JP5156371B2 - 14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの誘導体およびその適用 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明の目的は、14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの新規誘導体、およびヒト用薬剤としてのその適用である。
うつ病は最も多い精神問題の1つである。フランスでうつ病者の割合は14.9%であり、その1/3は医学的に治療されていない。女性の5人中1人がかかっている。うつ病と言われた数は1970年から6倍に増加している。うつ病者の割合は、特に20〜29歳の若者の間で、1992〜1997の間に増加している(+65%)。そのため、特に一部の患者は古典的抗うつ剤に応答しないことから、うつ病により合った治療法を見つけることが特に重要である。
14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールを含めた20,21‐ジノレブルナメニンの誘導体は、特に大脳での血管拡張性、および青斑核でのチロシンヒドロキシラーゼの調節活性について既に知られている(Bourde et al.,Neurochem.Int.,23(6),567-574,1993)。それらは脳血管症および脳循環の変化により生じる全症状で用いられている。これらの誘導体およびそれらで最初に知られた治療適用は、1978年9月15日付で公開された特許出願FR2381048で記載されていた。この特許出願は1980年3月14日付で公開された追加証出願FR2433528で記載されていた。
更に詳しくは、出願FR2381048は20,21‐ジノレブルナメニンの誘導体およびそれらの製造プロセスを記載している。これら化合物の薬理学的性質も記載されている:これらの化合物は、特に脳微小循環で脳血流量を増す、有用な脳酸素発生剤および血管調節剤である。出願FR2433528は、20,21‐ジノレブルナメニンから誘導される個別異性体の製造プロセス、およびこのプロセスにより得られる異性体も記載している。
1989年6月1日付で公開された出願WO89/04830は、20,21‐ジノレブルナメニンの新規置換誘導体、それらの製造プロセス、および医薬、特に抗うつ剤としてのそれらの適用を記載している。
うつ病とは、緊張性気分変化と知的活動および運動性の遅延化を合わせた病理学的精神症状である。それは、ある悲しみおよび気力緊張状態の低下により特徴付けられる、大概長期にわたる病的症状である。双極性うつ病は、期変化:第一期で顕著な憂うつおよび無気力、第二期で高揚感および活動亢進により特徴付けられる。
ヒトでうつ病を診断するために用いられる主症状は、うつ気分、興味または快感の顕著な低下、感情の問題、睡眠問題、精神運動性の動揺または遅延、気力の倦怠または喪失、自尊心の欠如、または自責の過度な感情、思考または集中する能力の低下、または疑念、病的思考(ケースの60%)、自殺思考(ケースの15%)である。
うつ病の原因には以下がある:
1/遺伝要因
近親者がうつ病にかかっているまたはかかったことがある者が、最もかかりやすい。彼らはうつ病を発症するリスクを15%有しているが、近親者がうつ病でない者はうつ病を発症するリスクが2〜3%にすぎない。
2/生化学要因
現在のうつ病研究は神経伝達物質に関する。こうして、セロトニン欠乏またはアンバランスが睡眠不足および食欲減少を起こし、更にはノルアドレナリンの減少が気力の喪失、快感の喪失に影響を及ぼすことがわかった。
3/環境要因
両親のような最愛の人の喪失を経験した子供が、晩年にうつ病を発症しやすい。係わり合いの難しさ、コミュニケーション問題および家族、専門的または他の衝突も孤独、疎遠にかかわり、うつ病になることがある。金銭的障害および他の緊張も重要な影響力を有することがある。
季節要因も無視してはならない:うつ病率は日照が最少の月で高い。季節的うつ病は昼間が最短である時期のみで生じ、そのため冬季に生じ、春季に消える。症状としては、倦怠、憂うつ、活力の欠如および興味の喪失、集中力およびリビドーの問題、突然の甘味欲望、睡眠の必要性増加または冬季時の体重増加がある。これは時どき冬季うつ病と称されている。中央ヨーロッパの全成人の2%が季節的うつ病にかかり、女性は男性より4倍多くかかっている。
うつ病は多くの場合に他の精神的問題に伴われるか、またはそれは他の精神的問題を伴うことがある。急性パニック発作および強迫観念が最も多い問題である。
統合失調症は思考の過程を乱す精神的分裂または不調和で特徴付けられる慢性精神病であり(それは閉鎖的および混沌状態になる)、それは行動を変え(奇妙、自閉性になる)、(古風および逆説的)情動性を狂わし、聴覚的および体感的幻覚で生まれる影響のテーマを創造する抽象的および象徴的せん妄を伴い、没個性化雰囲気を感じる。
躁うつ病(双極性うつ病)および統合失調症は、2種の精神病であるが、同様の遺伝源を有している:一部の脳細胞および(電気シグナルを伝える)ミエリンの箇所で様々な遺伝子の発現が減少するようになる。これらの2種の疾患は異なる臨床経過を有するが、それらは一部の症状を共有し、類似した医薬がそれらを治療するためによく用いられている。
従来は、うつ病および統合失調症の治療に2つの主タイプ:医薬および精神療法による治療があった。抗うつ剤を用いることからなる医薬治療は全タイプのうつ病に適している。抗うつ剤は神経伝達物質の平衡化に効く。精神療法は患者に役立つが、唯一の治療とはなりえない。行動および認知療法(特に神経性うつ病)、振動療法または電気ショック(最終手段として用いられる)のような他の形の治療もある。
うつ病の経過は非常に多様であり、多くのパラメーター:病因、患者の個性などに依存する。
治療が行われないと、うつ病は6月間以上続き、場合により自殺という極端な結末に終わることが多くある。重度うつ障害を有する患者の15%以内は自殺してしまう。治療後も全ケースの約60%で再発が観察される。
うつ病はDSM IV基準を用いて診断しうる(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition,American Psychiatric Association Publisher;Washington DC);DSM IVは米国精神医学会により作製された、精神障害に関する診断および統計基準である。DSM IV基準によると、重度で最も一般的な形のうつ病であり、患者の10〜25%が治療を探っているにすぎない重度うつ病は、うつ病の少なくとも4つの追加症状を伴う、少なくとも2週間にわたる気分変化または興味の喪失という1つまたはいくつかの期間で特徴付けられる;これらの症状として、例えば食欲、体重、睡眠または精神運動活動の変化;気力の低下、自尊心または自責減少の感情、思考、集中、意思決定の難しさ、または死の頻発思考、または自殺する計画または試みの観念化がある。
大うつ病には治療抵抗性うつ病(TRD)と再発性大うつ障害(MRDD)も含み、これは軽躁期間も伴う。
現在多く市販されている古典的抗うつ剤は次の主要クラスに属する:三環系抗うつ剤(TCA)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAO)(MAOI)、選択的セロトニン再捕捉インヒビター(SSRI)、セロトニンおよびノルアドレナリン再捕捉インヒビター(SNDRI)、ノルアドレナリンおよび選択的セロトニン抗うつ剤(NASSA)、およびセロトニンレセプター調節剤
我々は、上記の古典的抗うつ剤を用いて治療に抵抗性となった患者で、うつ病、大うつ障害を治療しうる化合物を有する必要がなおある。これが以下で説明および請求項記載された発明の目的である。
うつ病にかかった患者を治療するために用いられる14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの新規誘導体が発見された。
このように、第一面によると、本発明の目的は、下記式(I)の化合物、またはその異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよびそれらの混合物を含む、その薬学上許容される塩の1種である:
Figure 0005156371
〔上記式中Rは‐AR′基を表わし、ここでAはヘテロ原子を表わし、R′は以下を表わす:
− 直鎖または分岐鎖の、C‐Cのアルキル基、C‐Cのアルケニル基、C‐Cのアルキニル基、アリールアルキル基、例えばベンジル、アルコオキシアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキルからなる群より選択される基;
− 式‐R‐CO‐O‐Rのエステル(Rが、直鎖または分岐鎖の、C‐Cのアルキル基、C‐Cのアルケニル基またはC‐Cのアルキニル基からなる群より選択される基を表わし、Rが、水素、直鎖または分岐鎖の、C‐Cのアルキル基、C‐Cのアルケニル基、C‐Cのアルキニル基またはC‐C12、有利にはC‐CまたはC‐C12のシクロアルキル基からなる群より選択される基を表わす);
− 下式‐R‐CO‐N(Y)(Z)のアミド:
Figure 0005156371
(式中、Rが、直鎖または分岐鎖の、C‐Cのアルキル基、C‐Cのアルケニレン基またはC‐Cのアルキニレン基からなる群より選択される基を表わし、Yが、水素、直鎖または分岐鎖の、Cのアルキル基、C‐Cのアルケニル基、C‐Cのアルキニル基、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロシクロアルキルからなる群より選択される基を表わし、Zが、水素、直鎖または分岐鎖の、C‐Cのアルキル基、C‐Cのアルケニル基、C‐Cのアルキニル基、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロシクロアルキルからなる群より選択される基を表わし、YおよびZが一緒になって、可能であれば1つまたはいくつかのC‐Cのアルキル基、アリール、ヘテロアリールまたはハロゲン基で置換された、C‐Cのシクロアルキル基またはC‐Cのヘテロ環式基を可能であれば形成している);
− 少なくとも1つの下式のアミン:
Figure 0005156371
(YおよびZが上記と同義である)で置換された、直鎖または分岐鎖の、C‐Cのアルキル基、C‐Cのアルケニル基またはC‐Cのアルキニル基からなる群より選択されるアミノアルキル基〕。
薬学上許容される付加塩には、例えば鉱または有機酸との付加塩、特に塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アルコイルモノスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、アルコイルジスルホン酸、例えばメタンジスルホン酸、α,β‐エタンジスルホン酸、およびアリールモノスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸、およびアリールジスルホン酸があり、これらの塩は説明目的のみで挙げられており、限定するものではない。
用語≪アルキル≫は、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、ペンチル、n‐ヘキシルのような、好ましくは1〜6炭素原子を有した、炭化水素の直鎖または分岐鎖を表わす。
≪アリール≫基は、通常5〜6鎖で、5〜10炭素原子を有した、芳香族単または二環式炭化水素基である。フェニルおよびナフチル基がアリール基の例である。≪ヘテロアリール≫基は、環上に窒素、イオウまたは酸素のような少なくとも1つのヘテロ原子を有した、芳香族炭素基である。
用語≪ヘテロサイクル≫は、環上に存在する窒素、イオウまたは酸素のような少なくとも1つのヘテロ原子を有した、芳香族単または二環式炭化水素基を表わす。ヘテロ環式基の例としては、特にピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、チオモルホリン、テトラヒドロピリジン、チオフェン、フラン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン基がある。
≪アルコキシ≫基は、エーテル結合で分子の残部に結合された前記アルキル基に相当する。
≪ハロゲン≫はフッ素、ヨウ素、臭素または塩素の原子を意味する。≪ヘテロ原子≫は窒素、酸素およびイオウから選択される原子を意味する。
≪アリールアルキル≫、≪ヘテロアリールアルキル≫または≪ヘテロシクロアルキル≫基は、アルキル鎖で分子の残部に結合された、前記のようなアリール、ヘテロアリールまたはヘテロサイクル残部を各々含む基である。ベンジルおよびフェネチル基がアリールアルキル基の具体例である。
本発明の1つの有利な態様によると、R′は式R‐CO‐O‐Rの基を表わし、ここでRはC‐Cのアルキル基、有利には‐CH‐基を表わす。特にこの態様によると、Rは有利には水素原子、C‐Cのアルキル基、または可能であれば1つまたはいくつかのC‐Cのアルキル基で置換された、C‐Cのヘテロ環式基を表わす。
本発明の他の有利な態様によると、R′は下式のアミド:
Figure 0005156371
を表わし、ここでRは前記と同義であり、YおよびZは一緒になって、可能であれば1つまたはいくつかのC‐Cのアルキル基で置換された、C‐Cのヘテロ環式基を形成している。
本発明の他の有利な態様によると、R′は、少なくとも1つの下式のアミン:
Figure 0005156371
(YおよびZは一緒になって、可能であれば1つまたはいくつかのC‐Cのアルキル基で置換された、C‐Cのヘテロ環式基を形成している)で置換された、C‐Cのアルキル基からなる群より選択されるアミノアルキル基を表わす。
本発明の他の有利な態様によると、R′はヘテロアリールアルキル基を表わす。
下記式の化合物が本発明の関係で特に有利である:
Figure 0005156371
Figure 0005156371
化合物(Ia)、(Id)、(Ie)、(If)および(Ig)、特に化合物(Ie)が本発明の関係で好ましい。
式(I)の化合物は2種のエナンチオマー形3αおよび16αで特徴付けられ、適宜にこれらエナンチオマーの各々について、炭素14立体配置による一対のジアステレオマー:((3α,14α)および(3α,14β))対および((14α,16α)および(14β,16α))対で特徴付けられる。
式(I)の化合物において、3位の水素原子および16位の水素原子は有利にはトランス位をとり、14位の基Rは可能性としてαまたはβ形をとれる(αおよびβという用語は、ステロイド誘導体の命名法によると、水素ではなく、置換基に関するものである)。
本発明の関係において、3α形は、3位の炭素がS配置および16位の炭素がR配置をとった式(I)に相当する。本発明の関係において、16α形は、3位の炭素がR配置および16位の炭素がS配置をとった式(I)に相当する。
したがって、本発明の具体的な一面の目的は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の1種がラセミまたは光学活性混合体の形態をとる、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の1種である。
式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の1種は、有利には式(I)の下記化合物から選択される:
a)右旋および/または左旋形(3α)の化合物;および
b)右旋および/または左旋形(16α)の化合物
化合物a)およびb)に存在する左旋性および右旋性ジアステレオマー2種の混合物は等モル割合で存在してもまたはしなくてもよい。
本発明の1つの有利な態様によると、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の1種は、有利には下記式(I)の化合物から選択される:
a)右旋および/または左旋形(3α,14α)の化合物;
b)右旋および/または左旋形(3α,14β)の化合物;
c)右旋および/または左旋形(14α,16α)の化合物;および
d)右旋および/または左旋形(14β,16α)の化合物
本発明の関係において、“トランスエピマー”とは、炭素3および16の水素原子が常にトランス位で、R置換基が炭素16の水素原子に対してトランス位であるエピマーを意味している。本発明の関係において、用語“シスエピマー”は、炭素3および炭素16の水素原子が常にトランス位で、置換基Rが炭素16の水素原子に対してシス位であるエピマーを意味するために用いられる。
本発明の1つの有利な態様によると、式(I)の化合物またはそれらの薬学上許容される塩の1種は、合成に際して過半数で得られるエピマーを表わし、これはトランスエピマーでもまたはシスエピマーでもよい。
本発明の1つの好ましい態様において、化合物は下記式のエナンチオマーの(3α,14β)および(16α,14α)対からなるエピマー(Ie1)に相当する:
Figure 0005156371
このエピマー(Ie1)において、炭素14原子の置換基は、この場合エチルモルホリンであるが、炭素原子16の水素に対して常にトランス位であり、炭素3および炭素16の水素原子は常にトランスであることがわかるであろう。更に詳しくは、好ましい化合物は、トリス(2,5‐ジメチルフェニルカルバメート)セルロースがグラフト化されたシリカゲル粒子(粒径5μm)から固定相が構成され、用いられる移動相がアセトニトリルであるカラムを用い、HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)が上記エピマー(Ie1)((3α,14β)および(16α,14α)対)について行われたときに、カラム流出で2番目に得られるエナンチオマー(Ie1b)(第二溶出化合物)である。
我々は、医薬として用いるための、下記式(Ij)を満たす化合物:
Figure 0005156371
であって、化合物(I)の基Rが水素原子を表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する化合物について、次に記載することにする。特に基Rが前記のような基‐AR′を表わす式(I)の化合物の脱水により、化合物(Ij)が得られる。
特に、我々は下記2種エナンチオマーを含めた化合物(Ij1)について本明細書では記載することにする:
Figure 0005156371
本発明の第二面の目的は、薬剤として使用向けの本発明による式(I)の化合物、並びに本発明による化合物および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬組成物である。
特に、本発明の目的は、うつ病の治療および/または予防用の医薬組成物の製造のための、本発明による式(I)の化合物または本発明による組成物の使用である。
特に、本発明の目的は、大うつ障害(MDD)(Ref.14,15,16)の治療および/または予防用の医薬組成物の製造のための、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する、本発明による化合物(式(Ij)、特にIj1の化合物)または組成物の使用である。
本発明による化合物は、古典的抗うつ剤より有効な抗うつ剤であって、それより速い作用を有している。
他の具体面によると、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する、本発明による化合物または組成物の使用は、うつ病にかかった患者、並びに三環系抗うつ剤(TCA)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、選択的セロトニン再捕捉インヒビター(SSRI)、セロトニンおよびノルアドレナリン再捕捉インヒビター(SNDRI)、ノルアドレナリンおよび選択的セロトニン抗うつ剤(NASSA)またはセロトニンレセプター調節剤からなるクラスに属する抗うつ剤のような古典的抗うつ剤による治療に部分的または全体的に抵抗性である者(TRDにかかった患者)の治療または予防向けである。
他の具体面によると、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する、本発明による化合物または組成物の使用は、古典的抗うつ剤治療に抵抗性で、うつ病、特に重度うつ病にかかった患者を、これらの治療により感受性とするためである。
他の具体面によると、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する、本発明による化合物または組成物の使用は、DSM IVによる双極性大うつ病、特に再発性大うつ障害(MRDD)の治療および/または予防向けである。
他の具体面によると、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する本発明による化合物または組成物の使用は、HAMD(≪ハミルトンうつ病尺度≫)尺度を用いて26を超えるスコア、またはMADRS(モントゴメリーおよびアスベルグうつ病評価尺度)尺度で35を超えるスコアと評価された重篤なうつ病の治療および/または予防向けである。
他の具体面によると、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する、本発明による化合物または組成物の使用は、統合失調症(schizophrenia)統合失調症の治療および/または予防向けである。
このように、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する本発明による化合物は、双極性うつ病および/または統合失調症統合失調症の治療および/または予防に、特に双極性うつ病(Ref.17)および統合失調症(Ref.18)の負の症状の正常化のために用いられる。
本発明によるBalb/cマウスでの化合物試験は、これらの化合物が:1)青斑核の相当部分でノルアドレナリン作動性表現型を回復させうる;2)前前頭皮質でノルアドレナリン作動性神経支配を回復させうる;3)視床下部ニューロンの一部でヒポクレチン表現型を回復させうる;および4)睡眠を妨げた後でREM睡眠を増加させる血族種があればこれらマウスの無能力を逆転させうることを示したことを考慮すると;新規面として、覚醒‐睡眠サイクル障害の予防および/または治療向け薬剤または医薬組成物を製造するための、化合物(I)の基Rが水素原子も表わすことができ、二重結合が炭素14および炭素15間に存在する、上記化合物の使用にも本発明は関する。上記の覚醒‐睡眠サイクル障害は、ナルコレプシー(narcolepsy)、過眠症(hypersomnia)および慢性の低覚醒(hypo arousal)症状からなる群より特に選択される。
新規面によると、本発明の目的は、症侯性前頭障害(symptomatic frontal disorder)の認知要素(cognitive component)(軽度認知障害(Ref.18)、例えばアルツハイマー病またはパーキンソン病と関連した前痴呆および痴呆症状(Ref.12))または行動問題:活動低下(hypoactivity)、注意力問題(attention problem)、性格問題(characterial problem)(注意力不足‐活動過剰(Attention deficit-Hyperactivity;ADHD)型、Ref.21)の治療および/または治療用予防用の医薬組成物の製造のための、化合物(I)の基Rが水素原子も表わすこともでき、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する本発明による式(I)の化合物または本発明による組成物の使用である。そのため、この新規面によると、本発明の目的は、症侯性前頭問題の認知要素がアルツハイマー病およびパーキンソン病と関連した前痴呆および痴呆症状から選択されるか、または注意力問題および性格問題から選択される行動疾患である、該使用である。
他の具体面によると、本発明の目的は、特に老化またはアルツハイマー病もしくはパーキンソン病と関連した記憶問題の治療および/または予防に用いられる医薬組成物の製造用のための、化合物(I)の基Rが可能であれば水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する本発明による式(I)の化合物または本発明による組成物の使用である。
更に詳しくは、本発明の目的は、本発明による抗うつ効果を得られる、または古典的抗うつ剤治療に抵抗性であった大うつ病の患者を本治療に感受性にさせうる、または以前の使用で所要の予防または治療を得られる、経口、静脈内、または腹腔内もしくは筋肉内経路、またはいずれか他の経路で投与しうる薬剤として使用用の、式(I)の化合物または本発明によるその薬学上許容される塩の1種の使用である。
本発明による薬剤または医薬組成物の活性物質は、様々な色、味および安定性マスキング物質を含有した錠剤、カプセルおよび液体製剤、例えばエリキシルおよび懸濁液を含めて、常用される経口ガレヌス形のいずれであってもよい。
本発明による経口ガレヌス形を製造するために、活性物質は、封入プロセスを容易化する上で、デンプン、炭酸カルシウム、ラクトース、スクロースおよび二塩基性リン酸カルシウムのような様々な慣用物質と混合してよい。ステアリン酸マグネシウムは添加物として、必要に応じて有用な滑沢機能を発揮する。
本発明による医薬組成物の活性物質は、無菌水、無菌有機溶媒またはこれら2種液体の混合物のような薬学上許容される無菌液体に溶解されるか、または懸濁状態で存在する。好ましくは、このような液体は非経口注入に適している。
活性物質が十分に可溶性であれば、それは薬学上許容される無菌液体のような正常塩水液に溶解される;それが十分に可溶性でなければ、それは適切な有機溶媒、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールの水溶液に溶解される。10〜75重量%のグリコールを含有した水性プロピレングリコールが通常適切である。他の例として、デンプンセルロースまたはナトリウムの水性カルボキシメチル性溶液または適切な油、例えばピーナツ油で非常に微細な濃縮物として活性物質を分散させることにより、他の組成物が得られる。
無菌溶液または懸濁液のような液体医薬組成物は筋肉内、腹腔内または皮下注射向けに用いてもよい。
好ましくは、医薬組成物は、例えば錠剤またはカプセルのような、単位用量の形をとる。この形のとき、本組成物は適量の活性物質を含有した単位用量に分割される;単位用量は、包装された組成物、例えば粉末、フラスコまたは小瓶でもよい。単位用量の組成物中における活性物質の量は、具体的必要性および活性物質の活性に応じて、2mg以下または50mg以上に変更または調整してもよい。
ヒトで式(I)の化合物の所要経口用量は20〜60mg/日であり、この用量は好ましくは食間で2または3回に分けて投与してもよい。最も抵抗性のうつ病患者は20mg/日の用量に応答するが、40mgまたは60mgでさえ必要なことがある。
当業者は、本発明による化合物を投与する方法が様々に変えうることも知っている。他の経口投与はさておき、徐放性組成物が好ましい。他の投与方法には静脈内注射、筋肉内および腹腔内注射、皮下インプラント、および経口、舌下、経皮、局所、直腸および鼻内投与があるが、それらに限定されない。
1つの具体的態様によると、本発明の目的は、成人で20〜60mgの1日量で医薬として使用向けの、本発明による式(I)の化合物またはそれらの薬学上許容される塩である。
専門医であれば患者毎に適量を定められる;この用量は、所定患者の年齢、体重および治療応答性の相関として変動する。上記の用量例は平均を表わしている。しかしながら、この平均より少ないまたは多い用量で投与してもよい。
式(I)の化合物の製造プロセス:本発明によると、式(I)で定義されるもののような化合物は下記プロセスにより14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールから製造される。
1)14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの製造
14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オール化合物は、下記式(II)または(II′)の光学活性化合物の処理により製造される。
Figure 0005156371
還元剤を用いる;得られる結果は14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの2対のジアステレオマー〔(3α,14α),(3α,14β)〕および〔(14α,16α),(14β,16α)〕またはそれらの混合物であり、必要であれば生成物から塩を形成するために、反応生成物は鉱または有機酸により処理される。
式(II)および(II′)の生成物は、例えばFR2190113のフランス特許出願で記載されているように製造される。式(II)の化合物のラセミ混合物は分割により分けられる。
式(II)の2種エナンチオマーのうち一方が、非常に様々な割合の2種ジアステレオマーで14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールのジアステレオマー(±)の対またはそれらの混合物を得るために還元される。FR2623503で公開されたフランス特許出願で記載されている実験では、実際上2種ジアステレオマーの一方のみが得られることを示している(実施例B参照)。
用いられる式(II)の化合物はラセミまたは光学活性形である。式(II)の生成物から得られる14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの還元化合物は、明らかに対応した立体化学形で得られる。
式(II)の化合物は、鉱または有機酸との付加塩の1種の形で用いてもよい。この場合には、14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの生成物が選択された操作条件に応じて塩化または非塩化形で得られる。
14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの化合物のラセミまたは光学活性混合物は、FR2381048で公開されたフランス特許出願およびFR2433528のフランス追加証出願で示されているように製造してもよい。
本発明の好ましい態様では、上記のプロセスが次のように行われる。
用いられる還元剤としては、水素化物、特に混合水素化物、例えば混合水素化アルミニウムリチウム、ジエチル水素化ナトリウムおよびアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウムがある。還元反応は、有機溶媒または溶媒の混合物、例えばエチル性エーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル、またはトルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素内で行われる。還元反応は、−20℃から反応媒体の還流温度までの温度で行われる。それは有利には周囲温度で行われる。金属水素化物が還元剤として用いられる場合、14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールは、現在の慣例に従い、例えば水酸化ナトリウムの溶液のようなアルカリ水溶液の添加により、水素化物と形成された中間複合体から放出される。
化合物(II)トランス3αの還元で、化合物(+)(3α,14α)14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールに至る。化合物(II′)トランス16αの還元で、化合物(−)(14β,16α)14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールに至る。
(−)(3α,14β)14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールおよび(+)(14α,16α)14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールを各々多数形で得るために、これらの化合物が酸、例えば塩酸により処理される(下記図式および図2参照)。
式(II)の化合物(BE764166で公開されたベルギー特許出願で記載されている式(II)の化合物)から14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールの化合物の光学活性異性体を合成するための一般的方法を表わした図式
Figure 0005156371
ジアステレオマーの一方またはジアステレオマーの混合物は常法:クロマトグラフィー、直接結晶化、示差溶解、例えば熱トルエン中の示差溶解により単離される。
2)式(I)の化合物の製造
本発明による化合物は、NaHのような強塩基の存在下でO‐アルキル化またはN‐アルキル化により14,15‐ジヒドロ‐20,21‐ジノレブルナメニン‐14‐オールから、あるいは本発明に従い既に合成された化合物から製造される。
下記例および図は本発明を説明するためであり、いずれにしてもその範囲を限定するわけではない。
下記例1〜9において:
‐3位の水素原子と16位の水素原子はトランスである(結合は(3β,16α)または(3α,16β)である)。
‐14位において、αおよびβという用語は、水素ではなく、置換基に関するものである。
更に、下記例1〜9で合成された化合物は、2種のエピマー(換言すると4種のジアステレオマー)の混合物または単一エピマー、シスエピマーまたはトランスエピマー(換言すると2種のエナンチオマー)の形をとる。2種のエピマーは、14位の炭素原子により有されるR基の(前方または後方)位置の相関として、および炭素16により有される水素に対するその位置の相関として規定される。
3および6位における水素原子の(前方または後方)位置の相関として、各エピマーにつき2種のエナンチオマーが存在する(これらの水素原子は常にトランスである)。
Figure 0005156371
下記例1〜9において、“2エピマー”という表示は化合物(出発または合成化合物)が2種エピマー(4種ジアステレオマー)の混合物の形をとることを意味し、“1エピマー”という表示は化合物(出発または合成)が単一エピマー(2種エナンチオマー)、シスエピマーまたはトランスエピマーの形をとることを意味している。
例1:式(Ia)の化合物:(±)(16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐エトキシカルボニルメトキシ‐20,21‐ジノレブルナメニンの製造プロセス
Figure 0005156371
化合物(1)50mg(0.19mmol)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)4mlに溶解し、次いで60%NaH19mg(1.2eq)を加える。ガス放出が止むと、ブロモ酢酸エチル25μL(1.2eq)を加え、それを周囲温度で一夜攪拌する。次いで反応媒体を濃縮し、残渣をジクロロメタン(CHCl)で溶解させる。有機相を水洗する。それを硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させ、濾過し、乾燥するまで蒸発させる。精製を溶出シリカカラムによりCHCl/MeOH99:1、次いでCHCl/MeOH98:2混合液で行う。化合物(1a)が2エピマーの形で得られる:灰白色粉末(Ia1)28mgおよび黄色粘着性固体物(Ia2)3mg.収率:46%(Ia1 42%およびIa2 4%).融点:105‐108℃.
RMN H CDCl(300MHz)δ(ppm):1.25(m,2H,‐CH);1.27(t,3H,‐CHCH);1.79(m,2H,‐CH);2.33(m,4H,2‐CH);2.72(m,3H,‐CH,‐CH);3.12(m,3H,‐CH,‐CH);4.11(m,AB系,2H,‐COCH,J=15.9Hz);4.22(q,2H,‐CHCH);5.77(m,1H,‐CHOH);7.15(m,芳香族2H,H);7.45(dd,1H,芳香族H,J=7.22Hz,J=1.55Hz);7.68(dd,1H,芳香族H,J=7.03Hz,J=1.69Hz).
例2:式(Ib1)の化合物:ナトリウム(±)(3β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐カルボキシメトキシ‐20,21‐ジノレブルナメニンの製造プロセス
Figure 0005156371
化合物(Ia)182mg(0.51mmol)をテトラヒドロフラン(THF)/HO 3:1の混合液8mlに溶解する。1Nナトリウム溶液485μL(0.95eq)を加える。それを周囲温度で一夜攪拌する。THFを濃縮し、CHClおよび水で溶解させる。水相をCHClで3回洗浄する。水相を濃縮し、得られた固体物を乾燥させる。結果は黄色固体物の形で所要化合物160mgである。収率:90%.融点:200℃.
RMN H MeOD(300MHz)δ(ppm):1.31(m,1H,‐CH);1.59(m,1H,‐CH);1.87(m,4H,2‐CH);2.41(m,2H,‐CH);2.71(m,2H,‐CH);2.93(m,3H,‐CH,‐CH);3.13(m,1H,‐CH);3.92(m,AB系,2H,‐COCH,J=15Hz);5.70(m,1H,‐CHOH);7.07(m,芳香族2H,H);7.39(d,1H,芳香族H,J=7.1Hz);7.70(d,1H,芳香族H,J=7.9Hz).
例3:式(Ic1)の化合物:(±)(3β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐〔2‐(N‐メチルピペラジン‐1‐イル)‐2‐オキソエトキシ〕‐20,21‐ジノレブルナメニンの製造プロセス
Figure 0005156371
(Ib1):化合物(Ib)の合成後に分離された主エピマー
化合物(Ib1)80mg(0.23mmol)をDMF5mlに溶解する。N‐メチルピペラジン31μL(1.2eq)、1‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐3‐エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)53mg(1.2eq)および1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt・HO)37mg(1.2eq)を加える。それを周囲温度で48時間攪拌し、反応混合液を濃縮する。残渣をCHClで溶解させ、有機相をNaHCOの飽和溶液で洗浄する。それをMgSOで乾燥させ、濾過および濃縮する。得られた黄色油状物を溶出シリカカラムによりCHCl/MeOH95:5、次いでCHCl/MeOH90:10混合液で精製する。結果は粘着性黄色粉末(Ic1)50mgである。収率:53%.融点:44‐48℃.
RMN H CDCl(300MHz)δ(ppm):1.26(m,1H,‐CH);1.60(m,1H,‐CH);1.82(m,4H,2‐CH);2.34(m,6H,3‐CH);2.42(m,3H,‐CH,‐CH);2.75(m,3H,‐CH,‐CH);3.04(m,3H,‐CH,‐CH);3.42(m,2H,‐CH);3.60(m,2H,‐CH);4.19(m,AB系,2H,‐COCH,J=13.5Hz);5.78(m,1H,‐CHOH);7.12(m,芳香族2H,H);7.44(d,1H,H芳香族);7.55(dd,1H,H芳香族).
例4:化合物(Id):(±)(3β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐ベンジルオキシ‐20,21‐ジノレブルナメニンの合成
Figure 0005156371
ブロモ酢酸エチルの代わりに臭化ベンジルを用いて、化合物(Ia)の合成(例1)と同様の方法を用いる。収率52%(Id)(2種エピマーは分離しなかった).融点112‐115℃.
RMN H(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.15‐1.35(m,2H);1.78‐2.02(m,4H);2.18‐2.40(m,2H);2.54‐2.89(m,3H);2.94‐3.21(m,3H);4.48‐4.73(m,2H);5.74(m,1H);7.13(m,2H);7.18‐7.38(m,5H);7.45(m,1H);7.54(m,1H).
例5:化合物(Ig):(±)(3β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐(3‐メチル〔1.2.4〕オキサジアゾール‐5‐イルメトキシ)‐20,21‐ジノレブルナメニンの合成
Figure 0005156371
ブロモ酢酸エチルの代わりにブロモ酢酸メチルを用い、化合物(Ia)の合成で用いられたものと同様の方法を用いて、出発メチルエステルを合成した。
オキシム アセトアミド209mg(2.82mmol)および60%NaH113mg(2.82mmol)を無水ジエチレンジオキシド10mlに溶解する。モレキュラーシーブスパチュラを加え、反応混合液を65℃に1時間加熱する。無水ジエチレンジオキシド10mlに溶解されたメチルエステル320mg(0.94mmol)をこの温度で加え、反応混合液を75℃に一夜加熱する。反応混合液を濃縮し、残渣をNaHCOの不飽和溶液で溶解させ、それを摩砕および濾過する。得られた黄色固体物を溶出シリカカラムによりCHCl/MeOH混合液(99:1)で精製する。2種エピマーを分離させる。主エピマー(Ig1)79mgを白色粉末の形で得る。収率:主エピマー23%,副エピマーは単離しなかった.融点:124‐125℃.
RMN H(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.21‐1.38(m,1H);1.60‐1.73(m,1H);1.75‐2.03(m,4H);2.29‐2.55(m,5H);2.65‐2.96(m,3H);2.98‐3.23(m,3H);4.68(d,1H,J=14.1Hz);4.80(d,1H,J=14.1Hz);5.83(m,1H);7.16(m,2H);7.46(m,1H);7.59(m,1H).
例6:化合物(Ih):(±)(3β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐20,21‐ジノレブルナメニンの合成
Figure 0005156371
化合物(1)300mg(1.12mmol)を無水DMF10mlに懸濁させ、次いで60%NaH54mg(1.2eq)を加える。炭酸エチレン492mg(5.0eq)を加え、反応混合液を110℃に1時間、次いで80℃に4時間加熱する。反応混合液を濃縮し、残渣をCHClで溶解させる。有機相を水で2回およびNaHCOの飽和溶液で1回洗浄する。それをMgSOで乾燥させ、濾過および濃縮する。得られた褐色油状物を溶出シリカカラムによりCHCl/MeOH混合液(99:1)、次いでCHCl/MeOH混合液(98:2)、次いでCHCl/MeOH混合液(96:4)で精製する。
本化合物を2種エピマーの形で得る:ベージュ色固体物(Ih1)111mgおよびベージュ色固体物(Ih2)100mg.収率61%((Ih1)32%および他のエピマー29%).
RMN H(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.22‐1.38(m,1H);1.78‐2.18(m,6H);2.21‐2.41(m,2H);2.61(m,1H);2.71‐2.85(m,2H);2.97‐3.20(m,3H);3.56‐3.82(m,4H);5.61(m,1H);7.14(m,2H);7.44(m,1H);7.52(m,1H).
融点:129‐132℃.
例7:化合物(Ie)の合成
Figure 0005156371
a)4‐(2‐クロロエチル)モルホリンの合成
4‐(2‐クロロエチルモルホリン)の塩酸塩5.0g(26.9mmol)を蒸留水16mlに溶解する。炭酸カリウム(KCO)15gを少しずつ加える。水溶液を酢酸エチル(AcOEt)で5回抽出する。乾燥をMgSOで行い、有機相を濾過および濃縮する。
得られた結果は、透明黄色油状物の形をとる4‐(2‐クロロエチルモルホリン)3.37gである。
収率:84%
b)化合物(Ie):(±)(3β,14β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐(2‐モルホリン‐4‐イルエトキシ)‐20,21‐ジノレブルナメニンおよび(±)(3β,14α,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐(2‐モルホリン‐4‐イルエトキシ)‐20,21‐ジノレブルナメニンの合成
化合物(1)500mg(1.86mmol)を無水DMF20mlに懸濁する。60%NaH90mg(1.2eq)を加え、周囲温度で45分間攪拌する。無水DMF10mlに溶解された4‐(2‐クロロエチル)モルホリン558mg(2.0eq)、次いでヨウ化ナトリウム140mg(0.5eq)を加える。それを45℃で8時間攪拌し、次いで60%NaH90mg(1.2eq)、無水DMF2mlに溶解された4‐(2‐クロロエチル)モルホリン558mg(2.0eq)およびヨウ化ナトリウム280mg(1.0eq)を同温度で加える。加熱を18時間続け、次いで60%NaH90mg(1.2eq)、無水DMF2mlに溶解された4‐(2‐クロロエチル)モルホリン558mg(2.0eq)およびヨウ化ナトリウム280mg(1.0eq)を再び加える。攪拌を45℃で24時間続ける。反応混合液を濃縮し、残渣をCHClで溶解させる。有機相を水で3回洗浄する。それをMgSOで乾燥させ、濾過および濃縮する。得られた残渣をEtOで溶解させ、不溶性物質を濾過し、濾液を濃縮する。得られた褐色油状物を溶出シリカカラムによりCHCl/MeOH/NHOH(99:0.5:0.5)混合液で精製する。
2種のエピマーを得る:粘着性黄色固体物(Ie1)340mgおよび黄色固体物(Ie2)29mg.収率:52%((Ie1)48%および(Ie2)4%).
(Ie1):
RMN H(300MHz,CDCl)δ(ppm):0.86(m,1H);1.18‐1.40(m,1H);1.78‐1.92(m,4H);2.21‐2.41(m,2H);2.48‐2.92(m,9H);2.98‐3.15(m,3H);3.59(m,1H);3.70‐3.92(m,5H);5.62(m,1H);7.08‐7.21(m,2H);7.44(m,1H);7.63(m,1H).
融点:116‐118℃.
(Ie2):
RMN H(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.12‐1.32(m,1H);1.79‐2.82(m,16H);2.95‐3.21(m,3H);3.43‐3.80(m,6H);5.69(bs,1H);7.11(m,2H);7.34‐7.52(m,2H).
融点:91‐93℃.
c)プレパラティブキラセルHPLCによる2種エナンチオマー(Ie1a)および(Ie1b)の分離
Figure 0005156371
下記条件下でCHIRACELOD-Hカラムを用いて、プレパラティブクロマトグラフィーにより化合物(Ie1)の各エナンチオマーを分離する:
プレパラティブ液体クロマトグラフィー法:
カラム:250×20mm CHIRACELOD-H 5μm
移動相:アセトニトリル
流速:20ml/min
検出:UV300nm
温度:25℃
分析液体クロマトグラフィー法:
カラム:250×4.6mm CHIRACELOD-H 5μm
移動相:アセトニトリル
流速:1.0ml/min
検出:UV230nm
温度:25℃
結果:
下記の2種エナンチオマー(Ie1a)および(Ie1b)を出発生成物582mgから得る(表1)。
Figure 0005156371
表1:プレパラティブキラセルHPLCにより分離された2種エナンチオマーの特徴
例8:化合物(If1):(±)(3β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐〔(2‐モルホリン‐4‐イルエチルカルバモイル)メトキシ〕‐20,21‐ジノレブルナメニンの合成
Figure 0005156371
N‐メチルピペラジンの代わりに4‐(2‐アミノエチルモルホリン)を用いて、化合物(Ic)と同様の合成を用いる。得られた結果は黄色粉末(If1)56mgである。収率:56%.融点:181‐184℃.
RMN H(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.18‐1.35(m,1H);1.50‐1.71(m,1H);1.75‐1.93(m,4H);2.32‐2.83(m,11H);2.91‐3.17(m,3H);3.38(m,2H);3.55‐3.72(m,4H);3.99(d,1H,J=14.57Hz);4.12(d,1H,J=14.57Hz);5.69(m,1H);7.13(m,3H);7.35‐7.52(m,2H).
例9:化合物(Ii):(±)(3β,16α)14,15‐ジヒドロ‐14‐(2‐モルホリン‐4‐イルエチルアミノ)‐20,21‐ジノレブルナメニンの合成
Figure 0005156371
化合物(1)200mg(0.75mmol)を4‐(2‐アミノエチル)モルホリン4mlに溶解し、反応混合液を110℃に4日間加熱する。混合液を周囲温度に戻し、残渣をCHClで溶解させる。有機相を水で10回洗浄する。それをMgSOで乾燥させ、濾過および濃縮する。得られた褐色油状物をエチルエーテルに溶解し、濾過し、濾液を濃縮する。得られた褐色固体物を溶出シリカカラムによりCHCl/MeOH(98:2)混合液、次いでCHCl/MeOH(96:4)混合液で精製する。2種エピマーを含有した粘着性黄色油状物44mgを得る。収率:15%.
RMN H(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.18‐1.38(m,3H);1.78‐2.81(m,17H);2.93‐3.21(m,3H);3.40‐3.57(m,1H);3.61‐3.78(m,3H);5.18‐5.40(m,1H);7.03‐7.21(m,2H);7.31‐7.64(m,2H).
例10:薬理プロトコール
分子は:
1)Balb/cマウスの青斑核(LC)でタンパク質の発現を活性化しうる能力;
2)チロシンヒドロキシラーゼ(TH)の表現型が処置により回復される細胞を相当数もたらす能力;
の相関として選択された。
THタンパク質の含有量は、ニトロセルロースフィルター上への凍結脳の冠状切片の直接移換え後に測定する。こうして定量免疫化学で現されるタンパク質分布の正確なサンプリングを80μm毎に行った(こうして各解剖間隔を定める)。次第に多くTHタンパク質を含有したある範囲の脳ホモゲネートを用いて定量を行った。
同様の解剖サンプリングを用いて免疫組織化学で固定された冠状脳切片から出発して、THの免疫陽性細胞数を調べる。
これらの分析は、賦形剤で処置された動物、および試験される分子の1回腹腔内注射(100μL中20mg/kg)で処置されたマウスで行う。動物は注射後3日目に殺す。
典型的結果が図1で示されている。TH遺伝子の誘導増加が特定レベルの核で生じていることを、そこでは明らかに示している。THタンパク質の含有量を処置マウスおよびコントロールマウスへの1回注射後3日目に調べた。THタンパク質の量を尾吻軸(caudorostral axis)に沿い各解剖間隔で調べた。各バーはコントロール群(黒バー)および処理群(陰影バー)の平均値±semを表わしている。図中、アステリスク≪≫は結果が有意(p<0.05)であることを意味する;アステリスク≪***≫は結果が非常に有意(p<0.0005)であることを意味する。LCで全TH含有量の13±3%の増加がみられる(ANOVA II検定を用いるとp<0001)。
生物活性
同系交配Balb/c種のマウスの青斑核(LC)でチロシンヒドロキシラーゼ(TH)の発現増加を誘導しうる能力を考慮して、一般式の全分子(例)を半ビボで合成および分離した。“休眠”ノルアドレナリン作動性細胞を出現させうる、末梢法で投与された分子の能力を顕在化させられるとして、この遺伝モデルが以前に実証された(Ref.1および2)。下記表2がこのスクリーニングの結果の例を示している。
Figure 0005156371
表2
この記載で示された例の各々において、コントロール群の動物および処置動物に100μLのビヒクルまたは単位用量の20mg/kgの生成物で腹腔内(i.p.)法により注射した。動物を注射後3日目に殺し、それらの脳を取り出し、凍結し、20μm前頭切片に切断した。LCを含む領域で、サンプリングを80μm間隔で行い、切片をニトロセルロースフィルター上へ直接移した(Ref.3)。THを免疫化学により調べた。結果は処置群の各々において構造全体で得られた平均±semを表わしている。それらは対応コントロール群でみられる平均値のパーセントとして表示されている;**p<0.02;***p<0.002;****p<0.0002。
下記図で示されているように、急性または連続投与が青斑核のノルアドレナリン作動性細胞群で有意な増加を示す式(Ie1)の化合物を用いて行われた例から、補足結果が得られた:
図2の結果は、Balb/cマウスのコントロール群および式(Ie1)の分子で処置されたマウスの群で得られた、免疫組織化学により調べられたLCでTHを含有する細胞の数の前後分布を示している。各バーは各実験群において各80μm解剖間隔で得られた平均±semを表わしている。****はANOVA IIで調べられたp<0.0001を示している(処理ファクター)。THを発現する細胞数の非常に有意な増加が注目されるべきである。構造全体において、みられる平均値はコントロール群および処置群で各々996±1および1250±58であった(D0、D3、D6、D9およびD12で投与量20mg/kg i.p.連続処置、D16で動物を殺す)。
この現象は適切な連続処置で安定化される(例えば:15日間にわたり3日毎に1回の20mg/kg i.p.注射、図2参照)。これらの条件下で、LCで出現する陽性超過TH細胞数の増加が、処置停止後24日間もなお維持されている。
細胞がLCで再出現するのと同時に、ノルアドレナリン作動性線維密度の非常に有意な増加が、化合物(Ie1)で処置された動物の前前頭皮質でみられる(図3)。
図3の結果は、Balb/cマウスの前前頭皮質サンプルにおける陽性TH線維の分布を示している。左側:コントロールマウスで、THタンパク質の存在に関する免疫細胞化学反応を用いて特定されたノルアドレナリン作動性線維の典型的配向(皮質の表面と平行)が、前前頭皮質の分子層でみられる。右側:図は、連続処置(分子(Ie1)の5回i.p.注射;3日毎に20mg/kg)後に、同様の大脳領域で特定された陽性TH線維密度の増加を示している。最終注射後3日目に動物を殺した。点線は前前頭皮質の分子層の限界線を表わしている。
次のことも証明された:
‐分子(Ie1)は経口で活性である;
‐この活性は腹腔内(i.p.)法および経口(p.o.)法によると用量依存性である。50%有効(DE50)用量は各々0.5および1.5mg/kgである。好ましい例で分子は、式(1)のその直接合成前駆体より30倍高い活性である(Ref.4、5および6参照)。
2種のエナンチオマー対を分子(Ie)の合成に際して分離した。式(Ie1)のエナンチオマー対を2種の純粋生成物(Ie1aおよびIe1b)に分離した。化合物(Ie1b)は形(Ie1a)より2倍活性であり、そのため好ましい形である。
本発明者らは、化合物(I)の基Rが水素原子も表わすことができ、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する式(I)の化合物、特に化合物(Ie1)が他の革新的活性:正常生理条件下においてbalbc/cでヒポクレチンをほとんどまたは全く発現しない側部視床下部細胞の特定群におけるこれらのペプチドの発現の活性化を有していることも証明した。この性質はその直接合成前駆体、式(1)の化合物と共通している。下記表3はその2種化学物質に関するこのタイプの結果を示している:
Figure 0005156371
表3
側部視床下部でヒポクレチンを発現する細胞の分布を連続80μm厚間隔の前後サンプリングで調べる。特異的抗体を用いて免疫細胞化学により細胞を特定する。2種の試験分子を1回用量20mg/kgのi.p.法で投与した。動物を注射後3日目に殺した。こうして約100個の超過細胞群が大脳中心部の後部1/3で特定される。
行動活性試験、Balb/c種で抗うつ剤により実証された尾吊下試験(TST)(Ref.7)も、1mg/kg i.p.の用量で好ましい例の分子(Ie1b)について行った。例示された実験を1回注射後3日目に行い、効果をイミプラミン(試験30分前に30mg/kg i.p.)の効果と比較した(下記表4参照)。
Figure 0005156371
表4
6分間にわたり測定された固定時間は、ラセミ(Ie1)の活性異性体、化合物(Ie1b)の1回注射後3日目で有意に減少する。結果は動物n匹の平均である。
10マイクロモル濃度の化合物(Ie1)において74のレセプターおよびチャンネルで“インビトロ”で行われた受容プロファイルでは、それが電圧依存性Na、KおよびCaおよびSK+Caチャンネルともカテコールアミン輸送系とも相互作用を有さず、中度の親和性リンクがM1および5HT5Aレセプターでみられるかもしれないことを示している。
高用量(各々20および60mg/kg)のi.p.およびos投与から45分後における分子(Ie1)の生体分布の試験では、以下を示している:
‐化合物(1)の存在下で化合物(Ie1)のi.p.投与後に、合成前駆体は検出されない;
‐同時p.o.投与後に、化合物(Ie1)は大脳濃度の89%を占め、化合物1は11%を占めるにすぎない;
‐化合物(Ie1)について、大脳濃度/肝臓濃度比は2種の投与法で同一である(各々0.41および0.49)。
これらの結果は、化合物(I)の基Rが水素原子も表わすことができ、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する本発明による化合物、特に好ましい化合物(Ie1)、更に具体的には(Ie1b)が、上記で観察された効果に特に関与して、それらの大脳生体分布が好ましいものであることを証明している。
結論として、化合物(I)の基Rが水素原子も表わし、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する本発明による化合物、特に好ましい化合物(Ie1)、更に具体的には(Ie1b)は、Balb/cマウスの脳で青色複合体のノルアドレナリン作動性細胞の休眠群を回復させうる柔軟化現象を脳に導入しうる。この表現型覚醒は、低密度のこの前頭神経支配を有するマウスのこの遺伝的純粋変異系における前前頭皮質のノルアドレナリン作動性神経支配の増加と関連している。好ましい化合物が特定された。それはosで活性化される。それは、類似した性質を有するその直接化学前駆体より30倍活性である。二重結合が炭素14および炭素15間に存在して化合物(I)の基Rが水素原子も表わせる、本発明によるこれらの化合物は、側部視床下部でヒポクレチンを発現するニューロンの特定群の長期活性化も行いうる。
中枢ノルアドレナリン作動性媒介、特に前前頭と、覚醒‐睡眠サイクルおよび動物うつ病モデルの関連が知られているヒポクレチン作動性ニューロンとにおける、このファミリーの潜在効力を考慮してみる(Ref.8,9)。ユーモア(Ref.10,11)および認知現象(Ref.12)のコントロールに際してノルアドレナリン作動性ニューロンによりヒトで行われる特別なコントロールを考慮してみる。いくつかの精神医学および神経病理学における機能的前頭および前前頭欠損、重度うつ病(Ref.10,11,12)とアルツハイマー病およびパーキンソン病のような大変性症候群(Ref.12,13)において青斑核で以前に観察された欠損の直接的証拠を考慮してみる。現在実施中の療法には抵抗性の患者が多数いるため、化合物(I)の基Rが水素原子も表わすことができ、炭素14および炭素15間に二重結合が存在する本発明による化合物、特に好ましい化合物(Ie1)、更に具体的には(Ie1b)は、うつ病症候群、特に大うつ病、DSM4で規定されるもののような抵抗性うつ病(Ref.14,15,16)の予防または治療に、並びに双極性うつ病(Ref.17)および統合失調症(Ref.18)の負の症状の正常化に有用である。このタイプの分子は、認知要素(軽度認知障害(Ref.9)、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連した前痴呆および痴呆症状(Ref.20))または活動低下、注意力問題、性格問題(注意力不足‐活動過剰(ADHD)型(Ref.21))を含めた行動障害、および睡眠問題、特に活動低下または特徴的過眠症(ナルコレプシー)における症侯性前頭障害の治療にも有用である。
参考文献
Figure 0005156371
Figure 0005156371
コントロールマウスの群(白バー)および式(If1)の化合物で処置されたマウスの群(グレーバー)において、各解剖間隔(80μm)で、任意の単位で表示された(UTAは任意チロシンヒドロキシラーゼ単位を表わしている)、ニトロセルロースフィルター上への凍結冠状脳切片の直接移換え後に測定されたTH(チロシンヒドロキシラーゼ)タンパク質の含有量を表わしている。 Balb/cマウスのコントロール群(白バー)および式(Ie1)の分子で処置されたマウスの群(グレーバー)で免疫組織化学により調べられた、LCでTHを含有している細胞数の前後分布。 コントロールマウス(図3A)および式(Ie1)の分子による連続処置後(図3B)で、免疫組織化学により調べられた、Balb/cマウスの前前頭皮質サンプルにおける陽性TH線維の分布。陽性TH線維が強調されている。“分子層”という表示がこれらの図で示されている。

Claims (10)

  1. 下記式(I)を満たす化合物またはその薬学上許容される塩の1種:
    Figure 0005156371
    〔上記式中、Rが‐AR′基を表わし、ここでAは酸素原子を表わし、R′が、下式のアミン:
    Figure 0005156371
    (式中、YおよびZが一緒になって、ピペリジン、モルホリン、およびチオモルホリン基からなる群から選択されるヘテロ環式基を形成している)で置換された、直鎖または分岐鎖の、C‐Cのアルキル基を表わし、
    上記式の化合物は、異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーまたはそれらの混合物であってもよい〕。
  2. 前記式(I)を満たす化合物が下記式を満たす、請求項1に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の1種:
    Figure 0005156371
  3. 3位の水素原子と16位の水素原子がトランス位をとり、14位の基Rがαまたはβ形であってよい、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の1種。
  4. ラセミまたは光学活性混合体の形態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の1種。
  5. 前記式(I)を満たす化合物が、
    a)右旋および/または左旋形(3α)の化合物;および
    b)右旋および/または左旋形(16α)の化合物
    から選択され、これら化合物a)およびb)に存在する左旋性および右旋性ジアステレオマー2種の混合物が等モル割合で存在しているかまたは等モル割合で存在していない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の1種。
  6. 前記式(I)を満たす化合物が、
    a)(3α,14α)形の化合物;
    b)(3α,14β)形の化合物;
    c)(14α,16α)形の化合物;および
    d)(14β,16α)形の化合物
    から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の1種。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の1種と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる、医薬組成物。
  8. うつ病の治療および/または予防用の、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 大うつ障害の治療および/または予防用の、請求項7に記載の医薬組成物。
  10. 大うつ障害が抵抗性うつ病である、請求項9に記載の医薬組成物。
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