JP5144406B2 - 電力変換装置及びエレベータ制御装置 - Google Patents

電力変換装置及びエレベータ制御装置 Download PDF

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この発明は、電源系統へ電力を回生することが可能なコンバータ回路を備える電力変換装置及びエレベータ制御装置に関するものである。
例えば、従来のエレベータ制御装置は特許文献1に記載されるように、三相交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路と、このコンバータ回路で変換された直流電力を平滑化する平滑コンデンサと、この平滑化された直流電力を任意の電圧及び周波数の交流電力に変換するインバータ回路と、インバータ回路により駆動され、エレベータのかごを昇降させるモータと、前記コンバータ回路,インバータ回路を構成するスイッチング素子をオン・オフする制御回路とによって構成されている。
エレベータ制御装置にはエレベータの昇降動作によって、三相交流電源からモータ側に向かって電力が送られモータが力行動作を行う力行運転と、モータが電力を発生させる回生動作によって三相交流電源側に電力が返還される回生運転がある。電源系統へ電力を回生させるためには、スイッチング素子にIGBT(IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いてコンバータ回路が構成され、PWM(PWM: Pulse Width Modulation)制御される。IGBTで構成されたコンバータ回路は、一般的に図5に示すように、IGBT Tr11〜16それぞれに対して逆並列に還流用のダイオードD11〜16(以下、還流ダイオードと記す)が接続される。具体的には、IGBTのコレクタと還流ダイオードのカソードが接続され、また、IGBTのエミッタと還流ダイオードのアノードが接続される。なお、図5に示す他の符号の説明は、後述する図1で同一符号を用いて説明する。
図5に示すIGBTと還流ダイオードによって構成され、電力が回生可能なコンバータ回路では、IGBTがオンしている時はIGBTのコレクタ側からエミッタ側に電流を流すことができるが、逆方向のエミッタ側からコレクタ側には電流を流すことができないため、逆方向に電流を流す場合は、還流ダイオードを別途用いて、還流ダイオードのカソードをIGBTのコレクタに、還流ダイオードのアノードをIGBTのエミッタに接続(逆並列接続)し、還流ダイオードの順方向であるアノードからカソードに沿って電流を流している。
このコンバータ回路において、エレベータが回生運転する場合はIGBTをオンすることにより、モータを電圧源として電流がモータ側から三相交流電源側に向かって流れ、電源系統への電力回生が行われる。逆に力行運転する場合は還流ダイオードを介して、三相交流電源側からモータ側に電流が流れ、モータにエレベータを駆動する電力が送られる。以上がエレベータを動作させる時のコンバータ回路の動作モードである。
特開2004−91159号公報
IGBTと還流ダイオードによるコンバータ回路を用いて、エレベータを実際に昇降させた場合に問題となるのは、スイッチング素子であるIGBTや還流ダイオードによる導通損失及びスイッチング損失並びにこれら損失によるスイッチング素子の発熱である。ここで損失に係わるエレベータの特徴の一つとして、モータの回生動作によって発生する回生電力は機械損失の影響によりモータ容量の7割程度と小さくなることが挙げられる。つまり、実際に動作させた時に懸念しなければならないのは、エレベータが力行運転しているときのスイッチング素子の損失とその損失によるスイッチング素子の発熱である。
IGBTと還流ダイオードによって構成されたコンバータ回路において、力行運転時は前述したように電力の送出を還流ダイオードに依存している。そのため、力行運転時のコンバータ回路における損失は還流ダイオードの導通損失によって決定される。力行運転中は還流ダイオードの特性である順方向電圧降下に起因する導通損失が必ず発生する。この回路構成において、損失を低減するためには還流ダイオードの順方向電圧降下を下げるような特性の良いダイオードの使用や複数個の並列接続が必要である。そのためコストアップに繋がるという問題がある。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、コンバータ回路における損失を低減し、低コストである電力変換装置及びエレベータ制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係わる電力変換装置は、三相交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路と、前記三相交流電源と前記コンバータ回路の交流側との間の各相に接続される交流リアクトルと、前記コンバータ回路の直流側に接続され、直流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサによって平滑化された直流電力から交流電力を生成し、この交流電力によってモータを駆動するインバータ回路とを備え電力変換装置において、前記コンバータ回路を構成する各スイッチング素子としてMOSFET(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用い、前記MOSFETの温度が設定温度以下のときは、前記MOSFETが整流素子として導通する期間に前記MOSFETをオンさせる同期整流制御し、前記MOSFETの温度が前記設定温度以上のときは、前記MOSFETの同期整流制御を停止させるものであって、前記設定温度は、前記MOSFETの温度において、前記MOSFETのオン時のドレインーソース間電圧降下と前記MOSFETに固有なボディ・ダイオードの順方向電圧降下とが等しくなるか、又はドレインーソース間電圧降下の方が高くなる温度である
この発明の電力変換装置によれば、コンバータ回路を構成する各スイッチング素子としてMOSFETを用いるので、IGBTと還流ダイオードによって構成されたコンバータ回路に比べ、別途還流ダイオードを備える必要がなくなるため、素子数を少なくすることができ、さらに、各スイッチング素子が整流素子として導通する期間にはMOSFETをオンさせる同期整流制御を行うので、損失を低減できる。
また、この発明の電力変換装置によれば、MOSFETの温度が設定温度以下のときは、MOSFETが整流素子として導通する期間にMOSFETを同期整流制御し、MOSFETの温度が設定温度以上のときは、MOSFETの同期整流制御を停止させるので、MOSFETの損失とダイオードの損失が逆転するような高温時には同期整流を停止することによって、MOSFETの熱破壊を抑制することができる。
以下、この発明をエレベータ制御装置に適用した場合を例に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ制御装置を示す概略構成図である。なお、各図中において、同一符号は同一又は相当部分を示す。図1において、エレベータ制御装置は、三相交流電源1と、フィルタ用及び電流制御用交流リアクトル2と、三相交流電源1の交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路3と、コンバータ回路3によって変換された直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ4と、平滑コンデンサ4によって平滑化された直流電力を可変電圧可変周波数の交流電力に変換するインバータ回路5と、インバータ回路5によって駆動されるエレベータ駆動用のモータ6によって構成される。
コンバータ回路3及びインバータ回路5を制御する制御部として、コンバータ制御回路7、インバータ制御回路8を備えている。また、MOSFETの温度状態を測定する温度測定手段9と、温度測定手段9により測定した温度があらかじめ定められた設定温度以内であるかを判定する温度判定手段10を備えている。コンバータ回路3を構成するスイッチング素子はTr1〜Tr6に示すように、MOSFETによって構成され、各MOSFET Tr1〜Tr6にはMOSFETに対して逆並列にMOSFET固有のボディ・ダイオードが形成される。ここで逆並列とは、MOSFETのドレインとダイオードのカソード、MOSFETのソースとダイオードのアノードがそれぞれ接続された構成のことである。
次にエレベータ制御装置の具体的な接続についてさらに説明する。まず、三相交流電源1と交流リアクトル2の各端子T1、T2、T3が電力線L1、L2、L3により接続される。コンバータ回路3は、ハイ側MOSFET Tr1のソースとロー側MOSFET Tr4のドレインを接続し、ハイ側MOSFET Tr2のソースとロー側MOSFET Tr5のドレインを接続し、また、ハイ側MOSFET Tr3のソースとロー側MOSFET Tr6のドレインを接続し、さらに、それらTr1とTr4、Tr2とTr5、Tr3とTr6によって構成される各アームをそれぞれ並列に配置し、ハイ側MOSFET Tr1、Tr2、Tr3の各ドレインを電力線L7によって接続し、ロー側MOSFET Tr4、Tr5、Tr6の各ソースを電力線L8によって接続することで構成する。
並列に配置された各アームにおいて、ハイ側MOSFET Tr1、Tr2、Tr3のソースとロー側MOSFET Tr4、Tr5、Tr6のドレインとの接続点であるコンバータ回路3の交流側端子T7、T8、T9が、前記三相交流電源1と接続された交流リアクトル2のもう一方の端子T4、T5、T6に電力線L4、L5、L6によって接続される。一般的に、このコンバータ回路の接続方法は三相ブリッジ回路と呼ばれる。一方、コンバータ回路3の直流側端子T10とT11の間には平滑コンデンサ4が接続される。また、直流側端子T10とT11は電力線L9とL10によりインバータ回路の直流側端子T12、T13にも接続される。
インバータ回路5はモータ6を制御するために、IGBTやMOSFETなどのパワートランジスタによって構成され、インバータ回路5の回路構成は図1に示すように、コンバータ回路3と左右対称な構成となる。図1では、インバータ回路5を構成する各スイッチング素子は、IGBTとそれに対して逆並列に接続された還流用のダイオードで構成される。つまり、IGBTのコレクタと還流ダイオードのカソードが接続され、IGBTのエミッタと還流ダイオードのアノードが接続される(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)。また、モータ6はインバータ回路5の交流側端子T14、T15、T16に電力線L11、L12、L13により接続される。
このように構成されたエレベータ制御装置において、モータ6が力行動作する力行運転の場合には、三相交流電源1からコンバータ回路3、インバータ回路5を通して電力がモータ6に供給される。逆に回生運転の場合にはモータ6から発生する回生電力がインバータ回路5、コンバータ回路3を通して三相交流電源1に電力が返還される。
さて、MOSFETを用いたコンバータ回路では、損失を低減するために同期整流制御を行うが、同期整流制御について説明する前にまずMOSFETの特徴について説明する。IGBTの動作において、IGBTがオンしているときは、IGBTのコレクタからエミッタに電流を流すことができるが、エミッタからコレクタには電流を流すことはできない。一方、MOSFETはIGBTとは異なり、MOSFETをオンすることによりドレインからソース、ソースからドレインへの両方向に電流を流すことが可能である。また、MOSFETではソースからドレインに電流を流したい場合、MOSFETには固有のボディ・ダイオードがMOSFETに対して逆並列に自動的に形成されているため、MOSFETをオンしない場合でも、前記ボディ・ダイオードによって電流を流すことも可能である。
基本的にボディ・ダイオードは、IGBTに対してダイオードのカソードをIGBTのコレクタに、ダイオードのアノードをIGBTのエミッタに接続(逆並列接続)する還流ダイオードと同じ役割であり、IGBTのように別途還流ダイオードを用いる必要がない。なお、実施の形態1では、素子数低減のためにボディ・ダイオードを用いているが、ボディ・ダイオードより特性のいいものが必要な場合は、別途MOSFETに対して逆並列に還流ダイオードを接続することもできる。
図3を用いてMOSFETがオンしているときの導通損失とボディ・ダイオードの導通損失について説明する。MOSFETがオンしているときの導通損失とボディ・ダイオードの導通損失はMOSFETにおけるドレイン−ソース間電圧降下とボディ・ダイオードにおける順方向電圧降下によって比較することができる。図3において、縦軸はMOSFET及びボディ・ダイオードの導通時の電圧降下V[V]を示している。横軸はMOSFET及びボディ・ダイオードに流れる電流値I[A]を示している。MOSFETはMOSFETのドレイン−ソース間を流れる電流と、MOSFETに電流が流れた際のドレイン−ソース間抵抗(以下、オン抵抗と記す)の積によって、MOSFETオン時のドレイン−ソース間電圧降下が算出される。
一方、ボディ・ダイオードについてはボディ・ダイオードの順方向であるアノードからカソードに電流が流れた時の特性である順方向電圧降下によって決まる。MOSFETのドレイン−ソース間電圧降下を図3のVds1に示し、ボディ・ダイオードの順方向電圧降下を図3のVF1に示す。MOSFETドレイン−ソース間電圧降下とボディ・ダイオードの順方向電圧降下を比較すると、エレベータを動作させる電流領域では基本的にMOSFETドレイン−ソース間における電圧降下の方が低いといえる。つまり、MOSFETに電流を流した方が損失を低減できる。
ここで、同期整流制御について説明する。エレベータが力行運転しているとき、IGBTと還流ダイオードを用いたコンバータ回路では、IGBTの特性上エミッタからコレクタには電流を流すことができないため、IGBTに逆並列接続された還流ダイオードによって電流を流している。そのため、損失は、還流ダイオードの順方向電圧降下に依存する。MOSFETを用いたコンバータ回路では、MOSFETのドレインからソース、ソースからドレインへの両方向へ電流を流すことができる特徴と、エレベータを動作させる電流領域ではボディ・ダイオードよりMOSFETドレイン−ソース間電圧降下の方が小さいという特徴を利用して、この発明では、力行運転時(つまり、コンバータ回路の各スイッチング素子が整流素子として導通する期間)、意図的にMOSFETをオンさせることでMOSFET側に電流を誘導し、損失低減を図ることができる。この制御方式を同期整流制御と言い、この方式を用いることで、IGBTにより構成されたコンバータ回路よりも損失が低減することができる。
しかしながら、MOSFETをコンバータ回路の各スイッチング素子として用い、同期整流制御を行う場合、MOSFETの温度が上昇した際に別の問題が発生する。以下、前記温度上昇時の課題について説明する。まず、図4を用いてMOSFETとそのボディ・ダイオードの温度変化に対する特徴について説明する。図4において、Vds1は低温時のMOSFETドレイン−ソース間電圧降下、Vds2は高温時のMOSFETドレイン−ソース間電圧降下、VF1は低温時のボディ・ダイオード順方向電圧降下、VF2は高温時のボディ・ダイオード順方向電圧降下を示している。
低温時のMOSFETドレイン−ソース間電圧降下Vds1とボディ・ダイオード順方向電圧降下VF1を比較した場合、Vds1<VF1となり、エレベータの動作電流領域では基本的にMOSFETドレイン−ソース間電圧降下の方が低い。つまり、MOSFETが低温状態ならば、同期整流制御が損失低減に効果的であり、また装置の省エネにも有効である。一方、エレベータを動作することによってMOSFETの温度が上昇し、MOSFETが高温状態になった場合は、図4に示すように、MOSFETドレイン−ソース間電圧降下Vds2は大きくなり(Vds1<Vds2)、逆にボディ・ダイオード順方向電圧降下VF2は小さくなる(VF1>VF2)。
これはMOSFETのオン抵抗は正の温度係数を持つため、温度上昇に伴って抵抗値が大きくなり、それによってMOSFETドレイン−ソース間電圧降下も大きくなっている。逆に負の温度係数を持つボディ・ダイオードは、温度上昇に対して順方向電圧降下が低下する。つまり、図4に示すように高温時におけるエレベータ動作電流範囲では、MOSFETドレイン−ソース間電圧降下が還流ダイオードの順方向電圧降下よりも高くなる場合が発生する(VF2<Vds2)。これはMOSFETにおける導通損失とボディ・ダイオードにおける導通損失が逆転したことを意味する。このような状態に陥った場合、低温時に効果的であった同期整流制御をすることによって逆に損失を増加させてしまうことになる。損失を抑えるためには放熱フィン等の冷却器にMOSFETを実装し、温度上昇を抑制する必要がありコストアップに繋がる。
一般的なエレベータの動作の特徴として、エレベータの移動距離は最下階から最上階までと制限があり、エレベータが最も長く動作したとしても最下階から最上階までとなる。また、目的階付近になればエレベータは減速動作に移行するので、例え最下階から最上階までエレベータが最も電力を使用する力行運転をしながら移動したとしてもその間常にフルパワーで動くことは無く、また、目的の階に到着すれば必ずエレベータは停止する。また、一般的なエレベータの1日の動きにおいて、力行運転、回生運転、停止のうち、停止している時間が最も多い。そのため、MOSFETの温度上昇もそれほど激しくないので、上記のような、MOSFETにおける導通損失とボディ・ダイオードにおける導通損失が逆転するようなことは少なく、基本的には冷却器も大型のものを用いなくてもよい。
しかし、オフィスビルなどに設置されるエレベータの動きは特殊であり、朝夕の出勤、帰宅時の稼働率が非常に高く、その他の時間は稼働率が低い。特に朝の出勤ラッシュ時のエレベータでは、力行運転、停止(短時間)、力行運転、停止(短時間)といったように力行運転が断続的に続くため、この場合、MOSFET温度が上昇し、MOSFETにおける導通損失とボディ・ダイオードにおける導通損失が逆転する事態が発生し、このような状態に陥った状況でさらに力行運転が続き、同期整流制御を行うと、損失による熱が増大していき、一般的なエレベータに備えられるような冷却器では熱を抑えることができずMOSFETが破損してしまう可能性があるため、大型の冷却器や高性能なMOSFETを用いる必要があり、大きなコストアップになってしまう。
また、朝の一時的なラッシュ以外、基本的にエレベータは力行運転時間と停止時間を見れば、停止時間の方が圧倒的に長く温度上昇もそれほどではないので、大型の冷却器や高性能なMOSFETを用いるとオーバースペックになる。朝の一時的な場合のためだけに大型な冷却器や高性能なMOSFETを用いることは体積的にもコスト的にも問題となる。そこで、大型の冷却器や高性能なMOSFETを用いなくても、一時的な温度上昇をしのぐことができるエレベータ制御装置を提案する。この発明の第2の特徴は、MOSFETドレイン−ソース間電圧降下とボディ・ダイオードの順方向電圧降下が逆転するような温度状態に陥った時に、同期整流制御を停止することにある。
具体的には図1に示すように、MOSFETの温度を計測する温度測定手段9(例えば、熱電対)と、温度計測手段9によって測定された温度がMOSFETとボディ・ダイオードの損失が逆転する温度を超えていないかを判定し、超えているとき判定出力を発生する温度判定手段10を備える。温度測定手段9はコンバータ回路3を構成するMOSFETのケースに少なくともひとつは取り付ける。温度測定手段9及び温度判定手段10を備えたエレベータ制御装置は、あらかじめMOSFETドレイン−ソース間電圧降下とボディ・ダイオードの順方向電圧降下が逆転する温度状態を温度判定手段10に記憶させておき、温度測定手段9による測定結果が温度判定手段10に記憶させている温度に達した際に、温度判定手段10からコンバータ制御回路7に同期整流制御停止信号(判定出力)を送り、同期整流を停止させる。
また、エレベータが停止することによって、MOSFETの温度が低下し、MOSFETドレイン−ソース間電圧降下とボディ・ダイオードの順方向電圧降下が逆転する温度状態よりも下がった場合(判定出力が停止した場合)は、再度同期整流を開始するようにコンバータ制御回路7に同期整流制御スタート信号(判定出力が停止)を送る。なお、温度測定位置としては容易に取付けられる冷却器とすることも可能である。冷却器である放熱フィンの熱抵抗及びMOSFETのジャンクション−ケース間熱抵抗が分かっていれば、冷却器の温度上昇を測定し、それらの値を計算式に当てはめることにより容易にMOSFETの素子温度が推定できる。
温度測定位置を冷却器にすることで、MOSFETに温度測定手段9を取り付ける場合に比べて、容易に温度測定手段9を取り付けることができる。これにより、低温時は同期整流制御を行って損失を低減し、逆に力行運転が続き、温度が上昇することでMOSFETとボディ・ダイオードの損失が逆転した場合において、同期整流制御を停止することで最小限の損失で電力を供給できると共に、MOSFETの熱破壊を抑制することができる。また、大型の冷却器を用いることもないので、コストアップを抑えることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、MOSFETや冷却器の温度を温度測定手段により測定することでMOSFETドレイン−ソース間電圧降下とボディ・ダイオードの順方向電圧降下の関係が逆転するあらかじめ定められた設定温度に達した時、又はあらかじめ定められた設定温度を下回った時に同期整流制御を停止・開始させたが、温度上昇はMOSFETのドレイン−ソース間に流れる電流値と流入時間から推定することもできる。図2は実施の形態2によるエレベータ制御装置を示す概略構成図である。図2ではMOSFETドレイン−ソース間に流れる電流を計測する電流検出手段11(例えば、電流センサ)、コンバータ回路3の動作時間をカウントするコンバータ動作時間カウンタ12、電流検出手段11とコンバータ動作時間カウンタ12の結果(積)からMOSFETの温度を推定する温度推定手段13、及び温度推定手段13により推定された温度が設定温度以上のとき判定出力を発生する温度判定手段14を備えたエレベータ制御装置である。
具体的な動作は以下に示すとおりである。電流検出手段11によってMOSFETドレイン−ソース間に流れる電流値を測定する。コンバータ動作時間カウンタ12は力行及び回生運転の開始から終了までの時間を計測する。また、エレベータが停止した場合、カウンタを一時停止し、あらかじめ定められた時間以内に力行又は回生運転が再開した場合は引き続きカウントを継続する。逆に定められた時間を経過して停止した場合は,コンバータ動作時間カウンタをリセットする。ここで定められた時間とは、MOSFETの温度が周囲温度程度まで低下するような時間で冷却器の冷却能力などに応じて任意に設定できる。なお、力行、回生、停止の判断を行う手段はここでは図示していないが、一般的なエレベータにおいて制御上必要となるため制御系に組み込まれており、電流検出手段に流用可能である。
電流検出手段11及びコンバータ動作時間カウンタ12を備えたエレベータ制御装置は、MOSFETドレイン−ソース間に流れる電流値とコンバータ動作時間の情報を温度推定手段13に送り、両者の情報(両者の積)からMOSFETの温度状態を推定する。さらに、MOSFETのオン抵抗によるドレイン−ソース間電圧降下と還流ダイオードの順方向電圧降下が逆転する条件(設定温度)をあらかじめ温度判定手段14に記憶させておき、温度推定手段13によって推定された温度が設定温度以上になれば、温度判定手段14から判定出力を発生しコンバータ制御回路7により同期整流制御を停止する。
また、同期整流制御を停止後、力行又は回生運転が停止し、あらかじめ定められた状態になった場合(例えば、コンバータ動作時間カウンタがリセットされる場合など)、同期整流制御を再開する。実施の形態2では、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、回生運転するためにもともと必要な電流センサをそのまま流用することができ、部品点数が増えることもない。
実施の形態1,2では上述した電力制御装置を用いてエレベータのかごを昇降させるモータを制御する場合について説明したが、前記電力制御装置は、電車を運行するモータの力行回生制御にも同様に適用できる。
この発明の実施の形態1によるエレベータ制御装置を示す概略構成図である。 実施の形態2によるエレベータ制御装置を示す概略構成図である。 コンバータ回路において、低温時におけるMOSFET及びそのボディ・ダイオードの電圧降下を示す図である。 コンバータ回路を構成するMOSFET及びそのボディ・ダイオードの温度上昇に対する電圧降下の変化を表す図である。 従来のエレベータ制御装置を示す構成図である。
符号の説明
1 三相交流電源 2 交流リアクトル
3 コンバータ回路 4 平滑コンデンサ
5 インバータ回路 6 モータ
7 コンバータ制御回路 8 インバータ制御回路
9 温度測定手段 10 温度判定手段
11 電流検出手段 12 コンバータ動作時間カウンタ
13 温度推定手段 14 温度判定手段
Tr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6 MOSFET
Tr11、Tr12、Tr13、Tr14、Tr15、Tr16 IGBT
D11、D12、D13、D14、D15、D16 還流ダイオード

Claims (5)

  1. 三相交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路と、前記三相交流電源と前記コンバータ回路の交流側との間の各相に接続される交流リアクトルと、前記コンバータ回路の直流側に接続され、直流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサによって平滑化された直流電力から交流電力を生成し、この交流電力によってモータを駆動するインバータ回路とを備えた電力変換装置において、
    前記コンバータ回路を構成する各スイッチング素子としてMOSFETを用い、
    前記MOSFETの温度が設定温度以下のときは、前記MOSFETが整流素子として導通する期間に前記MOSFETをオンさせる同期整流制御し、前記MOSFETの温度が前記設定温度以上のときは、前記MOSFETの同期整流制御を停止させるものであって、
    前記設定温度は、前記MOSFETの温度において、前記MOSFETのオン時のドレインーソース間電圧降下と前記MOSFETに固有なボディ・ダイオードの順方向電圧降下とが等しくなるか、又はドレインーソース間電圧降下の方が高くなる温度であることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記MOSFETの温度を測定する少なくとも一つの温度測定手段と、前記温度測定手段により測定された温度が前記設定温度以上のとき判定出力を発生する温度判定手段とを備え、前記温度判定手段の判定出力により前記MOSFETの同期整流制御を停止させることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記温度測定手段は、前記MOSFETを冷却する冷却器の温度を測定して、前記MOSFETの温度を推定するようにしたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記MOSFETのドレイン−ソース間に流れる電流を検出する少なくとも一つの電流検出手段と、前記コンバータ回路の動作の開始から終了までの時間を計測するコンバータ動作時間カウンタと、前記電流検出手段の検出電流と前記コンバータ動作時間カウンタのカウンタ時間から前記MOSFETの温度を推定する温度推定手段と、前記温度推定手段により推定された温度が前記設定温度以上のとき判定出力を発生する温度判定手段とを備え、前記温度判定手段の判定出力により前記MOSFETの同期整流制御を停止するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  5. 前記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置を用いてエレベータのかごを昇降させるモータを制御することを特徴とするエレベータ制御装置。
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