菌から得られうる天然に生じる変形体(variant)であってよく、又は設計された変形体であってもよい。
大量のフィトスフィンゴシンを生産するが、スフィンゴシンを生産しないピキア シフェリイは、カンジダ アルビカンスからのジヒドロセラミド・デサチュラーゼに類似する配列を示すポリペプチドを含むことが驚くべきことに見つけられた。
当業者は、幾つかの種々のコンピュータープログラムが2つの配列間のパーセンテージ同一性を決定するために利用可能であるという事実に気づくだろう。例えば、2つのアミノ酸配列間のパーセンテージ同一性は、GCGソフトウェアパッケージにおけるGAPプログラム(http://www.gcg.comで入手可能)内に取り込まれたNeedieman and Wunsch (J. Mol. Biol. (第48巻): 第444-453頁 (1970年))アルゴリズムを使用して、Blossom 62基体又はPAM250 基体のいずれか並びに16, 14, 12, 10, 8, 6又は4のギャップ重さ及び1, 2, 3, 4, 5又は6の長さ重さを使用して決定される。当業者は、種々のアルゴリズムを使用した場合に、全てのこれら種々のパラメーターがわずかに異なる結果をもたらすだろうが、2つの配列の全パーセンテージ同一性は有意に変わらないことを認識するだろう。都合の良いことに、Blossom 62基体は、デフォルト設定で使用される(ギャップ重さは12であり、長さ重さは1である)。
本発明は、親株と比較して本発明のポリペプチドの増加した発現レベルを示す微生物細胞が式Iに従うスフィンゴイド塩基の増加した生産性を示すことを驚くべきことに示す。特に、式Iに従うスフィンゴイド塩基のうち、A-BはCH=CHであり及びRは(CH2)m-X-(CH2)n-CH3であり、より好ましくはmは0であり、XはCH2-CH2又はCHOH-CH2であり、及びnは8〜12の間であり、最も好ましくはnは10である。
第4の観点では、本発明は、第3の観点のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。好ましくは、該ポリヌクレオチドは、SEQ ID No:1のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。より好ましくは、SEQ ID No:1のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID No:2であり、又はSEQ ID NO:3中に含まれる。
特に、本発明は、SEQ ID No:2に従うヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下、好ましくは非常にストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション可能である第3の観点のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列又はそのサブ配列を含む相同性ポリペプチドに関する。
有利なことに、そのような相同性ポリヌクレオチドは、スフィンゴイド塩基を生産する微生物株から、特にスフィンゴイド塩基を生産する酵母株から、より特にピキア株から得られうる。
例えば、ハイブリダイゼーションプローブとして、SEQ ID No:2の核酸配列又はそのサブ配列を使用して、本発明に従う核酸分子は、標準のハイブリダイゼーション及びクローニング技術を使用して単離されうる(例えば、 Sambrook, J., Fritsh, E. F., and Maniatis, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd, ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, ニューヨーク州, 1989年に記載されている)。
本明細書において使用される場合、語「ハイブリダイゼーションすること」は、互いに少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約85%〜90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列が互いに典型的にハイブリダイゼーションされたままである条件であって、ハイブリダイゼーションそして洗浄するための条件を記載することを意図される。
そのようなハイブリダイゼーション条件の好ましい、制限されない例は、約45℃で6 X 塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でハイブリダイゼーションし、そして引き続き50 ℃で、好ましくは55℃で、好ましくは60℃で、さらにより好ましくは65℃で1 X SSC、0.1% SDSにおいて1回以上洗浄する。
非常にストリンジェントな条件は例えば、68℃で5 x SSC/5 x Denhardt溶液/1.0% SDS中でハイブリダイゼーションし、そして室温で0.2 x SSC/0.1% SDS中で洗浄することを含む。代替的に、洗浄は、42℃で行なわれうる。
当業者は、どの条件についてストリンジェントな及び非常にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を適用するかを知るだろう。そのような条件に関する追加的なガイダンスは例えばSambrook等, 1989年, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N. Y.; 及びAusubel等(編集), 1995年, Current Protocols in Molecular Biology, (John Wiley & Sons, N.Y.)において、従来技術で容易に利用可能である。
典型的なアプローチでは、選り抜きの有機体から構築されたcDNAライブラリは、SEQ ID No:2から得られるプローブを使用して、SEQ ID No:2に相同的であるポリヌクレオチドについてスクリーニングされうる。SEQ ID No:2に相同的な転写物を検出すると、cDNAライブラリは、当業者に周知である標準技術を利用して、適切な株から単離されたRNAから構築されうる。代替的に、トータルゲノムDNAライブラリがスクリーニングされうる。
相同的遺伝子配列がまた、例えば本明細書において教示されるヌクレオチド配列に基づいて設計された2つの(縮重)オリゴヌクレオチドプライマー・プールを使用してPCRを実行することによって単離されうる。反応のためのテンプレートは、既知の株から調製されるmRNAの逆転写によって得られる又は本発明に従うポリヌクレオチドを発現するように疑われる染色体DNA又はcDNAでありうる。PCR生産品は、増幅された配列が本発明に従う配列を示すことを保証するために、サブクローニングされ、そして配列決定されうる。その上、SEQ ID No:2の全て又は一部を包含する核酸分子が、SEQ ID No:2に含まれる配列情報に基づき設計された合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用してPCRによって単離されうる。
次に、該得られたPCRフラグメントは、様々な既知の方法によって完全長cDNAクローンを単離するために使用されうる。例えば、PCRフラグメントは、cDNAライブラリ又はゲノムライブラリーをスクリーニングするためにラベル付けされ、そして使用されうる。代替的に、逆PCR反応が、該得られたPCRフラグメントのDNA配列を使用して適用されうる。
相同性遺伝子配列がまた、変異誘発技術によって、好ましくはSEQ ID No:2に適用されることによって得られうる。適切な変異誘発技術は、ランダム変異誘発(例えば、エラープローンPCR)、部位特異的変異誘発及び/又は遺伝子シャッフリングを含む。例えば、変異誘発は、競合するヒドロキシラーゼ酵素よりもデサチュラーゼポリペプチド基質についてのより高いアフィニティを有する及び/又はより高い特定の酵素活性を有する及び/又は例えばスフィンゴイド塩基のアルキル鎖の長さの観点について、変更された基質特異性を有するデサチュラーゼポリペプチドを得るために使用されうる。
本発明はまた、クローニングベクター及び発現カセットを含む、第4の観点のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
本発明のポリヌクレオチドがそれに挿入されるところのベクターは、組み換えDNA手順に都合良く付されうる何らかのベクターでありうる。そして該ベクターの選択は、それが導入されるべきところの宿主細胞にしばしば依存するだろう。従って、該ベクターは、自律的に複製するベクター(その複製は、染色体複製に独立である)、すなわち余分な染色体エンティティとして存在するベクター、例えば複製の起源を通常備えられるプラスミド、コスミド、ウィルス、ファージベクターでありうる。代替的に、該ベクターは、宿主細胞内に導入されたときに、宿主細胞ゲノム内に統合されて、それが統合された染色体と一緒に複製されところのベクターでありうる。該ベクターは、環状(例えばプラスミド)、又は線状(例えば発現カセット)でありうる。
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、発現カセット内に挿入されうる。発現カセットでは、本発明の該ポリヌクレオチドは、宿主細胞によるそのコード配列からのポリペプチドの発現を提供することが可能である調節配列に動作可能にリンクされる。語「動作可能にリンクされる」は、記載される成分はそれらがそれらの意図された様式で機能することを可能にする関係である並置をいう。コード配列に「動作可能にリンクされる」調節配列、例えばプロモーター、エンハンサー又は他の発現調節シグナルは、そのコード配列からのポリペプチドの発現が、調節配列と互換性を有する条件下で達成されるような様式で配置される。
所与の宿主細胞についての発現カセットは、第1の観点のポリペプチドをコードする配列のコードストランドに関連して5'-末端から3'-末端への適切な順に互いに動作可能にリンクされる下記要素を含みうる:所与の宿主細胞におけるポリペプチドをコードするDNA配列の転写を指図することができるプロモーター配列;任意的に、所与の宿主細胞からのポリペプチドの培地内への分泌を指示することができるシグナル配列;任意的に、該ポリペプチドを或るサブ細胞コンパートメントに指示するためのターゲッティング配列、該ポリペプチドの成熟及び好ましくは活性型をコードするDNA配列;及びまた好ましくは、該ポリペプチドをコードするDNA配列の下流で転写を終了することができる転写終了領域(ターミネータ)。
本発明のポリペプチド(の自然に生じるプレデセサー)をコードする遺伝子に固有のプロモーターとは別に、他のプロモーターが、本発明のポリペプチドの発現を指示するために使用されうる。プロモーターは、所望の発現宿主において、本発明のポリペプチドの発現を指示する際にその効率について選択されうる。
発現カセット又はベクターがそれについて設計されるところの宿主細胞と互換性であるプロモーター/エンハンサー及び他の発現調節シグナルが選択されうる。好ましくは、プロモーター配列は、誘発可能な、又は高度に発現された遺伝子から得られる。本発明の文脈では、高度に発現された遺伝子は、例えば誘発された条件下で、そのmRNAがトータル細胞性mRNAの少なくとも0.01%(w/w)を占めることができるところの遺伝子であり、又は代替的にトータル細胞性タンパク質の少なくとも0.2%(w/w)を占めることができる若しくは分泌された遺伝子生成物の場合、少なくとも0.05 g/lのレベルに分泌されうる遺伝子であるところの遺伝子である。プロモーターが好ましくはそれから得られる及び/又は発現カセットの統合のために好ましい予め定義されたターゲット座に含まれるところの好ましい高度に発現された遺伝子の例は、解糖酵素、例えばトリオース-フォスフェート・イソメラーゼ(TPI)、グリセルアルデヒド-フォスフェート・デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、フォスフォグリセレート・キナーゼ(PGK)、ピルベート・キナーゼ(PYK)、アルコール・デヒドロキナーゼ(ADH)をコードする遺伝子、並びにβ-ガラクトシダーゼ、アルコール(メタノール)オキシダーゼ、伸長因子及びリボソームタンパク質をコードする遺伝子を含むがそれらに限定されない。適切な高度に発現された遺伝子の特別の例は、例えばクルイベロマイセス種(Kluyveromyces sp.)からのLAC4遺伝子、ハンセニュラ(Hansenula)及びピキアからのメタノールオキシダーゼ遺伝子(AOX及びMOX)、又はハンセニュラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)からの原形質膜H(+)-ATP-ase遺伝子(PMA1)を含む。追加の酵母プロモーターは、ラクターゼ又はピルベートデヒドロゲナーゼサブユニット1についての遺伝子から入手可能な強酵母プロモーター、又はスフィンゴ脂質生合成経路、例えばSYR2(スフィンガニン・ヒドロキシラーゼ)、LCB1(セリン・パルミトイル・トランスフェラーゼ・サブユニット1)、LCB2(セリン・パルミトイル・トランスフェラーゼ・サブユニット2)、TSC10(ケト-ジヒドロスフィンゴシン・リダクターゼ)、LAC1(セラミド・シンターゼ/スフィンガニン N アシルトランスフェラーゼ、CoA依存)、LAG1(セラミド・シンターゼ/スフィンガニン N アシルトランスフェラーゼ、CoA依存)、DES1(デサチュラーゼ)、YDH1(ジヒドロセラミダーゼ)、YPC1(フィトセラミダーゼ)、LCB4(スフィンゴイド脂質キナーゼ)、LCB5(スフィンゴイド脂質キナーゼ)からの遺伝子からのプロモーターを含む。
そこにポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の下流は、1以上の転写終了部位(例えばターミネータ)を含む3' 非翻訳領域でありうる。該ターミネータの起源は、それほど重要でない。該ターミネータは例えば、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に固有であり得る。しかしながら、好ましくは、酵母ターミネータが酵母宿主細胞において使用され、及び糸状菌ターミネータが糸状菌宿主細胞において使用される。より好ましくは、該ターミネータは、宿主細胞(その中で該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列が発現されるべきである)に内因性である。
該ベクターは、形質転換された細胞の選択を大多数の形質転換されていない細胞から可能にするために、1以上の選択可能なマーカー遺伝子を含みうる。
好ましい選択可能なマーカーは、宿主細胞における欠損を補足する又は薬剤に対する耐性を与えるものを含むがこれに制限されない。それらは例えば、酵母を含むほとんどの糸状菌の形質転換のために使用されうる多目的のマーカー遺伝子、例えばアセタミダーぜ(amdS)遺伝子若しくはcDNA、又はG418、ハイグロマイシンB、ブレオマイシン、ノウルセオトリシン(nourseothricin)、フレオマイシン、ゼオシン、ブラスチシジンS、オーレオバシジンA、ビアラホス又はシクロヘキサミドのような抗生物質に耐性を提供する遺伝子を含む。代替的に、対応する変異体宿主株を要求する栄養要求性マーカーのような特定の選択マーカーが使用されうる:例えば(サッカロミセス セレビシエからの)URA3(又は他の酵母からの類似遺伝子)、LEU2、HIS3又はTRP1。好ましい実施態様では、選択マーカーは、選択マーカー遺伝子のないポリペプチドを生成することができる形質転換された宿主細胞を得るために、発現構築物の導入後に該形質転換された宿主細胞から除去される。
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は好ましくは、発現ベクター又はカセットの一部として適切な宿主内に導入される。発現ベクター又はカセットを有する適切な宿主の形質転換のために、当業者に周知である形質転換手順が利用可能である。発現カセットは、選択可能なマーカーを運ぶベクターの一部として宿主の形質転換のために使用されことができ、又は発現カセットは、選択可能なマーカーを運ぶベクターと一緒に個別の分子として共に形質転換されうる。該ベクターは、1以上の選択可能なマーカー遺伝子を含みうる。
ほとんどの糸状菌及び酵母について、ベクター又は発現構築物は好ましくは、安定な形質転換体を得るために宿主細胞のゲノム内に統合される。しかしながら、或る酵母について、発現構築物が安定な且つ高いレベル発現のために取り込まれうる適切なエピゾーマルベクターがまた利用可能である。その例は、サッカロミセス(Saccharomyces)及びクルイベロミセス(Kluyveromyces)の2μ及びpKD1プラスミドから夫々得られるベクターを含む。発現構築物が宿主細胞のゲノム内に統合される場合に、該構築物は、ゲノムにおけるランダム座で又は相同的組み換えを使用して予め決定されたターゲット座でのいずれかで統合される。その場合、該ターゲット座は好ましくは、高度に発現された遺伝子を含む。適切な高度に発現された遺伝子の多くの例が、前に与えられている。好ましい統合ターゲット部位は、rRNA座(Bae等, 2003年)又はPDA1、ENO1、GAPDH、SYR2のプロモーター領域である。
更なる観点では、本発明のポリヌクレオチドを含む宿主細胞が提供される。該ポリヌクレオチドは、宿主細胞のゲノムに異種でありうる。この文脈において、語「異種である」は、ポリヌクレオチドが、組み換え形における宿主細胞のゲノム内で天然に生じないこと(ここでそれは宿主内に導入される)、又は宿主細胞が該ポリペプチドを天然に生産しないことを意味する。
適切な宿主細胞は、原核生物の微生物、例えば細菌、又は真核生物の有機体、例えば菌類、例えば酵母又は糸状菌である。好ましい宿主は、酵母である。
本発明のポリペプチドをコードするDNA配列の発現のための好ましい酵母宿主細胞は、属 サッカロミセス、クルイベロミセス、ハンセニュラ(Hansenula)、ピキア(Pichia)、ヤロウイア(Yarrowia)、カンジダ(Candida)、エレモセシウム(Eremothecium)である。より好ましくは、酵母宿主細胞は、種 サッカロミセス セレビシエ、クルイベロミセス ラクティス(Kluyveromyces lactis)、ハンセニュラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピキア パストリス(Pichia pastoris)、ピキア シフェリイ、ヤロウイア リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ アティリス(Candida utilis)、エレモセシウム ゴシッピィ(Eremothecium gossypii)から成る群から選択される。最も好ましくは、酵母 ピキア シフェリイである。
本発明の特に好ましい実施態様では、宿主細胞が、この発明において前に記載されたように毒素耐性細胞である。
従って、本発明の更なる観点は、本発明のポリヌクレオチド又はベクターで形質転換された又は本発明のポリヌクレオチド又はベクターを含む宿主細胞を提供する。好ましくは、該ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの複製のための及び/又は本発明のポリペプチドの発現のためのベクターにおいて運ばれる。該ベクターは、選り抜きの宿主細胞と互換性であるように選択されるだろう。宿主細胞が本発明において前に記載されたように毒素耐性細胞であるところの本発明の実施態様では、毒素耐性表現型は、形質転換事象前に又は後に得られうる。
本発明のポリヌクレオチドが組み換え複製可能なベクター内に組み入れられる場合、該ベクターは互換性の宿主細胞中でポリヌクレオチドを複製するために使用されうる。
従って、更なる観点では、本発明は、本発明に従うポリヌクレオチドを複製可能なベクター内に導入し、該ベクターを互換性のある宿主細胞内に導入し、そして該ベクターの複製をもたらす条件下で該宿主細胞を成長することによって本発明に従うポリヌクレオチドを生産する方法を提供する。本発明に従うポリヌクレオチドを含むベクターは、宿主細胞から回収されうる。適切な宿主細胞は、細菌、例えば大腸菌を含む。
更なる観点では、本発明は、本発明に従うポリペプチドの(ベクターによる)発現を提供するための条件下で宿主細胞(例えば上記された発現ベクターで形質転換された)宿主細胞を培養し、そして任意的に該発現されたポリペプチドを回収することによって本発明に従うポリペプチドを調製するための工程を提供する。好ましくは、該ポリペプチドは分泌されたタンパク質として生産され、その場合、発現構築物中のポリペプチドの成熟形をコードするポリヌクレオチド配列が、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に動作可能にリンクされる。
更なる観点では、本発明は、本発明の第1の観点に従う微生物細胞及び/又はスフィンゴ塩基及び必要であれば本発明に従うポリペプチドの発現を提供するための条件下で本発明の第4の観点に従うポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞を培養し、そして任意的にスフィンゴイド塩基を回収することによって、式Iのスフィンゴイド塩基を調製するための工程を提供する。
本発明に従う細胞は、従来技術で知られた手順を使用して培養されうる。プロモーター及び宿主細胞の各組合せについて、本発明のポリペプチドの発現を助長する培養条件が利用可能である。所望の細胞密度に達した後に、該培養が中止され、そして本発明のポリペプチド又はスフィンゴイド塩基が、既知の手順を使用して回収される。
発酵培地は、炭素源(例えば、グルコース、マルトース、モラセス)、窒素源(例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、有機窒素源、例えば酵母抽出物、麦芽抽出物、ペプトン)及び他の無機栄養素源(例えば、フォスフェート、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄など)を含む既知の培養培地を含みうる。任意的に、インデューサが含まれうる。
適切な培地の選択は、発現宿主の選択に基づくことができ、及び/又は発現構築物の調節要求に基づくことができ、及び/又は本発明に従うスフィンゴイド塩基の最適発現に関連付けられた要求に基づくことができる。そのような培地は、当業者に知られている。
該発酵は、0.5〜30日の期間に渡って行なわれうる。それは、適切には、0〜45℃の範囲における温度で及び例えば2〜10のpHで、バッチ、連続的な又は供給バッチ工程でありうる。好ましい発酵条件は、20〜37℃の範囲における温度及び/又は3〜9のpHである。適切な条件は、発現宿主及び発現されるべきタンパク質の選択に基づいて通常選択される。
発酵後に、必要ならば、該細胞は、遠心分離又は濾過によって、発酵ブロスから除去されうる。次に、本発明のポリペプチド及び/又はスフィンゴイド塩基が回収されることができ、望まれるならば、慣用の手段によって精製され且つ単離されうる。
本発明は、式Iに従うスフィンゴイド塩基の生産は完全に発酵により行われうることを有利に示す。特に、スフィンゴシンは発酵的に生産されうることが示される。代替的に、スフィンゴシンは、本発明に従い発酵的に生産されるスフィンガニンから化学的に、或いは上記された活性のスフィンガニン・デサチュラーゼポリペプチドを発現するように変性され、そして本発明に従い発酵的に生産されるスフィンガニンを与えられた適切な有機体を使用してのバイオトランスフォーメーションで、或いは安定に単離された及び任意的に処方された活性のスフィンガニン・デサチュラーゼ酵素を使用してのバイオ転化を適用し、そして本発明に従い発酵的に生産されるスフィンガニンを与えることによって、又は上記の任意の組み合わせによって生産されうる。
好都合なことに、本発明のスフィンゴイド塩基は、スフィンゴイド塩基組成物を生産するために適切な賦形剤と組み合わされる。
本発明のスフィンゴイド塩基は、他のスフィンゴイド塩基、すなわちセラミド、ガングリオサイド又はセレブロシドのようなスフィンゴ脂質を調製するための開始物質として使用されうる。
図面の説明
図1A及び図1Bは、ピキア シフェリイDES1座全体の単離を生じる3つの工程手順を概略的に記載する。PcDES1の内部部分の増幅(I.)に引き続き、逆PCRを2回(II.及びIII.)続けられた。個々の工程において使用されるオリゴヌクレオチドが示され、及び種々の濃淡における配列表現は、そのDNA配列が個々の工程において決定されたPcDES1座の部分を示す。実験手順に関連する制限部位がまた示される。
図2は、プラスミドpCR-PcDES1上のピキア シフェリイDES1座を図示する。矢印は、オープンリーディングフレームPcDES1(陰影付けされた矢印、ピキア シフェリイから得られた)、bla(アンピシリン耐性遺伝子)及びカナマイシン耐性遺伝子(陰影付けされた矢印、ベクター pCR(商標) 4-TOPO(商標)から得られた)の局在性及び配向性を示す。灰色の棒は、大腸菌(E. coli)の複製の起源の局在性を示す。クローニング及び制限分析に関連する制限部位がまた示される。
図3は、発酵ブロスのLC-UV分析後の典型的なクロマトグラフィープロットを示し、トリアセチル化されたスフィンガニン(TriASa)の存在を確認する。
図4は、シリンゴマイシンE耐性コロニーからの10個の安定な単離物によって生成されたスフィンゴイド塩基の組成を示す(TAPS=テトラアセチル化されたフィトスフィンゴシン;Sa=スフィンガニン;DiASa=ジアセチル化されたスフィンガニン;TriASa=トリアセチル化されたスフィンガニン)。
図5は、ピキア シフェリイにおけるDES1の相同性過剰発現のためのプラスミドpDB007を図示する。PcPDAIプロモーター(垂直に陰影付けされた)、PcDES1遺伝子(水平に陰影付けされた)、シクロヘキシミド耐性を介在する変性されたPcL41*遺伝子(黒)、内部PmeI認識部位を備えた5S-26S rDNA遺伝子間スペーサー(IS;格子)、アンピシリン耐性遺伝子(bla;明るい灰色)及び大腸菌の複製の起源(pUC ori;暗い灰色)が示される。クローニング手順に関連する制限部位がまた示される。
図6は、PcDES1過剰発現を有する及び有しないシリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体におけるスフィンゴシン-N-アシルエステルの定量を図示する。脂肪酸側鎖として、パルミチン酸(白)、ステアリン酸(垂直に陰影付けされた)、α-ヒドロキシステアリン酸(暗い灰色)、不飽和のリグノセリン酸(水平に陰影付けされた)、リグノセリン酸(明るい灰色)及びα-ヒドロキシセロチン酸を有するスフィンゴシン-N-アシルエステルの絶対濃度が、下記株について示される:対数増殖期(log;24時間インキュベーション)及び静止期(stat;96時間インキュベーション)におけるPcDES1過剰発現を有する(syrE pDBOO7)及び有していない(syrE)シリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体。
ピキア シフェリイ F-60-10A NRRL 1031 からのゲノムDNAの単離
ピキア シフェリイ F-60-10A NRRL 1031が、250 ml三角フラスコにおいて、50 ml YEPD培地(ペプトン 2% (w/v)、酵母抽出物 1% (w/v)及びグルコース 2% (w/v))中、200 rpm及び30℃で成長され、そして18時間後、1.5のOD600で収穫された。染色体DNAが、製造者の指示書に従い、PUREGENE(商標)DNA Purification Kit for Yeast and Gram-positive bacteria (Gentra Systems Inc., cat.# D-6000A)を使用して単離された。アガロースゲル電気泳動による単離されたDNAの質チェックは、その高い分子量(> 16 kbp)を示した。
ピキア シフェリイ DES1遺伝子の内部部分の増幅
最初に、子嚢菌類種からの推定のジヒドロセラミド Δ4 デサチュラーゼのアミノ酸配列が、テンプレートとしてカンジダ アルビカンス(Candida albicans) Des1p タンパク質 (GenBank acc.# EAL03178)でのTBLASTN検索を実行することによって、完成した及び未完成の真核細胞ゲノムのNCBIデータベース(www.ncbi.nlm.nih.gov/sutils/genom_table.cgi)から抽出された。このタンパク質は生化学的に特徴づけられ、且つセラミド Δ4 デサチュラーゼを示すことを証明された(Ternes等, The Journal of Biological Chemistry, 第277巻:第25512-25518頁, 2002年)。抽出された配列(全てのエントリーは、E-値 < 2 x 10-52を有する)が、ClustalWプログラム (www.ebi.ac.uk/clustalw)を使用して整列された。ピキア シフェリイ DES1遺伝子の内部部分についての適切なオリゴヌクレオチドは、高度にバイアスされたピキア シフェリイコドン使用を考慮して、Des1p配列内のアミノ酸の高度に保存されたストレッチ(stretches)をバック翻訳することによって得られた。次に、下記オリゴヌクレオチドが、MWG Biotech (エーバースベルク、ドイツ)によって合成された:
Figure 0005156933
これらオリゴヌクレオチドは、製造者の指示書に従い、Herculase(商標)Hotstart DNA ポリメラーゼ(Stratagene, cat.# 600312)と共に、Innis等 に従うPCR反応(PCR protocols. A guide to methods and applications, 1990年, Academic Press)を設定するために使用された。350 bpフラグメントが、この方法を適用することによって得られうる。該フラグメントは、製造者の指示書に従いQIAquick PCR Purification Kit (Qiagen, cat.# 28106)を使用して精製された。
ピキア シフェリイ DES1遺伝子の内部部分のDNA配列の決定
精製されたPCR生産品のDNA配列が、Sanger等 (Proceedings of the National Academy of Sciences, U.S.A., 第74巻:第5463-5467頁)によって開発されたジデオキシ・チェーン・ターミネーション法を使用して決定された。シーケンシングプライマーとして、実施例1においてPCR増幅のために使用されたそれが使用された。DNA配列決定が、Sequiserve (Vaterstetten、ドイツ)によって行われた。生成された配列情報(341 bp、SEQ ID NO:3におけるnt 1336-1676に対応する; 図1A)は、Clone Manager 7 software (Scientific & Educational Software)及びNCBIの重複を除いたタンパク質データベース(non-redundant protein database)(www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)と共に、BLASTP検索のためのテンプレートとして使用された該生じたアミノ酸配列を使用して、タンパク質に翻訳された。該検索は、新しい配列に最も類似しているデータベースにおけるタンパク質として、カンジダ アルビカンス Des1p (NCBI acc.# EAL03178)の同定をもたらし、事実ピキア シフェリイ DES1 orthologの一部が増幅されたことを確認した。
ピキア シフェリイ DES1遺伝子全体の増幅及びそのDNA配列の決定
(配列、プロモーター領域及び3'-非翻訳領域をコードする)ピキア シフェリイ DES1遺伝子全体を決定するために、 逆PCRアプローチが続けられた。ピキア シフェリイ F-60-10A NRRL1031からの染色体DNA(300 ng)(実施例1に記載されたようにして単離された)が、100μlの総容量において、製造者の指示書に従いNdel (MBI Fermentas, cat.# ER0581) で一晩消化された。該消化されたDNAは、製造者の指示書に従いQIAquick PCR Purification Kit(Qiagen, cat.# 28106)を使用して精製された。溶出されたDNA(50μl)が、1 UのT4 DNAリガーゼと共に200μlの総容量において、製造者の指示書に従いRapid DNA Ligation Kit (Roche Diagnostics, cat.# 1635379)を使用して一晩のライゲーションに付された。該ライゲーションされたDNAは、製造者の指示書に従いMinElute Gel Extraction Kit(Qiagen, cat.# 28604)を使用して精製された。1μlの溶出物が、Innis等に従う逆PCR反応(PCRprotocols. A guide to methods and applications, 1990年, Academic Press)のためのテンプレートとして使用された。このために、ピキア シフェリイ DES1遺伝子(実施例3を参照)の既に知られている部分に対してターゲットされた2つのオリゴヌクレオチドが適用された:
Figure 0005156933
増幅は、製造者の指示書に従いHerculase(商標) Hotstart DNAポリメラーゼで行われた。この手順を使用して、1.6 kbp PCR生産品が得られることができた。該フラグメントは、製造者の指示書に従いQIAquick PCR Purification Kitを使用して精製された。このフラグメントのDNA配列が、シーケンシングプライマーとして、オリゴヌクレオチドdes1-IP-fw、des1-IP-rv及び
Figure 0005156933
を使用して、実施例3に記載されたように決定された。新しく得られた配列情報は、SEQ ID NO:3におけるnt 1-1681をカバーし、及びテンプレートDNAのNdeI消化の故に期待されていたように2つのNdeI部位によって挟まれている。3' NdeI部位が実施例3において得られたDNA配列の下流に直接に配置されているように(図1B)、実施例3において得られたDNA配列の下流の新しい配列情報は得られなかった。ピキア シフェリイDES1遺伝子のコード領域の3'-末端及びその3'-非翻訳領域のDNA配列を得るために、逆PCRの他の回が行なわれなければならなかった。それ故に、上記実験プロトコルが繰り返された。但し、SspI (New England Biolabs, cat.# R0132S)がピキア シフェリイ染色体DNAを消化するために使用され、そしてMWG Biotech (エーバースベルク、ドイツ)によって合成された下記オリゴヌクレオチドが逆PCRの間に用いられたことを除く:
Figure 0005156933
この手順を使用して、1.2 kbp PCR生産品が得られることができた。該フラグメントは、製造者の指示書に従いQIAquickPCR Purification Kitを使用して精製された。このフラグメントのDNA配列が、シーケンシングプライマーとして、オリゴヌクレオチドdes1-IP-fw及び des1-RP-BamHIを使用して、実施例3に記載されたように決定された。852 bpの新しい配列情報 (SEQ ID NO:3におけるnt 1682-2534)が得られることができ、それは3' NdeI部位の下流の次のSspI制限部位に伸長する(図1B)。該記載された3つの工程手順を使用して、ピキア シフェリイ DES1座の合計2534 bpが単離されることができ、及びそのDNA配列が決定されることができた(SEQ ID NO:3及び図1を参照)。
図2において記載されているようにピキア シフェリイ DES1座は、長さにおいて351個のアミノ酸のPcDes1pタンパク質をコードする(SEQ ID No:1)。PcDes1pは、カンジダ アルビカンス(GenBank acc.# EAL03178)及びシゾサッカロミセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe) (GenBank acc.# O59715)からのDes1pタンパク質に、62%(76%)及び53%(70%)の位置アミノ酸同一性(類似性)を夫々有する。カンジダ アルビカンスからの及びシゾサッカロミセス ポンベからのDes1pタンパク質が生化学的に特徴付けされ、及びイン ビボ(in vivo)でジヒドロセラミド Δ4 デサチュラーゼ活性を示すことを示された。PcDes1pは、脂質デサチュラーゼ/ヒドロキシラーゼについて典型的なアミノ酸配列モチーフを含む(Sperling & Heinz, Biochimica and Biophysica Acta, 2003年, 第1632巻:第1-15頁):HXXHH(aa 149-153)及びHXXHH(aa 291-295)。その上、PcDes1pは、3つの膜貫通セグメント(aa 87-109, 171-193及び205-227; TMHMM ツール(www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)によって予測された)をかくまうように、そしそのC-末端側でジリシルモチーフを示すように予想され、おそらく小胞体リテンション・シグナルとして役立つ(Andersson等, 1999年, The Journal of Biological Chemistry, 第274巻:第15080-4頁)。バイオインフォマティック分析は、PcDES1がピキア シフェリイ・ジヒドロセラミド Δ4 デサチュラーゼをコードすることを強く示す。
シリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体の単離
高スフィンガニンを生産するピキア シフェリイ株を単離するために、下記手順が続けられた。最初に、ストレプトマイセス シリンゲ(Streptomyces syringae)によって生産された毒性化合物 シリンゴマイシンE(Gross DC, 1985年, Regulation of syringomycin synthesis in Pseudomonas syringae pv. syringae and defined conditions for its production. J Appl Bacteriol. 第58巻:第167-174頁)についてのピキア シフェリイ株の固有の感受性が、種々の濃度のシリンゴマイシンEを寒天プレートに添加することによって決定された。3.5 mgのシリンゴマイシンE(J. Takemoto, Utah State Universityから入手された)の貯蔵液が、それを1.0 mlの0.001 N HClに溶かすことによって調製された。pHは安定性のために7以下に維持され、且つ-20℃で保存された。ピキア シフェリイ株についての最小発育阻止濃度(=MIC値)が、0.1〜20μg/ml の種々の濃度のシリンゴマイシンEを含むYEPDプレート(1リットル当たり: 酵母抽出物、10 g; Pepton、2O g;グルコース、20 g; 寒天、20 g)を使用することによって決定された。シリンゴマイシンEの種々の濃度を有する各プレート上に、100μlの新たに成長した培養物(OD600 nm =0.4)が置かれ、そして5日間、30℃でインキュベーションされた。
株に依存して、コロニーは、2〜10μg/mlのシリンゴマイシンEを有するプレート上で現れなかった。これは、MIC値が2〜10μg/mlであることを意味する。
シリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変形体を単離するために、YEPDにおける10μg/mlを有する選択プレートが選択された。なぜならば、この濃度は標準のピキア シフェリイ株に致死的であることが示され且つこれらのプレート上で生存するだろう株は「耐性株」として指名されうるからである。より低い濃度が使用される場合、これは非耐性コロニーのバックグラウンド成長をもたらし、真の耐性変異体の単離を妨げる。シリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変形体を単離するために、米国特許US6204006 号公報(De Boer L and Van der Wildt IFC, Microbial strains producing sphingolipid bases)に記載されているように、ピキア シフェリイのフィトスフィンゴシンを生産する株が、OD600 nm =1.0まで液体YEPD培養中で予め成長され、そして異なる一部が10μg/mlシリンゴマイシンEプレート上にプレートアウトされ、そして5日間、30℃でインキュベーションされた。これらプレート上での自然発生的シリンゴマイシンE耐性単離体として現れる25個のコロニーが、標準YEPDプレートに移され、それは所謂マスタープレートとして役立ちうる。これらYEPDプレート上の選択的でない成長後に、全ての単離物が、10μg/ml又は15μg/mlのいずれかのシリンゴマイシンEを有するYEPDプレート上で再試験された。10μg/ml及びさらに15μg/ml シリンゴマイシンE上で成長することができた主要な単離物のうちの10個が、真の「耐性」単離物として指名された。これら10個の単離物は、標準のYEPDプレート上でコロニー精製され、そして後の用途のために保存された。
シリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体によるスフィンガニンの振とうフラスコ生産
実施例5において記載されたようにして単離されたピキア シフェリイ・シリンゴマイシンE変異体によるスフィンゴイド塩基生産を評価するために、全ての10個の真の耐性単離物の前培養物が、30℃、1分当たり280回転で、3日間、25 ml YEPD (100 ml三角フラスコ中、バッフルなし)中に接種された。引き続き、前培養物の1%が、100 ml LCBNB (500 ml三角フラスコ中、バッフルあり)を接種するために使用され、そして30℃、1分当たり280回転で、4日間成長された。
Figure 0005156933
Figure 0005156933
アセチル化されたスフィンゴイド塩基(例えば、フィトスフィンゴシン、スフィンゴシン及びスフィンガニンのような長鎖塩基)の決定のために、2.5グラムの総培養ブロスが、25ml 容量フラスコに移された。次に、2.5 mlの純水及び12 ml アセトンが加えられた。該フラスコは脂質を抽出するために10分間混合され、その後25 mlまでアセトンで満たされた。該溶液の2 mlが、10,000 rpmで、10分間、遠心分離された。10μlがカラム上に注入された。該サンプルは、2695 HPLCシステム Waters及びGL Scienceからのカラム(Inertsil ODS-80A, 4.6 x 250 mm)を使用して分析された。移動相は、アセトニトリル中、0.05% TFAから成った。流速は、200 nmでのUV検出を備えた1ml/分だった。使用された条件は:
Figure 0005156933
であった。
対照として、商業的に入手可能なLCBがアセチル化され、そして使用された。トリアセチル化されたスフィンガニン(TriASaと示される)が、培養ブロスにおいて検出されることができた(図3)。選択されたシリンゴマイシンE耐性変異体によって生産されることを見つけられた(アセチル化された)スフィンガニンの典型的な濃度は、バイオマス乾燥重量g当たり10〜100 mgである。
LC-MSによるスフィンガニンの同定
アセチル化されたスフィンガニンの存在を確認するために、LC-MSが使用された。標準のスフィンガニン及びフィトスフィンゴシン(対照として)が、アセチル化する試薬でアセチル化された。40 mgの4-ジメチルアミノピリジン、0.6 mlの酢酸無水物及び0.2 mlのトリエチルアミンを含むアセチル化する試薬が、10 mlのエタノールフリークロロホルム中に溶解された。0.8mlのスフィンゴイド塩基溶液に、0.2 mlのアセチル化する試薬が加えられた。室温で20〜25分の反応時間後に、5μlが注入された。スフィンガニンのトリアセチル化された形(TriASa)が検出されることができた。
Figure 0005156933
Figure 0005156933
Figure 0005156933
ピキア シフェリイによって生産されたスフィンガニン変形体の鎖長
単離された株は、Sa及び/又は実施例6及び7に示されているようなそのアセチル化された形を生産し、そして分泌することができる。LCBの鎖長は、脂肪酸合成の効率に依存して変わりうる。発酵ブロスから得られたスフィンガニン(Sa)及びそのアセチル化された形の鎖長が、LC-MSで決定された。Sa及びその誘導体は、C18の最適の鎖長を主に存在する。
Figure 0005156933
Figure 0005156933
ピキア シフェリイによって生産されたスフィンガニン変形体の組成
単離された株は、Sa及び/又はそのアセチル化された形を生産し、そして分泌することができる。アセチル化の程度は0〜3まで変化することができ:
・スフィンガニン(Sa)
・モノアセチルスフィンガニン(NASa)
・ジアセチルスフィンガニン(DiASa)
・トリアセチルスフィンガニン(TriASa)
を夫々生じる。
典型的な発酵ブロスから得られたスフィンガニン(Sa)及びそのアセチル化された形の相対的組成が、LC-MSで決定された。該サンプルは、完全にアセチル化されたTriASaの50%から成る。第2の主なフラクションはDiASaであり、及びマイナーな成分はフリーのSaである。
Figure 0005156933
安定なスフィンガニン生産ピキア シフェリイ変異体の単離
ピキア シフェリイが二倍体種であり、シリンゴマイシンEへの耐性を生じる変異が安定であることができなかった。安定なスフィンガニン生産ピキア シフェリイ株を単離するために。下記手順を続けられる。選択されたシリンゴマイシンE耐性コロニーが、良好な成長を誘発するために非選択的なYEPD寒天上でコロニー精製された。引き続き、2つの異なる主要なシリンゴマイシンE耐性コロニーのうちの10個の単離物が、実施例6に記載されるように、振とうフラスコ中で試験された。
該単離物は、生産されたスフィンゴイド塩基の種々のスペクトルを示し、テトラアセチル化されたフィトスフィンゴシンをなお生産する細胞株を含む(図4を参照;SYR2 1-2H)。この方法を使用して、安定な且つ排他的にスフィンガニン生産細胞株を単離することが可能である。
ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子を過剰発現するシリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ株の構築
ピキア シフェリイ・ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子を過剰発現するシリンゴマイシンE耐性変異体を構築するために、我々は、選択マーカー、ピキア シフェリイの染色体DNA内への線形化されたベクターの相同的統合のために使用されるDNA配列を含む統合的なDES1発現ベクターを最初に構築した。
リボソームDNA遺伝子間スペーサーが、染色体の統合部位として選択された。リボソームDNA遺伝子間スペーサーの挿入及びそのまさに統合部位内に独自のPmeI認識配列の生成のために、5S-26S rDNA遺伝子間スペーサー(IS)の2つのフラグメント(Bae等, Integrative transformation system for the metabolic engineering of the sphingoid base-producing yeast Pichia ciferrii. 2003年. Applied and Environmental Microbiology; 米国特許第6,638,735号明細書)が、テンプレートとしてピキア シフェリイ F-60-10A NRRL 1031の染色体DNAの200 ng及び下記オリゴヌクレオチド:
Figure 0005156933
Figure 0005156933
と一緒に、Innis等に従うPCR(PCR protocols. A guide to methods and applications, 1990年, Academic Press)によって増幅された。
得られたPCRフラグメント(夫々、503及び519 bp)は、製造者の指示書に従いQIAquick PCR精製キットを使用して精製された。引き続き、フラグメント1及び2の融合物が、テンプレートとしてピキア シフェリイ5S-26S rDNA遺伝子間スペーサーの5'及び3'部分を表し、下記オリゴヌクレオチド:
Figure 0005156933
を備えた2つのPCR生成物の夫々の10 ngと一緒に、Innis等に従うPCR (PCR protocols. A guide to methods and applications, 1990年, Academic Press)を設定することによって得られた。
生じた1 kbp PCRフラグメントは、両端でNdeI認識配列及び該フラグメントの中央においてPmeI認識配列を含んだ。該フラグメントは、製造者の指示書に従いQIAquick PCR精製キットを使用して精製された。PCR生産品及びベクターpAG25 (Goldstein等, Three new dominant gene disruption cassettes for gene disruption in Saccharomyces cerevisiae, 1999年, Yeast)は、(制限エンドヌクレアーゼの製造者: New England Biolabs, シュヴァルバッハ、ドイツの指示書に従い)NdeIで切断された。ライゲーションは、ベクターpTH-IS2-PmeIを生成するために行なわれた。挿入物の配向性及び確実性が、DNA配列決定によって決定された。化学的にコンピテントな大腸菌細胞のライゲーション、調製及び形質転換が、当業者に知られている方法によって行なわれた。
DES1過剰発現カセットの構築物のために、ピキア シフェリイからのDES1遺伝子が、ピキア シフェリイのピルベート・デヒドロゲナーゼ・サブユニットA遺伝子(PDA1)のプロモーター領域の制御下でもたらされた。第1に、PcDES1が、下記オリゴヌクレオチド:
Figure 0005156933
と一緒に、Innis等に従うPCR(PCR protocols. A guide to methods and applications, 1990年, Academic Press)のためのテンプレートとして、ピキア シフェリイ F-60-10A NRRL 1031の染色体DNAの200 ngを使用して増幅された。
従って、ピキア シフェリイのピルベート・デヒドロゲナーゼ・サブユニットA遺伝子(PDA1)のプロモーター領域は、下記オリゴヌクレオチド:
Figure 0005156933
を用いて増幅された。
得られたPCRフラグメント(夫々、687 bp及び1596 bp)は、製造者の指示書に従いQIAquick PCR精製キットを使用して精製された。引き続き、PDA1プロモーター領域及びDES1遺伝子の融合物が、テンプレートとしてピキア シフェリイDES1遺伝子及びピキア シフェリイPDA1プロモーター領域を表す2つのPCR生成物の10 ng並びに下記オリゴヌクレオチド:
Figure 0005156933
と一緒に、Innis等に従うPCR(PCR protocols. A guide to methods and applications, 1990, Academic Press)を設定することによって得られた。
この手順を使用して、2.2 kbp PCR生産品が得られることができた。該フラグメントは、製造者の指示書に従いQIAquick PCR精製キットを使用して精製された。次に、該PCR生産品は、(該制限エンドヌクレアーゼの製造者: New England Biolabs, シュヴァルバッハ、ドイツ、の指示書に従い)制限エンドヌクレアーゼPstIでの消化に付され、そしてPstI カット・ベクター pTH-IS2-PmeI(上記を参照)内にライゲーションされて、pTH-DES1-IS2-PmeIを与えた。該挿入物の配向性及び確実性が、DNA配列決定によって決定された。化学的にコンピテントな大腸菌細胞のライゲーション、調製及び形質転換が、当業者に知られている方法によって行われた。
選択可能なマーカーとして、リボソームタンパク質L41をコードするピキア シフェリイ遺伝子に基づく耐性カセットを与えるシクロヘキシミド耐性が構築された(Bae等, Integrative transformation system for the metabolic engineering of the sphingoid base-producing yeast Pichia ciferrii. 2003年. Applied and Environmental Microbiology; 米国特許第6,638,735号明細書)。リボソームタンパク質L41をコードするピキア シフェリイ遺伝子の2つのフラグメントが、テンプレートとしてピキア シフェリイ F-60-10A NRRL 1031のゲノムDNA及び下記オリゴヌクレオチド:
Figure 0005156933
[オリゴヌクレオチドPcL41-internal-fwの5'末端に相補的であり、点変異(CからA;太字)を挿入し、ピキア シフェリイからのL41タンパク質のアミノ酸残基56を置換し(プロリンからグルタミン)、シクロヘキシミド耐性をもたらす(Bae等, Integrative transformation system for the metabolic engineering of the sphingoid base-producing yeast Pichia ciferrii. 2003年. Applied and Environmental Microbiology; 米国特許第6,638,735号明細書)](SEQ ID NO: 24)
Figure 0005156933
[オリゴヌクレオチドPcL41-internal-rvに相補的な5'末端での49 bp配列を含み、点変異(CからAに;太字)を挿入し、ピキア シフェリイからのL41タンパク質におけるアミノ酸残基56を置換し(プロリンからグルタミン)、シクロヘキシミド耐性をもたらす)(Bae等, Integrative transformation system for the metabolic engineering of the sphingoid base-producing yeast Pichia ciferrii. 2003年. Applied and Environmental Microbiology; 米国特許第6,638,735号明細書)](SEQ ID NO: 25)
Figure 0005156933
を使用して、変性されたL41*遺伝子を得るために、Innis等に従うPCR(PCR protocols. A guide to methods and applications, 1990年, Academic Press)によって増幅された。
得られたPCRフラグメント(夫々、1222 bp及び753 bp)は、製造者の指示書に従いQIAquick PCR精製キットを使用して精製された。引き続き、変性されたL41*遺伝子を示し、シクロヘキシミド耐性を介在する2つのフラグメントの融合物が、オリゴヌクレオチド:
Figure 0005156933
を備えた2つのPCR生成物の夫々の10 ngを用いてPCRを設定することによって得られた。
生じた1.9 kbp PCRフラグメントは、製造者の指示書に従いQIAquick PCR精製キットを使用して精製された。次に、PCR生産品は、(該制限エンドヌクレアーゼの製造者: New England Biolabs, シュヴァルバッハ、ドイツ、の指示書に従い)制限エンドヌクレアーゼSall及びSacIでの消化に付され、そして夫々pTH-DES1-IS2-PmeI(上記を参照)内にライゲーションされて、ベクターpDB007を生成した(図4参照)。該挿入物の配向性及び確実性が、DNA配列決定によって決定された。化学的にコンピテントな大腸菌細胞のライゲーション、調製及び形質転換が、当業者に知られている方法によって行われた。
ベクターpDB007は、(該制限エンドヌクレアーゼの製造者: New England Biolabs, シュヴァルバッハ、ドイツ、の指示書に従い)PmeIで線形にされ、次に製造者の指示書に従いQIAquick PCR精製キットを使用して精製された。
ピキア シフェリイ F-60-10A NRRL 1031細胞の形質転換が、最近記載されたように行われた(Bae等, Integrative transformation system for the metabolic engineering of the sphingoid base-producing yeast Pichia ciferrii. 2003年. Appl Environ Microbiol.; 米国特許第6,638,735号明細書)。
シリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ(実施例5に記載された)が、600 nmでの光学濃度の1〜1.5までYEPD培地において成長された。該細胞は遠心分離によって収穫され、そして 25 mM ジチオスレイトールが使用前に添加された50 mMリン酸バッファー(pH 7.5)の0.1培養容量中に再懸濁された。15分間、37℃でのインキュベーション後、該細胞は、冷たい安定溶液 [270 mM スクロース、10 mM Tris-HCI (pH 7.5)、1 mM MgCl2]の1培地容量で2回洗浄され、そして安定溶液の0.01培地容量中に再懸濁された。5μlの線形化されたベクターpDB007(1.6μg DNAを含む)が、50μlの細胞とともに混合され、そして10分間、氷上でインキュベーションされた。次に、形質転換混合物は、2 mmのエレクトロポレーション・キュベットに移された。エレクトロポレーションは、製造者の指示書に従い、500V、50μF及び700Ωで、GenePulser Xcell(Bio-Rad Laboratories,ミュンヘン、ドイツ)で行なわれた。エレクトロポレーション後、該細胞は、500 μlの安定溶液中に再懸濁され、そして2ml YPD培地を含む培養チューブに移された。30℃で一晩の細胞の再生後、再生培養物の一部が、1ml当たり0.5μgのシクロヘキシミドを有するYPDプレート上に置かれた。30℃でのインキュベーションの7日間後に、数十のコロニーが現われた。
ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子発現カセットの存在の検証
コロニーPCRが、ピキア シフェリイのピルベート・デヒドロゲナーゼ・サブユニットA遺伝子(PDA1)のプロモーター領域の制御下で、ピキア シフェリイのジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子(DES1)を運ぶプラスミドpDB007を備えるシリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体の形質転換を確認するために行なわれた。
そのために、実施例10からのシクロヘキシミド耐性コロニーの細胞が、PDA1プロモーター領域に結合する一つのオリゴヌクレオチド(PDA1-DES1-fw)及びDES1遺伝子における他のオリゴヌクレオチド(PDA1-DES1-rv):
Figure 0005156933
を使用して、PCRにおけるテンプレートとして直接的に使用され、PDA1プロモーターの制御下で、DES1遺伝子を運ぶ形質転換体中における402 bpフラグメントのみを生じる。
ピキア シフェリイPDA1プロモーターとピキア シフェリイDES1との間の融合物の存在が、試験された全てのシクロヘキシミド耐性コロニーにおいてPCRによって確認されることができた。
ピキア シフェリイ・ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子を過剰発現するシリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体によるスフィンゴシン-N-アシルエステルの振とうフラスコ生産
ピキア シフェリイ・ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子を過剰発現するシリンゴマイシンE耐性変異体によるスフィンゴシン-N-アシルエステルの増加された生産について試験するために、ベクターpDB007 (ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子発現ベクター)を運ぶシリンゴマイシンE耐性変異体及びシリンゴマイシンE耐性親株の1つのクローンが、シリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体によるスフィンガニンの振とうフラスコ生産についての実施例6に記載されたようにスフィンゴシン-N-アシルエステルの振とうフラスコ生産のために培養された(ただし、1 ml培地あたり2μgのシクロヘキシミドが、ベクターpDB007を運ぶシリンゴマイシンE耐性変異体の場合に添加されたことを除く)。サンプルが、24時間(対数増殖期)及び4日(静止期)後に取られた。
10 mlの総発酵ブロスが10 mlの遠心分離チューブに移され、5.300 x g、4℃で、10分間遠心分離され、そして該ペレットは、10 mg/ml Glucanex (Sigma-Aldrich, Taufkirchen,ドイツ)を含む1 mlの0.9%(w/v) 塩化ナトリウム中に再懸濁された。該細胞懸濁液は、室温で1時間インキュベーションされ、引き続き該細胞懸濁液は、間欠性冷却を用い10秒間3回Soniprep MSEを使用して超音波処理された。該細胞懸濁液は、5.300 x gで10分間遠心分離され、そして上清中のタンパク質濃度が、参照としてウシ血清アルブミンを使用して、Smith等に従うBCA分析(Measurement of protein using bicinchoninic acid. Anal Biochem. 1985年10月; 第150(1)巻:第76-85頁)を使用して決定された。300μgのタンパク質を含む800μlの上清に、3 mlのクロロホルム/メタノール混合物(1:2比)が添加された。1つの相を与えるために激しい混合をした後、該サンプルは1時間室温で維持された。次に、該相は、1 mlのクロロホルム及び1 mlの蒸留水の添加によって分離された。激しい混合をした後、該サンプルは15分間、室温で、13.000 x gで遠心分離された。より低い脂質を含むクロロホルム相が分離され、そして真空遠心分離(Christ Vakuumzentrifuge, Christ AG, Osterode)によって蒸発された。
ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子を過剰発現するシリンゴマイシンE耐性ピキア シフェリイ変異体におけるESI-MS/MSによるスフィンゴシン-N-アシルエステルの数値化及び特徴付け
実施例12において記載されたようにして調製された細胞抽出物中のスフィンゴシン-N-アシル濃度が、エレクトロスプレイ・イオン化タンデム質量分析(ESI-MS/MS)を使用して決定された。
Figure 0005156933
Figure 0005156933
その方法論を使用して、ピキア シフェリイ・ジヒドロセラミド・デサチュラーゼ遺伝子を過剰発現するシリンゴマイシンE耐性変異体が、対応する親株の少なくとも2倍量のスフィンゴシン-N-アシルエステルを生産することが見つけられることができた(図5)。アシル残基がα-ヒドロキシステアリン酸及びセロチン酸をほぼ例外なく示すことが決定された。N-α-ヒドロキシ-ステアロイル-スフィンゴシンが1 mg 細胞性タンパク質あたり163 ngで存在し、N-α-ヒドロキシ-ステアロイル-スフィンゴシンは、1 mg 細胞性タンパク質あたり392 ngで存在した。要するに、1 mgタンパク質あたり、少なくとも550 ngのスフィンゴシン-N-アシルエステルが見つけられた。総細胞乾燥重量におけるタンパク質の割合が、1 g細胞乾燥重量当たり520 mg タンパク質を用いて決定されたので、スフィンゴシン-N-アシルエステルの総量は、1 g細胞乾燥重量当たり0.29 mgだった。
SEQ ID No.1
Figure 0005156933
Figure 0005156933
Figure 0005156933
SEQ ID No.2
Figure 0005156933
SEQ ID No.3
Figure 0005156933
Figure 0005156933
ピキア シフェリイDES1座全体の単離を生じる3つの工程手順の概略図である。 ピキア シフェリイDES1座全体の単離を生じる3つの工程手順の概略図である。 プラスミドpCR-PcDES1上のピキア シフェリイDES1座の図である。 発酵ブロスのLC-UV分析後の典型的なクロマトグラフィープロットを示す。 スフィンゴイド塩基の組成を示すチャートである。 ピキア シフェリイにおけるDES1の相同性過剰発現についてのプラスミドpDB007の図である。 スフィンゴシン-N-アシルエステルの定量の図である。

Claims (15)

  1. バイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式I
    Figure 0005156933
    (ここで、A-BはCH 2 -CH 2 及びCH=CHからなる群から選択され;
    Rは、
    a)(CH 2 ) m -X-(CH 2 ) n -CH 3 、ここでm及びn夫々は独立して0〜18であり、XはCH 2 -CH 2 、CH=CH、C≡C、CHOH-CH 2 、HC=O-CH 2 である、但しm+nは0〜18でなければならない、及び
    b)(CH 2 ) p -CH=CH-(CH 2 ) q -CH=CH-(CH 2 ) w -CH 3 、ここでp、q及びw夫々は独立して0〜16である、但しp+q+wは0〜16でなければならない、
    からなる群から選択される)
    に従うスフィンゴイド塩基、又はその塩若しくはエステルを生産するピキア シフェリイ(Pichia ciferrii)株を得るための方法であって、
    適切な濃度の毒素シリンゴマイシンEの存在下でピキア シフェリイ細胞の集団をインキュベーションすること、前記毒素に対して耐性である細胞のサブ集団を選択すること、そしてバイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式Iのスフィンゴイド塩基を生産する細胞の毒素耐性サブ集団から細胞を単離することを含む、前記方法。
  2. バイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式Iのスフィンゴイド塩基を生産する毒素耐性ピキア シフェリイ細胞の集団を、スフィンゴ脂質代謝経路の酵素をコードするポリヌクレオチドでのDNA介在形質転換に付すことをさらに含み、スフィンゴ脂質代謝経路の該酵素が、
    a. SEQ ID No:1に従うアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    b. SEQ ID No:1に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド
    からなる群から選択されるジヒドロセラミド・デサチュラーゼである、
    請求項に記載の方法。
  3. 毒素と一緒にインキュベーションする前に、ピキア シフェリイ細胞の集団を、スフィンゴ脂質代謝経路の酵素をコードするポリヌクレオチドでのDNA介在形質転換に付すことを含み、スフィンゴ脂質代謝経路の該酵素が、
    a. SEQ ID No:1に従うアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    b. SEQ ID No:1に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド
    からなる群から選択されるジヒドロセラミド・デサチュラーゼである、
    請求項に記載の方法。
  4. スフィンゴイド塩基がD-エリスロ-(2R,3S)-配置を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法
  5. Rが(CH 2 ) m -X-(CH 2 ) n -CH 3 である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. mが0であり、XがCH 2 -CH 2 又はCHOH-CH 2 であり、及びnが8〜12である、請求項5に記載の方法。
  7. mが0であり、XがCH 2 -CH 2 であり、及びnが8〜12である、請求項5に記載の方法。
  8. 該ジヒドロセラミド・デサチュラーゼが、ピキア シフェリイから得られるものである、請求項2又は3に記載の方法。
  9. a. SEQ ID No:1に従うアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    b. SEQ ID No:1に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド
    からなる群から選択されるジヒドロセラミド・デサチュラーゼ活性を有するポリペプチド。
  10. 請求項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  11. SEQ ID No:2である請求項10に記載のポリヌクレオチド。
  12. 請求項10又は11のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
  13. バイオマス乾燥重量g当たり少なくとも0.1 mgの式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産する形質転換されたピキア シフェリイ株であって、請求項2又は3に記載の方法によって得られるピキア シフェリイ株。
  14. 式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産するための方法であって、スフィンゴイド塩基の生産を助長する条件下で請求項13に記載のピキア シフェリイ株を発酵すること、そして発酵ブロスからスフィンゴイド塩基を回収することを含む、方法。
  15. 式Iに従うスフィンゴイド塩基を生産するための方法であって、請求項1の方法に従いピキア シフェリイ株を得ること、該ピキア シフェリイ株を該スフィンゴイド塩基の生産を助長する条件下で発酵すること、そして発酵ブロスからスフィンゴイド塩基を回収することを含む、前記方法。
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