JP5136188B2 - 電気二重層キャパシタ用電極及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用電極及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタ用電極及び電気二重層キャパシタに関する。
近年、電気二重層キャパシタの薄膜化の要求に対し、従来の技術では電極を構成する電極層の塗膜厚を薄くすることが一般的に行われてきた。しかしながら、従来の活性炭を主体とした電極層では、塗膜厚を薄くしていった場合、電気二重層キャパシタの容量の最大値と最小値との差が大きくなり容量のバランスが損なわれるという問題が生じてしまう。一方で、アセチレンブラック等の導電助材を主体とした電極層の検討もなされている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アセチレンブラック等の導電助材を主体とした電極層では、塗膜の脱落が問題となってくる。
特開昭63−58814号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、電極を薄膜化した場合であっても、良好な容量バランスが得られるとともに、電極層の脱落等の発生を十分に抑制することが可能な電気二重層キャパシタ用電極、及び、電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、集電体と、該集電体上に形成された電極層と、を有し、上記電極層は、アセチレンブラックと、活性炭と、バインダーと、を含み、上記電極層において、上記アセチレンブラックの含有量と上記活性炭の含有量との比が、質量比で95:5〜80:20であり、且つ、上記アセチレンブラック及び上記活性炭の合計の含有量と上記バインダーの含有量との比が、質量比で65:35〜45:55であり、上記電極層の厚さをTe[μm]とし、上記活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合、TeとTaとが下記式(1)で表される関係を満たす、電気二重層キャパシタ用電極を提供する。
0.25≦(Ta/Te)≦0.46 (1)
かかる電気二重層キャパシタ用電極によれば、電極層の構成材料としてアセチレンブラック、活性炭及びバインダーを用い、それらの含有量の比を上述した特定の範囲内とすることにより、薄膜化した場合であっても、良好な容量バランスが得られるとともに、電極層の脱落等の発生を十分に抑制することができる。
かかる効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、電極層の各構成材料の比率を上記範囲内とすることで、電極層を薄膜化した場合であっても、アセチレンブラックを主体としているため良好な容量バランスを得ることができ、アセチレンブラック中に活性炭が混在している構造としつつバインダーの比率を上記範囲とすることで、充放電中も塗膜の脱落を十分に抑制することができるものと考えられる。
また、本発明の電気二重層キャパシタ用電極において、上記電極層の厚さをTe[μm]とし、上記活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合、TeとTaとが下記式(1)で表される関係を満たす。
0.25≦(Ta/Te)≦0.46 (1)
電極層の厚さと活性炭の平均粒径とを上記の関係を満たすように調節することで、塗膜を補強する効果が有効に奏され、塗膜の脱落をより十分に抑制することができ、電極の更なる薄膜化を実現可能となる。
本発明はまた、集電体と、該集電体上に形成された電極層と、を有し、上記電極層は、アセチレンブラックと、活性炭と、バインダーと、を含み、上記電極層において、上記アセチレンブラックの含有量と上記活性炭の含有量との比が、質量比で95:5〜80:20であり、且つ、上記アセチレンブラック及び上記活性炭の合計の含有量と上記バインダーの含有量との比が、質量比で65:35〜45:55であり、上記電極層の厚さをTe[μm]とし、上記活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合、TeとTaとが下記式(1)で表される関係を満たす電極を備える、電気二重層キャパシタを提供する。
0.25≦(Ta/Te)≦0.46 (1)
かかる電気二重層キャパシタによれば、電極層の構成材料としてアセチレンブラック、活性炭及びバインダーを用い、それらの含有量の比を上述した特定の範囲内とすることにより、電極を薄膜化した場合であっても、良好な容量バランスが得られるとともに、電極層の脱落等の発生を十分に抑制することができる。
かかる効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、電極層の各構成材料の比率を上記範囲内とすることで、電極層を薄膜化した場合であっても、アセチレンブラックを主体としているため良好な容量バランスを得ることができ、アセチレンブラック中に活性炭が混在している構造としつつバインダーの比率を上記範囲とすることで、充放電中も塗膜の脱落を十分に抑制することができるものと考えられる。したがって、かかる電極を用いることにより、良好な容量バランスと塗膜の脱落の抑制とを両立しつつ、電気二重層キャパシタの薄膜化を実現することができる。
また、本発明の電気二重層キャパシタにおいて、上記電極層の厚さをTe[μm]とし、上記活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合、TeとTaとが下記式(1)で表される関係を満たす。
0.25≦(Ta/Te)≦0.46 (1)
電極層の厚さと活性炭の平均粒径とを上記の関係を満たすように調節することで、塗膜を補強する効果が有効に奏され、塗膜の脱落をより十分に抑制することができ、電極の更なる薄膜化を実現可能となる。したがって、かかる電極を用いることにより、良好な容量バランスと塗膜の脱落の抑制とを両立しつつ、電気二重層キャパシタの更なる薄膜化を実現することができる。
本発明によれば、電極を薄膜化した場合であっても、良好な容量バランスが得られるとともに、電極層の脱落等の発生を十分に抑制することが可能な電気二重層キャパシタ用電極、及び、それを用いた電気二重層キャパシタを提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る電気二重層キャパシタ100を示す模式断面図である。電気二重層キャパシタ100は、主として、積層体20、積層体を収容する外装袋50、及び積層体20に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体20は、一対の電極10がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。電極10は、それぞれ、集電体12上に電極層14が設けられたものであり、各電極層14,14がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。集電体12,12の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部は外装袋50の外部にまで延びている。
以下、本実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極10について詳述する。図2は、本実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極10を示す模式断面図である。図2に示すように、電気二重層キャパシタ用電極10は、集電体12と、該集電体12上に形成された電極層14とを備えるものである。
集電体12は、例えば、アルミ箔等の金属箔により形成されている。
電極層14は、アセチレンブラックと、活性炭と、バインダーと、を含んで形成される。
この電極層14において、アセチレンブラックの含有量と活性炭の含有量との比は、固形分の質量比で95:5〜80:20であることが必要であり、93:7〜82:18であることが好ましく、90:10〜85:15であることがより好ましい。上記範囲よりも活性炭の含有量が多いと、電極10を薄膜化した場合に良好な容量バランスが得られにくく、上記範囲よりも活性炭の含有量が少ないと、電極10を薄膜化した場合に電極層14における塗膜の脱落や抜け、スジ等が発生しやすくなる。
また、電極層14において、アセチレンブラック及び活性炭の合計の含有量とバインダーの含有量との比は、固形分の質量比で65:35〜45:55であることが必要であり、63:37〜47:53であることが好ましく、60:40〜50:50であることがより好ましい。上記範囲よりもバインダーの含有量が多いと、容量が著しく低下するとともに、電極10を薄膜化した場合に容量バランスも損なわれやすく、上記範囲よりもバインダーの含有量が少ないと、電極10を薄膜化した場合に電極層14における塗膜の脱落や抜け、スジ等が発生しやすくなる。
なお、上述したアセチレンブラック、活性炭及びバインダーの含有量は、固形分の含有量を意味する。
上記バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、フッ素ゴム等が挙げられる。
上記アセチレンブラックの平均粒径は、一次粒径で20〜100nmであることが好ましく、25〜90nmであることがより好ましい。この平均粒径が20nm未満であると、上記範囲内の場合と比較して、塗料の分散性が低下して凝集物が発生しやすくなり、電極層14の表面に突起物が形成されやすくなる傾向があり、100nmを超えると、上記範囲内の場合と比較して、容量バランスが悪くなる傾向がある。
また、上記アセチレンブラックのBET比表面積は、25〜200m/gであることが好ましく、30〜180m/gであることがより好ましい。BET比表面積が25m/g未満であると、上記範囲内の場合と比較して、電極層14の内部抵抗が増加する傾向があり、200m/gを超えると、上記範囲内の場合と比較して、電極10を薄膜化した場合に電極層14における塗膜の脱落や抜け、スジ等が発生しやすくなる傾向がある。なお、BET比表面積は、窒素吸着等温線からBET等温吸着式を用いて求められる。
上記活性炭としては、例えば、フェノール系活性炭や、椰子ガラ活性炭、ピッチ系活性炭等が挙げられる。
活性炭の平均粒径は、1〜20μmであることが好ましく、2〜18μmであることがより好ましい。平均粒径が1μm未満であると、上記範囲内の場合と比較して、活性炭の粒径が細かくなりすぎて、活性炭の製造が難しくなる傾向があり、20μmを超えると、上記範囲内の場合と比較して、電極層の厚さTeが厚くなる傾向がある。
また、活性炭の平均粒径は、電極層14の厚さをTe[μm]とし、活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合に、TeとTaとが下記式(1)で表される関係を満たすように調節することが好ましい。
0.25≦(Ta/Te)≦1.00 (1)
なお、(Ta/Te)の値が0.25未満であると、塗膜を補強する効果が小さくなり、電極10を薄膜化した場合に電極層14における塗膜の脱落や抜け、スジ等が発生しやすくなる傾向があり、1.00を超えると、電極層14を塗布するときに、スジが発生する傾向がある。また、塗膜の補強効果により塗膜の脱落等をより十分に抑制する観点から、(Ta/Te)の値は0.27〜0.98であることがより好ましく、0.30〜0.95であることが特に好ましい。
活性炭のBET比表面積は、300〜3000m/gであることが好ましく、300〜2800m/gであることがより好ましい。BET比表面積が3000m/gを超えると、上記範囲内の場合と比較して、乾燥後における電極層14の塗膜中の残留溶剤が増加する傾向がある。
上述した各構成材料を含有する電極層14の厚さは、電極10及び電気二重層キャパシタ100の薄膜化及び軽量化の観点から、25μm以下であることが好ましく、23μmであることがより好ましい。本実施形態によれば、良好な容量バランスと、電極層14の脱落等の発生の抑制とを両立しつつ、電極層14の厚さを上記範囲にまで薄くすることが可能である。なお、電極層14の厚さを、上記(Ta/Te)の値が上記範囲内となるように調節してもよい。
上記構成を有する電極層14は、例えば、アセチレンブラック、活性炭、バインダー及び該バインダーを溶解又は分散可能な溶剤を含有する電極層形成用塗布液を集電体12上に塗布し、上記溶媒を除去することより形成することができる。
セパレータ18は、絶縁性の多孔体で構成されている。絶縁性の多孔体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
積層体20には電解液が含浸されている。この電解液は、主として、セパレータ18、及び、電極10内の電極層14に含浸されている。
電解液は、公知の電気二重層キャパシタに用いられている電解液を使用することができる。本実施形態において、電解液は、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
この電解液の種類は特に限定されないが、一般的には溶質の溶解度、解離度、液の粘性を考慮して選択され、高導電率でかつ高電位窓(分解開始電圧が高い)の電解質溶液であることが望ましい。例えば、代表的な例としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトのような4級アンモニウム塩を、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネイト、アセトニトリル等の有機溶媒に溶解したものが使用される。なお、この場合、混入水分を厳重に管理することが望ましい。また、電解液は、ゲル状の電解液であってもよい。
外装袋50は、その内部に積層体20及び電解液を密封する。外装袋50は、電解液の外部への漏出や電気二重層キャパシタ100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、外装袋50として、図1に示すように、金属箔52を合成樹脂膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔としては例えばアルミ箔を、合成樹脂膜としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
このような電気二重層キャパシタ100は、上述した構成の電極10を備えているため、十分な薄型化及び軽量化が可能である。そして、薄型化した場合であっても、良好な容量バランスが得られるとともに、電極層14の脱落等の発生を十分に抑制することができる。
このような電気二重層キャパシタ100は以下のように製造することができる。まず、リード60,62の接続された積層体20、外装袋50、及び電解液をそれぞれ用意する。このとき、積層体20、外装袋50は、それぞれ、十分に乾燥処理を施しておく。例えば、空気中での加熱の後、さらに、真空中で加熱等することにより、これらの水分を十分に低減させることができる。
続いて、外装袋50内に積層体20を収容し、この積層体20に電解液を滴下し、その後、外装袋50を密封すれば上述の電気二重層キャパシタが完成する。
なお、電気二重層キャパシタ100は、上述の形態に限定されず、例えば、積層体20が多数積層されたもの等でもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例2、4、5、8、11、参考例1、3、6、7、9、10、12及び比較例1〜7]
(電極の作製)
活物質としてのアセチレンブラック(商品名:平均粒径:36nm、BET比表面積:65m/g)、活物質としての粒状の活性炭、及び、バインダーとしてのPVDFを下記表1に示す配合量で混合し、得られた混合物にN−メチルピロリドンを適量加えて混練することにより、電極層形成用塗布液を得た。ここで、各実施例、参考例及び比較例で使用する活性炭1〜3は、それぞれ以下のものを用いた。また、表中の「AB」はアセチレンブラックを意味する。更に表1には、アセチレンブラックと活性炭との合計の配合量を100質量%とした場合の活性炭の比率({活性炭の配合量/(アセチレンブラックの配合量+活性炭の配合量)}×100)[質量%]を「活物質中の活性炭の比率」として示す。
活性炭1、平均粒径:6μm、BET比表面積:1800m/g)、
活性炭2、平均粒径:11μm、BET比表面積:1800m/g)、
活性炭3、平均粒径:3μm、BET比表面積:1800m/g)。
次に、得られた塗布液をドクターブレード法で30μm厚のエッチングアルミ箔の片面上に塗布した後、乾燥炉内にて120℃で塗膜を乾燥し、次いでカレンダーロールにて加圧加工した後、真空下において175℃で12時間加熱することにより電極層を形成した。得られた電極シートを、塗膜形成領域を中心としてアルミ箔のタブ部を持った長方形状に打ち抜き、電気二重層キャパシタ用の一対の電極を得た。
<電極層の塗膜外観の評価>
各実施例、参考例及び比較例で作製した電極について、電極層の塗膜外観を目視にて観察し、脱落の有無を評価した。なお、塗膜の脱落が認められなかったものについては、塗膜の抜け及びスジの有無を併せて観察し、脱落、抜け及びスジのいずれも認められたものは「良好」とした。その結果を表2に示す。
ここで、図3は、参考例1で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。図3に示す通り、参考例1の電極では、塗膜の脱落、抜け及びスジのいずれも認められず、良好であった。図4は、参考例7で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。図4に示す通り、参考例7の電極では、塗膜の脱落及びスジは認められず、若干の塗膜の抜けは認められたが、実用上問題ない程度であった。図5は、比較例2で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。図5に示す通り、比較例2の電極では、若干の塗膜の脱落、及び、多数の塗膜の抜けが認められ、電極としての使用が困難であった。図6は、比較例1で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。図6に示す通り、比較例1の電極では、塗膜の脱落が認められ、電極としての使用が困難であった。
<電極層の厚さの測定>
各実施例、参考例及び比較例で作製した電極のうち、電極層の塗膜の脱落が認められなかったものについて、電極層の厚さをマイクロメーターにより測定した。更に、電極層の厚さをTe[μm]とし、活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合の(Ta/Te)の値を算出した。これらの結果を表2に示す。
(電気二重層キャパシタの作製)
次に、以下の手順で電気二重層キャパシタを作製した。打ち抜いた電極2枚をセパレータとしての再生セルロース製不織布を介して対向させ、中心部を熱圧着し、積層体を得た。この積層体の各タブ部に超音波溶接でそれぞれアルミ製のリードを溶着した。リードを付けた積層体を、4方のうち2方を開けた袋状アルミラミネートフイルムに入れ、一方の開口部からリードを取り出し、リード部を挟んでラミネートフィルムの開口部を熱圧着した。積層体が入ったアルミラミネート外装袋の最後に残った開口部から積層体に対して電解液を注入し、真空熱圧着により残った開口部をシールし、エージングした後、図1に示したものと同様の構造を有する電気二重層キャパシタを得た。なお、電解液としては、1.2mol/Lのホウフッ化トリエチルメチルアンモニウムのプロピレンカーボネート溶液を用いた。
<容量バランスの評価>
各実施例、参考例及び比較例で作製した電気二重層キャパシタの容量を以下の方法で測定した。すなわち、作製した電気二重層キャパシタに対し、充放電試験装置(菊水電子社製、商品名:PFX2011)を用いて50mAの定電流で充電を行い、電気二重層キャパシタに電荷が蓄積していくに従って電圧が上昇する様子をモニタし、電圧が3.3Vに達した後、定電圧充電(緩和充電)に移行し、5分間定電圧充電を行った。そして、放電は50mAの定電流で行い、終止電圧1.8Vとした。これにより得られた放電曲線(放電電圧−放電時間)から、3.0Vから2.0Vまでにかかった時間Δt[msec.]を求め、下記の関係式;
容量={放電電流(50mA)×時間Δt}/電圧(3.0−2.0V)
により容量[F]を求めた。
上記方法で容量を20回測定し、その平均値(CAve)、最大値(CMax)及び最小値(CMin)をそれぞれ求め、下記式;
容量バランス={(CMax−CMin)/CAve}×100
により容量バランス[%]を求めた。その結果を表2に示す。なお、比較例1〜4の電気二重層キャパシタは、電極層における塗膜の脱落又は著しい塗膜の抜けが生じており、容量の測定が困難であったため、容量バランスを評価できなかった。
本発明の電気二重層キャパシタの好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電気二重層キャパシタ用電極の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 参考例1で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。 参考例7で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。 比較例2で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。 比較例1で作製した電極における電極層の塗膜外観を示す写真である。
符号の説明
10…電極、12…集電体、14…電極層、18…セパレータ、20…積層体、50…外装袋、100…電気二重層キャパシタ。

Claims (2)

  1. 集電体と、該集電体上に形成された電極層と、を有し、
    前記電極層は、アセチレンブラックと、活性炭と、バインダーと、を含み、
    前記電極層において、前記アセチレンブラックの含有量と前記活性炭の含有量との比が、質量比で95:5〜80:20であり、且つ、前記アセチレンブラック及び前記活性炭の合計の含有量と前記バインダーの含有量との比が、質量比で65:35〜45:55であり、
    前記電極層の厚さをTe[μm]とし、前記活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合、TeとTaとが下記式(1)で表される関係を満たす、電気二重層キャパシタ用電極。
    0.25≦(Ta/Te)≦0.46 (1)
  2. 集電体と、該集電体上に形成された電極層と、を有し、前記電極層は、アセチレンブラックと、活性炭と、バインダーと、を含み、前記電極層において、前記アセチレンブラックの含有量と前記活性炭の含有量との比が、質量比で95:5〜80:20であり、且つ、前記アセチレンブラック及び前記活性炭の合計の含有量と前記バインダーの含有量との比が、質量比で65:35〜45:55であり、前記電極層の厚さをTe[μm]とし、前記活性炭の平均粒径をTa[μm]とした場合、TeとTaとが下記式(1)で表される関係を満たす電極を備える、電気二重層キャパシタ。
    0.25≦(Ta/Te)≦0.46 (1)
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