JP5143623B2 - し渣分離脱水機の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、し渣と水を固液分離し、さらにし渣の脱水を行うし渣分離脱水機の運転方法に関し、特に、施設毎に異なる流入負荷に応じて、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更することができるようにしたし渣分離脱水機の運転方法に関するものである。
下水処理場の汚水や汚泥中に含まれるごみはスクリーニングにより除去したままでは含水率が高く、またヘドロ状の汚物が付着することから、そのままでは処理処分が困難である。
そこで、このような含水率の高い処理物を連続的に脱水するものとしてし渣分離脱水機がある。
このし渣分離脱水機は、円筒型スクリーンの内部にし渣を搬送するスクリューを配設するとともに、該円筒型スクリーンの排出部に背圧板を設け、背圧によりし渣を脱水するようにしている。
ところで、本件出願人は、先に、図4に示す、円筒型スクリーン1とスクリュー2をそれぞれ回転可能に設けたし渣分離脱水機を提案している(特願2007−320561参照)。
このし渣分離脱水機は、維持管理性の向上等を目的として、遊星歯車機構91を使用することにより、1つのモータ92で円筒型スクリーンとスクリューをそれぞれ回転させるようにしている。
しかしながら、このし渣分離脱水機では、スクリューと円筒型スクリーンの速度比が構造的に固定されてしまい、例えば、流入負荷が増加し、円筒型スクリーンの清掃効果をあげたいときに、インバータ等で円筒型スクリーンの回転数を増加させると、スクリューの回転数も速度比に応じて増加してしまうため、運転動作バランスがとりにくいという問題があった。
本発明は、上記従来のし渣分離脱水機が有する問題点に鑑み、施設毎に異なる流入負荷に応じて、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更することができるようにしたし渣分離脱水機の運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のし渣分離脱水機の運転方法は、円筒型スクリーンの内部にし渣を搬送するスクリューを配設するとともに、該円筒型スクリーンの排出部に背圧機構を設け、背圧によりし渣を脱水するし渣分離脱水機の運転方法において、円筒型スクリーンとスクリューをそれぞれ回転可能に設けるとともに、円筒型スクリーンを回転させるモータと、スクリューを回転させるモータとを個別に設け、円筒型スクリーンとスクリューを逆方向に、かつ、流入負荷に応じて、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更するようにしたことを特徴とする。
この場合において、円筒型スクリーンの周囲に密閉ケーシングを設け、し渣を密閉搬送するようにすることができる。
本発明のし渣分離脱水機の運転方法によれば、円筒型スクリーンの内部にし渣を搬送するスクリューを配設するとともに、該円筒型スクリーンの排出部に背圧機構を設け、背圧によりし渣を脱水するし渣分離脱水機において、円筒型スクリーンとスクリューをそれぞれ回転可能に設けるとともに、円筒型スクリーンを回転させるモータと、スクリューを回転させるモータとを個別に設け、円筒型スクリーンとスクリューを逆方向に、かつ、流入負荷に応じて、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更可能としたことから、施設毎に異なる流入負荷に対し、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更するようにして自由な運転設定が可能となる。
例えば、高濃度のし渣が流入してくるような施設の場合、目詰まりを防止するため円筒型スクリーンの回転数を増加させ、スクリーンの清掃を積極的に行う必要があるが、スクリーンとスクリューを連動させる従来の駆動方式では、速度比が固定されてしまうため、スクリューの回転数も同時に上昇し、し渣の搬送速度すなわち脱水時間も短縮されてしまい、十分にし渣が絞られないまま排出されてしまう。
これに対し、本発明のし渣分離脱水機の運転方法では、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更するようにして自由な運転設定が可能となるため、一方の機能を維持したまま、もう一方の機能を向上させることが可能となり、結果的に設備に応じた効率的な運転が行えるようになる。
また、円筒型スクリーンの周囲に密閉ケーシングを設けることにより、し渣密閉搬送ることができる。
以下、本発明のし渣分離脱水機の運転方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図2に、本発明のし渣分離脱水機の運転方法を適用するし渣分離脱水機の一実施例を示す。
このし渣分離脱水機は、円筒型スクリーン1の内部にし渣を搬送するスクリュー2を配設するとともに、該円筒型スクリーン1の排出部に背圧抵抗板3を設け、背圧によりし渣を脱水するようにしている。
そして、このし渣分離脱水機は、円筒型スクリーン1とスクリュー2をそれぞれ回転可能に設けるとともに、円筒型スクリーン1を回転させるモータ4と、スクリュー2を回転させるモータ5とを個別に設け、円筒型スクリーン1とスクリュー2の速度比を流入負荷に応じて変更することができるようにしている。
円筒型スクリーン1は、図3に示すように、平行筒状の固液分離部11とテーパ状の脱水部12とからなる。
円筒型スクリーン1は、固液分離部11の水切スクリーンを、逆三角形の断面をした異形線を等間隔に並べてスリットを形成するウェッジワイヤ13で構成することで、水抜性能の向上を図っている。
円筒型スクリーン1の上部には洗浄水ノズル7が配設されるとともに、円筒型スクリーン1の周囲には、し渣の密閉搬送に対応した密閉ケーシング8が設けられている。
密閉ケーシング8は、円筒型スクリーン1を周囲から遮蔽して防臭防音を図るものであり、水とし渣をスクリュー軸21を介して円筒型スクリーン1の内部に流入させる一方、円筒型スクリーン1で脱水した水や洗浄ノズルの水を排水口82から系外に排水する。
なお、水とし渣は、スクリュー軸21の中空パイプ内を通り、流入口81末端の長穴81aより円筒型スクリーン1の内部に流入する。
近年、ジェットポンプ等に代表されるし渣のパイプ密閉搬送方式が増加していることに鑑み、本実施例では流入口と密閉ケーシング8を設けることによって、このし渣分離脱水機を従来の「開放型」ではなく「密閉型」としている。
し渣を搬送するスクリュー2は、円筒型スクリーン1のテーパ状の脱水部12において、スクリューピッチを搬出部に向かうにしたがって漸次小さくし、圧密及びせん断効果を増幅させ、脱水性能を向上させている。
固液分離部11で水と分離されたし渣は、スクリュー2により脱水部12へと搬送され、次第に圧密されて、最終的に背圧抵抗板3の抵抗でプレス脱水され、脱水し渣として排出される。
モータ4、5は、円筒型スクリーン1とスクリュー2のそれぞれに配設されており、軸受箱63で支持された円筒型スクリーン1とスクリュー2は、チェーン61とスプロケット62を介して各モータ4、5により個々に駆動する。
従来では、円筒型スクリーン1とスクリュー2の速度比が固定されてしまうため、一方の回転数を増減させれば、もう一方もそれに連動して増減することとなるが、本実施例では、各モータ4、5は、図示省略する制御部により回転数を各々変更することができるようにしたため、円筒型スクリーン1とスクリュー2は個別に回転数を設定することが可能である。
そして、本実施例では、円筒型スクリーン1とスクリュー2は逆方向に回転するようにしている
かくして、本実施例のし渣分離脱水機は、円筒型スクリーン1の内部にし渣を搬送するスクリュー2を配設するとともに、該円筒型スクリーン1の排出部に背圧抵抗板3を設け、背圧によりし渣を脱水するし渣分離脱水機において、円筒型スクリーン1とスクリュー2をそれぞれ回転可能に設けるとともに、円筒型スクリーン1を回転させるモータ4と、スクリュー2を回転させるモータ5とを個別に設け、円筒型スクリーン1とスクリュー2の速度比を流入負荷に応じて変更可能としたことから、施設毎に異なる流入負荷に対し、円筒型スクリーン1とスクリュー2の回転数を個別に変更するようにして自由な運転設定が可能となる。
例えば、高濃度のし渣が流入してくるような施設の場合、目詰まりを防止するため円筒型スクリーン1の回転数を増加させ、スクリーンの清掃を積極的に行う必要があるが、円筒型スクリーン1とスクリュー2を連動させる従来の駆動方式では、速度比が固定されてしまうため、スクリュー2の回転数も同時に上昇し、し渣の搬送速度すなわち脱水時間も短縮されてしまい、十分にし渣が絞られないまま排出されてしまう。
これに対し、本発明のし渣分離脱水機の運転方法では、円筒型スクリーン1とスクリュー2の回転数を個別に変更するようにして自由な運転設定が可能となるため、一方の機能を維持したまま、もう一方の機能を向上させることが可能となり、結果的に設備に応じた効率的な運転が行えるようになる。
また、円筒型スクリーン1の周囲に密閉ケーシング8を設けることにより、し渣の密閉搬送に対応した密閉型し渣分離脱水機とすることができる。
以上、本発明のし渣分離脱水機の運転方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
本発明のし渣分離脱水機の運転方法は、施設毎に異なる流入負荷に応じて、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更することができることから、例えば、負荷に応じた効率的な運転が行えるし渣分離脱水機として広く好適に用いることができる。
本発明のし渣分離脱水機の運転方法を適用するし渣分離脱水機の一実施例を示す縦断面図である。 同一部断面平面図である。 同し渣分離脱水機を示し、(a)は円筒型スクリーンの軸方向の断面図、(b)は同軸直交方向の断面図である。 従来のし渣分離脱水機を示す断面図である。
1 円筒型スクリーン
11 固液分離部
12 脱水部
13 ウェッジワイヤ
2 スクリュー
21 スクリュー軸
3 背圧抵抗板
4 モータ
5 モータ
61 チェーン
62 スプロケット
63 軸受箱
7 洗浄水ノズル
8 密閉ケーシング
81 流入口
82 排水口

Claims (2)

  1. 円筒型スクリーンの内部にし渣を搬送するスクリューを配設するとともに、該円筒型スクリーンの排出部に背圧機構を設け、背圧によりし渣を脱水するし渣分離脱水機の運転方法において、円筒型スクリーンとスクリューをそれぞれ回転可能に設けるとともに、円筒型スクリーンを回転させるモータと、スクリューを回転させるモータとを個別に設け、円筒型スクリーンとスクリューを逆方向に、かつ、流入負荷に応じて、円筒型スクリーンとスクリューの回転数を個別に変更するようにしたことを特徴とするし渣分離脱水機の運転方法
  2. 円筒型スクリーンの周囲に密閉ケーシングを設け、し渣を密閉搬送するようにしたことを特徴とする請求項1記載のし渣分離脱水機の運転方法
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