JP5142937B2 - 圧延ロール及びスクリーン印刷用メッシュ - Google Patents

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Description

本発明は、表面に規則正しい微細な凹凸パターンを有する圧延ロール及びスクリーン印刷用メッシュに関する。
周知の如く、鋼板やアルミ板などを元板とするプレス成型品や圧延材の表面塗装性や意匠性を向上させるために、その表面に微細な凹凸形状を形成することがある。
このような圧延材において、表面塗装性の機能のためには、触針式表面粗さ計で測定した算術平均粗さRaやPPI(peak per inch)などの二次元パラメータが所定の値を有する表面凹凸が必要とされる。その一方で、意匠的に高い付加価値を備えるには、パターンニングされた規則正しい表面凹凸が必要とされる。
規則正しい表面凹凸は、元板の圧延・プレス成形後にエッチング等により形成されることが多いが、低コスト化を実現するためには、圧延・プレス成形まで又は圧延・プレス成形と同時に表面加工を施すことが望まれている。そのために、表面に微細な凹凸パターンが形成された圧延ロールを採用し、圧延・プレス成形を行いつつその表面に微細な凹凸形状を形成する手法がある。
表面に微細な凹凸パターンが形成された圧延ロールとしては、製鉄所で用いられている放電ダルロール、スクラッチロール、ショットダルロールなどがある。しかしながら、これらの圧延ロールを、意匠性の高い表面加工に用いることは困難である。なぜならば、かかる圧延ロールは、放電加工、ショットブラスト加工により表面加工が行われており、規則正しくパターンニングされた表面凹凸形状を有するものとは言い難い。
これに対して、レーザや電子ビームを用いて製作された圧延ダルロールも存在する。しかしながら、この加工法では、表面凹凸形状のピッチが数百μm程度であり、微細な凹凸模様の形成は困難である。
以上述べた技術は、数々の特許文献に既に開示されているところである。
例えば、特許文献1には、ショットブラスト処理及びエッチング処理により微細な凹凸パターンを形成する技術が開示されている。また、特許文献2に開示されているような、レーザダル装置を高精度なパターン形成ができるようにレーザ発振器のヘッドを動かしながら、ロールを溶融してパターンを形成する技術が知られている。
特許文献3には、突起部をロール表面に形成させる方法として、ロールに直接樹脂マスクを塗り露光させてメッキで凸部を形成するのものが開示されている。特許文献4に示されているような、粉末をレーザ溶融させて突起部を形成する方法も知られている。
特開2000−317836号公報 特開2005−34865号公報 特開平5−156492号公報 特開2005−7448号公報
しかしながら、特許文献1〜特許文献4の全てが、表面硬さが硬い圧延ロールに直接微細パターンを形成する方法であり、実機の大型のロールを加工するためには特殊な大型の設備が必要である。加えて、実際のロール作成時には以下のような問題点がある。
すなわち、特許文献1に開示された技術では、圧延ロール表面の硬度が高い場合には、規則的な微細パターンの形成が困難であることは明らかである。
特許文献2に開示された技術では、既存のレーザダル装置を改造することによる大型ロールへの適用も可能であるが、規則的な微細パターンをレーザ加工で形成すると加工時間が長く、加工コストが掛かってしまう。
特許文献3に開示された技術のように、メッキで突起部を形成すると、圧延中に突起部には大きなせん断応力が作用するため剥離が起きてしまう可能性が大であり、圧延ロールの表面加工としては不適切であることが現場の実績として明らかとなっている。
また、特許文献4に開示された技術のように、粉末溶融による突起部の形成を行ったとしても、突起部と母材との接合強度に問題があり、圧延ロールの表面加工としては不適切である。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、金属板の圧延等に適した、表面に規則正しい微細な凹凸模様を有する圧延ロールを提供することを目的とする。この圧延ロールは、スクリーン印刷用メッシュを製作するのに適している。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る圧延ロールは、エッチング処理により板状の平板の表面に凹凸パターンを形成する工程と、前記凹凸パターンが表面に形成された平板を円筒状のスリーブに形成する工程と、前記スリーブを硬化処理する工程と、硬化処理されたスリーブを円柱状のロール基体の外周に嵌め込む工程と、を経て製造されたことを特徴とする。
この構成により、エッチング処理は平板の状態で行なわれるため、特別な装置を必要としないで容易に平板の表面に微細で規則正しい凹凸パターンを形成できる。その後に曲げ加工により平板からスリーブ状へ形状を加工する。このようなスリーブ状に形成してからスリーブを転写圧延可能な程度まで硬化させて、硬化後に圧延ロールの外表面にそのスリーブを挿入する。このため、エッチング時には平板上であってかつ柔らかく、表面に微細な凹凸パターンを容易に形成できるとともにスリーブに加工しやすく、スリーブ状で硬化処理を行ない、圧延ロールに挿入するので転写圧延に適した硬度の圧延ロールを得ることができる。
なお、本発明に係る圧延ロールは、エッチング処理により板状の平板の表面に凹凸パターンを形成する工程と、前記凹凸パターンが表面に形成された平板を円筒状のスリーブに形成する工程と、スリーブを円柱状のロール基体の外周に嵌め込む工程と、一体となったスリーブ及びロール基体を硬化処理する工程と、を経て製造してもよい。
好ましくは、前記硬化処理されたスリーブの表面のビッカース硬度がHv500以上であるとよい。
なお好ましくは、前記スリーブは、前記平板の端部同士を接合した際に生じる継ぎ目を有するとよい。
さらに好ましくは、前記凹凸パターンは、前記板状の平板の中央側表面のみに形成されているとよい。
また、本発明に係るスクリーン印刷用メッシュは、印刷ペーストを印刷対象物に対して転写する複数の開口部をメッシュ本体の表面に備えたスクリーン印刷用メッシュであって、前記メッシュ本体は、前記印刷対象物側に向かって板を湾曲させたような断面形状であって、前記開口部の縁に近づくにつれて前記印刷対象物から遠ざかるように反った断面形状に形成されていることを特徴とするものである。
なお、スクリーン印刷用メッシュは、前記開口部が上述の圧延ロールを用いて打ち抜かれているのが好ましい。
本発明に係る圧延ロールは、金属板の圧延等に適した、表面に規則正しい微細な凹凸パターンを表面に有するものとなっている。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1,図2は、本発明に係る圧延ロールの実施形態を示したものである。
前述したように、加工後にロール状に成型したスリーブを用いると、加工初期は平板であるため、既存の表面微細加工技術が適用可能である。特に、ステンレス板等は、平板であればフォトマスク・エッチングにより簡単に微細表面パターンの作成が可能である。しかしながら、このようなエッチングが簡単な材料は、十分な強度を有さないので圧延ロールの材質としては適するものではない。
この反面、エッチングが可能な薄板は塑性変形も可能であり、筒状のスリーブを作成することは容易である。
そこで、エッチング処理した平板をロール曲げ加工などで筒状にし、溶接によりスリーブを作成する。このスリーブを熱処理し硬度を高くして、圧延ロールの芯材となるロール基体を挿入することにより圧延ロールを作成する。ロール基体は通常のワークロールと略同一の形状をしていることが好ましいが、それに限定はされない。
このようにして作成した圧延ロールは、種々の表面形態毎にスリーブを交換することにより、簡単に圧延材の表面形態の変更が可能である。通常、転写圧延では大きな圧下を必要としないため(圧下率は10%未満)、スリーブとロール基体とを強固に接合する必要はない。大きな圧下率が必要な場合又は圧延対象が固い場合は、スリーブとロール基体のすべりが発生する可能性があるが、この場合は焼き嵌めなどにより、スリーブとロール基体とを強固に接合させることにより圧延可能となる。
図1に、本発明に係る圧延ロールの製造の工程を示す。
圧延ロールの製造の工程は、エッチング処理により板状の平板の表面に微細な凹凸パターンを形成する工程S1と、凹凸パターンが表面に形成された平板を円筒状のスリーブに形成する工程S2と、スリーブを硬化処理する工程S3と、硬化処理されたスリーブを円柱状のロール基体の外周に嵌め込む工程S4と、を有している。
詳しくは、元板1は、窒化により強度・耐磨耗性が増加するように成分設計された金属材料であり、ステンレス鋼が適用可能である。
元板1は、エッチングの曲げ加工の容易性から10mm以下の板厚が適切である。これは、ワークロール径として30mmから1000mmを考えた場合に、板厚が厚くなると、曲げ加工時に表面にエッチングされた凹凸が塑性変形し凹凸パターンが崩れるためである。
次に、平板状の元板1の表面全体に感光樹脂を塗布して感光樹脂膜2を形成する。この感光樹脂膜2は、エッチング処理の際のマスキング材となるものであって、たとえば、紫外光で硬化する材質を含む塗料が用いられ、厚みは約10〜50μm程度でよい。なお、感光樹脂膜2の形成方法としては、全面に均一な塗装が可能なスプレー法、静電塗装法が適している。
次いで、感光樹脂膜2が塗布された元板1にパターンマスク3を載置して、紫外光を照射する。このマスク3については、実際に元板1に形成されるパターン(例えば、凹部間のピッチ200μm、凹部の溝幅70μm)を大きく形成しておいて、光学レンズを用いて微細な像とし元板1の感光樹脂膜2に露光するようにしても構わない。
このマスク3により、紫外光が遮断された感光樹脂膜の部分には硬化していない感光樹脂膜2が残存し、紫外光が透過した感光樹脂膜の部分には硬化した感光樹脂膜2が形成される。
なお、元板1の表面に形成される微細な凹凸パターンの凹部間のピッチは、上述のように200μm以下、好ましくは、100μm〜20μmとすることが可能であり、また、元板1の表面に形成される凹部の溝幅は、上述のように70μm以下であって、好ましくは40μm〜10μmとすることが可能である。
次に、元板1に対してエッチング加工を行い、硬化していない感光樹脂膜2に対応する部分を腐食させて凹部を形成する。エッチング加工は、一般的な電解エッチングや化学エッチング等が利用できる。このエッチング加工により、元板1の表面には深さが10〜40μm程度の凹部が腐食形成される。
このようにしてエッチング加工による凹部の形成を終えたならば、残された元板1の表面に残された感光樹脂膜2をブラシ洗浄あるいは溶剤処理等の通常の方法に従って除去すれば、元板1の表面には無数の微細な規則正しい凹凸パターンが形成される。
エッチング処理された平板を曲げ加工により、たとえば50mmの直径の薄肉円筒(パイプ)形状のスリーブ4を形成する。このとき、元板1の表面に形成された凹凸形状がスリーブの外面となるように元板1を巻回し、且つ元板1の端同士が突き合わさる「継ぎ目8」を溶接にて接合した後に、溶接部を研磨して滑らかに仕上げる。すなわち、薄い平板である元板1を薄肉円筒のスリーブ4に成型するために、円筒状の表面又は/及び裏面に平板を接合した継ぎ目8が存在することになる。なお、金属製品の用途にもよるが、転写圧延された金属製品は、この継ぎ目8の存在自体を原因とする瑕疵があったとしても、問題とならない。例えば、凹凸パターンを形成した後に元板1を所定のサイズに切断して切り分けて使用する場合には、継ぎ目8を切断の目印として利用して容易に切断することもできる。
すなわち、圧延ロール7で圧延する場合、圧延ロール7を1周分回転させると1ユニットの製品が転写される場合が多い。このような場合は、圧延ロール7の1周分ごとに形成される継ぎ目8で製品のユニットを区別することができ、マーキングやトラッキングをすることなく容易に切断することができる。
図5に示されるように、凹凸パターンを板状の平板の中央側表面のみに形成して、凹凸パターンの周囲に凹凸パターンが形成されていない部分を形成することもできる。このようにすれば、上述のように元板1を切り分けて使用する際に、凹凸形状の周囲を製品取り付け部として利用することができて便利である。
すなわち、上述のように凹凸パターンと非凹凸パターンとを備えた製品では、他の部品に取り付けるために接着や溶接用の部分が必要となる。ところが、打ち抜きで形成された凹凸パターンは強度が低く、他の部品に対する取り付けには適していない。そこで、凹凸パターンの周囲に無加工の非凹凸パターンを設け、この非凹凸パターンを用いて他の部品に取り付けることにより、強度低下を招くことなく他の部品への取り付けが可能となる。
次に、そもそもエッチング加工及び曲げ加工に適した材料(スリーブ4)は柔らかいため、このままの状態では圧延ロールとして使用することが不可能である。そのため、表層から30〜500μm程度の深さまでスリーブ4を硬質化する必要がある。ただし、通常の焼き入れや浸炭等では、スリーブ4を高温化させるため熱ひずみが生じやすく、このような熱処理は適用できない。
これに対して、たとえば、NH3ガス中で約500℃に加熱して材料の表面に窒素を浸透させ窒化鉄の硬化層を生成させる窒化熱処理は、その処理温度が低く体積変化も生じない。ゆえに、本発明のようなスリーブ4に対する硬化処理には窒化熱処理が好適である。この窒化熱処理により、スリーブ4の表面の硬度をビッカース硬さHv500以上とすることが好ましい。特に好ましくは、Hv550〜Hv1200の範囲とするとよい。
窒化熱処理を経て表面が硬化した硬化スリーブ5をロール基体6に挿入して、圧延ロール7を完成させる。ここで作成した硬化スリーブ5は、焼き嵌めによりロール基体6に嵌め込んで、圧延ロール7を製作する。しかしながら、硬化スリーブ5の交換容易性を考慮すれば、必ずしも焼き嵌めにより圧延ロール7にする必要はない。
なお、図4に示すように、スリーブ5をロール基体6に嵌め込んで一体とした後に窒化熱処理を行うことで、圧延ロール7を成型しても何ら問題はない。
このようにして製造された圧延ロール7は、硬度Hv500以上、表面に微細且つ規則正しい凹凸パターン、円筒状の表面又は裏面に平板を接合した継ぎ目を備えた転写用及び/又は圧延用のロールとなる。
以上述べた製造工程を経て製作された圧延ロール7、及びこの圧延ロール7を用いて圧延を行った例を以下に述べる。
SUS304の板厚1mmの元板1に、エッチングにより図2のような断面を有する凹凸を網目状に形成した。この元板1を曲げ加工によりスリーブ4に加工して、ガス窒化処理により硬質化を行なった。硬化処理後のスリーブ5を径50mmのロール基体6に挿入し圧延ロール7とし、当該圧延ロール7を一対、及び径250mmのバックアップロールを一対備えた4段圧延機により転写圧延を行なった。なお、圧延材としては純アルミを用いた。
図3は、圧延後の圧延材表面のレーザ顕微鏡写真である。この写真から明らかなように、本実施例の圧延ロール7を用いることで、圧延材(転写材)に対して微細かつ規則的な表面凹凸を確実に形成できる。
本発明の圧延ロール7を用いて転写圧延により生産された、微細かつ規則的な表面凹凸形状を有する圧延板は、例えば熱交換効率を向上させることができる点で、熱交換器の熱媒体流通部位に用いられると好適である。
以上のようにして、圧延ロール7を構成する元板1は、エッチング時には平らであってかつ柔らかく、表面に微細な凹凸パターンを容易に形成できる。エッチング後であっても柔らかく、スリーブ4に加工しやすい。スリーブ状に加工した後に硬化処理を行ない、ロール基体6に挿入する。このため、転写圧延に適した硬度の圧延ロール7であって、表面に微細かつ規則的な表面凹凸形状を有する圧延ロール7を得ることができる。
次に、上述の圧延ロール7を用いて形成されるスクリーン印刷用メッシュ9及びその作り方について説明する。
図6に示すように、スクリーン印刷用メッシュ9は、メッシュ本体10と、このメッシュ本体10に形成された複数の開口部11とを有している。これらの開口部11は、メッシュ本体10を貫通するように形成されており、印刷対象物13に対向する側の反対側から供給された印刷ペースト12を印刷対象物13に供給できるようになっている。複数の開口部11は、メッシュ本体10の表面に互いに縦横に等間隔をあけて規則正しく碁盤の目のように並んでおり、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面にムラなく均一に供給することが可能となっている。
図7(a)に示すように、本発明のスクリーン印刷用メッシュ9においては、メッシュ本体10が開口部11の縁に近づくにつれて印刷対象物13から遠ざかるように反った断面形状に形成されている。このようにメッシュ本体10における開口部11の縁を反った形状に形成するのは次のような理由によるものである。
すなわち、図7(b)に示すように、メッシュ本体10における開口部11の縁の断面形状が長方形状となっている従来のメッシュ14では、印刷対象物13の表面に押し当てるとメッシュ本体10の表面が印刷対象物13の表面とすき間なく面で接し、メッシュ本体10の表面と印刷対象物13の表面との間に印刷ペースト12が回り込みにくくなる。それゆえ、印刷ペースト12は開口部11に対応した部分にしか塗布されず、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面に均一に転写することが困難になる。
一方、図7(c)に示すように、電鋳ニッケルメッキを用いて形成された従来の電鋳メッシュ15やSUS金網では、メッシュ本体10における開口部11の縁の角が丸まった断面形状になっており、印刷対象物13の表面に押し当てても両者の間には隙間16が生じる。それゆえ、印刷ペースト12がメッシュ本体10の表面と印刷対象物13の表面との間に回り込みやすく、インキのペーストが印刷対象物13の表面に広がって印刷ペースト12が均一に転写される。つまり、印刷ペースト12を均一に転写するには、印刷対象物13の表面と接するメッシュ本体10の表面が印刷対象物13側に対して湾曲状に形成されていると良いことになる。
ところが、電鋳メッシュ15は、ニッケルを太らせて楕円形状の断面形状を形成している関係上、メッシュの厚みを一定以下に薄くすることができず、メッシュの厚みとして最小の厚みは約20μm程度である。また、SUS金網は、金網の編み込みを行うために、ある程度の線径がSUS線に必要となるため、メッシュの最小厚みは約10μm程度である。つまり、電鋳メッシュ15やSUS金網では、メッシュの厚みを10μm以下に形成することは困難である。
それゆえ、図8(a)に示すように、電鋳メッシュ15では、開口部11に形成される印刷ペースト12を保持するためのスペースがメッシュの厚み方向に長くなり、開口部11には大量の印刷ペースト12が保持されることになる。その結果、この従来のメッシュを用いて印刷ペースト12の転写を行うと、開口部11に対応した位置に印刷ペースト12が大量に転写され、印刷ペースト12の厚みが印刷対象物13の表面でばらつき、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面に均一な厚みで転写することが困難になる。
そこで、図7(a)及び図8(b)に示すように、本発明のスクリーン印刷用メッシュ9では、メッシュ本体10における開口部11の縁を反った形状(本実施形態では曲率半径が20μm程度)に形成すると共にメッシュの厚みを電鋳メッシュ15より薄く(本実施形態では5μm程度に)形成して、メッシュ本体10の表面と印刷対象物13の表面との間に隙間16を形成している。
このようにすれば、印刷ペースト12がこの隙間16に回り込んで印刷対象物13の表面に広がり、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面に均一に(ムラなく)転写できるようになる。また、開口部11に形成される印刷ペースト12を保持するためのスペースがメッシュの厚み方向に短くなり、メッシュに保持される印刷ペースト12の量(透過体積)が少なくなる。その結果、印刷対象物13の表面における印刷ペースト12の厚みのばらつきが抑制され、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面に薄く均一に転写することが可能になる。
このように本発明のスクリーン印刷用メッシュ9では、メッシュ本体10における開口部11の縁を反った形状に形成すると共にメッシュ本体10の厚みを薄くすることにより、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面全体に亘ってムラなく且つ薄く均一に塗布でき、鮮明で輪郭がくっきりとした印刷ができる。
上述のようなスクリーン印刷用メッシュ9は、以下のようにして作ることができる。
図9(a)に示すように、まずアルミニウムのような弾性材料でなるダイス層17と、ニッケルやチタンのような硬質材料でなるメッキ層とを積層状に有する複合メッキ板18を用意する。そして、例えば図2のような凹凸パターンが形成された圧延ロール7と、この圧延ロール7の下方に設けられたワークロールとの間にこの複合メッキ板18を通板し、メッキ層の表面を圧延ロール7で押圧する。
このようにしてメッキ層の表面を圧延ロール7で押圧すると、図9(b)に示すように、凸部19の突端面19aが複合メッキ板18のダイス層17に達する深さまで入り込み、複合メッキ板18の表面における凸部19に対応した部分がダイス層17に達する深さまで圧下される。
一方、圧延ロール7の押圧に際しては、圧延ロール7の凹部20の底面20aがメッキ層の表面から上方に離れたままとなるように、圧延ロール7の位置や圧力を調整する。そうすると、複合メッキ板18の表面における圧延ロール7の凹部20に対応した部分が変形せずに残る。このとき、凹部20に対応した部分は、凸部19に対応した部分の圧下に伴って、凸部19に近い側の縁が圧下方向(下方)に向かってだれるように変形して縁が反った形状(湾曲した形状)に形成される。
それゆえ、図9(c)に示すように、圧延後のメッキ層には、圧延ロール7の凹部20に対応した部分が上方に向かって湾曲して残り、凸部19に対応した部分が湾曲した部分より下方に打ち抜かれる。
そして、図9(d)に示すように、ダイス層17を溶解させると、メッキ層の打ち抜かれた部分がダイス層17と一緒に溶け落ち、メッキ層のうち下側に湾曲した部分だけが残る。
最後に、図9(e)に示すように、湾曲したメッキ層を上下にひっくり返し、下方に向けて湾曲した状態にしてメッシュ本体10として取り付けてスクリーン印刷用メッシュ9が得られる。
このようにして得られたスクリーン印刷用メッシュ9に対して、例えば特開平08−52951号公報などに記載される従来のメッシュ14は、メッシュ本体10における開口部11の縁の断面形状が長方形状となっており、印刷対象物13の表面に押し当てた際にはメッシュ本体10の表面と印刷対象物13の表面との間に印刷ペースト12が回り込みにくくなる。当然、印刷ペースト12は開口部11に対応した部分にしか塗布されず、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面に均一に転写することが困難になり、鮮明で輪郭がくっきりとした印刷を行うことができない。
一方、例えば特開平03−162995号公報などに記載される電鋳メッシュ15は、上述のようにメッシュの厚みを一定以下に薄くすることはできず、開口部11に大量の印刷ペースト12が保持される。それゆえ、この電鋳メッシュ15を用いて印刷ペースト12の転写を行うと、開口部11に対応した位置に印刷ペースト12が大量に転写され、印刷ペースト12の厚みが印刷対象物13の表面でばらつく。当然、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面に均一な厚みで転写することが困難になり、従来のメッシュ14同様に鮮明で輪郭がくっきりとした印刷を行うことができない。
これらの従来のメッシュ14、15に対して、本発明のスクリーン印刷用メッシュ9では、メッシュ本体10における開口部11の縁を反った形状に形成すると共にメッシュ本体10の厚みを薄くすることにより、印刷ペースト12を印刷対象物13の表面全体に亘ってムラなく且つ薄く均一に塗布でき、鮮明で輪郭がくっきりとした印刷ができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、アルミのダイス層17の上にニッケルなどのメッキ層が形成された複合メッキ板18に圧延ロール7を押し付けて凹凸パターンを形成し、凹凸パターンの形成後にダイス層17を溶解させてスクリーン印刷用メッシュ9を形成する溶解法を例示した。しかし、凹凸パターンの圧延対象物は複合メッキ板18以外でなくても良い。例えば、ニッケルやチタンなどの硬質金属板や金属膜をダイス層17に貼り合わしてなる複合板に圧延ロール7を押し付けて凹凸パターンを形成し、凹凸パターンの形成後にダイス層17を剥離してスクリーン印刷用メッシュ9を形成することもできる。
本実施形態に係る圧延ロールの製造工程を示す図である。 本実施形態に係る圧延ロールの表面の詳細な断面図である。 本実施形態に係る圧延ロールにより凹凸を転写された圧延材の表面状態を示した写真である。 本実施形態に係る圧延ロールの別の製造工程を示す図である。 凹凸パターンが平板の中央側表面のみに形成されたスリーブを示す図である。 スクリーン印刷用メッシュの開口部を示す写真である。 (a)は図6のA−A線断面図である。(b)は(a)と同じ部分で切断した従来のメッシュの断面図である。(c)は(a)と同じ部分で切断した電鋳メッシュの断面図である。 (a)は本発明のスクリーン印刷用メッシュを用いた印刷ペーストの転写を示す図である。(b)は電鋳メッシュを用いた印刷ペーストの転写を示す図である。 本発明のスクリーン印刷用メッシュの製造方法を示す図である。
符号の説明
1 元板
2 感光樹脂膜
3 マスク
4 スリーブ
5 硬化スリーブ
6 ロール基体
7 圧延ロール

Claims (7)

  1. エッチング処理により板状の平板の表面に凹凸パターンを形成する工程と、
    前記凹凸パターンが表面に形成された平板を円筒状のスリーブに形成する工程と、
    前記スリーブを硬化処理する工程と、
    硬化処理されたスリーブを円柱状のロール基体の外周に嵌め込む工程と、
    を経て製造されたことを特徴とする圧延ロール。
  2. エッチング処理により板状の平板の表面に凹凸パターンを形成する工程と、
    前記凹凸パターンが表面に形成された平板を円筒状のスリーブに形成する工程と、
    スリーブを円柱状のロール基体の外周に嵌め込む工程と、
    一体となったスリーブ及びロール基体を硬化処理する工程と、
    を経て製造されたことを特徴とする圧延ロール。
  3. 前記硬化処理されたスリーブの表面のビッカース硬度がHv500以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延ロール。
  4. 前記スリーブは、前記平板の端部同士を接合した際に生じる継ぎ目を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧延ロール。
  5. 前記凹凸パターンは、前記板状の平板の中央側表面のみに形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧延ロール。
  6. 印刷ペーストを印刷対象物に対して転写する複数の開口部をメッシュ本体の表面に備えると共に、前記開口部が請求項1〜5のいずれかに記載された圧延ロールを用いて打ち抜かれたスクリーン印刷用メッシュであって、
    前記メッシュ本体は、前記印刷対象物側に向かって板を湾曲させたような断面形状であって、前記開口部の縁に近づくにつれて前記印刷対象物から遠ざかるように反った断面形状に形成されていることを特徴とするスクリーン印刷用メッシュ。
  7. 印刷ペーストを印刷対象物に対して転写する複数の開口部をメッシュ本体の表面に備え
    たスクリーン印刷用メッシュであって、
    前記メッシュ本体は、前記印刷対象物側に向かって板を湾曲させたような断面形状であって、前記開口部の縁に近づくにつれて前記印刷対象物から遠ざかるように反った断面形状に形成されていることを特徴とするスクリーン印刷用メッシュ。
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