JP5137506B2 - rRNA含量が増加した酵母 - Google Patents

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本発明は、rRNA含量が増加した酵母及びその酵母の利用に関するものである。本発明の酵母は、食品特に調味料の分野で有用である。
サッカロマイセス・セレビシエ等の酵母は、RNA含量が高いために、5’−イノシン酸(5'-IMP)、5’−グアニル酸(5'-GMP)等の5’−リボヌクレオチドの製造原料として用いられている。リボヌクレオチドの大半はリボゾーマルRNA(rRNA)に由来するため、rRNA含量の高い酵母菌株を得ることは、食品工業においては有利である。
rRNA含量の高い酵母菌株を育種する方法として、FOB1遺伝子を欠失させ、rDNAクラスターを有する染色体に由来する分断染色体を保持させることにより、rDNAコピー数を高める技術が知られている(特開2007−75013)。通常、rDNAは、クロモゾームXII番上の9.1kb単位のタンデムリピートとして配置されており(非特許文献1)、FOB1遺伝子によってハプロイド当り約150コピーに制御されているが、FOB1遺伝子の破壊によってコピー数の制御が解除され、分断染色体上の増加したrDNAのコピー数が維持される結果、rRNA含量が増加する。
ところで、rDNAは、35S前駆体rRNAと5SrRNAを転写する2つの転写領域とReplication fork barrier(RFB)という領域を含むNTS1とARSを含むNTS2という2つの非転写領域で構成されている。35S前駆体rRNAと5SrRNAは、RNAポリメラーゼ I(以下、「Pol I」と略することがある。)とRNAポリメラーゼIII(以下、「Pol III」と略することがある。)の働きにより転写される(非特許文献2〜4)。rDNAのプロモーターは、必須なコア因子と、必須ではないが高レベル転写には必要な上流因子からなっている。上流因子による転写の刺激は、RRN5、RRN9、及びRRN10遺伝子によりコードされるタンパク質を含むUAF(upstream activation factor)という多タンパク質転写因子(複合体)により媒介されることが知られている(非特許文献5)。
しかしながら、rDNAの転写レベルでの発現強化により、rRNA含量を高める試みは知られていない。
Sucgang, R. et al, Nucleic Acids Res., 31, 2361-2368, 2003 Brewer, B.J. and Fangman,W.L. , Cell, 55, 637-643, 1988 Campbell,J.L. and Newlon,C.S. , The Molecular and Cellular Biology of the Yeast Saccharomyces, Cold Spring Harbor, New York: Cold Spring. Harbor Laboratory Press, pp.41-146 Linskens,M.H. and Huberman,J.A. , Mol.Cell.Biol., 11, 4927-4935,1988 Keys, D.A. et al., Genes Dev., 10, 887-903, 1996
本発明は、rRNA含量が増加した酵母、及びその利用法を提供することを目的とする。
本発明者等は、RRN10遺伝子の欠失によるrDNAの転写の低下を抑圧する変異が存在し得る可能性に思い至り、同変異を有する変異株を探索した。その結果、rDNAの転写の低下によるものと推定される緩慢な生育を抑圧し、rRNA含量が増加した酵母を取得することに成
功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)RRN10遺伝子の欠失による緩慢な生育を抑圧し得る変異を有する酵母。
(2)サッカロマイセス属に属する前記酵母。
(3)サッカロマイセス・セレビシエである前記酵母。
(4)さらに、rDNAのコピー数が増加している、前記酵母。
(5)FOB1遺伝子を欠失し、かつ、rDNAクラスターを有する染色体に由来する分断染色体を保持することによりrDNAコピー数が増加した前記酵母。
(6)RRN10遺伝子を欠失した酵母を変異処理し、親株よりも生育が向上した変異株を選択し、rRNA含量が増加した変異株を取得することを特徴とする、rRNA含量が増加した酵母の製造方法。
(7)さらに、前記変異株に機能的なRRN10遺伝子を保持させる、前記酵母の製造方法。
(8)前記親株又は変異株のFOB1遺伝子を欠失させ、かつ、rDNAクラスターを有する染色体に由来する分断染色体を保持させることを特徴とする、前記方法。
(9)前記酵母を原料として食品を調製することを特徴とする、食品の製造方法。
(10)前記食品が酵母エキスである、前記食品の製造方法。
本発明の酵母は、rRNA含量が高い。したがって、本発明の酵母を用いて、RNA又は5’−リボヌクレオチドの含量の高い酵母エキス等の食品を製造することができる。また、5’−リボヌクレオチドの製造原料としても好適に使用することができる。
本発明の酵母は、RRN10遺伝子の欠失による緩慢な生育(slow growth)を抑圧し得る変異を有する。本発明の酵母は、RRN10遺伝子を欠失した酵母を変異処理し、変異処理前のRRN10遺伝子を欠失した酵母(親株)よりも生育が向上した変異株を選択することにより、構築することができる。本発明の酵母は、前記変異を有しない酵母よりもrRNA含量が増加している。
酵母としては、サッカロミセス・セレビシエ等のサッカロミセス属、キャンディダ・ユティリス等のキャンディダ属、ピヒア・パストリス等のピヒア属、シゾサッカロミセス・ポンベ等のシゾサッカロミセス属等を例示することができる。本発明の好ましい形態においては、遺伝子操作系が幅広く確立されているキャンディダ属やサッカロミセス属を使用することが望ましい。また、本発明の酵母の構築工程においては、二倍体を取り得る酵母が好ましく、サッカロミセス属酵母がより好ましく、サッカロマイセス・セレビシエが特に好ましい。
酵母は、RRN10遺伝子を欠失すると、RRN10遺伝子非欠失株、例えば野生型株に比べて生育が低下する。本発明において「緩慢な生育」とは、この非欠失株に比べて低下した生育を意味する。このようなRRN10遺伝子の欠失による生育の低下を回復する変異が存在することを本発明者らは見出した。本発明の「RRN10遺伝子の欠失による緩慢な生育を抑圧し得る変異」とは、このような変異を意味する。尚、RRN10遺伝子の欠失による緩慢な生育を抑圧し得る変異には、RRN10遺伝子の欠失変異が元に戻る復帰変異は含まれない。また、抑圧変異を有する変異株を「抑圧変異株」と呼ぶことがある。抑圧変異は、機能的なRRN10遺伝子産物を全く産生しない株だけでなく、RRN10遺伝子産物の活性が低下したことによって緩慢な生育を示す株の生育を回復し得る変異を含む。尚、「緩慢な生育を抑圧し得る」とは、RRN10遺伝子非欠失株と同程度に生育が回復する場合に加えて、RRN10遺伝子非欠失株よりは生育が遅くても、変異処理前のRRN10遺伝子欠失株よりも生育が向上している場合を含む。
以下、本発明の酵母の構築方法を例示する。尚、酵母に関する実験操作は、「化学と生物 実験ライン31 酵母の実験技術」初版 廣川書店;「バイオマニュアルシリーズ10 酵母による遺伝子実験法」初版、羊土社;「METHODS IN YEAST GENETICS 2000 EDITION」Cold Spring Harbor Laboratory Pressなどに詳細に記載されている。
酵母のRRN10遺伝子を欠失させる。ここで、「欠失」とは、RRN10遺伝子がコードするRRN10タンパク質が機能しないか、又は同機能が低下するように酵母を改変することを意味する。例えば、RRN10遺伝子全体を染色体から除去すること、同遺伝子の転写又は転写産物の翻訳が起らないように、プロモーターやターミネーター等の発現調節配列を改変すること、あるいは、発現したRRN10タンパク質が機能しないようにコード領域に変異又は欠失を起こさせることが挙げられる。これらの操作は、通常の突然変異処理や、「遺伝子破壊」として知られる相同組換えを利用した方法等によって行うことができる。より具体的には、RRN10遺伝子のコード領域の内部に、他のDNA断片を挿入することによって、RRN10遺伝子を破壊することができる。具体的には例えば、5’末端部、3’末端部又は内部を欠失した欠失型RRN10遺伝子を含む組換えDNAで酵母を形質転換し、欠失型遺伝子と染色体上の野生型遺伝子との間で組換えを起こさせることにより、染色体上の遺伝子を破壊することができる。その際、組換えDNAには、宿主の栄養要求性等の形質にしたがって、マーカー遺伝子を含ませておくと操作がしやすい。また、前記組換えDNAは、制限酵素で切断する等により直鎖状にしておくと、染色体に組換えDNAが組み込まれた株を効率よく取得することができる。
尚、酵母が一倍体であると、RRN10遺伝子の欠失により著しく生育が低下し、RRN10遺伝子欠失株の取得が困難になることがあるので、二倍体酵母を用い、RRN10遺伝子を含む相同染色体の一方のみでRRN10遺伝子が欠失し、他方で野生型RRN10遺伝子が維持されるヘテロ二倍体としてRRN10遺伝子欠失株を取得することが好ましい。
欠失型遺伝子の染色体への組込みは、例えば、マーカー遺伝子の形質によって確認することができる。また、RRN10遺伝子が欠失したことは、野生型遺伝子構造及び目的の遺伝子破壊が起きたときに予想される遺伝子構造に応じて調製したオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRにより、確認することができる。さらに、RRN10遺伝子の欠失領域に対応するプローブを用いたサザンハイブリダイゼーションによっても、RRN10遺伝子の欠失を確認することができる。
以降の操作は、ヘテロ二倍体のままで行うこともできるが、生育の回復を評価しやすくするために、RRN10遺伝子を欠失した一倍体を用いることが好ましい。目的の一倍体は、四分子解析により取得することができる。
サッカロマイセス・セレビシエのRRN10遺伝子の配列を、配列番号1に示す。また、同遺伝子によってコードされるアミノ酸配列を配列番号2に示す。本発明において、RRN10遺伝子は、上記配列を有する遺伝子や、公知の配列を有する遺伝子に限られず、コードされるRRN10タンパク質の機能が損なわれない限り、RRN10遺伝子のホモログやバリアント等、保存的変異を有するものであってもよい。すなわち、配列番号2のアミノ酸配列において、1若しくは数個の位置での1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加等を含む配列を有するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。また、配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質又はそのバリアントをコードする限り、RPN10遺伝子は1又は2以上のイントロンを含んでいてもよい。
前記「1若しくは数個」とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造における位置やアミノ酸残基の種類によっても異なるが、具体的には好ましくは1〜20個、より好ましくは1
〜10個、さらに好ましくは1〜5個を意味する。また、保存的変異とは、置換部位が芳香族アミノ酸である場合には、Phe、Trp、Tyr間で、置換部位が疎水性アミノ酸である場合には、Leu、Ile、Val間で、極性アミノ酸である場合には、Gln、Asn間で、塩基性アミノ酸である場合には、Lys、Arg、His間で、酸性アミノ酸である場合には、Asp、Glu間で、ヒドロキシル基を持つアミノ酸である場合には、Ser、Thr間でお互いに置換する変異である。保存的変異の代表的なものは、保存的置換であり、保存的置換とみなされる置換としては、具体的には、AlaからSer又はThrへの置換、ArgからGln、His又はLysへの置換、AsnからGlu、Gln、Lys、His又はAspへの置換、AspからAsn、Glu又はGlnへの置換、CysからSer又はAlaへの置換、GlnからAsn、Glu、Lys、His、Asp又はArgへの置換、GluからGly、Asn、Gln、Lys又はAspへの置換、GlyからProへの置換、HisからAsn、Lys、Gln、Arg又はTyrへの置換、IleからLeu、Met、Val又はPheへの置換、LeuからIle、Met、Val又はPheへの置換、LysからAsn、Glu、Gln、His又はArgへの置換、MetからIle、Leu、Val又はPheへの置換、PheからTrp、Tyr、Met、Ile又はLeuへの置換、SerからThr又はAlaへの置換、ThrからSer又はAlaへの置換、TrpからPhe又はTyrへの置換、TyrからHis、Phe又はTrpへの置換、及び、ValからMet、Ile又はLeuへの置換が挙げられる。また、上記のようなアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、または逆位等には、遺伝子が由来する酵母の属、種又は菌株の違いに基づく場合などの天然に生じる変異(mutant又はvariant)も含まれる。
さらに、上記のような保存的変異を有する遺伝子は、コードされるアミノ酸配列全体に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上の相同性を有し、かつ、野生型タンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。
また、上記のような保存的変異を有する遺伝子は、配列番号1の塩基配列に相補的な配列、又はこの配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列番号2のアミノ酸配列を有するRRN10タンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。ここで、「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。一例を示せば、相同性が高いDNA同士、例えば80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC、0.1% SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1% SDS、さらに好ましくは、68℃、0.1×SSC、0.1% SDSに相当する塩濃度、温度で、1回、より好ましくは2〜3回洗浄する条件が挙げられる。
プローブとしては、遺伝子の相補配列の一部であってもよい。そのようなプローブは、公知の遺伝子配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとし、これらの塩基配列を含むDNA断片を鋳型とするPCRによって作製することができる。例えば、プローブとして、300 bp程度の長さのDNA断片を用いる場合には、ハイブリダイゼーションの洗いの条件は、50℃、2×SSC、0.1% SDSが挙げられる。
次に、上記のようにして得られるRRN10遺伝子を欠失した酵母、好ましくはヘテロ二倍体を変異処理する。変異処理としては、紫外線照射、または、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、エチルメタンスルフォネート(EMS)、メチルメタンスルフォネート(MMS)等の通常変異処理に用いられている変異剤によって処理する方法が挙げられる。
続いて変異処理した酵母の生育を調べ、緩慢な生育が回復した変異株、すわなち親株(変異処理前のRRN10遺伝子欠失株)よりも生育が向上した変異株を選択する。具体的には、例えば、寒天培地に変異処理した酵母懸濁液を広げ、生育に適した温度、例えば30℃
で、親株が目視可能な大きさのコロニーを形成し得る期間、例えば1〜14日培養する。そして、親株よりも大きいコロニーを形成する株を選択すれば、目的の抑圧変異株を得ることができる。また、抑圧変異株の生育の回復は、寒天培地又は液体培養における生育を調べることにより、評価することができる。寒天培地及び液体培地は、酵母の種類や栄養要求性に応じて、適宜選択すればよい。生育の回復の程度は特に制限されないが、例えば、十分な栄養を含む液体培地で培養したときに、好ましくは対数増殖期における比増殖速度が、変異処理前のRRN10遺伝子欠失株に比べて好ましくは1.25倍以上、より好ましくは1.5倍以上、特に好ましくは1.8倍以上であれば、生育は回復している。あるいは、前記条件で、RRN10遺伝子非欠失株に比べて比増殖速度が好ましくは25%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上であれば、生育は回復している。比増殖速度は、例えば、一定時間における液体培地中の660nmでの光学密度の増加によって、測定することができる。培地としては、例えばYPD培地が挙げられる。培養としては、例えば30℃で振とう培養で行われる。
抑圧変異株について、rRNA含量を測定し、変異処理前のRRN10欠失株よりもrRNA含有量が増加していることを確認することが好ましい。rRNA含量は、例えば実施例に示したように、Hot-Phenol法などにより全RNA含量を測定し、全RNA中のrRNA含量をリアルタイムPCR法などにより測定することによって、調べることができる。
上記のようにして得られる抑圧変異株に、機能的なRRN10遺伝子を保持させても良い。機能的なRRN10遺伝子とは、野生型RRN10遺伝子又は野生型RRN10遺伝子と同等に機能する遺伝子をいう。抑圧変異は、RRN10遺伝子の欠失による緩慢な生育を相補するものであるが、機能的なRRN10の存在下でも、Pol IによるrDNAの転写を促進すると予想される。したがって、抑圧変異株に野生型のRRN10遺伝子を保持させることにより、PPN10遺伝子を欠失した抑圧変異株よりも、rRNA含量が増加する。また、機能的なRRN10遺伝子を保持する抑圧変異株は、野生株のような抑圧変異を有さないRRN10非欠失株よりも、rRNA含量が増加する。抑圧変異株に機能的なRRN10遺伝子を保持させるには、機能的なRRN10遺伝子を含むベクターで抑圧変異株を形質転換すればよい。また、取得した抑圧変異株と機能的なRRN10遺伝子を有する菌株と交雑育種を行うことにより、抑圧変異と機能的なRRN10遺伝子を有する菌株を取得することもできる。或いは、抑圧変異株と機能的なRRN10遺伝子を有する菌株を細胞融合させることにより、抑圧変異と機能的なRRN10遺伝子を有する菌株を取得することもできる。また、機能的なRRN10遺伝子を保持する株は、RRN10遺伝子を欠失させる変異が復帰したものであってもよい。
また、RRN10遺伝子を欠失させる酵母として、rDNAコピー数が増加した酵母を用いてもよい。酵母のrDNAコピー数は、例えば、酵母のFOB1遺伝子を欠失させ、かつ、rDNAクラスターを有する染色体に由来する分断染色体を保持させることにより、増加させることができる。あるいは、抑圧変異株を取得した後に、FOB1遺伝子を欠失させ、かつ、rDNAクラスターを有する染色体に由来する分断染色体を保持させてもよい。また、抑圧変異株に野生型のRRN10遺伝子を保持させる場合、野生型のRRN10遺伝子を保持させる操作と、FOB1遺伝子を欠失させ、かつ、rDNAコピー数を増加させる処理は、どちらを先に行ってもよい。FOB1遺伝子を欠失させる方法、及び、rDNAクラスターを有する染色体に由来する分断染色体を保持させる方法は、特開2007-075013に詳述されている。酵母は、前記分断染色体とともに、rDNAクラスターを有する通常の染色体を保持していてもよい。このような酵母は、分断染色体を保持する一倍体酵母と、通常の染色体を保持する一倍体酵母を接合させることにより得ることができる。また、得られた2倍体酵母を胞子形成させ、四分子解析を行うことにより、分断染色体とともに通常の染色体を保持する一倍体酵母を得ることができる。FOB1遺伝子産物は、rDNAの相同組換えにトランスに作用する因子であり、rDNAのコピー数の増減に関わっている。FOB1遺伝子を欠失させることにより、前記分断染色体の保持による高いコピー数のrDNAを安定に維持することができる。
また、本発明の酵母は、rRNA含量が増加している。このような本発明の酵母は、食品の製造に利用することができる。本発明においては、食品は特に制限されず、本発明の酵母を用いる以外は、酵母を原料として用いる食品と同様にして製造することができる。本発明においては、通常の食品の製造工程に、酵母をそのまま加えてもよいし、特定の処理を行ってから加えてもよい。その方法は特に制限されない。rRNA含量の増加の程度は特に制限されないが、RRN10遺伝子破壊株に比べて、好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.5倍以上、特に好ましくは1.8倍以上である。
本発明において、酵母を用いた食品の代表例として調味料、より具体的には酵母エキスを挙げることができる。酵母エキスの製造方法として、培養した酵母菌体から自己消化あるいは酵素消化によって、内容物を抽出する方法、酵母を熱水抽出することによって内容物を抽出する方法などがある。また、内容物と残渣を分離してから使用してもよいし、分離せずにそのまま使用してもよい。更に、内容物あるいは残渣をプロテアーゼ、ヌクレアーゼ、デアミナーゼなどの酵素類で処理して酵母エキスを調製してもよい。前述のように通常の酵母エキスの製造に用いている方法を使用することができる。また、調製した酵母エキスを適当な条件、例えば糖を添加して一定時間・一定温度帯で保持することによって調味料を製造してもよいし。酵母エキスにあるいは酵母エキスを処理した調味料に、チキンエキス、ビーフエキス、などその他の素材を添加することによって調味料を製造してもよい。本発明の酵母を利用する限りにおいて、調味料の製造方法は特に制限されない。
また、本発明の酵母は、5’−イノシン酸や5’−グアニル酸等の5’−リボヌクレオチドの製造原料としても有用である。本発明の酵母を用いた5’−リボヌクレオチドの製造は、公知の酵母からの5’−リボヌクレオチドの製造と同様にして行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づき、より具体的に説明する。なお、本発明は以下実施例になんら限定されるものではない。
〔実施例1〕RRN10破壊株(ヘテロ二倍体)の取得
常法に従い、FOB1遺伝子破壊株であるSaccharomyces cerevisiae MATa型一倍体SH6446株(別名ID-10株。特願2005-267538に記載)(MATa ura3-52 his3△200 leu2△1 lys2△202 trp1△63 fob1::HIS3)と、Saccharomyces cerevisiae MATα型一倍体BY22786株(別名SH6471株)(MATα ura3△851 his3△200 leu2△1 trp1△63 ade2-661)を接合させ、二倍体A株を取得した。
次に、取得した二倍体A株のRRN10遺伝子を破壊する為、RRN10遺伝子破壊カセットを作製した。具体的には、5'末端にそれぞれRRN10遺伝子の2番染色体の171,441 bp〜171,485 bpと171,916 bp〜177,960 bp (RRN10遺伝子のORF外側に該当)に対応する配列を有し、3'末端にCgLEU2を増幅する為の配列を有するDR-F(配列番号3)及びDR-R (配列番号4)という組合せのプライマーセットを用い、キャンディダ・グラブラタ由来のLEU2遺伝子(CgLEU2)を含むプラスミドp3008(Sugiyama, M. et al. Biotechniques, 38, 909-914 (2005))を鋳型として用いてPCRを行い、約1.8kbpのRRN10 遺伝子破壊カセットを作製した。なお、PCRは常法に従い、94℃で5分間反応後、94℃、30秒; 55℃、30秒; 72℃、2分間からなる反応を25サイクル繰り返した後、72℃で5分反応させ、4℃保存(全量100μl)という条件で行った。
次に、前述のようにして作製したRRN10遺伝子破壊カセットを二倍体A株に形質転換した。形質転換は、Gietzらの方法に従いキャリアーDNAを用いる高効率酵母の形質転換法を用いた(Gietz R.D. and Schiestl R.H., 1995, Methods Mol.Cell. Biol. 5:255-269.)。
形質転換体をSC-Leu培地で、30℃で 4日培養し、ロイシンを含まない培地で生育してきた形質転換体を選択し、RRN10遺伝子破壊カセットが目的の位置に含まれているか否かPCRにより確認した。PCRは、RRN10-F(配列番号5)及びRRN10-R(配列番号6)という組合せのプライマーセット1、RRN10-F及びCgLEU-R(配列番号7)という組合せのプライマーセット2を用いた。図1に示すように、通常のRRN10遺伝子が含まれている場合は、プライマーセット1により819bpの増幅が観測されると予想された。形質転換カセットが目的の位置に含まれている場合は、プライマーセット1により2.2kbpの増幅が、プライマーセット2により1kbpの増幅が観測されると予想された。なお、PCRはTakara Ex Taq polymeraseを用い(PCR反応 (total volume 20μL))、以下の条件で行った。
プライマーセット1の場合は、94℃で5分間反応後、94℃、30秒; 55℃、30秒; 72℃、2分間の反応を25サイクル繰返した後、72℃で5分反応させ、4℃で保存した。プライマーセット2の場合は、94℃で5分間反応後、94℃、30秒; 55℃、30秒; 72℃、1分間の反応を25サイクル繰返した後、72℃で5分反応させ、4℃で保存した。
任意に選抜した形質転換体4株より、染色体DNAを回収することによりPCRの鋳型を調製した。各々の菌株について、プライマーセット1及びプライマーセット2を用いてPCRを行ったところ、プライマーセット1を用いた時に819bpの断片と2.2kbpの断片の増幅が確認された。一方、プライマーセット2を用いた時に1kbpの断片の増幅が確認された。(図2)この結果より、これら形質転換体の2本の染色体のうち1本の染色体にRRN10遺伝子破壊カセットが組み込まれていると考えられた。このようにして、通常のRRN10遺伝子とRRN10遺伝子破壊カセットを有する二倍体株を取得した。これらの4株の中の1株を以下の検討に用いた。
〔実施例2〕RRN10破壊株(一倍体)の取得
常法に従い、実施例1で取得したRPN10遺伝子破壊株を胞子形成させ、四分子解析を行った。一例を図3に示す。この中から、His+、Leu+、緩慢な生育を示す分離株(例えば、図3中のB行4列に該当する株)を選別した。このようにして、51個の子嚢から6個の一倍体を分離することに成功した。
分離した6個の一倍体から各々染色体を回収し、実施例1と同様にPCRによりRRN10遺伝子破壊カセットの有無を確認した。プライマーセット1より2.2kbpの増幅がプライマーセット2より1kbpの増幅が確認された。しかし、プライマーセット2では819bpの増幅が確認されなかったことから、取得した一倍体のRRN10遺伝子の位置にRRN10遺伝子破壊カセットが正しく組み込まれていることがわかった。
さらに、サザンブロッティング解析により取得した一倍体がRRN10遺伝子を有していないことを確認した。具体的には、この菌株の染色体DNAをKimらの方法(Kim Y.H. et al. (2005) J Biosc Bioeng 99: 55-60)に準じてCHEFパルスフィールド電気泳動により分離した。尚、電気泳動装置にはCHEF MAPPER system (Bio-Rad Laboratories)を用いた。プローブDNAは、RRN10-F2(配列番号8)及び RRN10-R2(配列番号9)という組合せのプライマーセットを用い、SH6446株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行い、RRN10遺伝子のORF 438bpを増幅することにより、調製した。増幅産物のプローブ標識及びバンドの検出をECL Direct Nucleic Acids Labelling and Detection System(GEヘルスケアバイオサイエンス)を用いて行い、シグナルはECLフィルム(GEヘルスケアバイオサイエンス)を用いて検出した。その結果、正常なRRN10遺伝子を有するSH6446株ではRRN10プローブのバンドが検出されたが、取得した一倍体6株からはバンドが検出されなかった(図4)。このようにして、取得した一倍体がRRN10遺伝子を保有していないことを確認した。このようにして取得した一倍体より30B株(別名SH6789株)を選抜した。
〔実施例3〕RRN10破壊株からの抑圧変異株の取得
常法に従い、SH6789株を変異剤EMS処理、又はUV照射により、生存率10%となる条件で変異処理した。変異株をYPDA培地にスプレッドし、30℃で7日間培養した。親株であるSH6789株よりも大きなコロニー(生育の早い株)を選抜した。このようにして、7株の抑圧変異株を取得した。
次に、親株であるSH6789株と、取得した抑圧変異株の一つであるrrn10supA株(別名SH6808株)を5mlのYPDA培地に植菌し、30℃で24時間培養した。培養液をYPDA培地にスプレッドし、30℃で7日間培養したところ、rrn10supA株(SH6808株)はSH6789株よりも大きなコロニーを形成する(生育が早い)ことが確認された(図5)。なお、その他の6株についても同様の結果であった。
また、SH6789株、及び取得した抑圧変異株7株を各々YPDA培地に植菌し、30℃で培養した。経時的な生育を調べたところ、比増殖速度は親株であるSH6789株の0.065(hr-1)に対し、抑圧変異株では0.105〜0.123となり、親株よりも高いことがわかった(図6)。このようにして、変異処理により生育が回復した抑圧変異株が取得できたことが確認された。
〔実施例4〕抑圧変異株のrRNA量測定
次に、抑圧変異株のrRNA量がどのように変化しているかリアルタイムPCRによって確認した。SH6789株及び抑圧変異株7株(rrn10supA株、rrn10supB株、rrn10supC株、rrn10supD株、rrn10supE株、rrn10supF株、rrn10supG株)を各々YPDA培地に植菌し、30℃で培養した。その対数増殖期に集菌し、全RNAを回収した。全RNAは、Hot Phenol法(Ausubel、F.M
et al. (1993) Current protocols in molecular biology, vol.2. John Wiley & Sons,
Inc., Boston, Mass.)により回収した。
次に、リアルタイムPCRにより各全RNA中のrRNA量を測定した。内部標準遺伝子としてACT1遺伝子を、rRNAとして18SrRNA量を測定した。PCR装置にはABI Prism 7300 sequence detector(Applied Biosystems, CA, USA)を用いた。1μgのtotal RNAからHigh capacity
cDNA Archive kit (Applied Biosystems)を用いてcDNAを合成した後、SYBR Green dyeケミストリ(SYBRR Green PCR Master Mix, Applied Biosystems)を用いてリアルタイムPCRを行った。ACT1遺伝子用のプライマーとしてACT1-F(配列番号10)及びACT1-R(配列番号11)を、18SrRNA用のプライマーとして18S-F(配列番号12)及び18S-R(配列番号13)を用いた。
結果を図7に示す。その結果、取得した抑圧変異株はいずれも親株よりもrRNA含有量が上昇していることがわかった。特に抑圧変異株rrn10supB株、rrn10supD株、rrn10supF株では、rRNA含有量が親株であるSH6789株の約1.5倍に上昇していることがわかった。なお、rrn10supF株はサッカロマイセス・セレビシエAJ14897と命名され、2007年7月26日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託され、受託番号FERM P-21328が付与されている。
〔実施例5〕RRN10インテグレーションベクターの作成
次に、機能的なRRN10遺伝子(野生型RRN10遺伝子)で酵母を形質転換する為のインテグレーションベクターを以下のようにして作製した。RRN10遺伝子が正常であるSH6446株より染色体DNAを常法により回収した。この染色体DNAを鋳型として、PCRによりRRN10遺伝子を増幅した。RCRのプライマーとして、INV-Fプライマー(配列番号14)及びINV-Rプライマー(配列番号15)を用いた。INV-Fプライマーの5'末端には制限酵素KpnI切断部位が、INV-Rプライマーの5'末端にはSacI切断部位が付加されている為、PCRにより両末端に制限酵素切断部位が付加された増幅産物が得られた。次に、このPCR増幅産物とpRS306ベクター(Genetics 122:19-27 (1989))を常法に従い各々制限酵素KpnI及びSacIで切断した。
常法に従い、PCR産物及びpRS306ベクターを回収し、ライゲーションをおこない、エシェリヒア・コリDH5αを形質転換した。得られた形質転換体を培養し、RRN10インテグレーションベクターを回収し、目的のベクターが作製されていることを確認した。このようにして、RRN10インテグレーションベクターを作製した(図8)。
〔実施例6〕RRN10遺伝子形質転換酵母の取得
次に、上記RRN10インテグレーションベクターを制限酵素NcoIで切断した。この切断したベクターでrrn10supA株、rrn10supB株、rrn10supC株、rrn10supD株、rrn10supE株、rrn10supF株、rrn10supG株を形質転換した。形質転換は、Gietzらの方法に従いキャリアーDNAを用いる高効率酵母の形質転換法を用いた(Gietz R.D. and Schiestl R.H., 1995, Methods Mol.Cell. Biol. 5:255-269.)。各々の形質転換体をウラシルを含まない最小栄養培地で、30℃で4日培養し、生育してきた形質転換体を取得した。PCRにより、インテグレーションベクターが目的の位置に正しく組み込まれていることを確認した。このようにして、RRN10遺伝子の機能が回復したrrn10supA[RRN10+]株、rrn10supB[RRN10+]株、rrn10supC[RRN10+]株、rrn10supD[RRN10+]株、rrn10supF[RRN10+]株、rrn10supG[RRN10+]株を取得した。
〔実施例7〕RRN10遺伝子導入酵母の評価
上記rrn10supA[RRN10+]株、rrn10supB[RRN10+]株、rrn10supC[RRN10+]株、rrn10supD[RRN10+]株、rrn10supF[RRN10+]株、rrn10supG[RRN10+]株及びSH6446株の比増殖速度を測定した。その結果、RRN10遺伝子を導入した株は、非導入株に比べて比増殖速度が著しく回復し、RRN10遺伝子非破壊株であるSH6446株と同程度まで回復した(図9)。
次に、RRN10遺伝子導入株、抑圧変異株、30B株及びSH6446株のrRNA量を測定した。測定は実施例4と同様の条件で行った。その結果、RRN10遺伝子導入株はrRNA量が上昇することが確認できた。また、取得したRRN10遺伝子導入株の中でもrrn10supF[RRN10+]株のrRNA含量は顕著に上昇しており、元々の親株であるSH6446株と比較して、同一比増殖速度の時にrRNA含量が2倍以上に上昇していることがわかった(図10)。このようにして、機能的なRRN10遺伝子を有しているか否かにかかわらず、RRN10遺伝子の欠失による緩慢な生育を抑圧しうる変異を有する酵母は、rRNA含量が顕著に上昇することが示された。
RRN10遺伝子構造確認のためのPCRにおけるプライマーの位置と増幅産物の大きさを示す図。 RRN10遺伝子構造確認のためのPCRの結果を示す写真。 RRN10遺伝子破壊株の四分子解析を示す写真。 CHEF電気泳動(A)及びサザンハイブリダイゼーションの結果(B)を示す写真。 抑圧変異株の寒天培地における生育を示す写真。 抑圧変異株の液体培地における生育を示す図。 抑圧変異株のrRNA含量を示す図。 RRN10インテグレーションベクターのコンストラクトを示す図。 RRN10遺伝子を導入した抑圧変異株の比増殖速度(μ)を示す図。 RRN10遺伝子を導入した抑圧変異株のrRNA含量を示す図。

Claims (5)

  1. RRN10遺伝子が欠失した酵母を変異処理し、親株よりも生育が向上した変異株を選択し、rRNA含量が増加した変異株を取得することを特徴とする、rRNA含量が増加した酵母の製造方法。
  2. さらに、前記変異株に機能的なRRN10遺伝子を保持させる、請求項に記載の方法。
  3. 前記親株又は変異株のFOB1遺伝子を欠失させ、かつ、rDNAクラスターを有する染色体に由来する分断染色体を保持させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記酵母がサッカロマイセス属に属する酵母である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエである、請求項4に記載の方法。
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