JP5136883B2 - 金イオン含有水の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品、サプリメント、化粧品などに使用される金イオン含有水の製造方法および製造装置に関する。
金イオンによる抗菌効果または殺菌効果は、銀イオンによる抗菌効果または殺菌効果と同様に、かなり昔から知られていた。金の器に入れた水は、銀の器に入れた水と同様に、腐敗しないことが一般によく知られている。
金および銀は、ごく微量であるがそれぞれ金イオンおよび銀イオンとして水に溶解する性質を持つ。金イオンまたは銀イオンを含む水は、イオン濃度がppbオーダーと極めて低くても、水中の菌類に対して高い抗菌能力および殺菌能力を有する。
しかし、金属金は、イオン化傾向からも明らかなように、金属銀よりもさらに水に溶解しにくい金属である。このため、金イオン含有液を得るためには、金を王水(1容積の69質量%硝酸と3容積の36質量%塩酸との混合物、以下同様。)に溶かして得られる水溶性の金塩を水に溶かす方法などが一般的に用いられる。
たとえば、特開2003−104898号公報(特許文献1)は、以下の金イオン含有液剤の製造方法を開示する。まず、金を王水に溶解した金溶液と、亜鉛および鉄を塩酸に溶解した亜鉛−鉄溶液とを混合して酸性原料溶液を得る。次いで、この酸性原料溶液を耐高熱容器に入れて加熱して得られた蒸発乾固物に1000℃以上の炎を当て、蒸発乾固物から不要な塩素および窒素の酸化物を除去して、金、亜鉛および鉄の水溶性塩化物塩を得る。次いで、この水溶性塩化物塩を精製水に溶解する。この方法によれば、酸性原料溶液中に塩化亜鉛が含まれているため金イオンの収率が向上するとされている。
また、特開2004−182500号公報(特許文献2)は、以下の金イオン含有水溶液の製造方法を開示する。まず、金を王水に溶解させた金溶解液を容器内で蒸発乾固させる工程の後、容器内に残った析出物を再度王水に溶かし再度蒸発乾固させる再溶解蒸発乾固工程を少なくとも1回行なった後、最終の蒸発乾固により生じた析出物を精製水で溶解する。この方法によれば、歩留まりよく純度の高い金イオン含有水溶液が得られるとされている。
特開2003−104898号公報 特開2004−182500号公報
しかし、上記特許文献1および特許文献2に開示されている方法は、いずれも金属金を王水に溶解して得られる金塩を水に溶解するものであり、純度の高い金イオン含有水を得るためには、金塩の純度を高める必要がある。このため、金塩に含まれる塩素化物および窒素化物を除去するため、金塩を高温で加熱処理することが必要となり、コストが高くなる。
そこで、本発明は、上記金塩を経由することなく、直接的に電解法により純度の高い金イオン含有水が得られる金イオン含有水の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
しかし、電解法において、水道水、地下水、井戸水など、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどの金属元素を含有する水を電解すると陰極表面に上記金属元素の水酸化物が付着して電解効率を低減するとともに陽極と陰極との間に付着した金属水酸化物によりショートが起こる問題点がある。
また、金の25℃における標準電極電位は、1.68Vと、金属の中で最も高く、非常にイオン化しにくいことが知られている。このことは、銀の25℃における標準電極電位が0.80Vであり、金属銀を陽極とする電解によって比較的簡単にイオン化ができる銀の場合と大きく異なる。
さらに、純度の高い金イオン含有水を得るためには、純度の高い水、すなわち純水を用いる必要がある。このため、液抵抗値の高い純水を用いて、標準電極電位が高い金をイオン化させるための工夫が必要となる。
本発明は、イオン交換膜により仕切られた陽極室と陰極室とを備える金イオン含有水の製造装置であって、陽極室は金属金で形成されている陽極を含み、陰極室はイオン交換膜に接触している陰極を含み、陽極とイオン交換膜とが非接触である金イオン含有水の製造装置である。
本発明にかかる金イオン含有水の製造装置において、陽極とイオン交換膜との間の距離を0.2mm以上15.0mm以下とすることができる。また、陰極は、イオン交換膜の陰極室側の主面上に形成された金属めっき層と、金属めっき層に接触する金属層と、を含むことができる。
本発明は、上記製造装置を用いた金イオン含有水の製造方法であって、陽極室および陰極室に純水を入れる工程と、陽極と陰極との間に一定電流を印加する工程と、を備える金イオン含有水の製造方法である。
本発明にかかる金イオン含有水の製造方法において、陽極室に入れられた純水には還元剤を添加することができる。また、陽極室に入れられた純水には有機酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類を添加することができる。
本発明によれば、電解法により純度の高い金イオン含有水が得られる金イオン含有水の製造方法および製造装置を提供することができる。
(実施形態1)
本発明にかかる金イオン含有水の製造装置の一実施形態は、図1を参照して、イオン交換膜10により仕切られた陽極室20と陰極室30とを備える金イオン含有水の製造装置であって、陽極室20は金属金で形成されている陽極22を含み、陰極室30はイオン交換膜10に接触している陰極32を含み、陽極22とイオン交換膜10とが非接触である。
本実施形態の金イオン含有水の製造装置は、図1を参照して、イオン交換膜10により仕切られた陽極室20と陰極室30とを備える。陽極室20と陰極室30がイオン交換膜10で隔てられることにより、陽極室20および陰極室30に電解液(陽極室液および陰極室液)として純水42,43を入れて電解すると、陽極室20と陰極室30との間の移動はイオンに限られ、陰極室30で生成する化学種が陽極室20に移動することが防止され、陽極室20内の純水42の純度を高く維持することができる。
また、陽極室20は、金属金で形成された陽極22を含む。陽極22が金属金で形成されているため、電解の際の陽極酸化により、陽極22を形成する金属金が金イオンとなって陽極室20内の純水42中に溶解して、金イオン含有水が生成する。
また、陰極室30は、イオン交換膜10に接触している陰極32を含む。このため、陰極32と陽極22との間には、陰極32に接しているイオン交換膜10が存在する。このため、陽極22と陰極32との間に存在する陽極室20の純水42の層の厚さ(これは、陽極22とイオン交換膜10との間の距離Dに等しい)を小さくすることができ、電解電圧を低減することができる。純水42,43の電解の際、イオン交換膜10の内部はイオンが自由に移動するため、イオン交換膜10は電解抵抗が小さい。ここで、イオン交換膜10には、特に制限はないが、陰極室液が陽極室液に混入しないようにする観点から、H型の強酸性陽イオン交換膜が好ましい。また、耐熱性および耐酸化性が高い観点から、フッ素樹脂製のイオン交換膜が好ましい。
また、陽極22とイオン交換膜10は非接触である。陽極室20における陽極酸化により、陽極22の表面から金イオンが溶け出す。陽極22とイオン交換膜10とが接触していると、金イオンの溶出が阻害される。
ここで、陽極22とイオン交換膜10との距離Dは、特に制限はないが、0.2mm以上15.0mm以下であることが好ましい。陽極とイオン交換膜との距離Dは、0.2mmより小さいと通液流路が狭くなり液の流れと電解により放出されるガスの抜けが阻害され、電解電流の値が一定せず、15.0mmより大きいと液抵抗が高くなり、電解電圧が上昇するので、通常の直流電源を用いた電解が困難となる。かかる観点から、陽極22とイオン交換膜10との距離Dは、0.3mm以上10.0mm以下であることがより好ましい。
ここで、陽極22と陰極32との距離を、上記の範囲で一定に固定するために、陽極22とイオン交換膜10との間にスペーサ8を設けることができる。また、このスペーサ8は、陽極22とイオン交換膜10との間の液流(水流)の妨げとならないように、陽極およびイオン交換膜の端部の一部に設けることが好ましい。
また、図1を参照して、陰極32は、イオン交換膜10の陰極室側の主面10c上に形成された金属めっき層32pと、金属めっき層32pに接触する金属層32mとを含むことが好ましい。陰極32は、上記金属めっき層32pおよび金属層32mを含むことにより、イオン交換膜10との電気的接続性が良くなり電気抵抗が低減する。ここで、金属めっき層32pには、特に制限はないが、電気抵抗が低減しかつ耐食性が高い観点から、白金めっき層であることが好ましい。また、金属層32mは、特に制限はないが、耐食性の高い、チタン、タンタルおよびニオブの少なくともいずれかの金属層であることが好ましい。また、金属層32mとして、チタン、タンタルおよびニオブの少なくともいずれかの金属層を用いる場合は、これらの金属の水素脆化を防止するために、これらの金属層32mは表面が金属めっきされていることが好ましい。金属層32mの表面の金属めっきは、電気抵抗が低減しかつ耐食性が高い観点から白金めっきであることが好ましい。また、金属層32mは、陰極から放出される水素ガスを陰極および陰極室液から抜けやすくする観点から、ラス、メッシュ、多孔質などの形状を有していることが好ましい。
本実施形態の金イオン含有水の製造装置は、たとえば、図1を参照して、イオン交換膜10の両側の主面の外周部をパッキン6を介在させてその両側から角枠4で固定し、さらに角枠4をその両側から板2で固定することにより、イオン交換膜10で仕切られた陽極室20と陰極室30が形成されている。イオン交換膜10、パッキン6、角枠4および板2の固定には、特に制限はないが、固定用ビス(図示せず)を用いて4端で固定されている。板2、角枠4およびパッキン6は、電気絶縁性のものであれば特に制限はなく、板2および角枠4にはアクリル樹脂などの各種樹脂材料が、パッキン6にはクロロプレンなどの耐水性の高い各種弾性材料が好ましく用いられる。イオン交換膜10には、H+イオンの移動効率を高める観点から、H型強酸性イオン交換膜が好ましく用いられる。陰極32は、イオン交換膜10に接触して形成されている。
ここで、陰極32は、イオン交換膜10の陰極室側の主面10c上に形成された金属めっき層32pと、金属めっき層32pに接触する金属層32mとで構成されている。金属めっき層32pとしては白金めっき層などが好ましく用いられ、金属層32mとしてはチタン、タンタルおよびニオブのいずれかの層であることが好ましく、さらにその表面が白金めっきされていることがより好ましい。また、陽極22は、金属金で形成されている。
また、陽極22とイオン交換膜10との間には、スペーサ8が設けられている。このスペーサ8には、クロロプレンなどの耐水性の高い各種弾性材料が好ましく用いられる。このスペーサ8により、陽極22とイオン交換膜10の距離Dが調節される。かかる距離Dは、特に制限はないが、好ましくは0.2mm以上15.0mm以下である。また、陽極22には陽極リード線22wが、陰極32には陰極リード線32wが設けてある。
なお、図1には、電解の際に陽極から放出される酸素ガスおよび陰極から放出される水素ガスをそれぞれ陽極室および陰極室から抜くため、ならびに陽極室20および陰極室30に純水42,43を出し入れするために、陽極室20には開口部20h,20kが設けられ、陰極室30には開口部30h、30kが設けられている。
図1の製造装置を、バッチ式で用いる場合には、たとえば、開口部20kおよび30kをそれぞれ陽極室20および陰極室30についてのガス排出口、純水の流入口および流出口とすることができる。また、開口部20hおよび30hをそれぞれ陽極室20および陰極室30の純水の流入口とし、開口部20kおよび30kをそれぞれ陽極室20および陰極室30の純水の流出口およびガス排出口とすることができる。
また、図1の製造装置を、通水式で用いる場合は、たとえば、開口部20hおよび30hをそれぞれ陽極室20および陰極室30の純水の流入口とし、開口部20kおよび30kをそれぞれ陽極室20および陰極室30の純水の流出口およびガス排出口とすることができる。また、ガス排出口として、陽極室20および陰極室30のそれぞれの上部にさらに開口部を設け、開口部20hおよび30hを陽極室20および陰極室30の純水の流入口とし、開口部20kおよび30kを陽極室20および陰極室30の純水の流出口とすることができる。
(実施形態2)
本発明にかかる金イオン含有水の製造方法は、図1を参照して、実施形態1の製造装置を用いた金イオン含有水の製造方法であって、陽極室20および陰極室30に純水42,43を入れる工程と、陽極22と陰極32との間に一定電流を印加する工程と、を備える。陽極室20および陰極室30に純水42,43を入れて、陽極22と陰極32との間に一定電流を印加することにより、陽極室20で陽極酸化により陽極22から金を溶出させて純度の高い金イオン含有水を製造することができる。
本実施形態の金イオン含有水の製造方法は、陽極室20および陰極室30に純水42,43を入れる工程を備える。陽極室20および陰極室30に入れる純水42,43は、特に制限はないが、金イオン以外の元素のイオンの濃度が低い高純度の金イオン含有水を製造する観点から、陽極室20に入れる純水42の電気伝導率は、10μS/cm以下が好ましく、1μS/cm以下がより好ましい。
また、本実施形態の金イオン含有水の製造方法は、陽極22と陰極32との間に一定電流を印加する工程を含む。ここで、陽極22と陰極32との間に印加する電流を一定とすることにより、効率的で安定な電解が可能となり、金属金で形成されている陽極からの金の溶出を安定化させる。
本実施形態の金イオン含有水の製造方法において、陽極室20に入れられた純水42には還元剤が添加されていることが好ましい。陽極室20中の純水42に添加されている還元剤は、純水42中に溶出した金イオンの電荷を中和して安定化させるとともに陽極22における金の溶出を促進させ、陽極室20内に生成する金イオン含有水中の金イオン濃度を高めるものと考えられる。ここで、還元剤には、特に制限はないが、人体への使用を考える場合に、人体に少なくとも無害であり、好ましくは有益である観点から、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウムなど食品添加物として用いられるものが好ましく挙げられる。
本実施形態の金イオン含有水の製造方法において、陽極室20に入れられた純水42には有機酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類が添加されていることが好ましい。陽極室20中の純水42に添加されている有機酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類は、電解電圧を低減させるとともに純水中への金イオンの拡散を促進することにより陽極22における金の溶出を促進させ、陽極室20内に生成する金イオン含有水中の金イオン濃度を高めるものと考えられる。ここで、有機酸およびその塩には、特に制限はないが、人体への使用を考える場合に、人体に少なくとも無害であり、好ましくは有益である観点から、クエン酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、酢酸およびその塩など食品添加物として用いられるものが好ましく挙げられる。
(実施例1)
金イオン含有水の製造には、図1に示すような製造装置を用いた。ここで、イオン交換膜10には、60mm×60m×厚さ0.2mmのH型強酸性イオン交換膜(デュポン社製Nafion(登録商標))を用いた。また、角枠4には、枠内側の大きさが52mm×52mm×厚さ20mmのアクリル樹脂角枠を、板2には70mm×70mm×厚さ10mmのアクリル樹脂板を、パッキン6には、厚さ0.2mmのクロロプレン膜を用いた。陽極22には、50mm×50mm×厚さ2mmの金板を用いた。イオン交換膜10の陰極室側の主面10c上には厚さ0.3μmの白金めっき層(金属めっき層32p)が形成されている。金属層32mには、50mm×50mm×厚さ1mmのチタンラス板の表面に厚さ0.5μmの白金めっきを行なったものを用いた。上記金属めっき層32pおよび金属層32mにより陰極32が構成されている。また、陽極リード線22wおよび陰極リード線32wには直径3.5mmの金属チタン棒を用いた。ここで、陽極室20および陰極室30の容積は、いずれも46mL(ミリリットル)であった。また、スペーサ8として厚さ3mmのクロロプレン板を用いて陽極22とイオン交換膜10との距離を3mmとした。
上記の製造装置の陽極室および陰極室にそれぞれ46mLの純水(電気伝導率は1.0μS/cm)を入れた。次に、陽極と陰極との間に電解電圧15Vで電解電流0.1Aを印加して、2.5時間電解させた。電解電流密度は0.40A/dm2であり、陽極室内の金イオン含有水の金イオン濃度は0.67mg/L(リットル)であった。ここで、金イオン含有水の金イオン濃度は、ICP(誘導結合高周波プラズマ)分光分析装置を用いて測定した。結果を表1にまとめた。
(実施例2)
陽極室に入れられた46mLの純水に還元剤である0.14gのL−アルコルビン酸ナトリウムが添加され(濃度:3.04g/L)、陽極と陰極との間に電解電圧7.5V(電解開始時から1時間後まで)〜6.5V(電解開始1.5時間後から2.5時間後まで)で電解電流0.2Aを印加したこと以外は、実施例1と同様にして、電解させた。電解電流密度は0.80A/dm2であり、陽極室内の金イオン含有水の金イオン濃度は3.1mg/Lであった。なお、電解電流を一定にするために電解電圧が変化したが、これは電解液の温度変化による液抵抗の変化と考えられる。結果を表1にまとめた。
(実施例3)
スペーサとして厚さ5mmのクロロプレン板を用いて陽極とイオン交換膜との間の距離を5mmとし、陽極室に入れられた46mLの純水に還元剤である0.14gのエリソルビン酸ナトリウムが添加され(濃度:3.04g/L)、陽極と陰極との間に電解電圧15.0V(電解開始時)〜7.5V(電解開始1.0時間後から2.5時間後まで)で電解電流0.2Aを印加したこと以外は、実施例2と同様にして、電解させた。電解電流密度は0.80A/dm2であり、陽極室内の金イオン含有水の金イオン濃度は3.5mg/Lであった。結果を表1にまとめた。
(実施例4)
スペーサとして厚さ10mmのクロロプレン板を用いて陽極とイオン交換膜との間の距離を10mmとし、陽極と陰極との間に電解電圧23.0V(電解開始時)〜13.0V(電解開始1時間後から2.5時間後まで)で電解電流0.15Aを印加したこと以外は、実施例3と同様にして、電解させた。電解電流密度は0.60A/dm2であり、陽極室内の金イオン含有水の金イオン濃度は2.6mg/Lであった。結果を表1にまとめた。
(実施例5)
陽極室に入れられた46mLの純水に有機酸である0.2gのクエン酸が添加され(濃度:4.35g/L)、陽極と陰極との間に電解電圧4.5Vで電解電流0.2Aを印加したこと以外は、実施例1と同様にして、電解させた。電解電流密度は0.80A/dm2であり、陽極室内の金イオン含有水の金イオン濃度は4.5mg/Lであった。結果を表1にまとめた。
Figure 0005136883
表1より明らかなように、実施例1と実施例2とを参照して、陽極室に入れられた純水に還元剤が添加されることにより、より高濃度の金イオン含有水が得られた。また、実施例2〜4を参照して、陽極とイオン交換膜との間の距離を小さくすることにより、一定の電解電流を得るための電解電圧を低減することができた。また、実施例1と実施例5とを参照して、陽極室に入れられた純水に有機酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類が添加されることにより、より高濃度の金イオン含有水が得られた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる金イオン含有水の製造装置の一実施形態を示す概略断面図である。ここで、(a)は装置を横から見た概略断面図を示し、(b)は装置を上から見た概略断面図を示す。
符号の説明
2 板、4 角枠、6 パッキン、8 スペーサ、10 イオン交換膜、20 陽極室、20h,20k,30h,30k 開口部、22 陽極、22w 陽極リード線、30 陰極室、32 陰極、32m 金属層、32p 金属めっき層、32w 陰極リード線。

Claims (6)

  1. イオン交換膜により仕切られた陽極室と陰極室とを備える金イオン含有水の製造装置であって、
    前記陽極室は金属金で形成されている陽極を含み、
    前記陰極室は前記イオン交換膜に接触している陰極を含み、
    前記陽極と前記イオン交換膜とが非接触である金イオン含有水の製造装置。
  2. 前記陽極と前記イオン交換膜との間の距離が0.2mm以上15.0mm以下である請求項1に記載の金イオン含有水の製造装置。
  3. 前記陰極は、前記イオン交換膜の前記陰極室側の主面上に形成された金属めっき層と、前記金属めっき層に接触する金属層と、を含む請求項1または請求項2に記載の金イオン含有水の製造装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの製造装置を用いた金イオン含有水の製造方法であって、
    前記陽極室および前記陰極室に純水を入れる工程と、前記陽極と前記陰極との間に一定電流を印加する工程と、を備える金イオン含有水の製造方法。
  5. 前記陽極室に入れられた前記純水には還元剤が添加されている請求項4に記載の金イオン含有水の製造方法。
  6. 前記陽極室に入れられた前記純水には有機酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類が添加されている請求項4または請求項5に記載の金イオン含有水の製造方法。
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