以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る液滴吐出装置10の概略構成図である。
液滴吐出装置10には、給紙トレイ12に収納された用紙を排紙トレイ14に向けて搬送するための搬送経路16が設けられている。搬送経路16は、複数の搬送ローラ18や駆動ローラ20などにより形成され、給紙トレイ12から用紙を1枚ずつ供給し最終的に排紙トレイ14に排出する。
搬送経路16の途中には、ヘッドアレイ24が用紙の搬送方向に沿って配設されている。ヘッドアレイ24は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色毎のヘッド22を備えており、各ヘッド22に配列された複数の吐出部(ノズル)から各色毎のインク滴が吐出される。ヘッド22の各々にはヘッド駆動装置40が接続され、ヘッド駆動装置40によりインク滴の吐出が制御される。なお、このヘッド22は、紙幅の長さを有する長尺状のヘッドであり、ヘッド22の、用紙幅方向に配列された複数のノズルで紙幅1ライン分の画像が印刷可能となっている。本実施の形態の液滴吐出装置10では、ヘッド22は動かさずに、用紙を移動させることで用紙全面に画像を印刷(印字)する。
また、ヘッド22のノズルからインク滴を吐出する方式としては、ここでは圧電方式を用いている。
圧電方式のヘッド22は、インクを充填した複数の収容部(不図示)と該複数の収容部に対応して設けられた圧電素子23(図8も参照)とを有する。この圧電素子23に電圧波形を印加すると圧電素子23が変形し収容部内の圧力が変化する。これにより収容部に設けられたノズルからインク滴が吐出される。このように、ヘッド22は電圧波形の印加によって駆動するため、以下この電圧波形を駆動波形と呼称する。
上記各色のヘッド22には、各色のインクを収納したインクタンク26C、26M、26Y、26Kが配管(不図示)を介して接続され、これらインクタンク26C、26M、26Y、26Kから各色のインクが各ヘッド22の収容部に供給される。なお、インクとしては公知の各種インクを使用する。例えば、水性インク、油性インク、溶剤系インク等である。
ヘッドアレイ24近傍には用紙検出センサ28が設けられ、用紙検出センサ28が用紙の先端を検出すると、ヘッドアレイ24によるインク滴の吐出が開始される。また、ヘッドアレイ24の直近下にはパルスエンコーダ30が設けられている。パルスエンコーダ30はヘッドアレイ24近傍の搬送ローラ18等の回転を検出し、パルス信号を出力する。
図2は、ヘッド駆動装置40の構成図である。
ヘッド駆動装置40は、駆動波形を生成して、ヘッド22の圧電素子23に出力する。このヘッド駆動装置40は複数種類の駆動波形を生成することができ、使用する駆動波形に応じて、吐出するインク滴の滴量等が調整される。
ヘッド駆動装置40には、CPU42が設けられている。CPU42は不図示のROM等に記憶されたプログラムを実行し、ROM等に記憶されたデータに基づいてヘッド駆動装置40全体の動作を制御する。
また、ヘッド駆動装置40は、波形データ生成部44、波形記憶部46、制御部48、複数の波形発生部50、画像データ生成部52、画像データ記憶部54、画像データ調整部56、及び波形選択部58を備えている。
波形データ生成部44は、CPU42からの制御信号(波形生成指示)に応じて波形データを生成する。制御信号には、生成する駆動波形の形状を特定する情報が含まれている。波形データ生成部44は、この情報に基づいて、複数の波形発生部50で複数種類の波形を生成するために必要な波形データを生成する。波形データには、単位時間当たりの電圧の変化量である傾きが変化する変化点で駆動波形が分割されたときの部分波形の傾きを示すデータと、該部分波形の時間長を示すデータ(加算回数で表される。詳細は後述)とが含まれる。波形データ生成部44は、この波形データを、複数の波形発生部50で発生させる複数種類の駆動波形の各々について生成する。以下、波形データのうち、傾きを示すデータを傾きデータと呼称し、加算回数を示すデータを加算回数データと呼称する(図10も参照)。
なお、ヘッド駆動装置40では、各ノズルの圧電素子23に対して、前述のパルスエンコーダ30から出力されるパルス信号を元にして予め定められた周期(以下、印字周期と呼称する)で1つの駆動波形が印加されるように動作する。従って、ヘッド駆動装置40では、駆動波形が印字周期単位で生成される。
波形記憶部46は、波形データ生成部44で生成された波形データを記憶する。
制御部48は、図3に示すように、波形記憶部46に対して波形データの読出信号及びアドレス情報を送出して波形記憶部46から波形データを読み出す。
波形記憶部46は、記憶領域60及びセレクタ62を備えている。記憶領域60は、実際にデータを記憶する記憶領域であって、波形データ生成部44で生成された波形データが記憶される。セレクタ62は、制御部48から読出信号及びアドレス情報を受信すると、アドレス情報が示すアドレスに記憶された波形データを記憶領域60から読み出して、制御部48に出力する。
制御部48は、画像データ調整部56から入力された頻度情報(詳細は後述する。)に基づいて、波形記憶部46から読み出した波形データの傾きデータを複数の波形発生部50に振り分けて出力する。制御部48の構成の詳細は後述する。
複数の波形発生部50は、各々同一の構成であり、傾きデータをそれに対応する加算回数データが示す時間だけ累算していくことで部分波形を生成し、更にこれを繰り返すことで駆動波形を生成する。具体的には、波形発生部50は、図4に示すように、傾きレジスタ72、加算器74、加算レジスタ76、D/A変換部78、及び電力増幅部80を備えている。
傾きレジスタ72には、制御部48から傾きデータが入力され、入力された傾きデータを格納する。なお、傾きレジスタ72に傾きデータが格納されてから、該格納された傾きデータに対応する加算回数データが示す時間長だけ経過すると、制御部48から次の傾きデータが入力され、傾きレジスタ72に格納される。
加算器74は、傾きレジスタ72の値と加算レジスタ76の値とを加算する。加算レジスタ76は、加算器74の加算結果を格納する。加算レジスタ76に格納された値は、加算器74に戻され、加算器74は、傾きレジスタ72の値と加算レジスタ76の値とを加算する処理を繰り返す。このような動作により、加算器74は、傾きデータを累算していく。なお、こうした傾きデータの累算は、ヘッド駆動装置40が動作するときのタイミング信号として用いられる基準クロックに従って行なわれる。
また、加算レジスタ76に格納された値は、デジタル駆動波形としてD/A変換部78に出力される。D/A変換部78は、デジタル駆動波形をアナログ駆動波形に変換する。変換されたアナログ駆動波形は、電力増幅部80でヘッド駆動に必要な電力となるように増幅される。
電力増幅部80の出力端には、波形発生部50毎の伝送線81が接続され(図2参照)、電力増幅部80は、この伝送線81を介して波形選択部58に増幅した駆動波形を伝送する。従って、波形選択部58には、各波形発生部50に接続された伝送線81の各々を介して、複数の波形発生部50で生成された複数種類の駆動波形が伝送される。なお、本実施の形態では、電力増幅部80と波形選択部58とを接続する伝送線81以外の他の伝送線については、図面の符号や説明を省略する。
一方、画像データ生成部52は、CPU42からの制御信号に応じて画像データを生成する。この画像データは、波形発生部50で生成される複数種類の駆動波形から圧電素子23の各々に印加する駆動波形を選択するためのデータであって、選択すべき駆動波形の種類を示すデータとなっている。なお、実施の形態では、4種類の駆動波形を、“11”、“10”、“01”、“00”の4値の画像データで示す。
画像データ記憶部54は、画像データ生成部52で生成された画像データを格納する。
画像データ調整部56は、画像データ記憶部54から画像データを読み出し、該読み出した画像データについて画像データ別の出現数を印字周期毎に求め、印字周期毎に出現頻度が高い画像データほどビット反転量が少なくなるような画像データに変換(調整)する。以下、変換後の画像データを出力画像データと呼称する。
図5は、画像データ調整部56の構成図である。画像データ調整部56は、第1画像レジスタ82、第2画像レジスタ84、画像データ分析部86、及び画像データ割当部88を備えている。
第1画像レジスタ82は、画像データ記憶部54から読み出された画像データを格納する。第1画像レジスタ82は、1印字周期で必要なノズル数分(1ライン分)の画像データを格納するだけの容量を有している。この第1画像レジスタ82は、シフトレジスタ構成になっており、前述した基準クロックに同期して、図5において左から右にシフトする。シフトアウトしたデータは、第2画像レジスタ84にシフトインすると共に、画像データ分析部86に出力される。
第2画像レジスタ84は、第1画像レジスタ82と同容量のシフトレジスタである。第1画像レジスタ82からシフトアウトしたデータを格納して、基準クロックに同期して図5において左から右にシフトする。シフトアウトしたデータは、画像データ割当部88に出力される。
画像データ分析部86には、第1画像レジスタ82からシフトアウトされたデータが入力され、基準クロックに同期して画像データ別の出現数をカウントする。画像データ分析部86は、1印字周期分の画像データについて画像データ別の出現数をカウントしたところで、このカウント結果から各画像データの出現頻度を示す頻度情報を生成し画像データ割当部88に出力すると共に、該頻度情報を1印字周期遅らせて制御部48に出力する。
画像データ割当部88は、画像データ分析部86から受け取った頻度情報に基づいて、第2画像レジスタ84からシフトアウトされたデータを変換して出力画像データを生成し、波形選択部58に出力する。具体的には、出現頻度の高い順(出現数の多い順)にビット反転量の少ないデータを割り当てるようにして画像データを変換する。
図6は、画像データ分析部86の構成図である。画像データ分析部86は、画像データ振分部90、複数の画像データカウンタ92、頻度情報生成部94、及びレジスタ96を備えている。
画像データ振分部90は、基準クロックに同期して第1画像レジスタ82からシフトアウトされる画像データをその値に応じて複数の画像データカウンタ92のいずれかに出力する。
画像データカウンタ92は、入力された画像データの数をカウントアップし、印字周期毎にそのカウント結果を頻度情報生成部94に出力する。画像データカウンタ92は、カウント結果を出力するとリセットされ、画像データの入力に応じて次の印字周期のカウントアップを開始する。図6に示す例では、4つの画像データカウンタ92が設けられており、4種類の画像データをカウントアップすることができる構成となっている。
頻度情報生成部94は、画像データカウンタ92のカウント結果に基づいて各画像データの出現頻度を示す頻度情報を1印字周期毎に生成する。生成された頻度情報は、画像データ割当部88とレジスタ96に送出される。
レジスタ96は、頻度情報生成部94で生成された頻度情報を1印字周期遅らせて制御部48に出力する。このレジスタ96は、出力画像データの転送と波形発生部50での駆動波形の生成とを同期させるためのタイミング調整用のレジスタである。
次に、制御部48の詳細な構成について説明する。図7に、制御部48の構成図を示す。
制御部48は、加算回数振分部64、複数の加算回数カウンタ66、制御信号生成部68、及び波形データ振分部70を備えている。
加算回数振分部64には、波形記憶部46から出力された波形データ(加算回数データ)が入力される。加算回数振分部64は、該入力された加算回数データを該当する加算回数カウンタ66に出力する(振り分ける)。振り分け先は、波形データが示す駆動波形の種類に応じて固定となっている。例えば、波形1〜4まで4種類の駆動波形を取り扱う場合には、波形1の加算回数データなら1番目の加算回数カウンタ66、波形2の加算回数データなら2番目の加算回数カウンタ66、波形3の加算回数データなら3番目の加算回数カウンタ66、波形4の加算回数データなら4番目の加算回数カウンタ66に振り分ける。
加算回数カウンタ66は、加算回数振分部64から加算回数データを受信すると、該加算回数データを基準クロックに応じてダウンカウントする。加算回数カウンタ66の値は制御信号生成部68に出力される。
制御信号生成部68は、複数の加算回数カウンタ66の各々からカウント値を受信する。制御信号生成部68は、いずれかの加算回数カウンタ66のカウント値が1になったときに、1になった加算回数カウンタ66に対応する駆動波形の次の傾きデータと加算回数データを波形記憶部46から読み出すため、アドレスをインクリメントして新たなアドレス情報を生成すると共に読出信号を生成する。なお、前述したように加算回数カウンタ66に対する加算回数データの振り分け先は画像データの値に応じて固定であるため、カウント値が1になった加算回数カウンタ66に応じて、次にどの駆動波形の波形データを読み出すかも明らかとなる。
制御信号生成部68で生成した読出信号及びアドレス情報は波形記憶部46に出力される。これにより、制御部48は波形記憶部46から新たに波形データを取得する。
一方、波形データ振分部70には、波形記憶部46から読み出された波形データ(傾きデータ)が入力されると共に、画像データ調整部56から頻度情報が入力される。波形データ振分部70は、頻度情報に基づいて、各駆動波形の傾きデータを該当する波形発生部50に出力する(振り分ける)。例えば、出現頻度が最も高い画像データに対応する駆動波形の傾きデータは1番目の波形発生部50に振り分け、次に出現頻度が高い画像データに対応する駆動波形の傾きデータは2番目の波形発生部50に振り分ける、、、など、予め定められた振り分けルールに従って振り分ける。そして、波形発生部50は、受信した傾きデータを累算して前述のように駆動波形を生成する。
波形選択部58は、波形発生部50の各々で生成された複数の駆動波形を複数の伝送線81を介して受信すると共に、伝送線81とは別のラインを介して前述の画像データ調整部56で変換された出力画像データも受信する。波形選択部58は、出力画像データに応じて、ヘッド22の各圧電素子23毎に駆動波形を選択して印加する。
図8に、波形選択部58の構成図を示す。波形選択部58は、画像シフトレジスタ97、画像レジスタ98、及び複数のセレクタ99を備えている。
画像シフトレジスタ97には、シリアル信号の出力画像データが入力される。出力画像データを基準クロックに同期して左から右にシフトする。画像シフトレジスタ97は、1印字周期で必要なノズル数分(1ライン分)の容量を備えている。この画像シフトレジスタ97によりシリアルに入力された出力画像データがパラレル信号に変換される。
画像レジスタ98は、画像シフトレジスタ97に格納されたパラレル信号の出力画像データを1印字周期遅れて格納する。
複数のセレクタ99は、ヘッド22のノズル毎に設けられている。各セレクタ99には、対応するノズルの圧電素子23に印加する駆動波形を選択するための出力画像データが画像レジスタ98から入力される。また、各セレクタ99には、伝送線81が接続されている。各セレクタ99は、入力された出力画像データを元に波形発生部50から伝送線81を介して伝送された駆動波形のいずれか1つを選択し、対応するノズルの圧電素子23に出力する。
次に、本実施の形態の作用を具体的に説明する。
なお、ここでは、説明を簡単にするため、ヘッド駆動装置40で発生させる複数の駆動波形が4つの場合(使用する波形発生部50が4つの場合)を例に上げて説明する。発生させる4つの駆動波形は、波形1、波形2、波形3、波形4と呼称する。
図9は、液滴吐出装置10の印刷が開始されたときに実行されるヘッド駆動装置40の駆動波形生成処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ100では、CPU42は、波形データ生成部44に波形データの生成を指示すると共に、画像データ生成部52に画像データの生成を指示する。
波形データ生成部44は、波形データを生成して波形記憶部46に格納する。図10(A)は、縦軸を駆動電圧値、横軸を時間として、生成する4つの波形のうち、波形1、2、3の波形を表したグラフであり、図10(B)は、各波形1,2,3を傾きの変化点で分割したときの部分波形の波形データ(各部分波形の傾きを示す傾きデータと各部分波形の時間長を示す加算回数データ)のリストである。なお、図10(C)に、傾きデータ及び加算回数データを算出する算出式を列挙した。また、図10(A)に示す電圧値及び時刻は一例であって、これに限定されるものではない。
ここで、波形データの生成処理について具体的に説明する。まず、波形データ生成部44は、CPU12から波形データの生成指示が入力されると、該生成指示に含まれる波形の情報から、生成する各駆動波形毎に単位時間当たりの電圧の変化量である傾きが変化する変化点を抽出する。図10(A)に示すように、波形1では、時刻t0、t2、t6、t8、t11、t12において傾きが変化しているため、この6つの変化点が抽出される。また、波形2では、時刻t1、t4、t5、t7、t8、t10、t13において傾きが変化しているため、この7つの変化点が抽出される。また、波形3では、時刻t3、t5、t6、t9、t10、t12において傾きが変化しているため、この6つの変化点が抽出される。
次に、波形データ生成部44は、各駆動波形が各駆動波形毎に抽出した変化点で分割されたときの部分波形の傾きを示す傾きデータを駆動波形の各々について生成する。また、各部分波形の時間長を示す加算回数データも生成する。なお、本実施の形態では、部分波形の時間長を基準クロックの周期で除算して基準クロックの数で表すこととする。本実施の形態では、部分波形の時間長を表した基準クロックの数を加算回数と呼称する。
例えば、図10(C)に示すように、波形1において、時刻t0とt2との変化点間の期間を示す加算回数W1c2は、以下の式により算出される。
加算回数W1c2=(t2−t0)/基準クロック
また、波形1における時刻t0とt2との変化点間の部分波形の傾きW1g2は、以下の式により算出される。
傾きW1g2=(V(t2)−V(t0))/W1c2
なお、ここで、V(tn)は、時刻tnにおける電圧値を示す。
他の部分波形の時間長及び傾きも同様に算出する。
このように、波形データ生成部44は、各駆動波形の各々について、図10(B)に示すように各変化点で分割したときの部分波形の各々の傾きデータと、時間長(加算回数)を示す加算回数データとを生成する。波形データ生成部44は、各部分波形の傾きデータと加算回数データとを対応付けて、駆動波形の種類別に時系列順に波形記憶部46に格納する。
一方、画像データ生成部52は、CPU12から画像データの生成指示が入力されると、該生成指示に含まれる画像の情報から、各ノズル毎に印加する駆動波形を示す画像データを生成する。前述したように、画像データの値は駆動波形の種類に応じて固定となっている。本実施の形態では、ある印字周期であるノズルに印加する駆動波形が波形1であれば、画像データとして“00”を割り当て、波形2であれば“11”を割り当て、波形3であれば“01”を割り当て、波形4であれば“10”を割り当てる。このように、画像データ生成部52は、各印字周期毎且つ各ノズル毎に画像データを生成する。また、画像データ生成部52で生成する画像データは、所望の印刷量(例えば1ページ分)分の画像データとする。画像データ生成部52は、生成した画像データを画像データ記憶部54に格納する。
波形記憶部46への波形データの格納、及び画像データ記憶部54への画像データの格納が終了すると、ステップ102でCPU42が制御部48及び画像データ調整部56に印字開始を指示する。
ステップ104では、CPU42の印字開始を受け、画像データ調整部56は、印字周期毎に、画像データ記憶部54から画像データを読み出し、画像データを分析し調整する。すなわち、まず、画像データ記憶部54の第1画像レジスタ82に1ライン分(1印字周期分)の画像データが格納される。第1画像レジスタ82では、基準クロックに同期して画像データがシフトされ、シフトアウトされた画像データは、画像データ分析部86に出力されると共に、第2画像レジスタ84に出力される。
シフトアウトした画像データが入力される画像データ分析部86の画像データ振分部90は、第1画像レジスタ82からシフトアウトされる画像データをその値に応じて複数の画像データカウンタ92に出力する。これにより、各画像データカウンタ92で各画像データの出現数がカウントされる。例えば、画像データが“00”なら1番目の画像データカウンタ92で、“11”なら2番目の画像データカウンタ92で、画像データが“01”なら3番目の画像データカウンタ92、“10”なら4番目の画像データカウンタ92でカウントする。
頻度情報生成部94は、1印字周期分のカウント結果から、各画像データの出現頻度を示す頻度情報を1印字周期毎に生成する。図11(A)は、頻度情報生成部94が生成する頻度情報のフォーマットを示している。このフォーマットでは、頻度情報を8ビットのデータ長で表している。8ビットのうち、第6ビット及び第7ビットの2ビットで最多頻度画像データ(最も出現数の多い画像データ)を表し、第4ビット及び第5ビットの2ビットで2番目に多い画像データを表し、第2ビット及び第3ビットの2ビットで3番目に多い画像データを表し、第0ビット及び第1ビットの2ビットで最小頻度画像データ(最も出現数の少ない画像データ)を表している。なお、1印字周期分の画像データにおいて、頻度が多い順に“01”、“10”、“00”、“11”である場合に生成された頻度情報を図11(B)に示す。
頻度情報生成部94は、生成した頻度情報を画像データ割当部88に出力すると共に、レジスタ96を介して1印字周期遅らせて制御部48に出力する。
画像データ割当部88は、頻度情報に基づいて、第2画像レジスタ84から出力された画像データを変換して出力画像データを生成し、波形選択部58に出力する。画像データ割当部88は、画像データを、出現頻度の高い順にビット反転量の少ない出力画像データとなるように変換する。例えば、最多頻度画像データを“00”、2番目に多い画像データを“11”、3番目に多い画像データを“01”、最少頻度画像データを“10”とする。なお、“01”と“10”はビット反転量が同じであるため、3番目に多い画像データを“10”、最少頻度画像データを“01”としてもよい。また、“00”と“11”もビット反転量が同じであるため、最多頻度画像データを“11”、2番目に多い画像データを“00”としてもよいが、グランド(0V)を基準に動作するシステム(グランドからスタートするシステム)では、最多頻度画像データを“00”としたほうがノイズ発生防止には好ましい。
図12は、画像データ割当部88で行なわれる画像データ変換処理を説明する説明図である。例えば、画像データ割当部88が、図12(A)に示すような頻度情報を受け取った場合には、図12(B)に示すように、最多頻度画像データである“01”を“00”に変換し、2番目に多い画像データ“10”を“11”に変換し、3番目に多い画像データ“00”を“10”に変換し、最少頻度画像データ“11”を“01”に変換する。
画像データ割当部88は、変換した1ライン分の出力画像データを波形選択部58に転送する。
図13は、画像データ調整部56の動作を説明するタイミングチャートである。
ここでは、一例として印刷する画像の1番目のライン(ライン1)に対する処理について説明する。まず、画像データ記憶部54から1ライン分の画像データ(ライン1)が読み出され、第1画像レジスタ82にセットされる。
印字周期T1のサイクルでは、第1画像レジスタ82で順次画像データがシフトされる(ライン1のシフト処理)。シフトアウトした画像データは画像データ分析部86に入力され、ここで画像データの出現数がカウントされる(図13、ライン1の画像データ分析)。また、シフトアウトした画像データは、第2画像レジスタ84にシフトインされ、ライン1の画像データが第2画像レジスタ84にセットされる。
印字周期T2のサイクルでは、第2画像レジスタ84において、第1画像レジスタ82からセットされた画像データが順次シフトされる(図13、ライン1のシフト処理)。また、画像データ分析部86が、画像データ別のカウント結果に基づいて生成した頻度情報を画像データ割当部88に出力する(図13、ライン1の頻度情報)。画像データ割当部88は、入力した頻度情報に基づいて、第2画像レジスタ84からシフトアウトされた1ライン分の画像データを出力画像データに変換して波形選択部58に転送する(図13、ライン1の転送処理)。変換方法は前述した通りである。
印字周期T3のサイクルでは、画像データ分析部86で生成されたライン1の頻度情報が制御部48に転送される(図13、ライン1の頻度情報)。このように、制御部48に対する頻度情報の転送は、レジスタ96により1印字周期遅延される。
以上、ライン1についての画像データ調整部56の処理内容を各印字周期毎に説明したが、次のライン(ライン2)から最終ラインまでの画像データについても同様に処理し、これらの処理を印字終了までパイプライン式に繰り返すことで全ライン分の画像データが調整され波形選択部58に出力される。
一方、CPU42の印字開始を受けた制御部48は、印字周期毎に波形記憶部46から波形データを読み出し、画像データ調整部56から受け取った頻度情報に基づいて波形データの傾きデータを波形発生部50に出力する。波形発生部50は入力された傾きデータを元に駆動波形を生成し、伝送線81を介して波形選択部58に対して出力する。
ここで、制御部48と波形発生部50の処理について図14を用いて詳しく説明する。図14は、制御部48と波形発生部50の動作を説明するタイミングチャートである。なお、図14では、1つの波形発生部50の動作例を図示しているが、他の波形発生部50についても同様に動作する。また、ここでは、図10に例示した波形1を生成する場合を例に挙げて説明する。
まず、動作開始時には、制御部48の制御信号生成部68は、図14に示すように、波形記憶部46の波形データが格納されている領域の先頭アドレスを示すアドレス情報(A0)と、読出信号とを生成して波形記憶部46に出力する。
アドレス情報及び読出信号を受けた波形記憶部46のセレクタ62は、記憶領域60から波形データを読み出す。動作開始直後に読み出される波形データは、駆動波形の先頭の部分波形に係る波形データとなる。読み出された波形データのうち傾きデータは制御部48の波形データ振分部70に出力され、加算回数データは制御部48の加算回数振分部64に出力される。
傾きデータが入力された波形データ振分部70は、別途画像データ調整部56から入力された頻度情報に応じて、入力された傾きデータを予め定められた振り分けルールに従って該当する波形発生部50に出力する。
図15は、波形データ振分部70の動作を説明する説明図である。図15に示す例では、出現数が最も高い画像データに対応する駆動波形の傾きデータは1番目の波形発生部50に振り分け、次に出現数が高い画像データに対応する駆動波形の傾きデータは2番目の波形発生部50に振り分ける、、、という振り分けルールが設定されており、波形データ振分部70はこの振り分けルールに従って傾きデータを振り分けて(出力して)いる。また、図15において、4種類の駆動波形を生成するために使用する4つの波形発生部50をそれぞれ区別して説明するため、符号50に1〜4の添字を付している。さらにまた、各波形発生部50に接続されている各伝送線81もそれぞれ区別するため、符号81に1〜4の添字を付している。
図15に示すように、3番目に多い画像データ“00”に対応する波形1の傾きデータ1は、3番目の波形発生部503に出力する。
最少頻度の画像データ“11”に対応する波形2の傾きデータ2は、4番目の波形発生部504に出力する。
最多頻度の画像データ“01”に対応する波形3の傾きデータ3は、1番目の波形発生部501に出力する。
2番目に多い画像データ“10”に対応する波形4の傾きデータ4は、2番目の波形発生部502に出力する。
このように波形データ振分部70は頻度情報に応じて波形発生部50に傾きデータを出力する。なお、1印字周期分の処理が終了するまで傾きデータの振り分け状態は変化しない。
例えば、波形1を生成する波形発生部50(上記例では3番目の波形発生部503)の傾きレジスタ72に最初の部分波形の傾きデータ(W1g1)が格納されると、基準クロックに同期して加算器74が加算レジスタ76の値と傾きレジスタ72に格納された傾きデータとを加算して加算レジスタ76に出力する。これにより、傾きデータが累算される。
また、傾きレジスタ72に最初の傾きデータ(W1g1)が格納されるタイミングで、制御部48の該当する加算回数カウンタ66に該傾きデータ(W1g1)に対応する加算回数データ(W1c1)が格納される(図14参照)。波形発生部50での傾きデータの累算中、加算回数カウンタ66は入力された加算回数データ(W1c1)を基準クロックに同期して1ずつデクリメントすることでダウンカウントする。加算回数カウンタ66のカウント値が1となったときに、制御部48の頻度情報生成部94が、読出信号及び1インクリメントしたアドレスを指定するアドレス情報(A0+1)を波形記憶部46に出力する。
これにより、波形1における次の部分波形の波形データ(加算回数データW1c2及び傾きデータW1g2)が読み出されて、制御部48の対応する加算回数カウンタ66にその加算回数データ(W1c2)が格納されると共に、波形データ振分部70を介して該当する波形発生部50(波形発生部503)の傾きレジスタ72に傾きデータ(W1g2)が格納される。そして、制御部48では、新たに加算回数カウンタ66に格納された加算回数データ(W1c2)のダウンカウントが開始されると共に、波形発生部50では、傾きレジスタ72に新たに格納された傾きデータ(W1g2)の累算が開始される。
すなわち、傾きレジスタ72に格納された傾きデータは、制御部48から次の傾きデータが入力されるまで(該傾きデータに対応する加算回数データのカウントが終了するまで)変化せず、累算される。これにより、加算回数データが示す時間長だけ傾きデータが累算された部分波形が順次生成されることとなる。
この累算の様子が図14に示されている。図14では、傾きデータ(W1g1)が傾きレジスタ72に格納されてから加算レジスタ76の値がa1_1、a1_2、a1_3、、、と変化するが、各値は、それぞれ以下の式で表される。
a1_1=W1g1,
a1_2=a1_1+W1g1=W1g1×2,
a1_3=a1_2+W1g1=W1g1×3,
・・・,
a1_c1=W1g1×W1c1
このように、加算レジスタ76には、傾きデータ(W1g1)が加算回数データ(W1c1)だけ加算された値が格納される。
また、次に傾きレジスタ72に格納された傾きデータW1g2によって、加算レジスタ76の値は、a2_1、a2_2、a2_3、、、と変化するが、各値は、それぞれ、以下のように表される。
a2_1=a1_c1+W1g2=W1g1×W1c1+W1g2,
a2_2=a2_1+W1g2=W1g1×W1c1+W1g2×2,
・・・,
a2_c2=W1g1×W1c1+W1g2×W1c2
このように、加算レジスタ76には、傾きデータ(W1g1)が加算回数データ(W1c1)だけ加算された値に、次の傾きデータ(W1g2)が加算回数データ(W1c2)だけ加算された値が格納される。
これ以降の波形データも上記と同様に読み出されて、順次累算される。
加算レジスタ76で累算された累算値は、デジタル駆動波形としてD/A変換部78に出力される。D/A変換部78では、入力されたデジタル駆動波形をアナログの駆動波形に変換する。D/A変換部78の下流側に設けられた電力増幅部80は、アナログの駆動波形をヘッド駆動に必要な電力に増幅して、対応する伝送線(すなわち自己に接続された伝送線81)を介して波形選択部58に出力する。
図15に示す例では、1番目の波形発生部501で生成された駆動波形は、伝送線811で波形選択部58に伝送され、2番目の波形発生部502で生成された駆動波形は、伝送線812で波形選択部58に伝送され、3番目の波形発生部503で生成された駆動波形は、伝送線813で波形選択部58に伝送され、4番目の波形発生部504で生成された駆動波形は、伝送線814で波形選択部58に伝送される。
波形発生部50で駆動波形が生成され波形選択部58に伝送されると、波形選択部58は、画像データ調整部56から転送された出力画像データに基づいて、ノズル毎に複数の伝送線81で伝送された複数の駆動波形から1つの駆動波形を選択し、圧電素子23に出力する。
ここで、波形選択部58の動作についてさらに詳細に説明する。
各波形発生部50で生成された複数の駆動波形は、伝送線81を介して波形選択部58の複数のセレクタ99の各々に出力される。複数のセレクタ99の各々には、対応する圧電素子23に印加すべき駆動波形を選択するための出力画像データが、画像シフトレジスタ97及び画像レジスタ98を介して入力される。各セレクタ99は、入力された出力画像データに基づいて伝送線81で伝送された駆動波形から1つを選択して、対応する圧電素子23に出力する。すなわち、画像データの値と伝送線81とが1対1で対応しており、画像データの値によって一意に駆動波形が選択される。
例えば、図12に示すように出力画像データが生成され、図15に示すような振り分けルールで傾きデータを波形発生部50に振り分けて複数の駆動波形が生成される場合には、以下のように駆動波形を選択する。
入力された出力画像データが“00”である場合には、1本目の伝送線811(1番目の波形発生部501で生成された駆動波形が伝送される伝送線81)で伝送された駆動波形を選択して対応する圧電素子23に印加する。
また、入力された出力画像データが“11”である場合には、2本目の伝送線812(2番目の波形発生部502で生成された駆動波形が伝送される伝送線81)で伝送された駆動波形を選択して対応する圧電素子23に印加する。
また、入力された出力画像データが“01”である場合には、3本目の伝送線813(3番目の波形発生部503で生成された駆動波形が伝送される伝送線81)で伝送された駆動波形を選択して対応する圧電素子23に印加する。
また、入力された出力画像データが“10”である場合には、4本目の伝送線814(4番目の波形発生部504で生成された駆動波形が伝送される伝送線81)で伝送された駆動波形を選択して対応する圧電素子23に印加する。
なお、先に図8を参照して説明したように、出力画像データは画像データ調整部56からシリアルに転送される。波形選択部58では、転送されたシリアル信号の出力画像データを画像シフトレジスタ97でパラレル信号に変換し、画像レジスタ98で該パラレル信号をラッチして、各セレクタ99に対応する出力画像データを全セレクタ99に同時に出力するため、この過程で出力画像データのセレクタ99に対する出力が1印字周期遅延する。出力画像データが駆動波形よりも1印字周期遅延した状態でセレクタ99に出力されると、セレクタ99で正しい駆動波形を選択することができなくなるため、本実施の形態では前述したように、制御部48に対して画像データ調整部56から頻度情報を出力する際、レジスタ96で1印字周期遅らせて出力し、各セレクタ99に駆動波形とそれに対応する出力画像データが同じタイミングで伝送されるように構成している。
ステップ106では、CPU42は印字終了したか否かを判定する。具体的には、画像データ記憶部54に格納されている画像データが全て読み出されて印字された場合には印字終了となり、画像データがまだ残っている場合は、引き続きステップ104に戻り駆動波形の生成と画像データの転送等の処理を続行する。なお、CPU42の指示により強制終了をする場合もある。
図16は、変換無しで画像データを転送する場合の転送状態、および出現頻度が高い順にビット反転量が少なくなるように変換した後の出力画像データを転送する場合の転送状態を例示したタイミングチャートである。
図16に示すようにノズルN1〜N5に対応する変換前の画像データは、“01”、“01”“00”、“10”、“10”となっており、各値の出現数は、“01”が2回、“10”が2回、“00”が1回となっている。この画像データをそのまま波形選択部58にシリアル転送すると、合計8回のビット反転が発生する。
一方、この画像データを、出現頻度が高い順にビット反転量の少なくなるように変換すると、前述したルールに従えば、画像データ“01”は“00”に変換され、“10”は“11”に変換され、“00”は“01”に変換される。なお、ここで出現頻度が同値の画像データについては、予め定められたルールに従って出力画像データを割り当てるものとする。このように変換された画像データ(出力画像データ)を波形選択部58にシリアル転送すると、この例では1回のビット反転で済むことがわかる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で様々な設計上の変更を行うようにしてもよい。
例えば、上記実施の形態では、画像データ調整部56で生成された頻度情報に基づいて、制御部48が傾きデータを複数の波形発生部50に振り分け、この振り分けられた傾きデータから各波形発生部50で生成された駆動波形を対応する伝送線81に出力して波形選択部58に伝送する例について説明したが、これに限定されず、制御部48での傾きデータの振り分け先は固定とし、各波形発生部50から波形選択部58に対する駆動波形の伝送途中で、頻度情報に応じて駆動波形の振り分けを行なうようにしてもよい。
図17は、生成された駆動波形の伝送途中で、頻度情報に応じて伝送線81に対する駆動波形の振り分けを行なうように構成したヘッド駆動装置140の構成図である。ここで、図17に示す符号と、図2に示す符号が同一の構成要素は、それぞれ、同一の機能を有する構成要素を意味するため説明を省略する。
このヘッド駆動装置140には、図2の制御部48に代えて制御部148が設けられ、複数の波形発生部50と波形選択部58との間には波形振分部159が設けられている。各波形発生部50で生成された駆動波形は伝送線79を介して波形振分部159に伝送され、更に波形振分部159から伝送線81を介して波形選択部58に伝送される。なお、このヘッド駆動装置140では、画像データ調整部56で生成された頻度情報は、制御部148ではなく波形振分部159に出力される。
図18は、制御部148の構成図である。ここでも、図18に示す符号と、図7に示す符号が同一の構成要素は、それぞれ、同一の機能を有する構成要素を意味するため説明を省略する。
制御部148には、波形データ振分部170が設けられている。この波形データ振分部170は、前述した実施の形態の図7に示す波形データ振分部70とは異なり、画像データ調整部56で生成された頻度情報は入力されず、常に駆動波形の種類の応じて定められた波形発生部50に振り分ける(振り分け先固定)。
各波形発生部50は、入力された傾きデータから駆動波形を生成して、伝送線79に出力され、波形振分部159に伝送される。
図19は、波形振分部159の振り分け動作を説明する説明図である。
この例では、1番目の波形発生部501で生成された駆動波形(画像データ“00”に対応する波形1)は、伝送線791で波形振分部159に伝送され、2番目の波形発生部502で生成された駆動波形(画像データ“11”に対応する波形2)は、伝送線792で波形振分部159に伝送され、3番目の波形発生部503で生成された駆動波形(画像データ“01”に対応する波形3)は、伝送線793で波形振分部159に伝送され、4番目の波形発生部504で生成された駆動波形(画像データ“10”に対応する波形4)は、伝送線794で波形振分部159に伝送される。
波形振分部159には、別途画像データ調整部56から頻度情報が入力される。波形振分部159は、頻度情報に基づき、伝送線79で伝送された駆動波形を予め定められたルールに従って該当の伝送線81に振り分けて波形選択部58へ向けて出力する。
この例では、最多頻度画像データである“01”に対応する駆動波形(伝送線793で伝送された波形3)は、伝送線811に振り分けられ、2番目に多い画像データ“10”に対応する駆動波形(伝送線794で伝送された波形4)は、伝送線812に振り分けられ、3番目に多い画像データ“00”に対応する駆動波形(伝送線791で伝送された波形1)は、伝送線813に振り分けられ、最少頻度画像データ“11”に対応する駆動波形(伝送線792で伝送された波形2)は、伝送線814に振り分けられる。
こうして、複数の伝送線81で伝送された複数種類の駆動波形は、波形選択部58に伝送される。また波形選択部58には、画像データ調整部56で変換された出力画像データも転送される。波形選択部58は、前述の実施の形態と同様に、出力画像データに応じて、ヘッド22の各圧電素子23毎に駆動波形を選択して出力する。
また、上記実施の形態では、液滴としてインクを用いて印刷する液滴吐出装置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、インクジェット方法により、液晶表示素子の配向膜形成材料の塗布、フラックスの塗布、接着剤の塗布などにも本発明を上記と同様に適用してもよい。