JP5140846B1 - 耐熱性鋳鋼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性および高温耐食性を向上させるとともに、ガス欠陥の少ない耐熱性鋳鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】Cが0.7〜1.3質量%、Siが1.5〜2.5質量%、Crが25〜30質量%、およびNが0.2〜0.3質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物元素からなる耐熱性鋳鋼の製造方法であって、湯口12側を高くして角度θが2°以上13°以下となる勾配を持たせた鋳型11に、温度が1500℃以上1620℃以下である溶湯Mを注湯して鋳造する。
【選択図】図5
【解決手段】Cが0.7〜1.3質量%、Siが1.5〜2.5質量%、Crが25〜30質量%、およびNが0.2〜0.3質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物元素からなる耐熱性鋳鋼の製造方法であって、湯口12側を高くして角度θが2°以上13°以下となる勾配を持たせた鋳型11に、温度が1500℃以上1620℃以下である溶湯Mを注湯して鋳造する。
【選択図】図5
Description
本発明は、耐熱性鋳鋼の製造方法に関するものである。
耐熱性鋳鋼の一例として、ごみ焼却炉などに用いられる火格子が挙げられる。火格子は、ごみ焼却炉設備の炉床部に敷き詰められて、上方でごみを攪拌して送り出すとともに焼却させるものである。このため、火格子には、ごみに紛れた重量物の落下衝突による割れに対する靭性、金属や砂に対する耐摩耗性、ごみを焼却させた灰に含まれる塩化物などに対する高温耐食性、などの物性が要求される。
これら物性を向上させるには、耐熱性鋳鋼の成分範囲を適切にしたり、鋳造方法を工夫することが考えられる。工夫された鋳造方法として、複数の鋳型を順次間欠的に搬送する搬送路において、注湯位置に停止させた鋳型に溶湯を注湯する際、鋳型を傾斜させることにより、ガスなどの溶湯への巻き込みを防止する発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、耐熱性鋳鋼において、耐摩耗性(高温硬さ)を向上させるにはN(窒素)を含有させ、高温耐食性を向上させるには十分なCr(クロム)を含有させればよい。しかし、このような耐熱性鋳鋼の溶湯は、注湯された鋳型で冷却されて凝固するまでに多量のN(窒素)ガスを発生させるので、注湯時のガスの巻き込みに加え、発生したガスの巻き込みも大きな問題となる。
一方、上記特許文献1に記載の鋳造方法は、上記のような溶湯が多量のNガスを発生させる耐熱性鋳鋼を想定したものではなく、鋳型の具体的な傾斜角度も開示されていない。すなわち、上記特許文献1からは、発生する多量のNガスの巻き込みを防止できる手段が不明である。したがって、上記特許文献1に記載の鋳造方法では、鋳造される耐熱性鋳鋼において、ガスの巻き込みによる欠陥、すなわち、多発するガス欠陥を防止できないという問題があった。
そこで、本発明は、耐摩耗性および高温耐食性を向上させるとともに、ガス欠陥の少ない耐熱性鋳鋼の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明の耐熱性鋳鋼の製造方法は、Cが0.7〜1.3質量%、Siが1.5〜2.5質量%、Crが25〜30質量%、およびNが0.2〜0.3質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物元素からなる耐熱性鋳鋼の製造方法であって、
湯口側を高くして角度が2°以上13°以下となる勾配を持たせた鋳型に、溶湯を注湯して鋳造し、
鋳型に注湯する溶湯の温度が1500℃以上1620℃以下であるものである。
湯口側を高くして角度が2°以上13°以下となる勾配を持たせた鋳型に、溶湯を注湯して鋳造し、
鋳型に注湯する溶湯の温度が1500℃以上1620℃以下であるものである。
さらに、請求項2に係る本発明の耐熱性鋳鋼の製造方法は、請求項1に係る発明の耐熱性鋳鋼の製造方法において、耐熱性鋳鋼がごみ焼却炉に用いられる火格子であるものである。
上記耐熱性鋳鋼の製造方法によると、耐摩耗性および高温耐食性を向上させるとともに、ガス欠陥の少ない耐熱性鋳鋼を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る耐熱性鋳鋼の製造方法について説明する。以下では、鋳造された直後の半製品を鋳造品と言い、この鋳造品から押湯などを除去する鋳仕上げを行った後、必要な機械加工がされた完成品を耐熱性鋳鋼と言う。また、上記鋳造品は、鋳仕上げにより除去される部分を湯口側に有するものとする。
本実施の形態に係る耐熱性鋳鋼の一例として、ストーカ式のごみ焼却炉に用いられる火格子について説明する。
まず、ストーカ式のごみ焼却炉およびこれに用いられる火格子の概略について簡単に説明する。
まず、ストーカ式のごみ焼却炉およびこれに用いられる火格子の概略について簡単に説明する。
図1に示すように、ストーカ式のごみ焼却炉Iは、ごみWが投入されるホッパーHと、このホッパーHから投入されたごみWを送り出すとともに燃焼させて灰にする炉床部Fと、ごみWを燃焼させた灰を排出する排出口Oとを備える。上記炉床部Fは、ごみWをホッパーH側から排出口O側に送り出しやすいように、排出口O側を低くして傾斜されている。上記炉床部Fには、ごみWの上流側から、ごみWを乾燥させる乾燥段Dと、この乾燥段Dよりも一段低い位置でごみWを燃焼させる燃焼段Bと、ごみWの固定炭素残留分をさらに燃焼させる後燃焼段Lとが形成されている。また、上記炉床部Fには、図1および図2に示すように、多数の火格子1が、下流側に上流側が重なるようにして敷き詰められている。上記火格子1は、図2に示すように、上面が略平坦であり、下流側の火格子1’の上面に接する前部2と、炉床部Fに軸支される後部4と、前部2と後部4との間に位置する中間部3とから形成される。
次に、上記火格子1の成分について説明する。
上記火格子1は、耐摩耗性および高温耐食性が要求されるので、Cが(炭素)が0.7〜1.3質量%、Si(珪素)が1.5〜2.5質量%、Cr(クロム)が25〜30質量%、およびN(窒素)が0.2〜0.3質量%含有し、残部がFe(鉄)および不可避的不純物元素などからなるものである。
上記火格子1は、耐摩耗性および高温耐食性が要求されるので、Cが(炭素)が0.7〜1.3質量%、Si(珪素)が1.5〜2.5質量%、Cr(クロム)が25〜30質量%、およびN(窒素)が0.2〜0.3質量%含有し、残部がFe(鉄)および不可避的不純物元素などからなるものである。
次に、上述したような成分範囲にした理由について説明する。
まず、Cの添加量については、高温強度および鋳造性の向上のため、0.7質量%以上添加する必要があり、また添加し過ぎた場合には、耐食性および靭性の低下を招くため、1.3質量%を上限とする。
まず、Cの添加量については、高温強度および鋳造性の向上のため、0.7質量%以上添加する必要があり、また添加し過ぎた場合には、耐食性および靭性の低下を招くため、1.3質量%を上限とする。
Siの添加量については、鋳造性および耐食性の向上の観点から、1.5質量%以上が好ましく、また脆化を防ぐために、2.5質量%を上限とする。
Crの添加量については、従来の耐熱性鋳鋼と同等レベルの耐食性および耐酸化性を維持するために、25〜30質量%の範囲とする。
Crの添加量については、従来の耐熱性鋳鋼と同等レベルの耐食性および耐酸化性を維持するために、25〜30質量%の範囲とする。
Nの添加量については、凝固完了後に生成する炭窒化物の析出を利用して、高温下での硬さ(高温硬さ)すなわち耐摩耗性を改善するために、0.2質量%以上にする必要があり、また大気下における溶解では、多量のN含有のための添加が困難になり、また、添加に要するコストがかかること、および0.3質量%以上になると炭窒化物が晶出するためであろうと予測されるが、必要な耐食性が確保しにくくなるために、0.3質量%を上限とする。
不可避的不純物元素として、通常の高Cr鋳鋼と同様、鋳造性確保のために、通常の混入する範囲内の不純物元素を許容する。具体的には、Mnが0.5〜1.2質量%程度、Niが0.5〜1.0質量%程度、Pが0.024質量%程度、Sが0.008質量%程度である。
以下、本発明の要旨である上記火格子1の製造方法について説明する。
予め、上記火格子1用の鋳型および鋳枠を準備する。本実施の形態に係る鋳型は、一例として、図3(a)に示すように、1つの湯口12から火格子1の鋳造品5を2つ鋳造でき、図3(b)に示すように、湯口12側が火格子1の後部4で、湯道先13側が火格子1の前部2になるようにされている。そして、上記鋳型11に、湯口12側を湯道先13側よりも高くして勾配を持たせる。その一例としては、鋳枠10の底に敷く鋳型定盤21のうち、湯口12側の鋳型定盤22を、湯道先13側の鋳型定盤23よりも高いものとする。また、上記勾配の角度θは、2〜13°の範囲となるように調整する。この理由としては、勾配の角度θが2°未満だと、勾配を持たせない鋳型11と大差なく、鋳造品5にガス欠陥の発生を防止する効果が不十分だからである。一方、勾配の角度θが13°超だと、湯口12側と湯道先13側とで鋳造品5の結晶粒の粗さの差が目視で分かる程度に大きく、また、鋳枠10を不安定な状態で固定するので鋳造作業性が低下するからである。なお、湯口12側を上昇させた勾配は、落とし込み勾配とも言われる。
予め、上記火格子1用の鋳型および鋳枠を準備する。本実施の形態に係る鋳型は、一例として、図3(a)に示すように、1つの湯口12から火格子1の鋳造品5を2つ鋳造でき、図3(b)に示すように、湯口12側が火格子1の後部4で、湯道先13側が火格子1の前部2になるようにされている。そして、上記鋳型11に、湯口12側を湯道先13側よりも高くして勾配を持たせる。その一例としては、鋳枠10の底に敷く鋳型定盤21のうち、湯口12側の鋳型定盤22を、湯道先13側の鋳型定盤23よりも高いものとする。また、上記勾配の角度θは、2〜13°の範囲となるように調整する。この理由としては、勾配の角度θが2°未満だと、勾配を持たせない鋳型11と大差なく、鋳造品5にガス欠陥の発生を防止する効果が不十分だからである。一方、勾配の角度θが13°超だと、湯口12側と湯道先13側とで鋳造品5の結晶粒の粗さの差が目視で分かる程度に大きく、また、鋳枠10を不安定な状態で固定するので鋳造作業性が低下するからである。なお、湯口12側を上昇させた勾配は、落とし込み勾配とも言われる。
そして、上述した成分範囲の鋳造品5となる溶湯を、1500〜1620℃に加熱する。この溶湯の温度は、鋳造の技術分野で推考できる範囲を超えたものである。なぜなら、溶湯の温度は、鋳造品5の凝固組織を微細化して良質な結晶性を確保するためにも、可能な限り低くされ、一般的に1500℃未満だからである。例えば、中心部に熱電対を設置した直径5cm程度の耐火物製鋳型に注湯して測定した冷却曲線である図4に示すように、本発明の成分範囲内にある耐熱性鋳鋼は、1380〜1400℃と、1240〜1260℃とで冷却曲線がなだらかになっていることから、液相線温度(凝固開始温度)が1380〜1400℃、固相線温度(凝固完了温度)が1240〜1260℃である。このため、上記耐熱性鋳鋼となる溶湯の温度は、一般的に、液相線温度である1380〜1400℃から50〜100℃だけ高い温度、つまり1430〜1500℃に抑えられる。これに対して、本発明では、溶湯を一層高温の1500〜1620℃に加熱することで、溶湯の粘度を下げ、勾配を持たせた鋳型11において、溶湯が巻き込んだガスを適切に逃がすという作用を有する。参考までに、図4に示す8通りの冷却曲線の溶湯は、それらの耐熱性鋳鋼において、Cが0.87〜0.91質量%、Siが2.3〜2.5質量%、Crが27.2〜28.0質量%、Nが0.20〜0.22質量%、Mnが0.5質量%程度、Niが0.6質量%程度、Pが0.024質量%程度、およびSが0.008質量%程度含有し、残部がFe(鉄)などからなる。
ところで、本発明における溶湯Mの温度範囲を決定するために、角度θが4.7°の勾配を持たせた鋳型11に、1490〜1640℃から11通りの温度の溶湯を注湯して、火格子1の鋳造品5を鋳造する実験を行った。なお、溶湯並びに使用する鋳型11および鋳枠10は、後述する実施例2と同一にした。本実験の鋳造品5におけるガス欠陥の発生率は、下の表1の通りである。
なお、本発明では溶湯Mが高温であるから、鋳造品5の凝固組織が微細化しにくく、結晶性を確保するためにも、溶湯Mに微細化剤を添加する。
次に、図5に示すように、1500〜1620℃に加熱された溶湯Mを鋳型11に注湯する。鋳型11に勾配を持たせるとともに溶湯Mが高温のため粘度が低下したことにより、鋳型11に注湯された溶湯Mは、鋳型11の湯口12側を加熱しながら、湯口12側から湯道先13側まで短時間で達する。このため、溶湯Mは湯道先13側から充填され、その温度分布では、湯口12側が高温で湯道先13側が低温となる。したがって、溶湯Mは湯道先13側から湯口12側まで順次凝固していくので、溶湯Mに巻き込まれたガス、および注湯時に発生したガスは、湯道先13側から湯口12側まで移動し、最終的に湯口12側の押湯6や湯口12に集まりやすくなる。これに対して、従来の鋳型(勾配を持たせず水平である)11だと、注湯された溶湯Mは鋳型11の底部側から充填され、その温度分布は、湯道先13側ではなく底部側が低温となる。したがって、溶湯Mは湯道先13側ではなく底部側から順次凝固していくので、溶湯Mに巻き込まれたガス、および注湯時に発生したガスは、底部側から上面側まで移動し、最終的に押湯6や湯口12以外にも集まりやすい。言い換えれば、本発明は、従来の鋳型11だと火格子1の上面に発生するガス欠陥を、鋳造品5の押湯6などに集めることで、これら押湯6などを除去する鋳仕上げを行った火格子1(完成品)に、ガス欠陥を残さないようにするものである。
次に、図5に示すように、1500〜1620℃に加熱された溶湯Mを鋳型11に注湯する。鋳型11に勾配を持たせるとともに溶湯Mが高温のため粘度が低下したことにより、鋳型11に注湯された溶湯Mは、鋳型11の湯口12側を加熱しながら、湯口12側から湯道先13側まで短時間で達する。このため、溶湯Mは湯道先13側から充填され、その温度分布では、湯口12側が高温で湯道先13側が低温となる。したがって、溶湯Mは湯道先13側から湯口12側まで順次凝固していくので、溶湯Mに巻き込まれたガス、および注湯時に発生したガスは、湯道先13側から湯口12側まで移動し、最終的に湯口12側の押湯6や湯口12に集まりやすくなる。これに対して、従来の鋳型(勾配を持たせず水平である)11だと、注湯された溶湯Mは鋳型11の底部側から充填され、その温度分布は、湯道先13側ではなく底部側が低温となる。したがって、溶湯Mは湯道先13側ではなく底部側から順次凝固していくので、溶湯Mに巻き込まれたガス、および注湯時に発生したガスは、底部側から上面側まで移動し、最終的に押湯6や湯口12以外にも集まりやすい。言い換えれば、本発明は、従来の鋳型11だと火格子1の上面に発生するガス欠陥を、鋳造品5の押湯6などに集めることで、これら押湯6などを除去する鋳仕上げを行った火格子1(完成品)に、ガス欠陥を残さないようにするものである。
そして、鋳型11に注湯された溶湯Mが所定の温度にまで冷却されて凝固すると、鋳型11から2つの鋳造品5を取り出す。各鋳造品5から押湯6などを除去する鋳仕上げを行った後、必要な機械加工をすることで、2つの火格子1が完成する。
以下、上記実施の形態をより具体的に示した複数の実施例に係る火格子1の製造方法と、これら実施例と比較する複数の比較例に係る火格子の製造方法とについて説明する。以下の実施例1〜5、並びに比較例1および2では、いずれも鋳造品5の成分が、Cが0.75〜0.95質量%、Crが25.0〜28.0質量%、Nが0.2〜0.3質量%、Siが1.5〜2.5質量%、Mnが1.0質量%以下、Niが1.0質量%以下、Pが0.04質量%以下、Sが0.04質量%以下となる溶湯Mを使用した。また、いずれも、溶湯Mを1530〜1600℃に加熱し、縦横が1100mmの金枠に入れた同一の鋳型11を使用し、持湯量を約100kgとした。なお、製造された火格子1は、いずれも1つ当たり約35kgであった。
実施例1として、湯口12側を湯道先13側よりも50mmだけ高くした。すなわち、鋳型11の勾配の角度θは2.6°である。
この場合における鋳造品5には、補修可能な僅かなガス欠陥が発生した。しかし、当該ガス欠陥を補修することで、良好な火格子1が得られた。
この場合における鋳造品5には、補修可能な僅かなガス欠陥が発生した。しかし、当該ガス欠陥を補修することで、良好な火格子1が得られた。
実施例2として、湯口12側を湯道先13側よりも90mmだけ高くした。すなわち、図6(a)に示すように、鋳型11の勾配の角度θは4.7°である。
この場合における鋳造品5には、図6(b)に示すように、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
この場合における鋳造品5には、図6(b)に示すように、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
実施例3として、湯口12側を湯道先13側よりも100mmだけ高くした。すなわち、鋳型11の勾配の角度θは5.2°である。
この場合における鋳造品5には、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
この場合における鋳造品5には、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
実施例4として、湯口12側を湯道先13側よりも150mmだけ高くした。すなわち、鋳型11の勾配の角度θは7.8°である。
この場合における鋳造品5には、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
この場合における鋳造品5には、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
実施例5として、湯口12側を湯道先13側よりも250mmだけ高くした。すなわち、鋳型11の勾配の角度θは13.1°である。
この場合における鋳造品5には、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
[比較例1]
この場合における鋳造品5には、ガス欠陥が発生しなかった。このため、良好な火格子1が得られた。
[比較例1]
比較例1として、湯口12側と湯道先13側との高さを同一にした。すなわち、図7(a)に示すように、鋳型11に勾配を持たせておらず、鋳型11を水平にした一般的な鋳造方法である。
この場合における鋳造品5の上面には、図7(b)に示すように、補修できない程度の複数のガス欠陥Gが、前部2から後部4にかけて分散して発生した。
[比較例2]
[比較例2]
比較例2として、湯道先13側(湯口12側ではない)を湯口12側よりも90mmだけ高くした。すなわち、図8(a)に示すように、鋳型11の勾配の角度θは−4.7°である。なお、湯道先13側を上昇させた勾配は、押上げ勾配とも言われる。
この場合における鋳造品5の上面には、図8(b)に示すように、補修できない程度の複数のガス欠陥Gが、前部2に集中して発生した。
以上の実施の形態および実施例で示すように、上記火格子1の製造方法によると、Nを含む高Cr鋼のように鋳造において多量のNガスが発生し得る成分の溶湯Mであっても、鋳仕上げにより除去される部分にガスを逃がすので、耐摩耗性および高温耐食性を向上させるとともに、ガス欠陥の少ない火格子1を製造することができる。
以上の実施の形態および実施例で示すように、上記火格子1の製造方法によると、Nを含む高Cr鋼のように鋳造において多量のNガスが発生し得る成分の溶湯Mであっても、鋳仕上げにより除去される部分にガスを逃がすので、耐摩耗性および高温耐食性を向上させるとともに、ガス欠陥の少ない火格子1を製造することができる。
ところで、上記実施の形態および実施例では、耐熱性鋳鋼の例として火格子1について説明したが、これに限定されるものではなく、他の耐熱性鋳鋼であってもよい。
また、上記実施の形態および実施例では、鋳枠10の底に敷く鋳型定盤21を湯口12側と湯道先13側とで高さを変えて鋳型11に勾配を持たせたが、これは一例に過ぎず、鋳型11自体を湯口12側が高くなるように傾斜させて造形することで、鋳型11に勾配を持たせてもよい。
また、上記実施の形態および実施例では、鋳枠10の底に敷く鋳型定盤21を湯口12側と湯道先13側とで高さを変えて鋳型11に勾配を持たせたが、これは一例に過ぎず、鋳型11自体を湯口12側が高くなるように傾斜させて造形することで、鋳型11に勾配を持たせてもよい。
さらに、上記実施の形態および実施例では、一例として、1つの湯口12から火格子1の鋳造品5を2つ鋳造できる鋳型11について説明したが、これに限定されるものではない。
I ごみ焼却炉
W ごみ
F 炉床部
M 溶湯
θ 角度
1 火格子
2 前部
3 中間部
4 後部
5 鋳造品
6 押湯
11 鋳型
12 湯口
13 湯道先
21 鋳型定盤
W ごみ
F 炉床部
M 溶湯
θ 角度
1 火格子
2 前部
3 中間部
4 後部
5 鋳造品
6 押湯
11 鋳型
12 湯口
13 湯道先
21 鋳型定盤
Claims (2)
- Cが0.7〜1.3質量%、Siが1.5〜2.5質量%、Crが25〜30質量%、およびNが0.2〜0.3質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物元素からなる耐熱性鋳鋼の製造方法であって、
湯口側を高くして角度が2°以上13°以下となる勾配を持たせた鋳型に、溶湯を注湯して鋳造し、
鋳型に注湯する溶湯の温度が1500℃以上1620℃以下であることを特徴とする耐熱性鋳鋼の製造方法。 - 耐熱性鋳鋼がごみ焼却炉に用いられる火格子であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性鋳鋼の製造方法。
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