JP5152750B2 - アルケン類の高速メチル化法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヨウ化メチルとアルケニルトリアルキルスタナンとを短時間でクロスカップリングさせてメチルアルケンとする、アルケン類の高速メチル化法、及びそれを利用したPETトレーサー調製用キットに関する。本発明は、陽電子放射断層画像撮影(以下「PET」という)に使用するトレーサーの製造方法として好適に用いることができる。
PET法は、ポジトロンを放出する単寿命放射核で標識された標識化合物を生体内に投与し、この標識化合物(以下「トレーサー」という)によって生じるγ線をPETカメラ(ガンマ線シンチレーターと光電子増倍管からなる検出器)によって計測して、その体内分布をコンピュータにより画像化する方法である。このPET法は、核医学検査法として癌細胞などの腫瘍部位の特定、アルツハイマー病や脳梗塞などの診断、さらには鬱病などの精神疾患の診断や治療の評価や薬物の動態および薬効評価に用いられている。
PET法では、単寿命放射核種である11C、18Fなどで標識されたトレーサーが用いられる。この中でも、11Cで標識されたトレーサーは、次に述べるように、おおくの長所を有している。
(1)全ての有機化合物中に存在している炭素原子を利用しているため、適用範囲が極めて広い。
(2)11Cで標識されたトレーサーを合成するための前駆体となる11CH3I、11CO、11CO2といった化合物は、調整法が充分に確立されており、精製された前駆体を安定的に入手することができる。
(3)11C含有トレーサーは半減期が短い(20.3分)ため、一日に多くの基礎的研究のための試行実験や臨床試験の実施を行うことができ、合成反応後に生じる放射標識化された副生成物の処理等に関しても特別な注意を払う必要がない。
このため、11Cで標識されたトレーサーは、PET法における最も優れたトレーサーであるということができる。しかし、11Cの半減期は20分と極めて短いため、反応開始から、生成物の精製、及び投与までおよそ40分以内に行う必要がある。このため、トレーサーの合成反応は5〜10分程度の間に完了しなくてはならない。このよう高速反応を高収率で行うための方法は未だ確立されておらず、このことが11Cで標識されたトレーサーをPET法で使用する場合の問題点となっていた。
ところで、11Cを放射核種として用いたPET用のトレーサーを合成する場合、11Cで標識されたメチル基をO,C,N等のヘテロ原子に結合させる方法と、11Cで標識されたメチル基を炭素骨格の炭素に結合させる方法とがある。O,C,N等のヘテロ原子に11Cで標識したメチル基を結合させたトレーサーは、体内における代謝ですみやかに他の化合物に変化することが多い。このため、臨床に用いた場合に、トレーサーが標的臓器に到達するまでに変化して、正確に診断、治療ができないという欠点がある。また、メチル化後の化合物は、メチル化前の化合物と全く異なる生理活性を示すため、創薬候補化合物の探索手段として適していない。これに対して、炭素骨格の炭素に11Cメチルを結合させたトレーサーは次のような利点がある。すなわち、(1)メチル基は立体的に最小でありかつ無極性の官能基であるため、導入後も親化合物の生理活性に与える影響は最小限である。すなわち、分子設計に対する自由度が高く、創薬候補化合物のスクリーニングに適している。(2)C−メチル化体はO−メチル化体やN−メチル化体よりも代謝過程に対して高い安定性を示すため、得られる画像の信憑性が高く、疾患の適切な診断、治療を行うことができる。
こうした状況下、発明者らは、ヨウ化メチルと有機スズ化合物とをStille型カップリング反応させる高速メチル化法を開発し、注目を集めている(非特許文献1)。この方法は、Stille型カップリング反応において従来から困難と思われていたSP−SP炭素間のクロスカップリングを可能としたものである。例えば、ヨウ化メチルと過剰のトリブチルフェニルスタナンとトリ−o−トリルホスフィンと不飽和パラジウムとを銅塩、炭酸カリウムの存在下で、DMF溶媒中で60℃、5分間反応させると、メチル化が90%以上の収率で進行する。この方法は、実際にプロスタグランジン誘導体トレーサーに応用され、人の脳内のプロスタグランジン受容体の画像化に成功する等、既にその有用性が証明されている。
この他、本発明に関連するStille型カップリング反応には以下に示した報告(非特許文献2〜4)がある。
M.Suzuki,H.Doi,M.Bjorkman,Y.Anderson,B.Langstrom,Y.Watanabe and R.Noyori,Chem.Eur.J.,1997,3(12),2039-2042 K.Menzel and G.C.Fu,J.Am.Chem.Soc.,2003,125,3718-3719 H.Tang,K.Menzel and G.C.Fu,Angew,Int.Ed.Engl.,2003,42,5079-5082 J..Baldwin et al,Angew.Chem.Int.Ed.,2004,43,1132-1136
発明者らの開発した、上記非特許文献1に記載のStille型カップリング反応では、スズに結合している置換基がアリール基やアルキニル基の場合には、迅速かつ高収率でメチル化を行うことができる。しかし、スズに結合している置換基がアルケニル基の場合において、これをメチル化する反応は、これまで知られておらず、このタイプの高速反応の実現が強く望まれていた。アルケニル基が結合したスズ化合物とヨウ化メチルとをStille型カップリング反応させて得られるメチルアルケンは、レチノイド、ビタミンK、スクワレンといったイソプレノイド等に代表されるように、生体内で重要な役割を果たす有機化合物として頻繁に見受けられる。このため、アルケニル基が結合したスズ化合物と11Cで標識されたヨウ化メチルとをStille型カップリング反応させて11Cで標識されたメチルアルケンとし、これをPET用のトレーサーとして用いることが可能となれば、PET法の適用範囲が格段に広がるものと期待される。
本発明は、上記の実情に鑑みてされたものであり、SP(アルケニル)−SP(アルキル)炭素間のクロスカップリングによって迅速かつ高収率でメチル化が可能な、アルケン類の高速メチル化法を提供することを解決すべき課題とする。
発明者らは、上記課題を解決するため、ハロゲン化アルキルと有機スズ化合物とのStille型カップリング反応について、上記非特許文献2及び非特許文献4に記載されている反応条件を、ヨウ化メチルとアルケニルトリアルキルスタナンとのクロスカップリング反応に適用してみた。しかしながら、それらは、いずれも極めて低い収率でしか目的化合物を得ることができなかった。そこで、さらに鋭意研究を行った結果、迅速かつ高収率でSP(アルケニル)−SP(アルキル)炭素間のStille型カップリング反応を行うことができる条件を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルケン類の高速メチル化法における第1の局面は、非プロトン性極性溶媒中において、ヨウ化メチルとアルケニルトリアルキルスタナンとを、0価のパラジウム錯体と、ホスフィンリガンドと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物との存在下でクロスカップリングさせることを特徴とする。
本発明の方法を用いれば、SP(アルケニル)−SP(アルキル)炭素間のStille型カップリング反応が円滑に進行し、アルケニル基にメチル基が結合したメチルアルケンを迅速かつ高収率で得ることができる。この反応は、次のような機構で進行するものと推定される。
すなわち、まず、0価のパラジウム錯体に立体的に嵩高いホスフィンリガンドが不飽和的に配位し、活性な反応場を創出する。そして、さらに、このホスフィンリガンドが配位したパラジウム錯体とヨウ化メチルとが反応してCHPdIにホスフィンリガンドが配位した2価のパラジウム錯体が形成される。
一方、アルケニルトリアルキルスタナンは、ハロゲン化第1銅と金属交換反応を行い、求核性に富んだアルケニル銅化合物となる。このときに副生するトリアルキルスタニルクロライドは、炭酸塩やアルカリ金属のフッ化物と反応して中和もしくは沈殿により(炭酸塩の場合はトリアルキルスタニル炭酸塩となり、アルカリ金属のフッ化物の場合はトリアルキルスタニルフルオライドとして沈殿する)、反応系から除外される。このような、Cu/炭酸塩及びCu/アルカリ金属フッ化物の相乗効果により、SnからCuへの金属交換反応が促進される。
そして、上記のようにして生成したCHPdIにホスフィンリガンドが配位した2価のパラジウム錯体と、アルケニル銅化合物とが置換反応をして、CHPdR(ここでRはアルケニル基を示す)にホスフィンリガンドが配位した錯体となり、さらに、還元的脱離によってメチルアルケンが生成する。
また、反応はDMF等の非プロトン性極性溶媒中で行われるため、反応途上で生じるパラジウム錯体のパラジウム原子の空位の軌道に非プロトン性極性溶媒が配位し、それらの不安定さを軽減し、分解等の副反応を最小限とすることができる。
したがって、本発明のアルケン類の高速メチル化法における第1の局面によれば、SP(アルケニル)−SP(アルキル)炭素間のクロスカップリングによって迅速かつ高収率でメチル化することができる。
本発明の第2の局面では、炭酸塩が炭酸カリウム、または炭酸セシウムであるとした。基質となるアルケニルトリアルキルスタナンの種類に応じ、炭酸カリウム又は炭酸セシウムを適宜選択することにより、さらに高収率で目的のメチルアルケンを得ることができる。
本発明の第3の局面では、アルカリ金属のフッ化物がフッ化セシウムであることとした。セシウムイオンはイオン半径が大きいため、フッ素イオンの溶解性及び求核性が高くなり、トリアルキルスタニルフルオライドの生成がさらに迅速に行われる。このため、SnからCuへの金属交換反応が促進される結果、全体の反応もより促進される。
本発明の第4の局面は、ホスフィンリガンドがトリ−o−トリルホスフィン又は(ジ−tert−ブチル)メチルホスフィンであることとした。発明者らは、これらのホスフィンリガンドを用いることにより、さらに迅速かつ高収率でメチルアルケンが得られることを確認している。この理由は、トリ−o−トリルホスフィンや(ジ−tert−ブチル)メチルホスフィンの嵩高さが活性の高い反応場を形成するためであると考えられる。また、トリ−o−トリルホスフィンは、(ジ−tert−ブチル)メチルホスフィンと比較して、空気中で安定な結晶化合物で取り扱いやすいという利点がある。
本発明の第5の局面は、ハロゲン化第一銅が臭化第一銅、塩化第一銅及びヨウ化第一銅のいずれかであることとした。これらのハロゲン化第一銅を用いることにより、高い反応促進効果が得られる。
本発明の第6の局面は、11C、12C、13C、14C又はCD3で標識されたヨウ化メチルを用いることとした。これらの標識化したヨウ化メチルを用いることにより、PET法等による創薬候補化合物の動態研究、疾患診断法のためのトレーサー、薬品の代謝研究、新しい医薬品の開発研究のためのトレーサーとして有効に利用することができる。
本発明の第1〜第6の局面のアルケン類の高速メチル化法は、メチルパラジウム錯体の合成と、Sn/Cu金属交換反応とを別々の反応容器で行い、その後、それぞれの反応液を混合するという2段階合成法を採用することもできる。
すなわち、本発明の第7の局面のアルケン類の高速メチル化法は、
ヨウ化メチルと、0価のパラジウム錯体と、ホスフィンリガンドとを非プロトン性極性溶媒中で反応させてCHPdI錯体溶液を準備するパラジウム錯体調製工程と、
アルケニルトリアルキルスタナンと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物との存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させてアルケニルトリアルキル銅溶液を準備するアルケニル銅調製工程と、
該CHPdI錯体溶液と該アルケニルトリアルキル銅溶液とを混合してメチルアルケンとするメチル化工程と、を備えることを特徴とする
本発明のアルケン類の高速メチル化法では、最終段階においてCHPdIにホスフィンリガンドが配位した錯体と、アルケニル銅化合物とが置換反応を行い、CHPdR(ここでRはアルケニル基を示す)にホスフィンリガンドが配位した錯体となるが、このときハロゲン化第一銅が副生する。このハロゲン化第一銅(特にヨウ化第一銅)は触媒毒となり、反応を阻害する。本発明の第8の局面では、メチルパラジウム錯体の合成と、Sn/Cu金属交換反応とを別々の反応容器で行った後、それぞれの反応液を混合する。これによって、ハロゲン化第1銅(特にヨウ化第一銅)の触媒毒としての作用を最小限にすることができる。このため、一つの反応容器で反応を行った場合よりも、さらに高収率でアルケニルトリアルキルスタナンの高速メチル化を行うことができる。
ホスフィンリガンドは0価のパラジウム錯体に対してモル比で4倍以上とされていることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、ホスフィンリガンドは0価のパラジウム錯体に対してモル比で4倍以上とされていれば、高い収率が得られる。
本発明のアルケン類の高速メチル化法で用いられる試薬をあらかじめ混合したキットを用意しておき、これに非プロトン性極性溶媒を加え、さらにヨウ化メチルを導入することによってメチルアルケンを合成することもできる。すなわち、本発明のPETトレーサー調製用キットは、0価のパラジウム錯体と、ホスフィンリガンドと、アルケニルトリアルキルスタナンと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物との混合物からなることを特徴とする。このような、PETトレーサー調製用キットを用意しておけば、非プロトン性極性溶媒を加え、さらにヨウ化メチルを導入するだけで、極めて簡便にPET用トレーサーを合成することができる。
さらに、反応液からメチルアルケンを分離するためのカラムを備えることも好ましい。こうであれば、別途分離カラムを準備する必要がなく、さらに利便性に富むPETトレーサー調製用キットとすることができる。
また、0価のパラジウム錯体とホスフィンリガンドとが混合された第1混合物と、アルケニルトリアルキルスタナンと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物とが混合された第2混合物とに、分けておくことも好ましい。こうであれば、メチルパラジウム錯体の合成と、Sn/Cu金属交換反応とを別々の反応容器で行った後、それぞれの反応液を混合することができる。これによって、ハロゲン化第1銅(特にヨウ化第一銅)の触媒毒としての作用を最小限にすることができる。このため、一つの反応容器で反応を行った場合よりも、さらに高収率でアルケニルトリアルキルスタナンの高速メチル化を行うことができる。
上述したように、本発明の方法を用いれば、SP(アルケニル)−SP(アルキル)炭素間のStille型カップリング反応が円滑に進行し、アルケニル基にメチル基が結合したメチルアルケンを迅速かつ高収率で得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施例について、比較例と比較しつつ詳述する。なお、以下の記載において、Pd2(dba)3はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム)(dibenzylideneacetone)を表している。また、P(o−tolyl)3 は(トリ−o−トリルホスフィン)を、P(t−Bu)2Meは、ビス(t−ブチル)メチルホスフィンを、DMFは、N、Nージメチルホルムアミドをそれぞれ表している。
表1に示す12種類の1−アルケニルトリブチルスタナン(4a〜4l)を高速メチル化に供する基質として選び、ヨウ化メチルとアルケニルトリブチルスタナンとのモル比を1:40に設定して、SP(アルケニル)−SP(アルキル)炭素間のStille型カップリング反応を試みた。アルケニルトリブチルスタナンを大過剰としたのは、実際のPET用のトレーサーを合成する場合に、シンクロトロンで合成された僅かな量の11C標識CHIをアルケニルトリブチルスタナンと反応させることを念頭において設定したものである。
Figure 0005152750
反応条件は、以下に示すA〜D及びe〜lを採用した(比率は全てモル比を示す)。
A:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuCl/
2CO3 (1:40:0.5:2:2:2)
B:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuCl/
2CO3(1:40:0.5:4:2:5)
C:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(t−Bu)2Me/CuBr/
CsF(1:40:0.5:2:2:2)
D:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuBr/
CsF(1:40:0.5:2:2:5)
e:K2CO3の代わりにCs2CO3を用いた。
f:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuCl/
2CO3(1:40:0.5:6:2:5)
g:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(t−Bu)2Me/CuCl/
CsF(1:40:0.5:4:2:5)
h:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuCl/
CsF(1:40:0.5:4:2:5)
i:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuBr/
CsF(1:40:0.5:4:2:5)
j:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuI/
CsF(1:40:0.5:4:2:5)
k:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuBr/
CsF(1:40:2.5:10:10:25)
l:CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuBr/
CsF(1:40:5:20:20:50)
なお、表1中のa〜dは以下のことを示す。
a:GLC分析により標品との比較により単一生成物として検出された。
b:内部標準物質としてnーノナン、nーヘプタンもしくはnーデカンを用いてCH3Iの消費量に基づ
くGLC分析によって決定した(2回もしくは3回の平均値)。
c:1H−NMRスペクトルによる判定により>99:1の純度の立体異性体であった。
d:全ての反応はDMF中、60℃、5分間でおこなわれた。
表1に示す結果をについて、比較例と比較しつつ説明する。
(エントリー1 条件A)
エントリー1 条件Aでは、DMF(N、Nージメチルホルムアミド)溶媒中、CH3I/4a/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuCl/K2CO3 (モル比:1:40:0.5:2:2:2)の混合物を5分間、60℃で加熱した。
(エントリー2 条件A)
エントリー2 条件Aでは、基質として表1に示す化合物4bを用いた。他の条件は実施例1と同様である。
(比較例1)
比較例1は、前述した非特許文献2及び非特許文献3に記載されているG.C.Fuらの条件である。すなわち、THF中、MS3Å(モレキュラーシーブ3Å)存在下、CH3I/4a/[(π−allyl)PdCl]2/P(t−Bu)2Me/Me4NF(モル比:1:40:0.5:3:1.9)の条件下、60℃、5分間の加熱を行った。
(比較例2)
比較例2では、基質として表1に示す化合物4bを用いた。他の条件は比較例1と同様である。
<結 果>
基質としてE型異性体4bを用いたエントリー1 条件Aでは、対応するメチル化体(E)−2−ヘプテン(5a)を単一生成物として95%(ヨウ化メチルの消費に基づくGLC収率)という高収率で得た。同様にして、基質としてZ型異性体4bを用いたエントリー2、条件Aの場合には、(Z)−2−ヘプテン(5b)を96%の高収率で得た。このように、条件Aでは、メチル化は完全にもとの立体配置を保ったまま進行した。
これに対して、比較例1では望む生成物5aは僅かに5%であった。また、比較例2においても2%と低かった。
(比較例3)
比較例3では、Pd(0)−ホスフィン錯体としてPd2(dba)3/P(t−Bu)2Meの組合せを使用しTHF中、CH3I/4a/Pd2(dba)3/P(t−Bu)2Me/Me4NF(モル比:1:40:0.5:3:1.9)の条件のもと60℃、5分間加熱した。
(比較例4)
比較例4では、基質として表1に示す化合物4bを用いた。他の条件は比較例3と同様である。
(比較例5)及び(比較例6)
比較例5では、比較例3における溶媒をDMFに替え、その他は比較例3と同様とした。また、比較例6では、比較例4における溶媒をDMFに替え、その他は比較例4と同様とした。
<結 果>
比較例3では、対応する生成物5aが23%、実施例4においては、対応する生成物5bが7%となり、いずれも低い収率でしか望む化合物は得られなかった。これに対し、溶媒をDMFへ変更した比較例5及び比較例6では、それぞれ収率が51%および12%と向上したが、未だ収率は低いものであった。この結果、DMFのような非プロトン性極性溶媒が収率の向上に効果的であることが分かる。
表1に示した条件Aの一般性を確かめるために、さらに10種類のアルケニルトリブチルスタナン4c−4lに対し、条件Aでヨウ化メチルとのクロスカップリング反応を行った。その結果、表1に示すように、βースチリル構造やα位に置換基を持つアルケニルトリアルキルスタナンを基質とした場合には、70%台へと収率が低下するものの、なお高収率で対応するメチルアルケンが得られた(表1におけるエントリー3〜6、8、12)。炭酸カリウムの代わりに炭酸セシウムを用いると4h、4kおよび4lのような共役アルケンを有した基質に対して反応の改善が認められ、95%以上という高収率で対応するメチルアルケンが得られた(表1における条件Aの( )内の数字、エントリー8、11および12)。一方、βートリブチルスタニルスチレンやα位置換型非共役アルケニルスタナンは71−82%の収率であった。ここで、表1に示す条件Aに対して塩化第一銅もしくは臭化第一存在下、P(o−tolyl)3の添加量を4−6当量にまで増加させると4eの反応の収率が大幅に向上し、5eが96−98%の収率で得られた。このCH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuCl/K2CO3(モル比:1:40:0.5:4−6:2:5)という条件Bを用いた結果、表1に示すように4lを除いて4c−4h(エントリー3−8)の反応の収率を大きく向上させた。この結果から、立体的に嵩高いトリアリールホスフィンを使用すること、及び、トリアリールホスフィンの濃度を高くすることが、クロスカップリング反応の推進に効果的であることが分かった。
また、Baldwinらによって提唱された非特許文献4の方法を、SP−SP炭素間のクロスカップリングに適用してみた。すなわち、DMF中、CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd[(PPh)3]4/CuI/CsF(モル比:1:40:1:4:2:2)及びCH3I/アルケニルトリブチルスタナン/PdCl2/P(t−Bu)3/CuI/CsF)(モル比:1:40:1:2:2:2)の条件のもと60℃、5分間の加熱した。その結果、表1に示す4eから5eがそれぞれ24および2%で得られた。
同様にPd(0)−ホスフィン錯体としてPd2/(dba)3/ホスフィンを使用し、DMF中、CH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/PPh3/CuI/CsF(モル比:1:40:0.5:4:2:5)およびCH3I/スタナン/Pd2(dba)3/P(t−Bu)3/CuI/CsF(モル比:1:40:0.5:2:2:5)の条件のもと60℃、5分間加熱したが、4eからは5eがそれぞれ31%および27%で得られた。
<嵩高いホスフィンリガンドを用いた場合の反応促進効果>
嵩高いホスフィンリガンドであるP(t−Bu)2MeおよびP(o−tolyl)3を用いた場合の一連の実施例を表2A及び表2Bに示す。
Figure 0005152750
(表中の説明)
a:5eの収率は内部標準物質としてnーノナンを用い、CH3Iの消費量に基づくGLC分析によって決定した。(−:データなし)2回の平均値。
反応条件:CH3I/4e/Pd2(dba)3/PR3/CuX(X=Cl、Br、またはI)/K2CO3またはCsF(モル比、1:40:0.5:2、4、または6:2:0、2または5)DMF中、60℃、5分。()内の数字はヨウ化メチルに対しての当量数を示す。
表2から、P(t−Bu)2MeやP(o−tolyl)3のような嵩高いホスフィンリガンドを用いれば、反応が著しく促進され、高収率が得られることが分かる。例えば、P(t−Bu)2Me/CuClまたはCuI/CsF(モル比:2または4:2:5)を用いるとカップリング生成物が99%の収率で得られた(表2B、エントリー1および2、欄3および9;表1の改良型条件C)。また、炭酸カリウムやフッ化セシウムの添加量は多いほど収率が高くなること、及び、ホスフィンリガンドの添加量を多くすると、収率が高くなることが分かる。例えば、P(o−tolyl)3(2当量)、CuBr(2当量)およびCsF(5当量)を用いた条件は5eが99%の収率で得られた(表2B、エントリー3、欄6;表1の条件D)。さらにこの立体的に嵩高いホスフィンの添加量を増加(4当量)すると、反応は殆ど完全に進行した(表2B、エントリー4、欄3、6および9、表1における改良型条件D)。
表1に示す条件C及び条件Dについて、若干の修正をした条件で反応を行った。すなわちCH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(t−Bu)2Me/CuX/CsF(モル比:1:40:0.5:2−4:2:2−5)およびCH3I/アルケニルトリブチルスタナン/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuX/CsF(モル比:1:40:0.5:2−4:2:5)をそれぞれ他の全てのスズ化合物4a−4dおよび4f−4lに対して試みた。その結果、条件DおよびP(o−tolyl)3の添加量に基づく改良型条件Dは全ての基質に対して、90%以上の収率でカップリング生成物が得られた。しかし条件Cは、エントリー9および12において、条件Dよりも反応促進効果は明らかに劣っていた。この違いは、トリアリールホスフィンに比べてトリアルキルホスフィンの方が、求核性が高くα、βー不飽和カルボニル基への1、4−付加反応が起こりやすい傾向にあるのではないかと推察される。
P(o−tolyl)3の場合は多量のホスフィンリガンドを用いることにより良い結果が得られた(表1、改良型条件D、エントリー9および12)。さらに、P(t−Bu)2Meは油状物であり空気中でも不安定な化合物で、不活性ガス雰囲気下、グローブボックス中で取り扱う必要があるのに対し、P(o−tolyl)3は空気中で安定な結晶化合物であるので、取り扱いが容易であるという利点がある。
また、表2Bに示すようにCu(I)X、CsFとホスフィンリガンドとを組合せて使用することがカップリング反応に極めて有効であることを見出した。ハロゲン化第一銅とCsFの組合せ使用による高い反応促進効果は、Sn/Cu金属交換によるより反応性の高い有機銅活性種の生成と、不溶性(n−Bu)3SnFの形成による(n−Bu)3SnXの系外への除去でのアルケニル銅への平衡移動という相乗効果によって説明される。
実際のPETトレーサー合成では使用される11Cで標識されたCH3Iは極微量であり、したがって、CH3Iに対して用いる試薬の量は捕捉剤であるアルケニルトリアルキルスタナンに加えて、Pd/CuX/アルカリ金属フッ化物も必然的に過剰になる。この視点からPd/CuX/アルカリ金属フッ化物をCH3Iに対して5及び10倍増やしたCH3I/4e/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuBr/CsF(モル比:1:40:2.5:10:10:25)及び(モル比:1:40:5:20:20:5)の条件下で反応を行ったところ、それぞれ99%の収率で5eが得られ(表1、エントリー5)。このようにヨウ化メチルに対して触媒系の当量比を大きく増加させても収率は低下しないことがわかった。
以上の実験結果に示すように、本願発明者は、アルケン類への11Cで標識されたメチル基を導入するための基盤技術である高速メチル化法を確立した(化学式1参照)。
Figure 0005152750
また、本願発明者は、メチルアルケンの2段階合成法についても検討した。すなわち、ヨウ化メチルと、0価のパラジウム錯体と、ホスフィンリガンドとを非プロトン性極性溶媒中で反応させてCHPdI錯体溶液とする。また、アルケニルトリアルキルスタナンと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物との存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させてアルケニルトリアルキル銅溶液とする。そして、CHPdI錯体溶液とアルケニルトリアルキル銅溶液とを混合してメチルアルケンとする合成法である。さらに具体的には、まず、Pd/Cu/F添加剤をヨウ化メチルに対して5倍量使用したCH3I/4e/Pd2(dba)3/P(o−tolyl)3/CuBr/CsF(モル比:1:40:2.5:10:10:25)の条件を基に、DMF中、ヨウ化メチルをPd2(dba)3/P(o−tolyl)3(1:4)に混合して生成したPd(o−tolyl)3錯体と室温で1分間撹拌して反応させ、次にこの溶液を4e/CuBr/CsFのDMF混合液中に移送し5分間、60℃にて加熱した。その結果、目的とする5eが99%の収率で得られ(表1、改良型条件D、エントリー5)、条件Dに基づく段階的操作法を用いても収率の低下は見られず、十分に段階的操作法が適用可能であることがわかった。この条件は、あとで述べる実際の11Cの導入に用いられた。
次に、この結果をもとに実際のPETトレーサーの合成を行った。すなわち、11Cで標識したCH3Iをアルケニルトリアルキルスタナンとして4lを用いて捕捉し、条件B及びD下(より効果的な段階的操作法を適用した)に目的とする11Cで標識された5lがともに85%の高い放射化学収率(HPLC分析収率)で得られた。本結果より、他のアルケニルトリアルキルスタナンの11Cメチル化もこれらの条件下で、高収率で進行することが容易に類推される。
Figure 0005152750
本発明で使用される11Cで標識されたヨウ化メチルはGE社製の、11Cで標識されたCH4とI2の気相反応により11Cで標識されたヨウ化メチルを合成する装置、あるいはFerrieriとWolfらの方法(R.A.Ferrieri and .P.Wolf,Radiochem.Acta,1983,34,69-83)によって得ることができる。
本発明で使用される標識ヨウ化メチルの合成には、11Cのみならず12C、13C、14C、CD3等の標識化合物をも使用することができる。
以下、本発明のアルケン類の高速メチル化法について、さらに具体的に説明した実施例について詳述する。
(表1のエントリー1の基質の条件Aのもとでの実験例)
乾燥した10mlのシュレンク管に、アルゴン雰囲気下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5.0μmol)、トリ−o−トリホスフィン(6.1mg、20μmol)、塩化銅(2.0mg、20μmol)および炭酸カリウム(2.8mg、20μmol)を入れ、そこへN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒(0.5ml)を加えた後、混合物を室温で5分間加熱した。続いてスズ化合物4a(149mg、400μmol)のDMF(0.5ml)溶液およびヨウ化メチル(12.5μl、0.80M、10μmol)のDMF溶液を順次加えた。混合物を60℃で5分間加熱の後、反応溶液を素早く氷浴にて冷却した。ジエチルエーテル(1ml)を加えた後、混合物をシリカゲル(0.5g)のショートカラムにのせ、ジエチルエーテル(1ml)で溶出した。続いて溶出液に内部標準物質としてnーノナン(50μl、0.10M(1M=1mol/l(リットル))DMF溶液、5.0μmol)を加え、GLC分析(質量スペクトル検出器を装備した島津製GCMS−QP5050A;キャピラリーカラム:GL Science TC−5,60×0.25mm i.d.、df=0.25μm;キャリヤガス:He;フローレート:0.8ml/min;試料導入部温度:280℃;検出器温度:280℃;カラム温度:初期温度80℃、最終温度100℃;温度上昇率:5℃/min、10分から14分の間)に供した。その結果、(E)−2−ヘプテン(5a)がヨウ化メチルを基準にして95%の収率で得られた。;保持時間:6.1分(n−ノナン:8.8分)
(表1のエントリー9の基質の条件Bのもとでの実験例)
乾燥した10mlのシュレンク管に、アルゴン雰囲気下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5.0μmol)、トリ−o−トリホスフィン(12.2mg、40μmol)、塩化銅(2.0mg、20μmol)および炭酸カリウム(6.9mg、50μmol)を入れ、そこへN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒(0.5ml)を加えた後、混合物を室温で5分間加熱した。続いてスズ化合物4i(143mg、400μmol)のDMF(0.5ml)溶液およびヨウ化メチル(12.5μl、0.80M、10μmol)のDMF溶液を順次加えた。混合物を60℃で5分間加熱の後、反応溶液を素早く氷浴にて冷却した。ジエチルエーテル(1ml)を加えた後、混合物をシリカゲル(0.5g)のショートカラムにのせ、ジエチルエーテル(1ml)で溶出した。続いて溶出液に内部標準物質としてnーノナン(50μl、0.10M DMF溶液、5.0μmol)を加え、GLC分析(水素炎イオン化型検出器を装備した島津製GC−2010;キャピラリーカラム:GL Science TC−1701、60×0.25mm i.d.、df=0.25μm;キャリヤガス:He;フローレート:0.4ml/min;試料導入部温度:280℃;検出器温度:280℃;カラム温度:初期温度80℃、最終温度100℃;温度上昇率:5℃/min、10分か
ら14分の間)に供した。その結果、3−メチル−2−プテナール(5i)がヨウ化メチルを基準にして99%の収率で得られた。;保持時間:10.5分(nーノナン:10.3分)
(表1のエントリー7の基質の条件Cのもとでの実験例)
乾燥した10mlのシュレンク管に、アルゴン雰囲気下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、50μmol)、ジ−t−ブチルメチルホスフィン(3.2mg、20μmol)、臭化銅(2.9mg、20μmol)およびフッ化セシウム(7.6mg、50μmol)を入れ、そこへN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒(0.5ml)を加えた後、混合物を室温で5分間攪拌した。続いてスズ化合物4g(144mg、400μmol)のDMF(0.5ml)溶液およびヨウ化メチル(12.5μl、0.80M、10μmol)のDMF溶液を順次加えた。混合物を60℃で5分間加熱の後、反応溶液を素早く氷浴にて冷却した。ジエチルエーテル(1ml)を加えた後、混合物をシリカゲル(0.5g)のショートカラムにのせ、ジエチルエーテル(1ml)で溶出した。続いて溶出液に内部標準物質としてn−デカン(50μl、0.10M DMF溶液、5.0μmol)を加え、GLC分析(水素炎イオン化型検出器を装備した島津製GCー2010;キャピラリーカラム:GL Science TC−WAX、60×0.25mm i.d.,df=0.25μm;キャリヤガス:He;フローレート:0.4ml/min;試料導入部温度:280℃;検出温度:280℃;カラム温度:初期温度150℃、最終温度200℃;温度上昇率:10℃/min、10分から15分の間)に供した。その結果、3−メチルー2−ブテン−1−オール(5fg)がヨウ化メチルを基準にして99%の収率で得られた。;保持時間:9.6分(n−ノナン:8.5分)
(表1のエントリー5の基質の条件Dにおける実験例)
乾燥した10mlのシュレンク管に、アルゴン雰囲気下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5.0μmol)、トリーo−トリルホスフィン(6.1mg、20μmol)、臭化銅(2.9mg、20μmol)およびフッ化セシウム(7.6mg、50μmol)を入れ、そこへN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒(0.5ml)を加えた後、混合物を室温で5分間攪拌した。続いてスズ化合物4e(148mg,400μmol)のDMF(0.5ml)溶液およびヨウ化メチル(12.5μl、0.80M、10μmol)のDMF溶液を順次加えた。混合物を60℃で5分間加熱の後、反応溶液を素早く氷浴にて冷却した。ジエチルエーテル(1ml)を加えた後、混合物をシリカゲル(0.5g)のショートカラムにのせ、ジエチルエーテル(1ml)で溶出した。続いて溶出液に内部標準物質としてn−ノナン(50μl、0.10M DMF溶液、5.0μmol)を加え、GLC分析に供した(水素炎イオン化型検出器を装備した島津製GC−2010;キャピラリーカラム:GL Science TC−1701,60mm×0.25mm i.d.,df=0.25μm;キャリヤガス:He;フローレート:0.4ml/min;試料導入部温度:280℃;検出器温度:280℃;カラム温度:初期温度80℃、最終温度100℃;温度上昇率:5℃/mi
n、10分から14分の間)その結果、1−メチルシクロヘキセン(5e)がヨウ化メチルを基準として99%の収率で得られた。;保持時間:13.1分(nーノナン;17.2分)。
0.5mlの反応容器Aに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.8mg、1.97μmol)、および、トリス−o−トリホスフィン(2.4mg、7.9μmol)のDMF(270μl)溶液を準備し、室温に設置した。一方、1.0mlの反応容器Bに、スズ化合物4l(2.1mg、4.5μmol)、塩化銅(2.0mg、20μmol)、および、炭酸カリウム(2.8mg、20μmol)のDMF(60μl)溶液を準備し、室温に設置した。次に、反応容器Aに[11C]ヨウ化メチルを室温で捕獲し、1分間靜置した。この溶液を反応容器Bに移送し、続いて反応容器Aの内部を40μlのDMFで洗浄し、この洗浄液も反応容器Bに移送した。得られた混合溶液を65℃で5分間加熱した後、DMF:H2O(1:5)溶液(300μl)を用いて反応溶液を綿栓ろ過した(あるいはSPE固相抽出カラムでろ過)。ろ液をHPLCに供し、目的の[11C]メチル化体の分離・精製を行った。[11C]−5lの放射化学収率85%(HPLCによる分析収率)分取した[11C]メチル化体はエバポレーターで濃縮した後、規定の臨床用投与溶液とした。
0.5mlの反応容器Aに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.8mg、1.97μmol)、および、トリ−o−トリホスフィン(2.4mg、7.9μmol)のDMF(270μl)溶液を準備し、室温に設置した。一方、1.0mlの反応容器Bに、スズ化合物4l(2.1mg、4.5μmol)、臭化銅(2.9mg、20μmol)、および、フッ化セシウム(7.6mg、50μmol)のDMF(60μl)溶液を準備し、室温に設置した。次に、反応容器Aに[11C]ヨウ化メチルを室温で捕獲し、1分間靜置した。この溶液を反応容器Bに移送し、続いて反応容器Aの内部を40μlのDMFで洗浄し、この洗浄液も反応容器Bに移送した。得られた混合溶液を65℃で5分間加熱した後、DMF:H2O(1:5)溶液(300μl)を用いて反応溶液を綿栓ろ過した(あるいはSPE固相抽出カラムでろ過)。ろ液をHPLCに供し、目的の[11C]メチル化体の分離・精製を行った。[11C]−5lの放射化学収率85%(HPLCによる分析収率)分収した[11C]メチル化体はエバポレーターで濃縮した後、規定の臨床用投与溶液とした。なお、本反応は、one pot操作でも合成可能であると考えられるが、本実施例ではPETトレーサー合成により有効であるtwo pot操作法を採用した。
上記の11Cで標識されたメチル化体(以下[11C]メチル化体という)の合成は、溶液移送型合成装置、あるいはロボットアーム型合成装置など、一般的なPETトレーサー合成装置を用いて行うことができる。また、上記の[11C]メチル化体の合成を目的としたPETトレーサー合成キットを作成することもできる。本合成キットは、予め各反応容器に必要量の反応剤、スズ化合物、および、DMF溶媒を設置し、遠隔操作でセプタム−カニュレーション方式により溶液を移送させて目的の[11C]メチル化体の合成を行うものである。
以下、上記の実施例に基づき、高い実現可能性をもって想定される実施例(キット及び臨床用投与溶液)について列記する。これら実施例は、実施していないというだけであって、発明者の高度な知見に基づけば、高い確率で実現可能である。故に、数値も明確となっている。なお、実施例7及び8については、PETトレーサー調製用キットについての実施例、実施例9及び10は、One Pot操作法を採用した臨床用投与溶液についての実施例、実施例11及び12は、Two Pot操作法を採用した臨床用投与溶液についての実施例を示す。
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を1.8mg(1.97μmol)、トリ−o−トリルホスフィンを2.4mg(7.88μmol)、塩化銅を2.0mg(20μmol)および炭酸カリウムを2.8mg(20μmol)とスズ化合物4aを1.6mg(4.5μmol)とを計量してマイクロチューブに入れ、綿栓フィルターおよび固相抽出カラムと共に1セットとして、メチル化反応による[11C]メチル基を含有する実施例1に示した化合物のPETトレーサーを調製するためのキットを作成することができる。
メチル化反応による[11C]メチル基を含有するPETトレーサーを調製するときは、上記キットの試薬を添付のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒(1.0ml)で溶解して、別途調製された[11C]ヨウ化メチルを加えて混合し、60℃で5分間反応させて、冷却後、反応溶液を添付の固相抽出カラムに通した後、ろ液をHPLCに供することで分離、精製された目的の[11C]メチル標識化合物を得ることができる。
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を1.8mg(1.97μmol)、ジ−t−ブチルメチルホスフィンを1.3mg(8.11μmol)、臭化銅を2.9mg(20μmol)およびフッ化セシウムを7.6mg(50μmol)、及びスズ化合物4gを1.6mg(4.5μmol)を計量してマイクロチュブに入れ、綿栓フィルターおよび固相抽出カラムを1セットとしてメチル化反応による[11C]メチル基を含有する実施例4に示した化合物のPETトレーサーを調製するためのキットを作成することができる。
メチル化反応による[11C]メチル基を含有するPETトレーサーを調製するときは、上記キットの試薬を添付のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒(1.0ml)で溶解して、別途調製された[11C]ヨウ化メチルを加えて混合し、60℃で5分間反応させて、冷却後、反応溶液を添付の固相抽出カラムに通した後、ろ液をHPLCに供することで分離、精製された目的の[11C]メチル標識化合物を得ることができる。
1.0mlの反応容器に、スズ化合物4l(2.1mg、4.5μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.8mg、1.97μmol)、トリ−o−トリルホスフィン(2.4mg、7.9μmol)、塩化銅(2.0mg、20μmol)、および、炭酸カリウム(2.8mg、20μmol)のDMF(0.4ml)溶液を準備し、室温に設置した。続いて、この溶液に[11C]ヨウ化メチルを室温で捕獲し1分間靜置した。得られた混合溶液を65℃で5分間加熱した後、DMF:H2O(1:5)溶液(300μl)を用いて反応溶液を綿栓ろ過した(あるいはSPE固相カラムでろ過)。ろ液をHPLCに供し、目的の[11C]メチル化体はエバポレーターで濃縮した後、規定の臨床用投与溶液とした。
1.0mlの反応容器に、スズ化合物4l(2.1mg、4.5μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.8mg、1.97μmol)、トリ−o−トリルホスフィン(2.4mg、7.9μmol)、臭化銅(2.9mg、20μmol)、および、フッ化セシウム(7.6mg、50μmol)のDMF(0.4ml)溶液を準備し、室温に設置した。続いて、この溶液に[11C]ヨウ化メチルを室温で捕獲し1分間靜置した。得られた混合溶液を65℃で5分間加熱した後、DMF:H2O(1:5)溶液(300μl)を用いて反応溶液を綿栓ろ過した(あるいはSPE固相抽出カラムでろ過)。ろ液をHPLCに供し、目的の[11C]メチル化体の分離・精製を行った。分取した[11C]メチル化体はエバポレーターで濃縮した後、規定の臨床用投与溶液とした。
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.8mg、1.97μmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(2.4mg、7.9μmol)を計量して0.5mlの反応容器Aにいれ、DMF(270μl)に溶解し、室温に設置した。一方、スズ化合物4l(2.1mg、4.5μmol)、塩化銅(2.0mg、20μmol)および炭酸カリウム(2.8mg、20μmol)を計量して1.0mlの反応容器Bにいれ、DMF(60μl)に溶解し、室温に設置した。次に、反応容器Aに[11C]ヨウ化メチルを室温で捕獲し、1分間静置した。この溶液をセプタム−カニュレーション方式により反応容器Bに移送し、続いて反応容器Aの内部を40μlのDMFで洗浄し、この溶液も反応溶液Bに移送した。得られた混合溶液を65℃で5分間加熱した後、DMF:H2O(1:5)溶液(300μl)を用いて反応溶液を綿栓ろ過した(あるいはSPE固相抽出カラムでろ過)。ろ液をHPLCに供し、目的の[11C]メチル化体の分離・精製を行った。分取した[11C]メチル化体はエバポレータで濃縮した後、規定の臨床用投与溶液とした。
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.8mg、1.97μmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(2.4mg、7.9μmol)を計量して0.5mlの反応容器Aにいれ、DMF(270μl)に溶解し、室温に設置した。一方、スズ化合物4l(2.1mg、4.5μmol)、臭化銅(2.9mg、20μmol)およびフッ化セシウム(7.6mg、50μmol)を計量して1.0mlの反応容器Bにいれ、DMF(60μl)に溶解し、室温に設置した。次に、反応容器Aに[11C]ヨウ化メチルを室温で捕獲し、1分間静置した。この溶液をセプタム−カニュレーション方式により反応容器Bに移送し、続いて反応容器Aの内部を40μlのDMFで洗浄し、この溶液も反応溶液Bに移送した。得られた混合溶液を65℃で5分間加熱した後、DMF:H2O(1:5)溶液(300μl)を用いて反応溶液を綿栓ろ過した(あるいはSPE固相抽出カラムでろ過)。ろ液をHPLCに供し、目的の[11C]メチル化体の分離・精製を行った。分取した[11C]メチル化体はエバポレータで濃縮した後、規定の臨床用投与溶液とした。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は、上記実施例そのものに何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能である。発明の技術的範囲には、これらの改良変形も含まれる。
本願発明は、PET用のトレーサーの製造方法として、医薬産業等において利用することができる

Claims (11)

  1. 非プロトン性極性溶媒中において、ヨウ化メチルとアルケニルトリアルキルスタナンとを、0価のパラジウム錯体と、ホスフィンリガンドと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物との存在下でクロスカップリングさせることを特徴とするアルケン類の高速メチル化法。
  2. 炭酸塩が炭酸カリウム又は炭酸セシウムであることを特徴とする請求項1に記載のアルケン類の高速メチル化法。
  3. アルカリ金属のフッ化物がフッ化セシウムであることを特徴とする請求項1に記載のアルケン類の高速メチル化法。
  4. ホスフィンリガンドがトリ−o−トリルホスフィン又は(ジ−tert−ブチル)メチルホスフィンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のアルケン類の高速メチル化法。
  5. ハロゲン化第一銅が臭化第一銅、塩化第一銅及びヨウ化第一銅のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のアルケン類の高速メチル化法。
  6. 11C、12C、13C、14C又はCD3で標識されたヨウ化メチルを用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のアルケン類の高速メチル化法。
  7. ヨウ化メチルと、0価のパラジウム錯体と、ホスフィンリガンドとを非プロトン性極性溶媒中で反応させてCHPdI錯体溶液を準備するパラジウム錯体調製工程と、
    アルケニルトリアルキルスタナンと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物との存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させてアルケニルトリアルキル銅溶液を準備するアルケニル銅調製工程と、
    該CHPdI錯体溶液と該アルケニルトリアルキル銅溶液とを混合してメチルアルケンとするメチル化工程と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のアルケン類の高速メチル化法。
  8. ホスフィンリガンドは0価のパラジウム錯体に対してモル比で4倍以上とされていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のアルケン類の高速メチル化法。
  9. 非プロトン性極性溶媒中において、ヨウ化メチルとアルケニルトリアルキルスタナンとを、0価のパラジウム錯体と、ホスフィンリガンドと、ハロゲン化第1銅と、炭酸塩及び/又はアルカリ金属のフッ化物との存在下でクロスカップリングさせることを特徴とするPET用トレーサーの製造方法。
  10. アルカリ金属のフッ化物がフッ化セシウムであり、ホスフィンリガンドがトリ−o−トリルホスフィン又は(ジ−tert−ブチル)メチルホスフィンであることを特徴とする請求項1、3乃至8のいずれか1項記載のアルケン類の高速メチル化法。
  11. アルカリ金属のフッ化物がフッ化セシウムであり、ホスフィンリガンドがトリ−o−トリルホスフィン又は(ジ−tert−ブチル)メチルホスフィンであることを特徴とする請求項記載のPET用トレーサーの製造方法。
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