<第1の実施形態>
本発明における警報器の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、図1は、本実施形態の警報器の内部構成を示すブロック図である。又、図2は、図1に示す警報器の動作を示すタイミングチャートである。
警報器1は、図1に示すように、煙量を測定する煙量検出部11と、煙量検出部11で測定された煙量に基づいて予備警報の報知の要否を判定する第1判定部12と、煙量検出部11で測定された煙量に基づいて本警報の報知の要否を判定する第2判定部13と、第1及び第2判定部12,13のそれぞれで参照する閾値Th1,Th2を記憶するメモリ部14と、第1及び第2判定部12,13それぞれの判定結果によって報知部の動作を制御する制御部15と、時間の測定を行うタイマ部16と、警報を発報する発音体17と、警報内容を表示する表示部18とを備える。
このように構成される警報器1において、煙量検出部11は、図9に示す警報器100と同様、外部から煙が流入される煙室を備えた煙検出用筐体101内に設置された受光素子PDと発光素子LDによって構成される。そして、煙量検出用筐体101内に流入した煙に対して発光素子LDから光を照射し、この煙により発生した散乱光を受光素子PDが受光したときの受光量を煙量とする。受光素子PDが、この煙量に相当する受光量を電気信号に変換して、第1及び第2判定部12,13のそれぞれに出力する。
そして、第1判定部12は、煙量検出部11で測定された煙量に応じた電気信号が与えられると、この電気信号に基づく煙出力(煙量)を閾値Th1と比較し、閾値Th1以上の予備警報域に到達したか否かが確認される。又、第2判定部13は、煙量検出部11でからの電気信号に基づく煙出力(煙量)を、閾値Th1より高い値となる閾値Th2と比較し、閾値Th2以上の本警報域に到達したか否かが確認される。
この第1及び第2判定部12,13はそれぞれ、その判定結果を制御部15に出力する。そして、制御部15により、測定される煙量に応じて第1及び第2判定部12,13のいずれか一方が駆動するように制御されるものとしてもよいし、第1及び第2判定部12,13の両方が常に駆動するように制御されるものとしてもよい。尚、後述の第1及び第2判定部12,13の判定動作の詳細においては、煙量検出部11の煙出力に応じて第1及び第2判定部12,13のいずれか一方が駆動するように、制御部15が第1及び第2判定部12,13を制御するものとする。この場合、第1及び第2判定部12,13の両方を常に動作させる必要がないため、警報器1本体における低消費電力が低減される。
制御部15は、第1及び第2判定部12,13の動作を制御するだけでなく、報知部として構成する発音体17及び表示部18による報知動作や、タイマ部16による時間の計測動作についても制御する。又、煙量検出部11に対しても、その一部である発光素子LDを所定タイミングで発光させるように、制御部15が制御するものとしてもよい。この制御部15は、第1判定部12から予備警報域に煙出力が到達したことを示す判定結果を受けたとき、発音体17による予備警報の発報又は表示部17による予備警報となる表示がなされる。
そして、報知部が予備警報による報知動作を行った後、制御部15は、第2判定部13からの判定結果を確認する。このとき、第2判定部13より本警報域に煙出力が到達したことを示す判定結果を受けたとき、発音体17による本警報の発報又は表示部17による本警報となる表示がなされる。一方、第2判定部13により予備警報が誤報である可能性が高いことを示す判定結果を受けたとき、発音体17による誤報可能性を示すための発報又は表示部17による誤報可能性を示す表示がなされる。
報知部では、予備警報、本警報、及び誤報可能性のそれぞれを示す複数種類の異なる報知動作がなされる。この報知部の一部となる発音体17は、ブザー音により発報を行う圧電ブザーで構成してもよいし、警報内容や異常内容を音声として再生出力するスピーカで構成してもよい。又、同じく報知部の一部となる表示部18は、点滅や点灯を行うLED(Light Emitted Diode)によって構成してもよいし、警報内容や異常内容を表示できる液晶ディスプレイによって構成してもよい。更に、発音体17及び表示部18だけでなく、警報器1本体に振動を与えるバイブレーションモータなどを報知部の一部として備え、警報器1本体の振動により報知動作を行うものとしてもよい。
このように動作する警報器1における第1及び第2判定部12,13の判定動作と、この第1及び第2判定部12,13の判定動作に基づく各報知動作について、図2のタイミングチャートを参照して以下に説明する。尚、図2(a)は、予備警報の報知後に本警報を報知するときの煙出力(煙量)の変遷を示すタイミングチャートであり、図2(b)は、予備警報の報知後に誤報可能性を報知するときの煙出力の変遷を示すタイミングチャートである。
まず、第1及び第2判定部12,13の判定動作について説明する。本実施形態では、煙量検出部11での測定結果となる煙出力が、予備警報域を判定するための閾値Th1よりも低いときは、制御部15によって第1判定部12だけが動作する。即ち、煙出力が予備警報域に到達していない場合は、煙量検出部11からの電気信号による値とメモリ部14から読み出した閾値Th1との比較のみが有効となるため、第2判定部13の動作を停止できる。そして、第1判定部12において、煙量検出部11で測定された煙出力が閾値Th1以上となり予備警報域に到達したことが確認されると、第1判定部12から予備警報域に到達ことを示す判定結果が制御部15に与えられる。これにより、制御部15は、第1判定部12による判定動作を停止させるとともに、第2判定部13による判定動作を開始させる。このとき、制御部15により発音体17及び表示部18が制御され、予備警報の報知動作がなされる。
そして、この予備警報の報知動作が成されるとともに第2判定部13の判定動作が開始されるとき、同時に、制御部15によりタイマ部16での時間計測が開始される。これにより、第2判定部13の判定が開始された時から時間が所定時間TAとなったことを、タイマ部16による計測時間より確認できる。又、第2判定部13では、本警報域を判定するための閾値Th2をメモリ部14より読み出し、煙量検出部11で測定された煙出力が閾値Th2以上となり本警報域に到達したか否かが確認される。そして、制御部15は、タイマ部16による計測時間によって所定時間TAが経過したことを確認するまでに、第2判定部13から本警報域に到達したことを示す判定結果が通知されたか否かに基づいて、本警報の報知又は誤報可能性の報知を決定し、報知部による報知動作がなされる。
このように第1及び第2判定部12,13による判定動作がなされるとき、図2(a)のように煙出力が変遷することで、時刻T1において、報知部による予備警報の報知がなされた後、時刻T2において、報知部による本警報の報知がなされる。即ち、上述したように、まずは、判定結果となる電気信号が、煙量検出部11から第1判定部13に所定のタイミング毎に送出され、メモリ部14に記憶された閾値Th1と比較される。そして、時刻T1において、煙量検出部11からの電気信号に基づく煙出力が閾値Th1以上となったことを第1判定部12が確認すると、予備警報域に到達したこと示す判定結果を制御部15に与える。
これにより、制御部15は、発音体17に予備警報を発報させる、又は、表示部17による予備警報の表示させることにより、報知部が予備警報の報知動作を行う。このとき、発音体17によって予備警報が発報される場合、火災の発生可能性を示唆する音声や、本警報よりも音量の小さいブザー音や、本警報と音声パターン(例えば、音声出力の間欠時間が本警報よりも長いなど)の異なるブザー音などが出力される。又、表示部17によって予備警報が表示される場合、火災の発生可能性を示唆する画像や、本警報と異なる色の点灯又は点滅や、本警報と異なるパターンによる表示(例えば、本警報が点灯で予備警報が点滅など)などによる表示がなされる。更に、バイブレーションモータなどによって警報器1本体を振動させることで、予備警報を報知させるものとしてもよい。
このようにして、報知部による予備警報がなされると、上述したように、同時に、制御部15は、第2判定部13による判定動作を開始させるとともに、タイマ部16による時間の測定動作を開始させる。このとき、測定結果となる電気信号が、煙量検出部11から第2判定部13に所定のタイミング毎に送出され、メモリ部14に記憶された閾値Th2と比較される。尚、警報器1の低消費電力化を図るために、この第2判定部13へ電気信号を送信するための煙量検出部11による測定タイミングが、第1判定部12へ電気信号を送信するための煙量検出部11による測定タイミングより短くなるものとしてもよい。
そして、タイマ部16により測定される時間が所定時間TAとなる前の時刻T2(T2<T1+TA)において、煙量検出部11からの電気信号に基づく煙出力が閾値Th2以上となったことを第2判定部12が確認すると、本警報域に到達したこと示す判定結果を制御部15に与える。よって、制御部15では、予備警報の報知から所定時間TAが経過するまでに煙出力が本警報域に到達したこと確認するため、本警報の報知動作を行うことを決定し、報知部による本警報の報知動作を制御する。これにより、制御部15は、発音体17に本警報を発報させる、又は、表示部17による本警報の表示させることにより、報知部が本警報の報知動作を行う。このとき、本警報は、上記の予備警報と異なり、発音体17や表示部18によりなされる出力は、緊急性の高い態様によるものとされる。
一方、図2(b)のように煙出力が変遷することで、時刻T1において、報知部による予備警報の報知がなされた後、時刻T1から時間TAが経過した時刻T3(=T1+TA)において、報知部による誤報可能性の報知がなされる。この場合も、本警報による報知動作を行う図2(a)のような煙出力がなされた場合と同様、まずは、煙量検出部11からの電気信号が第1判定部13に与えられて、閾値Th1との比較により予備警報域への到達が判定される。そして、時刻T1において、予備警報域に到達したこと示す判定結果が第1判定部12から制御部15に与えられると、制御部15により、上述の報知部による予備警報の報知動作が制御されると同時に、第2判定部13とタイマ部16による各動作が開始される。
このように、時刻T1に第2判定部13による判定動作が開始された後、図2(b)のように、煙量検出部11からの電気信号より得られる煙出力が閾値Th2を超えない場合は、制御部15が第2判定部13からの判定結果を受けることがない。そのため、図2(b)のような煙出力となる場合、制御部15は、タイマ部16による計測時間が所定時間TAとなるまでに、第2判定部13から本警報域に到達したことを示す判定結果を受けることがない。
これにより、時刻T3において、制御部15は、時刻T1での予備警報が誤報である可能性が高いことを示す通知(誤報可能性の報知)を行う旨を決定し、制御部15により報知部が制御されることで、誤報可能性の報知動作がなされる。このとき、発音体17により誤報であることを示す音声が出力されるものとしてもよいし、表示部18により誤報であることを示す表示がなされるものとしてもよい。又、本警報や予備警報と異なる音声パターンによるブザー音が発音体17より出力されることで、予備警報の誤報可能性を報知できるものとしてもよいし、本警報や予備警報と異なる色や表示パターンにより表示部18が表示を行うことで、予備警報の誤報可能性を報知できるものとしてもよい。
このように、本実施形態によると、火災発生の可能性がある早期段階において予備警報が報知される構成であるため、火災発生を確定する本警報の報知より前に注意を喚起できる。又、誤報可能性をも判定して通知できる構成であるため、予備警報が報知された後において、報知された予備警報が誤報であったことを家人に確認させることができ、予備警報が誤報であった場合の行動を未然に防止できる。
<第2の実施形態>
本発明における第2の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。図3は、本実施形態における警報器による誤報通知時の煙出力の時間的な遷移を示すタイミングチャートである。尚、本実施形態の警報器の構成は、第1の実施形態と同様、図1に示す構成となるので、以下では、本実施形態の警報器による警報又は誤報可能性の報知動作について詳細に説明する。
本実施形態の警報器1は、第1の実施形態と異なり、第2判定部13は、煙量検出部11からの電気信号による煙出力が閾値Th2以上となったことを確認すると、その後に与えられる煙検出部11からの電気信号による煙出力の変化をも確認する。そして、第2判定部13では、煙出力が閾値Th2以上となった後の煙出力の時間的な遷移パターンに基づいて、本警報域へ到達したか否かの判定を行い、その判定結果を制御部15に通知する。
尚、第1判定部12による予備警報域に対する判定動作、及び、第1判定部12による判定結果に基づく予備警報の報知動作については、第1の実施形態と同様である。即ち、第1判定部12による判定結果を受けた制御部15は、発音体17及び表示部18などによる予備警報の報知動作を制御すると同時に、第2判定部13とタイマ部16の動作も開始させる。このとき、タイマ部16により所定時間TAの経過が確認されるまでの間に、第1の実施形態と同様、第2判定部13から煙出力が閾値Th2を超えた旨の通知が制御部15に成されない場合は、予備警報に誤報可能性がある旨の判定がなされ、発音体17及び表示部18などによる誤報可能性の報知動作が行われる。以下では、予備警報の報知動作後における第2判定部13による判定動作に基づく本警報及び誤報可能性の報知動作の詳細について、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
まず、第2判定部13における判定動作について説明する。本実施形態の警報器1においても、制御部15より指令が与えられて第2判定部13が動作を開始すると、第2判定部13は、メモリ部14に記憶される閾値Th2を読み出して、煙量検出部11からの電気信号による煙出力と比較する。そして、第2判定部13が、煙量検出部11により測定された煙出力が閾値Th2以上となったことを確認すると、まず、閾値Th2以上の煙出力が得られたことを示す通知(仮通知)を制御部15に対して行う。
第2判定部13は、上述の仮通知を行った後も、煙量検出部11から与えられる電気信号により煙出力の値を確認する。そして、第2判定部13は、その煙出力の値について、閾値Th2近傍の値(Th2+ΔTh)をも十分に超えた値となったか否かを判定すると同時に、閾値Th2を中心とした範囲(Th2±ΔTh)内で変化しているか否かを判定する。このとき、煙量検出部11からの電気信号により確認された煙出力の値が、閾値Th2近傍の値(Th2+ΔTh)に対して十分大きな値となったことを確認したとき、本警報域に到達したことを示す判定結果を制御部15に通知する。又、煙出力が閾値Th2を中心とした範囲(Th2±ΔTh)内で変化しているとき、第2判定部13は、閾値Th2近傍値である判定結果を制御部15に通知する。
一方、第2判定部13の判定結果を受ける制御部15は、第2判定部13より仮通知を受け、煙出力が閾値Th2以上となったことを確認すると、タイマ部16による時間計測を再び開始させる。このタイマ部16により計測された時間に基づいて、制御部15は、煙出力が閾値Th2以上となってから所定時間TBが経過したか否かを認識する。これにより、制御部15は、図2(a)のタイミングチャートのように、煙出力の変化が大きい場合は、煙出力が閾値Th2となってから所定時間TBが経過するまでに、煙出力が値Th2+ΔThを十分に超える。よって、図2(a)のタイミングチャートのように煙出力が遷移する場合は、制御部15は、時刻T2において煙出力が閾値Th2を超えた仮通知を第2判定部13より受けた後、所定時間TBが経過する前に、本警報域に到達したことを示す判定結果を第2判定部13から受ける。よって、このとき、発音体17及び表示部18により、本警報となる報知動作がなされる。
又、制御部15は、煙出力が閾値Th2となってから所定時間TBが経過するまで、煙出力が閾値Th2近傍の値(Th2±ΔTh)で変化することを示す判定結果を、第2判定部13より継続して受けたとき、予備警報の誤報可能性が高い旨の判定を行う。即ち、煙出力が図3のタイミングチャートのように遷移する場合、予備警報を報知した時刻T1から所定時間TAが経過するまでの時刻T4において、制御部15は、第2判定部13より、煙出力が閾値Th2を超えたことを示す仮通知を受ける。
その後、制御部15は、仮通知を受けてから所定時間TBの経過をタイマ部16による計測時間より確認するとともに、第2判定部13は、煙量検出部11から測定結果となる電気信号を受けるたびに、その判定結果を制御部15に通知する。尚、仮通知後における第2判定部13による判定結果の通知については、図2(a)のように煙出力が遷移する場合も同様に、煙検出部11の測定タイミング毎になされるものしてもよい。そして、制御部15は、所定時間TBが経過した時刻T5(=T4+TB)までに第2判定部13から受けた判定結果により、煙出力が閾値Th2近傍の値(Th2±ΔTh)での変化を維持するものであることを確認すると、誤報可能性が高い旨の判定を行う。
これにより、制御部15は、報知部を構成する発音体17や表示部18を駆動させて、誤報可能性を報知させることで、時刻T1で報知した予備警報について誤報可能性が高いことを外部に通知させる。尚、煙量検出部11を構成する煙室内への異物の混入といった異常の発生により、このように煙出力が閾値Th2近傍の値(Th2±ΔTh)で継続して変化する場合がある。よって、図3のタイミングチャートのように煙出力が遷移する場合における誤報可能性を報知する場合、煙室内への異物の混入による異常などを示唆する内容による音声や表示を行うものとしてもよい。
尚、本実施形態において、予備警報を報知してからの所定時間TAと、仮通知の通知からの所定時間TBとの関係については、火災発生を確実に報知できるタイミングに基づいて、その時間が決定される。よって、火災発生時の煙出力の変化率が大きいことが通常である場合は、所定時間TBが所定時間TAに比べて短い時間であるものとしてもよいし、火災発生時の煙出力の変化率が緩やかで有る場合も確実に検出する場合は、所定時間TBが所定時間TAに比べて長い時間であるものとしてもよい。
<第3の実施形態>
本発明における第3の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。図4は、本実施形態における警報器による誤報通知時の煙出力の時間的な遷移を示すタイミングチャートである。尚、本実施形態の警報器の構成は、第1の実施形態と同様、図1に示す構成となるので、以下では、本実施形態の警報器による警報又は誤報可能性の報知動作について詳細に説明する。
本実施形態の警報器1は、第1の実施形態と異なり、第1判定部12が、煙量検出部11からの電気信号による煙出力が閾値Th1以上となったことを確認した後、その後に与えられる煙検出部11からの電気信号による煙出力の変化を確認する。このとき、第2判定部13から本警報域への到達を示す通知がなく、予備警報の誤報可能性が報知された場合であっても、第1判定部12では、閾値Th1到達後の煙出力の変化パターンに基づいて、誤報可能性の報知以降の予備警報が誤報であるか否かを判定する。
尚、第1判定部12による予備警報域に対する判定動作と報知部による予備警報の報知動作、及び、第2判定部13による本警報域に対する判定動作と報知部による本警報の報知動作については、第1の実施形態と同様である。即ち、煙出力が閾値Th1となったことを示す判定結果を第1判定部12より受けた制御部15は、発音体17及び表示部18などによる予備警報の報知動作を制御すると同時に、第2判定部13とタイマ部16の動作も開始させる。その後、タイマ部16により所定時間TAの経過が確認されるまでの間に、制御部15は、煙出力が閾値Th2となったことを示す判定結果を第2判定部13より受けたとき、発音体17及び表示部18などによる本警報の報知動作を制御する。
一方、タイマ部16により所定時間TAの経過が確認されるまでの間に、第1の実施形態と同様、第2判定部13から煙出力が閾値Th2を超えた旨の通知が制御部15に成されない場合は、予備警報に誤報可能性がある旨の判定がなされ、発音体17及び表示部18などによる誤報可能性の報知動作が行われる。又、本実施形態では、予備警報の報知を行った後、第1の実施形態と異なり、第1判定部12による判定動作は継続されて、閾値Th2より小さい値となる煙出力の時間的な遷移パターンが確認される。
この第1判定部12により確認される煙出力の時間的な遷移パターンにより、予備警報に関する誤報可能性の報知を行った後に、閾値Th1を超えた場合にも誤報可能性が高いか否かを判定できる。以下では、予備警報の報知動作後における第1判定部12による判定動作に基づく予備警報に関する誤報可能性の報知動作の詳細について、図4のタイミングチャートを参照して説明する。
上述したように、第1の実施形態と同様、時刻T1において、煙出力が閾値Th1をこえると、第1判定部12より、煙出力が予備警報域に到達したことを示す判定結果が、制御部15に通知される。これにより、発音体17及び表示部18による予備警報の報知がなされると同時に、第2判定部13による判定動作とタイマ部16による時間の計測動作とが開始される。このとき、第1の実施形態と異なり、第1判定部12についても動作が継続して行われ、煙量検出部11からの電気信号による煙出力の値が確認される。
このように第2判定部13による判定動作が開始された後、制御部15は、タイマ部16により測定された時間に基づいて、所定時間TAの経過を確認する。このとき、所定時間TAが経過した時刻T3までに、制御部15は、煙出力が閾値Th2以上となり本警報域に到達したことを示す判定結果を、第2判定部13より受けなかった場合、予備警報が誤報の可能性が高い旨の判定を行う。即ち、第1の実施形態と同様、所定時間TAの間に煙出力が閾値Th2を超えなかった場合、発音体17及び表示部18による誤報可能性の報知がなされる。
よって、煙出力が図4に示すタイミングチャートのように遷移する場合においても、時刻T1から時刻T3までの所定時間TAの間に、煙出力が大きく変動しているが、煙出力が閾値Th2を超えることがないため、報知部による誤報可能性の報知動作が行われる。その後、第1の実施形態と同様、制御部15は、第2判定部13による判定動作を停止させる。このとき、第1判定部12は、時刻T1における予備警報の報知動作から時刻T3における誤報可能性の報知動作までの期間(所定時間TAとなる期間)に確認された煙出力の時間的な遷移パターンにより、煙出力の増減が激しく変化しているか否かを判定する。この煙出力の増減が激しく変化しているか否かの判断については、例えば、メモリ部14に基準となる変化パターンを記憶し、その変化パターンとの差分により行われるものとしてもよい。
そして、時刻T3において誤報可能性の報知を行ったとき、第1判定部12により、煙出力の増減が激しく変化していたか否かが判定され、この判定結果を制御部15が確認する。このとき、図4のタイミングチャートのように煙出力が遷移している場合、制御部15は、第1判定部12より、煙出力の増減が激しく変化していた旨の判定結果をうける。よって、制御部15により、タイマ部16による時間の計測動作が、その後も継続して行われるとともに、第1判定部12においては、煙量検出部11からの電気信号による煙出力が引き続き確認される。
そして、タイマ部16により計測された時間を制御部15が確認し、所定時間TC(TC>TA)が経過するまでに、第1判定部12は、煙量検出部11から電気信号を受けるたびに、その電気信号に基づく煙出力の変動に関する判定結果を制御部15に通知する。このとき、所定時間TCが経過するまでに、第1判定部12により、煙出力の変動が納まったことを示す判定結果が通知された場合は、第1判定部12による煙出力と閾値Th1との比較動作を復帰させる。よって、この場合、第1判定部12は、再び、煙量検出部11からの電気信号による煙出力が予備警報域に到達したか否かの判定を行う。即ち、時刻T3以降において、煙出力が閾値Th1以上となったとき、再び、報知部による予備警報の報知動作がなされる。
一方、図4のタイミングチャートのように煙出力の変動が激しいままであり、所定時間TCが経過するまで、第1判定部12から制御部15に通知される判定結果は、常に、煙出力の変動が激しいことを示す。この場合、時刻T1から所定時間TCが経過した時刻T6(=T1+TC)において、制御部15は、煙量検出部11を含む煙量の測定部品に異常などが発生している可能性がある旨の判定を行う。そして、報知部を構成する発音体17及び表示部18により、予備警報に関する誤報が異常の発生による可能性を示唆する旨の報知が行われる。よって、予備警報が装置本体の故障に基づく誤報である場合に、予備警報の誤報可能性を報知した後に、再び、予備警報域となる煙出力となったときにおいても、予備警報による誤報がなされることを防止できる。
尚、本実施形態において、誤報可能性を検出するための所定時間TAに対して、装置の異常の発生を検出するための所定時間TCが長いものとして説明したが、この所定時間TA,TCが同じ長さとなる時間に設定してもよい。又、所定時間TCが所定時間TAより短い時間として、予備警報を報知した後に、煙出力の変動が激しい場合には早い段階に誤報である旨を通知するものとしてもよい。更に、第2の実施形態における第2判定部13による判定動作を利用した誤報可能性の判定が、同時になされるものとしてもよい。
<第4の実施形態>
本発明における第4の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態における警報器による警報報知動作を示すフローチャートである。尚、本実施形態の警報器の構成は、第1の実施形態と同様、図1に示す構成となるので、以下では、本実施形態の警報器による警報又は誤報可能性の報知動作について詳細に説明する。
本実施形態の警報器1は、第1の実施形態と異なり、報知部により予備警報の報知が成された後、第2判定部13において、所定期間内での煙検出部11からの電気信号による煙出力が閾値Th2以上となった回数に基づいて、報知部による本警報の報知内容を変更する。即ち、制御部15は、第2判定部13における判定結果に基づいて、閾値Th2以上となった煙出力の測定回数を計数するために、不図示のカウンタを備える。
このカウンタは、第1判定部12により煙出力が予備警報域に到達したことを示す判定結果を制御部15が受けたときに、初期化される。その後、所定時間が経過するまで、第2判定部13からの判定結果により煙出力が閾値Th2以上であることが示されたときには、カウンタによる計数値が1つ加算される。逆に、第2判定部13からの判定結果により煙出力が閾値Th2より低いことが示されたときには、カウンタによる計数値が1つ減算される。
このような警報器1の動作の詳細について、図5のフローチャートを参照して以下に説明する。まず、煙量検出部11で煙量が測定されると、煙出力を現す電気信号が第1判定部12に与えられる。よって、第1判定部12では、煙量検出部11からの電気信号の入力の有無が確認される(S1)。そして、煙量検出部11から電気信号が第1判定部12に入力されると(S1でYes)、第1判定部12により、この電気信号より確認される煙出力が閾値Th1以上であるか否かが確認される(S2)。このとき、煙出力が閾値Th1より低い値であり、予備警報域に到達していない場合は(S2でNo)、煙量検出部11による測定の有無が確認される(S1)。
一方、煙出力が閾値Th1以上の値であり、予備警報域に到達した場合は(S2でYes)、第1判定部12が、予備警報域に到達した旨の判定結果を制御部15に通知するため、制御部15により報知部が制御されて、予備警報の報知動作がなされる(S3)。このとき、上述したように、第2判定部13の動作を開始すると同時に、タイマ部16による時間の計測動作を開始させる(S4)。又、制御部15における不図示のカウンタが、その計数値を0とするように、初期化される(S5)。
このように煙出力を現す電気信号が第2判定部13に与えられて、本警報域への到達が判定される状態に遷移した後、第2判定部13において、煙量検出部11からの電気信号の入力の有無が確認される(S6)。そして、煙量検出部11から電気信号が第2判定部13に入力されると(S6でYes)、第2判定部13により、この電気信号より確認される煙出力が閾値Th2以上であるか否かが確認される(S7)。
このとき、煙出力が閾値Th2以上の値であり、本警報域に到達した場合は(S7でYes)、第2判定部13が、本警報域に到達した旨の判定結果を制御部15に通知するため、この判定結果による通知を受けた制御部15は、不図示のカウンタの計数値を1つ加算する(S8)。よって、予備警報の報知動作を行った後にはじめて本警報域に到達したことが確認された場合は、不図示のカウンタによる計数値が1となる。又、前回の煙量検出部11による測定から連続して煙出力が閾値Th2以上となった場合は、その連続回数が不図示のカウンタによる計数値となる。
S8における不図示のカウンタにおける計数動作が行われた後、この不図示のカウンタによる計数値が「1」であるか否かが、制御部15によって確認される(S9)。このとき、不図示のカウンタによる計数値が「1」であることを確認すると(S9でYes)、火災の可能性を示唆する第1本警報による報知動作が報知部によってなされる(S10)。この第1本警報について、例えば、発音体17により発報される警報の音量を弱くするなどのように、火災の可能性があるもののその確実性が低いことを示す内容とする。この第1本警報による報知動作を行った後は、再び、煙量検出部11による測定動作が確認される(S6)。
又、不図示のカウンタによる計数値が「1」でない場合(S9でNo)、更に、不図示のカウンタによる計数値が「2」であるか否かが、制御部15によって確認される(S11)。そして、不図示のカウンタによる計数値が「2」であることを確認すると(S11でYes)、火災の可能性が第1本警報部よりも高いことを示唆する第2本警報による報知動作が報知部によってなされる(S12)。この第2本警報について、例えば、発音体17により発報される警報の音量を第1本警報のときよりも強くするなどのように、火災の可能性について、その確実性が第1本警報の報知時よりも高いことを示す内容とする。この第2本警報による報知動作を行った後も、第1本警報の報知動作後と同様、再び、煙量検出部11による測定動作が確認される(S6)。
そして、不図示のカウンタによる計数値が「3」となる場合(S11でNo)、火災が確実に発生していることを示唆する第3本警報による報知動作が報知部によってなされる(S12)。この第3本警報について、例えば、発音体17により発報される警報の音量を第2本警報のときよりも強くするなどのように、火災が確実に発生しており、家人に確実に確認されるような内容とする。このように、S6〜S13の動作ステップによる動作が繰り返されることによって、本警報域に到達した煙出力が連続して計測されると、その計測がなされるごとに、報知部により報知される本警報が緊急性を示す内容となる。これにより、警報器1が火災の発生を確実に判定するにつれて、報知する本警報による緊急性が高まるため、家人に対する注意喚起の効果を高めることができる。
一方、第2判定部13が、煙出力が閾値Th2より低い値で、本警報域に到達していない旨の判定を行ったとき(S7でNo)、この判定結果による通知を第2判定部13より受けた制御部15は、不図示のカウンタの計数値を1つ減算する(S14)。尚、このS14の動作ステップにおける減算がなされるとき、不図示のカウンタの計数値が「0」である場合は、その計数値を「0」のままとする。その後、制御部15は、タイマ部16により計測された時間を確認し、予備警報の報知を行ってから所定時間TAが経過したか否かを確認する(S15)。このとき、所定時間TAの経過が確認されなかった場合は(S15でNo)、再び、煙量検出部11による測定動作が確認される(S6)。
又、タイマ部16による計測時間が所定時間TAとなったことを、制御部15が確認したとき(S15でYes)、S3の動作ステップにおいて行った予備警報が誤報である可能性を示す報知を行う(S16)。即ち、制御部15が、予備警報が誤報である可能性がある旨の判定を行うことにより、発音体17及び表示部18による誤報可能性の報知動作がなされる。これにより、予備警報の報知後において、火災発生の確実性の低い第1本警報及び第2本警報が報知されたとしても、この第1本警報及び第2本警報についても、その誤報の可能性を示唆することができる。
尚、本実施形態において、説明を簡単にするために、煙量検出部11による測定がなされるごとに、本警報の確実性を示すためのカウンタによる計数が行われるものとしたが、測定毎に計数がなされるものでなくてもよい。例えば、煙検出部11による測定が所定回数なされるたびにカウンタの計数を行うともに、この所定回数分の測定された煙出力の平均値が閾値Th2を超えたときに、カウンタの計数値が1つ加算されるものとしてもよい。又、本警報について、第1〜第3本警報となる3種類の本警報が報知されるものとしたが、この本警報の種類については2種類以上あればよく、本実施形態において、その数を限定するものではない。即ち、カウンタで「1」〜「n」まで計数される場合、各カウンタ値に応じた第1〜第n本警報が報知される。
<第5の実施形態>
本発明における第5の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態における警報器による誤報通知時の煙出力の時間的な遷移を示すタイミングチャートである。尚、本実施形態の警報器の構成は、第1の実施形態と同様、図1に示す構成となるので、以下では、本実施形態の警報器による警報又は誤報可能性の報知動作について詳細に説明する。
本実施形態の警報器1は、第1の実施形態と異なり、メモリ部14に記憶される閾値Th1がTh1a〜Th1c(Th1a<Th1b<Th1c)に変更される。これにより、第1判定部12は、煙量検出部11からの電気信号による煙出力が高くなる毎に、メモリ部14から読み出す閾値Th1を、Th1a、Th1b、Th1cに変更する。尚、第2判定部13による判定動作については、第1の実施形態と同様となる。又、誤報可能性の報知の要否を判定するために、タイマ部16により時間計測がなされるが、本実施形態では、煙出力が閾値Th1a以上となったときに、タイマ部16による時間計測が開始されるものとする。
以下では、本実施形態における第1判定部12による判定動作に基づく予備警報の報知動作の詳細について、図6のタイミングチャートを参照して説明する。第1判定部12による判定動作が行われているとき、第1判定部12は、メモリ部14に記憶された閾値の中で最小値となる閾値Th1aを読み出す。そして、まず、第1判定部12は、煙量検出部11からの電気信号による煙出力と閾値Th1aとの比較を行う。
このとき、図6のタイミングチャートのように煙出力が遷移する場合、煙出力が閾値Th1a以上となる時刻Taにおいて、煙出力が第1予備警報域に到達した旨を示す判定結果を、第1判定部12が制御部15に通知する。これにより、制御部15は、メモリ部14に第1判定部12によって読み出される閾値を閾値Th1aよりも高い閾値Th1bに変更する指令を与えるとともに、タイマ部16における時間の計測動作を開始させる。このとき、同時に、報知部となる発音体17及び表示部18によって、第1予備警報となる報知動作がなされる。この第1予備警報として、例えば、発音体17による、「火事かもしれません。確認してください。」といった音声パターンによる音声の出力などのように、火災発生の可能性を示唆するための警報が報知される。
この第1予備警報が報知された後、図6のタイムチャートのように煙出力が変遷すると、時刻Tb(Tb>Ta)において、第1判定部12は、煙出力が閾値Th1b以上となったことを確認し、その判定結果を制御部15に通知する。これにより、制御部15によって発音体17及び表示部18が制御されて、第1予備警報よりも火災発生の確率が高いことを示す第2予備警報の報知がなされる。又、メモリ部14には、第1判定部12によって読み出される閾値を閾値Th1bよりも高い閾値Th1cに変更する指令が与えられる。この第2予備警報として、例えば、発音体17による、「火事です。初期消火を試みてください。」といった音声パターンによる音声の出力などのように、第1予備警報のときよりも火災発生の可能性が高いことを示唆するための警報が報知される。
更に、第2予備警報が報知された後、図6のタイムチャートのように煙出力が変遷すると、時刻Tc(Tc>Tb)において、第1判定部12は、煙出力が閾値Th1c以上となったことを確認し、その判定結果を制御部15に通知する。これにより、制御部15によって制御される発音体17及び表示部18は、第2予備警報よりも火災発生の確率が高いことを示す第3予備警報を報知する。この第3予備警報として、例えば、発音体17による、「火事です。」といった音声パターンによる音声の出力などのように、第2予備警報のときよりも火災発生の可能性が高いことを示唆するための警報が報知される。
このようにして、第3予備警報の報知までなされた後は、制御部15によって第2判定部13による判定動作が開始される。即ち、第1判定部12によって火災発生の確率が高いことが判定されると、火災発生が確実に発生しているか否かの最終的な判定を行うために、第2判定部13による閾値Th2を用いた判定動作がなされる。そして、図6のタイムチャートのように煙出力が変遷し、時刻T2において、煙出力が閾値Th2以上となったことを第2判定部13が確認すると、本警報域への到達を示す判定結果が制御部15に与えられる。これにより、制御部15によって制御される発音体17及び表示部18は、本警報を報知する。この本警報として、例えば、発音体17による、「火事です。急いで逃げてください」といった音声パターンによる音声の出力などのように、火災発生の確実性が高いだけでなく、その緊急性も高いことを示唆するための警報が報知される。
このように動作するとき、煙出力が閾値Th1a以上となってから所定時間TAが経過するまでに、煙出力による本警報域への到達が第2判定部13により判定されなかった場合は、制御部15により報知部が動作されて、誤報可能性の報知がなされる。これにより、第1予備警報が報知成された後に本警報の報知が不要である場合は、上述の第1〜第3予備警報が報知されたとしても、誤報可能性を報知することにより、この第1〜第3予備警報のいずれも誤報である可能性が高い旨を報知できる。
尚、本実施形態において、第1判定部12による予備警報域の到達の判定を閾値Th1a〜Th1cとの比較による3段階で行われるものとしたが、2段階以上の複数段階によって行われるものとしても構わない。即ち、第1判定部12による予備警報域の到達の判定を行うために、n個の閾値との比較によるn段階で行われる場合、各段階に応じたn個の予備警報が報知されることとなる。又、第2判定部13において、煙出力が閾値Th2を超えたことを確認した後、閾値Th2を超えた煙出力が測定された期間が所定時間を超えた場合に、報知部により本警報の報知動作が成されるものとしてもよい。
更に、誤報可能性の報知動作の要否について、煙出力の本警報域への到達を示す判定の有無に基づいてなされるものとしたが、第3予備警報などのように、その火災発生の確率が高くなる予備警報の報知を促すための判定の有無に基づいてなされるものとしてもよい。又、第2〜第4の実施形態における警報器を組み合わせた実施形態に対して、予備警報の報知動作が複数回できる本実施形態の構成を組み合わせるものとしてもよい。
<第6の実施形態>
本発明における第6の実施形態の警報器について、図面を参照して説明する。尚、図7は、本実施形態の警報器の構成を示す概略外観図であり、図8は、図7に示す警報器の内部構成を示すブロック図である。尚、図8に示す警報器の構成において、図1に示す警報器の構成と同一の目的で使用する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の警報器1aは、図7に示すように、第1の実施形態の警報器1(図1参照)と異なり、煙量の検出を行う検出部1xと、この検出部1xと通信を行うとともに外部への報知動作を行う警報部1yとを別体とした構成となる。そして、この検出部1xと警報部1yとは、LAN(Local Area Network)回線、DSL(Digital Subscriber Line)回線、PLC(Power Line
Communications)回線又は光ファイバ回線などの有線回線で接続されることで通信を行うものとしてもよいし、無線LAN、ブルートゥース、又は赤外線などによる無線回線で接続されることで通信を行うものとしてもよい。
そして、検出部1xと警報部1yとの間で有線回線による通信が行われる場合、検出部1xと警報部1yとの間に電力供給のための電源線が接続されることで、検出部1x及び警報部1yのいずれか一方に電源ユニットを搭載すればよい。又、検出部1xと警報部1yとの間で無線回線による通信が行われる場合、検出部1x及び警報部1yのそれぞれに電源ユニットが搭載されることとなる。尚、図7では、検出部1xと警報部1yとが無線通信を行う警報器1aを例示している。
このような検出部1xと警報部1yとが分離されて構成される警報器1aにおいて、検出部1x及び警報部1yのそれぞれが、図1に示すような内部構成を備える。即ち、検出部1xは、煙量を測定するための煙量検出部11と、煙量検出部11からの電気信号による煙出力が予備警報域に到達したか否かの判定を行う第1判定部12と、第1判定部12に読み出される閾値Th1を記憶するメモリ部14aと、煙量検出部11による煙出力と第1判定部12による判定結果が与えられる第1制御部15aと、時間の計測を行うタイマ部16aと、警報部1yと通信を行うために信号の送受信を行う通信インターフェースによって構成される第1通信部19とを備える。
又、警報部1yは、検出部1xの第1通信部19と通信接続するための通信インターフェースによって構成される第2通信部20と、第2通信部20で受信した煙出力が本警報域に到達したか否かの判定を行う第2判定部13と、第2判定部13に読み出される閾値Th2を記憶するメモリ部14bと、第2判定部12による判定結果と第2通信部20による受信信号が与えられる第2制御部15bと、時間の計測を行うタイマ部16bと、報知部として構成される発音体17及び表示部18とを備える。
このように構成される警報器1aは、検出部1xが第1判定部12を備えることで、煙出力が予備警報域に到達するまでは、煙量検出部11からの電気信号に基づく警報の要否の判定動作は、検出部1xのみで行われる。即ち、検出部1xでは、煙量検出部11からの電気信号が第1判定部12に与えられると、第1判定部12において、メモリ部14aに記憶された閾値Th1が読み出されて、電気信号による煙出力と閾値Th1との比較を行う。そして、煙出力が閾値Th1より低い場合は、第1制御部15aに予備警報域に到達した旨の判定結果が通知されないため、警報部1yとの通信が行われない。
一方、煙出力が閾値Th1を超えた場合は、第1制御部15aに対して、予備警報域に到達した旨の判定結果が第1判定部12により通知され、第1制御部15aでは、予備警報の報知を要求するための予備警報要求信号を生成する。そして、第1通信部19によって、この予備警報要求信号が警報部1yに送信される。予備警報要求信号を第2通信部20で受信した警報部1yは、予備警報要求信号が第2制御部15bに与えられるため、報知部を構成する発音体17及び表示部18による予備警報の報知動作がなされる。このとき、第2制御部15bによって、第2判定部13による判定動作とタイマ部16bによる時間の計測動作が開始される。
このように予備警報が警報部1yにより報知された後は、検出部1xと警報部1yとの間で通信が行われる。即ち、検出部1xにおいて、煙量検出部11が煙量を検出するたびに、煙出力を現す電気信号による測定値信号を第1制御部15aが生成して、第1通信部19より警報部1yに送信する。このとき、警報部1yは、第2通信部20により測定値信号を受信すると、第2制御部15bを通じて第2判定部13に測定値信号が送出されるため、第2判定部13により、煙量検出部11で測定された煙出力と閾値Th2との比較がなされる。そして、第2判定部13において、煙出力が閾値Th2以上となったことを確認したとき、本警報域に到達したことを示す判定結果が第2制御部15bに通知される。このとき、第2制御部15bにより報知部が制御されて、発音体17及び表示部18による本警報の報知動作がなされる。
一方、タイマ部16bにより測定された時間が所定時間TAとなるまでの間に、第2制御部15bに対して、第2判定部13からの本警報域に到達したことを示す判定結果が、通知されなかった場合、予備警報が誤報である可能性がある判定を行う。これにより、発音体17及び表示部18による誤報可能性の報知動作がなされる。そして、第2制御部15bは、誤報可能性の報知を行ったことを示す誤報通知信号を生成し、第2通信部20より送信する。この誤報通知信号を第1通信部19で受信した検出部1xは、第1制御部15aにおいて誤報可能性の報知がなされたことを確認するため、第1判定部12による予備警報域への到達の有無の判定を再開する。
尚、本実施形態の警報器1bについて、その動作が第1の実施形態と同様の動作によるものとしたが、第2〜第5の実施形態と同様の動作を行うものとしてもよい。即ち、第2の実施形態の警報器と同様の動作を行う場合、予備警報の報知動作を行った後、警報部1yにおける第2判定部13により、煙出力が閾値Th2の近傍値で変動していることを確認した場合、報知部による誤報可能性の報知を行う。
又、第3の実施形態の警報器と同様の動作を行う場合、予備警報の報知動作を行った後、検出部1xにおいても、第1判定部12による判定動作が継続され、閾値Th2より低い値となる煙出力の変動が激しい場合に、第1制御部15aが誤報の可能性のある旨の判定を行う。このとき、検出部1xでは、煙出力の時間的な変動パターンを確認するため、タイマ部16aによる時間の計測を行う。そして、誤報可能性の報知要求をするための信号を、検出部1xが警報部1yに送信することによって、警報部1yにおける報知部により、誤報可能性の報知動作がなされる。