しかしながら、上記特許文献1、2に記載の従来の駐車場管理システムや、駐車場出庫制御方法及び装置においては、駐車場の出庫をスムーズにすることと、出庫時に周辺道路の状況によっては出庫台数の配分を変更することなどに主眼を置いているが、そのように誘導されて入場または出場する車両同士が、複数並設された入出場レーンの合流地点で接触する危険が存在することを認識しておらず、それを回避する手段は一切講じられていない。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、駐車場に入出場する車両同士が、複数並設された入出場レーン(車路)の合流地点で接触する危険を解消することができる駐車場管理システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の駐車場管理システムは、並設された少なくとも2つの車路のうち、一方の車路の近傍に設置され、所定の第1の処理を行う親機と、前記少なくとも2つの車路のうち、他方の車路の近傍に設置され、所定の第2の処理を行う子機とを備え、前記親機は、前記子機から出力される切換要求信号を受け取る切換要求信号受取手段と、前記第1の処理を実行していない間に前記切換要求信号受取手段が前記切換要求信号を受け取った場合には、直ちに切換許可信号を出力し、前記第1の処理を実行している間に前記切換要求信号受取手段が前記切換要求信号を受け取った場合には、当該第1の処理が終了した後に切換許可信号を出力する切換許可信号出力手段とを備え、前記子機は、前記切換要求信号を出力する切換要求信号出力手段と、前記親機から出力される前記切換許可信号を受け取る切換許可信号受取手段と、前記切換要求信号出力手段が前記切換要求信号を出力してから前記切換許可信号受取手段が前記切換許可信号を受け取るまで前記第2の処理の実行を待機し、前記切換許可信号受取手段が前記切換許可信号を受け取った後に前記第2の処理を実行する第2の処理実行手段とを備えている。
上記課題を解決するために、本発明の第2の駐車場管理システムは、上述した第1の駐車場管理システムにおいて、前記子機は、前記第2の処理を実行しているか否かを示す処理中信号を出力する処理中信号出力手段を備え、前記親機は、前記子機から出力される前記処理中信号を受け取る処理中信号受取手段と、前記処理中信号受取手段により受け取られた前記処理中信号に基づいて前記子機が前記第2の処理を実行していることが認識された場合には前記第1の処理の実行を待機し、前記処理中信号受取手段により受け取られた前記処理中信号に基づいて前記子機が前記第2の処理を実行していないことが認識された場合には前記第1の処理を実行する第1の処理実行手段とを備えている。
上記課題を解決するために、本発明の第3の駐車場管理システムは、上述した第1または第2の駐車場管理システムにおいて、前記親機および前記子機はそれぞれ駐車場入口に設置された発券機であり、前記第1の処理および前記第2の処理はそれぞれ駐車券発行処理または駐車券抜取に続くゲート開処理である。
上記課題を解決するために、本発明の第4の駐車場管理システムは、上述した第1または第2の駐車場管理システムにおいて、前記親機および前記子機はそれぞれ駐車場出口に設置された料金精算機であり、前記第1の処理および前記第2の処理はそれぞれ料金精算完了に続くゲート開処理である。
上記課題を解決するために、本発明の第5の駐車場管理システムは、上述した第1または第2の駐車場管理システムにおいて、前記親機および前記子機はそれぞれ駐車場出口に設置されたラグタイムリーダであり、前記第1の処理および前記第2の処理はそれぞれ駐車券読取に続くゲート開処理、または駐車券読取のための駐車券引込処理である。
上記課題を解決するために、本発明の第6の駐車場管理システムは、上述した第2の駐車場管理システムにおいて、前記親機は、前記第1の処理実行手段が前記第1の処理の実行を待機するときに、前記親機の利用者に対して所定のメッセージを出力する第1のメッセージ出力手段を備えている。
上記課題を解決するために、本発明の第7の駐車場管理システムは、上述した第1または第2の駐車場管理システムにおいて、前記子機は、前記第2の処理実行手段が前記第2の処理の実行を待機するときに、前記子機の利用者に対して所定のメッセージを出力する第2のメッセージ出力手段を備えている。
上記課題を解決するために、本発明の第8の駐車場管理システムは、上述した第2の駐車場管理システムにおいて、前記第1の処理実行手段は、前記第1の処理の実行を開始してから所定の時間が経過した時点において当該第1の処理を中断し、前記切換許可信号出力手段は、前記第1の処理が中断した時に前記切換許可信号を出力する。
上記課題を解決するために、本発明の第9の駐車場管理システムは、上述した第2の駐車場管理システムにおいて、前記処理中信号出力手段は、前記第2の処理が実行している間、前記第2の処理を実行していることを示す処理中信号を出力し、前記第2の処理実行手段は、前記第2の処理の実行を開始してから所定の時間が経過した時点において当該第2の処理を中断し、前記処理中信号出力手段は、前記第2の処理が中断した時に前記処理中信号の出力を停止する。
上述した第1ないし第5の駐車場管理システムによれば、並設された少なくとも2つの車路に設置された親機と子機とのそれぞれにおいて、駐車券発行処理、精算処理、駐車券読取処理、ゲート開閉処理などが同時に完了することがない。したがって、これらの処理を済ませてそれぞれの車路を進行する2台の車両が車路の合流地点で接触事故を起こすことを回避することができる。また、親機と子機とは互いに交互に上記処理を行うため、各車路に進入する個々の車両に対し、駐車券発行処理、精算処理、駐車券読取処理などを迅速に行うことができる。
また、上述した第6または第7の駐車場管理システムによれば、他の車路の装置が処理中のために自分の車路側の装置の処理が待機状態であることを利用者に認識させることができ、処理の遅れによって利用者がイライラしたり、利用者が装置を叩いて発券処理やゲート処理を促すようなトラブルが回避できる。
上述した第8または第9の駐車場管理システムによれば、一方の処理時間が想定以上に長い場合には、他方の処理を開始させることが可能で、一方の車路で混雑が生じても、これが他方の車路に波及することを防ぐことができる。
上述した本発明の駐車場管理システムによれば、駐車場に入出場する車両同士が、複数並設された入出場レーンの合流地点で接触する危険を解消することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は、駐車場入口における車路および各種装置のレイアウトを示している。図1では、同じレイアウトについて2つの状態を左右に並べて示しており、図1中の左側が車路に車両が進入していない状態であり、右側が車路に車両が進入している状態である。図1に示すようなレイアウトは、都市の大型ビルやショッピングモールと併設する地下駐車場の半地下や立体駐車場の中2階に位置する駐車場入口に多く採用される。
図1中の下側が駐車場外側であり、上側が駐車場車室側である。図1中の左側に示すように、車路は駐車場外側から駐車場入口を介して駐車場車室側に向けて延びている。車路は、駐車場外側から駐車場入口に接近する途中で2つの車路、すなわち左側車路51と右側車路52とに分かれる。そして、駐車場入口において互いに並設された左側車路51および右側車路52は、駐車場入口を過ぎて駐車場車室に接近する途中の位置Aで1つに合流する。また、右側車路52には、車両が右側車路52のゲート手前に進入したことを検知する手段としてのループコイル11、および車両が右側車路52のゲートを通過しきったことを検知する手段としてのループコイル12が埋設されている。左側車路51にも、同様に、車両が左側車路51のゲート手前に進入したことを検知する手段としてのループコイル13、および車両が左側車路51のゲートを通過しきったことを検知する手段としてのループコイル14が埋設されている。
また、右側車路52の右側近傍に位置するアイランド53には、発券機1、およびゲートバー15を開閉するゲート開閉機16が設置されている。国産車であれば右ハンドルが主流であるから、ドライバーの操作しやすい側にのみ発券機1を設置している。一方、左側車路51の右側近傍に位置するアイランド(中央のアイランド)54には、発券機2、およびゲートバー17を開閉するゲート開閉機18が設置されている。また、左側車路51の左側近傍に位置するアイランド55には発券機3が設置されている。左側のアイランド55の発券機3は外国製車両などの左ハンドル車のドライバーが操作しやすいように考慮されて設置されたものである。このレイアウトにおいて、右側車路52は右ハンドル車専用、左側車路51は左右ハンドル車兼用であり、左側車路51には、「左ハンドル車はこちらへ」などと記載された看板が設置されている場合もある。
このようなレイアウトを有する駐車場入口では、図1中の右側に示すように、右側車路52および左側車路51の双方に車両CR1,CR2がそれぞれ進入する場合がある。当然どちらか一方の車両が先に一方の車路に進入し、後続の車両がそれを避けて他方の車路に進入している。この進入順序に従ってゲートが順次開き、これらの車両が駐車場車室内に順次進行すれば問題は生じない。ところが、先に駐車場入口に進入した車両が何らかの事情によりもたついていると、後から駐車場入口に進入した車両の処理が済んでしまい、双方の車両が同時に駐車場車室内に進行しようとする場合がある。この場合には、左側車路51と右側車路52とが合流する位置で接触事故が生じる危険がある。
本発明の実施形態である駐車場管理システムは、発券機1、2および3を備え、発券機1が親機として機能し、発券機2および3がそれぞれ子機として機能する。そして、これら親機と子機との間で通信を行い、一方が処理中の場合には他方が処理を開始せず、一方の処理が終了した時点で他方が処理を開始する。これにより、前述のような接触事故を回避することができる。
図2は、親機である発券機1の構成を示している。図2に示すように、発券機1は、発券機2または3から出力される処理中信号を受け取る処理中信号受取部21と、処理中信号受取部21により受け取られた処理中信号に基づいて発券機2または3が入場処理を実行していることが認識された場合には、発券機1における入場処理の実行を待機し、処理中信号受取部21により受け取られた処理中信号に基づいて発券機2または3が入場処理を実行していないことが認識された場合には、発券機1における入場処理を実行する処理実行部22と、処理実行部22が発券機1における入場処理の実行を待機するときに、発券機1の利用者に対し、例えば、他の車両が入場処理中であるため発券を待機している旨を告げるメッセージを出力するメッセージ出力部23とを備えている。本実施形態において、入場処理とは、駐車券発行処理または駐車券抜取に続くゲート開処理である。処理中信号とは、発券機2または3において入場処理を実行していることを示す信号である。また、上記メッセージは、例えば、発券機1のフロントパネルに設けられたディスプレイ(図示せず)に表示されると共に、発券機1のフロントパネルに設けられたスピーカ(図示せず)から音声として出力される。さらに、発券機1は、発券機2または3から出力される切換要求信号を受け取る切換要求信号受取部24と、発券機1において入場処理を実行していない間に切換要求信号受取部24が切換要求信号を受け取った場合には、直ちに切換許可信号を出力し、発券機1において入場処理を実行している間に切換要求信号受取部24が切換要求信号を受け取った場合には、発券機1における当該入場処理が終了した後に切換許可信号を出力する切換許可信号出力部25とを備えている。
図3は、子機である発券機2の構成を示している。図3に示すように、発券機2は、切換要求信号を出力する切換要求信号出力部31と、発券機1から出力される切換許可信号を受け取る切換許可信号受取部32と、切換要求信号出力部31が切換要求信号を出力してから切換許可信号受取部32が切換許可信号を受け取るまで、発券機2における入場処理の実行を待機し、切換許可信号受取部32が切換許可信号を受け取った後に、発券機2における入場処理を実行する処理実行部33と、処理実行部33が発券機2における入場処理の実行を待機するときに、発券機2の利用者に対し、例えば、他の車両が入場処理中であるため発券を待機している旨を告げるメッセージを出力するメッセージ出力部34を備えている。上記メッセージは、例えば、発券機2のフロントパネルに設けられたディスプレイ(図示せず)に表示されると共に、発券機2のフロントパネルに設けられたスピーカ(図示せず)から音声として出力される。さらに、発券機2は、処理中信号を出力する処理中信号出力部35を備えている。さらに、発券機2は、発券機3(他の子機)から出力される処理中信号を受け取る処理中信号受取部36を備えている。発券機3も発券機2と同様の構成を備えている。
図4は、発券機1、2、3、ループコイル11、12、13、14、およびゲート開閉機16、18における各信号の入出力関係を示している。図4に示すように、ループコイル11は、車両が右側車路52のゲート手前に進入したことを示す検知信号LC1を発券機1に出力する。ループコイル12は、車両が右側車路52のゲートを通過しきったことを示す検知信号LC2を発券機1に出力する。ループコイル13は、車両が左側車路51のゲート手前に進入したことを示す検知信号LC3を発券機2および3に出力する。ループコイル14は、車両が左側車路51のゲートを通過しきったことを示す検知信号LC4を発券機2および3に出力する。発券機2および3は切換要求信号を発券機1に出力する。発券機1は切換許可信号を発券機2および3に出力する。発券機2は処理中信号を発券機1および3に出力する。発券機3は処理中信号を発券機1および2に出力する。発券機1は、ゲートバー15を開閉するためのゲート開信号GC1およびゲート閉信号GC2をゲート開閉機16に出力する。発券機2および3はそれぞれ、ゲートバー17を開閉するためのゲート開信号GC3およびゲート閉信号GC4をゲート開閉機18に出力する。
図5は、本発明の実施形態である駐車場管理システムの動作シーケンス(ケース1)を示す。このケースでは、まず車両CR1が右側車路52のゲート手前に進入し、その後車両CR2が左側車路51のゲート手前に進入した場合の動作を示している。車両CR1が右側車路52のゲート手前に進入すると、右側車路52に埋設されたループコイル11から検知信号LC1が発券機1に出力される(p1)。発券機1の処理実行部22はこれをトリガーとして駐車券発行処理を開始する(p2)。発券機1により発券された駐車券が発券機1から抜き取られる前に、車両CR2が左側車路51のゲート手前に進入すると、左側車路51に埋設されたループコイル13から検知信号LC3が発券機2および3に出力される(p3)。これに応じ、発券機2および3の切換要求信号出力部31が切換要求信号を発券機1にそれぞれ同時に出力する(p4、p5)。また、左側車路51のループコイル13が検知信号LC3を出力した時点から、発券機2および3が発券可能状態から発券不可状態に切り替わる(p6、p7)。そして、発券機2および3の切換要求信号出力部31からそれぞれ出力された切換要求信号は発券機1に入力され(p8)、発券機1の切換要求信号受取部24がこの切換要求信号を受け取る。その後、右側車路52の車両CR1のドライバーにより駐車券が抜き取られると(p9)、発券機1の処理実行部22がゲート開信号GC1をゲート開閉機16に出力する(図5には記載なし)。これにより、ゲートバー15が上がる。その後車両CR1が駐車場車室内に進行しようとすると、まずループコイル12から検知信号LC2が出力され(p10)、次にループコイル11からの検知信号LC1の出力が停止し(p11)、さらにその後にループコイル12からの検知信号LC2の出力が停止する(p12)。これにより発券機1の処理実行部22は車両CR1がゲートを通過しきったことを検知し、ゲート閉信号GC2をゲート開閉機16に出力する(図2には記載なし)。これにより、ゲートバー15が下がる。その次に、発券機1の切換許可信号出力部25が切換許可信号(ワンパルス)を発券機2および3に出力する(p13)。これと同時に、発券機1が発券可能状態から発券不可状態に切り替わる(p14)。発券機1の切換許可信号は発券機2および3にそれぞれ入力され(p15、p16)、発券機2および3の切換許可信号受取部32がこの入力された切換許可信号をそれぞれ受け取る。また、切換許可信号の入力をトリガーとして、発券機2および3が発券不可状態から発券可能状態にそれぞれ切り替わる(p17、p18)。次に発券機2の処理実行部33が駐車券発行処理を開始する(p19)。ここで、車両CR2が右ハンドルである場合、ドライバーは、発券機2から発券された駐車券を抜き取る。一方、車両CR2が左ハンドルである場合には、ドライバーは、発券機3からの駐車券の発券を要求すべく発券機3の発券釦を押下する。このケースでは、車両CR2が右ハンドルであり、ドライバーが発券機2から発券された駐車券を抜き取ったとする(p20)。これと同時に、発券機2の処理中信号出力部35は処理中信号を出力する(p21)。この処理中信号は、発券機1および3にそれぞれ入力され(p22、p23)、発券機1の処理中信号受取部21および発券機3の処理中信号受取部36によりそれぞれ受け取られる。処理中信号の受取により、発券機3が発券可能状態から発券不可状態に再び切り替わる(p24)。処理中信号の受取により、発券機1も発券不可状態に切り替わるが、現時点において発券機1はすでに発券不可状態であるので、この状態が維持される。また、発券機2から駐車券が抜き取られたことに応じ、発券機2の処理実行部33はゲート開信号GC3をゲート開閉機18に出力する(図5には記載なし)。これにより、ゲートバー17が上がる。その後車両CR2が駐車場車室内に進行しようとすると、まずループコイル14から検知信号LC4が出力され(p25)、次にループコイル13からの検知信号LC3が停止し(p26)、さらにその後にループコイル14からの検知信号LC4が停止する(p27)。これにより発券機2の処理実行部33は車両CR2がゲートを通過しきったことを検知し、ゲート閉信号GC4をゲート開閉機18に出力する(図5には記載なし)。これによりゲートバー17が下がる。その次に、発券機2の処理中信号出力部35が処理中信号の出力を停止する(p28)と同時に、発券機2および3の切換要求信号出力部31が切換要求信号の出力をそれぞれ停止する(p29、p30)。これにより、発券機1における切換要求信号の入力がなくなり(p31)、発券機1および3における処理中信号の入力もなくなる(p32、p33)ことで、発券機1および3が発券不可状態から発券可能状態にそれぞれ切り替わり(p34、p35)、初期状態に戻る。
以上のケース1では、まず右側車路52に車両CR1が進入し、その後左側車路51に車両CR2が進入した場合に、先に進入した右側車路52の発券機1の駐車券発行処理およびゲート開閉処理を完了した後で、隣の車路51の発券機2の駐車券発行処理を行い、処理中の発券機以外の発券機は発券不可状態として、同時処理、駐車場への同時進入を回避している。
図6は、本発明の実施形態である駐車場管理システムの動作シーケンス(ケース2)を示す。このケースでは、まず左側車路51に車両CR2が進入し、その後右側車路52に車両CR1が進入した場合の動作を示している。車両CR2が左側車路51のゲート手前に進入すると、左側車路51に埋設されたループコイル13から検知信号LC3が発券機2および3に出力される(p41)。これに応じ、発券機2および3が発券可能状態から発券不可状態にそれぞれ切り替わる(p42、p43)が、すぐさま発券機2および3の切換要求信号出力部31が切換要求信号を発券機1にそれぞれ出力し(p44、p45)、これら切換要求信号が発券機1に入力され(p46)、発券機1の切換要求信号受取部24により受け取られる。この時点において、発券機1側の右側車路52には車両がおらず、何の処理も行なっていないため、発券機1の切換許可信号出力部25は切換許可信号(ワンパルス)を発券機2および3に出力する(p47)。この切換許可信号は発券機2および3にそれぞれ入力され(p48、p49)、発券機2および3の切換許可信号受取部32によりそれぞれ受け取られる。これらをトリガーとして発券機2および3は発券不可状態から発券可能状態に切り替わる(p50、p51)。また、同時に発券機1が発券可能状態から発券不可状態に切り替わる(p54)。次に発券機2の処理実行部33が駐車券発行処理を開始する(p52)。この駐車券発行処理により発券機2から発券された駐車券が抜き取られ、または発券機3の発券釦が押下される前に、車両CR1が右側車路52のゲート手前に進入すると、右側車路52に埋設されたループコイル11から検知信号LC1が発券機1に出力される(p53)が、この時点において発券機1はすでに発券不可状態に切り替わっているので、発券機1は駐車券発行処理を待機する状態となる。ここで、車両CR2のドライバーは、発券機2から発券された駐車券を抜き取るか、発券機3からの駐車券の発券を要求すべく発券機3の発券釦を押下することができるが、このケースでは、ドライバーが発券機2から発券された駐車券を抜き取ったとする(p55)。これに応じ、発券機2の処理中信号出力部35は処理中信号を出力する(p56)。この処理中信号は発券機1および3にそれぞれ入力され(p57、p58)、発券機1の処理中信号受取部21および発券機3の処理中信号受取部36にそれぞれ受け取られる。処理中信号の受取により、発券機3が発券可能状態から発券不可状態に再び切り替わる(p59)。また、処理中信号の受取により、発券機1も発券不可状態に切り替わるが、現時点において発券機1はすでに発券不可状態であるので、この状態が維持される。また、発券機2から駐車券が抜き取られたことに応じ、発券機2の処理実行部33はゲート開信号GC3をゲート開閉機18に出力する(図6には記載なし)。これによりゲートバー17が上がる。その後車両CR2が駐車場車室内に進行しようとすると、まずループコイル14から検知信号LC4が出力され(p60)、次にループコイル13からの検知信号LC3の出力が停止し(p61)、さらにその後にループコイル14からの検知信号LC4の出力が停止する(p62)。これにより発券機2の処理実行部33は車両CR2がゲートを通過しきったことを検知し、ゲート閉信号GC4をゲート開閉機18に出力する(図6には記載なし)。これによりゲートバー17が下がる。その次に、発券機2の切換要求信号出力部31が切換要求信号の出力を停止し(p63)、同時に発券機2の処理中信号出力部35が処理中信号の出力を停止する(p64)。これにより発券機3における処理中信号の入力がなくなり(p65)、発券機3の切換要求信号出力部31による切換要求信号の出力が停止し(p66)、発券機3が発券不可状態から発券可能状態に切り替わる(p67)。これに伴い、発券機1において切換要求信号の入力および処理中信号の入力がなくなり(p68、p69)、発券機1が発券不可状態から発券可能状態に切り替わる(p70)。これに応じ、発券機1の処理実行部22が駐車券発行処理を開始する(p71)。発券された駐車券が車両CR1のドライバーにより抜き取られると(p72)、発券機1の処理実行部22はゲート開信号GC1をゲート開閉機16に出力する(図6には記載なし)。これによりゲートバー15が上がる。その後車両CR1が駐車場車室内に進行しようとすると、まずループコイル11から検知信号LC2が出力され(p73)、次にループコイル11からの検知信号LC1の出力が停止し(p74)、さらにその後にループコイル12からの検知信号LC2の出力が停止する(p75)。これにより発券機1の処理実行部22は車両CR1が通過しきったことを検知し、ゲート閉信号GC2をゲート開閉機16に出力し(図6には記載なし)、ゲートバー15を下げ、初期状態に戻る。
以上のケース2では、まず左側車路51に車両CR2が進入し、その後右側車路52に車両CR1が進入した場合に、先に進入した左側車路51の発券機2の駐車券発行処理およびゲート開閉処理を完了した後で、隣の車路52の発券機1の駐車券発行処理を行い、処理中の発券機以外の発券機は発券不可状態として、同時処理、駐車場への同時進入を回避しているが、その制御は発券機1が親機となって子機としての発券機2、3の切換要求に対して切換許可を出すことで実行され、かつ、その間は親機としての発券機1は自らの駐車券発行処理を不可状態としている。
図7は、本発明の実施形態である駐車場管理システムの動作シーケンス(ケース3)を示す。このケースでは、図6の動作シーケンス(ケース2)と同様に左側車路51に車両CR2が進入し、その後右側車路52に車両CR1が進入した場合の動作を示している。車両CR2が左側車路51のゲート手前に進入すると、左側車路51に埋設されたループコイル13から検知信号LC3が発券機2および3に出力される(p81)。これに応じ、発券機2および3が発券可能状態から発券不可状態にそれぞれ切り替わる(p82、p83)が、すぐさま発券機2および3の切換要求信号出力部31が切換要求信号を発券機1にそれぞれ出力し(p84、p85)、これら切換要求信号が発券機1に入力され(p86)、発券機1の切換要求信号受取部24により受け取られる。この時点において、発券機1側の右側車路52には車両がおらず、何の処理も行なっていないため、発券機1の切換許可信号出力部25は切換許可信号(ワンパルス)を発券機2および3に出力する(p87)。さらに発券機1は発券可能状態から発券不可状態に切り替わる(p88)。また、発券機1から出力された切換許可信号は発券機2および3にそれぞれ入力され(p89、p90)、発券機2および3の切換許可信号受取部32によりそれぞれ受け取られる。これらをトリガーとして発券機2および3は発券不可状態から発券可能状態に切り替わる(p91、p92)。次に発券機2の処理実行部33が駐車券発行処理を開始する(p93)。この駐車券発行処理により発券機2から発券された駐車券が抜き取られ、または発券機3の発券釦が押下される前に、車両CR1が右側車路52のゲート手前に進入すると、右側車路52に埋設されたループコイル11から検知信号LC1が発券機1に出力される(p94)が、この時点において発券機1はすでに発券不可状態に切り替わっている(発券機1は駐車券発行処理を待機する状態となる)。ここで、車両CR2のドライバーは、発券機2から発券された駐車券を抜き取るか、発券機3からの駐車券の発券を要求すべく発券機3の発券釦を押下することができるが、このケースでは、ドライバーが発券機3の発券釦を押下したとする(p95)。これに応じ、発券機3の処理実行部33は駐車券発行処理を開始し、発券機3の処理中信号出力部35は処理中信号を発券機1および2に出力する(p96)。この処理中信号は発券機1および2にそれぞれ入力され(p97、98)、発券機1の処理中信号受取部21および発券機2の処理中信号受取部36によりそれぞれ受け取られる。処理中信号の受取により、発券機2は発券不可状態に切り替わり(p99)、発券機1は発券不可状態を維持する。また、発券機2は発券機3からの処理中信号の入力を受けて自身が発行した駐車券を廃券(p100)する。なお、廃券とは一旦発行した駐車券を装置内部に回収し、発行済みで回収したステータスを図示しない磁気記録部に記録して、回収廃棄可能とするための収容部に移送させることである。発券機3から発券された駐車券がドライバーにより抜き取られると(p101)、その後は図6中のケース2におけるp60以降の動作と同様の動作が行われる。
以上のケース3では、まず左側車路51に車両CR2が進入し、その後右側車路52に車両CR1が進入した場合に、先に進入した左側車路51の発券機2の駐車券発行処理(駐車券廃棄処理)および発券機3の駐車券発行処理およびゲート開閉処理を完了した後で、隣の車路52の発券機1の駐車券発行処理を行い、処理中の発券機以外の発券機は発券不可状態として、同時処理、駐車場への同時進入を回避しているが、その制御は発券機1が親機となって子機としての発券機2、3の切換要求に対して切換許可を出すことで実行され、その間は親機としての発券機1は自らの駐車場発行処理を不可状態とし、一方、子機側の発券機2は自動発券されているが、発券機3の発券釦押下によって発券機3の処理を優先するようになっている。
図8は、本発明の実施形態である駐車場管理システムの動作シーケンス(ケース4)を示す。このケースでは、まず左側車路51に車両CR2が進入し、その後右側車路52に車両CR1が進入し、さらにそれらに続いて後続車両が両車路51、52に進入した場合の動作を示している。車両CR2が左側車路51のゲート手前に進入したことにより、ループコイル13から検知信号LC3が出力されると(p201)、発券機2および3が発券可能状態から発券不可状態にそれぞれ切り替わる(p202、p203)が、すぐさま発券機2および3の切換要求信号出力部31が切換要求信号を発券機1にそれぞれ出力し(p204、p205)、これら切換要求信号が発券機1に入力され(p206)、発券機1の切換要求信号受取部24により受け取られる。この時点において、発券機1側の右側車路52には車両がおらず、何の処理も行なっていないため、発券機1の切換許可信号出力部25は切換許可信号(ワンパルス)を発券機2および3に出力する(p207)。この切換許可信号は発券機2および3にそれぞれ入力され(p208、p209)、発券機2および3の切換許可信号受取部32によりそれぞれ受け取られる。発券機2,3はこれら切換許可信号の入力をトリガーとして、発券不可状態から発券可能状態にそれぞれ切り替わり(p210、p211)、一方、発券機1は発券可能状態から発券不可状態に切り替わる(p212)。次に発券機2の処理実行部33が駐車券発行処理を開始する(p213)。この駐車券発行処理により発券機2から発券された駐車券が抜き取られ、または発券機3の発券釦が押下される前に、車両CR1が右側車路52のゲート手前に進入すると、右側車路52に埋設されたループコイル11から検知信号LC1が発券機1に出力される(p214)が、この時点において発券機1はすでに発券不可状態に切り替わっているため、発券機1は駐車券発行処理を待機する状態となる。ここで、車両CR2のドライバーは、発券機2から発券された駐車券を抜き取るか、発券機3からの駐車券の発券を要求すべく発券機3の発券釦を押下することができるが、ここでは、ドライバーが発券機2から発券された駐車券を抜き取ったとする(p215)。これに応じ、発券機2の処理中信号出力部35は処理中信号を発券機1および3に出力する(p216)。この処理中信号は発券機1および3にそれぞれ入力され(p217、p218)、発券機1の処理中信号受取部21および発券機3の処理中信号受取部36にそれぞれ受け取られる。処理中信号の受取により、発券機3が発券可能状態から発券不可状態に再び切り替わる(p219)。また、処理中信号の受取により、発券機1も発券不可状態に切り替わるが、現時点において発券機1はすでに発券不可状態であるので、この状態が維持される。また、発券機2から駐車券が抜き取られたことに応じ、発券機2の処理実行部33はゲート開信号GC3をゲート開閉機18に出力し、ゲートバー17を上げる(図8には記載なし)。その後車両CR2が駐車場車室内に進行しようとすると、ループコイル14から検知信号LC4が出力される(p220)。この車両CR2がループコイル13上を通過しきる前に、すでに左側車路51のゲート手前には後続車両CR3が進入してきている。この場合、ループコイル13は検知信号LC3の出力を維持する。ループコイル14からの検知信号LC4はその後車両CR2がゲートを通過しきることによって停止する(p221)。これにより発券機2の処理実行部33は車両CR2がゲートを通過しきったことを検知し、ゲート閉信号GC4をゲート開閉機18に出力し、ゲートバー17を下げる(図8には記載なし)。その次に、発券機2の処理中信号出力部35は処理中信号の出力を停止する(p222)。これにより発券機1、3において処理中信号の入力がなくなり(p223、p224)、同時に発券機1が発券不可状態から発券可能状態に切り替わる(p225)。ただし、前述のケース2とは異なり、左側車路51にはすでに後続車両CR3が進入していてループコイル13の検知信号LC3の出力が維持されているため、発券機2、3の切換要求信号出力部31は切換要求信号の出力を維持し、発券機2は発券不可状態に切り替わり(p226)、発券機3は発券不可状態を維持する。一方、発券機1の処理実行部22は駐車券発行処理を開始する(p227)。車両CR1のドライバーにより駐車券が抜き取られると(p228)、発券機1の処理実行部22はゲート開信号GC1をゲート開閉機16に出力し、ゲートバー15を上げる(図8には記載なし)。その後車両CR1が駐車場車室内に進行しようとすると、ループコイル12から検知信号LC2が出力される(p229)。この車両CR1がループコイル11上を通過しきる前に、すでに右側車路52には後続車両CR4が進入してきている。この場合、ループコイル11は検知信号LC1の出力を維持する。ループコイル12からの検知信号LC2はその後車両CR1がゲートを通過しきることによって停止する(p230)。これにより発券機1の処理実行部22は車両CR1がゲートを通過しきったことを検知し、ゲート閉信号GC2をゲート開閉機16に出力し、ゲートバー15を下げる(図8には記載なし)。その次に発券機1の切換許可信号出力部25は切換許可信号(ワンパルス)を発券機2および3に出力する(p231)。同時に発券機1は発券不可状態に切り替わる(p232)。また、発券機1から出力された切換許可信号は発券機2および3にそれぞれ入力され(p233、p234)、発券機2および3の切換許可信号受取部32によりそれぞれ受け取られる。切換許可信号の受取に応じ、通常であれば発券機2の処理実行部33が駐車券発行処理を開始するが、このケースでは発券機2および3が発券不可状態である間に、車両CR2に続く車両CR3が左側車路51に進入しており、車両CR3のドライバーがすぐさま発券機3の発券釦を押下していたため、発券機3の処理実行部33による駐車券発行処理が開始される(p235)。これと同時に、発券機3の処理中信号出力部35が処理中信号を発券機1および2に出力する(p236)。この処理中信号は、発券機1および2にそれぞれ入力され(p237、p238)、発券機1の処理中信号受取部21および発券機2の処理中信号受取部36によりそれぞれ受け取られる。これにより、発券機2が発券不可状態に切り替わり(p239)、発券機1は発券不可状態を維持する。発券機3の発行した駐車券を車両CR3のドライバーにより抜き取られると(p240)、これに応じ、発券機3の処理実行部33がゲート開信号GC3をゲート開閉機18に出力し、ゲートバー17を上げる(図8には記載なし)。その後、車両CR3が駐車場車室内に進行しようとすると、まずループコイル14から検知信号LC4が出力される(p241)。車両CR3がループコイル13上を通過しきる前に、すでに左側車路51には後続車両CR5が進入してきている。このため、ループコイル13は検知信号LC3の出力を維持する。一方、ループコイル14の検知信号LC4はその後車両CR3がゲートを通過しきることによって停止する(p242)。これにより発券機3の処理実行部33は車両CR3がゲートを通過しきったことを検知し、ゲート閉信号GC4をゲート開閉機18に出力し、ゲートバー17を下げる(図8には記載なし)。その後、発券機3の処理中信号出力部35が処理中信号の出力を停止し(p243)、それに伴い発券機1、2における処理中信号の入力がなくなり(p244、p245)、発券機1が発券不可状態から発券可能状態に切り替わる(p246)。ところが、左側車路51にはすでに後続車両CR5が進入していてループコイル13の検知信号LC3の出力が維持されているため、発券機2、3の切換要求信号出力部31は切換要求信号の出力を維持し、発券機3は発券不可状態に切り替わり(p247)、発券機2は発券不可状態を維持する。一方、発券機1の処理実行部22は駐車券発行処理を開始する(p248)。その後はこれまでの動作と同様に、後続車両の発券抜取りを検知したり、釦押下を検知したりして処理中の信号を交互に出力しあって、右側車路52と左側車路51で順番に車両を進行させるよう動作する。
以上のケース4では、 親機としての発券機1が子機としての発券機2、3からの切換要求に対して切換許可を出すかどうか制御し、連続して車両が進入してきていても左右の車路で順番に車両を進行させるようにしている。
図9は発券機1(親機)の動作フローを示している。まず、処理実行部22がループコイル11からの検知信号LC1の入力を監視する(s1)。車両が右側車路52のゲート手前に進入し、ループコイル11から出力された検知信号LC1が発券機1に入力されると(s1:YES)、次に、処理実行部22は、ループコイル12からの検知信号LC2の入力を調べる(s2)。すでに入場処理が済んだ車両が右側車路52のゲートを通過しきっている場合には、ループコイル12からの検知信号LC2が停止している(s2:NO)。この場合には、処理実行部22が発券機2および3からの処理中信号がそれぞれ停止していることを調べる(s3)。発券機2または3から出力された処理中信号が発券機1に入力され、処理中信号受取部21により受け取られている場合には、処理実行部22は駐車券発行処理を待機する。一方、いずれの処理中信号も停止している場合には(s3:YES)、処理実行部22が処理中フラグをONに設定し(s4)、駐車券発行処理を開始する(s5)。この駐車券発行処理により発券した駐車券がドライバーにより抜き取られると(s6:YES)、処理実行部22はゲート開信号GC1をゲート開閉機16に出力し、ゲートバー15を上げる(s7)。入場処理を済ませた車両が右側車路52のゲートを通過するとき、ループコイル12から出力された検知信号LC2が発券機1に入力され、続いて車両がゲートを通過しきると、ループコイル12からの検知信号LC2が停止する。処理実行部22はこの検知信号LC2の入力、停止を検出した後(s8:YES)、ゲート閉信号GC2をゲート開閉機16に出力してゲートバー15を下げ(s9)、処理中フラグをOFFに設定する(s10)。
また、発券機1では、以上のような処理実行部22の動作(s1ないしs10)と並行して次のような動作が行われる。まず、切換要求信号受取部24が発券機2および3から出力される切換要求信号の入力を監視する(s11)。切換要求信号が入力されると(s11:YES)、切換要求信号受取部24はこの切換要求信号を受け取り、次に切換許可信号出力部25が処理中フラグの状態を調べる(s12)。発券機1が駐車券発行処理およびゲート開閉処理(s4ないしs8)を実行している間、処理中フラグはONである(s12:NO)。この場合には、切換許可信号出力部25は、処理中フラグがOFFになるまで処理中フラグの状態を監視しつつ待機する。発券機1が駐車券発行処理およびゲート開閉処理を終えると、処理中フラグがOFFになる(s12:YES)。切換許可信号出力部25はこれを検出し、切換許可信号(ワンパルス)を発券機2および3に出力する(s13)。
また、発券機2または3から出力された処理中信号が発券機1に入力され、これにより、発券機1の処理実行部22が駐車券発行処理を待機している間(s3:NO)、メッセージ出力部23が、発券機1の利用者に対し、駐車券発行処理を待機している旨を告げるメッセージを出力することが望ましい。
図10は発券機2および3(子機)の動作フローを示している。発券機2(図10中の右側)において、まず、処理実行部33がループコイル13からの検知信号LC3の入力を監視する(s21)。車両が左側車路51のゲート手前に進入し、ループコイル13から出力された検知信号LC3が発券機2に入力されると(s21:YES)、次に、処理実行部33はループコイル14からの検知信号LC4の入力を調べる(s22)。ループコイル14からの検知信号LC4が停止している場合には(s22:NO)、切換要求信号出力部31が切換要求信号を発券機1に出力する(s23)。そして、切換許可信号受取部32が切換受取信号の入力を監視する(s24)。発券機2の処理実行部33は、発券機1からの切換許可信号が発券機2に入力されるまで、駐車券発行処理を待機している(s24:NO)。切換許可信号が発券機2に入力され、切換許可信号受取部32により受け取られると(s24:YES)、処理実行部33は、駐車券発行処理を開始する(s25)。この駐車券発行処理により発券した駐車券が発券機2から抜き取られると(s26:YES)、処理中信号出力部35が処理中信号を発券機1および3に出力する(s27)。続いて、処理実行部33がゲート開信号GC3をゲート開閉機18に出力し、ゲートバー17を上げる(s28)。入場処理を済ませた車両が左側車路51のゲートを通過するとき、ループコイル14から出力された検知信号LC4が発券機1に入力され、続いて車両がゲートを通過しきると、ループコイル14からの検知信号LC4が停止する。処理実行部33はこの検知信号LC4の入力、停止を検出した後(s29:YES)、ゲート閉信号GC4をゲート開閉機18に出力してゲートバー17を下げる(s30)。続いて、発券機2において、切換要求信号出力部31が切換要求信号の出力を停止し、処理中信号出力部35が処理中信号の出力を停止する(s31)。これと同時に発券機3においても切換要求信号および処理中信号が停止される。一方、ドライバーが発券機2の処理実行部33による駐車券発行処理により発券された駐車券を抜き取らずに、発券機3の発券釦を押下した場合には(s26:NO、s32:YES)、発券機2は自身が発券した駐車券の廃棄処理を行う(s33)。そして、この場合には、発券機2に代わり発券機3が駐車券発行処理、処理中信号の出力、ゲート開閉処理、並びに切換要求信号および処理中信号の停止を行う。
また、発券機2が発券機1に切換要求信号を出力してから、これに応じて発券機1が発券機2に切換許可信号を出力するまでの間、発券機2の処理実行部33は駐車券発行処理を待機している(s24:NO)。この待機中には、発券機2のメッセージ出力部34が発券機2の利用者に対し、駐車券発行処理を待機している旨を告げるメッセージを出力することが望ましい。
また、発券機2とほぼ同様に、発券機3(図10中の左側)においても、ループコイル13からの検知信号LC3が発券機3に入力され(s41:YES)、ループコイル14からの検知信号LC4が停止している場合には(s42:NO)、切換要求信号出力部31が切換要求信号を発券機1に出力する(s43)。発券機1からの切換許可信号が発券機3に入力され、切換許可信号受取部32により受け取られると共に(s44:YES)、発券釦がドライバーにより押下されると(s45:YES)、処理実行部33が駐車券発行処理を開始し(s46)、処理中信号出力部35が処理中信号を発券機1および2に出力する(s47)。駐車券が発券機3から抜き取られると(s48:YES)、処理実行部33が、発券機2の場合と同様に、ゲート開閉処理を行う(s49、s50、s51)。続いて、切換要求信号出力部31が切換要求信号の出力を停止し、処理中信号出力部35が処理中信号の出力を停止する(s52)。これと同時に発券機2においても切換要求信号および処理中信号が停止される。一方、ドライバーが発券機3の発券釦を押下せずに、発券機2から駐車券を抜き取った場合には(s45:NO、s53:YES)、発券機3に代わり発券機2が駐車券発行処理、処理中信号の出力、ゲート開閉処理、並びに切換要求信号および処理中信号の停止を行う。
また、発券機3が発券機1に切換要求信号を出力してから、これに応じて発券機1が発券機3に切換許可信号を出力するまでの間、発券機3の処理実行部33は駐車券発行処理を待機している(s44:NO)。この待機中には、発券機3のメッセージ出力部34が発券機3の利用者に対し、駐車券発行処理を待機している旨を告げるメッセージを出力することが望ましい。
なお、上述した本発明の実施形態においては、発券機1、2を自動発券(発券釦を押さずに発券される)、発券機3を発券釦押下による発券としたが(手動発券)、これは一例であり、すべてを手動発券とすることは可能であるが、すべてを自動発券にした場合には、発券機2、3側で必ず1回の車両の進入に際して1枚の駐車券が余分となって廃券されることになるため、実用的ではない。
また、上述した本発明の実施形態においては、右側車路52に親機を1台設置する構成としたが、右側車路52にも子機を設置し、右側車路52に左右2台の発券機を設置する構成としてもよい。この場合には、1台の親機と3台の子機とを備える構成としてもよい。また、右側車路52における2台の発券機を親機、子機の関係とし、左側車路51における2台の発券機を親機、子機の関係とし、右側車路52の親機と左側車路51の親機に序列を付けて、一方の親機が他方の親機を制御する構成としてもよい。また、3つ以上の車路が並設された駐車場においても、各車路に親機および子機を適宜に設置することにより、上述した本発明の実施形態と同様の駐車場管理システムを実現することができる。
さらに、上述した本発明の実施形態においては、発券機1、2、3の各入出力端子を接続して、そのON/OFF(出力/停止)で様々な状態の制御のトリガーとしていたが、本発明はこれに限らず、複数の発券機をネットワーク接続し、親機をホストと見立てて通信コマンドで制御するようにしてもよい。
加えて、本発明の駐車場管理システムは、複数の発券機により駐車場入口において駐車場入場処理を行う駐車場管理システムに限らず、複数の料金精算機により駐車場出口において精算処理を行う駐車場管理システムや、ラグタイムリーダ(出口通過機)により出口通過管理を行う駐車場管理システムにも適用することができる。複数の料金精算機により精算処理を行う駐車場管理システムの場合、一方の料金精算機による精算処理中において、他方の料金精算機による精算処理を可能とするも、この他方の料金精算機による精算完了に続くゲート開処理は待機させる。そして、一方の料金精算機による精算処理が完了してその車両がゲートを通過しきったことが検出された後に、他方の料金精算機によるゲート開処理を開始させる。ラグタイムリーダにより出口通過管理を行う駐車場管理システムにおいても同様に、一方のラグタイムリーダによる駐車券読取処理が完了してゲート通過完了が検出された後に、他方のラグタイムリーダによるゲート開処理を開始させるようにする。
さらに、上述した実施形態において、発券機1(親機)の処理実行部22が駐車券発行処理の実行を開始してからの経過時間を測定し、駐車券発行処理の実行を開始してから所定の時間が経過した時点で駐車券発券処理が完了していないときには、処理実行部22が当該駐車券発行処理を中断し、続いて切換許可信号出力部25が切換許可信号を発券機2および3に出力する構成としてもよい。同様に、発券機2または3(子機)の処理実行部33が駐車券発行処理の実行を開始してからの経過時間を測定し、駐車券発行処理の実行を開始してから所定の時間が経過した時点で駐車券発券処理が完了していないときには、処理実行部33が当該駐車券発行処理を中断し、続いて処理中信号出力部35が処理中信号の出力を停止する構成としてもよい。この場合の所定の時間は駐車場管理システムのタイプ(発券機を備えたシステム又は精算機を備えたシステム)に応じて適切に設定すればよく、発券機を備えたシステムであれば、所定の時間を例えば10秒とする。このような構成によれば、一方の駐車券発行処理時間が想定以上に長い場合には、他方の駐車券発行処理を開始させることが可能で、一方の車路で混雑が生じても、これが他方の車路に波及することがない。例えば右側車路52に左ハンドル車が進入し、ドライバーが一旦運転席から降りて車両の周りを回って発券機1から発券された駐車券を抜き取るといった場合には、駐車券発行処理が完了するまでの時間が長くなる。このような場合には、左側車路51についての駐車券発行処理を先に進めることにより、駐車場入口における混雑を減らすことができる。
また、上述した本発明の実施形態において説明した発券機は、磁気ストライプ若しくは一面が磁気印刷された紙状のカードを発行する形式を想定しているが、非接触ICチップが埋め込まれた紙若しくはプラスチック製カード、ICチップが埋め込まれたタグやコイン状のもの、これらの非接触IC媒体をセンサー面にかざしたりタッチするだけで通過可能とさせる通過機のようなもの、または磁気カードを発行せずに定期券として挿入して読み込ませるもの、ETC車載器読み取りやナンバープレート画像読取りとの併用など、様々な形式の駐車場入口に用いられる機器であれば、本発明の実現は可能である。また、出口料金精算機やラグタイムリーダもこれらの形式や媒体であっても同様に実施可能である。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。