JP5147622B2 - 溶接ロボットにおける溶接用トーチの集電装置 - Google Patents
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Description
従来技術1では、カーボンブラシ122の内周面とスリップリング112の外周面がスリップリング112の軸心方向において摺接する。このことから、集電能力の向上のためには、カーボンブラシ122を、スリップリング112の軸心方向に延長するとともに、スリップリング112のカーボンブラシ122と接触する部位を同じく軸心方向に延長することが考えられる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記第2導電部材は、その軸心方向に沿って割られた複数の分割体から構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、前記第2導電部材を、第1導電部材側に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする。
又、請求項3の発明では、仮に1つの部材として第2導電部材を形成する場合は、第2導電部材に設けられる第2摺接面は、第1摺接面に良好に摺接させるために加工精度を良くする必要があるが、請求項3の発明によれば、第2導電部材が複数の分割体から構成されているため、第2摺接面の形成がしやすくなり、1つの部材として第2導電部材を形成する場合よりも加工精度をそれほどシビアにしなくてもよくなる。
請求項5の発明によれば、付勢手段が設けられていることにより、第1導電部材に対する第2導電部材の接触を良好にすることができる。
図1に示すように、マニピュレータ11の旋回ベース19は基台20の上に取り付けられ、第1軸J1回りに旋回する。旋回ベース19の上には下アーム21が取り付けられ、第2軸J2回りに揺動する。下アーム21の上端には上アーム22が取り付けられ、第3軸J3回りに揺動する。上アーム22の先端部には胴体23が取り付けられて、上アーム22の長手方向の第4軸J4(すなわち、手首第1軸)回りに回転する。
又、貫通孔24bには、絶縁材からなる円筒状の取付座56が嵌合され、取付座56に設けられたフランジ部57がスリップリング50のフランジ部52とハウジング24aに介在することにより、スリップリング50と揺動体24との絶縁が図られている。
ショックセンサユニット60のセンサボディ61は、導電性を有するように金属にて有底円筒状に形成され、外周部に形成された取付フランジ62に取付ボルト63,64がフランジ部49を介して第2リング部材45に着脱自在に締付け固定されている。取付ボルト63は絶縁性の材質から形成されている。取付ボルト63の材質は、例えば合成樹脂が挙げられるが、絶縁性であれば、材質は限定されない。一方、図2(a)に示すように取付ボルト64は、金属製からなり、絶縁性のカラー65を介して第2リング部材45に螺合されることにより、センサボディ61は第2リング部材45とは絶縁が図られている。
なお、取付ボルト63,64を緩めて、センサボディ61を図2(a)において、下方へ移動すれば、センサボディ61と、センサボディ61に連結されたブラシホルダ66とを、ともに揺動体24から取りはずことが可能である。この取り外しにより、導電ブラシ72の交換が可能である。
センサボディ61内の収納空間内には、スプリングガイド79がセンサボディ61の軸線方向に沿って摺動自在に収納されている。スプリングガイド79は、有底円筒状に形成されるとともに底部にセンサボディ61の軸線と同軸に貫通孔80が形成され、さらに、外周面にはリング状のシール材81が嵌合されている。シール材81がスプリングガイド79に設けられることにより、スプリングガイド79の摺動時におけるセンサボディ61とスプリングガイド79間のシール性を保持するようにされている。
又、スウイングシャフト85がセンサボディ61に対してその軸線に沿って摺動した際、或いは図4に示すようにセンサボディ61の底部に対して揺動した際、スプリングガイド79をコイルスプリング82の付勢力に抗してセンサボディ61の軸線方向に移動させる。このときのスプリングガイド79の移動により、スプリングガイド79の側部に設けられた図示しないドッグが、センサボディ61内に設けられた図示しないショック検出スイッチを検出動作するようにされている。このスプリングガイド79が移動する際、センサボディ61とスプリングガイド79で囲まれた空間は、高圧のシールドガスが充填されてダンピング機能を発揮するため、衝撃吸収ができる。
センサボディ61の底部とスウイングシャフト85の先端部に設けられた電力入力金具86間は、可撓性銅線87が連結されている。そして、溶接用トーチ13がスウイングシャフト85に連結された状態で、電力入力金具86は、溶接用トーチ13のトーチボディ13aに対して電気的に接続されている。
(1) 本実施形態の溶接用トーチの集電装置は、ハウジング24aに固定され、図示しない溶接電源としての溶接電源装置から電流を供給するスリップリング50(第1導電部材)と、スリップリング50と同軸に配置されている。又、集電装置は、スリップリング50と摺接してスリップリング50の軸心の周りでスリップリング50に対して回転自在に配置された導電ブラシ72(第2導電部材)を備えている。そして、導電ブラシ72に摺接するスリップリング50の面(第1摺接面)は、凸球面58に形成され、スリップリング50に摺接する導電ブラシ72の面(第2摺接面)は、前記凸球面58に摺接する凹球面73に形成されている。このように構成されていることから、スリップリング50(第1導電部材)の軸心の周りでスリップリング50に対して導電ブラシ72(第2導電部材)が回転されると、スリップリング50の凸球面58に対して、導電ブラシ72の凹球面73が良好に摺接する。
又、特許文献1では、図6に示すようにパワーケーブル128の給電接続部をケース130に対して一旦ネジ129により止着し、その上で、バネ受け124に対して導線131を介して接続していることから、ネジ等の締結部品、導線131等が必要となる。これに対して、本実施形態では、一線式パワーケーブル30は、スリップリング50に対して直接接続するだけでよいため、これらの部品は必要でなく、部品点数を少なくすることができる。
ここで、仮に1つの部材として導電ブラシ72(第2導電部材)を形成する場合は、導電ブラシ72(第2導電部材)に設けられる凹球面73(第2摺接面)は、凸球面58(第1摺接面)に良好に摺接させるために加工精度を良くする必要がある。しかし、本実施形態によれば、導電ブラシ72(第2導電部材)が複数の分割体72aから構成されているため、凹球面73(第2摺接面)の形成がしやすくなり、1つの部材として導電ブラシ(第2導電部材)を形成する場合よりも加工精度をそれほどシビアにしなくてもよくなる。
○ 図3(b)で二点鎖線で示すように、凹球面73の代わりに、分割体72aに逆テーパ面92を設け、この逆テーパ面92に摺接可能にスリップリング50の凸球面58の代わりに、円錐台形状をなすようにテーパ面(図示しない)を設けてもよい。この逆テーパ面92は、複数の分割体72aがブラシホルダ66に収納された際に、各逆テーパ面92が集合することにより、前記スリップリング50の円錐台形状をなすテーパ面と摺接するように形成されるものとする。
○ 又、図5に示す実施形態の変形例として、スリップリング50の第1摺接面として凹球面94の代わりに逆テーパ面96を形成し、導電ブラシ72の第2摺接面として凸球面95の代わりに前記逆テーパ面96に摺接するようにテーパ面97を形成してもよい。この場合においても、前記実施形態の(1)と同様の効果を奏する。
24a…ハウジング、30…一線式パワーケーブル、
50…スリップリング(第1導電部材)、51…本体部、
58…凸球面(第1摺接面)、72…導電ブラシ(第2導電部材)、
73…凹球面(第2摺接面)、75…コイルバネ(付勢手段)。
Claims (5)
- ハウジングに固定され、溶接電源から電流を供給する第1導電部材と、前記第1導電部材と同軸に配置されるとともに、該第1導電部材と摺接して前記第1導電部材の軸心の周りで前記第1導電部材に対して回転自在に配置された第2導電部材を備え、前記第1導電部材及び前記第2導電部材に溶接用ワイヤが挿通された溶接ロボットにおける溶接用トーチの集電装置において、
前記第2導電部材に摺接する前記第1導電部材の第1摺接面、及び前記第1導電部材に摺接する前記第2導電部材の第2摺接面のいずれか一方は、凸球面又はテーパ面に形成され、他方は前記凸球面に摺接する凹球面、又は前記テーパ面に摺接する逆テーパ面に形成され、前記第2導電部材の前記溶接ワイヤが通過する空間域には、前記第1導電部材に一端が嵌合されたプロテクタが配置されて、前記溶接用ワイヤの前記第2導電部材に対する触れが防止されていることを特徴とする溶接ロボットにおける溶接用トーチの集電装置。 - 前記第1導電部材がスリップリングであり、前記第2導電部材が導電ブラシであることを特徴とする請求項1に記載の溶接ロボットにおける溶接用トーチの集電装置。
- 前記第2導電部材は、その軸心方向に沿って割られた複数の分割体から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶接ロボットにおける溶接用トーチの集電装置。
- 前記第2導電部材は、1つの部材から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶接ロボットにおける溶接用トーチの集電装置。
- 前記第2導電部材を、第1導電部材側に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の溶接ロボットにおける溶接用トーチの集電装置。
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