JP5145073B2 - 渦電流探傷方法および渦電流探傷装置 - Google Patents

渦電流探傷方法および渦電流探傷装置 Download PDF

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Description

本発明は、渦電流探傷方法および渦電流探傷装置に係り、特に、発電プラントの熱交換器の伝熱管拡管部の渦電流探傷に用いるに好適な渦電流探傷方法および渦電流探傷装置に関する。
発電プラントには、各種熱交換器が設置されている。それら熱交換器内には、数百本の伝熱管が規則的に配列されている。伝熱管の寸法・形状は規格により異なるが、例えば、外径φ15.9mmで長さ6メートルの伝熱管もある。熱交換器の検査では、伝熱管ごとに渦電流探傷(ECT;Eddy Current Testing)が実施される。検査の手順は、ECTセンサを空気銃で管内奥に一旦挿入した後、ケーブルを巻き取りながら走査し、ECTセンサからの信号を各位置で測定するというものである。
ECTセンサは、励磁コイルと検出コイルで構成され、励磁コイルによる渦電流の変化を検出コイルにより電圧信号として検知する。これにより、伝熱管の内面或いは外面に発生した割れを検出できるが、実機検査では不要な信号(ノイズ)も同時に観測される。例えば、センサに対して近距離に位置するノイズ源として伝熱管内面の腐食/付着物や拡管による形状変化があり、遠距離に位置するノイズ源としては外周に設置された支持板や管板がある。
ここで、伝熱管の内面に腐食が存在する条件下で、外面割れを検出する方法として、2つの励磁周波数での測定波形を差分処理してノイズを抑制する多重周波数法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−17354号公報
しかしながら、特許文献1記載のものでは、一つのノイズに対してしか有効でなく、近距離側ノイズ(拡管ノイズ)と遠距離側ノイズ(管板ノイズ)の2つのノイズ源の存在する伝熱管拡管部のような部位では、一方のノイズに対しては低減できないため、伝熱管の割れ信号を検出できないものである。
本発明の目的は、伝熱管拡管部検査のように、センサに対して近距離側と遠距離側にノイズ源を有し、その中間距離の間を検査範囲とする場合に、近距離側と遠距離側のノイズ源による影響を低減して、割れ信号を検出できる渦電流探傷方法および渦電流探傷装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、管の内部に渦電流探傷センサを挿入し、前記渦電流探傷センサの励磁コイルに励磁電圧を供給し、前記渦電流探傷センサの検出コイルから検出された誘起電圧から前記管の傷を検出する渦電流探傷方法であって、前記渦電流探傷センサの位置に対して、近距離側のノイズ源と遠距離側のノイズ源を有し、その中間位置を検査範囲とし、前記渦電流探傷センサとして、円筒形状であり、その側面に2つの励磁コイルと少なくとも1つの検出コイルとが配置され、前記検出コイルの巻き線に沿う方向が前記渦電流探傷センサの周方向となるように配置されたものを用い、前記渦電流探傷センサに対して、前記遠距離側のノイズ源を無視可能な振幅まで低減した第1励磁周波数f1と、第1励磁周波数f1より周波数の高い第2励磁周波数f2を印加し、前記第1励磁周波数f1は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最大付近となり、前記第2励磁周波数f2は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最小付近となるように設定され、前記検出コイルで検出された誘起電圧から、前記近距離側のノイズ源による影響が除去できるように第2励磁周波数f2の測定波形の位相とゲインを調整した上で、第1励磁周波数f1と第2励磁周波数f2の差分波形を観測するようにしたものである。
かかる方法により、伝熱管拡管部検査のように、センサに対して近距離側と遠距離側にノイズ源を有し、その中間距離の間を検査範囲とする場合に、近距離側と遠距離側のノイズ源による影響を低減して、割れ信号を検出できるものとなる。
)上記目的を達成するために、本発明は、管の内部に渦電流探傷センサを挿入し、前記渦電流探傷センサの励磁コイルに励磁電圧を供給し、前記渦電流探傷センサの検出コイルから検出された誘起電圧から前記管の傷を検出する渦電流探傷装置であって、前記渦電流探傷センサは、円筒形状であり、その側面に2つの励磁コイルと少なくとも1つの検出コイルとが配置され、前記検出コイルの巻き線に沿う方向が前記渦電流探傷センサの周方向となるように配置されたものであり、前記渦電流探傷センサに対して、遠距離側のノイズ源を無視可能な振幅まで低減した第1励磁周波数f1と、第1励磁周波数f1より周波数の高い第2励磁周波数f2を印加し、前記第1励磁周波数f1は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最大付近となり、前記第2励磁周波数f2は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最小付近となるように設定されるとともに、前記検出コイルで検出された誘起電圧から、近距離側のノイズ源による影響が除去できるように第2励磁周波数f2の測定波形の位相とゲインを調整した上で、第1励磁周波数f1と第2励磁周波数f2の差分を算出する渦電流探傷器を備えるようにしたものである。
かかる構成により、伝熱管拡管部検査のように、センサに対して近距離側と遠距離側にノイズ源を有し、その中間距離の間を検査範囲とする場合に、近距離側と遠距離側のノイズ源による影響を低減して、割れ信号を検出できるものとなる。
)上記(2)において、好ましくは、前記渦電流探傷センサは、前記励磁コイル及び前記検出コイルの径方向位置を固定する台座と、軸方向及び周方向位置を調整する押さえ機構と、管内表面に対する位置を調整する中心軸調整機構とを備え、前記励磁コイル及び前記検出コイルの配置をガイドするようにしたものである。
本発明によれば、伝熱管拡管部検査のように、センサに対して近距離側と遠距離側にノイズ源を有し、その中間距離の間を検査範囲とする場合に、近距離側と遠距離側のノイズ源による影響を低減して、割れ信号を検出できるものとなる。
以下、図1〜図10を用いて、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷システムの構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷システムの構成及び動作について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷システムの構成を示すブロック図である。
渦電流探傷システムは、渦電流探傷センサ14の位置制御駆動系と探傷制御系に大別できる。渦電流探傷センサ14の位置制御系は、渦電流探傷センサ14を装着した巻き取り機12を位置制御回路11を介してコンピュータ10で制御するものである。渦電流探傷センサ14は、空気銃で伝熱管の内部に挿入された後、巻き取り機12でケーブルを巻き取る。ここで、巻き取り機12,位置制御回路11及びコンピュータ10は、従来から用いられているものである。
渦電流探傷センサ14の探傷制御系は、渦電流探傷センサ14と渦電流探傷器13が電気的に接続されており、コンピュータ10により制御される。渦電流探傷器13及び上記制御系の状態は、モニタ9で監視され、変更/操作が可能である。
次に、位置制御駆動系の電気的及び機械的な接続関係について説明する。渦電流探傷センサ14は、ケーブルを介して巻き取り機12につながっている。巻き取り機12は、位置制御回路11と電気的に接続されている。位置制御回路11は、コンピュータ10と接続されている。コンピュータ10は、モニタ9と接続されている。探傷制御系では、渦電流探傷センサ14の外部入出力端子が渦電流探傷器13と接続されている。渦電流探傷器13は、コンピュータ10と接続されている。
次に、渦電流探傷システムの動作について説明する。全ての制御は、モニタ9で状態を監視して、コンピュータ10で設定を変更する。位置制御回路11において、コンピュータ10の設定情報(移動距離と移動速度等)が位置制御回路11に送信され、その情報をもとに巻き取り機12に電力が送られ、巻き取り機12により渦電流探傷センサ14が目的の位置に移動する。探傷制御系において、コンピュータ10での設定情報(送信周波数や電圧等)が渦電流探傷器13に送信される。渦電流探傷器13から渦電流探傷センサ14の励磁コイル1の入力側に設定周波数の交流電圧が印加される。渦電流探傷センサ14の検出コイル2の出力側の信号(誘起)電圧は、渦電流探傷器13に送られる。渦電流探傷器13内で、信号電圧は励磁電圧に対して同相(X)成分と異相(Y)成分を有するECT信号に変換される。そのECT信号はコンピュータ10に送信され、モニタ9で観測される。
次に、図2〜図4を用いて、本実施形態による渦電流探傷装置に用いる渦電流探傷センサ14の構成及び動作について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置に用いる渦電流探傷センサの構成を示す平面図である。図3は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置に用いる渦電流探傷センサの励磁コイルの構成を示す3面図である。図4は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置に用いる渦電流探傷センサの検出コイルの構成を示す3面図である。
図2に示すように、渦電流探傷センサ14は、2個の励磁コイル1A,1Bと、1個の検出コイル2とから構成される。励磁コイル1A,1Bは同じ構成であり、それぞれ、図3に示すように、φ0.05の導線をトラック形状に巻き、その巻数は200である。なお、図3において、符号20は、コイル軸を示している。半円弧の曲率半径は1mmで、直線の長さは4mmである。2つの励磁コイル1A,1Bはコイル中央から8mmの間隔をもって直線部分が対向するように配置される。励磁コイル1Aと励磁コイル1Bの間の中央点に検出コイル2が配置される。検出コイル2は、図4に示すように、φ0.04の導線を矩形状に巻き、その巻数は400である。
ここで、2個の励磁コイルと、1個の検出コイルとからなる渦電流探傷センサについては、本願発明者らが、先に、特開2007−263946号公報として提案しているものである。特開2007−263946号公報に記載のように、2つの励磁コイルで管軸方向に渦電流を発生させ、検出コイルで管周方向の渦電流成分のみを検出するセンサにより、伝熱管拡管部のノイズを低減する方法を提案している。このセンサでは、局所的な割れのエッジを検出する一方で、管全周に存在する拡管と管板によるノイズを抑制することができる。
しかしながら、特開2007−263946号公報に記載のものでは、拡管や管板に対してコイル配置が非対称になると、ノイズが発生するようになる。例えば、管内でのセンサ位置によって管内表面に対する2つの励磁コイルの距離(リフトオフ)が異なる場合やセンサ内のコイル配置自体に位置ずれがある場合が考えられる。実機検査ではセンサ位置を精度良く制御できない場合には、拡管ノイズと管板ノイズを十分に抑制できない場合が生じる。
このような問題を解決するために、本実施形態では、励磁コイル1A,1Bと検出コイル2は、樹脂製のコイル台座22の上に配置され、コイル押さえ23で配置が固定されている。このようなガイド機構より、渦電流探傷センサ14の内部でのコイル位置の配置誤差を低減している。
また、渦電流探傷センサ14には、中心軸調整機構21が設置されて、管内の中心に渦電流探傷センサ14が位置するように調整される。励磁コイル1A,1Bおよび検出コイル2の末端は、ケーブル24A内のリード線と直接結線され、渦電流探傷器13と電気的に接続されている。
また、ケーブル24Bには、渦電流探傷センサ14と同一構成の、もう一つの渦電流探傷センサが接続され、この渦電流探傷センサも、ケーブル24Bの内部のリード線と結線され、ケーブル24Aの内部のリード線を介して、渦電流探傷器13と電気的に接続されている。図2に示す例において、励磁コイル1Aと励磁コイル1Bの間の領域は不感帯となる。そのため、ケーブル24Bに接続されるもう一つの渦電流探傷センサにおいては、2個の励磁コイルの位置が、図2に示したものに対して、中心軸に対して例えば45度回転された位置となるように配置されている。
次に、図5及び図6を用いて、本実施形態による渦電流探傷装置により、伝熱管拡管部の検査で観測される信号及びノイズについて説明する。
図5及び図6は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置により、伝熱管拡管部の検査で観測される信号及びノイズの説明図である。
図5は、信号34と、ノイズ31,32,33を示すリサージュ波形である。渦電流探傷器13の発信器から渦電流探傷センサ14に出力されるリファレンス信号と、渦電流探傷センサ14により検出される検出信号とによって、リサージュ波形が得られる。
ノイズには、走査ノイズ31,管板ノイズ32,拡管ノイズ33がある。これらの全てのノイズに対して、リサージュ波形を得るため、リファレンス信号の周波数としては、全てのノイズに対して感度のある、例えば、25kHzの信号を用いる。ここで、走査ノイズ31は、渦電流探傷センサ14を管内で走査したときに、管内表面と渦電流探傷センサの距離が僅かに変化することにより発生するノイズである。
図5では、走査ノイズ31がX成分に含まれるように表示している。信号34は伝熱管外面から肉厚の20%深さの割れを想定したものである。その場合、信号34は、Y成分に含まれており、割れの有無の評価にY成分の波形を利用する。Y成分には、管板ノイズ32と拡管ノイズ33も同時に含まれている。
図6は、図5に示したリサージュ波形の内、Y成分に関して、それぞれの最大最小値の差を振幅として、管板ノイズ32、拡管ノイズ33、信号34の周波数特性を示したものである。なお、図6に示した周波数特性は、図2に示した2個の励磁コイルと1個の検出コイルから成る渦電流探傷センサ14によって得られるものである。ただし、特開2007−263946号公報に記載の発明の出願時においては、この周波数特性には着目してないものである。
図6に示すように、管板ノイズ32は、渦電流探傷センサ14に対して遠距離側にあるため、励磁周波数を高くすることでゼロ振幅に漸近的に減衰する。ここで、励磁コイル1A,1B及び検出コイル2の配置精度が悪いと管板ノイズ32はゼロ振幅まで減衰しないため、コイル台座22やコイル押さえ23による配置精度が求められる。一方、割れ信号34は、一旦増加して最大となった後、振幅ゼロに漸近するように減少する。
ここで、遠距離側のノイズが無視できる程度に減少した周波数をfaとし、割れ信号の存在する周波数をfb(仮に最大値の場合)とすると、特許文献1に記載のような一般的なセンサではfa>fbとなる。
一方、特開2007−263946号公報や図2に記載のようなセンサの構造によれば、fa<fbの条件が満たされる。すなわち、fa<fbの条件下では、近距離側のノイズ源に対して割れ信号を検出する多重周波数法に帰着して処理することができる。
そこで、本実施形態では、センサに対して近距離側と遠距離側にノイズ源を有し、その中間距離の間を検査範囲とし、周波数特性としてfa<fbを満たすセンサを条件として、多重周波数法を適用するようにしている。
本実施形態では、遠距離側のノイズ源の管板ノイズ32による影響が無視できる程度に減衰する励磁周波数f1による波形と、周波数f1より高い励磁周波数f2(>f1)による波形を測定し、近距離側のノイズ源の拡管ノイズによる影響が除去できるように、周波数f2の検出信号の位相とゲインを調整し、周波数f1と周波数f2の2つの波形の差分処理を実施する。
ここで、周波数f1は、信号34の振幅が最大となる付近の周波数とする。図6に示した例では、周波数f1は、例えば、70kHzである。また、周波数f2は、信号34の振幅が最小となる付近の周波数とする。図7に示した例では、周波数f1は、例えば、150kHzである。このように周波数f1,f2を選択した上で、差分処理を施すと、信号34に対する感度を大きくすることができる。
一方、図6に示すように、周波数f1における拡管ノイズ33の振幅と、周波数f2における拡管ノイズ33の振幅とは異なっている。そこで、周波数f2に対する検出信号のゲインGを調整することで、周波数f1における拡管ノイズ33の振幅と、周波数f2における拡管ノイズ33の振幅とを同じにして、差分処理をすることで、拡管ノイズ33の振幅に関する分は除去できる。
また、図示はしてないが、周波数f1における拡管ノイズ33の位相と、周波数f2における拡管ノイズ33の位相とは異なっている。そこで、周波数f2に対する検出信号の位相θを調整することで、周波数f1における拡管ノイズ33の位相と、周波数f2における拡管ノイズ33の位相とを同じにして、差分処理をすることで、拡管ノイズ33の位相に関する分は除去できる。
次に、図7を用いて、本実施形態による渦電流探傷装置の渦電流探傷器13の内部処理について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置の渦電流探傷器の内部処理を説明するためのブロック図である。
渦電流探傷器13では、励磁周波数f1と励磁周波数f2のECT信号(f1信号とf2信号)が取り扱われる。f1信号は直接差分回路17に入力され、f2信号は位相回転回路15とゲイン調整回路16を介して差分回路17に入力される。位相回転回路15とゲイン調整回路16で、f1信号の拡管ノイズを除去できるように、f2信号の波形を調整する。差分回路17からの出力は、信号34のみで、モニタ9により観測される。
位相,ゲインの調整にあたっては、予め、割れのない拡管部を有する伝熱管の模擬試験体を用意する。周波数f1と周波数f2の励磁電圧を渦電流探傷センサ14に印加し、模擬試験体に対するECT信号を検出する。
検出されたECT信号は、渦電流探傷器委13,コンピュータ10を介して、モニタ9に表示される。そして、モニタ9に表示された信号が最小となるように、図7に示したゲイン調整回路16によりf2信号のゲインを調整する。信号が最小となった後、次に、図7に示した位相回転回路15によりf2信号の位相を調整して、信号が零とする。これにより、拡管ノイズ33が除去できるように、ゲイン、位相の調整が終了する。
次に、図8〜図10を用いて、本実施形態による渦電流探傷装置による測定結果について説明する。
図8は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置の試験のために用いられる模擬試験体の構造を示す断面斜視図である。図9は、従来の渦電流探傷装置による測定結果の説明図である。図10は、本発明の一実施形態による渦電流探傷装置による測定結果の説明図である。
図8は、本実施形態による渦電流探傷装置による測定のために用意した伝熱管5の模擬試験体を示している。外径φ15.9mmで肉厚2.3mmのSUS316の母材に、外面より模擬の周方向割れ4がある。割れ4の深さは0.46mmである。伝熱管5の一部に拡管6を形成し、伝熱管5の外周には、磁性材の管板3を密着させている。
そして、伝熱管5の内部に渦電流探傷センサ14を挿入し、巻き取り機によりケーブルを巻き取ることで、渦電流探傷センサ14を走査し、ECT信号観測した。
図9は、特開2007−263946号公報に示したセンサを用いて、1つの周波数(f=70KHz)だけを用いた従来方法でのECT信号を示している。図9では、周方向割れ4からの信号34に加えて、拡管7からのノイズ33が大きく観測されている。
図10は、本実施形態による渦電流探傷装置による測定結果を示している。ここでは、f1=70KHzとf2=150KHzのECT信号を差分処理した波形を示している。図10では、図9にて検出された拡管ノイズ33は抑制され、局所的な周方向割れ4が信号34として検出されている。また、管板3からのノイズは検出されてない。
本実施形態の同時励磁手法は、従来のマルチ探傷プローブにおいてノイズ等の課題から難しいと考えられていた原子力プラントに備えられた熱交換器の伝熱管拡管部の検査で利用できる可能性が高いものである。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝熱管拡管部検査のように、センサに対して近距離側と遠距離側にノイズ源を有し、その中間距離の間を検査範囲とする場合でも、近距離側と遠距離側のノイズ源による影響を抑制し、割れ信号が検出可能になる。
本発明の一実施形態による渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置に用いる渦電流探傷センサの構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置に用いる渦電流探傷センサの励磁コイルの構成を示す3面図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置に用いる渦電流探傷センサの検出コイルの構成を示す3面図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置により、伝熱管拡管部の検査で観測される信号及びノイズの説明図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置により、伝熱管拡管部の検査で観測される信号及びノイズの説明図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置の渦電流探傷器の内部処理を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置の試験のために用いられる模擬試験体の構造を示す断面斜視図である。 従来の渦電流探傷装置による測定結果の説明図である。 本発明の一実施形態による渦電流探傷装置による測定結果の説明図である。
符号の説明
1A,1B…励磁コイル
2…検出コイル
3…管板
4…外面周方向割れ
5…伝熱管
6…拡管
9…モニタ
10…コンピュータ
11…位置制御回路
12…巻き取り機
13…渦電流探傷器
14…渦電流探傷センサ
15…位相回転回路
16…ゲイン調整回路
17…差分回路
20…コイル軸
21…中心軸調整機構
22…コイル台座
23…コイル押さえ
24…ケーブル
31…走査ノイズ
32…管板ノイズ
33…拡管ノイズ
34…信号

Claims (3)

  1. 管の内部に渦電流探傷センサを挿入し、前記渦電流探傷センサの励磁コイルに励磁電圧を供給し、前記渦電流探傷センサの検出コイルから検出された誘起電圧から前記管の傷を検出する渦電流探傷方法であって、
    前記渦電流探傷センサの位置に対して、近距離側のノイズ源と遠距離側のノイズ源を有し、その中間位置を検査範囲とし、
    前記渦電流探傷センサとして、円筒形状であり、その側面に2つの励磁コイルと少なくとも1つの検出コイルとが配置され、前記検出コイルの巻き線に沿う方向が前記渦電流探傷センサの周方向となるように配置されたものを用い、
    前記渦電流探傷センサに対して、前記遠距離側のノイズ源を無視可能な振幅まで低減した第1励磁周波数f1と、第1励磁周波数f1より周波数の高い第2励磁周波数f2を印加し、
    前記第1励磁周波数f1は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最大付近となり、
    前記第2励磁周波数f2は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最小付近となるように設定され、
    前記検出コイルで検出された誘起電圧から、前記近距離側のノイズ源による影響が除去できるように第2励磁周波数f2の測定波形の位相とゲインを調整した上で、第1励磁周波数f1と第2励磁周波数f2の差分波形を観測することを特徴とする渦電流探傷方法。
  2. 管の内部に渦電流探傷センサを挿入し、前記渦電流探傷センサの励磁コイルに励磁電圧を供給し、前記渦電流探傷センサの検出コイルから検出された誘起電圧から前記管の傷を検出する渦電流探傷装置であって、
    前記渦電流探傷センサは、円筒形状であり、その側面に2つの励磁コイルと少なくとも1つの検出コイルとが配置され、前記検出コイルの巻き線に沿う方向が前記渦電流探傷センサの周方向となるように配置されたものであり、
    前記渦電流探傷センサに対して、遠距離側のノイズ源を無視可能な振幅まで低減した第1励磁周波数f1と、第1励磁周波数f1より周波数の高い第2励磁周波数f2を印加し、前記第1励磁周波数f1は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最大付近となり、前記第2励磁周波数f2は、前記管の傷に対して前記検出コイルで検出された誘起電圧が最小付近となるように設定されるとともに、前記検出コイルで検出された誘起電圧から、近距離側のノイズ源による影響が除去できるように第2励磁周波数f2の測定波形の位相とゲインを調整した上で、第1励磁周波数f1と第2励磁周波数f2の差分を算出する渦電流探傷器を備えることを特徴とする渦電流探傷装置。
  3. 請求項記載の渦電流探傷装置において、
    前記渦電流探傷センサは、
    前記励磁コイル及び前記検出コイルの径方向位置を固定する台座と、
    軸方向及び周方向位置を調整する押さえ機構と、
    管内表面に対する位置を調整する中心軸調整機構とを備え、
    前記励磁コイル及び前記検出コイルの配置をガイドすることを特徴とする渦電流探傷装置。
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