定電流回路部には、例えばLEDに流れる電流を検出する電流検出インピーダンス部である電流検出抵抗器と可変インピーダンス部であるトランジスタとの直列回路が配置されている。そして、上記照明システムは、例えば単一のLEDを有する標識灯を点灯させる際、例えば誘導路灯においてはパワー型青色LEDが1つでよく、その順方向電圧が3.5V、定格電流が350mAの条件に対応した構成とすればよく、主電源部は、LEDの順方向電圧のばらつき(約±0.5V)と、定電流回路部の動作電圧(約1V、例えば電流検出抵抗器で0.5V、トランジスタで0.5V)を加味して、約5Vの定電圧電源とすればよい。このとき、トランジスタの電力負荷は、約0.2W(≒0.5V×350mA)である。
しかしながら、上記照明システムは、単一のLEDを有する標識灯を点灯させる際には有効であるものの、複数、例えば20個のLEDを直列に接続して構成する場合には、1つのLEDの順方向電圧のばらつき幅が例えば0.5Vであると、全体として0.5V×20=10Vの変動に対応する定電流回路部が必要となる。この場合、定電流回路部のトランジスタで分担する電圧、電力が、10.5V、3.7W強(≒10.5V×350mA)となり、トランジスタの負荷が相当に大きくなるという問題点を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、可変インピーダンス部での電力負荷を低減しつつ、所定の光度比率に応じて複数のLEDを定電流で点灯できる照明システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の照明システムは、直列に接続された複数のLEDを有する光源部と;所定の光度比率に対応して出力電流を切り替え可能な交流定電流電源と;この交流定電流電源からの出力電圧を整流して直流化することにより定電圧化して光源部に供給する主電源部と;交流定電流電源の出力電流を検出する電流検出部と;光源部に流れる電流を検出する電流検出インピーダンス部と、この電流検出インピーダンス部に接続され電流検出部での検出出力に応じてインピーダンス値が変化する可変インピーダンス部とを有し、光源部のLEDのカソード側と主電源部の負極との間に接続されるとともに、主電源部により一定電圧化される限流回路を備え、可変インピーダンス部のインピーダンス値の変化により光源部の発光が所定の光度比率となるように主電源部から光源部に供給される駆動電流を定電流化する定電流回路部と;を具備し、主電源部は、限流回路の両端間に直列に接続された抵抗器を有し、これら抵抗器による分圧によって検出した電圧に基づいて限流回路の両端間電圧が一定電圧となるように主電源部の出力を制御する定電圧化回路を備えているものである。
LEDは、例えば白色、あるいは青色などを発光するもので、光源部は、これらLEDを例えば20個、直列に接続して構成されている。なお、光源部は、複数のLEDの直列回路を複数並列に備える構成などでもよい。
交流定電流電源は、出力電流を所定の光度比率に応じて段階的、あるいは連続的に切り替え可能に構成され、例えば段階的に切り替える際には、内部に設けられたトランスのタップの切り替えなどを行う。また、交流定電流電源の定電流制御機能は、例えばサイリスタの位相制御回路を主体とする半導体定電流回路、あるいは可飽和トランスを主体とする定電流磁気回路などで構成できる。
所定の光度比率は、周囲の明るさが時間や天候により変化しても見え方を良好に維持するために設定されるものである。
主電源部は、例えばブリッジダイオードなどの整流手段、電解コンデンサなどの平滑手段を備えるとともに、これら整流手段と平滑手段とで生成した直流電圧を、スイッチング素子などにより監視して定電圧を生成するように構成されている。
電流検出部は、交流定電流電源からの出力電流を直接的、あるいは間接的に測定するものである。
電流検出インピーダンス部としては、例えば抵抗器が好適に用いられる。
可変インピーダンス部としては、例えばFETなどのトランジスタが好適に用いられる。
限流回路は、例えば電流検出インピーダンス部と可変インピーダンス部とを直列に接続して構成され、LEDの低圧側に接続され、かつ、主電源部側の定電圧化回路に接続されている。
定電流回路部は、例えば主電源部、電流検出部および光源部などとともに、1つの灯器内に配置されている。
請求項2記載の照明システムは、請求項1記載の照明システムにおいて、定電流回路部は、電流検出部での検出出力に応じて設定される基準電圧に基づいて可変インピーダンス部のインピーダンス値を可変設定する設定可変手段を備え、設定可変手段の基準電圧を光度比率毎に変化させる基準電圧可変手段を具備しているものである。
設定可変手段としては、例えば基準電圧を設定する入力端子が基準電圧可変手段側に接続され、出力端子が可変インピーダンス部として用いるトランジスタの制御端子に接続されたコンパレータなどが用いられる。
基準電圧可変手段としては、例えば電流検出部からの検出出力によりスイッチングされるトランジスタなどのスイッチング素子がそれぞれ用いられる。
請求項3記載の照明システムは、請求項2記載の照明システムにおいて、互いに直列に接続され、設定可変手段の基準電圧を設定する複数の設定インピーダンス素子を具備し、基準電圧可変手段は、各設定インピーダンス素子の接続点の少なくともいずれかとグランド電位との間に接続され電流検出部からの検出出力によりスイッチングされるスイッチング素子であるものである。
設定インピーダンス素子は、例えば抵抗器が好適に用いられるが、抵抗器以外のインピーダンス素子を用いることも可能である。
請求項4記載の照明システムは、請求項1ないし3いずれか一記載の照明システムにおいて、電流検出インピーダンス部のインピーダンス値を光度比率毎に変化させるインピーダンス値可変手段を具備しているものである。
インピーダンス値可変手段としては、例えば電流検出部からの検出出力によりスイッチングされるトランジスタなどのスイッチング素子がそれぞれ用いられる。
請求項5記載の照明システムは、請求項4記載の照明システムにおいて、電流検出インピーダンス部は、複数の検出インピーダンス素子を直列に備え、インピーダンス値可変手段は、各検出インピーダンス素子の接続点とグランド電位との間にそれぞれ接続され電流検出部からの検出出力によりスイッチングされるスイッチング素子であるものである。
検出インピーダンス素子は、例えば抵抗器が好適に用いられるが、抵抗器以外のインピーダンス素子を用いることも可能である。
請求項1記載の照明システムによれば、主電源部から光源部に供給する駆動電流を光源部の発光が所定の光度比率となるように定電流化する定電流回路部の限流回路の両端間電圧を、この限流回路の両端間に直列に接続された抵抗器による分圧によって検出した電圧に基づいて主電源部の出力を制御することにより一定電圧化することで、可変インピーダンス部での電力負荷を低減しつつ、所定の光度比率に応じて複数のLEDを点灯できる。
請求項2記載の照明システムによれば、請求項1記載の照明システムの効果に加えて、設定可変手段の基準電圧を基準電圧可変手段により光度比率毎に変化させることで、電流検出インピーダンス部での光源部に流れる電流の検出精度を向上できる。
請求項3記載の照明システムによれば、請求項2記載の照明システムの効果に加えて、設定可変手段の基準電圧を設定する複数の設定インピーダンス素子の接続点の少なくともいずれかとグランド電位との間に接続したスイッチング素子を、電流検出部からの検出出力によりスイッチングすることで、電流検出部からの検出出力に応じて光度比率毎に設定可変手段の基準電圧を容易に変化させることが可能になる。
請求項4記載の照明システムによれば、請求項1ないし3いずれか一記載の照明システムの効果に加えて、電流検出インピーダンス部のインピーダンス値をインピーダンス値可変手段により光度比率毎に変化させることで、電流検出インピーダンス部での電力負荷を抑制できる。
請求項5記載の照明システムによれば、請求項4記載の照明システムの効果に加えて、電流検出インピーダンス部を構成する複数の検出インピーダンス素子の接続点とグランド電位との間に接続したスイッチング素子を、電流検出部からの検出出力によりスイッチングすることで、電流検出部からの検出出力に応じて光度比率毎に電流検出インピーダンス部の抵抗値を容易に変化させることが可能になる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1および図2に第1の実施の形態を示し、図1は照明システムの要部の回路図、図2は照明システムを示すブロック図である。
図2に示す照明システムとしての標識灯システム11は、交流定電流電源(Constant Current Regulator:CCR)12と、この交流定電流電源12に対して、照明装置としての標識灯13が電気的に接続されて構成されている。なお、以下、特に明記しない限り、電気的接続を単に接続と言うものとする。
交流定電流電源12は、例えば現行のハロゲン電球などの白熱電球を用いた標識灯用のものであり、所定の光度比率となるように出力電流を切り替えるための電流切り替えタップを複数備えている。この交流定電流電源12からの出力電流は、白熱電球を所定の光度比率とするための電流値に対応している。白熱電球は、通電電流によって指数関数的に明るさが変化するので、交流定電流電源12からの出力電流は、例えば光度比率100%のとき6.6A、光度比率30%のとき5.5A、光度比率10%のとき4.8Aとなっている。本実施の形態では、例えば光度比率100%のときと、光度比率10%のときとに切り替え可能とする。
標識灯13は、例えば空港の滑走路や誘導路などの路面に埋め込んで設置、あるいは、この路面上に設置される航空標識灯であり、本実施の形態の標識灯システム11においては、複数、例えばn個(nは2以上の整数)の標識灯131,132,…,13nが交流定電流電源12に対してそれぞれ直列に配置されている。そして、各標識灯13は、複数のLED14を有する光源部15を備えるとともに、交流定電流電源12側と接続される接続端子16に対して、主電源部17および電流検出部18が接続され、主電源部17と光源部15との間に定電流回路部19が接続され、かつ、主電源部17、電流検出部18および定電流回路部19のそれぞれに補助電力(ドライブ電圧)を供給する補助電源部20が接続されている。また、接続端子16には、主電源部17、電流検出部18および補助電源部20のそれぞれの一部である組み合わせトランスとしてのカレントトランスCTa,CTb,CTcの各一次巻線CTa1,CTb1,CTc1が電気的に接続されている。
図1に示すように、光源部15は、LED14をそれぞれ直列に接続して構成されている。ここで、LED14は、例えば青色、あるいは白色などを発光するもので、20個程度が配置されている。また、LED14は、通電電流によって単純比例的に明るさが変化し、例えば光度比率100%のとき350mA、光度比率30%のとき105mA、光度比率10%のとき35mAとなっている。
主電源部17は、交流定電流電源12からの出力電圧を定電圧化して光源部15に供給するもので、カレントトランスCTaの二次巻線CTa2に対して、整流手段としてのダイオード回路である全波整流素子REC1の入力側が接続され、この全波整流素子REC1の出力側間に逆阻止用のダイオードD1を介して平滑手段としての電解コンデンサC1が接続されている。また、全波整流素子REC1の出力側間には、ダイオードD1のアノード側に、スイッチング素子であるFETQ1のドレイン−ソースが接続され、このFETQ1のゲートに、抵抗器R1,R2が並列に接続され、抵抗器R1がグランド電位と接続されているとともに、抵抗器R2が電圧制御手段としてのコンパレータIC1の出力端子と接続されている。このコンパレータIC1は、正電源端子が補助電源部20の補助定電圧化回路22の出力側に接続され、負電源端子がグランド電位に接続され、非反転入力端子が、互いに直列に接続された設定手段としての分圧用の抵抗器R3,R4の接続点に接続され、基準電圧を設定するための反転入力端子が補助電源部20側の基準電圧設定部24に接続されている。そして、これらFETQ1、コンパレータIC1、抵抗器R1〜R4により、全波整流素子REC1および電解コンデンサC1により生成された直流電圧を監視および制御して一定電圧とする定電圧化回路26が構成されている。
FETQ1は、コンパレータIC1からの出力により制御される。
抵抗器R3は、グランド電位に接続され、抵抗器R4は、光源部15の低圧側に接続されている。
電流検出部18は、交流定電流電源12の出力電流を検出するもので、カレントトランスCTbの二次巻線CTb2に対して、抵抗器R6と電流実効値変換用の演算部である演算回路IC2との並列回路が接続されている。この演算回路IC2は、例えばマイコン(MPU)などでもよく、また、各種素子を接続して構成してもよい。そして、この演算回路IC2は、補助電源部20の補助定電圧化回路22から電源が供給されており、出力側に、抵抗器R7,R8が並列に接続され、抵抗器R7がグランド電位と接続されているとともに、抵抗器R8が入力電流レベル判定手段としてのコンパレータIC3の非反転入力端子と接続されている。このコンパレータIC3は、正電源端子が補助電源部20の補助定電圧化回路22の出力側に接続され、負電源端子がグランド電位に接続され、基準電圧を設定するための反転入力端子が補助電源部20の基準電圧設定部24と接続され、出力端子が、抵抗器R9を介して補助電源部20側に接続されている。
定電流回路部19は、光源部15のLED14の発光が所定の光度比率となるように主電源部17から光源部15に供給される駆動電流をLED14用に変換して定電流化するもので、光源部15の低圧側に、可変インピーダンス部としての可変抵抗成分であるトランジスタであるFETQ2のドレイン−ソースと、電流検出インピーダンス部としての電流検出抵抗である抵抗器R11との直列回路である限流回路28が接続されているとともに、FETQ2のゲートに、ゲート電位を設定する分圧用の抵抗器R12,R13が並列に接続され、抵抗器R12がグランド電位と接続され、抵抗器R13が設定可変手段としてのコンパレータIC4の出力端子と接続されている。このコンパレータIC4は、正電源端子が補助電源部20の補助定電圧化回路22の出力側に接続され、負電源端子がグランド電位に接続され、反転入力端子が、抵抗器R14を介してFETQ2と抵抗器R11の接続点に接続され、基準電圧を設定するための非反転入力端子が、補助電源部20の基準電圧設定部24と接続されている。
FETQ2は、ドレイン側が光源部15の低圧側と定電圧化回路26の抵抗器R4との接続点に接続されている。したがって、限流回路28は、定電圧化回路26の抵抗器R3,R4での分圧により、例えば1Vなどに一定電圧化されている。また、このFETQ2は、コンパレータIC4からの出力により制御される。
また、補助電源部20は、カレントトランスCTcの二次巻線CTc2に対して、補助定電圧化回路22が接続されているとともに、この補助定電圧化回路22の出力側に基準電圧設定部24が接続され、この基準電圧設定部24の出力側に基準電圧可変部30が接続されて構成されている。
補助定電圧化回路22は、二次巻線CTc2に補助整流手段としてのダイオード回路である全波整流素子REC2の入力側が接続され、この全波整流素子REC2の出力側間に逆阻止用のダイオードD2を介して補助平滑手段としての電解コンデンサC2が接続され、全波整流素子REC2の出力側間のダイオードD2のアノード側に、スイッチング素子であるFETQ3のドレイン−ソースが接続され、このFETQ3のゲートに、ゲート電位を設定する分圧用の抵抗器R16,R17が並列に接続され、抵抗器R16がグランド電位と接続されているとともに、抵抗器R17が補助電圧制御手段としてのコンパレータIC5の出力端子と接続され、このコンパレータIC5の正電源端子がダイオードD2のカソード側に接続され、負電源端子がグランド電位に接続され、非反転入力端子が、互いに直列に接続された分圧用の抵抗器R18,R19の接続点に接続され、基準電圧を設定するための反転入力端子が基準電圧設定部24に接続されて構成されている。
FETQ3は、コンパレータIC5からの出力により制御される。
基準電圧設定部24は、抵抗器R21と基準電圧設定用の定電圧素子ZDとの直列回路が補助定電圧化回路22の出力側とグランド電位との間に接続されて構成されており、これら抵抗器R21と定電圧素子ZDとの接続点に基準電圧設定用抵抗としての抵抗器R22,R23,R24が互いに並列に接続されている。これら抵抗器R22,R23,R24は、それぞれコンパレータIC1,IC3,IC5の反転入力端子に接続されている。
基準電圧可変部30は、分圧用の抵抗器R26,R27,R28の直列回路が基準電圧設定部24の抵抗器R21,R22の接続点とグランド電位との間に接続され、抵抗器R27に対して、抵抗器R28と並列に、基準電圧可変手段としてのスイッチング素子であるFETQ4のドレイン−ソースが接続されて構成されている。そして、このFETQ4のゲートが、抵抗器R29を介してグランド電位と接続されているとともに電流検出部18のコンパレータIC3の出力端子と抵抗器R9を介して接続されている。したがって、これら抵抗器R9,R29は、FETQ4のゲート電位を設定する分圧用の抵抗器となっている。
そして、FETQ4は、コンパレータIC3からの出力によりスイッチング制御される。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
所定の光度比率に対応した交流定電流電源12からの出力電流に応じて、主電源部17、補助電源部20および電流検出部18に補助電力が供給される。
補助電源部20では、全波整流素子REC2および電解コンデンサC2により整流平滑された直流電圧を、基準電圧設定部24で設定した基準電圧に応じて補助定電圧化回路22のコンパレータIC5がFETQ3を介して監視および制御することで、一定電圧を生成し、各コンパレータIC1,IC3,IC4,IC5および演算回路IC2に電源として供給する。
また、基準電圧設定部24では、定電圧素子ZDにより基準電圧が設定され、各コンパレータIC1,IC3,IC5の反転入力端子に供給される。
さらに、基準電圧設定部24で設定された基準電圧は、基準電圧可変部30の抵抗器R26〜R28により分圧されてコンパレータIC4の非反転入力端子に供給される。
主電源部17では、全波整流素子REC1および電解コンデンサC1により整流平滑された直流電圧を、補助電源部20の基準電圧設定部24で設定された基準電圧に応じてコンパレータIC1がFETQ1を介して監視および制御することで、一定電圧を定電流回路部19側へと供給する。
また、電流検出部18では、演算回路IC2によりカレントトランスCTbの二次巻線CTb2に流れる電流を介して交流定電流電源12の出力電流を検出し、この演算回路IC2の検出出力と、補助電源部20の基準電圧設定部24で設定された基準電圧とに応じてコンパレータIC3から補助電源部20の基準電圧可変部30のFETQ4のゲートに信号が出力されてこのFETQ4がスイッチングされる。FETQ4がオンされると、抵抗器R28が短絡され、定電流回路部19のコンパレータIC4の基準電圧が抵抗器R26,R27で分圧された電圧となる(基準電圧が低下する)。
そして、定電流回路部19では、交流定電流電源12で切り替えられる出力電流の電流検出部18による検出出力に応じて基準電圧可変部30により可変された基準電圧に基づき、コンパレータIC4がFETQ2をドライブすることで、このFETQ2によるインピーダンス値すなわち抵抗値が変化し、この変化により、光源部15のLED14の発光が所定の光度比率となるように駆動電流が所定の定電流に設定される。
すなわち、例えば比較的光量が少なくてもよい環境下など、交流定電流電源12で出力電流が小さい方、例えば光源部15のLED14を光度比率10%で発光させる側に切り替えた場合には、本来白熱電球などに対応している交流定電流電源12では、白熱電球を光度比率10%で発光させる例えば4.8Aの電流を出力する。このとき、演算回路IC2からの検出出力が減少し、コンパレータIC3の出力がLowレベルとなってFETQ4がオフされ、基準電圧可変部30の抵抗器R28が短絡されず、この基準電圧可変部30から出力されるコンパレータIC4の参照電圧がLED14の光度比率10%に対応した値まで相対的に増加する。したがって、光源部15のLED14に流れる電流が、抵抗器R11,R14により電圧として検出され、この電圧がコンパレータIC4の参照電圧よりも大きい状態、すなわちコンパレータIC4の反転入力端子に入力される信号が参照電圧よりも大きい場合には、コンパレータIC4からの出力が低下することで、このコンパレータIC4によりドライブされるFETQ2での抵抗値(限流回路28の抵抗値)が相対的に増加し(FETQ2がオフ方向となり)、定電圧化回路26により一定電圧に設定された限流回路28により設定される光源部15のLED14に流れる電流が相対的に低下するため、LED14の光度比率10%に対応した電流、例えば35mAに変換される。
また、例えば比較的光量が要求される環境下など、交流定電流電源12で出力電流が大きい方、例えば光源部15のLED14を定格発光、言い換えると光度比率100%で発光させる側に切り替えた場合には、本来白熱電球などに対応している交流定電流電源12では、白熱電球を光度比率100%で発光させる例えば6.6Aの電流を出力する。このとき、演算回路IC2からの検出出力が増加し、コンパレータIC3の出力がHighレベルとなってFETQ4がオンされ、基準電圧可変部30の抵抗器R28が短絡されるので、この基準電圧可変部30から出力されるコンパレータIC4の参照電圧がLED14の光度比率100%に対応した値まで相対的に減少する。したがって、光源部15のLED14に流れる電流が、抵抗器R11,R14により電圧として検出され、この電圧がコンパレータIC4の参照電圧よりも小さい状態、すなわちコンパレータIC4の反転入力端子に入力される信号が参照電圧よりも小さい場合には、コンパレータIC4からの出力が増加することで、このコンパレータIC4によりドライブされるFETQ2での抵抗値(限流回路28の抵抗値)が相対的に減少し(FETQ2がオン方向となり)、定電圧化回路26により一定電圧に設定された限流回路28により設定される光源部15のLED14に流れる電流が相対的に増加するため、LED14の光度比率100%に対応した電流、例えば350mAに変換される。
以上のように、主電源部17から光源部15に供給する駆動電流を、光源部15のLED14の発光が所定の光度比率となるように定電流化する定電流回路部19の限流回路28を、主電源部17により一定電圧化することで、FETQ2での電力負荷を低減しつつ、所定の光度比率に応じて複数のLED14を点灯できる。
すなわち、本実施の形態において、光源部15は、主電源部17の定電圧化回路26の外部、言い換えると主電源部17の非定電圧化回路側に位置しているので、コンパレータIC4は、FETQ2のドレイン−ソース間電圧と抵抗器R11の電圧とを加算した電圧を一定化するように作用する。このため、各LED14の順方向電圧にばらつきが生じて光源部15全体として比較的大きい電圧のばらつきが生じる場合でも、これらばらつきとは独立してFETQ2の電力負荷を設定できるので、例えば抵抗器R11での電圧を0.5V、FETQ2のドレイン−ソース間電圧を0.5Vなどとすることで、FETQ2での電力負荷を増加させることなく、複数のLED14を定電流で点灯制御できる。
しかも、例えば順方向電圧が0.5Vばらついた場合、LED14を20個とすると光源部15全体で10Vのばらつきとなるものの、LED14(光源部15)が主電源部17の非定電圧化回路側であるため、制御されるLED14(光源部15)の電流は、定電流回路部19での定電流化に影響することなく一定駆動電流を維持できる。
特に、主電源部17からの出力電圧は、LED14の順方向電圧が高い場合に対応させて設定されているので、光源部15を定電圧化回路側に位置させる従来の場合では、実際にLED14の順方向電圧が低い場合にFETQ2での電力負荷が大きくなり、回路効率が低下するのに対して、本実施の形態では、FETQ2の定格を最小に設計することが可能になり、回路効率を向上できるとともに、FETQ2として大きな定格のものを用いる必要がなく、FETQ2の小型化すなわち標識灯13(標識灯システム11)の小型化、および、コストの低減が可能になる。
さらに、FETQ2の発熱も抑制されるので、熱によるLED14の発光効率および使用寿命の低下なども抑制できる。
次に、図3に第2の実施の形態を示し、図3は照明システムの要部の回路図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、交流定電流電源12が、光度比率100%、30%および10%に対応して出力電流を切り替え可能であり、電流検出部18がコンパレータIC3に代えて、入力電流レベル判定手段としてのコンパレータIC7,IC8を備え、定電流回路部19が抵抗器R11に代えて、複数例えば3つの検出インピーダンス素子としての検出抵抗である抵抗器R31,R32,R33を直列に有する電流検出インピーダンス部34を備え、補助電源部20の基準電圧可変部30が、互いに直列に接続された設定インピーダンス素子としての設定抵抗である抵抗器R35,R36,R37,R38を備えるとともに、FETQ4に代えて、これら抵抗器R35〜R38のうち、抵抗器R36,R37の接続点と、抵抗器R37,R38の接続点とのそれぞれとグランド電位との間に、基準電圧可変手段としてのスイッチング素子であるFETQ6,Q7のドレイン−ソースが接続され、さらに、補助電源部20に、定電流回路部19の電流検出インピーダンス部34の抵抗器R31〜R33の各接続点とグランド電位との間に、インピーダンス値可変手段としてのスイッチング素子であるFETQ8,Q9のソース−ドレインが接続されているものである。
コンパレータIC7は、正電源端子が補助電源部20の補助定電圧化回路22の出力側に接続され、負電源端子がグランド電位に接続され、非反転入力端子が、抵抗器R41を介して演算回路IC2の出力側に接続され、基準電圧を設定するための反転入力端子が、基準電圧設定部24の抵抗器R21との定電圧素子ZDとの接続点に抵抗器R42を介して接続され、出力端子が、FETQ6,Q8のそれぞれのゲートに対して、抵抗器R43,R44を介して接続されている。
同様に、コンパレータIC8は、正電源端子が補助電源部20の補助定電圧化回路22の出力側に接続され、負電源端子がグランド電位に接続され、非反転入力端子が、抵抗器R45を介して演算回路IC2の出力側に接続され、基準電圧を設定するための反転入力端子が、基準電圧設定部24の抵抗器R21との定電圧素子ZDとの接続点に抵抗器R46および上記抵抗器R42を介して接続され、出力端子が、FETQ7,Q9のそれぞれのゲートに対して、抵抗器R47,R48を介して接続されている。
抵抗器R41,R45は、それぞれ演算回路IC2に対して抵抗器R7と並列に接続されている。
抵抗器R42,R46は、抵抗器R51,R52とともに、基準電圧設定部24で設定された基準電圧を分圧する直列回路を形成している。ここで、抵抗器R46,R51は、各コンパレータIC7,IC8の基準電圧を精密に設定可能となるようにそれぞれ可変抵抗器となっており、また、抵抗器R52はグランド電位に接続されている。このため、コンパレータIC7は、コンパレータIC8よりも基準電圧が高く設定されている。
抵抗器R43,R44,R47,R48は、それぞれFETQ6,Q8,Q7,Q9のゲートに対して、抵抗器R55,R56,R57,R58と並列に接続され、これら抵抗器R55,R56,R57,R58は、グランド電位に接続されている。したがって、これら抵抗器R43,R44,R47,R48,R55,R56,R57,R58は、それぞれFETQ6,Q8,Q7,Q9のゲート電位を設定する分圧用の抵抗器となっている。
FETQ6,Q8は、それぞれコンパレータIC7からの出力によりスイッチング制御される。同様に、FETQ7,Q9は、それぞれコンパレータIC8からの出力によりスイッチング制御される。
また、抵抗器R36〜R38は、コンパレータIC4の基準電圧を精密に設定可能となるように、それぞれ可変抵抗器となっている。
そして、上記第1の実施の形態と同様に、定電流回路部19では、交流定電流電源12で切り替えられる出力電流の電流検出部18による検出出力に応じて基準電圧可変部30により可変された基準電圧に基づき、コンパレータIC4がFETQ2をドライブすることで、このFETQ2による抵抗値が変化し、この変化により、光源部15のLED14の発光が所定の光度比率となるように駆動電流が所定の定電流に設定される。
すなわち、例えば昼間などの比較的光量が少なくてもよい環境下など、交流定電流電源12で出力電流が小さい方、例えば光源部15のLED14を光度比率10%で発光させる側に切り替えた場合には、本来白熱電球などに対応している交流定電流電源12では、白熱電球を光度比率10%で発光させる例えば4.8Aの電流を出力する。このとき、演算回路IC2からの検出出力が減少し、互いに基準電圧が異なるコンパレータIC7,IC8により、交流定電流電源12の出力電流が判定され、コンパレータIC7,IC8の出力がともにLowレベルとなる。このため、FETQ6〜Q9が全てオフされ、抵抗器R37,R38および抵抗器R32,R33が短絡されず、基準電圧可変部30から出力されるコンパレータIC4の参照電圧がLED14の光度比率10%に対応した値まで相対的に増加する。したがって、光源部15のLED14に流れる電流が、抵抗器R31,R32,R33,R14により電圧として検出され、この電圧がコンパレータIC4の参照電圧よりも大きい状態、すなわちコンパレータIC4の反転入力端子に入力される信号が参照電圧よりも大きい場合には、コンパレータIC4からの出力が低下することで、このコンパレータIC4によりドライブされるFETQ2での抵抗値(限流回路28の抵抗値)が相対的に増加し(FETQ2がオフ方向となり)、定電圧化回路26により一定電圧に設定された限流回路28により設定される光源部15のLED14に流れる電流が相対的に低下するため、LED14の光度比率10%に対応した電流、例えば35mAに変換される。
また、例えば昼間と夜間の中間の薄暮などの環境下など、交流定電流電源12で出力電流が大小の中間、例えば光源部15のLED14を光度比率30%で発光させる側に切り替えた場合には、本来白熱電球などに対応している交流定電流電源12では、白熱電球を光度比率30%で発光させる例えば5.5Aの電流を出力する。このとき、互いに基準電圧が異なるコンパレータIC7,IC8により、交流定電流電源12の出力電流が判定され、コンパレータIC7の出力がLowレベルとなるとともに、コンパレータIC8の出力がHighレベルとなる。このため、FETQ6,Q8がオフ、FETQ7,Q9がオンされて、抵抗器R38および抵抗器R33が短絡され、基準電圧可変部30から出力されるコンパレータIC4の参照電圧がLED14の光度比率30%に対応した大小の中間値となる。したがって、光源部15のLED14に流れる電流が、抵抗器R31,R32,R14により電圧として検出され、この電圧がコンパレータIC4の参照電圧よりも小さい状態、すなわちコンパレータIC4の反転入力端子に入力される信号が参照電圧よりも小さい場合には、コンパレータIC4からの出力が増加することで、このコンパレータIC4によりドライブされるFETQ2での抵抗値(限流回路28の抵抗値)が相対的に減少し(FETQ2がオン方向となり)、定電圧化回路26により一定電圧に設定された限流回路28により設定される光源部15のLED14に流れる電流が相対的に増加するため、LED14の光度比率30%に対応した電流、例えば105mAに変換される。
さらに、例えば夜間などの比較的光量が要求される環境下など、交流定電流電源12で出力電流が大きい方、例えば光源部15のLED14を光度比率100%で発光させる側に切り替えた場合には、本来白熱電球などに対応している交流定電流電源12では、白熱電球を光度比率100%で発光させる例えば6.6Aの電流を出力する。このとき、演算回路IC2からの検出出力がさらに増加し、互いに基準電圧が異なるコンパレータIC7,IC8により、交流定電流電源12の出力電流が判定され、コンパレータIC7,IC8の出力がともにHighレベルとなる。このため、FETQ6〜Q9が全てオンされ、抵抗器R37,R38および抵抗器R32,R33がそれぞれ短絡され、基準電圧可変部30から出力されるコンパレータIC4の参照電圧がLED14の光度比率100%に対応した値まで相対的にさらに減少する。したがって、光源部15のLED14に流れる電流が、抵抗器R31,R14により電圧として検出され、この電圧がコンパレータIC4の参照電圧よりも小さい状態、すなわちコンパレータIC4の反転入力端子に入力される信号が参照電圧よりも小さい場合には、コンパレータIC4からの出力がさらに増加することで、このコンパレータIC4によりドライブされるFETQ2での抵抗値(限流回路28の抵抗値)が相対的にさらに減少し(FETQ2がオン方向となり)、定電圧化回路26により一定電圧に設定された限流回路28により設定される光源部15のLED14に流れる電流が相対的にさらに増加するため、LED14の光度比率100%に対応した電流、例えば350mAに変換される。
具体的な回路定数としては、まず、例えばLED14の電流の検出電圧を、光度比率100%に対応する350mAの電流下において0.5Vと設定すると、抵抗器R31の抵抗値が1.43Ωと算出されるので、実用値として検出抵抗器R31の抵抗値を1.5Ωに設定すると、検出電圧が0.525V、電流検出インピーダンス部34での電力損失が0.184Wとなる。次いで、光度比率30%に対応する105mAの電流下では、検出電圧を1.5倍すなわち0.75Vとすると、検出抵抗が7.14Ωとなり、抵抗器R32の抵抗値が5.64Ωと算出されるので、実用値として抵抗器R32の抵抗値を5.6Ωに設定すると、検出電圧が0.746V、電流検出インピーダンス部34での電力損失が0.08Wとなる。さらに、光度比率10%に対応する35mAの電流下では、検出電圧をさらに1.5倍すなわち1.125Vとすると、検出抵抗が32.14Ωとなり、抵抗器R33の抵抗値が25.04Ωと算出されるので、実用値として抵抗器R33の抵抗値を22Ωに設定すると、検出電圧が1.019V、電流検出インピーダンス部34での電力損失が0.04Wとなる。
ここで、抵抗器R31〜R33は、通電電流が比較的大きいため電力型の抵抗器となるので、検出電圧を精密に設定するために可変抵抗器とすることは好ましくない。そのため、抵抗器R31〜R33として、市販の標準品で設定するとばらつきが生じ、LED14(光源部15)に流れる電流の設定には何らかの調整機能が必要となる。
そこで、本実施の形態では、基準電圧可変部30に精密な抵抗値を設定できる可変抵抗器である抵抗器R36〜R38を用い、この基準電圧可変部30の抵抗器R36〜R38の接続点のそれぞれとグランド電位との間に接続したFETQ6,Q7を電流検出部18のコンパレータIC7,IC8からの検出出力によりスイッチング制御してコンパレータIC4の基準電圧を可変調整するように構成することで、LED14(光源部15)に流れる電流を精密に設定でき、LED14(光源部15)に流れる電流の検出精度を向上でき、かつ、電流検出部18からの検出出力に応じて光度比率毎にコンパレータIC4の基準電圧を容易に変化させることが可能になる。基準電圧可変部30は、数mAレベルの電流回路であるため、小型の可変抵抗器を抵抗器R36〜R38として用いることができる。
また、電流検出インピーダンス部34を構成する抵抗器R31〜R33の各接続点とグランド電位との間に接続したFETQ8,Q9を、電流検出部18のコンパレータIC7,IC8からの検出出力によりスイッチング制御することにより抵抗器R31〜R33を選択的に短絡させて電流検出インピーダンス部34の抵抗値を光度比率毎に変化させることで、電流検出インピーダンス部34での電力負荷を抑制でき、かつ、電流検出部18からの検出出力に応じて光度比率毎に電流検出インピーダンス部34の抵抗値を容易に変化させることが可能になる。