JP5144521B2 - 少なくとも2つの流体に基づいて飲料を調製するプロセスにおける使用のための飲料作成ユニット - Google Patents

少なくとも2つの流体に基づいて飲料を調製するプロセスにおける使用のための飲料作成ユニット Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は飲料を調製する方法に関する。具体的には、本発明は、少なくとも2つの流体に基づいて飲料を調製するための方法、例えば、牛乳及び蒸気に基づいて熱い牛乳を調製するための方法、或いは、シロップ及び水に基づいてジュースを調製するための方法に関する。従来技術において、そのような方法は既知であり、第一流体を包含する主流と、第二流体を包含する少なくとも1つの副流とを提供するステップと、第二流体を包含する副流を第一流体を包含する主流に合流させるステップとを含む。
【背景技術】
【0002】
EP0858757A1号は、上述の方法に従って牛乳及び蒸気に基づき熱い牛乳を調製するよう構成される装置を示している。装置は、真空室と、真空室内に開放する牛乳送りパイプとを含み、それは装置の動作中に牛乳を供給する働きをする。さらに、装置は、絞り端部分を通じて、同様に真空室内に開放する蒸気パイプを含む。装置の動作中、ベンチュリ原理として既知の原理に基づき、蒸気の流れの影響下で、牛乳の流れが得られる。手短に言うと、このベンチュリ原理によれば、流体は、絞りを通じて他の流体を連続的に伝え且つこの流体を室に供給することによって得られる局所的な下圧の影響下で室内に吸引される。この装置内にベンチュリ原理を適用する有利な結果は、牛乳の移動を引き起こすために別個のポンプを適用する必要がないことである。
【0003】
装置の真空室内では、牛乳及び蒸気が合流される。プロセス中、蒸気は牛乳中で凝縮し、その結果として、牛乳は加熱される。真空室に供給される蒸気の量は、牛乳を所定温度に加熱し得るように選択され、それは牛乳の沸点に近くあり得る。蒸気が装置から逃げるのを防止するために、全ての蒸気が牛乳中に凝縮することが必要である。
【0004】
EP0858757A1号から既知の装置並びに類似の設計を有する装置と関連する問題は、供給される蒸気の影響下で牛乳の局所的な沸騰が起こることであり、その結果として、牛乳に対する蒸気のポンピング作用が減少されることである
【0005】
EP1312292A1号も、牛乳に蒸気を供給することによって熱い牛乳を調製し得る装置を示している。装置のダクト系は、蒸気を供給するための2つのダクトを含み、これらのダクトは、牛乳の供給に達する前に結合される。故に、EP1312292A1号から既知の装置では、蒸気が記載されるように両方のダクトを通じて供給されるときに、蒸気の両方の流れは、共通の位置で牛乳の流れに触れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
牛乳の局所的な沸騰並びに牛乳に対する蒸気のポンピング作用の減少の上述の問題を解決することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、少なくとも第一流体及び第二流体に基づき飲料を調製するための方法であ、第一流体を含む主流と第二流体を含む第一副流と、第二流体を含む少なくとも1つの追加的な副流とを提供するステップと、第二流体を含む第一副流を第一流体を含む主流に合流させるステップと副流を含む少なくとも1つの追加的な副流を第一流体を含む主流に合流させるステップとを含む方法であって、第二流体を含む副流は、主流に沿う異なる位置で第一流体を含む前記主流に合流することを特徴とする方法によって達成される。
【0008】
本発明によれば、第二流体を含む少なくとも2つの流れが、第一流体を含む流れに供給され、第二流体を含む流れは、その流れに沿う異なる位置で、第一流体を含む流れに結合される。例えば、第二流体が2つの副流、即ち、第一副流及び第二副流に供給される場合には、第二流体を含む第二副流は、第二流体を含む第一副流が第一流体を含む主流に合流する位置に対して下流の位置で、第一流体を含む主流に合流する。このようにして、第二流体が、第一流体をその沸点に近い温度まで加熱する目的のために使用される場合には、第一流体の局所的な沸騰が防止される。何故ならば、第一流体を所定温度に置く目的のために必要とされる第二流体の総量は、少なくとも2つの別々の地点で供給されるからである。さらに、第一流体を所定温度のより均質な加熱が実現される。
【0009】
本発明に従った方法の適用の他の利点は、第一流体及び第二流体が混合される程度が増大されることである。第二流体は、その流れに沿う幾つかの異なる位置で、第一流体を含む流れに供給されるので、第二流体は、より均一な方法で、第一流体を含む流れに供給される。これは、第二流体を含む副流が、異なる場所で、例えば、異なる側で、第一流体を含む流れに合流する場合になおさら当て嵌まり、それは本発明の範囲内で実現可能な選択肢である
【0010】
本発明に従った方法が適用される場合には、即ち、第一流体を含む主流及びだに流体を含む副流の少なくとも1つに空気を入れることによって、調製される飲料内に泡を得ることも可能である。
【0011】
原理的には、本発明に従った方法は、飲料を調製する目的のために2つの流体が結合される如何なる状況にも適用可能である。流体のうちの1つは他の流体を動作状態に置くためのポンピング流体としても使用されることが可能であり、これは如何なる適切な方法でも実現され得る。例えば、ポンピング作用は、ベンチュリ原理に基づいて得られ、それに従って、第一流体は、絞りを通じて第二流体を連続的に伝え且つこの第二流体を室に供給することによって得られる局所的な下圧(underpressure)の影響下で、室内に吸引され得る。しかしながら、ポンピング作用は、他の原理、具体的には、放出(ejection)原理として既知の原理に基づいても得られ、それに従って、第一流体の流れが、第二流体の流れから第一流体への運動量の移動を許容することによって得られる局所的な下圧の影響下で生成される。ポンピング作用が、ベンチュリ原理及び放出原理の組み合わせに基づいて得られることも可能である。
【0012】
具体的には、放出原理が本発明に従った方法に適用されるときには、第一流体を含む主流が、局所的な下圧を創成することによる第二流体を含む副流の少なくとも1つの影響下で生成され、この局所的な下圧は、第二流体を含む副流から第一流体を含む主流への運動量の移動を許容することによって得られる。さもなければ、ベンチュリ原理が本発明に従った方法に適用されるときには、第一流体を含む主流は、局所的な下圧を創成することによる第二流体を含む副流の少なくとも1つの影響下で生成され、この局所的な下圧は、この流れを第一流体を含む主流に合流させる前に、第二流体を含む副流を制限することによって得られる。
【0013】
本発明に従った方法を実施する実用的な実現化において、ダクト系が提供され、述べられたような流れはダクト系のダクト内で起こる。本発明は、そのようなダクト系を含む飲料作成ユニットにも関し、飲料作成ユニットは、飲料作成機における使用に適している。ダクトは管であり得るが、適切な素子の表面内の凹部であってもよく、例えば、それはフォイルシート又は他の適切な被覆手段によって覆われる。
【0014】
具体的な実施態様において、ダクト系は、主ダクトと、主ダクトの長手軸に沿う異なる位置で、主ダクトに合流する少なくとも2つの副ダクトとを含む。ダクト系が本発明に従った方法が起こる適切な環境を提供するという事実に鑑みれば、主ダクトは、第一流体を含む主流を伝える働きをし、副ダクトは第二流体を含む副流を伝える働きをする。有利に、副ダクトは、主ダクトの異なる側で主ダクトに合流する。
【0015】
好ましくは、ダクト系のダクトは、第二流体を含む副流の少なくとも1つが第一流体を含む主流に対してポンピング作用を遂行することができるような構造とされている。そのようなポンピング作用を放出原理に基づいて起こさせるよう構成されるダクト系では、少なくとも1つの副ダクトの長手軸は、副ダクトが主ダクトに合流する位置で主ダクトの長手軸に対して90°よりも小さい角度で延び、この位置とダクト系の出口との間に延在する主ダクトの部分は、その長さに亘って一定な断面積を有する。さもなければ、ポンピング作用をベンチュリ原理に基づいて起こさせるよう構成されるダクト系では、少なくとも1つの副流の端部分は制限され、そこを通じて、この副ダクトは主ダクトに接続され、この副ダクトが合流する主ダクトの部分は拡径される。
【0016】
本発明に従った方法の実現可能な用途は、熱い牛乳を調製する目的のための用途である。好ましくは、そのような用途のために、第一流体は牛乳を含み、第二流体は蒸気を含む。原理的には、第一流体が牛乳以外の他の液体を含むことも可能である。液体を加熱する目的のために、第二流体は必ずしも蒸気を含む必要はない。例えば、第二流体は熱湯を含むことも可能である。
【0017】
特に、第一流体が牛乳のような液体を含み、第二流体が蒸気を含む場合には、副ダクトの断面積が主ダクトの断面積よりも小さいならば好ましい。何故ならば、そのようにして、良好なポンピングが得られるからである。
【0018】
直列に配置される本発明に従った2つ又はそれよりも多くの飲料作成ユニットを適用することが可能である。
【0019】
主ダクト及び主ダクトに合流する副ダクトの他に、本発明に従った飲料作成ユニットのダクト系は、少なくとも2つの副ダクトに接続される少なくとも1つの供給ダクトを含み得る。飲料作成ユニットの動作中、供給ダクトは、流体を運び且つこの流体をそれに接続される全ての副ダクトに供給する働きをする。このようにして、供給ダクトの適用は、同一の流体を備える少なくとも2つの副ダクトを提供するプロセスを容易化する。
【0020】
好ましくは、本発明に従った飲料作成ユニット、即ち、少なくとも2つの流体を運び且つ本発明に従った方法に従った方法で流体を結合するよう構成されるダクト系を有する飲料作成ユニットは、飲料作成機における使用のための使い捨てカートリッジの一部である。
【0021】
一般的には、使い捨てカートリッジは、1回の使用又は限定的な回数の使用の後に使用者によって捨て去られることが意図される。さらに、使い捨てカートリッジは、飲料作成機の固定的に配置された素子に接続されるよう構成される。具体的には、使い捨てカートリッジの飲料作成ユニットの入口は、所要の流体を供給するために飲料作成機内のダクトに接続可能である。
【0022】
使い捨てカートリッジの適用の重要な利点は、飲料作成機の内部が汚染されないようにすることが可能であることであり、飲料作成機が使用される度に、使用者が飲料作成機の内部を洗浄する必要はない。使い捨てカートリッジの適用の他の利点は、使い捨てカートリッジが使用し易いという事実に関連する。具体的には、使い捨てカートリッジが適用されるときには、飲料を作成するプロセスの準備は、カートリッジを飲料作成機内に配置するステップのみを含む。さらに、使用者が飲料の1つ又はそれよりも多くの材料を投与する必要はない。何故ならば、使い捨てカートリッジは、これらの材料の正しい量を含み得るからである。使い捨てカートリッジの適用のさらに他の利点は、飲料作成機の動作の高次の信頼性が達成されることである。何故ならば、飲料作成ユニットの汚染に起因する飲料作成機の誤作動は起こらないからである。
【0023】
有利に、本発明に従った飲料作成ユニットを含む使い捨てカートリッジが液体及び蒸気に基づき熱い液体を調製する目的のために使用されるのに適する場合には、カートリッジは、飲料作成ユニットのダクト系に蒸気を入れるための少なくとも2つの入口を含む。それはカートリッジが蒸気を入れるために1つだけの入口を有し得るという事実を変更せず、1つの入口ダクトは、蒸気が依然として異なる位置で液体に供給され得るよう、カートリッジ内部で少なくとも2つのダクトに分岐する。
【0024】
実現可能な実施態様において、使い捨てカートリッジは、液体を含む少なくとも1つの貯槽を含む。本発明の範囲内で、この貯槽は再充填可能である。そのような場合には、カートリッジは数回使用され得る。しかしながら、使い捨てカートリッジが単一使用のためにのみ意図される場合には、再充填可能であるべき貯槽の必要はない。
【0025】
本発明は飲料作成機にも関する。
【0026】
第一の選択肢によれば、少なくとも第一流体及び第二流体を運び、且つ、2つの位置で或いはより多くの位置でさえ第二流体を第一流体を含む流れに供給するよう構成されるダクト系を含む、前に記載されたような飲料作成ユニットは、飲料作成機の一体的な部分である。料作成機は、流体を供給するための手段を含み、これらの手段は飲料作成ユニットのダクト系の少なくとも2つの入口に接続される。そのような手段は、例えば、蒸気を供給するよう構成される蒸気生成器を含む。
【0027】
第二の選択肢によれば、飲料作成機は、前に記載されたような使い捨てカートリッジを受容するための空間を含む。その場合には、飲料作成機は、蒸気生成器のような、流体を供給するための手段も含み得る。有利に、その場合には、これらの手段は、空間内でのカートリッジの受容直後に、使い捨てカートリッジの飲料作成ユニットのダクト系の少なくとも2つの入口に接続可能である。
【0028】
基本的には、本発明は、少なくとも第一流体及び第二流体に基づき飲料を調製するための方法であって、第一流体を含む主流と第二流体を含む第一副流とを提供するステップと、第二流体を含む第一副流を第一流体を含む主流に合流させるステップと、第二流体を含む少なくとも1つの追加的な副流を提供するステップと、副流を含む少なくとも1つの追加的な副流を第一流体を含む主流に合流させるステップとを含み、第二流体を含む副流は、主流に沿う異なる位置で第一流体を含む主流に合流する方法に関する。
【0029】
第二流体は、第一流体を第一流体の沸点に近い温度まで加熱するために使用され得る。その場合には、本発明に従って、第二流体が少なくとも2つの位置で第二流体に供給されるという事実の故に、局所的な沸騰が防止される。さらに、流体を混合するプロセスは少なくとも2つの段階で遂行されるので、本発明は比較的簡単且つ迅速な方法で流体の均質な混合を得る実用的な可能性を提供する。
【0030】
本発明に従った方法を実施する好適な方法では、第一流体をポンピングする目的のために、第二流体を含む副流の少なくとも1つが使用される。
【0031】
適用される流体は、液体、気体、又は、液体及び気体の組み合わせであり得る。流体が液体である場合には、固体粒子又はポリマが流体に加えられ得る。原理的には、適用される流体の数は制限されない。
【0032】
本発明は、今や図面を参照してより詳細に説明され、図面中、類似の部分は同一の参照記号によって表示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、飲料作成機における使用のための使い捨てカートリッジ10を概略的に示しており、本発明の第一好適実施態様に従った飲料作成ユニット1を含む。図示されるような使い捨てカートリッジ10は、1回の使用が意図されている、換言すれば、カートリッジ10を飲料を調製するプロセス中に一度使用することが可能なだけである。カートリッジ10が一度適用された後、それはもはや有用ではなく、捨て去られるのに適するだけである。
【0034】
図2は、使い捨てカートリッジ10と飲料作成機15の構成部品とを概略的に示しており、使い捨てカートリッジ10は飲料作成機15内に配置され、使い捨てカートリッジ10は飲料作成機15の構成部品に接続されている。図2中、飲料作成機15は、矩形の破線によって概ね表されている。
【0035】
飲料作成ユニット1の他に、使い捨てカートリッジ10は、液体、例えば、牛乳又はコーヒー抽出液を収容する貯槽20を含む。図示の実施例において、貯槽20は細長い封止されたパウチとして成形され、それは2つのフォイルシートを提供し且つこれらのフォイルシートをそれらの周辺に沿って相互接続することによって製造され得る。それは貯槽が他の適切な方法、例えば、使い捨てカートリッジの素子の表面内の凹部として実現され得るという事実を変更せず、凹部はフォイルシートによって覆われる。
【0036】
使い捨てカートリッジ10の飲料作成装置1は、ダクト系30を含む。図示されるような第一好適実施態様において、ダクト系30は、4つのダクトを含む。主ダクト31が、貯槽20の出口21と飲料作成ユニット1の出口41との間に延在している。以下において、貯槽20の出口21に接続される主ダクト31の端部は、ダクト系30の液体入口42と呼ばれる。図示の実施例において、主ダクト31は、その長さに亘って一定の断面積を有する直線ダクトとして成形されている。
【0037】
2つの副ダクト32,33は、ダクト系30の液体入口42と飲料作成ユニット1の出口41との間の位置で、主ダクト31に合流している。副ダクト32,33は、互いに対してある距離で配置され、副ダクト32,33は、主ダクト31の長手軸に沿う異なる位置で主ダクト31に合流している。具体的には、第一副ダクト32が主ダクト31に合流する位置は、第二副ダクト33が主ダクト31に合流する位置よりも、ダクト系30の液体入口42により近い。図示の実施例において、副ダクト32,33は、互いに対して実質的に平行に延在している。
【0038】
ダクト系30は、液体入口42と液体入口42に最も近い副ダクト32との間の位置で主ダクト31に合流する空気ダクト34を含む。図示の実施例において、主ダクト31に連結される空気ダクト34の部分34aは狭められている。
【0038】
実用的な可能性によれば、ダクト31−34は、使い捨てカートリッジ10の本体40内の凹部として形成される。凹部は、凹部の上側を閉塞するのに適切な手段(図示せず)によって覆われる。適切な閉塞手段の実施例は、フォイルシートである。ダクト31−34が流体を運び得る限り、ダクト31−34は必ずしも凹部及び閉塞手段を含む必要はないことが付記される。例えば、ダクト31−34は同様に管を含み得る。しかしながら、凹部と凹部を覆うためのフォイルシートとを有することが有利である。何故ならば、本体40が射出成形技法を使用することによって形成され得ることに鑑みれば、そのような構成の製造プロセスは、多数の管を組み立てるプロセスよりも容易であり得るからである。
【0040】
本発明の範囲内で、ダクト系30のダクト31−34の断面の形状は、如何なる適切な形状でもあり得る。例えば、断面は、円形、長方形、正方形、又は、六角形であり得る。円形断面の利点は、ダクト31−34の比較的低い流れ抵抗が得られることである。
【0041】
空気ダクト34は、主ダクト31に対して直角である。それは空気ダクト34と主ダクト31との間の角度が如何なる適切な値をも有し得るという事実を変更しない。貯槽20に連結される主ダクト31の部分と副ダクト32,33のそれぞれとの間の角度θは、90°よりも小さい。図示の実施例において、角度θは約30°である。
【0042】
使い捨てカートリッジ10は、熱い牛乳又はコーヒーのような熱い飲料を調製するために適用されるのに適している。実用的な可能性によれば、使い捨てカートリッジ10が適用される飲料を調製するプロセス中、熱い飲料は、蒸気を用いて貯槽20によって初期的に収容される液体を加熱することによって得られる。従って、使い捨てカートリッジ10を受容し且つ動作するための飲料作成機15は、蒸気生成器16を含む。図2には、使い捨てカートリッジ10が飲料作成機15内に配置されるときに、それぞれの副ダクト32,33が蒸気生成器16の蒸気ソケット17,18に接続されることを示している。以下において、使い捨てカートリッジ10が飲料作成機15内に配置されるときに蒸気生成器16の第一蒸気ソケット17に接続される第一副ダクト32の端部は、ダクト系30の第一蒸気入口43と呼ばれ、使い捨てカートリッジ10が飲料作成機15内に配置されるときに蒸気生成器16の第二蒸気ソケット18に接続される第二副ダクト33の端部は、ダクト系30の第二蒸気入口44と呼ばれる。
【0043】
さらに、図2には、飲料作成機15が弁19を含むこと、並びに、使い捨てカートリッジ10が飲料作成機15内の所定位置に置かれるときに、空気ダクト34が弁19に接続されることが示されている。弁19を動作することによって、飲料作成機15の使用者は、空気ダクト34を閉塞し、且つ、主ダクト31及び副ダクト32,33を使用することだけによって飲料作成機15に飲料を調製するプロセスを遂行させる可能性を有する。本発明の範囲内で、空気ダクト34が閉塞可能であることは必要ではない。さらに、使用者に空気ダクト34を閉塞する機会を与えるための弁19のような手段が設けられる場合には、そのような手段が飲料作成機15内に配置されることは必要ではない。代替的に、そのような手段は、使い捨てカートリッジ10内にも配置され得るが、カートリッジ10が単一の使用のみが意図されるという事実に観点からすると、これは好適な選択肢ではない。
【0044】
使い捨てカートリッジ10が提供される飲料を調製するプロセス中、空気ダクト34は、弁19が開放位置にある場合に主ダクト31に空気を入れるよう働く。以下では、使い捨てカートリッジ10が飲料作成機15内に配置されるときに弁19に接続される空気ダクト34の端部は、ダクト系30の空気入口45と呼ばれる。弁19が開放位置に置かれるときには、泡が得られるよう、空気が飲料に供給される。しかしながら、弁19が閉塞位置に置かれるときには、飲料内に泡の形成はない。故に、弁19を動作することによって、使用者は、発泡飲料を有するか否かを選択する可能性を有する。
【0045】
泡品質及び容量を改良するために、障害(図示せず)が適用され得る。それらは空気ダクト34への接続と飲料作成ユニット1の出口41との間に延在する主ダクト31の部分内に配置される。そのような障害を適用することによって、液体の泡が増大される。何故ならば、障害は流れ抵抗を増大し且つ/或いは幾分余分な撹拌を創成するからである。有利に、少なくともたすうの障害が、飲料作成ユニット1の出口41の周りの円内に配置される。
【0046】
以下には、使い捨てカートリッジ10及び飲料作成機15が適用される飲料を調製するプロセスが記載される。明瞭性のために、入って来る流れ及び出て行く流れの向きは、図面1及び2中に矢印を用いて表示される。
【0047】
飲料を調整するプロセスの準備は、使い捨てカートリッジ10を飲料作成機15内に配置するステップと、カートリッジ10の飲料作成ユニット1の出口41の下にカップ又は類似物のような受けを配置するステップとを含む。使い捨てカートリッジ10を飲料作成機15内の正しい場所に置くプロセスでは、飲料作成機15の蒸気生成器16の蒸気ソケット17,18とカートリッジ10の飲料作成ユニット1のダクト系30の蒸気入口43,44との間、並びに、飲料作成機15の弁19とダクト系30の空気入口45との間に接続を構築する。
【0048】
飲料を調製するプロセスが開始されるときには、液体が、主ダクト31の液体入口42を通じて、貯槽20から主ダクト31に流れることが許容されることが重要である。従って、適切な位置で貯槽20のフォイルを突き刺すために適切な手段(図示せず)が適用される。例えば、そのような手段は、移動可能に配置されるピンを含み得る。
【0049】
使用者によって提供される入力に依存して、弁19は開放位置又は閉塞位置にある。以下には、弁19が開放位置にある飲料を調製するためのプロセス、即ち、発泡飲料を調製するためのプロセスが記載される。
【0050】
飲料を調製する実際のプロセスは、液体が主ダクト31内に存在し且つ蒸気生成器16が動作されるとききに開始する。第一副ダクト32の他端部、第一副ダクト32が主ダクト31に合流する端部で、運動量(momentum)が蒸気の流れから液体に移動され、その結果として、局所的な下圧が得られる。この局所的な下圧の影響下で、液体は貯槽20から汲み出され、飲料作成ユニット1の出口41に向かって方向付けられる液体の流れが生成される。故に、第一副ダクト32を通じて供給される蒸気は、放出原理と呼ばれる原理に基づいて、液体に対してポンピング作用を遂行する。類似の方法で、蒸気は、第二蒸気入口44を通じて第二副ダクト33に進入し、この蒸気の流れも同様に液体に対するポンピング作用を遂行する。プロセス中、蒸気は液体内で凝縮するので、液体は加熱され、より多くの下圧が生成される。さらに、空気が、空気ダクト34を通じて主ダクト31内に吸引され、液体及び凝縮蒸気の流れ内に巻き込まれる。このようにして、熱い発泡飲料が得られ、それは出口41を通じて飲料作成ユニット1から出る。
【0051】
液体の得られる流速と蒸気の流速との間の比率は、主ダクト31の断面積と第一副ダクト32及び第二副ダクト33のそれぞれの断面積との間の比率に関連する。蒸気の所与の流速に関して、液体の得られる流速は、副ダクト32,33の断面積が主ダクト31の断面積に対して減少されるときに増大する。故に、副ダクト32,33の断面積が主ダクト31の断面積よりも小さい飲料作成ユニット1を有することが好適な選択肢である。
【0052】
本発明の範囲内で、液体の流れを局所的に制限する目的のための手段が適用されることが可能である。例えば、主ダクト31の一部が狭められ得るし、障害がこのダクト31内に配置され得る。このようにして、液体の流速を適合する可能性が得られる。本発明の範囲内で、液体の流れが局所的に制限される程度が調節可能であり得る。液体が蒸気によって加熱されるので、液体の流速を制御する可能性を有することが有利である。何故ならば、このようにして、液体及び蒸気に基づいて得られる混合物の結果として得られる温度を制御する可能性が創成される。一般的には、液体の流れに対する制限が増大するときに、混合物の結果として得られる温度は増大する。
【0053】
蒸気作成ユニット1の動作中、貯槽20から出口41へ液体をポンピングする目的のために蒸気が適用され、液体の流れは、蒸気の流れの影響下で得られる。ポンピング作用は2つの段階で遂行され、第一段階は、第一副ダクト32によって供給される蒸気の流れの影響下で、主ダクト31に対する第一副ダクト32の接合部で起こり、第二段階は、第二副ダクト33によって供給される蒸気の影響下で、主ダクト31に対する第二副ダクト33の接合部で起こる。加えて、液体中の蒸気の凝縮が起こり、その結果として、液体は加熱される。飲料作成機15の使用者によって増大される温度で飲料を得るために、液体は、液体の沸騰温度に近い温度まで加熱される。
【0054】
良好なポンピング作用を得るために、主ダクト31と副ダクト32,33のそれぞれとの間の角度θは90°よりも小さいことが重要である。角度θが90°である場合には、蒸気の流れは、主ダクト31内で液体の流れを実際的にもたらさない。何故ならば、その場合には、蒸気は、液体の運動が許容される方向、即ち、主ダクト31の長手軸が延びる方向に運動量を有さないからである。角度θが90°よりも大きい場合には、主ダクト31内の液体に対する蒸気の流れの影響は、液体を逆方向、即ち、貯槽20に向かう方向に流れさせるだけである。液体が牛乳であるときには、主ダクト31と副ダクト32,33のそれぞれとの間の角度θが約25°であるときに、飲料作成ユニット1の良好な性能が得られる。
【0055】
飲料作成機15の蒸気生成器16によって生成される蒸気を2つの部分で主ダクト31に供給することによって、液体中で蒸気の良好な分配が達成され、液体の局所的な沸騰が防止される。後者は重要である。何故ならば、局所的な沸騰が起こる場合には、飲料作成ユニット1のポンピング性能が減少されるからである。もし蒸気が1つの副ダクトを通じて1つ位置で供給されるならば、液体の局所的な沸騰は実際上不可避的である。何故ならば、供給される蒸気の量は、液体をその沸騰温度に近い温度まで加熱するのに十分であり、蒸気は全て一度液体を通じて均一に分配されないからである。蒸気を供給するために少なくとも2つのダクト32,33を適用することによって、液体の温度は漸進的に増大される。このようにして、液体の局所的な沸騰の如何なる危険性もなしに、液体をその沸騰温度に極めて近い温度におくことさえ可能である。さらに、ダクト系30からの蒸気の望ましくない逃げは発生しない。
【0056】
図示の実施例において、飲料作成ユニット1のダクト系30は、主ダクト31に蒸気を供給するために、2つの副ダクト32,33を含む。しかしながら、本発明の範囲内で、ダクト系30は、蒸気を供給するために、2つよりも多くの副ダクトを含み得る。例えば、ダクト系30は、4つの副ダクトを含み、副ダクトは、主ダクト31の長手軸に沿った異なる位置に配置され、副ダクトは、主ダクト31の反対側で主ダクト31に合流し得る。
【0057】
飲料作成機15の蒸気生成器16が2つの蒸気ソケット17,18を含むこと、並びに、ダクト系30が2つの蒸気入口43,44を含むことは必要ではない。蒸気生成器16が、1つだけの蒸気ソケットを含むこと、並びに、ダクト系が1つだけの蒸気入口を含むことも可能である。そのような場合には、蒸気入口に接続される1つの入口ダクトを有することが可能であり、そのような入口管は副ダクト32,33内に分岐し得る。
【0058】
図示の実施例において、蒸気は、液体をポンピングするために並びに液体を加熱するために使用される。液体を加熱するという唯一の目的のために蒸気が供給されることも可能である。例えば、蒸気は、主ダクト31に対する第二副ダクト33の接合部の下流で主ダクト31に供給され、それはポンピング作用に寄与しないが、それは得られる液体及び気体の混合物の温度を増大する。そうすることによって、ポンピング作用及び加熱機能別々に最適化され得る。
【0059】
一般的には、主ダクト31内の流体に供給され且つ主ダクト31内の流体を加熱し或いは冷却する機能を有する流体が、ポンピング作用が得られるような方法で、少なくとも1つの副流内に供給され得るし、ポンピング効果を全く有さない少なくとも1つの他の副流内に供給され得る。例えば、本発明の第一好適実施態様に従った飲料作成ユニット1のダクト系30において、主ダクト31内の流体の温度の増大のみをもたらす蒸気の供給が、主ダクト31に対して直角であるダクトを通じて蒸気の供給の形態で実現され得る。調製されるべき飲料の温度は、ダクト系30内で起こるポンピングプロセスに影響を及ぼすことなしに、1つ又はそれよりも多くのそのような追加的ダクトを使用することによって最適化され得る。
【0060】
空気ダクト34が弁19を用いて閉塞され得ることが既に付記された。泡のない熱い飲料を作成する目的のために適用されるのにだけ適した飲料作成ユニット1の代替的な実施態様において、空気ダクト34は完全に省略され得る。
【0061】
図示される弁19の代わりに、泡付き飲料と泡なし飲料との間の選択肢を使用者にもたらすために他の手段が提供されうる。例えば、空気入口45は標準として閉塞され得る。その場合には、飲料作成機15は、そうすることが望ましいならば、空気入口45を開口するための手段を含む。実用的な実施態様において、空気入口45は、フォイルによって閉塞され得る。その場合には、飲料作成機15は、フォイルを突き刺すために移動可能に配置されるピンのような手段を含む。
【0062】
使い捨てカートリッジ10が飲料を調製するプロセスにおいて使用されるべき液体を収容する貯槽20を備えることは必要ではない。飲料作成機15がそのような貯槽を含むことも可能であり、主ダクト31の液体入口42は貯槽に接続可能であり、主ダクト31と貯槽との間の開放連絡が、飲料作成機15内へのカートリッジ10の受容直後に構築され得る。さらに、液体を収容するカートンでさえあり得る外部貯槽が使用されること、並びに、主ダクト31を外部貯槽内の液体と連絡状態に置くためのホースが適用されることも可能である。
【0063】
原理的には、単一の1回の使用だけよりも多くの使用が意図されるカートリッジに適用されることが可能である。そのようなカートリッジは、図示の使い捨てカートリッジ10と同一の設計であり得る。カートリッジが貯槽20を含む場合には、この貯槽20は再充填可能であるよう配置されるし、或いは、この貯槽20は所定数の使用のために使用されるよう構成される量の液体を含み、その数は1つよりも多い。カートリッジが貯槽20を有さない場合には、カートリッジが捨て去られる前に、それが何回使用されるかを決定するのは使用者である。
【0064】
飲料作成機15は、使用者の選択に依存して、異なる量の飲料を供給するように配置され得る。例えば、使用者は、シングルの量の飲料又はダブルの量の飲料を有することを選択し得る。そのような場合には、使い捨てカートリッジ10がシングルの量の飲料を調製する目的のために二度或いはダブルの量の飲料を調製する目的のために一度使用されるのに適するよう、使い捨てカートリッジ10の貯槽20は、二重の量の液体を含み得る。
【0065】
蒸気生成器16に関して、飲料作成機15は、それ自体既知の任意の適切な方法で、水を収容するための再充填可能なタンクと、飲料作成機15の動作中に蒸気生成器16に水を供給するための水供給構造とを含み得る。蒸気生成器16が水幹線に接続されることも可能である。飲料作成ユニット1を適用することによって飲料を調製する目的のために使用される1つ又はそれよりも多くの流体が水を含む場合には、飲料作成ユニット1のダクト系30の関連する入口又は複数の入口も、水タンク又は水幹線に接続され得る。
【0066】
本発明の範囲内で、飲料を調製するプロセスにおいて使い捨てカートリッジ10を使用することは必要ではないが、飲料を調製するこの方法は重要な利点を有する。これらの利点の1つは、適用される液体及び得られる飲料が、使い捨てカートリッジ10の素子にのみ接触するので、飲料作成機15が汚染されないことである。液体が比較的迅速に悪くなり易い場合には特に重要であり、それは液体が、例えば、牛乳を含む場合である。
【0067】
飲料作成機15内に固定的に配置される飲料作成ユニット1を有することが可能である。そのような場合には、飲料作成機15は、液体を収容するための再充填可能な貯槽を含み得る。他の可能性によれば、飲料作成ユニット1を外部貯槽内の液体と連絡状態に置くためのホースのような適切な手段が提供される。飲料作成機15は、液体を収容する使い捨て貯槽を受容するよう構成されてもよい。
【0068】
本発明に従った飲料作成ユニット1が飲料作成機15内に固定的に配置されるか否かに拘わらず、飲料作成ユニット1の重要な特徴は、少なくとも2つの流体に基づいて飲料を調製する目的のために、流体の1つを包含する少なくとも2つの副流が、主流に沿う異なる位置で、他の流体を包含する主流に供給されることである。流体の一方は液体であり得るし、流体の他方は蒸気であり得る。その場合には、蒸気は液体を加熱するために使用される。
【0069】
本発明に従った飲料作成ユニット1は、ダクト系30を含む。本発明の範囲内で、ダクト系30のダクトの数並びにこれらのダクトの構造の数多くの可能性が存在する。ダクト系30は、図1及び2に示されるダクト系30のように設計され得るが、ことなる設計でもあってもよい。以下には、多数の可能な他の設計が図3乃至5を参照して説明される。明瞭性のために、動作中に図示のダクト系30内に存在する流れの方向は、図面中に矢印を用いて表示される。
【0070】
図3には、本発明の第二好適実施態様に従った飲料作成ユニット2のダクト系30が示されている。
【0071】
本発明の第一好適実施態様に従った飲料作成ユニット1のダクト系30と同様に、本発明の第二好適実施態様に従った飲料作成ユニット2のダクト系30は、主ダクト31と、第一副ダクト32と、第二副ダクト33とを含む。主ダクト31は、第一流体を供給し且つ第二流体を受容するよう構成され、両方の副ダクト32,33は、第二流体を供給するよう構成され、主ダクト31に合流するように配置されている。
【0072】
これは図3に示されていないが、主ダクト31、第一副ダクト32、及び、第二副ダクト33のうちの1つの内に配置される空気を入れるための1つ又はそれよりも多くの入口を有することが可能である。そのような場合には、泡を形成する目的のために空気を供給することが可能である。さらに、第二流体を供給するために、ダクト系30が2つよりも多くの副ダクト32,33を含むことが可能である。
【0073】
動作中に流れが起こる方向において、主ダクト31の長手軸と副ダクト32,33のそれぞれの長手軸との間の角度θは、90°よりも小さく、約25°から30°のオーダである。
【0074】
第一流体は、牛乳又はコーヒーのような液体であり得るし、第二流体は、蒸気であり得る。飲料作成ユニット2の動作中、第二流体はポンピング流体のように作用する。第二流体が第一副ダクト32から供給されるときには、第二流体の流れから第一流体への運動量の移動の故に、局所的な下圧が創成される。局所的な下圧の影響下で、第一流体の流れが主ダクト31内に生成される。主ダクト31への第二副ダクト33の接続部で、第二ポンピング作用が類似の方法で得られる。最終的には、第一流体及び第二流体の流れが得られる。プロセス中、流体が初めに異なる温度にあること、並びに、一方の流体が他方の流体を加熱するために使用されることが可能である。
【0075】
本発明の第二好適実施態様に従った飲料作成ユニット2のダクト系30の重要な特徴は、副ダクト32,33が、異なる側、具体的には、反対側から主ダクト31に合流することである。このようにして、第一流体及び第二流体の混合プロセスに対する少なくとも2つの副ダクト32,33の存在の向上する効果は、さらに一層強化される。さらに、本発明の第一好適実施態様に従った飲料作成ユニット1のダクト系30におけると同様に、副ダクト32,33は、主ダクト31の長手軸に沿う異なる位置で主ダクト31に合流する。
【0076】
図4には、本発明の第三好適実施態様に従った飲料作成ユニット3のダクト系30が示されている。
【0077】
本発明の第二好適実施態様に従った飲料作成ユニット2のダクト系30と同様に、本発明の第三好適実施態様に従った飲料作成ユニット3のダクト系30は、主ダクト31と、第一副ダクト32と、第二副ダクト33とを含む。主ダクト31は、第一流体を供給し且つ第二流体を重用するよう構成され、両方の副ダクト32,33は、第二流体を供給するよう構成され、主ダクト31に合流するように配置される。
【0078】
これは図4に示されていないが、主ダクト31、第一副ダクト32、及び、第二副ダクト33のうちの1つの内に配置される空気を入れるための1つ又はそれよりも多くの入口を有することが可能である。そのような場合には、泡を形成する目的のために空気を供給することが可能である。さらに、ダクト系30は、第二流体を供給するために、2つよりも多くの副ダクト32,33を含むことが可能である。
【0079】
主ダクト31は、副ダクト32,33が主ダクト31に合流する位置に2つの拡径部分35,36を含み、それらは、以後、第一室35及び第二室36と呼ばれる。主ダクト31に接続される副ダクト32,33の端部分37が制限されている。故に、ダクト系30は、第二流体の流れに第一流体に対するポンピング作用を遂行させるよう構成されるので、第一流体をポンピングするために別個のポンプを有することは必要ではない。具体的には、ダクト系は、ベンチュリ原理に基づいて第二流体の流れに第一流体に対するポンピング作用を遂行させるよう構成され、それに従って、第一流体は、絞りを通じて第二流体を連続的に伝え且つ第二流体を室に供給することによって得られる局所的な下圧の影響下で、室内に吸引される。
【0080】
本発明の第三好適実施態様に従った飲料作成ユニット3の動作中、第二流体は第一流体をポンピングする目的のために適用され、第二流体の流れの影響下で、第一流体の流れが得られる。原理的には、第一副ダクト32内で、第二流体が第一室35に進入する前に、第二流体が制限された端部分37によって加圧される。第一室35内で、下圧が創成され、その影響下で、第一流体は第一室35内にポンピングされる。さらに、第一室35内で、第一流体及び第二流体が混合される。また、流体が初め異なる温度にある場合には、高温にある流体から低温におある流体への熱の移動が第一室35内で起こる。
【0081】
上流位置で、第二副ダクト内で、第二流体は、第二流体が第二室36に進入する前に、制限された端部分37によって加圧される。第二室36内で、下圧が創成され、その影響下で、第一室35内で得られる流体混合物が第二室36内にポンピングされる。さらに、第二室36内で、第二副ダクト33によって供給される第二流体が混合物に加えられ、第一流体及び第二流体の他の混合物が得られる。また、流体が初めに異なる温度にある場合には、高温にある流体から低温にある流体への熱の移動は第二室36内で起こる。
【0082】
完全性の故に、主ダクト31内で第一流体の流れに対する第二流体の流れの効果的なポンピング作用を得るために、第二流体の流れは、第一流体の流れに対して90°の角度で供給される。
【0083】
ポンピングプロセスは2つの段階で遂行され、第一段階は、第一副ダクト32によって供給される第二流体の流れの影響下で、主ダクト31に対する第一副ダクト32の接合部で起こり、第二段階は、第二副ダクト33によって供給される第二流体の流れの影響下で、主ダクト31に対する第二副ダクト33の接合部で起こる。
【0084】
2つの部分で第二流体を供給する利点は、より良好でより迅速な第一流体及び第二流体の混合が達成されることである。さらに、第二流体が第一流体を加熱する機能を有する場合には、第一流体の温度は漸進的に増大され、第一流体をその沸騰温度に近い温度に置くことが可能であり、第一流体の局所的な沸騰の如何なる危険性もない。
【0085】
図示の実施例において、主ダクト31は湾曲しており、その結果として、混合プロセス及び熱移転プロセスは改良される。それにも拘わらず、主ダクト31は直線であってもよい。
【0086】
本発明の第一好適実施態様に従った飲料作成ユニット1のダクト系30は、直列に配置される2つの放出ポンプとみなされ得る。その場合には、各放出ポンプは、主ダクト31と、主ダクト31に合流する副ダクト32,33とを含む。同じことが本発明の第二好適実施態様に従った飲料作成ユニット2のダクト系30にも当て嵌まる。同様に、本発明の第三好適実施態様に従った飲料作成ユニット3のダクト系30は、直列に配置される2つのベンチュリポンプとみなされ得る。その場合には、各ベンチュリポンプは、主ダクト31と、主ダクト31に合流する副ダクト32,33とを含む。ダクト系30が2つよりも多くの副ダクト32,33を含み得ることが既に付記された。換言すれば、直列に配置される2つよりも多くの流体ポンプが適用され得る。その場合には、流体ポンプの副ダクト32,33は、同一の流体を供給するために使用される。流体ポンプは同一の種類であり得るが、これは必要ではない。例えば、副ダクト32,33が同一の流体を供給するために使用される、放出ポンプとベンチュリポンプとを含むダクト系30は、本発明の範囲内にある。
【0087】
図5には、本発明の第四好適実施態様に従った飲料作成ユニット4のダスト系30が示されている。このダクト系30は、主ダクト31と、2つの供給ダクト38,39と、二対の副ダクト32a,32b,33a,33bとを含み、各対の副ダクト32a,32b,33a,33bは、供給ダクト38,39の2つの枝のように形成され、全ての副ダクト32a,32b,33a,33bは主ダクト31に合流している。図示の実施例において、供給ダクト38,39は、主ダクト31の反対側に延び、対の副ダクト32a,32b,33a,33bも同様に主ダクト31の反対側に配置される。さらに、様々な副ダクト32a,32b,33a,33bは、主ダクト31の長手軸に沿う異なる位置で主ダクト31に合流している。
【0088】
本発明の範囲内で、1つの供給ダクト38,39に関連付けられる副ダクト32a,32b,33a,33bの数は、2つよりも多くであり得るし、少なくとも2つの枝(副ダクト32a,32b,33a,33b)を有する供給ダクト38,39の数も、同様に2つよりも多くであり得る。もし異なる供給ダクト38,39に関連付けられる副ダクト32a,32b,33a,33bが主ダクト31の異なる側で主ダクト31に合流するならば好適であるが、これは必ずしも本発明の範囲内ではない。
【0089】
主ダクト31は、流体を供給し且つ副ダクト32a,32b,33a,33bを通じて供給ダクト38,39から1つ又はそれよりも多くの他の流体を受容するよう構成される。両方の供給ダクト38,39は、流体を供給するよう構成され、供給ダクト38,39は、異なる流体を運ぶ目的のために或いは同一の流体を運ぶ目的のために適用され得る。例えば、主ダクト31は、牛乳のような液体を供給するために適用され、接続されているか否かに拘わらず、両方の供給ダクト38,39は、蒸気を供給するために適用される。そのような場合には、飲料作成ユニット4の動作中、蒸気は、二対の副ダクト32a,32b,33a,33bを通じて、4つの場所で主ダクト31に供給される。プロセス中には、副ダクト32a,32b,33a,33bの構造の故に、蒸気は主ダクト31の異なる位置で部分に供給され、液体の局所的な沸騰の危険性は低減されるのに対し、液体及び蒸気の混合プロセスは強化される。
【0090】
図示のダクト31,32a,32b,33a,33b,38,39の他に、飲料作成ユニット4のダクト系30は、泡を得るよう、ダクト系30のこれらの他のダクト31,32a,32b,33a,33b,38,39の少なくとも1つに空気を入れるための少なくとも1つの空気ダクトも含み得る。
【0091】
本発明の第四好適実施態様に従った飲料作成ユニット4のダクト系30は、副ダクト32a,32b,33a,33bによって供給される流体の流れに、放出原理に従って主ダクト31によって供給される流体の流れに対するポンピング作用を遂行させるよう構成される。このために、とりわけ、副ダクト32a,32b,33a,33bは、主ダクト31に対して角度θで延び、それは90°よりもかなり小さい。本発明の範囲内で、主ダクト31と、少なくとも2つの供給ダクト38,39と、供給ダクト38,39と主ダクト31との間に延びる副ダクト32a,32b,33a,33bとを含むダクト系30を有することも可能であり、様々なダクト31,32a,32b,33a,33b,38,39の設計は、副ダクト32a,32b,33a,33bによって供給される流体の流れに、ベンチュリ原理に従って主ダクト31によって供給される流体の流れに対するポンピング作用を遂行させるよう構成される。
【0092】
飲料作成ユニット4は、飲料作成機内に適用されるよう構成され、例えば、使い捨てカートリッジの一部であり得る。原理的には、同一の流体を運ぶ目的のために両方の供給ダクト38,39が適用される場合には、カートリッジは、この流体を入れるための単一の入口を備え得る。しかしながら、他の選択肢によれば、カートリッジは、2つの入口を含み、各入口は供給ダクト38,39と関連付けられる。後者の選択肢が好ましい。何故ならば、その場合には、カートリッジは、比較的簡単な設計であり得る。その場合には、カートリッジ内の様々なダクトは比較的短く、余り屈曲を有さない。結果的に、カートリッジの流れ抵抗はより低くあり得るし、熱損失は減少され得るし、副ダクト32a,32b,33a,33bを通じて供給ダクト38,39から主ダクト31への釣り合いの取れた流体の供給が実現され得る。好ましくは、1つの供給ダクト38と関連付けられる1つの入口を有し且つ他の供給ダクト39と関連付けられる他の入口を有するカートリッジを受容するよう構成される飲料作成機は、カートリッジのこれらの入口に接続可能な2つの出口を含む。
【0093】
開示されたような飲料作成ユニット1乃至4は、少なくとも2つの流体に基づいて様々な飲料を調製するプロセスにおいて適用されるのに適し、これらの飲料が熱いか冷たいかは問題ではない。本発明の重要な側面は、流体の良好な混合を保証するために、少なくとも1つの流体が、1つよりも多くの部分で他の流体に供給されることである。冷たい飲料を調製するプロセスでは、他の流体を冷却するために、1つの流体が使用され得る。そのような場合には、流体の良好な混合が得られることが有利である。1つの流体が、熱い飲料を調製する目的のために他の流体を加熱する機能も有する場合には、初め他の流体よりも冷たい流体が漸進的に加熱されることが達成され、流体をその沸騰温度に近い温度まで加熱することが可能であり、流体の局所的な沸騰の如何なる危険性もない。
【0094】
本発明の第三好適実施態様に従った飲料作成ユニット3のダクト系30の主ダクト31と同様に、他の図示される飲料作成ユニット1,2,4のダクト系30の主ダクト31は湾曲され得る。主ダクト31の湾曲形状の利点は、主ダクト31内で起こる混合プロセス及び熱移転プロセスが改良されることである。
【0095】
飲料作成ユニット1乃至4のダクト系30には、カカオ粉末のような乾燥物質をダクト系30に入れるための入口が配置される。そのような場合には、飲料を調製するプロセスは、乾燥物質を加えるステップも含む。
【0096】
本発明の範囲が、上記に議論された実施例に限定されず、それらの幾つかの変形及び修正が、付属の請求項において定められるような本発明の範囲から逸脱せずに可能であることが当業者に明らかであろう。
【0097】
上記では、とりわけ、使い捨てカートリッジ10が開示され、それは飲料を調製するプロセスにおいて使用されるのに適している。使い捨てカートリッジ10は、少なくとも2つの流体を運び且つ混合するための飲料作成ユニット1を含む。飲料作成ユニット1は、主ダクト31と、主ダクト31に合流する第一副ダクト32と、第一副ダクト32と異なる位置で、同様に主ダクト31に合流する第二副ダクト33とを有するダクト系30を含む。飲料を調製するプロセスでは、第一流体は、主ダクト31によって供給され第二流体の流れは、副ダクト32,33によって供給される。このようにして、第二流体が2つの段階で第一流体と混合されることが達成される。第二流体が第一流体を加熱するために使用される場合には、第一流体の局所的な沸騰が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第一好適実施態様に従った飲料作成ユニットを含む、飲料作成機における使用のための使い捨てカートリッジを示す概略図である。
【図2】図1に示される飲料作成機の構成部品及び使い捨てカートリッジを示す概略図であり、使い捨てカートリッジは飲料作成機内に配置され、使い捨てカートリッジは飲料作成機の構成部品に接続されている。
【図3】本発明の第二好適実施態様に従った飲料作成ユニットのダクト系を示す概略図である。
【図4】本発明の第三好適実施態様に従った飲料作成ユニットのダクト系を示す概略図である。
【図5】本発明の第四好適実施態様に従った飲料作成ユニットのダクト系を示す概略図である。

Claims (12)

  1. 少なくとも第一流体及び第二流体に基づき飲料を調製するための方法であって、
    前記第一流体を含む主流と、前記第二流体を含む第一副流と、前記第二流体を含む少なくとも1つの追加的な副流とを提供するステップと、
    前記第二流体を含む前記第一副流を、前記第一流体を含む前記主流に合流させるステップと、
    前記第二流体を含む前記少なくとも1つの追加的な副流を、前記第一流体を含む前記主流に合流させるステップとを含み、
    前記第二流体を含む前記第一副流及び前記少なくとも1つの追加的な副流は、前記主流に沿う熱の均一な分配のために、前記主流に沿う前記主流に対する異なる位置で前記第一流体を含む前記主流に合流し、前記第一流体を含む前記主流を加熱することを特徴とする、
    方法。
  2. 前記第一流体を含む前記主流及び前記第二流体を含む前記副流のうちの少なくとも一方に空気が入れられる、請求項1に記載の方法。
  3. 飲料作成機における使用のための飲料作成ユニットであって、請求項1又は2に記載の方法に従って飲料を調製するために、ダクト系が、少なくとも2つの流体を前記飲料作成機の出口に向かって運び且つ前記流体を結合するよう構成され、前記ダクト系は、主ダクトと、主ダクトに合流する少なくとも2つの副ダクトとを含み、該少なくとも2つの副ダクトは、前記主ダクトの長手軸に沿う前記主ダクトに対する異なる位置で前記主ダクトに合流することを特徴とする、飲料作成ユニット。
  4. 前記主ダクトの入口が、液体を供給するための供給構造に接続可能であり、前記副ダクトの入口が、蒸気を供給するための供給構造に接続可能である、請求項3に記載の飲料作成ユニット。
  5. 前記ダクト系は、少なくとも1つの供給ダクトをさらに含み、それは少なくとも2つの副ダクトに接続される、請求項3又は4に記載の飲料作成ユニット。
  6. 前記主ダクトの入口が、液体を供給するための供給構造に接続可能であり、前記供給ダクトの入口が、蒸気を供給するための供給構造に接続可能である、請求項5に記載の飲料作成ユニット。
  7. 前記ダクト系は、前記ダクト系の他のダクトの1つに合流する空気ダクトをさらに含む、請求項3乃至6のうちのいずれか1項に記載の飲料作成ユニット。
  8. 請求項3乃至7のうちのいずれか1項に記載の飲料作成ユニットを含む、飲料作成機における使用のための使い捨てカートリッジ。
  9. 前記飲料作成ユニットの前記ダクト系に蒸気を入れるための少なくとも2つの入口を含む、請求項8に記載の使い捨てカートリッジ。
  10. 液体を収容する少なくとも1つの貯槽をさらに含む、請求項8又は9に記載の使い捨てカートリッジ。
  11. 請求項3乃至7に記載の飲料作成ユニットを含む飲料作成機であって、該飲料作成ユニットは、当該飲料作成機の一体的な部分であり、これらの手段は、前記飲料作成ユニットの前記ダクト系の少なくとも2つの入口に接続される、飲料作成機。
  12. 請求項8乃至10のうちのいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジを受容するための空間を含み、流体を供給するための手段をさらに含み、これらの手段は、前記空間内への前記使い捨てカートリッジの受け入れ直後に、前記使い捨てカートリッジの前記飲料作成ユニットの前記ダクト系の少なくとも2つの入口に接続可能である、飲料作成機。
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