JP5136456B2 - 地図データ更新装置、及び地図データ更新方法、及びプログラム - Google Patents

地図データ更新装置、及び地図データ更新方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、地図データの道路情報を更新する地図データ更新装置、及び地図データ更新方法、及びプログラムに関する。
従来、新しく開通された道路等、既存の地図データに格納されていない道路を車両が走行した場合に、地図データに対して、自動的に、変更、修正、追加等を行うことで既存の地図データを更新する技術が知られている。例えば、特許文献1では、海、河川等のように道路が明らかに開通していない描画データの領域を車両が横切った場合には、その車両が横切った経路を地図データに更新すべき道路として、地図データの更新を行っている。また、特許文献2では、新規道路が交差点等の道路の特徴点を含む場合に地図データの更新を行う一方、自車両が描画データとして記憶された駐車場、若しくは施設データ上に存在する場合には、道路更新を行わないようにしている。
特開2006−125883号公報 特開2007−120949号公報
しかしながら、河川、海等の道路が明らかに開通していない領域を車両が横切った場合であっても、地図データに更新すべきでない場合もある。例えば、私有地内に存在する河川を横切る場合や、海を埋め立てて新しく施設ができ、その敷地内を走行する場合には、走行経路を道路として更新することは適切でない。ところが、特許文献1に記載の技術では、道路が明らかに開通していない領域を車両が横切った場合には、その経路が更新に適した道路か否かに関わらず、一意的に新規の道路として更新を行ってしまう。一方で、自車両が駐車場、若しくは施設データ上に存在する場合であっても、走行経路を地図データに新規道路として更新すべき場合がある。例えば、地図の施設データ上に新設された高速道路を走行した場合には、新規道路として地図データに更新すべきである。ところが、特許文献2の技術では、自車位置が施設上に位置する場合には、一意的に道路の更新を行わないと判断してしまう。このように、従来の技術では、走行道路の描画データの情報に応じて一意的に道路の更新をする、しないを決定してしまうため、依然として精度のよい地図データの更新が出来ないという問題があった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、車両の走行した経路に対して地図データを更新するか否かを一意的に判定することなく、種々の状況を加味して、精度よく判定することが可能な地図データ更新装置、地図データ更新方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された地図データ更新装置は、地図データ、及び車両の走行状況に対応して予め設定されたコストを記憶するコスト記憶手段を備え、道路判定手段は、道路可能性経路上に位置する地図データに対応するコスト記憶手段に記憶されたコストと、道路可能性経路を走行した際の走行状況に対応するコスト記憶手段に記憶されたコストとの総和に基づいて、道路可能性経路が更新すべき道路であるか否かを判定する。本発明によれば、例えば、海、河川等の道路が明らかに開通していない領域を車両が通過した場合であっても、一意的に更新すると判断するのではなく、その走行経路上の地図データ及び車両の走行状況に対応するコストの総和に基づいて、更新すべき道路か否かが判断される。即ち、一意的に更新の有無を判断するのではなく、走行経路上の地図データ及び車両の走行状況といった種々の状況を加味して更新すべき道路か否かが判断される。このため、誤った地図データ更新の可能性を軽減し、精度よく地図データを更新できる。
また、請求項2に記載の発明では、コスト記憶手段に予め記憶された車両の走行状況に対応して設定されるコストは、車両の速度、車両の駐停車状態、及び車両の位置情報と地図データとから判断される所定の地図データへの離脱若しくは接続状況とに対応して設定されるコストからなる。この車両の速度、車両の駐停車状態、及び車両の位置情報は、ナビゲーション装置等を有する車両であれば通常取得可能な情報である。そのため、地図データを更新するために新たな情報を収集するために費用をかけることなく、地図データ更新を実現することができる。
さらに、請求項3に記載の発明では、道路判定手段にて、車両の速度に基づいて、若しくは、車両の位置情報及び地図データとに基づいて、道路可能性経路が高速道路であるか若しくは一般道路であるかを判断する。これにより、地図データを更新する際に、更新する道路を一般道路と高速道路を識別して地図データに更新できるため、より有用性の高い地図データの更新を実現することができる。
本発明の請求項4に記載された地図データ更新方法は、道路可能性経路上の地図データに対応するコストと道路可能性経路での車両の走行状態に対応するコストとの総和を算出するステップと、算出されたコストの総和に基づいて、走行経路が更新すべき道路であるか否かを判別するステップとを有する。本発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
本発明の請求項5に記載されたプログラムは、
コンピュータを、地図データを記憶している地図データ記憶手段、車両が走行する経路を認識する走行経路認識手段、地図データ、及び車両の走行状況に対応して予め設定されたコストを記憶するコスト記憶手段、走行経路認識手段により認識された走行経路が、地図データ記憶手段に記憶されていない道路可能性経路である場合に、道路可能性経路上に位置する地図データに対応するコスト記憶手段に記憶されたコストと、道路可能性経路を走行した際の走行状況に対応するコスト記憶手段に記憶されたコストとの総和に基づいて、道路可能性経路が更新すべき道路であるか否かを判定する道路判定手段、道路判定手段にて更新すべき道路と判定された場合には、道路可能性経路を道路として地図データに更新する更新手段として機能させる。本発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する。
本実施例のカーナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。 本実施例における道路判定に用いられる条件1乃至10の内容と、それぞれに付与されたコストを示す説明図である。 本実施例において、河川を通過した場合の経路に対する道路判定の具体例を示す説明図である。 本実施例において、施設上を通過した場合の経路に対する道路判定の具体例を示す説明図である。 本実施例の地図データ更新処理を示すフローチャートである。 本実施例の道路判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
以下に本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、本実施例では、本発明の地図データ更新装置を車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用した例について説明する。また、本発明は下記の実施例に限定されることなく、本発明の技術的範囲に存在する限り、様々な形態を取り得る。
[実施例]
図1は本実施例のカーナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、地図データを記憶する地図データ記憶部20と、車両の走行経路を認識する走行経路認識部30と、ユーザからの各種指示を入力するための操作スイッチ群40と、地図データ等の各種情報を表示する表示装置50と、走行経路が地図データに未登録の道路であるかどうかを判定し、地図データを更新する制御等を行う制御部60とを備えている。
地図データ記憶部20には、地図データとして、経路データ21と描画データ22とが記憶されている。なお、地図データ記憶部20の記憶媒体としては、ROM(Read Only Memoly)、ハードディスク、メモリ等を用いることができる。
経路データ21は、経路探索を行うために道路地図情報をノードと、ノード間を接続するリンクとのネットワーク情報として記憶している。この経路データ21に基づいて、制御部60が周知のダイクストラ法等を用いて最適な経路計算を行う。
描画データ22は、表示装置50に地図を描画するために必要な情報として、道路データ22aと背景データ22bとから構成される。道路データ22aは、地図上の各道路に対応する緯度・経度情報、ノード番号、リンク番号、道路の形状、道路種別等からなる。また、この道路データ22aは、後述するマップマッチング処理に使用される。背景データ22bは、地図上に道路や、線路、建造物、私有地等といった施設、若しくは海や河川等の地形を描画するためのデータであり、背景毎にデータ種類を識別可能に構成されている。
走行経路認識部30は自車位置を検出する自車位置検出部31と、車両の走行経路を記憶する走行経路記憶部32と、自車位置を地図上の道路に位置付けるマップマッチング処理部33とを備えている。
自車位置検出部31は、GPS(Global Positioning System)用の人口衛星から送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置等を検出するGPS受信機31aと、車両の速度を検出するための速度センサ31bと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロセンサ31cとを備えている。そして、これら各センサ等31a乃至31cは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら自車位置の検出を行うように構成されている。なお、位置を検出するセンサとしては、上述の一部のセンサのみで構成してもよい。また、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサや、ステアリングの回転角センサ等を併用してもよい。これらの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として現在の自車位置を算出する。
走行経路記憶部32は、自車位置検出部31において検出された自車位置の軌跡を走行経路として記憶する。
マップマッチング処理部33は、自車位置検出部31において検出された自車位置と、走行経路記憶部32に記憶された走行経路、及び地図データ記憶部20に記憶された道路データ22aを照合して、自車位置を適切な道路上の道路に位置決め(マップマッチング)する。
操作スイッチ群40は、表示装置50と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置50の周囲に設けられた釦スイッチ等が用いられる。なお、タッチパネルと表示装置50とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などがあるが、何れを用いてもよい。
表示装置50は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)等があるが、その何れを用いてもよい。表示装置50の表示画面には、道路や施設、河川といった背景データ22b等から構成される地図と、マップマッチング処理部33にて地図上に特定された現在位置を示すマークや、目的地までの誘導経路等が地図に重ねて表示される。また、各種施設の記号データや名称、目印、渋滞情報等を地図に重ねて表示させてもよい。
制御部60は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、操作スイッチ群40による操作によって指示された範囲の地図等を表示装置50に表示する地図表示処理や、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に計算して、経路案内を行う経路案内処理を行う。
さらに、制御部60は地図データ更新部61を備える。地図データ更新部61は、道路判定部61aと、データ生成部61bとを備え、データ生成部61bにて生成されたデータを地図データ記憶部20に格納することで地図データの更新を行う。
道路判定部61aは、車両の走行軌跡が、更新すべき道路であるか否かを判定する。マップマッチングが不可能となった地点を離脱地点とし、その後、再度マップマッチングが可能となった地点を接続地点とした場合、その離脱地点から接続地点までの走行経路(道路可能性経路)が更新すべき道路であるかどうかを判定する。道路可能性経路に対して、道路判定部61aにて処理される具体的な道路判定手法については後述する。
また、道路判定部61aでは、道路可能性経路が地図データに更新すべき道路であると判定された場合に、その道路が高速道路であるかどうかを判定する。具体的には、道路可能性経路を車両が走行した際の平均速度が70km/h以上である場合、若しくは、道路可能性経路における離脱地点が高速道路であり、かつ、接続地点が高速道路であった場合には、それらの走行経路を高速道路と判定する。
データ生成部61bは、道路判定部61aにおいて道路可能性経路が一般道路、若しくは高速道路であると判定された場合に、その走行経路を地図データに新規の道路として更新を行うためのデータを生成する。具体的には、走行経路記憶部32に記憶されている離脱地点から接続地点までの道路可能性経路の位置情報と、道路判定部61aにて判定された情報から道路データ22aを生成する。さらに、接続されていないリンク間、ノード間、若しくは、リンク・ノード間を新たにノードやリンクで接続することで経路データ21を新たに生成する。
続いて、道路判定部61aにて、車両の走行軌跡が更新すべき道路であるか否かを判断する判断手法について、図2を用いて説明する。
本実施例では、背景データ、道路データを含む地図データの種別毎に、また、車速、駐停車、及び車両の位置情報から判断される特定の道路データへの接続、離脱情報などの車両の走行状況に応じて取得される各種情報毎に応じた正負のコストを設定し、道路可能性経路を走行した際の各コストの総和値が0より大きい場合に更新すべき道路と判定するようにしている。具体的なコストの設定は、図2に例示される条件1乃至10が考えられる。
条件1乃至4は、海、河川、線路、施設の背景データ22a上を車両が走行した、若しくは通過した場合に設定されるコストを表している。条件1乃至3のように、海、河川、線路の背景データ22a上を走行する場合には、コストとして共に+3が設定される。これは、海や河川、線路上は、通常道路が存在しない領域であるため、その領域を走行した、若しくは通過した場合には、新たに開設された道路が存在している可能性が高いためである。逆に、条件4のように、施設の背景データ22a上を走行する場合には、コストとして−2が設定される。これは、駐車場や私有地等の施設内を走行している場合が考えられ、更新すべき道路が存在する可能性は低いためである。
条件5若しくは6は、道路可能性経路での車両の平均速度に基づいて設定されたコストを表している。車両の速度情報については走行経路認識部30の自車位置検出部31における速度センサ31bにて検出可能である。なお、自車位置検出部31に速度センサ31aを備えないナビゲーション装置においては、走行経路の距離と、車両が走行経路を走行した際にかかった時間から、道路可能性経路での平均速度を算出することができる。条件5では、平均速度が20km/h以下である場合には、コストとして−2が設定される。即ち、平均速度が遅い場合には、施設内の駐車場や私有地内を走行する可能性が高いと考えられるため、負のコストが設定されている。逆に、条件6では、平均速度が50km/h以上である場合には、コストとして+2が設定される。即ち、平均速度が速い場合には、道路上を車両が走行している可能性が高いと考えられるため、正のコストが設定されている。
条件7は、道路可能性経路の途中で車両が駐車した場合のコストを表している。駐車したかどうかの判定は、イグニッションスイッチ(図示せず)のON・OFF情報や、若しくは、シフトレバーを「P」に入れたかどうか等に基づいて判定する。走行経路内にて、車両が駐車した場合は、その走行経路は施設における駐車場や、私有地であると考えられるため、コストとして−5が設定されている。
条件8は、車両が高速道路から離脱した場合のコストを表している。高速道路を走行中の車両が高速道路から離脱した後の走行経路は道路である可能性が高いので、コストとして+3が設定されている。
条件9は、車両が高速道路に接続した場合のコストを表している。道路を離脱後の車両が高速道路に接続する場合、その道路可能性経路は道路である可能性が高いため、コストとして+3が設定されている。
条件10は、離脱地点と接続地点が同一リンク内である場合のコストを表している。離脱地点と接続地点が同一リンク内である場合とは、車両が施設等へ進入若しくは退出するために同じ出入り口を使用した場合、転回するために駐車場等の私有地を通った場合、及び、既存の道路が工事等で一時的に通行できないために、その代替として迂回路が設置され場合等が考えられる。かかる場合には、走行経路が地図データに更新すべき道路である可能性は低いため、コストとして−2が設定されている。
これら条件、及びコストは予め設定され、道路判定部61aにて記憶される。なお、コストが設定される条件は、条件1乃至10に限定されるものではなく、他の条件を設定してもよい。また、該条件は、地図データ、車速度、イグニッションスイッチのON・OFF、車両の角速度等、車両に通常備えられている装備から取得できる情報に限定してもよい。さらに、各条件にて設定される値は、シミュレーション、実験、経験則等に基づいて適宜設定可能である。
次に、図2に記載したコストを用いて、走行経路が更新すべき道路か否かを判断する具体例について図3、及び図4を用いて説明する。
まず、図3は、道路可能性経路の途中で車両が河川を横切った状況において、道路として更新しない場合の例を示す。具体的には、地図データに登録された道路を走行していた車両が、私有地内にある施設に立ち寄るために道路を離脱し、施設内にて一時的に駐車した後に、橋にて河川を渡り、地図データに登録された別の道路へ復帰する状況を示している。このとき車両は私有地内を走行するため、車両は低速(20km/h以下)で走行すると考えられる。道路可能性経路に対して、図2に記載したコストを用いて更新すべき道路であるかどうかの判定を行うと、条件2、条件4、条件5、条件7が該当し、それらのコスト総和値は、+3−2−2−5=−6となる。従って、コスト総和値が0以下であるので、道路可能性経路は、地図データに更新すべき道路ではないと判定される。なお、施設を2箇所以上横切る場合は、その数に応じて条件4のコストを加算させてもよい。
次に、図4は、道路可能性経路の途中で車両が背景データ22bの施設上を走行した状況において、道路として更新する場合の例を示す。具体的には、地図データに登録された高速道路を走行していた車両が、高速道路から離脱し、背景データ22bの施設を横切って走行し、さらに、地図データに登録された別の高速道路へ復帰する状況を示している。この道路可能性経路に対して、図2に記載したコストを用いて更新すべき道路であるかどうかの判定を行うと、条件4、条件8、条件9が該当し、それらのコスト総和値は、−2+3+3=+4となる。従って、コスト総和値が0より大きいために、道路可能性経路は地図データに更新すべき未登録の道路であると判定される。なお、図4における道路可能性経路は、マップマッチングが不可能となった離脱地点が高速道路であり、かつ、再度マップマッチングが可能になった接続地点が高速道路であるので、高速道路であると判定される。
続いて、上述した地図データ更新の方法について、図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。なお、本フローチャートに示す処理は、制御部60に記憶されているコンピュータプログラムに従って実行される。
初めに、図5におけるステップS10において、上述のマップマッチングを実行する。
続いて、ステップS20では、ステップS10において実行されるマップマッチングが可能な状況であるか否かを判別する。マップマッチングが可能である場合は(ステップS20:Yes)、ステップS40に移行する。一方、マップマッチングが不可能である場合、即ち、マップマッチングが完了せず、自車位置を適切な道路上に位置決めできない場合は(ステップS20:No)、ステップS30に移行する。
ステップS30においては、車両の走行経路を道路可能性経路として記録する。つまり、ステップS20においてマップマッチングが不可能となった離脱地点から、再度マップマッチングが可能になる接続地点までの自車位置の軌跡である走行経路を、走行経路記憶部32に道路可能性経路として記録する。その後、ステップS10へ戻る。
ステップS40では、道路可能性経路の記録が有るかどうかを判別する。ステップ30にて道路可能性経路が記憶されている場合は(ステップS40:Yes)、ステップS50へ移行し、道路可能性経路が記憶されていない場合は(ステップS40:No)、ステップS10へ戻る。
ステップS50では、道路判定処理サブルーチンを実行し、ステップS60へ移行する。なお、道路判定処理サブルーチンの具体的な処理は後述する。
ステップS60では、ステップS50における道路判定処理サブルーチンにて算出されるコスト総和値が0より大きいか否かが判別される。そして、コストの総和値が0より大きい場合は(ステップS60:Yes)、ステップS70へ移行し、コスト総和値が0以下である場合は(ステップS60:No)、ステップS100へ移行する。
ステップS70では、道路可能性経路が高速道路であるかどうかを判定する。例えば、離脱地点と復帰地点が共に高速道路である場合には、高速道路と判定される。そして、道路可能性経路が高速道路であると判定された場合は(ステップS70:Yes)、ステップS80へ移行し、高速道路ではないと判定された場合は(ステップS70:No)、ステップS90へ移行する。
ステップS80では、道路可能性経路を高速道路として地図データに更新させ、ステップS100へ移行する。
ステップS90では、道路可能性経路を一般道路として地図データに更新させ、ステップS100へ移行する。
ステップS100では、走行経路記憶部32にて記憶されている道路可能性経路を破棄し、ステップS10に戻る。
続いて、ステップS50における道路判定処理サブルーチンについて、図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、図6におけるステップS501において、コスト総和値を0に設定する。ステップS501からはステップS502へ移行する。
ステップS502においては、道路可能性経路が海を横切った否かを判定する。道路可能性経路が、地図上における背景データ22bの海の上を通過した場合は(ステップS502:Yes)、ステップS503へ移行し、背景データ22bの海の上を通過していない場合は(ステップS502:No)、ステップS504へ移行する。
ステップS503においては、コスト総和値にプラス3して、ステップS504へ移行する。
ステップS504においては、道路可能性経路が河川を横切った否かを判定する。道路可能性経路が、地図上における背景データ22bの河川の上を通過した場合は(ステップS504:Yes)、ステップS505へ移行し、背景データ22bの河川の上を通過していない場合は(ステップS504:No)、ステップS506へ移行する。
ステップS505においては、コスト総和値にプラス3して、ステップS506へ移行する。
ステップS506においては、道路可能性経路が線路を横切った否かを判定する。道路可能性経路が、地図上における背景データ22bの線路の上を通過した場合は(ステップS506:Yes)、ステップS507へ移行し、背景データ22bの線路の上を通過していない場合は(ステップS506:No)、ステップS508へ移行する。
ステップS507においては、コスト総和値をプラス2して、ステップS508へ移行する。
ステップS508においては、道路可能性経路が施設を横切った否かを判定する。道路可能性経路が、地図上における背景データ22bの施設の上を通過した場合は(ステップS508:Yes)、ステップS509へ移行し、背景データ22bの施設の上を通過していない場合は(ステップS508:No)、ステップS510へ移行する。
ステップS509においては、コスト総和値にマイナス2して、ステップS510へ移行する。
ステップS510においては、道路可能性経路を車両が走行した際の平均速度が20km/h以下であったかどうかを判定する。20km/h以下であった場合は(ステップS510:Yes)、ステップS511へ移行し、20km/hより速かった場合は(ステップS510:No)、ステップS512へ移行する。
ステップS511においては、コスト総和値にマイナス2して、ステップS512へ移行する。
ステップS512においては、道路可能性経路を車両が走行した際の平均速度が50km/h以上であったかどうかを判定する。50km/h以上であった場合は(ステップS512:Yes)、ステップS513へ移行し、50km/h未満であった場合は(ステップS512:No)、ステップS514へ移行する。
ステップS513においては、コスト総和値にプラス2して、ステップS514へ移行する。
ステップS514おいては、車両が道路可能性経路を走行中に、駐車したかどうかを判定する。駐車した場合は(ステップS514:Yes)、ステップS515へ移行し、駐車していない場合は(ステップS514:No)、ステップS516へ移行する。
ステップS515においては、コスト総和値にマイナス5して、ステップS516へ移行する。
ステップS516おいては、高速道路から離脱したかどうかを判定する。高速道路から離脱した場合、つまり、マップマッチングが不可能となった離脱地点が高速道路であった場合は(ステップS516:Yes)、ステップS517へ移行し、高速道路から離脱していない場合、つまり、マップマッチングが不可能となった離脱地点が一般道路であった場合は(ステップS516:No)、ステップS518へ移行する。
ステップS517においては、コスト総和値にプラス3して、ステップS518へ移行する。
ステップS518おいては、高速道路に接続したかどうかを判定する。高速道路に接続した場合、つまり、再度マップマッチングが可能となった接続地点が高速道路であった場合は(ステップS518:Yes)、ステップS519へ移行し、高速道路に接続していない場合、つまり、再度マップマッチングが可能となった接続地点が一般道路であった場合は(ステップS518:No)、ステップS520へ移行する。
ステップS519においては、コスト総和値にプラス3して、ステップS520へ移行する。
ステップS520においては、離脱地点と接続地点が同一リンク71内かどうかを判定する。同一リンク71内であった場合は(ステップS520:Yes)、ステップS521へ移行し、離脱地点と接続地点がそれぞれ別のリンクやノードに接続された場合は(ステップS520:No)、ステップS522へ移行する。
ステップS521においては、コスト総和値にマイナス3して、ステップS522へ移行する。
ステップS522においては、道路可能性経路が同一リンク71内における迂回路72であるかどうかを判定する。同一リンク71内における迂回路72であった場合は(ステップS522:Yes)、ステップS523へ移行し、道路可能性経路が同一リンク71内における迂回路72ではなかった場合は(ステップS522:No)、道路判定処理サブルーチンを終了する。
ステップS523においては、コスト総和値をマイナス2し、道路判定処理サブルーチンを終了する。
以上のように、本実施例によれば、予め設定された条件1乃至10の内、該当する条件のコストの総和値によって、道路可能性経路が地図データに更新すべき道路であるか否かを判定する。例えば、道路可能性経路の途中で車両が河川を横切るような場合に、一意的に新規道路として更新を行うのではなく、コストの総和値に基づいて更新すべき道路か否かが判断される。このため、河川を横切る場合であっても、図3の具体例のように途中で私有地の施設を通過するような場合には、コストの総和値(図2の条件2、条件4、条件5、条件7の総和値)が負となる結果、更新すべきでない道路と判断される。従って、更新に適さない道路可能性経路が誤って地図データに更新されてしまうことを防止でき、地図データの更新精度を高めることができる。
一方、道路可能性経路の途中で車両が背景データ22bの施設上を通過するような場合に、一意的に道路の更新を行わないと判断するのでなく、コストの総和値に基づいて更新すべき道路か否かが判断される。例えば、背景データ22bの施設を通過するように新設された高速道路を車両が走行した際の道路可能性経路は、コストの総和値(図2の条件4、条件8、条件9の総和値)が正となる結果、更新すべき道路と判断される。そのため、更新すべき道路可能性経路が適切に新規道路として更新され、地図データの更新精度を高めることができる。このように、道路更新を行う際に一意的に更新を行うのではなく、種々の状況を加味して、適切な道路更新を行うことが可能となる。
また、本実施例にて予め設定された条件1乃至10は、地図データ記憶部20に記憶された地図データや速度センサ31bから取得される速度情報等、ナビゲーション装置を有する車両であれば通常取得可能な情報から構成されている。このため、地図データ更新のために新たな装備を追加したり、外部から新たな情報を収集する必要はないため、費用を要することなく、地図データ更新を実現することができる。
さらに、道路判定部61aにて、道路可能性経路が更新すべき道路であると判定された場合に、その道路が高速道路であるかどうかを判定する。これにより、地図データを更新する際に、更新する道路を一般道路と高速道路を識別して地図データに更新できるため、より有用性の高い地図データ更新を実現することができる。
1 カーナビゲーション装置
20 地図データ記憶部
21 経路データ
22 描画データ
22a 道路データ
22b 背景データ
30 走行経路認識部
31 自車位置検出部
31a GPS受信機
31b 速度センサ
32 走行経路記憶部
33 マップマッチング処理部
60 制御部
61 地図データ更新部
61a 道路判定部
61b データ生成部

Claims (5)

  1. 地図データを記憶している地図データ記憶手段と、
    車両が走行する経路を認識する走行経路認識手段と、
    前記走行経路認識手段により認識された走行経路が、地図データ記憶手段に記憶されていない道路可能性経路である場合に、該道路可能性経路が更新すべき道路であるか否かを判定する道路判定手段と、
    前記道路判定手段にて更新すべき道路と判定された場合には、前記道路可能性経路を道路として前記地図データに更新する更新手段とを有する地図データ更新装置において、
    前記地図データ、及び前記車両の走行状況に対応して予め設定されたコストを記憶するコスト記憶手段とを備え、
    前記道路判定手段は、前記道路可能性経路上に位置する地図データに対応する前記コスト記憶手段に記憶されたコストと、前記道路可能性経路を走行した際の走行状況に対応する前記コスト記憶手段に記憶されたコストとの総和に基づいて、前記道路可能性経路が更新すべき道路であるか否かを判定することを特徴とする地図データ更新装置。
  2. 請求項1に記載の地図データ更新装置において、
    前記コスト記憶手段に予め記憶された前記車両の走行状況に対応して設定されるコストは、車両の速度、車両の駐停車状態、及び車両の位置情報と地図データとから判断される所定の地図データへの離脱若しくは接続状況とに対応して設定されるコストであることを特徴とする地図データ更新装置。
  3. 請求項1又は2に記載の地図データ更新装置において、
    前記道路判定手段は、車両の速度に基づいて、若しくは、車両の位置情報及び地図データとに基づいて、前記道路可能性経路が高速道路であるか若しくは一般道路であるかを判断することを特徴とする地図データ更新装置。
  4. 車両の走行経路が、地図データ記憶手段に記憶されていない道路可能性経路であって、該道路可能性経路が更新すべき道路である場合に地図データの更新を行う地図データ更新方法であって、
    前記道路可能性経路上の地図データに対応するコストと前記道路可能性経路での車両の走行状況に対応するコストとの総和を算出するステップと、
    該算出されたコストの総和に基づいて、走行経路が更新すべき道路であるか否かを判別するステップとを有する地図データ更新方法。
  5. コンピュータを、
    地図データを記憶している地図データ記憶手段、
    車両が走行する経路を認識する走行経路認識手段、
    前記地図データ、及び前記車両の走行状況に対応して予め設定されたコストを記憶するコスト記憶手段、
    前記走行経路認識手段により認識された走行経路が、地図データ記憶手段に記憶されていない道路可能性経路である場合に、前記道路可能性経路上に位置する地図データに対応する前記コスト記憶手段に記憶されたコストと、前記道路可能性経路を走行した際の走行状況に対応する前記コスト記憶手段に記憶されたコストとの総和に基づいて、該道路可能性経路が更新すべき道路であるか否かを判定する道路判定手段、
    前記道路判定手段にて更新すべき道路と判定された場合には、前記道路可能性経路を道路として前記地図データに更新する更新手段として機能させるためのプログラム。
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