JP5151410B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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この発明は、密閉型圧縮機に関し、より特定的には、密閉型圧縮機の構造の改良に関するものである。
<ロータリー圧縮機の全体構成>
図14および図15を参照して、ロータリー圧縮機の全体構成を説明する。なお、図14は、ロータリー圧縮機の全体構成を示す縦断面図であり、図15は図14中XV−XV線矢視断面図である。ケーシング1の下端側には、作動流体を吸入圧縮する圧縮要素7が吸入管5に対応して配置されているとともに、その上方には圧縮要素7を作動させる駆動要素8が内部空間のほぼ全域を占めるように配置されている。ケーシング1の下端部分における下蓋4により規定される内部空間においては、潤滑油Oを貯溜する油溜め部9が形成され、その他の空間においては圧縮作動流体を貯溜する貯溜空間10が形成されている。
<圧縮要素7>
圧縮要素7は、上下二段の圧縮要素11A,11Bを有し、ミドルプレート18を挟んで、横断面形状が円形のシリンダ室11aを有するシリンダ11を備え、上下のシリンダ11の上両面および下面側には、中央にボス状の軸受部13aを有するフロントヘッド13と、同じく中央にボス状の軸受部14aを有するリアヘッド14とが複数本のボルト15で締結されることにより、上下二段のシリンダ室11aを密閉状態としている。なお、特に言及しない限り、上下段に配置されるシリンダ11の構成は同じである。
シリンダ11は、ケーシング1内に水平状態に支持されている。フロントヘッド13には吐出口13cが設けられるとともに、フロントヘッド13の軸受部13a周りには、軸受部13aとの間において円環状の隙間を設けるようにして、フロントマフラー16がフロントヘッド13に固定されている。また、リアヘッド14には吐出口14cが設けられるとともに、リアヘッド14の軸受部14a周りには、油溜め部9と吐出空間とを区画するリアマフラー17が、リアヘッド14に固定されている。
上下のそれぞれのシリンダ11には吸入管路12aが設けられ、この吸入管路12aに吸入管5が挿入されることで、吸入管5とシリンダ室11aとが連通することとなる。シリンダ11の吸入管路12aの側方には吐出口12bが開設され、吐出口12bはその背面側に形成された凹部12cに連通し、この凹部12cは、上段に配置されたシリンダ11においては、フロントヘッド13に形成された貫通孔(図示省略)によって貯溜空間10に連通している。
これにより、シリンダ室11aが貯溜空間10に連通することとなる。また、下段に配置されたシリンダ11においても、リアヘッド14に形成された貫通孔(図示省略)によって貯溜空間10に連通している。これにより、シリンダ室11aが貯溜空間10に連通することとなる。
凹部12cには、板ばね状の吐出弁31が吐出口12bを開閉可能にピン32で支持されて配置され、貯溜空間10に吐出された圧縮気体のシリンダ室11aへの逆流を防止する。
シリンダ11のシリンダ室11aにはピストン21が配置されている。このピストン21は、円形の挿着孔20aを有し、側壁には半径方向外方に一体に突設された矩形板状のブレード22とを備えている。ピストン21は、後述するクランク軸26によってシリンダ室11aに偏心配置されている。
シリンダ11の吸入管路12aと吐出口12bとの間には、シリンダ半径方向外方に延びるブレード摺動溝12dが設けられ、このブレード摺動溝12dの中間部分には全体としては筒形状からなり、ブレード摺動溝12dの両側から外方に膨出するブッシュ穴12eが形成されている。
このブッシュ穴12eには、回動挟持体を構成する2つの略半円筒ブロック231,232からなるブッシュ23Aが回動中心Q回りに回動可能に配置されている。上記ピストン21のブレード22は、ブレード摺動溝12dに挿入された状態でブッシュ23Aにより両側からシリンダ半径方向に摺動可能に挟持されているとともに、ブッシュ23Aの自転によりその回動中心Q回りに揺動するようになっている。
<駆動要素8>
駆動要素8は、ステータ24とロータ25とで構成された電動モータを備え、ステータ24はケーシング1の中間筒体2の内壁面に固定支持されている。ロータ25はステータ24の内側に周方向に所定の隙間をあけて同心円状に配置されている。ロータ25の内側にはクランク軸26の上半部分が軸心P回りに回転一体に装着され、クランク軸26の下半部分はフロントヘッド13およびリアヘッド14の両軸受部13a,14aに回転可能に嵌挿支持されている。
クランク軸26には軸心方向に延びる油通路26aが形成され、クランク軸26の下端には遠心式の油ポンプ27が装着されている。油ポンプ27は油溜め部9の潤滑油Oに常時浸漬され、クランク軸26の回転に応じて潤滑油Oを油通路26aに吸い上げて圧縮要素7および駆動要素8の各摺動箇所に供給するようになっている。
上記クランク軸26の下端寄りには偏心軸部20が2箇所設けられている。上下に配置される偏心軸部20は、ピストン21の偏心回転角度の位相が180度ずれるように設けられている。この偏心軸部20はシリンダ室11aに位置し、ピストン21の挿着孔20aに回転一体に挿着されている。これにより、クランク軸26の軸心P回りの回転により、ピストン21がシリンダ室11aで偏心回転する。また、シリンダ室11aは、ブレード22により、吸入室R1と圧縮室R2とに区画される。
吸入室R1および圧縮室R2の容積は、ピストン21の偏心回転運動により漸次相対変化するものであり、ピストン21が吸入口12aおよび吐出口12bを同時に閉塞する上死点の位置にある時は、シリンダ室11a全体が吸入室R1となる。一方、それと180°反対の下死点の位置にピストン21がある時は、吸入室R1と圧縮室R2との容積がブレード22を境に均等になるようになっている。
このように構成されたロータリー圧縮機は、たとえば、空気調和装置の冷媒回路において作動流体として冷媒ガスを圧縮するために用いられる。この場合、冷媒ガスが蒸発器から吸入管5を経てシリンダ室11aの吸入室R1に吸入される。吸入された冷媒ガスはピストン21の偏心回転運動に伴い圧縮室R2で圧縮される。高圧状態となった冷媒ガスは、吐出口12bからフロントヘッド13の軸受部13aとマフラー部材16との間の隙間を経て貯溜空間10に吐出され、さらに、吐出管6を経て凝縮器に吐出される。
この間、圧縮室R2では冷媒ガスは潤滑油Oが混入された混合ガスの状態で圧縮されるため、貯溜空間10では潤滑油Oがミスト状態で飛散しており、このミスト状態の潤滑油Oは冷媒ガスから分離して油溜め部9に回収されることとなる。
上記構成からなる上下2段のシリンダを備えるロータリー圧縮機においては、高い容量が得られるものの、駆動要素8の回転数による容量制御では、インバータを用いた電動モータの最低回転数によって低容量が決定される。しかし、この上下2段のシリンダを備えるロータリー圧縮機においては、上下2段のシリンダが駆動していることから、1シリンダタイプのロータリー圧縮機と同様の低容量域を得ることができない問題が挙げられる。下記特許文献1および特許文献2には、ピストンとブレードとが分離構造である、上下2段のシリンダを備えるロータリー圧縮機が開示され、1つのシリンダにおいて、ブレードをピストンから切り離す操作を行なうことで、低容量域を得る技術が開示されている。
特開2005−077039号公報 特開2005−256614号公報 清水克浩、外4名、「あらゆる住宅負荷に対応する省エネエアコン「大清快(登録商標)DNRシリーズ」の開発」、第38回空気調和・冷凍連合講演会公演論文集[2004.4.14〜16,東京、p.33―36] 小野田泉、外2名、「空調用デュアルステージコンプレッサ」、東芝レヴュー、Vol.59、No.4(2004)、p.44―47
この発明が解決しようとする課題は、第1圧縮機構および第2圧縮機構を含む圧縮要素を有する密閉型圧縮機において、ピストンから一体的に半径方向に延びるブレードを用いて吸入室R1と圧縮室R2とに区画する圧縮機構において、1シリンダタイプの密閉型圧縮機と同様の低容量域を得ることができない点にある。
したがって、この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ピストンから一体的に半径方向に延びるブレードを用いて吸入室と圧縮室とに区画する圧縮機構を採用した、第1圧縮機構および第2圧縮機構を含む圧縮要素を有する密閉型圧縮機において、1シリンダタイプの密閉型圧縮機と同等の低容量域を得ることを可能とする、密閉型圧縮機を提供することにある。
この発明に基づいた密閉型圧縮機においては、駆動要素と、ミドルプレートにより区画される第1圧縮機構および第2圧縮機構を含む圧縮要素とを備える密閉型圧縮機であって、以下の構成を備えている。
上記第1圧縮機構および第2圧縮機構のそれぞれは、シリンダ室を規定するシリンダと、上記シリンダ室に配置され、上記駆動要素を構成するクランク軸の偏心部に挿着されたピストンと、上記シリンダ室を、低圧作動流体が吸入される吸入室側と高圧作動流体を得るための圧縮室側とに区画するため、上記シリンダに設けられるブレード摺動溝に挿入され、上記ピストンから一体的に半径方向に延びるブレードと、上記ブレード摺動溝の一部を構成するように上記シリンダに設けられるブッシュ用溝に配置され、上記ブレードを摺動及び揺動可能に挟持するブッシュとを備えている。
また、上記第1圧縮機構および第2圧縮機構のいずれか一方には、上記ブッシュを、上記ブッシュ用溝において、上記ブレードに沿って上記シリンダ室に近接する位置と、上記シリンダ室から遠ざかる位置との間を移動可能とする移動機構と、上記ブッシュが、上記シリンダ室から遠ざかる位置に移動した状態において、上記吸入室側と上記圧縮室側とを連通させる連通機構とが設けられる。
この発明に基づいた密閉型圧縮機によれば、第1圧縮機構および第2圧縮機構のいずれか一方において、移動機構によりブッシュをシリンダ室から遠ざかる位置に移動させることにより、連通機構により吸入室側と圧縮室側とが連通する状態を形成する。
その結果、第1圧縮機構および第2圧縮機構のうち、吸入室側と圧縮室側とが連通した圧縮機構においては、吸入室側と圧縮室側とが分離されないことから、作動流体の圧縮が行なわれない状態となり、他方の圧縮機構のみが、作動流体の圧縮に寄与する状態となる。これにより、2つある圧縮機構のうち1つの圧縮機構を休止状態にして、密閉型圧縮機の運転を行なうことが可能となり、1シリンダタイプの密閉型圧縮機と同等の低容量域を得ることが可能となる。
以下、本発明に基づいた密閉型圧縮機の各実施の形態について、図を参照しながら説明する。なお、本実施の形態における密閉型圧縮機の一例として、上記背景技術において示した上下2段のシリンダを備えるロータリー圧縮機に本願発明を適用した場合について説明する。
また、本実施の形態におけるロータリー圧縮機の基本的構成は、図14および図15を用いて説明したロータリー圧縮機の構造と同様に、駆動要素8と、ミドルプレート18により区画される第1圧縮機構11Aおよび第2圧縮機構11Bを含む圧縮要素7とを備えるロータリー圧縮機であって、第1圧縮機構11Aおよび第2圧縮機構11Bのそれぞれは、シリンダ室11aを規定するシリンダ11とを備えている。
したがって、以降の説明においては、図14および図15を用いて説明したロータリー圧縮機の構造と同一または相当部分については、同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないこととし、本発明の特徴的構成部分のみを詳細に説明することとする。
(実施の形態1)
図1から図6を参照して、実施の形態1におけるロータリー圧縮機の特徴的部分について説明する。なお、図1は、実施の形態1におけるロータリー圧縮機に採用される、第1圧縮機構11Aおよび第2圧縮機機構11Bの構成を示す分解斜視図であり、図2は、第1圧縮機構11Aの構造を示す横断面図であり、図3は、通常運転状態における第2圧縮機構11Bの構造を示す横断面図であり、図4は、図3中IV線矢視図である。また、図5は、休止運転状態における第2圧縮機構11Bの構造を示す横断面図であり、図6は、図5中VI線矢視図である。
図1に示すように、本実施の形態におけるロータリー圧縮機の圧縮機機構は、上段に第1圧縮機構11Aを配置し、下段に第2圧縮機機構11Bを配置している。
(第1圧縮機構11A)
図2に示すように、上段に位置する第1圧縮機構11Aは、図14を用いて説明した圧縮機構と同様の構成からなり、シリンダ11にはシリンダ室11aに連通する吸入管路12aが設けられている。シリンダ11のシリンダ室11aにはピストン21が配置され、このピストン21の側壁には半径方向外方に一体に突設された矩形板状のブレード22とを備えている。
また、吸入管路12aの側方には、シリンダ半径方向外方に延びるブレード摺動溝12dが設けられ、このブレード摺動溝12dの中間部分には全体としては筒形状からなり、ブレード摺動溝12dの両側から外方に膨出するブッシュ穴11eが形成されている。
このブッシュ穴11eには、回動挟持体を構成する2つの略半円筒ブロック231A,232Aからなるブッシュ23Aが配置されている。ピストン21のブレード22は、ブレード摺動溝12dに挿入された状態でブッシュ23Aにより両側からシリンダ半径方向に摺動可能に挟持されている。シリンダ室11aは、ブレード22により、吸入室R1と圧縮室R2とに区画される。
(第2圧縮機構11B)
次に、図1および図3に示すように、下段に位置する第2圧縮機構11Bは、上記第1圧縮機構11Aと基本的には同様の構成を備えているが、ブッシュ周りの構造が上記第1圧縮機構11Aと異なっている。具体的には、シリンダ11に設けられるブッシュ用溝11fが、ブレード22に沿ってその横断面が長穴形状を有している。
また、ブッシュ23Bは、ブレード22を挟持するように配置される第1半割ブッシュ231Bおよび第2半割ブッシュ232Bを有し、ブレード22のミドルプレート18側において、第1半割ブッシュ231Bおよび第2半割ブッシュ232Bを連結する連結体233Bを含んでいる。したがって、ブッシュ23Bは、第1半割ブッシュ231B、第2半割ブッシュ232B、および、連結体233Bにより一体構造となっている。
また、ミドルプレート18には、ブレード22のミドルプレート18側に配置されるブッシュ23Bの連結体233Bを移動可能なように収容するため、略長穴形状の有底のスライド溝18aが形成されている。
このように、ブッシュ用溝11f、一体構造のブッシュ23B、および、有底のスライド溝18aを設けることにより、ブッシュ23Bを、ブッシュ用溝11fにおいて、ブレード22に沿ってシリンダ室11aに近接する位置と(図3参照)、シリンダ室11aから遠ざかる位置(図5参照)との間を移動可能とする移動機構を構成することができる。
(第2圧縮機機構11Bの動作)
次に、図2から図6を参照して、第2圧縮機機構11Bの動作について説明する。なお、第1圧縮機構11Aの動作は、背景技術の場合と同様であることから、ここでの説明は省略する。第2圧縮機機構11Bにおいて、ブッシュ23Bは、吸入室R1圧力、圧縮室R2圧力、および、ブレード摺動溝12dの背圧(ブレード摺動溝12dにおいて、ブッシュ23A,24を挟んで、シリンダ室11aとは反対側の空間の圧力)によって釣り合う。
(通常運転)
通常運転時は、シリンダ11の吸入室R1の圧力はほぼ吸入圧力、圧縮室R2の圧力は吸入圧力〜[高圧+α]までピストンの回転角度に応じて変化し、背圧は高圧一定である。この状態では圧縮室R2の圧力が最も高く、圧縮室R2の圧力が[高圧+α]になった場合でも、図3および図4に示すように、ブッシュ23Bを上へ押し上げる力が、背圧でブッシュ23Bをシリンダ室11a側へ押す力を超えることはできない。その結果、ブッシュ23Bは図に示すようにシリンダ側の位置に安定して留まることとなる。
(休止運転)
外部切り替え弁(図示省略)によって、吸入室R1の導入する吸入ガスを、高圧状態のガスに切り替えた場合もブッシュ23Bには、通常運転時と同じく、吸入室R1、圧縮室R2、および、ブレード摺動溝12dの3つの部屋からの圧力を受ける。しかし、ブッシュ23Bを押し上げようとする力が、吸入室R1の[高圧]と圧縮室R2の[高圧+α]とを併せたものとなり、この併せた圧力は、ブレード摺動溝12dの背圧よりも大きくなる。
その結果、ブッシュ23Bは、図5および図6に示すように、ミドルプレート18のスライド溝18aにそって、シリンダ室11aから遠ざかる位置に移動した状態となる。このとき、図6に示すように、スライド溝18aにおける連通空間18bの表出によりシリンダ室11aの吸入室R1側と圧縮室R2とが連通可能な状態となる。
休止運転中、ブッシュ23Bをシリンダ室11a側へ移動させようとする力は、ブレード22とブッシュ23Bとの間に働く摩擦力のみとなる。しかし、もともと両者間に働く荷重がほぼ0と考えられるので摩擦力も微小であると考えてよい。仮に、ブッシュ23Bが摩擦力によってシリンダ室11a側に移動し始めると、圧縮室R2の[高圧+α]の+αが増大するのでブッシュ23Bは再びシリンダ室11aから遠ざかる方向に押し返されることになる。よって、第2圧縮機機構11Bの休止運転中は、ブッシュ23Bはシリンダ室11aから遠ざかる位置で安定した状態となる。
なお、[高圧+α]は、ピストン21から一体的に半径方向に延びるブレード22を有するロータリー圧縮機においては、圧縮した作動流体を、吐出弁31を介して高圧側へ放出する構造のため、圧縮室R2内の作動流体の圧力が高圧よりも理論的に大きくなる。休止運転においても作動流体は圧縮室R2からバイパス通路である連通空間18bを通って吸入室R1へと流れるから、上流側の圧縮室R2の圧力は理論的に+αとなる。
以上、本実施の形態におけるロータリー圧縮機の圧縮機機構によれば、第1圧縮機構11Aおよび第2圧縮機構11Bのうち、第2圧縮機構11Bにおいて、ブッシュ用溝11f、一体構造のブッシュ23B、および、有底のスライド溝18aを有する移動機構を設けることにより、ブッシュ23Bが、シリンダ室11aから遠ざかる位置に移動した状態において、ミドルプレート18に設けられたスライド溝18aにおける連通空間18bの表出により、シリンダ室11aの吸入室R1側と圧縮室R2側とが連通可能とされる、連通機構が設けられている。
その結果、第2圧縮機構11Bにおいて、吸入室R1側と圧縮室R2側とが連通した状態においては、吸入室R1側と圧縮室R2側とが分離されないことから、作動流体の吸入・圧縮動作が行なわれない状態となり、他方の第1圧縮機構11Aのみが、作動流体の吸入・圧縮動作に寄与する状態となる。これにより、2つある第1圧縮機構11Aおよび第2圧縮機構11Bのうち第2圧縮機構11Bを休止状態にして、ロータリー圧縮機の運転を行なうことが可能となり、1シリンダタイプのロータリー圧縮機と同等の低容量域を得ることが可能となる。
(実施の形態2)
図7から図12を参照して、実施の形態2におけるロータリー圧縮機の特徴的部分について説明する。なお、図7は、実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、第2圧縮機機構11Bのピストン21およびブレード22の構造を示す斜視図であり、図8は、そのピストン21およびブレード22を用いた場合の通常運転状態を示す図4に対応する図であり、図9は、そのピストン21およびブレード22を用いた場合の休止運転状態を示す図6に対応する図である。
また、図10は、実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、第2圧縮機機構11Bのピストン21および他のブレード22の構造を示す斜視図であり、図11は、そのピストン21およびブレード22を用いた場合の通常運転状態を示す図4に対応する図であり、図12は、そのピストン21およびブレード22を用いた場合の休止運転状態を示す図6に対応する図である。
図7を参照して、この第2圧縮機機構11Bのピストン21およびブレード22においては、ブレード22に、連通機構を構成する連通領域としての貫通孔22aが設けられている。これにより、通常運転時は、図3および図4に示した場合と同様に、図8に示すように、ブッシュ23Bはシリンダ室11a側の位置に安定して留まる。このとき、貫通孔22aは、ブッシュ23Bにより閉ざされた状態となる。
一方、休止運転時においては、図9に示すように、ブッシュ23Bは、スライド溝18aに沿って、シリンダ室11aから遠ざかる位置に移動した状態となる。このとき、スライド溝18aにおける連通空間18b、および、ブレード22に設けられた貫通孔22aが表出することにより、連通空間18bおよび貫通孔22aにより、シリンダ室11aの吸入室R1側と圧縮室R2とが連通可能な状態となる。
また、ブレード22の他の形態を図10に示す。このブレード22においては、ブレード22に、連通機構を構成する連通領域を構成するように、ブレード22の本体の高さ幅よりもその幅が狭い狭小ブレード22bが設けられている。これにより、通常運転時は、図3および図4に示した場合と同様に、図11に示すように、ブッシュ23Bはシリンダ室11a側の位置に安定して留まる。
一方、休止運転時においては、図12に示すように、ブッシュ23Bは、スライド溝18aに沿って、シリンダ室11aから遠ざかる位置に移動した状態となる。このとき、スライド溝18aにおける連通空間18b、および、狭小ブレード22bにより形成される連通空間18cが表出することにより、連通空間18bおよび連通空間18cにより、シリンダ室11aの吸入室R1側と圧縮室R2とが連通可能な状態となる。
以上、本実施の形態におけるブレード22構造を採用した第2圧縮機機構11Bを有するロータリー圧縮機においても、実施の形態1の場合と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態においては、ブッシュ23Bの連結体233Bをミドルプレート18側に配置し、このミドルプレート18にスライド溝18aを形成する場合について説明しているが、図13に示すように、連結体233Bをリアヘッド14に配置し、このリアヘッド14に有底のスライド溝を形成することも可能である。
また、上記実施の形態においては、シリンダが上下2段の場合のロータリー圧縮機において、下段に位置する第2圧縮機機構11Bを休止運転可能な構成としている。これは、一般的には、圧縮効率の観点からは、上側に位置する第1圧縮機機構11Aの方が圧縮効率が良いからである。しかし、第1圧縮機機構11Aに休止運転可能な本発明に基づいた構成を設けることも可能である。第1圧縮機機構11Aに休止運転可能な構成を採用した場合、ブッシュ23Bの連結体233Bの位置、および、スライド溝18aを形成位置は、ミドルプレート18またはフロントヘッド13(図14参照)のいずれであっても構わない。
したがって、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
この発明に基づいた実施の形態1におけるロータリー圧縮機に採用される、第1圧縮機構および第2圧縮機機構の構成を示す分解斜視図である。 この発明に基づいた実施の形態1におけるロータリー圧縮機に採用される、第1圧縮機構の構造を示す横断面図である。 この発明に基づいた実施の形態1におけるロータリー圧縮機の、通常運転状態における第2圧縮機構の構造を示す横断面図である。 図3中IV線矢視図である。 この発明に基づいた実施の形態1におけるロータリー圧縮機の、休止運転状態における第2圧縮機構の構造を示す横断面図である。 図5中VI線矢視図である。 この発明に基づいた実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、第2圧縮機機構のピストンおよびブレードの構造を示す斜視図である。 この発明に基づいた実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、第2圧縮機機構の通常運転状態を示す図である。 この発明に基づいた実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、第2圧縮機機構の休止運転状態を示す図である。 この発明に基づいた実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、他の第2圧縮機機構のピストンおよびブレードの構造を示す斜視図である。 この発明に基づいた実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、他の第2圧縮機機構の通常運転状態を示す図である。 この発明に基づいた実施の形態2におけるロータリー圧縮機に採用される、他の第2圧縮機機構の休止運転状態を示す図である。 この発明に基づいた他の実施の形態におけるロータリー圧縮機に採用される、ブッシュの連結体をリアヘッド側に配置した場合を示す断面図である。 背景技術におけるロータリー圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。 図14中XV−XV線矢視断面図である。
符号の説明
1 ケーシング、4 下蓋、5 吸入管、7 圧縮要素、8 駆動要素、9 油溜め部、10 貯溜空間、11A,11B 圧縮要素、11 シリンダ、11a シリンダ室、11f ブッシュ用溝、12a 吸入管路、12b 吐出口、12c 凹部、12d ブレード摺動溝、12e ブッシュ穴、13 フロントヘッド、13a,14a 軸受部、13c 吐出口、14 リアヘッド、14c 吐出口、15 ボルト、16 フロントマフラー、17 リアマフラー、18 ミドルプレート、18a スライド溝、18b 連通空間、18c 連通空間、20 偏心軸部、20a 挿着孔、21 ピストン、22 ブレード、22a 貫通孔、22b 狭小ブレード、23A,23B ブッシュ、24 ステータ、25 ロータ、26 クランク軸、26a 油通路、27 油ポンプ、31 吐出弁、32 ピン、231,232 半円筒ブロック、231B 第1半割ブッシュ、232B 第2半割ブッシュ、233B 連結体、O 潤滑油、P 軸心、R1 吸入室、R2 圧縮室。

Claims (6)

  1. 駆動要素(8)と、ミドルプレート(18)により区画される第1圧縮機構(11A)および第2圧縮機構(11B)を含む圧縮要素(7)とを備える密閉型圧縮機であって、
    前記第1圧縮機構(11A)および第2圧縮機構(11B)のそれぞれは、
    シリンダ室(11a)を規定するシリンダ(11)と、
    前記シリンダ(11)を前記ミドルプレート(18)とともに挟み込むヘッド(13,14)と、
    前記シリンダ室(11a)に配置され、前記駆動要素(8)を構成するクランク軸(26)の偏心部(20)に挿着されたピストン(21)と、
    前記シリンダ室(11a)を、低圧作動流体が吸入される吸入室(R1)側と高圧作動流体を得るための圧縮室(R2)側とに区画するため、前記シリンダ(11)に設けられるブレード摺動溝(12d)に挿入され、前記ピストン(21)から一体的に半径方向に延びるブレード(22)と、
    前記ブレード摺動溝(12d)の一部を構成するように前記シリンダ(11)に設けられるブッシュ用溝(11e,11f)に配置され、前記ブレード(22)を摺動及び揺動可能に挟持するブッシュ(23A,23B)と、を備え、
    前記第1圧縮機構(11A)および第2圧縮機構(11B)のいずれか一方には、
    前記ブッシュ(23B)を、前記ブッシュ用溝(11f)において、前記ブレード(22)に沿って前記シリンダ室(11a)に近接する位置と、前記シリンダ室(11a)から遠ざかる位置との間を移動可能とする移動機構と、
    前記ブッシュ(23B)が、前記シリンダ室(11a)から遠ざかる位置に移動した状態において、前記吸入室(R1)側と前記圧縮室(R2)側とを連通させる連通機構と、が設けられる密閉型圧縮機。
  2. 前記移動機構は、
    前記ブレード(22)に沿ってその横断面が長穴形状に設けられる前記ブッシュ用溝(11f)と、
    前記ブレード(22)を挟持するように配置される第1半割ブッシュ(231B)および第2半割ブッシュ(232B)と、前記ブレード(22)の前記ミドルプレート(18)側において前記第1半割ブッシュ(231B)および前記第2半割ブッシュ(232B)を連結する連結体(233B)とを含む、一体構造の前記ブッシュ(23B)と、
    前記ミドルプレート(18)に設けられ、前記ブレード(22)の前記ミドルプレート(18)側に位置する前記連結体(233B)を移動可能なように収容するため、略長穴形状の有底のスライド溝(18a)と、を含み、
    前記連通機構は、
    前記ブッシュ(23B)が、前記シリンダ室(11a)から遠ざかる位置に移動した状態において、前記ミドルプレート(18)に設けられた前記スライド溝(18a)における連通空間(18b)の表出により、シリンダ室(11a)の前記吸入室(R1)側と前記圧縮室(R2)側とが連通可能とされる、請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記移動機構は、
    前記ブレード(22)に沿ってその横断面が長穴形状に設けられる前記ブッシュ用溝(11f)と、
    前記ブレード(22)を挟持するように配置される第1半割ブッシュ(231B)および第2半割ブッシュ(232B)と、前記ブレード(22)の前記ミドルプレート(18)側において前記第1半割ブッシュ(231B)および前記第2半割ブッシュ(232B)を連結する連結体(233B)とを含む、一体構造の前記ブッシュ(23B)と、
    前記ヘッド(13,14)に設けられ、前記ブレード(22)の前記ヘッド(13,14)側に位置する前記連結体(233B)を移動可能なように収容するため、略長穴形状の有底のスライド溝(18a)と、を含み、
    前記連通機構は、
    前記ブッシュ(23B)が、前記シリンダ室(11a)から遠ざかる位置に移動した状態において、前記前記ヘッド(13,14)に設けられた前記スライド溝(18a)における連通空間(18b)の表出により、シリンダ室(11a)の前記吸入室(R1)側と前記圧縮室(R2)側とが連通可能とされる、請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記ブレード(22)には、前記ブッシュ(23B)が、前記シリンダ室(11a)から遠ざかる位置に移動した状態において表出する位置に、前記吸入室側(R1)と前記圧縮室側(R2)とを連通可能とする連通領域(22a、18b,18c)が設けられる、請求項2または3に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記吸入室(R1)側に、高圧作動流体を吸入することにより、前記ブッシュ(23B)を前記シリンダ室(11a)から遠ざかる位置に向けて移動させる、請求項1から4のいずれかに記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記第1および第2圧縮機構(11A,11B)は、前記クランク軸(26)に沿って上側に前記第1圧縮機構(11A)、下側に前記第2圧縮機構(11B)が配置され、
    前記移動機構および前記連通機構は、前記第2圧縮機構(11B)に設けられる、請求項1から5のいずれかに記載の密閉型圧縮機。
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