JP5150598B2 - ネットワーク管理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数台のパケット中継装置や複数台のサーバの消費電力量や省エネ機能を遠隔から制御するネットワーク管理装置、システム、装置管理方法、集積回路、プログラムに関する。
省エネルギー(以下、省エネ)に対する意識が、世界的に高まっている。パケット中継装置に対しても、低消費電力で稼動可能な装置が求められている。現在、パケット中継装置の消費電力で抑える技術として、種々の機能が提案され、実装されている。
例えば、次のような省エネ機能がパケット中継装置にて提供されている。(1)スイッチングモジュールのCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)を高速に動作させるほどのトラヒックが無い場合、CPUの周波数を落とすことで消費電力を低減する、(2)パケット中継装置内に複数モジュールを用意し、一部を運用系、残りを待機系として運用している場合において、重要なトラヒックがそれほど流れていない時間帯には待機系モジュールへの電力供給を停止にする、(3)営業時間のみパケット中継装置を稼動させ、営業時間外は無条件でパケット中継装置をスリープさせる、(4)パケット中継装置が、PoE(Power over Ethernet(「Ethernet」は登録商標))回線経由でPoE対応の電話機や無線AP(Access Point)に電力を供給している場合において、電力供給をこまめに制御する、(5)パケット中継装置が提供するEthernet回線(「Ethernet」は登録商標)の接続口にEthernet回線(「Ethernet」は登録商標)が接続された場合のみ、その接続口へ電力を供給し、Ethernet回線(「Ethernet」は登録商標)が接続されていない場合には、その接続口へは電力を供給しない、(6)パケット中継装置が設置されている場所の冷房が十分に機能している場合、冷却ファンの動作を止める、などである。(1)、(2)、(3)、(4)のような省エネ機能については、時間帯やトラヒック量に応じて木目細かく制御をして行くことで、最終的に大きな省エネ効果を得ようとする機能である。
複数のパケット中継装置が同一の場所に設置された場合、それらの省エネ機能は一般に似たような運用ポリシーで管理されることが多い。即ち、複数のパケット中継装置の省エネ機能に対して似たような設定が施されることが多い。そのため、各パケット中継装置に対し個別に設定を施すのではなく。ネットワーク管理装置を用意し、そのネットワーク管理装置で統合的に複数装置を管理する運用形態が最も適している。ネットワーク管理装置であれば、GUI(Graphical User Interface)で設定が可能なツールを動作させることも、またスケジュール機能を持たせることも容易であるため、パケット中継装置の運用負荷を大幅に削減することが可能である。
上記はパケット中継装置にのみ当てはまる話ではなく、データセンタ内で稼動する複数台のサーバに関しても同様である。複数台のサーバを管理するサーバ管理システムや、複数台のパケット中継システムとサーバを管理する省エネ管理システムが必要不可欠となっている。
特開2007−97126号公報 特開2002−142038号公報
パケット中継装置の消費電力を抑制する技術は多数存在する。一方で、消費電力の制御は、時間帯やトラヒック量に応じて木目細かく制御できることが期待されている。そのため、省エネ機能が多岐に渡ると、機能毎に木目細かく制御することが煩雑な作業となる。パケット中継装置に対する電力供給を木目細かく制御するためには、省エネ機能は柔軟に変更できることが望ましい。
また、ネットワーク管理装置のスケジュール機能を利用して省エネ機能を設定する場合、スケジュールした時刻にはネットワーク管理者が不在であることが前提となる。定刻になるとネットワーク管理装置が自動的に動作し、予めスケジュールした設定に随ってパケット中継装置の省エネ機能を制御する。この時、次のようなパケット中継装置が生まれることが懸念される。一つは、大量のトラヒックを処理しているにも関わらず、スケジュールに従って無差別に低消費電力に設定されてしまったため転送性能が落ち、パケットロスを発生させてしまうパケット中継装置である。もう一つは、ほとんどトラヒックが流れていないにも関わらず、スケジュールに従って無差別に電力供給量が上げられたため、無用に電力を消費しているパケット中継装置である。ネットワーク管理装置は、複数のパケット中継装置を管理できる特徴を生かし、電力供給に無駄が生じないように各パケット中継装置間で電力量を調整できることが望ましい。具体的には、ネットワーク管理装置を使うことにより、あるパケット中継装置で無駄に使用されている電力を、電力を必要としている別のパケット中継装置へ斡旋できることが望ましい。
上記目的を達成するために、本発明のネットワーク管理装置は、管理するパケット中継装置が備える複数の省エネ機能の動作モードの組み合わせと省エネレベルとを対応付けて保持する省エネレベル管理テーブルと、前記パケット中継装置のCPU使用率、もしくは、前記パケット中継装置の現在および最低保証の省エネレベルの差に基づいて、前記グループを構成するパケット中継装置の省エネレベルを計算する省エネレベル計算部と、前記省エネレベル計算部が計算した省エネレベルに基づいて、前記パケット中継装置の省エネ機能を設定する省エネ機能設定部とを備える。
従来、パケット中継装置の電力制御は、装置毎に複数の省エネ機能を細かく設定しなければならなかった。「省エネレベル」を定義することにより、単一のパラメタでパケット中継装置の省エネ制御が可能となる。これによりネットワーク運用者は、「省エネレベル」と言う単一のパラメタでパケット中継装置の省エネ機能を制御できるようになるため、省エネ機能を容易に運用できるようになる。また、複数のパケット中継装置の省エネ機能をGUIベースで管理するプログラムを開発する際にも、単一のパラメタのみ意識してアルゴリズムを組み込むことができるため、プログラム開発が容易となる。
また、パケット処理量が多いにも関わらず少しの電力しか割り当てられていないパケット中継装置や、パケット処理量が少ないにも関わらず余分に電力を割り当てられているパケット中継装置が発生することを防ぎ、グループ全体での電力量最適化が可能となり、電力を要しないパケット中継装置から電力を要するパケット中継装置への、自律的な電力の斡旋が可能となる。
ネットワーク構成を示す図である。 ネットワーク管理装置の内部構成を示す図である。 ネットワーク管理装置が保持する省エネレベル管理テーブルの構成を示す図である。 ネットワーク管理装置が保持する装置管理テーブルの構成を示す図である。 ネットワーク管理装置で各パケット中継装置の省エネレベルを設定するGUIを示す図である。 ネットワーク管理装置が保持するスケジュール管理テーブルの構成を示す図である。 パケット中継装置の内部構成を示すブロック図である。 ネットワーク管理装置がパケット中継装置の省エネ機能を制御する手順を示すシーケンス図である。 ネットワーク管理装置が各パケット中継装置の省エネ機能を制御する処理のフローチャートを示す図である。 ネットワーク管理装置が各パケット中継装置の省エネ機能を制御する第2の処理のフローチャートを示す図である。 パケット中継装置の内部構成の別の例を示す図である。
本実施形態においては、パケット中継装置に対する電力供給を柔軟に木目細かく制御するため、パケット中継装置が提供する複数の省エネ機能を一括して制御する「省エネレベル」を定義する。そして、複数存在する省エネ機能を、それぞれ技術レベルで制御するのではなく、「省エネレベル」と言う抽象的なレベルで制御する。ネットワーク管理装置においては、「省エネレベル管理テーブル」を保持し、それぞれの「省エネレベル」に対して、各省エネ機能の動作モードを設定しておく。
また、ネットワーク管理装置による、パケット中継装置間の電力量調整を実現するため、ネットワーク管理装置において「装置管理テーブル」と「スケジュール管理テーブル」を保持する。「装置管理テーブル」には、各パケット中継装置が属するグループのIDと通常時間帯の「省エネレベル」と最低保証の「省エネレベル」を設定しておく。また、「スケジュール管理テーブル」には、グループ毎に時間帯に応じた電力供給量、消費電力量、または消費電力ピーク時に対する相対値などを予め記しておく。例えば、「平日昼間は電力量に制限は設けずにパケット中継装置を運転させ、平日夜間、休日は、それぞれ電力ピーク時の50%以内、30%以内の電力消費量で運転させる」と言った設定をしておく。
ネットワーク管理装置では、各パケット中継装置の消費電力とスイッチングモジュールのCPU使用率をSNMP(Simple Network Management Protocol)やNETCONF(NETwork CONFiguration)を用いて定期的に取得する。これらの手段により、ネットワーク管理装置は各パケット中継装置の消費電力量を認識する。ネットワーク管理装置は、グループ毎に消費電力量を合算し、夜間や休日となった時点で、グループ全体で許容される消費電力を、合算した消費電力量が上回っていた場合、該グループ内で電力割当てを最適化する。具体的には、同一のグループIDを持つ複数のパケット中継装置の中で、スイッチングモジュールのCPU使用率の最も小さい(または、現在の「省エネレベル」と最低保証の「省エネレベル」とを比較し、その差が最も大きい)パケット中継装置から省エネレベルを下げる。この手順を、グループ全体の消費電力が、グループ全体で許容される消費電力を下回るまで続ける。
一方、ネットワーク管理装置で、スイッチングモジュールのCPU使用率が例えば90%を超えるほどの負荷がかかっているパケット中継装置を確認した場合、その装置の「省エネレベル」は直ちに上げる。これによりグループ全体での消費電力量が増え、グループ全体で許容されている電力量を超えた場合には、先に述べたアルゴリズムに基づき、スイッチングモジュールのCPU使用率の最も小さい(または、現在の「省エネレベル」と最低保証の「省エネレベル」とを比較し、その差が最も大きい)パケット中継装置の「省エネレベル」が下げられるため、結果的に電力量の斡旋が実現できる。
以下、実施例に沿って具体的に説明する。
図1−図9を使って、ネットワーク管理装置が複数のパケット中継装置の省エネ機能を制御する実施例について説明する。
図1は、本実施例のネットワーク構成を示す図である。企業Aには、部署Aと部署Bが存在し、複数のパケット中継装置がそれぞれの部署に設置されている。各パケット中継装置は、パケット中継装置12を介してインターネット24に繋がっており、各パケット中継装置とインターネット24との間でデータが送受信されている。ネットワーク管理装置11は、企業A内に設置され、部署A、部署Bに設置されたパケット中継装置にIP(Internet Protocol)を用いることでアクセス可能である。
図2は、ネットワーク管理装置11の内部構成を示すブロック図である。汎用のパーソナルコンピュータを用い、CPU46、メモリ40、ネットワークインタフェース25を持っている。メモリ40上では、ソフトウェア処理部30が稼動し、その中でパケット送受信部32と省エネ機能制御部33が動作している。省エネ機能制御部33には、パケット中継装置情報取得部34と省エネレベル計算部35、及び省エネ機能設定部36が存在する。また、管理者が省エネ機能制御部33に設定する情報を保持する部位として、省エネレベル管理テーブル37、装置管理テーブル38、及びスケジュール管理テーブル39が存在する。
図3は、ネットワーク管理装置11が保持する省エネレベル管理テーブル37の構成を示す図である。省エネレベル管理テーブル37では、省エネのレベル(以下、省エネレベル103)を複数階層に分け、それぞれに対してパケット中継装置が提供する複数の省エネ機能の動作モード(図3の場合、スイッチングモジュールのCPUの周波数104、稼動モジュール数105、待機系の電力106、スリープ機能107)を予め設定しておく。
図3では、省エネレベルの最大値を「100」とし、「100」の省エネレベルが適用されたパケット中継装置に対しては、CPUを高速に動作させ、現用系と待機系とで複数のモジュールを用意し、待機系モジュールには常に通電をし、スリープ機能は働かせない(111)よう予め運用管理者が設定している。同様に、「25」の省エネレベルが適用されたパケット中継装置に対しては、CPUの周波数を落とし低速に動作させ、待機系は用意せず、従って待機系には通電がなされず、スリープ機能は働かせない(114)よう予め運用管理者が設定している。
ネットワーク管理装置11では、この省エネレベル管理テーブルを、パケット中継装置の装置モデル毎に管理している。図3では、パケット中継装置の装置モデルAと装置モデルBの省エネレベル管理テーブルとして、それぞれ省エネレベル管理テーブル101、省エネレベル管理テーブル102を管理している。
このように、パケット中継装置が提供する複数の省エネ機能の動作モードの組み合わせを、単一の省エネレベルというパラメタで管理するため、パケット中継装置の複数の省エネ機能の管理・制御が容易になる。
図4は、ネットワーク管理装置11が保持する装置管理テーブル38の構成を示す図である。装置管理テーブル38では、ネットワーク管理装置11が管理するパケット中継装置毎に、その装置の属するグループのID202、通常動作時の省エネレベル203、最低保証の省エネレベル204を予め運用管理者が設定しており、管理している。また、ネットワーク管理装置11自身が、パケット中継装置に施した省エネレベルを現在の省エネレベル205として管理している。
図4の場合、パケット中継装置13は、部署Aに属しており、通常時間帯は省エネレベル100で動作するよう設定されている。従って、パケット中継装置13は、図3に従い、通常時間帯はCPUを高速に動作させ、現用系と待機系とで複数のモジュールを用意し、待機系モジュールに常に通電をし、スリープ機能は働かせないで動作させることになる。
装置管理テーブル38には、更にパケット中継装置の最低保証の省エネレベル204が設定されている。これは、仮にネットワーク管理装置11がパケット中継装置の消費電力量を下げるオペレーションをしたとしても、最低保証の省エネレベル204よりも低い省エネレベルへは移行しないことを保証するための項目である。パケット中継装置13の最低保証省エネレベルは50と設定されているので、仮にネットワーク管理装置11が消費電力を下げようとしても、パケット中継装置13の待機系モジュールは待機状態を解除されない(省エネレベル25や0の状態にはならない)。また、ネットワーク管理装置11が最低保証の省エネレベルで動作しているパケット中継装置に対しては省エネレベルを下げる指示を行わないようにすることもできる。このパラメタにより、全てのパケット中継装置の消費電力を無差別に削減することがなくなる。重要な地点に設置されているパケット中継装置に対して、優先的な電力供給を保証することができる。
図5は、運用管理者が、各パケット中継装置に対して、通常時間帯の省エネレベル、及び最低保証の省エネレベルをネットワーク管理装置11で設定する際のGUIの画面構成図である。図5のようなGUIの画面を用いることで運用管理者は各パケット中継装置に対する通常時間帯の省エネレベルや最低保証の省エネレベルを容易に設定・変更することが可能となる。
また、装置管理テーブル38では更に、ネットワーク管理装置11が各パケット中継装置に対して動的に設定した省エネレベルも現在の省エネレベル205として管理している。
ネットワーク管理装置11が管理しているテーブルとしては、省エネ管理テーブル37と装置管理テーブル38に加えて、更にスケジュール管理テーブル39がある。
図6は、ネットワーク管理装置11が保持するスケジュール管理テーブル39の構成を示す図である。スケジュール管理テーブル39では、ネットワーク管理装置11が管理するグループ(部署)毎に、時間帯に応じた許容電力量を予め設定しておく。図6では、部署A、部署Bのそれぞれの許容電力量として、スケジュール管理テーブル301とスケジュール管理テーブル302をそれぞれ保持している。部署Aでは、4月1日(月)から4月5日(金)までの平日昼間の時間帯(6:00〜18:00)には消費電力に制限を設けず、夜間の時間帯(18:00〜翌06:00)は電力ピーク時の50%の消費電力で運用するよう設定している。また、4月6日(土)及び4月7日(日)の休日は、電力ピーク時の30%の消費電力で運用するよう設定している。
図7は、ネットワーク管理装置11の管理対象であるパケット中継装置13の内部構成を示すブロック図である。ここでは、代表してパケット中継装置13の内部構成を説明するが、その他のパケット中継装置14−18も同様の構成を備えている。
パケット中継装置13は、大きく分けて、インタフェースモジュール51、52と制御モジュール53とスイッチングモジュール54とで構成されている。インタフェースモジュールには、ネットワークインタフェース26とコントローラ44とメモリ42が存在し、ネットワークインタフェース26で受信したパケットは、コントローラ44によって宛先が認識され、出力インタフェースモジュールが決定する。出力インタフェースモジュールが決定したパケットは、スイッチングモジュール54へ送られ、スイッチングモジュール54内のCPU48により、所望の出力インタフェースモジュールへ転送される。出力インタフェースモジュールへ送られたパケットは、その中のネットワークインタフェース27から別のパケット中継装置へ送られる。
制御モジュール53には、メモリ41、CPU47が存在し、メモリ41上にはソフトウェア処理部31が展開されている。ソフトウェア処理部31の中では、パケット送受信部32と、ネットワーク管理装置11との通信を制御するネットワーク管理装置通信部56、更に装置情報管理部55と省エネ機能制御部57が動作している。ネットワーク管理装置11からパケット中継装置13に対して、省エネ機能に関する設定要求が送られて来た場合、そのメッセージはネットワーク管理装置通信部56を経由して省エネ機能制御部57へ送られ、設定が施される。また、ネットワーク管理装置11からパケット中継装置13に対して、消費電力量やスイッチングモジュール54のCPU使用率の情報を要求するメッセージが送られて来た場合、装置情報管理部55で管理している情報を、ネットワーク管理装置通信部56を経由してネットワーク管理装置11へ回答する。
図8は、ネットワーク管理装置11が、各パケット中継装置の省エネ機能を動的に制御し、グループ全体で消費する電力を低減する処理についてのシーケンス図である。
ネットワーク管理装置11内のパケット中継装置情報取得部34は、図4の装置管理テーブル38で管理している各パケット中継装置に対して、例えば10分に1回定期的にアクセスし、各パケット中継装置の消費電力量とスイッチングモジュール54のCPU使用率を取得する。または、各パケット中継装置から、ネットワーク管理装置11に対して定期的に通知してもらう。取得する消費電力量とスイッチングモジュール54内のCPU使用率の情報は、MIB(Management Information Base)で定義されている情報をSNMPで取得するか、NETCONFを使って取得すれば良い。SNMP TrapやNETCONF Notificationの仕組みを使って通知してもらう場合は、消費電力量とスイッチングモジュール54のCPU使用率の閾値を予めパケット中継装置に設定しておき、その閾値を超えたタイミングで通知してもらう。図8では、ネットワーク管理装置11が部署Aに属するパケット中継装置13、14、15にアクセスし、各パケット中継装置の消費電力量、スイッチングモジュール54のCPU使用率を取得している(401、402、403)。これらの情報は、ネットワーク管理装置11の回線インタフェース31、パケット送受信部32を経由して、パケット中継装置情報取得部34へ届けられる。
省エネ機能制御部33内の省エネレベル計算部35は、ステップ401−403でパケット中継装置情報取得部34が取得した情報や省エネレベル管理テーブル37,装置管理テーブル38,スケジュール管理テーブル39などの情報を用いて、各パケット中継装置13−15の適切な省エネレベルを計算する(404)。
省エネ機能制御部33内の省エネ機能設定部36は、ステップ404での計算結果に基づいて、各パケット中継装置13−15に対して省エネレベルを上昇または下降させるための指示を行う(405)。
図9は、ネットワーク管理装置11が各パケット中継装置の省エネ機能を制御する処理のフローチャートを示す図である。図9にしたがって、図8におけるネットワーク管理装置11の処理内容を詳細に説明する。
ネットワーク管理装置11の省エネレベル計算部35は、図8のステップ401−403でパケット中継装置情報取得部34が取得した各パケット中継装置のCPU使用率を配列a[i]に格納し、消費電力量を配列b[i]に格納する(501、502)。省エネレベル計算部35は、CPU使用率が所定の閾値より高い(例えば、「a[i]>90%」となる)パケット中継装置があるか否か判定し(503)、CPU使用率が所定の閾値より高いパケット中継装置がある場合は(503のYES)、そのパケット中継装置に対して省エネ機能設定部36が即座に省エネレベルを1段階上昇させるための指示を行う(504)。一方、CPU使用率が所定の閾値より低いパケット中継装置に対しては特に指示は行わない(503のNO)。
次に、省エネレベル計算部35は、各パケット中継装置の消費電力量b[i]を用いてグループ毎に電力使用量の総和を計算する(505)。また、スケジュール管理テーブル39を参照し、その時点の部署Aの電力許容量を取得する(506)。仮に、この時点が4月1日(月)の18:30であったとすると、その時の許容電力量は、図6によると電力ピーク時の50%と設定されている。省エネレベル計算部35は、部署A内の電力量の総和Bと、スケジュール管理テーブル39から得られた電力許容量Cとを比較する(507)。
省エネレベル計算部35は、部署A内の電力量の総和Bが、電力許容量Cを超えていた場合(507のYES)、a[i]が最小のパケット中継装置を選出する(508)。スイッチングモジュール54のCPU使用率が最も低いパケット中継装置が、電力削減に対して最も余裕のあるパケット中継装置となるためである。パケット中継装置13、14、15のCPU使用率がa[1]、a[2]、a[3]に格納されており、それぞれ30%、50%、50%であった場合、a[1]を持つパケット中継装置、即ちパケット中継装置13が省エネレベル制御対象装置として選出される。
ネットワーク管理装置11は、省エネ機能設定部36を介して、ステップ508で選出されたパケット中継システム13に対して省エネレベルを1段階下降させるための指示を行う(509)。具体的には、図4の装置管理テーブル38を参照すると、パケット中継装置13の現在の省エネレベルは「100」であり、図3の省エネレベル管理テーブル37を参照すると、省エネレベル「100」の1段階下の省エネレベルは「75」であることが分かる。また、パケット中継装置13の省エネレベルを「75」に下げる場合、スイッチングモジュール54のCPU48の周波数を「HIGH」から「LOW」に落として低速に動作させれば良いことが分かる。これにより、ネットワーク管理装置11は、省エネ機能設定部36から、パケット中継装置13に対して、CPU48の周波数を落とすよう命令を発行する。この手順を、部署A内の電力量の総和Bが電力許容量Cを下回るまで(507がNOとなるまで)繰り返し、各パケット中継装置の省エネレベルを再設定する。
ステップ503、504で説明したように、省エネレベル計算部35では、高いCPU使用率で動作しているパケット中継装置を観測すると、そのパケット中継装置に対しては、省エネ機能設定部36を介して即座に省エネレベルを上げるための指示を行う。これは、低い省エネレベルが割り当てられたために、パケット処理量が落ち、高負荷状態に陥っている現象だからである。これにより、グループ内での電力量の総和Bは増加するが、その増加分により、そのグループに割り当てられた電力許容量Cを超えた場合は、先に述べた手順(ステップ505−509)に従い、別のパケット中継装置の省エネレベルを下げる。つまり、ステップ504で省エネレベルを上昇させたパケット中継装置は、ステップ508において省エネレベルを下降させるパケット中継装置として選出しないようにする。
更に、ステップ508では、装置管理テーブル38を参照し、現在の省エネレベル205が既に最低保証の省エネレベル204となっているパケット中継装置についても、省エネレベルを下降させるパケット中継装置として選出しないようにしてもよい。
以上により、ネットワーク管理装置においてスケジュールに合わせた電力量の最適化をグループ単位で実現可能となる。また、ネットワーク管理者が不在であっても、ネットワーク管理装置にて各パケット中継装置の電力量とスイッチングモジュールのCPU使用率を監視することにより、無用に電力を消費しているパケット中継装置から、電力量が足らずに過負荷状態に陥っているパケット中継装置へ電力を斡旋することが可能となる。
図10は、ネットワーク管理装置11が各パケット中継装置の省エネ機能を制御する第2の処理のフローチャートを示す図である。ネットワーク管理装置11は、図9ではなく、図10に示すフローチャートにしたがって、各パケット中継装置の省エネレベルの再計算を行ってもよい。なお、図10は図9と重複する部分もあるため、重複する部分については適宜その説明を割愛する。
図9のフローチャートとは、部署A内の電力量の総和Bが電力許容量Cを超えていた場合において、省エネレベルを下降させるパケット中継装置を選出する方法が主に相違する。具体的には、省エネレベル計算部35は、部署A内の電力量の総和B(605)が、電力許容量C(606)を超えていた場合(607)、各パケット中継装置の現在の省エネレベルd[i](610)と、最低保証の省エネレベルe[i](611)との差分を配列f[i]に格納する(612)。d[i]、e[i]ともに、図4の装置管理テーブル38を参照することにより、取得可能である。
続いて、省エネレベル計算部35は、現在と最低保証の省エネレベルとの差分を格納した配列f[i]の中から、最大の値を持つパケット中継装置を選出する。現在と最低保証の省エネレベルとに最も差があるパケット中継装置が、最も電力削減を期待できるパケット中継装置であるので、その装置を省エネレベル変更の対象装置として選出する(613)。図4の装置管理テーブル38によると、パケット中継装置13、14、15のf[i]は、それぞれ50、10、0であるため、パケット中継装置13が省エネレベル変更の対象装置として選出される。
ネットワーク管理装置11は、省エネ機能設定部36を介して、パケット中継システム13の省エネレベルを1段階下降させるための指示を行う(614)。パケット中継システム13の現在の省エネレベルは「100」であり、図3の省エネレベル管理テーブル37を参照すると、省エネレベル「100」の1段階下の省エネレベルは「75」であることが分かる。また、パケット中継装置13の省エネレベルを「75」に下げる場合、スイッチングモジュール54のCPU48の周波数を「HIGH」から「LOW」に落として低速に動作させれば良いことが分かる。これにより、ネットワーク管理装置11は、省エネ機能設定部36から、パケット中継装置13に対して、スイッチングモジュール54のCPU48の周波数を落とすよう命令を発行する。この手順を、部署A内の電力量の総和Bが電力許容量Cを下回るまで繰り返し、各パケット中継装置の省エネレベルを再設定する。
また、図10では、ステップ604において、省エネレベルを上昇させたパケット中継装置については、「パケット中継装置[i].cpu」をONに設定し、ステップ609において、「パケット中継装置[i].cpu」がONとなっているパケット中継装置をステップ610−612の処理対象から除外することとしている。これにより、省エネレベルを上昇させたパケット中継装置については現在と最低保証の省エネレベルとの差分f[i]が計算されず、ステップ613において省エネレベルを下降させるパケット中継装置として選出しないようにすることができる。
更に、ステップ613では、装置管理テーブル38を参照し、現在の省エネレベル205が既に最低保証の省エネレベル204となっているパケット中継装置についても、省エネレベルを下降させるパケット中継装置として選出しないようにしてもよい。
図11は、ネットワーク管理装置11の管理対象であるパケット中継装置の内部構成の別の例を示すブロック図である。図7との相違点は、ソフトウェア処理部30が、そのパケット中継装置が属する装置モデルの省エネレベル管理テーブル37を保持する点である。パケット中継装置13が装置モデルAの装置の場合、省エネレベル管理テーブル101を保持する。
この場合、ネットワーク管理装置11がパケット中継装置13の省エネ機能を設定する際、ネットワーク管理装置11は省エネレベル103の値のみを設定要求メッセージに載せて送る。そのメッセージはネットワーク管理装置通信部56を経由して省エネ機能制御部57へ送られ、省エネ機能制御部57は、送られてきた省エネレベルの値を認識すると、省エネレベル管理テーブル101を参照して所望の設定を施す。現在パケット中継システム13が省エネレベル「100」で運用されているとして、ネットワーク管理装置11がパケット中継装置13に省エネレベルを「75」に下げるよう要求して来たとする。その場合、パケット中継装置13は、自身が保持する省エネレベル管理テーブル101を参照し、スイッチングモジュール54のCPU48の周波数を「HIGH」から「LOW」に落として低速に動作させれば良いことを認識する。省エネ機能制御部57は、スイッチングモジュール54のCPU48の周波数を落とし、消費電力量を削減する。
なお、以上の実施例1−3の説明では、ネットワーク管理装置11が管理する対象装置としてパケット中継装置を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、省エネ機能を備えるサーバ装置などを対象装置としてもよい。
また、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、ネットワーク管理装置、サーバ管理装置、省エネ機能の制御方法、装置管理システム、これらの装置、方法、システムの機能を実現するための集積回路、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の態様で実現することができる。
11:ネットワーク管理装置、12−18:パケット中継装置、30:ソフトウェア処理部、31:ソフトウェア処理部、33:省エネ機能制御部、34:パケット中継装置情報取得部、35:省エネレベル計算部、36:省エネ機能設定部、37:省エネレベル管理テーブル、38:装置管理テーブル、39:スケジュール管理テーブル、53:制御モジュール、55:装置情報管理部、56:ネットワーク管理システム通信部、57:省エネ機能制御部

Claims (10)

  1. グループを構成する複数のパケット中継装置とネットワークを介して接続されるネットワーク管理装置であって、
    前記パケット中継装置が備える複数の省エネ機能の動作モードの組み合わせと省エネレベルとを対応付けて保持する省エネレベル管理テーブルと、
    前記グループ単位に前記パケット中継装置のCPU使用率を取得する装置情報取得部と、
    前記装置情報取得部が取得したCPU使用率に基づいて、前記グループを構成するパケット中継装置の省エネレベルを計算する省エネレベル計算部と、
    前記省エネレベル計算部が計算した省エネレベルに基づいて、前記パケット中継装置の省エネ機能を設定する省エネ機能設定部と
    を備えるネットワーク管理装置。
  2. 請求項1に記載のネットワーク管理装置であって、
    前記装置情報取得部は、前記グループ単位に前記パケット中継装置の消費電力量を取得し、
    前記省エネレベル計算部は、前記グループを構成するパケット中継装置の消費電力量の総和が前記グループの許容電力量を超えた場合に、前記省エネレベルの計算を行う、ネットワーク管理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のネットワーク管理装置であって、
    前記省エネレベル計算部は、前記グループを構成するパケット中継装置の中でCPU使用率が最も低いパケット中継装置の省エネレベルを下降させるように前記省エネレベルを計算する、ネットワーク管理装置。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載のネットワーク管理装置であって、
    前記省エネ機能設定部は、前記省エネレベル計算部が計算した省エネレベルに対応付けられた省エネ機能の動作モードを前記省エネレベル管理テーブルから参照し、前記パケット中継装置に対して前記参照した動作モードで動作するように前記省エネ機能毎に設定要求を行う、ネットワーク管理装置。
  5. 請求項1乃至請求項3に記載のネットワーク管理装置であって、
    前記省エネ機能設定部は、前記省エネレベル計算部が計算した省エネレベルに対応付けられた省エネ機能の動作モードで動作するように、前記パケット中継装置に対して前記省エネレベルの値を通知する、ネットワーク管理装置。
  6. グループを構成する複数のパケット中継装置とネットワークを介して接続されるネットワーク管理装置であって、
    前記パケット中継装置が備える複数の省エネ機能の動作モードの組み合わせと省エネレベルとを対応付けて保持する省エネレベル管理テーブルと、
    前記パケット中継装置の現在の省エネレベルと最低保証の省エネレベルとを管理する装置管理テーブルと、
    前記装置管理テーブルを参照し、前記グループを構成するパケット中継装置毎に現在の省エネレベルと最低保証の省エネレベルとの差を計算し、前記差に基づいて、前記グループを構成するパケット中継装置の省エネレベルを計算する省エネレベル計算部と、
    前記省エネレベル計算部が計算した省エネレベルに基づいて、前記パケット中継装置の省エネ機能を設定する省エネ機能設定部と
    を備えるネットワーク管理装置。
  7. 請求項6に記載のネットワーク管理装置であって、さらに、
    前記グループ単位に前記パケット中継装置の消費電力量を取得する装置情報取得部を備え、
    前記省エネレベル計算部は、前記グループを構成するパケット中継装置の消費電力量の総和が前記グループの許容電力量を超えた場合に、前記省エネレベルの計算を行う、ネットワーク管理装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載のネットワーク管理装置であって、
    前記省エネレベル計算部は、前記グループを構成するパケット中継装置の中で前記差が最も大きいパケット中継装置の省エネレベルを下降させるように前記省エネレベルを計算する、ネットワーク管理装置。
  9. 請求項6乃至請求項8に記載のネットワーク管理装置であって、
    前記省エネ機能設定部は、前記省エネレベル計算部が計算した省エネレベルに対応付けられた省エネ機能の動作モードを前記省エネレベル管理テーブルから参照し、前記パケット中継装置に対して前記参照した動作モードで動作するように前記省エネ機能毎に設定要求を行う、ネットワーク管理装置。
  10. 請求項6乃至請求項8に記載のネットワーク管理装置であって、
    前記省エネ機能設定部は、前記省エネレベル計算部が計算した省エネレベルに対応付けられた省エネ機能の動作モードで動作するように、前記パケット中継装置に対して前記省エネレベルの値を通知する、ネットワーク管理装置。
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