JP5147317B2 - レーザ・パンチ複合加工機 - Google Patents

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Description

本発明はレーザ・パンチ複合加工機に関する。
例えば、図3、4に概要を示すように、ワークをX軸方向とY軸方向に移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置101を備えたタレットパンチプレスに、このタレットパンチプレスの上部フレーム103の側面に前記Y軸方向に平行に第2Y軸送りねじ105を設け、この第2Y軸送りねじ105に移動位置決め自在のレーザ加工ヘッド107を設けたパンチ・レーザ複合機がある(例えば、特許文献1)。
このパンチ・レーザ複合機において、パンチング加工は、X軸方向とY軸方向とへ移動位置決め自在の移動位置決め装置101によりワークWをタレットTのパンチセンタPCに対して移動させて行う。
一方、レーザ加工は、X軸方向へは移動位置決め装置101によりワークをレーザセンタLCに対して移動させ、Y軸方向へは、第2Y軸駆動モータ102により回転駆動される前記第2Y軸送りねじ105により移動位置決め自在のレーザ加工ヘッド107を前記レーザセンタLCに対して移動させて行うようになっている。このとき、パンチプレス機の移動位置決め装置はY軸原点(Y=0)に停止状態を維持している。また、レーザ加工ヘッド107の内部には集光レンズ(図示省略)が備えてあり、この集光レンズまでレーザ発振器108からのレーザビームが複数のベンドミラーBMを介して導かれるようになっている。
前記移動位置決め装置101はY軸送りねじ109を回転駆動するY軸駆動モータ111により移動位置決めされるY軸キャリッジ113と、X軸送りねじ115を回転駆動するX軸モータ117により移動位置決めされるX軸キャリッジ119からなっている。
上述のパンチ・レーザ複合機において、ワーク移動位置決め装置101のY軸キャリッジ113の重量は、X軸キャリッジ119に比して非常に大きいので、レーザ加工時には、重量の小さいX軸キャリッジ119を使用し、重量の小さいレーザ加工ヘッド107をY軸キャリッジとして使用することにより、レーザ加工時において高速な移動位置決めが可能となる利点がある。
特開2001−150062号公報
上述の従来技術においては、レーザ加工とパンチング加工とにおけるX軸の移動位置決めは共に同一のX軸を使用する。また、パンチング加工時のY軸の位置決め時にはワークが移動し、レーザ加工時のY軸方向の位置決め時には、レーザ加工ヘッドを駆動する前記第2Y軸に沿ってレーザ加工ヘッドがワークに対して移動する。したがって、パンチング加工時のY軸とレーザ加工時の第2Y軸はワークに対する位置決め座標の基準位置が逆になっている。つまり、ワーク移動と加工ヘッド移動の相違によって原点位置が相違する。
また、パンチ・レーザ複合加工機において、レーザ加工を行う時にはY軸および第2Y軸は、Y軸キャリッジおよびレーザ加工ヘッドに設けたナット(図示省略)との摩擦により発熱し、Y軸送りねじおよび第2Y軸に微小な伸びが発生する。
上述の伸びの方向は、レーザ加工時の第2Y軸では、ワークの位置決め基準原点(X=0,Y=0)の「Y=0」からY軸座標が「+」座標方向へ伸び、パンチング加工時のY軸では、ワークの位置決め基準原点(X=0,Y=0)の「Y=0」に対してY軸座標が「−」座標方向へ伸びる。
すなわち、図3に示す如く、レーザ加工時の第2Y軸送りねじ105はレーザセンタLC(基準原点)の方向へ伸び、パンチング加工時のY軸109はパンチセンタPCの方向へ伸びることになり、ワークに対するY軸の伸びがパンチング加工機とレーザ加工機の座標が逆になり、パンチ・レーザ複合機としての総合精度が悪くなるという問題がある。
本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、ワークをX軸方向とY軸方向に移動位置決め自在のワーク移動位置決め手段を備えたパンチプレス機に前記Y軸方向に平行な第2Y軸方向に移動位置決め自在のレーザ加工ヘッドを設けたレーザ・パンチ複合機における総合精度を向上させることである。
上述の課題を解決する手段として請求項1に記載のレーザ・パンチ複合加工機は、ワークをX軸方向とY軸方向とに移動位置決め自在のワーク移動位置決め手段を備えたパンチプレス機に前記Y軸方向に平行なY軸方向に移動位置決め自在のレーザ加工ヘッドを設けたレーザ・パンチ複合機において、前記ワーク移動位置決め手段のY軸送りねじの一端部を回転自在にかつ該Y軸送りねじの軸方向への移動を規制して軸支する第1固定軸受けと、前記Y軸送りねじの他端部を回転自在にかつ軸方向への微小移動を許容して軸支する第1可動軸受けとを設け、前記レーザ加工ヘッドのY軸送りねじの一端部を回転自在にかつ該Y軸送りねじの軸方向への移動を規制して軸支する第2固定軸受けを前記Y軸送りねじを軸支する第1可動軸受け側に設け、前記Y軸送りねじの他端部を回転自在にかつ軸方向への微小移動を許容して軸支する第2可動軸受けを前記Y軸送りねじを軸支する第1固定軸受け側に設け、前記第1固定軸受けに前記Y軸送りねじを回転駆動するY軸駆動モータを設け、前記第2固定軸受けに前記Y軸送りねじを回転駆動するY軸駆動モータを設けてなること要旨とするものである。
本発明によれば、レーザ加工時においてレーザ加工ヘッドを駆動するY軸送りねじの伸び方向と、パンチング加工時におけるY軸送りねじの伸び方向とが同方向になるので、レーザ・パンチ複合機としての総合精度が向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
図1、図2は、本発明に係るレーザ・パンチ複合加工機の説明図であり、パンチング加工機を構成するタレットパンチプレスの本体部分の構成は、公知のタレットパンチプレス(例えば、特公平7−24879、特開平11−226664等)と同様でありその詳細な構成と説明は省略する。なお、本実施例の説明において説明を判りやすくするために、前後左右とは、図2において下方を前、上方を後、図2においての左右をそのまま左右と呼ぶことにする。
図1、図2に示すように、レーザ・パンチ複合加工機1の本体フレーム3は、下部フレーム5と上部フレーム7とを前後のコラム9で一体的に連結したいわゆる門型フレームをなしている。なお、本体フレーム3は床FL上に適宜な手段により固定されている。
下部フレーム5と上部フレーム7の間の左方(図1において)の上部フレーム7にはパンチ13を装着した上部タレットディスク15が設けてあり、下部フレーム5には前記上部タレットディスク15のパンチ13と対をなすダイ17を装着した下部タレットディスク19がワークWが通過可能な間隙をおいて設けてある。
なお、上下タレットディスク(15,19)に設けた円形軌道上には、図示省略の複数個のパンチ13およびダイ17が適宜な間隔で配置してある。
前記上下タレットディスク(15、19)は、図示省略のタレットディスク駆動機構により同期回転駆動されるように設けてあり、使用するパンチとダイを配置した金型ステーションをパンチセンタPCに回転位置決めすることができるようになっている。
パンチセンタPCに位置決めされたパンチ13の上方には、パンチ13の頭部を打撃する打撃子21がクランク機構または油圧シリンダなどの打撃子駆動手段23によって上下動可能に設けてある。
図2に良く示されているように、前記下部タレットディスク19の右側の下部フレーム5上部には、ワークWの下面を支持するセンターテーブル25が設けてあり、このセンターテーブル25の左右両側にはワーク移動位置決め手段27と一体的にY軸方向へ移動するサイドテーブル29が設けてある。また、センターテーブル25の後方にはリアテーブル30が設けてある。
前記ワーク移動位置決め手段27は、本体フレーム3の前後にY軸方向に延伸させて設けた一対のY軸ガイドレール35にガイドされるY軸キャリッジベース37を有し、このY軸キャリッジベース37は前記センターテーブル25の少し上方をX軸方向に跨いで延びており、その下面に前記左右両側のサイドテーブル29が一体的に取り付けてある。
前記Y軸キャリッジベース37には、複数のワーククランプ39を装着したX軸キャリッジ41が前記Y軸と直交するX軸方向へ移動自在に設けてある。また、このX軸キャリッジ41はY軸キャリッジベース37に設けたX軸駆動モータ43により回転駆動されるX軸送りねじ45に螺合するナット47を有し、前記X軸駆動モータ43を適宜に回転駆動することによりX軸方向に移動位置決めすることができる。なお、X軸送りねじ45は一対の軸受け46により回転自在に軸支してある。
また、前記本体フレーム3には、前記Y軸キャリッジベース37に設けたナット部材49に螺合するY軸送りねじ51が、その一端部を回転自在にかつ軸方向への移動を規制して軸支する第1固定軸受け52と、前記Y軸送りねじ51の他端部を回転自在にかつ軸方向への微小移動を許容して軸支する第1可動軸受け54とにより軸支してある。そして、Y軸送りねじ51の第1固定軸受け52側の端部にはY軸送りねじ51回転駆動するY軸駆動モータ53が取り付けてある。
なお、この実施例では前記第1可動軸受け54は前記タレットディスク15、19側に設けてある。
上記構成において、Y軸駆動モータ53を適宜に回転駆動することにより、Y軸キャリッジベース37をY軸方向に移動位置決めすることができる。
したがって、ワーククランプ39にクランプされたワークWの加工部を、前記Y軸キャリッジベース37とX軸キャリッジ41を適宜に移動位置決めすることによりパンチセンタPCに位置決めすることができる。
また、前記本体フレーム3の上部フレーム7の左側面には、前記ワーク移動位置決め手段27のY軸に平行な一対の平行なY軸ガイドレール55が設けてあり、このY軸ガイドレール55に後述のレーザ加工ヘッド69を備えたレーザヘッドキャリッジ57を移動自在に係合すると共に、このレーザヘッドキャリッジ57に設けたナット部材(図示省略)に螺合するY軸送りねじ59が、前記Y軸送りねじ51を軸支する第1可動軸受け54側において、Y軸送りねじ59の一端部を回転自在にかつ軸方向への移動を規制して軸支する第2固定軸受け61と、前記Y軸送りねじ51を軸支する第1固定軸受け52側に位置して、前記Y軸送りねじ59の他端部を回転自在にかつ軸方向への微小移動を許容して軸支する第2可動軸受け63とにより軸支してある。そして、Y軸送りねじ59の第2固定軸受け61側の端部には、Y軸送りねじ59を回転駆動するY軸駆動モータ65が取り付けてある。
上述のレーザヘッドキャリッジ57には、レーザ発振器67から複数のベンドミラーBMを介して導かれるレーザ光LBをワークWに集光照射するレーザ加工ヘッド69が図示省略の駆動モータまたはシリンダなどの駆動手段により、XY軸に直交するZ軸方向へ移動位置決め可能に設けてある。
上記構成により、レーザ加工時にレーザ加工ヘッドを駆動するY軸送りねじの伸び方向は、ワークの位置決め基準原点(X=0,Y=0)の「Y=0」からY軸座標が「−」座標方向へ伸び、また、パンチング加工時のY軸送りねじの伸び方向は、ワークの位置決め基準原点(X=0,Y=0)の「Y=0」に対してY軸座標が「−」座標方向へ伸びる。すなわち、伸び方向が同方向となるので、レーザ・パンチ複合機としての総合精度が向上する。
なお、第1固定軸受けと第1可動軸受けの位置と、第2固定軸受けと第2可動軸受けとを共に反対にした構成にしても、本願発明と同様な効果を得ることができる。
本発明に係るレーザ・パンチ複合機の正面図。 図1におけるA−A矢視図。 従来のレーザ・パンチ複合機におけるレーザ加工時の送りねじと、パンチング加工時の送りねじの伸び方向を説明する図(平面図)。 図3におけるB矢視図で一部を破断した図。
符号の説明
1 レーザ・パンチ複合加工機
3 本体フレーム
5 下部フレーム
7 上部フレーム
9 コラム
13 パンチ
15 上部タレットディスク
17 ダイ
19 下部タレットディスク
21 打撃子
23 打撃子駆動手段
25 センターテーブル
27 ワーク移動位置決め手段
29 サイドテーブル
30 リアテーブル
35 Y軸ガイドレール
37 Y軸キャリッジベース
39 ワーククランプ
41 X軸キャリッジ
43 X軸駆動モータ
45 X軸送りねじ
46 軸受け
47 ナット
49 ナット部材
51 Y軸送りねじ
52 第1固定軸受け
53 Y軸駆動モータ
54 第1可動軸受け
55 Y軸ガイドレール
57 レーザヘッドキャリッジ
59 Y軸送りねじ
61 第2固定軸受け
63 第2可動軸受け
65 Y軸駆動モータ
67 レーザ発振器
69 レーザ加工ヘッド
BM ベンドミラー
FL 床面
LB レーザ光
LC レーザセンタ
PC パンチセンタ
T タレット
W ワーク

Claims (1)

  1. ワークをX軸方向とY軸方向とに移動位置決め自在のワーク移動位置決め手段を備えたパンチプレス機に前記Y軸方向に平行なY軸方向に移動位置決め自在のレーザ加工ヘッドを設けたレーザ・パンチ複合機において、前記ワーク移動位置決め手段のY軸送りねじの一端部を回転自在にかつ該Y軸送りねじの軸方向への移動を規制して軸支する第1固定軸受けと、前記Y軸送りねじの他端部を回転自在にかつ軸方向への微小移動を許容して軸支する第1可動軸受けとを設け、前記レーザ加工ヘッドのY軸送りねじの一端部を回転自在にかつ該Y軸送りねじの軸方向への移動を規制して軸支する第2固定軸受けを前記Y軸送りねじを軸支する第1可動軸受け側に設け、前記Y軸送りねじの他端部を回転自在にかつ軸方向への微小移動を許容して軸支する第2可動軸受けを前記Y軸送りねじを軸支する第1固定軸受け側に設け、前記第1固定軸受けに前記Y軸送りねじを回転駆動するY軸駆動モータを設け、前記第2固定軸受けに前記Y軸送りねじを回転駆動するY軸駆動モータを設けてなることを特徴とするレーザ・パンチ複合加工機。
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