JP5139913B2 - Nmr装置 - Google Patents

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本発明は、NMR装置用試験管およびこれを用いたNMR装置に関する。
核磁気共鳴装置(Nuclear Magnetic Resonance Apparatus;以下、NMR装置と呼ぶ)においては、アンテナコイルにより測定対象である試料へ高周波磁場を印加し、試料からの核磁気共鳴信号を受信する。高いSN比のスペクトルを得るためには、信号強度が大きく、ノイズが小さいこと、および試料領域の静磁場均一度が高いことが求められる。
(アンテナコイルの感度領域)
非特許文献1によれば、信号強度はサンプル挿入時におけるQ値の平方根に比例する。したがって、SN比を向上させるため、できる限りQ値を高くする必要がある。アンテナコイルの感度領域が不必要に広いと、Q値が低下しやすい。
アンテナコイルの感度領域が不必要に広いと計測に不要なノイズを受信しやすくなる。ノイズ低下のため、NMR装置用のアンテナコイルは感度分布を試料領域のみに制限することが望ましい。
アンテナコイルの感度分布を調整する方法として、アンテナコイルを金属で囲む「高周波シールド」が知られている。
Figure 0005139913
式(1)で示される表皮深さは、ある材質に入射した電磁波が1/eに減衰する距離である。十分なシールド効果を得るには、式(1)に示した表皮深さより厚い導体でアンテナコイルを囲む必要である。
(静磁場均一度)
NMR装置の分野では試料領域の不整磁場を評価する際、磁場を式(2)で表す。展開係数が不整磁場の大きさを表しており、試料領域の静磁場が完全に均一の場合にはm=n=0以外の項が全て0となる。本明細書中では、展開係数をA(n)(m)、B(n)(m)と表記する。
Figure 0005139913
静磁場中に置かれた物質Aと物質Bとの界面には、式(3)で表される磁荷dqが生じる。
Figure 0005139913
界面に生じる磁荷を小さくするためには、物質同士の磁化率差を小さくすればよい。例えば、プローブ筐体と大気の界面に生ずる磁荷を小さくするには、プローブ筐体の磁化率を大気の磁化率に近づけることが望ましい。
また、試験管とサンプルとの界面に生ずる磁荷を小さくするには、特許文献1に示すように、試験管の磁化率をサンプル(溶媒)の磁化率に近づけることが望ましい。
特許文献1には、核磁気共鳴装置に用いる試料管を、試料の磁化率に近似する磁化率を有するガラス物質を用いて構成した核磁気共鳴装置用試料管が開示されている。
磁荷dqが点r’に作るz方向の磁場dBz(r’)は式(4)で表され、磁荷に近い位置ではシムコイルで補正が困難な高次の不整磁場を作る。式(3)より、磁荷は静磁場Bと非平行な界面のみ生じるので、静磁場Bと非平行な界面を試料領域から遠ざけることが望ましい。
Figure 0005139913
特開平7−84023号公報 D.I.Hoult and R.E.Richards、J.Magn.Reson.24、71〜85(1976):信号強度とアンテナのQ値
本発明の目的は、高周波シールドおよびプローブ筐体に設けたサンプル挿入部におけるシールド効果および静磁場均一度の低下を抑制することにある。
上記課題を解決するための一つの手段として、次のようなNMR装置用試験管を提案する。
本発明のNMR装置用試験管は、試験管挿入部を有するプローブ筐体と、このプローブ筐体に内蔵されたアンテナコイルと、このアンテナコイルを囲む高周波シールドとを含むプローブに、前記試験管挿入部を介してNMR装置の静磁場の中心部に装着するNMR装置用試験管であって、このNMR装置用試験管の内部に、前記高周波シールドと同じ材料、あるいは前記高周波シールドと磁化率が等しい、またはほぼ等しい材料で構成された柱状部材を少なくとも1つ以上設け、この柱状部材は、前記NMR装置用試験管を前記プローブに装着した時に前記高周波シールドを補助し、前記アンテナコイルの感度領域を制限することを特徴とする。
もう一つの手段として、上記のNMR装置用試験管をプローブに装着したNMR装置を提案する。
本発明のNMR装置は、上記のNMR装置用試験管をプローブに装着することによって、柱状部材が高周波シールドを補助する構造を形成することを特徴とする。
本発明によれば、高周波シールドおよびプローブ筐体に設けたサンプル挿入部におけるシールド効果および静磁場均一度の低下を抑制することができる。
本発明のNMR装置用試験管は、試験管内に高周波シールドと同じ材料、または、ほぼ磁化率の等しい材料の柱状部材を、この柱状部材の試料領域側の面と静磁場の中心との距離が、高周波シールドの内半径と等しく、あるいはほぼ等しくなる位置に配置することを特徴とする。
以下、本発明によるNMR装置(核磁気共鳴装置)を説明する。
以下の実施例においては、静磁場発生用コイルユニットとして、スプリット型マグネットを用いた水平型NMR装置を例示する。
図1は、NMR装置の一般的な構成を示す概略断面図である。
スプリット型マグネット1は、中心軸を同じくした、直径の異なる複数の超電導コイルを組み合わせた2組のコイル群を面対称に配置したものであり、中心軸近傍に強力な静磁場を発生させるようになっている。本実施例では、スプリット型マグネット1は、中心軸を水平方向に向けて設置してある。プローブ筐体2は、スプリット型マグネット1の中心軸付近の空洞102(ボア)に水平方向から挿入するようになっている。サンプルを入れた試験管3は、2組のコイル群により形成される隙間103を利用して鉛直方向から出し入れを行う。プローブ筐体2には試験管挿入用の穴(サンプル挿入部または試験管挿入部と呼ぶ)が設けてあり、試験管3を囲むようにしてソレノイド型のアンテナコイル4が配置されている。
ここで、アンテナコイル4を内蔵するプローブ筐体2をプローブと呼ぶことにする。
静磁場を発生するスプリット型マグネット1は、超電導磁石(超電導コイル)で形成されている。つまり、外側の真空容器(図示せず)の中に、熱輻射シールド容器(図示せず)および液体ヘリウム容器101が収められ、液体ヘリウム容器101の内部に超電導コイルが巻装・設置されている。超電導磁石により発生する静磁場は、水素核の共鳴周波数300MHzに対応し、強度は約7テスラである。
スプリット型マグネット1によって作られた基本磁場の不均一性を補正するために、シムコイル(図示せず)と電源(図示せず)が必要である。
図2は、高周波シールド5、および円筒形のプローブ筐体2に穴の開いていない場合の模式図である。
図中の破線で囲んだ領域は、ソレノイド型のアンテナコイル4の感度領域を示す。式(1)の表皮深さよりも厚い金属でソレノイド型のアンテナコイル4を囲んでいるため、感度領域は高周波シールド5内に制限されている。
また、静磁場Bと非平行な界面(平行でない界面)は、円筒形のプローブ筐体2の長手方向の端部のみである。したがって、式(3)より高周波シールド5、プローブ筐体2の長手方向端部のみに磁荷が生じる。この場合には、試料領域と磁荷の生ずる位置が離れているため、不整磁場の高次項が小さくシムコイルによる補正がしやすい。
図3は、高周波シールド5、および円筒形のプローブ筐体2に穴の開いている場合の模式図である。
図中の破線で囲んだ領域は、ソレノイド型のアンテナコイル4の感度領域を示す。図2と同様、高周波シールド5の厚さは表皮深さよりも厚いが、高周波シールド5にサンプル挿入用の穴111があるため、完全にソレノイド型のアンテナコイル4を金属で囲むことができない。よって、感度領域が高周波シールド5の穴111の内部にまで広がっている。
また、静磁場Bと非平行な界面は、円筒形のプローブ筐体2の長手方向の端部、およびサンプル挿入用の穴111の位置である。したがって、式(3)より高周波シールド5、プローブ筐体2の長手方向端部と穴111の位置に磁荷が生じる。穴111の位置で生じる磁荷は試料領域と近く、不整磁場の高次項が大きいため、シムコイルによる補正が困難である。
本発明の目的は、試験管挿入用の穴を有するとともに、アンテナの感度領域を高周波シールド内に制限し、試料領域における静磁場均一度の向上を実現することにある。
本発明との比較のため、図4に通常の試験管の模式図を示す。本図において、サンプル挿入用の穴111から挿入した試験管3の周辺には高周波シールド5、6を有するプローブ筐体2がある。高周波シールド5、6はニオブ(Nb)、プローブ筐体2は石英ガラスで構成されている。高周波シールド5、6の厚さは、式(1)で算出される300MHzにおける表皮深さ11μmよりも厚くする。また、試験管3を取り囲むようにソレノイド型のアンテナコイル4が設置されており、300MHzで共振するように調整されている。
以下、本発明による実施例を説明する。
図5Aは、実施例1を示す模式断面図である。また、図5Bは、図5Aの試験管3の詳細を示す断面図である。
図5Aにおいて、サンプル挿入用の穴111から挿入した試験管3は、アンテナコイル4に最も近い位置にある高周波シールド5と同じ材料の柱状部材51を2つ有する。この柱状部材51は、試験管3の内部で、アンテナコイル4の上方および下方に当たる位置に設置してある。すなわち、柱状部材51は、アンテナコイル4の外側に設置してある。
また、少なくとも柱状部材51の一部と静磁場の中心軸との距離が、サンプル挿入用の穴111(試験管挿入部)付近における高周波シールド5と静磁場の中心軸との距離と等しくしてある。これにより、柱状部材51は、試験管3をプローブ筐体2に挿入(プローブに装着)した時に、高周波シールド5の機能を補助する補助材として機能する。この場合に、柱状部材51の試料領域側(アンテナコイル4側)の面と静磁場の中心との距離は、サンプル挿入用の穴111(試験管挿入部)付近における高周波シールド5の内側の面と静磁場の中心軸との距離よりも若干大きくても許容される。すなわち、柱状部材51の試料領域側の面が、サンプル挿入用の穴111(試験管挿入部)付近における高周波シールド5の内側の面よりも、静磁場の中心軸から離れていてもよい。
柱状部材51は、第一の柱状部材と呼んでもよい。
柱状部材51の円柱軸方向の長さは、高周波シールド5の厚さと等しく、またはほぼ等しく、柱状部材51の直径は試験管3の内径より小さい。
また、柱状部材51の軸と試験管3の軸とは平行、あるいはほぼ平行であり、柱状部材51の試料領域側の面と、静磁場の中心との距離は、高周波シールド5の内半径に等しい、あるいはほぼ等しい。更に一般化して言うならば、柱状部材51の試料領域側の面と静磁場の中心軸との距離が、サンプル挿入用の穴111(試験管挿入部)付近における高周波シールド5の内側の面と静磁場の中心軸との距離と等しい、あるいはほぼ等しい、と言うことができる。すなわち、柱状部材51は、高周波シールド5の形状が円筒形ではない場合も含めて、試験管挿入部のシールド機能を向上させる部材である。
図5Bにおいては、試験管3の内部における柱状部材51の実装状態を示している。本図において、試験管3は蓋202を有し、試験管3の上部に設置する柱状部材51aを、棒状樹脂203および固定用ネジ204を介して蓋202に固定している。また、柱状部材51bは、試験管3の下部の内径が小さくなった部分を利用して固定してある。
図4に示した通常の試験管を使用する際には、アンテナコイル4の感度領域がアンテナコイル4の軸方向に広がっていたが、本実施例では、柱状部材51により感度分布が高周波シールド5内に制限される。
図6は、本実施例の不整磁場の計算モデルを示したものである。高周波シールド5および柱状部材51の材料はNbとし、各々の厚さは1mmとした。高周波シールド5の内径は38mm、外径は40mmとした。また、試験管挿入用の穴111の内径は、10mmとした。柱状部材51の直径は4.2mmとした。さらに、静磁場はz方向に7テスラとした。簡単のため、高周波シールド5および柱状部材51が作る不整磁場のみ計算を行った。ここで、Nbの磁化率は2.37×10−4(SI単位)とした。
図7は、図6の計算モデルに基づく計算結果を示したグラフである。横軸は式(2)で示した展開係数、縦軸は7テスラを基準にした各展開係数の大きさである。それぞれの展開係数に対して2本の棒グラフで表した値は、左側が高周波シールド5のみの場合であり、右側が高周波シールド5および柱状部材51を組み合わせた場合である。
それぞれの展開係数に対して2本の棒グラフで表した値を比較すると、シムコイルでの補正が困難な高次項も柱状部材51をつけることで不整磁場がおよそ60〜10%になることがわかる。
図8は、図6の計算モデルにおいて柱状部材51の材料を変更し、高周波シールドと磁化率がほぼ等しい材料として計算した結果を示したグラフである。高周波シールド5、柱状部材51の材料はそれぞれ、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)としたものである。静磁場はz方向に7テスラとした。ここで、Taの磁化率は1.7×10−4(SI単位)とした。
グラフの見方は、図7の場合と同様である。それぞれの展開係数に対して2本の棒グラフで表した値を比較すると、シムコイルでの補正が困難な高次項も柱状部材51をつけることで不整磁場がおよそ70〜35%になることがわかる。
第一の柱状部材に用いる、高周波シールドと磁化率がほぼ等しい材料に、高周波シールドと同じ材料も含まれることは言うまでもない。
柱状部材51(第一の柱状部材)は、非強磁性金属を含む構成であることが望ましい。この場合に、柱状部材51は、非強磁性金属の粒子を樹脂やセラミックスに分散して固めた部材でもよいし、非強磁性金属を樹脂やセラミックスで被覆した部材でもよい。
また、柱状部材51(第一の柱状部材)は、Au、Ag、Cu、Al、Nb、Taおよび黄銅から選ばれた1種または複数種の非強磁性金属を含む構成であることが望ましい。
図9は、実施例2を示す模式断面図である。本実施例では、実施例1の構成である柱状部材51に加えて、プローブ筐体2と磁化率が等しい、あるいはほぼ等しい材料の柱状部材21を2個追加した試験管を用いる。柱状部材21は、第二の柱状部材と呼んでもよい。
柱状部材21の円柱軸方向の長さはプローブ筐体2の厚さと等しい、あるいはほぼ等しく、柱状部材21の直径は試験管3の内径より小さく、柱状部材51の直径と等しい、あるいはほぼ等しい。また、柱状部材21の軸と試験管3の軸とは平行、あるいはほぼ平行であり、柱状部材21の試料領域側の面と、静磁場の中心との距離は、プローブ筐体2の内半径に等しい、あるいはほぼ等しい。更に一般化して言うならば、柱状部材21の試料領域側の面と静磁場の中心軸との距離が、サンプル挿入用の穴111(試験管挿入部)付近におけるプローブ筐体2の内側の面と静磁場の中心軸との距離と等しい、あるいはほぼ等しい、と言うことができる。
第二の柱状部材に用いる、プローブ筐体2と磁化率がほぼ等しい材料に、プローブ筐体2と同じ材料も含まれることは言うまでもない。
柱状部材51および柱状部材21は貼り合わせて一体化して使用することが望ましい。
また、柱状部材21は、プローブ筐体2の材質に応じて、セラミックスまたは樹脂を含む構成とすることが望ましい。この場合に、柱状部材21は、プローブ筐体2の材質に対応するセラミックスまたは樹脂の粒子を他の樹脂やセラミックスに分散して固めた部材でもよいし、プローブ筐体2の材質に対応するセラミックスまたは樹脂を他の樹脂やセラミックスで被覆した部材でもよい。
本実施例では、実施例1に示した効果に加えてプローブ筐体2の作る不整磁場を小さくすることができる。
図10は、実施例3を示す模式断面図である。本実施例では、実施例2の構成である柱状部材51および柱状部材21に加えて、高周波シールド6と同じ材料の柱状部材61を2個追加した試験管を用いる。柱状部材61は、柱状部材51と同様の考え方に基づくものであり、第一の柱状部材の一例とみなしてよい。
柱状部材61の円柱軸方向の長さは高周波シールド6の厚さと等しい、あるいはほぼ等しく、柱状部材61の直径は試験管3の内径より小さく、柱状部材51、21の直径と等しい、あるいはほぼ等しい。また、柱状部材61の軸と試験管3の軸とは平行、あるいはほぼ平行であり、柱状部材61の試料領域側の面と、静磁場の中心との距離は、高周波シールド6の内半径に等しい、あるいはほぼ等しい。更に一般化して言うならば、柱状部材61の試料領域側の面と静磁場の中心軸との距離が、サンプル挿入用の穴111(試験管挿入部)付近における高周波シールド6の内側の面と静磁場の中心軸との距離と等しい、あるいはほぼ等しい、と言うことができる。
柱状部材51、柱状部材21および柱状部材61は貼り合わせて一体化して使用することが望ましい。
本実施例では、実施例2に示した効果に加えて高周波シールド6の作る不整磁場を小さくすることができる。
図11は、実施例4を示す模式断面図である。本実施例では、実施例3の構成である柱状部材51、柱状部材21および柱状部材61に、試験管3の内部の溶媒(試料)と磁化率を揃えた(磁化率が等しい、あるいはほぼ等しい)材料の柱状部材7を2個追加した試験管3を用いる。柱状部材7の材料は、試料と磁化率が等しく、あるいはほぼ等しくなるように調整されている。柱状部材7は、第三の柱状部材と呼んでもよい。
柱状部材7の直径は試験管3の内径より小さく、柱状部材51、21の直径と等しく、あるいはほぼ等しくし、柱状部材51よりも静磁場の中心に近い位置に配置する。また、柱状部材7の軸と試験管3の軸とは平行、あるいはほぼ平行である。
柱状部材51、柱状部材21、柱状部材61および柱状部材7は、貼り合わせて一体化して使用することが望ましい。
本実施例では、実施例3に示した効果に加えて試料領域が磁場中心付近に制限されているため、静磁場均一度が高い領域にあるサンプルの信号のみを測定できる。
図12は、実施例5を示す模式断面図である。本実施例では、実施例4の構成に、試料流通管8を追加した試験管3を用いる。そして、試験管3の下端および上端にそれぞれ、配管301、302を接続することにより、プローブの外部から液体の試料を供給または循環することができるようにしてある。本実施例においては、試料を試験管3の下部から配管301を介して供給し、試験管3の上部から配管302を介して流出させるようになっている。
試料流通管8の直径を試験管3の内径より十分に小さくすることで、実施例4と同様に静磁場均一度が高い領域にあるサンプルの信号のみを測定できる。
本実施例では、実施例4に示した効果に加えて、試料を流し入れることで試料のみを交換(供給)することができるため、試料の交換時間が短くできる。
以上の実施例においては、柱状部材が、試験管の内部で、アンテナコイルの上方および下方に当たる位置に設置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、柱状部材がアンテナコイルの上方または下方のいずれかに当たる位置に設置した場合であっても、柱状部材を用いない場合に比べて、試料領域における静磁場均一度を向上させることができる。
また、柱状部材は、非強磁性金属を含む構成であることが望ましい。
また、柱状部材を構成する非強磁性金属は、上述のニオブ(Nb)、タンタル(Ta)に限定されるものではなく、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)および黄銅から選ばれた1種または複数種の金属を含む構成であることが望ましい。
上述の実施例においては、柱状部材が円柱状であることを前提にして説明してきたが、これに限定されるものではなく、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱などの多角柱でもよいし、円柱の側面の一部を平面または凹面とした形状のものでもよい。
本発明は、サンプル挿入用の穴が形成された円筒型プローブ筐体を有するNMR装置に利用可能である。
スプリット型マグネットを使った水平磁場型NMR装置の概略構成図である。 高周波シールド、プローブ筐体に穴の開いていない場合の磁荷と感度分布を模式的に表した断面図である。 高周波シールド、プローブ筐体に穴の開いている場合の磁荷と感度分布を模式的に表した断面図である。 通常の試験管を模式的に表した断面図である。 本発明による実施例1を模式的に表した断面図である。 図5Aの試験管の詳細を示す断面図である。 本発明による実施例1における高周波シールドと同じ材料の柱状部材を用いた計算モデルの概略斜視図である。 図6の計算モデルに基づく不整磁場の計算結果を示すグラフである。 図8のモデルに基づく不整磁場の計算結果を示すグラフである。 本発明による実施例2を模式的に表した断面図である。 本発明による実施例3を模式的に表した断面図である。 本発明による実施例4を模式的に表した断面図である。 本発明による実施例5を模式的に表した断面図である。
符号の説明
1:スプリット型マグネット、2:プローブ筐体、3:試験管、4:アンテナコイル、5、6:高周波シールド、7、21、51、61:柱状部材、8:試料流通管、111:穴。

Claims (11)

  1. 試験管挿入部を有するプローブ筐体と、このプローブ筐体に内蔵されたアンテナコイルと、このアンテナコイルを囲む高周波シールドとを含むプローブを有し、このプローブに前記試験管挿入部を介して試験管を装着可能としたNMR装であって、前記試験管は、前記NMR装置の静磁場の中心部に装着可能とし、前記試験管の内部に、前記高周波シールドと同じ材料、あるいは前記高周波シールドと磁化率が等しい、またはほぼ等しい材料で構成された柱状部材少なくとも1つ以上配置され、この柱状部材は、前試験管を前記プローブに装着した時に前記高周波シールドを補助し、前記アンテナコイルの感度領域を制限することを特徴とするNMR装
  2. 前記柱状部材の試料領域側の面と前記静磁場の中心軸との最短距離を、前記試験管挿入部付近における前記高周波シールドの内側の面と前記静磁場の中心軸との最短距離と等しく、またはほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1記載のNMR装
  3. 少なくとも前記柱状部材の一部と前記静磁場の中心軸との最短距離が、前記試験管挿入部付近における前記高周波シールドと前記静磁場の中心軸との最短距離と等しいことを特徴とする請求項1記載のNMR装
  4. 前記柱状部材の直径が前試験管の内径より小さく、前記柱状部材の軸方向の長さが前記試験管挿入部付近における前記高周波シールドの厚さと等しく、またはほぼ等しく、前試験管の軸と前記柱状部材の軸とが平行、あるいはほぼ平行であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のNMR装
  5. 前記柱状部材が非強磁性金属を含む構成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のNMR装
  6. 前記柱状部材が、Au、Ag、Cu、Al、Nb、Taおよび黄銅から選ばれた1種または複数種の非強磁性金属を含む構成であることを特徴とする請求項5記載のNMR装
  7. 前記柱状部材を第一の柱状部材とし、この第一の柱状部材に加えて、前試験管の内部に、前記プローブ筐体と同じ材料、あるいは磁化率がほぼ等しい材料で構成された第二の柱状部材を少なくとも1つ以上設け、この第二の柱状部材の試料領域側の面と前記静磁場の中心軸との最短距離を、前記試験管挿入部付近における前記プローブ筐体の内側の面と前記静磁場の中心軸との最短距離と等しく、またはほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のNMR装
  8. 前記第二の柱状部材の直径が前試験管の内径より小さく、前記第二の柱状部材の軸方向の長さが前記試験管挿入部付近における前記プローブ筐体の厚さと等しく、またはほぼ等しく、前試験管の軸と前記第の柱状部材の軸とが平行、あるいはほぼ平行であることを特徴とする請求項7記載のNMR装
  9. 前記第二の柱状部材がセラミックスまたは樹脂を含む構成であることを特徴とする請求項7または8に記載のNMR装
  10. 試験管に入れて測定する試料と同じ材料、あるいは磁化率がほぼ等しい材料で構成された前記第三の柱状部材を少なくとも1つ以上前試験管の内部に設けたことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のNMR装
  11. 前記プローブの外部から試料を供給可能とするための試料流通管を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のNMR装
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