JP5146390B2 - 太陽電池モジュールの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造方法及び製造装置に関する。
従来、太陽電池モジュールとして、二枚の透光部材の間に太陽電池セルを含む層を配置した構造が知られている。例えば、特許文献1には、一方の主面を入射面とし、他方の主面を反射面とし、太陽電池セルを含む層を備える太陽電池モジュールが開示されている。
特許文献1に記載された太陽電池モジュールでは、太陽電池セルを含む層における反射面に設けられた透光部材が凹凸形状とされている。
この太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルを含む層の一方の主面側から入射した光の一部は、太陽電池セルに入射する。また、太陽電池セルに入射しなかった光は、反射面によって反射される。このとき、他方の面における反射面は凹凸形状とされている。この凹凸形状は、太陽電池セルを含む層側に向かって窪んでいる部分と、太陽電池セルを含む層とは反対側に向かって突出する部分とが、複数交互に配置されることにより形成されている。このような形状の反射面によって反射された光は太陽電池セルに効率よく集められ太陽電池モジュールの集光効率が高いものとなる。
一方、特許文献2には、三角柱状の集光体を備える集光型太陽光発電装置及びその製造方法が開示されている。三角柱状の集光体の一面は受光面、他の一面は反射面であり、受光面及び反射面以外の面に、光電変換素子が設けられている。このような集光体においては、反射面に光反射板が、受光面及び反射面以外の面に太陽電池セルが、押し治具により押し付けられて接着される。
特開平11−307791号公報 特開2000−223731号公報
ところで、特許文献1に記載されたような、太陽電池セルを含む層と、凹凸形状を有する透光部材とを、例えば、特許文献2に開示されたプレス治具を応用して一体化することが考えられる。この場合、透光部材の凹凸形状に重なるような凹凸形状を有するプレス治具を用いることとなる。
しかしながら、凹凸形状を有する透光部材において、太陽電池セルを含む層側に向かって窪んでいる部分は、厚みが相対的に厚く、太陽電池セルを含む層とは反対側に向かって突出する部分は、厚みが相対的に薄い。この透光部材を製造する際に、上記特許文献2に開示されたプレス治具を用いると、透光部材における厚みの薄い部分に応力が集中し、割れが生じてしまうことがある。また、応力の集中が大きい場合、太陽電池セルがプレス前の位置から大きくずれてしまい、セルが割れてしまうということがある。これらの不具合は、太陽電池モジュールの品質の低下及び歩留まりの低下を招くおそれがある。
そこで本発明は、製造される太陽電池モジュールの品質の低下を防ぎ、歩留まりを向上させる太陽電池モジュールの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、第一の主面と第一の主面の反対側に配置された第二の主面とを備え、内部に太陽電池セルが配置された封止部材を備える封止材層における第二の主面側に、封止材層を透過した光を太陽電池セルに向けて反射させる反射板を隣接して配置する工程と、反射板を、封止材層の反対側から押圧部材を用いて押圧することにより、封止材層と反射板とを固着させる工程と、を備え、反射板は、封止材層の第二の主面に隣接する面との対向面に、封止材層側に向かって突出し頂部に稜線が形成された第一の突出部を有し、押圧部材には、反射板の稜線と非接触となるように第一の非接触部が形成され、かつ、押圧部材の形状は、第一の非接触部以外で反射板と重なり合う形状であることを特徴とする。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法においては、封止材層に隣接するように配置された反射板を、封止材層の反対側から押圧部材を用いて押圧することにより、封止材層と反射板とを固着させる。押圧部材は、反射板の稜線に対して非接触となるような形状であることから、反射板の稜線と押圧部材と間では線接触が生じないため、反射板の稜線と押圧部材との間の応力集中をなくすことができ、太陽電池セルのずれや反射板の割れを防ぐことができる。具体的には、反射板の第一の突出部の頂部においては、厚みが他の部分に比べて薄く、特に最も厚みが薄い稜線においては、押圧部材と接触するような場合は応力が集中し易い。しかしながら、上述した形状の押圧部材で押圧することにより、このような応力集中を防ぐことができる。これにより、製造される太陽電池モジュールの品質の低下を防ぎ、歩留まりを向上させることができる。
ここで、第一の非接触部が、押圧部材に形成された切り欠き部からなることが好ましい。
押圧部材に切り欠き部を形成することにより、第一の非接触部を容易に形成することができる。
また、反射板が、複数の第一の突出部を有し、さらに、封止材層の第二の主面に隣接する面との対向面に、封止材層の反対側に向かって突出し頂部に稜線が形成された複数の第二の突出部を有し、押圧部材には、全ての第一の突出部と非接触となるように第一の非接触部が形成され、かつ、全ての第二の突出部と非接触となるように第二の非接触部が形成されることが好ましい。
押圧部材において、上記第一の非接触部及び第二の非接触部が形成されていることにより、反射板の稜線における応力集中を一層緩和することができる。また、反射板及び封止材層に対する押圧力が均一となり、製造時における封止材層の気泡の除去が行われ易くなるため、気泡の混入に起因する不良を大幅に低減できる。
また、複数の第一の非接触部及び複数の第二の非接触部が、押圧部材に切り欠き部を形成することにより形成されることが好ましい。
押圧部材に切り欠き部を形成することにより、第一の非接触部を容易に形成することができる。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造装置は、第一の主面と第一の主面の反対側に配置された第二の主面とを備え、内部に太陽電池セルが配置された封止部材を備える封止材層における第二の主面側に、封止材層を透過した光を太陽電池セルに向けて反射させる反射板を隣接して配置する手段と、反射板を、封止材層の反対側から押圧部材を用いて押圧することにより、封止材層と反射板とを固着させる手段と、を備え、反射板は、封止材層の第二の主面に隣接する面との対向面に、封止材層側に向かって突出し頂部に稜線が形成された第一の突出部を有し、押圧部材には、反射板の稜線と非接触となるように第一の非接触部が形成され、かつ、押圧部材の形状は、第一の非接触部以外で反射板と重なり合う形状であることを特徴とする。
上記構造を有する太陽電池モジュールの製造装置によれば、反射板の稜線と押圧部材との間には線接触が生じないため、反射板の稜線と押圧部材との間の応力集中をなくすことができ、太陽電池セルのずれや反射板の割れを防ぐことができる。これにより、製造される太陽電池モジュールの品質の低下を防ぎ、歩留まりを向上させることができる。
本発明によれば、製造される太陽電池モジュールの品質の低下を防ぎ、歩留まりを向上させる太陽電池モジュールの製造方法、及び太陽電池モジュールの製造装置を提供することができる。
第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法により得られた太陽電池モジュールの斜視図である。 第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示す模式断面図である。 第一実施形態に係る押圧部材の一例を示す模式断面図である。 第一実施形態に係る押圧部材の他の一例を示す模式断面図である。 第二実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示す模式断面図である。 第二実施形態に係る押圧部材の一例を示す模式断面図である。 第二実施形態に係る押圧部材の他の一例を示す模式断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法及び製造装置、並びに、それにより製造される太陽電池モジュールの好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、実際のものと異なることがある。
<第一実施形態>
図1〜4に基づき、第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法及び製造装置を説明する。
(太陽電池モジュール)
図1は、第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法により得られる太陽電池モジュール1の斜視図である。太陽電池モジュール1は、透明板2と、封止材層9と、反射板5と、がこの順に積層されて形成されたものである。
太陽電池モジュール1は、透明板2の封止材層9が設けられた面と反対側の面2aを受光面とする。透明板2としては、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂などが用いられる。これらのうち強度、耐熱性、長期信頼性、及びコストの観点からソーダガラスが好ましい。透明板2に用いられる材料の具体例としては、例えば、KRYSTAL KLEAR(AGC社製、商品名)が挙げられる。
封止材層9は、封止材3の内部に太陽電池セル7が複数封入されたものである。太陽電池セル7は、その受光面が封止材層9の第一の主面9a及び第二の主面9bに平行となるように配置される。複数の太陽電池セル7は、太陽電池セル7同士が、インターコネクタ8によって電気的に直列に接続される。複数の太陽電池セル7は、第一の主面9a及び第二の主面9bに沿う方向に互いに離間して配置される。封止材3としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好適に用いられる。封止材3に用いられる材料の具体例としては、例えば、ソーラエバSC50B(三井化学ファブロ社製、商品名)が挙げられる。
太陽電池セル7は、太陽光を両面で捕らえるタイプと片面で捕らえるタイプとがあり、本実施形態では、両面受光型の太陽電池セルが利用されている。セルの種類は、単結晶Siセル、多結晶Siセル、薄膜Siセル、III−V族セル、化合物系セル、有機セルなどが挙げられる。エネルギー変換効率の観点から、単結晶Siセル、多結晶Siセルが好ましい。
反射板5は、封止材層9の第二の主面9bに隣接する面5bとの対向面に、封止材層9側に向かって突出し頂部に稜線5dが形成された第一の突出部を有する。具体的には、反射板5の断面が、封止材層9側に向かって突出する断面V字形状が複数連なった凹凸形状をなす。より具体的には、二つの平面5aが、封止材層9側に向かって突出する断面V字形状を形成するように、封止材層9の第一の主面9a及び第二の主面9bに対して傾斜する。
図1に示すように、反射板5の断面が、封止材層9側に向かって突出する断面V字形状の複数連なった形状である場合、反射板5は、さらに、封止材層9側の反対側に向かって突出し頂部に稜線5cが形成された突出部を有する。このような反射板5を利用することで、透明板2及び封止材層9の第一の主面9a側から入射し封止材層9を透過した光を、太陽電池セル7に向けて反射させることができる。反射板5は、基材4と反射膜6とから構成される。基材4は、ガラス板又はプラスチックから形成されたものが好適に用いられる。また、反射膜6は、基材4の封止材層9と隣接する面とは反対側の面に、銀又はアルミを蒸着することにより形成されたものが好適に用いられる。このような反射板5は、長期信頼性に優れ、高い反射能を有する。なお、反射板5は、透明性、プレスによる形状付形性、長期信頼性、及びコストを満足する観点から、基材4のみから形成されていてもよい。
以上、太陽電池モジュールの好適な実施形態について説明したが、太陽電池モジュールは、上記の形態に限定されない。例えば、平面5aは、例えば、封止材層9とは反対側に膨らむ曲面であっても構わない。
(太陽電池モジュールの製造装置)
続いて、図2を参照して、第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造装置について説明する。第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造装置は、封止材層9と反射板5とを隣接して配置する手段と、封止材層9と反射板5とを固着させる手段と、を備える。
図2は、封止材層9と反射板5とを固着させる手段を示す模式断面図である。封止材層9と反射板5とを固着させる手段は、例えば、図2に示すような、押圧部材10、並びに、ダイアフラム12及び加熱板11を備える真空ラミネート機13である。真空ラミネート機13は、真空ラミネート機13の機体の内部におけるダイアフラム12よりも加熱板11側を、大気圧から減圧し、真空状態とすることができる減圧装置(図示せず)をさらに備える。押圧部材10は、ダイアフラム12と反射板5との間に介在する。
ダイアフラム12は、真空ラミネート機13の機体の内部におけるダイアフラム12よりも加熱板11側が減圧されるにつれて、封止材層9と反射板5とを含む太陽電池モジュール1の方向に向かって移動する。ダイアフラム12が、上述のように太陽電池モジュール1の方向に向かって移動することにより、押圧部材10は、反射板5を封止材層9に向けて押圧することとなる。
加熱板11は、封止材層9を構成する封止部材3に接着性が生じる程度に、封止材層9と反射板5とを含む太陽電池モジュール1を加熱する。太陽電池モジュール1は、所望の温度まで加熱されながら、上述したような押圧部材10による加圧を受ける。これにより、封止材3と反射板5とは固着される。
(太陽電池モジュールの製造方法)
続いて、第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法について説明する。図2は、第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示す模式断面図である。本実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法は、[a]封止材層と反射板とを隣接して配置する工程と、[b]封止材層と反射板とを固着させる工程と、を備える。図2は、[b]封止材層と反射板とを固着させる工程を示す模式断面図である。
[a]封止材層と反射板とを隣接して配置する工程
まず、封止部材3内に太陽電池セル7が配置された封止材層9及び反射板5を用意する。次に、封止材層9の対向する二つの主面9a,9bのうち、第二の主面9bに反射板5の平面5bを重ねて合わせる。こうして、封止材層9と反射板5とを隣接して配置する工程を終了する。
[b]封止材層と反射板とを固着させる工程
続いて、反射板5を、封止材層9の反対側から押圧部材10を用いて押圧することにより、封止材層9と反射板5とを固着させる。具体的には、図2に示すように、まず、真空ラミネート機13の加熱板11上に、透明板2、封止材層9、反射板5をこの順に積層した太陽電池モジュール1を載置する。次に、反射板5とダイアフラム12との間に、押圧部材10を介在させる。
次に、加熱板11を150℃程度まで昇温して封止部材3を溶融する。この加熱操作と同時に、真空ラミネート機13の機体の内部におけるダイアフラム12よりも加熱板11側を減圧し、真空状態にする。真空ラミネート機13の機体の内部におけるダイアフラム12よりも加熱板11側が真空状態に近づくと、ダイアフラム12が、押圧部材10を介して反射板5を面プレスする。こうして、反射板5と封止部材3とが密着され、反射板5と封止材層9とが固着する。なお、面プレスの圧力は、10kPa以上であることが好ましい。面プレスの圧力を10kPa以上に設定することにより、封止材層9内部に残存した、又は、封止部材3から発生した気泡を、プレス時に十分除去することができる。
押圧部材10には、反射板5の第一の突出部の頂部に形成された稜線5dと非接触となるように、第一の非接触部が形成されている。押圧部材10の第一の非接触部は、例えば、面10c及び面10dからなるものである。面10c及び面10dと、二つの平面5aとで囲まれた空間は、断面がひし形の空間である。また、押圧部材10の形状は、第一の非接触部以外で反射板5と重なり合う形状である。押圧部材10の材質としては、例えば、アルミナ(京セラ社製、A−47)が好適に用いられる。
このような押圧部材10を用いて封止材層9と反射板5とを固着させることにより、反射板5の第一の突出部の頂部に形成された稜線5dと押圧部材10とは非接触となり、応力集中をなくすことができる。その結果、製造される太陽電池モジュール1の品質の低下を防ぎ、歩留まりを向上させることができる。
また、反射板5の稜線5dに対する応力集中が防止されることから、封止材層9に対するプレス圧を均一化することができる。そのため、太陽電池モジュール1に対する加圧時における封止材層9からの脱泡性を向上させることができる。その結果、気泡噛みによる不良を低減することができる。
さらに、反射板5の稜線5dに対する応力集中が防止され、封止材層9に対するプレス圧を均一化することができることから、封止材層9と反射板5との間の濡れ性を改善することができる。その結果、接着強度を向上させることができ、長期信頼性を向上させることができる。
また、第一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法及び製造装置によれば、反射板5の稜線5dと、押圧部材10との間の線接触が生じなくなるため、反射膜6の形成方法によらず、反射膜6の基材4からの剥離を防止することもできる。
本工程においては、本実施形態のように、透明板2、封止材層9、及び反射板5をこの順に積層した太陽電池モジュール1を、必ずしも一度に固着させる必要はない。まず、加熱板11上に、封止材層9及び反射板5をこの順に積層した積層体を載置し、反射板5を封止部材3に密着させ、その後、反射板5と封止材層9とが固着した積層体を、透明板2と固着させても構わない。
ここで、第一の非接触部が、押圧部材10に形成された切り欠き部からなる場合について図3,4を参照して具体的に説明する。切り欠き部が形成された押圧部材10としては、例えば、図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)のような形状を有するものが挙げられる。
図3(a)〜(c)は、反射板5の凹凸形状が、図1に示すような平面5aによって形成されたものである場合に用いる押圧部材10の模式断面図である。図3(a)に示される押圧部材10は、図2に示したものと同様であり、反射板5と接触する面10a側に、面10c及び面10dから形成される切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される空間は、断面がひし形である。また、図3(b)に示される押圧部材10は、面10e、面10f及び面10gで構成される切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される空間は、断面が五角形のホームベース型となる。また、図3(c)に示される押圧部材10は、面10gで構成される切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される空間は、断面が扇形となる。
図4(a)〜(c)は、反射板5の凹凸形状が、平面5aの代わりに、封止材層9に対して反対側に膨らむ曲面によって形成されたものである場合に用いる押圧部材10の模式断面図である。図4(a)に示される押圧部材10は、反射板5と接触する面10a側に、面10c及び面10dから形成される切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される空間の断面は、ひし形である。また、図4(b)に示される押圧部材10は、面10e、面10f及び面10gで構成される切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される空間は、断面が五角形のホームベース型である。また、図4(c)に示される押圧部材10は、面10hで構成される切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される空間は、断面が扇形となる。
押圧部材10に、このような切り欠き部を形成することにより、第一の非接触部を容易に形成することができる。
<第二実施形態>
続いて、図5〜7に基づき、第二実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明する。
図5は、第二実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示す模式断面図である。本実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法においては、反射板5が、複数の第一の突出部及び複数の第二の突出部を有する。第一の突出部は、封止材層9に隣接する面5bとの対向面に、封止材層9側に向かって突出し頂部に稜線5dが形成されたものである。第二の突出部は、封止材層9の反対側に向かって突出し頂部に稜線5cが形成されたものである。具体的には、第一の突出部及び第二の突出部を有する反射板5の断面が、例えば、封止材層9の反対側に向かって突出する断面V字形状が複数連なった形状であればよい。
本実施形態における押圧部材10には、全ての第一の突出部と非接触となるように第一の非接触部が形成され、かつ、全ての第二の突出部と非接触となるように第二の非接触部が形成される。押圧部材10の第一の非接触部は、上述した第一実施形態における第一の非接触部と同様のものである。押圧部材10の第二の非接触部は、例えば、図5に示すような、面10e、面10f、及び面10gからなるものである。面10e、面10f、及び面10gと、二つの平面5aとで囲まれた空間は、断面が四角形の一部が三角形で埋められた形である。
このような押圧部材10を用いることにより、反射板5の稜線5c,5dにおける応力集中をなくすことができる。また、反射板5及び封止材層9に対する押圧力がさらに均一となり、製造時における封止材層9の気泡の除去が極めて行われ易くなり、気泡の混入に起因する不良を大幅に低減できる。
また、第二実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法及び製造装置によれば、反射膜6の形成方法によらず、反射膜6の基材4からの剥離を防止することもできる。第二実施形態においては、全ての第一の突出部及び第二の突出部が、押圧部材10と非接触となるため、反射膜6の基材4からの剥離が極めて有効に防止されることとなる。
ここで、複数の第一の非接触部及び複数の第二の非接触部が、押圧部材10に形成された切り欠き部からなる場合について、図6,7を参照して具体的に説明する。切り欠き部が形成された押圧部材10としては、例えば、図6(a)、(b)及び図7(a)〜(c)のような形状を有するものが挙げられる。
図6(a)、(b)は、反射板5の凹凸形状が、図1に示すような平面5aによって形成されたものである場合に用いる押圧部材10の模式断面図である。図6(a)に示される押圧部材10は、図5に示したものと同様であり、反射板5と接触する面10a側に、面10e、面10f及び面10gから形成される切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される第一の非接触部は、断面が五角形のホームベース形であり、第二の非接触部は、断面が四角形の一部が三角形で埋められた形である。また、図6(b)に示される押圧部材10は、面10hから形成された切り欠き部を有するものである。このような切り欠き部と、反射板5の二つの平面5aとから形成される第一の非接触部及び第二の非接触部の断面は、扇形である。
図7(a)、(b)は、反射板5の凹凸形状が、平面5aによって形成されたものである場合に用いる押圧部材10の模式断面図であり、(c)は、反射板5の凹凸形状が、平面5aの代わりに、封止材層9に対して反対側に膨らむ曲面によって形成されたものである場合に用いる押圧部材10の模式断面図である。図7(a)に示される押圧部材10は、反射板5と接触する面10a側に、面10c及び面10dから形成された切り欠き部、並びに、面10e、面10f及び面10gから形成された切り欠き部を有するものである。また、図7(b)に示される押圧部材10は、面10c及び面10dから形成された切り欠き部、並びに、面10hで形成された切り欠き部を有するものである。また、図7(c)に示される押圧部材10は、面10e、面10f及び面10gから形成された切り欠き部を有するものである。
押圧部材10に、このような切り欠き部を形成することにより、第一の非接触部及び第二の非接触部を容易に形成することができる。
以上、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法及び太陽電池モジュールの製造装置、並びに、それにより製造される太陽電池モジュールの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば、第一の非接触部及び/又は第二の非接触部は、押圧部材10の面10a側に形成された切り欠き部からなるものだけではなく、例えば、反射板5の第一の突出部の頂部に形成される稜線5d及び/又は第二の突出部の頂部に形成される稜線5cと線接触することになる部分、並びにその周辺部分に、応力の伝達を遮る材質を用いても実施は可能である。
また、上記第一及び第二実施形態においては、反射板5の断面が、封止材層9側に向かって突出する断面V字形状が複数連なった凹凸形状であるが、封止材層9側に向かって突出する断面V字形状が少なくとも1つあれば実施は可能である。
また、上記第一及び第二実施形態においては、反射膜6は、基材4の封止材層9と隣接する面とは反対側の面に、銀又はアルミを蒸着することにより形成されているが、例えば、100μm以下の金属薄膜を基材4に貼り付けること等により形成することもできる。
1…太陽電池モジュール、2…透明板、3…封止部材、4…基材、5…反射板、5b,5c…稜線、6…反射膜、7…太陽電池セル、8…リード、12…ダイアフラム、9…封止材層、9a…封止材層の第一の主面、9b…封止材層の第二の主面、10…押圧部材、10c,10d,10e,10f,10g,10h…非接触部を形成する面、11…加熱板、12…ダイアフラム、13…真空ラミネート機。

Claims (5)

  1. 第一の主面と前記第一の主面の反対側に配置された第二の主面とを備え、内部に太陽電池セルが配置された封止部材を備える封止材層における前記第二の主面側に、前記封止材層を透過した光を前記太陽電池セルに向けて反射させる反射板を隣接して配置する工程と、
    前記反射板を、前記封止材層の反対側から押圧部材を用いて押圧することにより、前記封止材層と前記反射板とを固着させる工程と、
    を備え、
    前記反射板は、前記封止材層の第二の主面に隣接する面との対向面に、前記封止材層側に向かって突出し頂部に稜線が形成された第一の突出部を有し、
    前記押圧部材には、前記反射板の前記稜線と非接触となるように第一の非接触部が形成され、かつ、前記押圧部材の形状は、前記第一の非接触部以外で前記反射板と重なり合う形状であることを特徴とする、太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記第一の非接触部が、前記押圧部材に形成された切り欠き部からなることを特徴とする、請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記反射板が、複数の前記第一の突出部を有し、
    さらに、前記封止材層の第二の主面に隣接する面との対向面に、前記封止材層の反対側に向かって突出し頂部に稜線が形成された複数の第二の突出部を有し、
    前記押圧部材には、全ての前記第一の突出部と非接触となるように前記第一の非接触部が形成され、かつ、全ての前記第二の突出部と非接触となるように前記第二の非接触部が形成されることを特徴とする、請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記複数の第一の非接触部及び前記複数の第二の非接触部が、前記押圧部材に形成された切り欠き部からなることを特徴とする、請求項3記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 第一の主面と前記第一の主面の反対側に配置された第二の主面とを備え、内部に太陽電池セルが配置された封止部材を備える封止材層における前記第二の主面側に、前記封止材層を透過した光を前記太陽電池セルに向けて反射させる反射板を隣接して配置する手段と、
    前記反射板を、前記封止材層の反対側から押圧部材を用いて押圧することにより、前記封止材層と前記反射板とを固着させる手段と、
    を備え、
    前記反射板は、前記封止材層の第二の主面に隣接する面との対向面に、前記封止材層側に向かって突出し頂部に稜線が形成された第一の突出部を有し、
    前記押圧部材には、前記反射板の前記稜線と非接触となるように第一の非接触部が形成され、かつ、前記押圧部材の形状は、前記第一の非接触部以外で前記反射板と重なり合う形状であることを特徴とする、太陽電池モジュールの製造装置。
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