JP5154954B2 - 選択的なグリコシダーゼインヒビター、インヒビターを作製する方法、およびインヒビターの使用 - Google Patents
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Description
本出願は、2005年3月1日に出願された米国仮特許出願第60/656,878号(これは、参考として本明細書に援用される)の出願日の利益を主張する。
本出願は、選択的にグリコシダーゼを阻害する化合物、そのインヒビターを作製する方法、およびその使用に関連する。
広範囲の細胞タンパク質(核および細胞質の細胞タンパク質の両方)は、、単糖2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(β−N−アセチルグルコサミン)の付加によって翻訳後修飾され、それはO−グリコシド結合によって結合する[1]。この修飾は一般的に、O結合型N−アセチルグルコサミンまたはO−GlcNAcと呼ばれる。
S.Knappら、J.Am.Chem.Soc.(1996)118、6804〜6805 B.L.Markら、J Biol Chem(2001)276、10330〜10337 M.S.Macauleyら、J Biol Chem(2005)280、25313〜25322
本発明の実施態様は、グリコシダーゼを選択的に阻害する化合物に関連する。本発明はまた、そのような化合物の作製方法、およびその使用にも関連する。
a)2−アミノ−2−デオキシ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノースの塩酸塩を、ある範囲のアシル化剤でアシル化して、一連の1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ−2−N−アシル−β−D−グルコピラノース誘導体を得る工程;
b)一連の1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ−2−N−アシル−β−D−グルコピラノース誘導体のアミドを、対応するチオアミドへ変換し、そしてチオアミドを環化して一連の3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−アルキル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリンを得る工程;そして
c)チアゾリン化合物を脱アシル化して、一連の1,2−ジデオキシ−2’−アルキル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリンを得る工程。
a)2つまたはそれ以上のグリコシダーゼまたは1つのクラスのグリコシダーゼのインヒビターを選択する工程;
b)側鎖を拡張または縮小することによって、インヒビターの1つまたはそれ以上の側鎖を修飾する工程;そして
c)1つまたはそれ以上のグリコシダーゼの選択的阻害に関して、修飾したインヒビターを試験する工程。
a)以下:
b)側鎖の大きさを拡張または縮小することによって、インヒビターのR1側鎖を修飾する工程;そして
c)1つまたはそれ以上のβ−N−アセチル−グルコサミニダーゼまたはβ−ヘキソサミニダーゼの選択的阻害に関して、修飾したインヒビターを試験する工程。
以下の説明を通して、本発明のより完全な理解を提供するために特定の詳細を述べる。しかし、本発明はこれらの詳細なしで実施し得る。他の場合には、本発明を不必要にわかりにくくするのを避けるために、周知の要素は詳細に示されないか、または説明されない。従って、明細書および図は、制限的ではなく、説明的な意味にみなされる。
のうち、2−5%はヘキソサミン生合成経路へ向けられ、それによってこの経路の最終産物、ウリジン2リン酸−N−アセチルグルコサミン(UDP−GlcNAc)の細胞濃度を調節する[52]。UDP−GlcNAcは、核細胞質酵素O−GlcNAcトランスフェラーゼ(OGTase)の基質であり[53−56]、それは多数の核細胞質タンパク質の特定のセリンおよびスレオニン残基にGlcNAcを翻訳後に付加するように作用する。OGTaseは、そのテトラトリコペプチド反復(TPR)ドメイン[61、62]によって、多くのその基質[57、58]および結合パートナー[59、60]を認識する。上記で記載したように、O−GlcNAcase[13、15]は、この翻訳後修飾を除去してタンパク質を遊離し、O−GlcNAc修飾を、タンパク質の寿命の間に数回起こる動的なサイクルにする[63]。O−GlcNAcは、いくつかのタンパク質において公知のリン酸化部位に見出され[3、64−66]、細胞シグナル伝達におけるO−GlcNAcの役割を示唆した。さらに、OGTaseは、細胞内UDP−GlcNAc基質濃度、そしてそれゆえグルコース供給に対して鋭敏に感受的にする一般的ではない動態挙動を示す[67]。これらのデータは全て、栄養素感知メカニズムとして作用するO−GlcNAcレベルの論理的役割を示す。栄養素感知におけるそのような可能性のある役割を支持するために、末梢組織において上昇したO−GlcNAcレベルはインスリン抵抗性の発症を引き起こすことが示された[7、21]。実際、一塩基多型がメキシコ人集団におけるII型糖尿病の発症に関連することを示す最近の研究によって、顕著に上昇したO−GlcNAcレベルが、II型糖尿病を引き起こし得ることが提唱された[68]。増加したO−GlcNAcレベルがインスリン抵抗性を引き起こすことを示すために、培養細胞および組織において、PUGNAcが使用された[7、32−35]。類推によって、本発明の化合物も、同様の研究において使用し得、そして糖尿病の発症におけるO−GlcNAcレベルの役割を示すための動物モデルを開発するために使用し得る。
a)2−アミノ−2−デオキシ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノースの塩酸塩を、ある範囲のアシル化剤でアシル化して、一連の1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ−2−N−アシル−β−D−グルコピラノース誘導体を得る工程;
b)一連の1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ−2−N−アシル−β−D−グルコピラノース誘導体のアミドを、対応するチオアミドへ変換し、そしてチオアミドを環化して一連の3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−アルキル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリンを得る工程;そして
c)チアゾリン化合物を脱アシル化して、一連の1,2−ジデオキシ−2’−アルキル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリンを得る工程。
a)2つまたはそれ以上のグリコシダーゼまたは1つのクラスのグリコシダーゼのインヒビターを選択する工程;
b)側鎖を拡張または縮小することによって、インヒビターの1つまたはそれ以上の側鎖を修飾する工程;そして
c)1つまたはそれ以上のグリコシダーゼの選択的阻害に関して、修飾したインヒビターを試験する工程。
a)以下:
b)側鎖の大きさを拡張または縮小することによって、インヒビターのR1鎖を修飾する工程;そして
c)1つまたはそれ以上のβ−N−アセチル−グルコサミニダーゼまたはβ−ヘキソサミニダーゼの選択的阻害に関して、修飾したインヒビターを試験する工程。
1.1 O−GlcNAcaseの可能性のある触媒メカニズム
O−GlcNAcaseのインヒビターを設計するための論理的な開始点は、O−GlcNAcaseおよびβ−ヘキソサミニダーゼの触媒メカニズムを考慮する。ファミリー20ヒトβ−ヘキソサミニダーゼAおよびBの触媒作用メカニズムはかなりよく確立されたが[78]、ファミリー84O−GlcNAcaseのものは未知のままである。従って、発明者はまず、ヒトO−GlcNAcaseの触媒メカニズムを明らかにし、そして次に、強力で、細胞透過性であり、そしてリソソームβ−ヘキソサミニダーゼよりもO−GlcNAcaseに高度に選択的な、単純なインヒビターを設計するためにこの情報を使用した。
基質の2−アセトアミド基の役割に取り組むために、N−アセチル基に異なるレベルのフッ素置換を有する、いくつかの基質アナログを合成した(スキーム1)。高度に電気陰性のフッ素置換基は、カルボニル基の塩基性度を減少させ、そして隣接基補助を用いる酵素反応に対するそのような置換の期待される効果は、その速度を減少させることである。
この研究において使用した全ての緩衝液塩は、Sigma−Aldrichから得た。乾燥メタノールおよびトルエンは、Acros Organicsから購入した。ジクロロメタンおよびトリエチルアミンは、使用の前にCaH2に対して蒸留することによって乾燥した。β−ヘキソサミニダーゼは、Sigmaから購入した(ロット043K3783)。STZは、Sigma−Aldrichから購入し、そしてサンプルをアッセイの直前に新しく溶解した。PUGNAcはToronto Research Chemicalsから得た。他の試薬は全て、Sigma−Aldrichから購入し、そしてさらなる精製をせずに使用した。全ての緩衝液を調製するためにMilli−Q(18.2mΩ/cm)水を使用した。合成反応を、Merck Kieselgel 60 F254アルミニウム裏打ちシートを使用してTLCによってモニターした。2MのH2SO4中10%のモリブデン酸アンモニウムで焦がし、そして加熱することによって化合物を検出した。Merck Kieselgel 60(230−400メッシュ)によって、指定された溶離剤を用いて、陽圧下でのフラッシュクロマトグラフィーを行った。1H NMRスペクトルを、Varian AS500 Unity Innova分光計で500MHzにおいて記録した(適当な場合にCDCl3、CD3OD、または(CD3)2SOに対する相対的な化学シフトを引用した)。19F NMRスペクトルを、Varian AS500 Unity Innova分光計で470MHzにおいて記録し、そして参照としてCF3CO2Hとプロトンカップリングさせる。13C NMRスペクトルを、Varian AS500 Unity Innova分光計で125MHzにおいて記録した(CDCl3、CD3OD、または(CD3)2SOに対する相対的な化学シフトを引用した)。細胞培養および酵素アッセイにおいて使用した全ての化合物の元素分析を、Simon Fraser University Analytical Facilityにおいて行った。
4−メチルウンベリフェリル2−アミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド塩酸塩(3)を、本質的にRoeserおよびLegler[84]によって記載されたように調製し、そしてさらなる精製無しに使用した。
ジメチルホルムアミド(DMF、10mL)中の冷却した(0℃)塩酸塩3(0.50g、1.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.3mL、0.21g、2.1mmol)および乾燥ピリジン(10mL)を加えた。乾燥DOWEX−50H+樹脂(6g)を含む乾燥DMF(45mL)の攪拌した混合物に、フルオロ酢酸ナトリウム(0.9g)を加えた。1時間後ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.6g、7.8mmol)および30mLのフルオロ酢酸溶液(6.0mmol)を、塩酸塩3を含む反応容器へカニューレによって加えた。できた溶液を0℃で16時間置き、その後TLC分析によって反応が終わったことを判断した。減圧下で溶媒を部分的に除去し、その後酢酸エチル(50mL)および飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)を加えた。有機層を回収し、そして水層を酢酸エチルで2回抽出した。あわせた有機抽出物を、水、飽和炭酸水素ナトリウムで2回、および最後に飽和塩化ナトリウムで連続的に洗浄した。有機抽出物を、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で溶媒を除去して淡黄色のシロップを得た。フラッシュカラムシリカクロマトグラフィー(2:1;酢酸エチル−ヘキサン)を用いて望ましい産物を精製し、部分的に精製した望ましい化合物を、非晶質の白色固体として得て(約356mg、0.68mmol、68%)、それをさらなる精製なしに、次の工程で使用した。
ジメチルホルムアミドの溶液(DMF、6mL)中の冷却した(0℃)塩酸塩3(0.15g、0.3mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.09mL、0.063g、0.62mmol)および乾燥ピリジン(3mL)を加えた。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.48g、2.3mmol)およびジフルオロ酢酸(0.12mL、0.18g、1.3mmol)を、シリンジによって反応混合物中に加えた。できた溶液を0℃で16時間置き、その後2滴のジフルオロ酢酸を加えた。さらに室温で3.5時間後、TLC分析によって反応が終わったことを判断した。減圧下で溶媒を部分的に除去し、その後酢酸エチル(50mL)および飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)を加えた。有機層を回収し、そして水層を酢酸エチルで2回抽出した。あわせた有機抽出物を、水、飽和炭酸水素ナトリウムで2回、および最後に飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄した。有機抽出物を、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で溶媒を除去して淡黄色のシロップを得た。グラジエント溶媒系(1:1;ヘキサン−酢酸エチル)を用いたフラッシュカラムシリカクロマトグラフィーを用いて望ましい産物を精製し、部分的に精製した望ましい化合物を、非晶質の白色固体として得て(約0.10mg、0.19mmol、64%)、それをさらなる精製なしに、次の工程で使用した。
ジメチルホルムアミドの溶液(DMF、6mL)中の冷却した(0℃)塩酸塩3(0.10g、0.2mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.06mL、0.42g、0.41mmol)を加えた。次いで反応混合物を0℃まで冷却し、そしてシリンジによってトリフルオロ酢酸無水物(0.08mL、0.12g、5.7mmol)を加えた。できた溶液を0℃で16時間置き、その後TLC分析によって反応が終わったことを判断した。反応混合物を次いで酢酸エチル(20mL)で希釈し、そして飽和塩化ナトリウム溶液(40mL)を加えた。有機相を回収し、そして水相を酢酸エチルで2回抽出した。あわせた有機抽出物を、水、飽和炭酸水素ナトリウムで2回、および最後に飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄した。有機抽出物を、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で溶媒を除去して淡黄色のシロップを得た。グラジエント溶媒系(1:1;ヘキサン−酢酸エチル)を用いたフラッシュカラムシリカクロマトグラフィーを用いて望ましい産物を精製し、部分的に精製した望ましい化合物を、非晶質の白色固体として得て(約0.93g、0.17mmol、82%)、それをさらなる精製なしに、次の工程で使用した。
乾燥メタノール中の各グリコシドの溶液に、スパチュラの先ほどの無水ナトリウムメトキシドを加えた。できた塩基性溶液を、TLC分析によって反応が終わったことを判断するまで、窒素下で攪拌した。Dowex−50H+樹脂を、溶液のpHが中性になるまで、攪拌した反応混合物に加えた。懸濁液をろ過し、そしてフィルターケーキをメタノールで徹底的にすすぎ、その後あわせたろ過物からの溶媒を減圧下で除去した。望ましい脱保護グリコシドを、以下の溶媒システムを用いたフラッシュカラムシリカクロマトグラフィーによって単離した:N−トリ−およびN−ジフルオロアセチル誘導体(5bおよび5c)に関しては酢酸エチル−メタノール−水(12:1:1)、およびN−モノフルオロアセチル誘導体(5a)に関しては酢酸エチル−メタノール(1:1)。産物をエタノールおよびジエチルエーテルから再結晶化して望ましい産物を得、2つの工程の全体的な収率は、N−トリフルオロアセチル誘導体(5c)に関して66%、N−ジフルオロアセチル誘導体(5b)に関して37%、およびN−フルオロアセチル誘導体(5a)に関して45%であった。
1.3.1 動態分析のための実験手順
全てのアッセイを、停止アッセイ(stopped assay)手順を用いて、37℃で30分間、3組行い、ここで酵素反応(25μL)を、6倍過剰(150μL)の反応停止緩衝液(200mMのグリシン、pH10.75)を加えることによって反応停止させる。酵素(3μL)をシリンジで加えることによってアッセイを開始し、そして全ての場合においてできた反応停止溶液の最終的なpHは、10より高かった。β−ヘキソサミニダーゼおよびO−GlcNAcaseの時間依存的アッセイは、どちらの酵素も、この期間中そのそれぞれの緩衝液;50mMのクエン酸、100mMのNaCl、0.1%のBSA、pH4.25および50mMのNaH2PO4、100mMのNaCl、0.1%のBSA、pH6.5の中で安定であったことを明らかにした。30分の終了における反応の進行を、Varian CARY Eclipse Fluoresence−Spectrophotometer 96穴プレートシステムを用いた蛍光測定、および同一の緩衝液条件下での4−メチルウンベリフェロンの標準曲線との比較によって決定した、遊離した4−メチルウンベリフェロンの程度を測定することによって決定した。5mmのスリット開口で、それぞれ368および450nMの励起および発光波長を使用した。ヒト胎盤β−ヘキソサミニダーゼを、Sigma−Aldrichから購入した(ロット043K3783)。O−GlcNAcaseのクローニングおよび発現は、文献に記載されている[85]。両方の酵素を、PBS緩衝液に対して透析し、そしてその濃度をBradfordアッセイを用いて決定した。フッ素化した基質と共にアッセイで使用したβ−ヘキソサミニダーゼおよびO−GlcNAcaseの濃度(μg/μl)は以下の通りであった:4−メチルウンベリフェリル2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(MuGlcNAc)(5):0.00077、0.0126;MuGlcNAc−F(5a):0.0031、0.0189;MuGlcNAc−F2(5b):0.0154、0.0756、およびMuGlcNAc−F3(5c):0.0154、0.01523。それに加えて、β−ヘキソサミニダーゼおよびO−GlcNAcaseを、それぞれ0.0154および0.0378の濃度(μg/μL)で使用して、基質5を0.64mMの濃度で使用してインヒビターを試験した。8eのKI値が高いために、インヒビターをそのような高濃度にできないインヒビター8eとβ−ヘキソサミニダーゼのアッセイを除いて、全てのインヒビターを、KIの5倍から5分の1までの範囲の8つの濃度で試験した。KI値を、ディクソンプロットにおけるデータの線形回帰によって決定した。必要な場合には、アッセイを3組行い、そしてエラーバーをデータのプロットに含める。
リソソームヒトβ−ヘキソサミニダーゼは、隣接基補助を含むメカニズムによって進行することが公知であるので、これらの化合物を、最初にこの酵素と試験した(図2A)。全ての基質に関してMichaelian飽和動態は観察されなかったが(表1)、酵素触媒反応を支配する二次速度定数に比例するVmax[E]0/KMを、ミカエリス−メンテンプロットの最初の傾きから決定し得る(図2A挿入図)。N−アシル置換基のTaft電子パラメーター(σ*)に対するlog Vmax[E]0/KMのプロットは、増加するフッ素置換に対して負の線形の相関を示す(図2C)。予期されるように、カルボニル酸素の塩基性の減少は、触媒作用に有害な影響を有する。Taft様線形自由エネルギー分析の急な負の傾き(反応定数によって与えられる、ρ=−1.0±0.1)は、カルボニル酸素が、アノマー中心を攻撃する求核試薬として作用することを示唆する。
a各N−アシル置換基に関して使用したTaft電子パラメーター(σ*)は、HanschおよびLeoから得た[86]。
bミカエリス−メンテンデータの非線形回帰によって値を推定した。限られた基質の溶解性のために、アッセイした基質濃度はKMに匹敵するが超えないことに注意。
c基質溶解性の制限のために飽和動態が観察されなかったので、これらの値は決定できなかった。
dミカエリス−メンテンプロットの2次領域の線形回帰によって値を決定した。
O−GlcNAcaseが、隣接基補助を含む触媒メカニズムを使用するかどうかのさらなる試験として、インヒビターNAG−チアゾリン(9a)をこの酵素と試験した。二環性オキサゾリン中間体の模倣物として設計されたNAG−チアゾリンは、ファミリー20ヘキソサミニダーゼのインヒビターとして機能することが以前に示された[30、48]。pNP−GlcNAcを基質として使用して、NAG−チアゾリンは、ファミリー84ヒトO−GlcNAcaseの強力なインヒビターであることが見出され、そして競合的阻害の明らかなパターンが観察された(図3)。非線形回帰が、pH7.4における180nMのKI値を明らかにし、そしてMU−GlcNAc(5)を用いた分析が、pH6.5における70nMのKI値を明らかにした。従って、NAG−チアゾリンは、O−GlcNAcaseの強力なインヒビターであり、pH6.5において親の糖類であるGlcNAc(KI=1.5mM)よりも約21000倍強く結合する。この強力な阻害は、NAG−チアゾリンの推定されるオキサゾリン中間体または構造的に関連する転移状態との類似に起因し得る。実際、観察された阻害データは、ファミリー20ヒトリソソームβ−ヘキソサミニダーゼ(KI=70nM、KI値が1.2mMであるGlcNAcより17000倍強い)に関して発明者が測定したものと同様であり、そしてO−GlcNAcaseは、ファミリー20β−ヘキソサミニダーゼと同様、隣接基補助を含む触媒メカニズムを使用することを示すTaft様分析を強力に支持する。オリゴ糖鎖を切断するよう作用するエンドグリコシダーゼである、ファミリー18[89]および56[90]のグリコシドヒドロラーゼも、隣接基補助を含むメカニズムを使用することが示された[91]。従って、ファミリー18、20、56および84は全て、基質のアセトアミド基からの隣接基補助を含む触媒メカニズムを使用する保持性グリコシダーゼから成る。これは、そのそれぞれの基質の2位にアセトアミド基を有する基質に作用するファミリー3および22の保持性β−グリコシダーゼ[81、82]、およびファミリー23逆転エンドグリコシダーゼと非常に対照的である。
2.1 選択的O−GlcNAcaseインヒビターの最初の実施態様の設計
ヒトO−GlcNAcase、および拡張して(by extenstion)ファミリー84のグリコシドヒドロラーゼの他のメンバーのメカニズムが確立され、ヒトリソソームβ−ヘキソサミニダーゼよりもこの酵素に選択的なインヒビターの設計にこの情報を使用することへ注意が向けられた。β−ヘキソサミニダーゼおよびO−GlcNAcaseはどちらも隣接基補助を含むメカニズムを使用するので、必要な選択性を生ずるよう作り上げ得る足場として、NAG−チアゾリンを選択した。3つの観察が、そのインヒビターの設計における開始点を提供した。最初のものは、リソソーム酵素のTaft様分析の傾きが、O−GlcNAcaseに関して測定されたものよりもかなり急で、それによってN−アシル基の大きさが、基質認識における決定要因であり得ることを示唆することである(前述を参照のこと)。2番目の、そして関連する考察は、ヒトリソソームβ−ヘキソサミニダーゼBの構造は、アセトアミド置換基のメチル基が釣り合う、ぴったり合うポケットを明らかにする[78]。3番目は、大きなN−アシル置換基を有するSTZが、β−ヘキソサミニダーゼよりもO−GlcNAcaseにいくらかの選択性を示すことである[46]。
一連の7つのインヒビターを調製し、ここでチアゾリン環を、これらの化合物がリソソームヘキソサミニダーゼよりもO−GlcNAcaseについての明確な阻害を可能にすることを期待して、増加する長さの脂肪族の鎖と共に合成した。このインヒビターのパネルの合成を、スキーム2で概略を述べる。この容易な合成経路は、市販で入手可能な開始材料から3つの工程で、または安価な開始材料2−アミノ−2−デオキシ−グルコピラノースから6つの工程で、多量のインヒビターの産生を可能にする。
1容積の乾燥ジクロロメタン中の2−アミノ−2−デオキシ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(6)[92]の塩酸塩の溶液に、2当量の乾燥トリエチルアミンを加え、このとき開始材料を溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、そして1.2当量の適当な塩化アシルをシリンジで加えた。できた混合物を、室温で約2時間攪拌した。TLC分析によって反応混合物が完了したことを判断した時に、5容積の酢酸エチルを加えた。できた有機相を、水、1MのNaOH、および飽和塩化ナトリウムで連続的に洗浄した。有機相をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して白色の結晶性固体を得た。その物質を、酢酸エチルおよびヘキサンの混合物を用いて再結晶化し、望ましいN−アシル化された物質を、46から74%の範囲の収率で得た。
無水トルエン中の適当な1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−N−アシル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース(7a−g)の溶液に、ローソン試薬(0.6当量)を加え、そして反応混合物を2時間還流し、その後TLC分析によって反応が完了したことを判断した。溶液を室温に冷却し、そして溶媒を減圧下で除去した。残渣をトルエンに溶解し、そしてヘキサンおよび酢酸エチルの4:1から1:2まで範囲の適当な比の溶媒システムを用いて、フラッシュカラムシリカクロマトグラフィーによって望ましい物質を単離した。62から83%の範囲の収率で産物を単離した。3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−メチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(8a)は、上記で記載されたような同様の反応条件を用いて以前に調製された[30]。全てのスペクトルの特徴は、文献の値と一致した。
乾燥メタノール中の適当な保護チアゾリン(8a−g)の溶液に、スパチュラの先ほどの無水ナトリウムメトキシドを加えた。その塩基性溶液を、TLC分析によって反応が完了したと判断するまで(典型的には2時間)攪拌した。メタノール中の氷酢酸の溶液(1:20)を、溶液のpHが中性になるまで、反応混合物中に1滴ずつ加えた。次いで溶媒を減圧下で除去し、そして酢酸エチルおよびメタノールの2:1から6:1までの範囲の適当な比の溶媒システムを用いて、フラッシュカラムシリカクロマトグラフィーによって望ましい物質(9a−g)を単離した。産物を86%から99%までの範囲の収率で単離した。1,2−ジデオキシ−2’−メチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(9a)は、上記で記載されたような同様の反応条件を用いて以前に調製された[30]。全てのスペクトルの特徴は、これらのアッセイで使用したサンプルの元素分析と同様、文献の値と一致した。C8H13O4NSの計算値;C,43.82;H,5.98;N,6.39;実測値 C,43.45;H,6.23;N,6.18。
2.3.1 動態分析の実験手順
全てのアッセイを、停止アッセイ手順を用いて、37℃で30分間、3組行い、ここで酵素反応(25μL)を、6倍過剰(150μL)の反応停止緩衝液(200mMのグリシン、pH10.75)を加えることによって反応停止させる。酵素(3μL)をシリンジで加えることによってアッセイを開始し、そして全ての場合においてできた反応停止溶液の最終的なpHは、10より高かった。β−ヘキソサミニダーゼおよびO−GlcNAcaseの時間依存的アッセイは、どちらの酵素も、この期間中そのそれぞれの緩衝液;50mMのクエン酸、100mMのNaCl、0.1%のBSA、pH4.25および50mMのNaH2PO4、100mMのNaCl、0.1%のBSA、pH6.5の中で安定であったことを明らかにした。30分の最後における反応の進行を、Varian CARY Eclipse Fluoresence−Spectrophotometer 96穴プレートシステムを用いた蛍光測定および同一の緩衝液条件下での4−メチルウンベリフェロンの標準曲線との比較によって決定した、遊離した4−メチルウンベリフェロンの程度を測定することによって決定した。5mmのスリット開口で、それぞれ368および450nMの励起および発光波長を使用した。可能性のあるO−GlcNAcaseの時間依存的不活性化を、10mMのSTZを、50mMのNaH2PO4、100mMのNaCl、1%のBSA、5mMのβ−メルカプトエタノール、pH6.5の存在下で0.016mg/mLのO−GlcNAcaseと、または50mMのクエン酸、100mMのNaCl、0.1%のBSA、pH4.25の存在下で0.036mg/mLのβ−ヘキソサミニダーゼとインキュベートすることによってアッセイした。いくつかの時間間隔で、不活性化混合物中に含まれる残留酵素活性をアッセイした。反応を、反応混合物のアリコートを5.7mMのMU−GlcNAcおよび各酵素に適当な緩衝液を含むアッセイ混合物に加えることによって始めた以外は、上記で各酵素に関して記載されたようにアッセイを行った。STZの安定性を、まずNMRによって重水素化水中でのその分解を追跡することによって試験した。室温での水性溶液におけるSTZの半減期は、室温でNMRによってその分解を追跡することによって決定したように、6時間より十分長かった。ヒト胎盤β−ヘキソサミニダーゼを、Sigma−Aldrichから購入した(ロット043K3783)。O−GlcNAcaseのクローニングおよび発現は、文献に記載されている[85]。両方の酵素を、PBS緩衝液に対して透析し、そしてその濃度をBradfordアッセイを用いて決定した。フッ素化した基質と共にアッセイで使用したβ−ヘキソサミニダーゼおよびO−GlcNAcaseの濃度(μg/μl)は以下の通りであった:4−メチルウンベリフェリル2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(MuGlcNAc)(5):0.00077、0.0126;MuGlcNAc−F(5a):0.0031、0.0189;MuGlcNAc−F2(5b):0.0154、0.0756、およびMuGlcNAc−F3(5c):0.0154、0.01523。それに加えて、β−ヘキソサミニダーゼおよびO−GlcNAcaseを、それぞれ0.0154および0.0378の濃度(μg/μL)で使用して、基質5を0.64mMの濃度で使用してインヒビターを試験した。インヒビター8eのKI値が高いために、インヒビターをそのような高濃度にできないインヒビター8eとβ−ヘキソサミニダーゼとのアッセイを除いて、全てのインヒビターを、KIの5倍から5分の1までの範囲の8つの濃度で試験した。KI値を、ディクソンプロットにおけるデータの線形回帰によって決定した。必要な場合には、アッセイを3組行い、そしてエラーバーをデータのプロットに含める。
ヒトβ−ヘキソサミニダーゼの阻害の分析は、鎖の長さを増加させることは、これらのインヒビターの効力の顕著な減少を引き起こすことを明らかにした(図4および表2)。1つのメチレンユニットの含有さえも(化合物9b)、親化合物NAG−チアゾリン(9a)と比較して、β−ヘキソサミニダーゼのKI値における460倍の増加を引き起こした。鎖の長さのさらなる増加は、KI値のさらに大きな増加を引き起こす。しかし、O−GlcNAcaseに関しては、状況は著しく異なる(図4および表2)。鎖の長さの増加は、非常によりよく許容され、そして2つのメチレンユニットの含有は、KI値(KI=230nM)が親化合物(9a)NAG−チアゾリン(KI=70nM)で測定されたものより3倍しか高くない化合物(9c)を生じる。化合物9fおよび9gはどちらもO−GlcNAcaseのよいインヒビターであるので、脂肪鎖の分枝も、結合を損なわない。データの分析から、化合物9b、9c、および9fはO−GlcNAcaseの強力なインヒビターであり、そしてリソソームヘキソサミニダーゼよりもO−GlcNAcaseに顕著な選択性を示すことを見出し得る。実際、β−ヘキソサミニダーゼに対するO−GlcNAcaseへの選択性の比は、化合物9dに関して3100倍、化合物9cに関して1500倍、および化合物9fに関して700倍である(図2および表2)。
O−GlcNAcaseの既存のインヒビターも、その阻害特性および選択性に関して試験した。STZのO−GlcNAcase(KI=1.5mM)およびβ−ヘキソサミニダーゼ(KI=47mM)両方とのKI値を決定し(表2)、そしてO−GlcNAcaseに関して測定した値は、1から2.5mMの範囲であった以前のIC50の決定と一致することが見出された[42、46]。STZのβ−ヘキソサミニダーゼよりもO−GlcNAcaseに対する選択性は、この化合物のN−アシル基の大きさを考慮すると驚くほど中程度である(31倍)。おそらく、チアゾリン化合物は、転移状態または密接に結合した中間体を模倣し得るという事実のために、STZよりも高い選択性を示す。可能性のあるO−GlcNAcaseおよびβ−ヘキソサミニダーゼのSTZ誘導不可逆的不活性化も調査した。不可逆的インヒビターは、失活剤がタンパク質を修飾するので、酵素活性の時間依存的な喪失を引き起こす。まず水性溶液中でのSTZの安定性および市販で入手可能な物質の純度をチェックするために、重水素化水中に新しく溶解したSTZの時間依存的分解を、NMRによってモニターした。STZは、あきらかに6時間より長い半減期で、時間とともに分解した(図7を参照のこと)。発明者の手において、新しく溶解したSTZは、6時間を超えてはO−GlcNAcaseまたはβ−ヘキソサミニダーゼの時間依存的な失活剤として作用しなかった(図8を参照のこと)。PUGNAcの選択性も調査した。PUGNAcのKI値をO−GlcNAcaseで測定し(KI=46nM)、そして以前に決定された値(KI=50nM)とほぼ一致することが見出された[13]。しかし、この化合物は、β−ヘキソサミニダーゼ(KI=36nM)と比較して、O−GlcNAcaseに選択性を示さない。
3.1 2番目のクラスの選択的O−GlcNAcaseインヒビターの設計
上記の観察に基づいて、PUGNAcのぶら下がったN−アシル鎖に修飾をして、異なるインヒビターの足場に基づいた、強力および選択的なO−GlcNAcaseのインヒビターの2番目の実施態様を得た。そのようなインヒビターは、異なる薬物動態の性質を有し、そして細胞および有機体レベルにおけるO−GlcNAc翻訳後修飾の役割を分析するために貴重なツールであり得る。
足場としてPUGNAcを用いた一連の6つのインヒビターの合成を、スキーム3において概略を述べる。
全ての溶媒を、使用の前に乾燥した。合成反応を、Merck Kieselgel 60 F254アルミニウム裏打ちシートを用いて、TLCによってモニターした。エタノール溶液中10%の濃硫酸で焦がし、そして加熱することによって化合物を検出した。陽圧下でのフラッシュクロマトグラフィーを、Merck Kieselgel 60(230−400メッシュ)で、指定された溶出剤を用いて行った。1Hおよび13C NMRスペクトルを、Bruker AMX400で400MHzにおいて(13Cに関しては100MHz)、またはVarian AS500 Unity Innova 分光計で500MHzにおいて(13Cに関しては125MHz)記録した(ケミカルシフトは適当な場合にはCDCl3またはCD3ODと相対的に引用した)。酵素アッセイにおいて使用した全ての合成化合物の元素分析を、Simon Fraser Universityまたはthe University of British Columbia Analytical Facilityにおいて行った。
塩酸ヒドロキシルアミン(3.2g、46mmol)を、MeOH(200mL)中のヘミアセタール12[93](12g、31mmol)およびピリジン(6.3mL、77mmol)に加え、そしてできた溶液を還流しながら攪拌した(2h)。その溶液を濃縮し、そしてトルエン(2×20mL)と同時蒸発させた。残渣をEtOAcに取り、そして水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過および濃縮して推定されるオキシム13(9.5g)を得た。残渣をさらなる精製無しに使用した。
(a)1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.98mL、6.6mmol)を、CH2Cl2(60mL)中の未精製のオキシム13(2.5g、5.9mmol)に−45℃で加え、そして混合物を攪拌した(5分)。次いでN−クロロスクシンイミド(0.87g、6.5mmol)を、温度が−40℃を超えないように、溶液に加え、そしてできた混合物をこの温度で30分間攪拌し、そして次いで2時間以上室温まで温めた。その混合物を水で反応停止し、そしてEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を分離し、そして水(2×50mL)、ブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、ろ過および濃縮した。できた残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン2:3)で、表題化合物17を、無色の油状物(1.7g、68%)として得た。1Hおよび13C NMRスペクトルは、目的の化合物を示すようであったが、1,4−ラクトンオキシム18およびスクシンイミドが混入していた。
フェニルイソシアネート(0.5mL、3.7mmol)を、THF(50mL)中のラクトン17(1.3g、3.1mmol)およびEt3N(1.3mL、9.3mmol)に加え、そして溶液を攪拌した(室温、3h)。濃縮に続いて、残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:4)によって、カルバメート19を無色の油状物(1.2g、71%)として得た。
トリフルオロ酢酸(13mmol)を、CH2Cl2(10mL)中のカルバメート19(1mmol)に0℃で加え、そして溶液を攪拌した(2h)。次いでピリジン(200mmol)を溶液にゆっくりと加え、そしてできた混合物を放置した(0℃、10分)。次いで適当な塩化アシル(3mmol)を0℃で加え、そして溶液を4℃で一晩置いた。混合物の濃縮によって、黄色がかった残渣を生じ、それをEtOAc(30mL)に溶解し、そして水(2×20mL)、ブライン(1×20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過および濃縮した。推定される中間体トリ−O−アセテート21c−gに関して、これらをさらなる精製無しに維持した。21aおよび21bと推定される残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:1)は、望ましいアシル誘導体21aおよび21bを、それぞれ48%および42%の収率で生じた。
MeOH(2mL)中のアンモニア飽和溶液を、MeOH(10mL)中のカルバメート(0.3mmol)に加え、そして溶液を放置した(室温、2h)。濃縮に続く、残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc3:97)によって、望ましいトリオールPUGNAc、22a−fを、21%から32%の範囲の収率で得た。
Rf 0.15(MeOH/EtOAc 1:19)。
3.3.1 動態分析の実験手順
全てのアッセイを、停止アッセイ手順を用いて、37℃で30分間、3組行い、ここで酵素反応(50μL)を、4倍過剰(200μL)の反応停止緩衝液(200mMのグリシン、pH10.75)を加えることによって反応停止した。酵素(5μL)をピペットで注意深く加えることによってアッセイを開始し、そして全ての場合においてできた反応停止溶液の最終的なpHは、10より高かった。O−GlcNAcaseおよびβ−ヘキソサミニダーゼの時間依存的アッセイは、酵素は、アッセイの期間中そのそれぞれの緩衝液:50mMのNaH2PO4、100mMのNaCl、0.1%のBSA、pH6.5、および50mMのクエン酸、100mMのNaCl、0.1%のBSA、pH4.25の中で安定であったことを明らかにした。30分の最後における反応の進行を、96穴プレート(Sarstedt)および96穴プレートリーダー(Molecular Devices)を用いて400nmにおけるUV測定によって決定される、遊離した4−ニトロフェノールの程度を測定することによって決定した。ヒト胎盤β−ヘキソサミニダーゼを、Sigmaから購入し(ロット043K3783)、そしてO−GlcNAcaseを使用の前に新しく過剰発現および精製した。[85]O−GlcNAcaseおよびβ−ヘキソサミニダーゼを、阻害アッセイにおいて、それぞれ0.0406および0.012の濃度(μg/μL)で、基質pNP−GlcNAcを0.5mMの濃度で用いて使用した。その高いKI値のために、インヒビターをそのような高濃度にできないインヒビター22dとβ−ヘキソサミニダーゼとのアッセイを除いて、全てのインヒビターをKIの3倍から3分の1の範囲の7つの濃度で試験した。KI値を、ディクソンプロットからのデータの線形回帰によって決定した。
上記で述べたように、PUGNAcは、O−GlcNAcase[13、50]およびβ−ヘキソサミニダーゼ[28、51]両方の強力な競合的インヒビターである。ヒト酵素に関して、それぞれのKI値は46nMおよび36nMである[13、49]。インヒビター22a−fの選択性を評価し、そしてPUGNAcと比較した。pNP−GlcNAcを基質として用いて、これらの化合物22a−fは、ヒトO−GlcNAcaseおよびヒトβ−ヘキソサミニダーゼ両方のインヒビターであることが見出された(表3)。
ヒトβ−ヘキソサミニダーゼの阻害の分析は、N−アシル基の鎖の長さの増加は、これらインヒビターの効力の顕著な減少を引き起こすことを明らかにする(表3)。1つのメチレン基のみを含むこと(化合物22a)は、親PUGNAcと比較して、β−ヘキソサミニダーゼに関してKI値の33倍の増加を引き起こす。鎖の長さのさらなる増加は、さらに大きなKI値の増加を引き起こす。さらに、O−GlcNAcaseは、β−ヘキソサミニダーゼよりもよく鎖の長さの増加を許容する(表3)。
インビトロにおいてこれらの化合物の選択性が示されたので、生きた細胞におけるその化合物の使用を評価した。
4.1.1 細胞培養物および阻害
COS−7細胞を、5−10%のFBS(Invitrogen)を補充したDMEM培地(Invitrogen)で培養した。インヒビターのアリコート(95%エタノール中50μLのストック)を、組織培養プレートに分け、そしてエタノールを蒸発させた。細胞を37℃で40時間培養し、その時それらは約80%コンフルエンスに達した。細胞において50μMの化合物9a、9c、または9gによる処理に反応した、O−GlcNAc修飾タンパク質の時間依存的な蓄積を、以下のように研究した。COS−7細胞を、5%のFBS中で25%コンフルエンスまで培養し、そして培地に溶解およびろ過滅菌したインヒビターのアリコート(100μL)を各プレートに加えて、最終的なインヒビターの濃度を50μMにした。COS−7細胞(2×10cmプレート)を、適当な時間に掻爬することによって採取し、そして遠心分離(200×g、10分)によってプールした。細胞をPBS、pH7.0(10mL)で1回洗浄し、そしてペレットにした(200×g、10分)。細胞をこの時点で−80℃で凍結し得る。インヒビターなしのコントロール培養物を、同じ方式で処理した。
COS−7細胞を、上記で記載したようにインヒビター9a、9c、または9gの存在下で、約90%コンフルエンスまで培養した。コントロール細胞の培養物を、以下と同じ方式で処理したが、培養物はインヒビターを含まなかった。細胞を、上記で記載したように採取した。凍結細胞を4℃で解凍し、そして冷却溶解緩衝液(150mMのNaCl、1mMのEDTA、1mMのPMSF、1%のNP−40、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、および1mMのインヒビター9fを含む1mLの50mM Tris、pH8.0)を加えた。4℃で10分後、溶液をエッペンドルフ5415C微量遠心機で、14,000rpmで遠心分離し、そして上清を回収した。SDS/PAGEローディング緩衝液を、各サンプルのアリコート(15μL)に加え、そして96℃に加熱した後、アリコートを10%または12%のTris・HClポリアクリルアミドゲルにロードした。電気泳動後、サンプルをニトロセルロース膜(0.45μm、Bio−Rad)に電気ブロットした。着色マーカー(Dual Colour Precision Plus
Protein Standard−BioRad)の転移を目で検査することによって、転移を確認した。0.1%のTween20を含む、PBS中5%のBSA(画分V、Sigma)(マウス抗O−GlcNAcモノクローナルIgM抗体(MAb CTD
110.6−Covance)でプローブするサンプルのためのブロッキング緩衝液A)、または5%低脂肪乾燥粉乳(抗β−アクチンでプローブするサンプルのためのブロッキング緩衝液B)、pH7.4を用いて、室温で1時間または4℃で一晩ブロックした。ブロッキング溶液をデカントで捨て、そしてMAb CTD 110.6を含むブロッキング緩衝液A(ストックの1:2500)、またはマウスモノクローナル抗β−アクチンIgG(クローンAC−40−Sigma)を含むブロッキング緩衝液Bの溶液を、適当に加えた(1:1000希釈)。膜を室温で1時間、または4℃で一晩インキュベートし、その後ブロッキング緩衝液をデカントで捨て、そして0.1%のTween20を含むPBS、pH7.4(洗浄緩衝液)で膜をすすいだ。次いで膜を洗浄緩衝液で2×5分および3×15分すすいだ。O−GlcNAcの免疫学的検出のために、膜をブロッキング緩衝液A中で、RTで1時間インキュベートし、洗浄後、膜を2次ヤギ抗マウスIgM−HRP結合体(1:2500、Santa Cruz Biotech)と、RTで1時間、または4℃で一晩、ブロッキング溶液中でインキュベートした。β−アクチンレベルの検出のために、膜を2次ヤギ抗マウスIgG−HRP結合体(1:10000、Sigma)と、RTで1時間、または4℃で一晩、ブロッキング溶液B中でインキュベートした。膜を洗浄し、そして膜に結合したヤギ抗マウスIgG−HRP結合体の検出を、SuperSignal West Pico Chemiluminescent Detection Kit(Pierce)およびフィルム(Kodak Biomax MR)を用いて、化学発光検出によって達成した。
50μMのインヒビター9a、9c、または9gとプレートでインキュベートしたCOS−7細胞は、コントロール細胞と比較して、増殖速度または形態において異常を示さなかった(データは示していない)。インヒビター9a、9c、または9gの存在下で、またはその非存在下で40時間培養した細胞内のO−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルの検出を、O−GlcNAcに対するモノクローナル抗体(64)mAbCTD110.6を用いて実施した。コントロールと比較して、細胞内のO−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルにおける顕著な増加が観察され(図5A)、これらの化合物は容易に細胞内部に入り、そこでO−GlcNAcase機能を阻害するよう作用することを示した。チアゾリンインヒビター(9c)がCOS−7細胞内でO−GlcNAcase作用を阻害するよう作用する速度も探索した。ウェスタンブロット分析を用いてO−GlcNAc修飾タンパク質のレベルをモニターすることによって、O−GlcNAc修飾タンパク質のレベルにおいて明らかな時間依存的増加が見出された。インヒビター(9c)への曝露の1時間後でさえ、O−GlcNAc修飾タンパク質レベルの増加が観察された。インヒビターは、細胞に迅速に入り、そこでO−GlcNAcaseをすぐに阻害して、O−GlcNAc修飾タンパク質の時間依存的な蓄積を引き起こすようである(図6)。最初の速い増加の後、インヒビター(9c)で処理した細胞におけるO−GlcNAc修飾タンパク質のレベルは、細胞内で漸近的に定常状態に近づくようである(図6)。この挙動は、PUGNAcとインキュベートしたHT29細胞に関して以前に観察された、同様の時間依存的増加と一致する[50]。α−β−アクチンに続いて適当な2次HRP結合体でプローブしたブロットのウェスタンブロット分析(図5B)は、全ての場合においてサンプルのローディングが等量であったことを明らかにした。親化合物NAG−チアゾリン(9a)は、細胞に入り、そこでリソソームβ−ヘキソサミニダーゼに影響を及ぼすことが以前に示されたことも注意するに値する[101]。
5.1 様々な組織型およびグルコースクリアランスに対するBut−NAG−チアゾリン(9c)の効果を示す動物研究
5.1.1 実験手順
8週齢(eight give−week)の健康なSprague−Dawleyラット(Charles River)を、対でかごに入れた。動物を、Simon Fraser University Animal Care Facilities(SFU ACF)で1週間、新しい環境に順応させた。3:00pm、4匹のラットに、PBS緩衝液(pH7.4)に溶解した400μlのインヒビター9cを、50mg/kgの投与量で、尾静脈注射で与えた。残りの4匹のラットには、コントロールとして400μlのPBSを尾静脈注射した。全ての溶液を、0.2μmのフィルター(Millipore)を通してあらかじめ滅菌し、そして28ゲージ×0.5”針(Terumo)を有する0.5mLシリンジで、10秒間のボーラスとして注射した。食餌をおよそ11:00pmに中止した。次の朝8:30amに、ラットに2回目の注射をした。3時間後、ラットをイソフルランで麻酔し、そして100μLの血液サンプルを頚静脈から採って、空腹時血中グルコースレベルを測定した。次いで静脈内グルコース負荷試験(IVGTT)を行った。PBS(滅菌済み)に溶解したグルコースの50%w/v溶液の0.5mLを、30秒かけて尾静脈に注射して投与した。グルコース注射の10、20、30、40、60、および90分後に、100μLの血液サンプルを頚静脈から採った。血液サンプル採取の直後、血液の少量のアリコートを使用して、glucometer(Accu−Check Advantage、Roche)を用いて血中グルコース濃度を測定し、そして残りの血液を氷上で20分間保存し、そして遠心分離して血清を単離した。IVGTTの終了後、ラットをCO2/O2の1:1混合物で屠殺した。組織サンプル(脳、筋肉、肝臓、脾臓、膵臓、脂肪)をすぐに採取し、そして液体窒素で急速冷凍し、そして−80℃で保存した。組織をホモジナイズして細胞抽出物を得るために、組織を乳鉢と乳棒で微細な粉末に粉砕する間、それらを冷凍したままにしておいた。次いでその粉末の100mgを、1mLの冷却溶解緩衝液(50mMのTris、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%のSDS、1%のノニデットP−40、1mMのEDTA、1mMのPMSF、および1mMのブチル−NAG−チアゾリン)中で、Jenke and Kunkel Ultra−Turrax組織ホモジナイザーで、2回の10秒パルスを用いてホモジナイズした。次いで組織を微量遠心機(エッペンドルフ)で13,000rpmで遠心沈殿して、細胞の破片を除去した。次いで可溶性の細胞抽出物を、細胞研究に関して上記で記載したように、ウェスタンブロット分析を用いて、O−GlcNAc修飾タンパク質レベルに関して分析した。
尾静脈に様々な投与量のインヒビター9cを注射したラットは、インヒビター9cの静脈内投与が、様々な組織型においてO−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルに影響を与えることを示した(図9)。脳組織のサンプル(図9A)は、ラットに50、120、および300mg/kgの投与量のインヒビター9cを注射した場合、コントロールと比較して、O−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルに顕著な増加があったことを示した。これは、インヒビター9cは容易に脳細胞の内部へ入り、そこでO−GlcNAcase機能を阻害するよう作用することを示す。筋肉および肝臓の組織サンプルに関して、同様の結果が観察された(図9Bおよび9C)。
インヒビター9cはラットにおいてO−GlcNAcaseを阻害し得ることを示したので、増加したレベルのO−GlcNAc修飾タンパク質が、ラットのグルコースホメオスタシスを維持する能力を変化させるかどうかに取り組むことに注意を向けた。静脈内グルコース負荷試験(IVGTT)を、1g/kgのグルコース負荷に反応する動物の能力を測定する手段として使用した。その結果は、インヒビターとの短期間の接触(<24時間)は、ラットにおいてグルコースクリアランス速度に影響を与えないことを明らかに示す(図10A)。インヒビターで処理した4匹のラットおよびPBS緩衝液のコントロール注射で処理した4匹のラットで行ったので、これらの結果は統計学的に有意であることに注目すべきである。ウェスタンブロット分析は、IVGTTにおいてインヒビターで処理した4匹のラットは、増加したレベルのO−GlcNAc修飾タンパク質を有していたことを示す(図10B)。
5.2.1 実験手順
インヒビターがどれだけ速く組織から排出されるかに関する情報を得るために、5匹の10週齢Sprague−Dawleyラットに、インヒビター(50mg/kg)を尾静脈注射で与えた。動物を、注射の後3、7、24、27、および32時間後に順次屠殺した。さらに2匹のラットをコントロールとして使用した。O−GlcNAc修飾タンパク質の正常レベルについての情報を得るために、1匹のラットを、他のラットに注射する直前に屠殺した。また、1匹のラットには他のラットと共に滅菌PBS(pH7.4)を注射し、そして実験の最後(32時間)に屠殺した。組織の採取、ホモジナイゼーション、およびウェスタンブロット分析を、上記で記載したものと同じ様式で行った。
インヒビター9cを注射したラットは、インヒビター9cの静脈内投与は、注射から3時間という早期に様々な組織型においてO−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルに影響を与えることを示した(図11)。脳組織のサンプル(図11A)は、コントロールと比較して、注射の3時間後、O−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルに顕著な増加があったことを示した。これは、インヒビター9cが脳細胞の内部に容易に入り、そこでO−GlcNAcase機能を阻害するよう作用することを示す。O−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルは、7時間後も高いままであった。そのレベルは24時間後には減少し、そして32時間後には正常レベルに戻るようであった。筋肉組織サンプルに関して同様の結果が観察された(図11B)。
5.3.1 実験手順
インヒビター9cが経口的に利用可能であるかどうかを決定するために、これを固形飼料(Lab Diet 5001 Rodent Diet、PMI Nutrition International、LLC)に組み込んだ。ラット固形飼料を作るために、600gの粉砕した固形飼料を、355mlの水およびエタノールに溶解した5mLのインヒビターと混合した。次いで小片をパスタマシン(Pasta Express、Creative)で調製し、そして37℃で一晩脱水した(Snackmaster Dehydrator、American Harvest)。以下の量のインヒビターで、5セットの固形飼料を作製した:0mg/kg/日、100または1000mg/kg/日の脱保護(極性)インヒビター、および100または1000mg/kg/日の保護(非極性)インヒビター。これらの数は、6週齢のラットは1日あたり約25gの餌を食べることを示す、以前の研究から得られたデータに基づく。次いで10匹の5週齢の健康なSprague−Dawleyラット(食餌1セットあたり2匹)に、3日間ラット固形飼料を給餌した。次いで動物を屠殺し、そして上記で記載したように組織を採取し、ホモジナイズし、そして分析した。
ラットに、2つの異なる投与量の保護(非極性)および脱保護(極性)形態のインヒビター9cを3日間給餌した。ウェスタンブロット分析は、両方の形態のインヒビター9cの経口投与が、様々な組織型においてO−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルに影響を与えることを示した(図12)。脳組織のサンプル(図12A)は、ラットに100mg/kg/日の投与量の保護または脱保護形態のインヒビター9cのいずれかを給餌した場合、O−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルに顕著な増加があったことを示した。脳組織内でのO−GlcNAc修飾タンパク質の細胞レベルは、ラットにより高い投与量の1000mg/kg/日の投与量の保護または脱保護形態のいずれかのインヒビター9cを給餌した場合、さらに高かった。これは、インヒビター9cが、経口的に投与された場合でも、脳細胞の内部に容易に入り、そこで用量依存的な様式でO−GlcNAcase機能を阻害するよう作用することを示す。筋肉、膵臓、脂肪、および脾臓を含む他の型の組織サンプルに関して、同様の結果が観察された(図12B−12E)。
Claims (26)
- O−糖タンパク質2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシダーゼ(O−GlcNAcase)の選択的インヒビターである、請求項1に記載の化合物。
- O結合型N−アセチルグルコサミン(O−GlcNAc)の切断を阻害する、請求項1または2に記載の化合物。
- 1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−2−エチル−5−(ヒドロキシメチル)−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−2−ブチル−5−(ヒドロキシメチル)−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−エチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、および
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)からなる群より選択される、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。 - プロドラッグである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
- 前記プロドラッグが、以下:
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−エチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、および
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、または、その薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、
請求項5に記載の化合物。 - 前記化合物が、
1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−2−エチル−5−(ヒドロキシメチル)−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−2−ブチル−5−(ヒドロキシメチル)−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−エチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、および
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)
またはその薬学的に受容可能な塩からなる群の1つ以上より選択される、請求項7に記載の薬学的組成物。 - 前記障害が、糖尿病、神経変性疾患、タウオパチー、癌およびストレスからなる群の1つ以上より選択される、請求項10に記載の使用。
- 前記グリコシダーゼがO−GlcNAcaseである、請求項10または11に記載の使用。
- 前記タウオパチーがアルツハイマー病である、請求項11または12に記載の使用。
- 前記ストレスが心臓の障害を含む、請求項11または12に記載の使用。
- 前記医薬が、前記患者のO−GlcNAcレベルを上昇させる、請求項10〜14のいずれか一項に記載の使用。
- 前記化合物が、O−糖タンパク質2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシダーゼ(O−GlcNAcase)の選択的インヒビターである、請求項9〜16のいずれか一項に記載の使用。
- 前記化合物が、O結合型N−アセチルグルコサミン(O−GlcNAc)の切断を阻害する、請求項9〜17のいずれか一項に記載の使用。
- 前記化合物が、
1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−2−エチル−5−(ヒドロキシメチル)−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−2−ブチル−5−(ヒドロキシメチル)−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(ヒドロキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジオール)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−エチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、および
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、またはその薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、
請求項9〜18のいずれか一項に記載の使用。 - 前記化合物がプロドラッグである、請求項9〜18のいずれか一項に記載の使用。
- 前記プロドラッグが、以下:
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−エチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−エチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−プロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−プロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−ペンチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−ペンチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソプロピル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソプロピル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、および
3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−2’−イソブチル−α−D−グルコピラノソ−[2,1−d]−Δ2’−チアゾリン(IUPAC名:(3aR,5R,6S,7R,7aR)−5−(アセトキシメチル)−2−イソブチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−3aH−ピラノ[3,2−d]チアゾール−6,7−ジイル ジアセテート)、または、その薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、
請求項20に記載の使用。 - 前記化合物が、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて薬学的組成物として提供される、請求項9〜21のいずれか一項に記載の使用。
- 以下:
O−(2−デオキシ−2−プロパミド−D−グルコピラノシリデン)アミノN−フェニルカルバメート(IUPAC名:N−((3R,4R,5S,6R)−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−2−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)プロピオンアミド)、
O−(2−デオキシ−2−ブタミド−D−グルコピラノシリデン)アミノN−フェニルカルバメート(IUPAC名:N−((3R,4R,5S,6R)−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−2−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ブチルアミド)、
O−(2−デオキシ−2−吉草酸アミド−D−グルコピラノシリデン)アミノN−フェニルカルバメート(IUPAC名:N−((3R,4R,5S,6R)−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−2−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ペンタンアミド)、
O−(2−デオキシ−2−ヘキサミド−D−グルコピラノシリデン)アミノN−フェニルカルバメート(IUPAC名:N−((3R,4R,5S,6R)−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−2−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヘキサンアミド)、
O−(2−デオキシ−2−イソブタミド−D−グルコピラノシリデン)アミノN−フェニルカルバメート(IUPAC名:N−((3R,4R,5S,6R)−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−2−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)イソブチルアミド)、
O−(2−デオキシ−2−イソ吉草酸アミド−D−グルコピラノシリデン)アミノN−フェニルカルバメート(IUPAC名:N−((3R,4R,5S,6R)−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−2−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチルブタンアミド、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−5−プロピオンアミド−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−ブチルアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−ペンタンアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル
ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−ヘキサンアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル
ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−イソブチルアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、および
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(3−メチルブタンアミド)−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、
からなる群より選択される、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。 - プロドラッグである、請求項23に記載の化合物。
- 前記プロドラッグが、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−5−プロピオンアミド−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−ブチルアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−ペンタンアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル
ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−ヘキサンアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル
ジアセテート、
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−イソブチルアミド−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、および
(2R,3S,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(3−メチルブタンアミド)−6−(フェニルカルバモイルオキシイミノ)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル ジアセテート、
またはその薬学的に受容可能な塩、
からなる群より選択される、請求項25に記載の化合物。
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