JP5134008B2 - サブマイクロニュートン範囲の力を検出するための装置及び方法 - Google Patents

サブマイクロニュートン範囲の力を検出するための装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、サンプルホルダーに対する相対運動が実行可能である測定ヘッドを持ち、及び、少なくとも1つのプローブ要素がそこに備えられており、それにより、サンプルホルダー上に載せられたサンプルと該測定ヘッドとの間の付着力を伝えることができる、サブマイクロニュートン範囲の力を検出するための装置及び方法に関する。
さらに、本発明はサブマイクロニュートン範囲の力の検出のための方法に関する。
このような装置及びこのような方法は、ヨーロッパ特許EP0829722A2により公知である。この装置は原子間力顕微鏡(AFM)と呼ばれる。原子間力顕微鏡は、測定ヘッドの役割を果たす測定チップを含み、そこには直接、或いは、金属若しくは酸化物層の塗布の後に1つ以上のプローブ分子がコーティングされている。測定チップは測定されるサンプルの表面に接触され、リトラクト(Retract;測定チップが引っ込められる)する間に生じる力が測定される。このことによって、プローブ分子と表面との間に働く相互作用の質的な差が測定される。
原子間力顕微鏡を利用した化学的差分イメージングにあたる方法はヨーロッパ特許EP0727639A1により公知である。
原子間力顕微鏡は、化学的差分イメージングとして使用されるのと同様に、表面のトポグラフィのイメージング及び抗体と抗原との間に働く結合力の測定にも使用される。より詳細な情報はFLORIN,E.L.,MOY,V.T.,GAUB,H.E.:個々のリガンド−レセプター対間の付着力、Science,264,415(1994)の文献、DAMMER,U.,HEGNER,M.et al.:力顕微鏡により測定された特異的な抗原/抗体相互作用、Biophys.J.70,2437(1996)の文献、及び、SMITH,D.A.,CONNELL,S.D.et al.:化学力顕微鏡:自然のハイドロキシアパタイトの表面特性への応用、Analytica Chimica Acta 479,39(2003)の文献より見出される。
力−距離曲線におけるフォースプラトーは数年前に発見され、その原因について解釈付けられている。この問題についての初期の実験はCHATELLIER,T.,SENDEN,J.et al.:荷電した表面上に付着した単一の高分子電解質鎖の引き離し、Europhys.Lett.,41,303(1998)の文献、HUGEL,T.,GROSHOLZ et al.:AFMに基づいた1分子力顕微鏡により研究された単一高分子電解質鎖の伸縮性及び固体支持体からの脱離、Macromolecules,34,1039(2001)による文献、及びHUGEL,T.,SEITZ,M.: AFM力分光法による分子相互作用の研究Macromol.Rapid Commun.22,989(2001)に記載されている。これらの実験は、まず、ポリマーを表面に付着させて、次いで、官能基を結合させた測定チップによって引き剥がすものである。ここで2つの問題が生じる。1つは、反応基が飽和してしまってチップが短時間後には使用可能でなくなるということ。もう1つは、高分子は、測定のたびに毎回、測定チップに引っかかるわけではないため、完全な1分子曲線が測定されるまでに数百もの力−距離曲線を測定しなければならないということである。
これらの問題を解決するために、数個のプローブ分子を測定チップに共有結合させ、その後、表面に接触させることが試みられた。ある特定の時間の後、測定チップは表面から引き離され、脱離に必要な釣り合いの力を測定した。このサイクルはしばしば数十回もの間、繰り返された。この種の実験はSEITZ,M.,FRIEDSAM,C.,et al.:単一高分子で表面を探索するChemPhys−Chem.4,986(2003)及びFRIEDSAM,C.,DEL CAMPO BECARES,A.et al.:1分子力顕微鏡における長時間測定のための高分子で修飾されたAFMチップChemPhysChem.5,388(2004)の文献に記載されている。
従来法に係るさらなる大きな問題は、測定する分子内力と非特異的相互作用、特に測定チップと測定する表面の間の相互作用とを識別することにある。この問題はフレキシブルなリンカーを使用することによって軽減され、最良の場合、例外的なケースではあるが解決されることもある。この種の実験はHINTERDORFER,P.,BAUMGARTNER,W.et al.:原子間力顕微鏡による個々の抗体−抗原認識イベントの検出及び限局化,PNAS 93,3477(1996)及びROS,R.,SCHWESINGER,F.et al.:単鎖Fv抗体分子に個々に作用する抗原結合力,PNAS,95,7402(1998)に記載されている。
観測された付着力の発生についての統計力学に基づく理論的な説明は、特定の系において、HANKE,F.,LIVADARU,L.,KREUZER,H.J.:固体表面に接触したポリマー1分子にかかる付着力Europhys.Lett.,69(2),242(2005)に記載されている。
ドイツ特許DE10208800A1には、原子間力顕微鏡を用いた付着特性の測定方法について記載されている。この文献は付着力を測定するための動的原子間力顕微鏡における周波数シフトの利用について記載している。周波数−距離曲線は力−距離曲線に前もって変換される必要があるため、これは間接的な測定である。さらに、この方法は超高真空においてのみ実施することができた。
医学技術の分野において、移植のコーティングの検査は特に重要であって、化学分野においては、高分子コーティング剤の検査が特に重要である。両者の応用分野において、現在まで原子間力顕微鏡は使用されていない。
現在までに、様々なコーティング剤の付着を検査する力学的な試験方法がいくつか存在しているが、特に高分子コーティング剤において、応用分野は非常に限られており、短所もいくつか含まれている。これらの試験方法のほとんどは非破壊的、つまり、ひっかき試験、押し込み試験、引張試験又は4点屈曲試験であるか、例えば、膨張法や剥離法のような、有機コーティング剤に限られて使用されるもののみである。例えば引張試験や剥離試験のようないくつかの場合において、付着剤の利用は必要であるが、その付着剤の中に含まれる溶媒が有機コーティング剤と反応する可能性は排除できない。プローブが調査コーティング表面に接触することに由来するストレスゾーンの発生のために、力学的付着力の試験は同じ条件下で、満足できる繰り返し率によって実施することがほとんどできない。実験システムの大半において測定ヘッドによって生じる、基質とコーティングのプラスチック変形のために、付着力の実験値は実際の値よりも数オーダーの範囲で異なることがある。付着に関する定量的な実験値はすべての場合において、高い不確実性なく得られるわけではない。
本発明の目的は、この先行技術に基づき、様々な環境においてコーティング剤と化合物材料の付着の非破壊的測定を実行するための機器と方法を提供することである。
この目的は独立請求項の構成による機器と方法によって達成される。好ましい発明の形態は従属項によって与えられる。
この装置においては、サンプルホルダーに対して相対的運動を行うことができる測定ヘッドに伸張キャリアを取り付け、その上にプローブ要素を置く。ここにおいて、「伸張キャリア」の用語は伸張状態において横の方向よりも縦の方向が長くなるキャリア(担体)のことを示している。さらに、この測定の際には、フォースプラトーを検出するのだが、これはプローブ要素のサンプルへの付着に関係していることがある。従って、プローブ要素のサンプル表面への付着を高い正確さで検出することが可能である。更に、この装置及び方法においては、キャリアの化学組成が分かっており、キャリアのサンプルへの付着による影響を除去することができるために、プローブ要素がサンプルと相互作用していることは確実である。
プローブ要素をキャリアの両端より遠いところに配置することによって、キャリアに関連するフォースプラトーの上に他のフォースプラトーが発生する。キャリアに関連するフォースプラトーに対するこのフォースプラトーのレベルと長さは、高い正確性で決定できる。
好ましい形態において、多数のプローブ要素がキャリアに取り付けられる。従って、単一の実験において、いくつかの隣接したフォースプラトー又は少なくとも十分な長さのフォースプラトーが観察でき、測定誤差はそれに応じて減少し得る。
更に、本装置及び方法は、高分子と比較して小さい単量体のプローブ分子、例えば医薬剤や色素のような分子の付着の試験に特に適しているので、プローブ要素として好ましくは単量体のプローブ分子が使用される。
好ましくは、キャリアとして、プローブ要素に対して少なくとも1つの結合可能性を持つキャリア高分子が使用される。人工のクモの糸、ポリペプチド、ポリ乳酸及びポリサッカライド又は他の生体高分子が特に適切と考えられる。
測定ヘッドとキャリアとの間の結合は好ましくはポリエチレングリコールの助けで達成される。そのことによって、測定ヘッドとサンプル間の望ましくない非特異的付着、並びに、プローブ要素と測定ヘッドの相互作用が抑制される。
サブマイクロニュートン領域の力の検出方法においては、フォースプラトーの長さは、伸長キャリアとプローブ要素が実際にサンプルと相互作用していることを確かめながら測定される。
更に、キャリアに関連するフォースプラトーとプローブ要素に関連するフォースプラトーのレベル間の差異は、プローブ要素のサンプルへの付着力を決定するための評価に用いることができる。特に、もし、キャリアのサンプルへの付着力が前もって分かっているならば、キャリアに関連するフォースプラトーは、測定をキャリブレートするためと、測定誤差を減少させるために利用することができる。
本発明の利点と特徴は、付属する図と共に発明の形態が詳細に説明される以下の記述から明確となるであろう。
プローブ要素が側面に配置される伸張キャリア分子と共に提供される測定チップを備えた原子間力顕微鏡を示す図である。 キャリア分子がサンプル表面より脱離する力−距離曲線における典型的なプラトーを示す図である。 図2に基づく測定のフォースプラトーのレベルの分布ダイアグラムを示す図である。 プローブ分子あり及びなしで測定した力−距離曲線を示す図である。 プローブ分子がない測定でのフォースプラトーのレベルの分布ダイアグラムを示す図である。 プローブ分子がある測定でのフォースプラトーのレベルの分布ダイアグラムを示す図である。
図1はカンチレバー2に取り付けられた測定チップ3を含む原子間力顕微鏡1を示す図である。原子間力顕微鏡1はサンプル5を備え付けられたサンプルホルダー4を更に含む。
測定チップ3は、例えば図1に示されているようなアミノシランのような活性化分子6でコートされている。活性化分子の自由端は不活性化分子7及び結合分子8と結合している。結合分子7は、例えばmethyl−NHS−PEGであってよく、自由端にメチルを端とする基を持っている。他方、結合分子8はdi−NHS−PEGであり、両端にサクシニミジル基を持っている。結合分子8にはキャリア分子9を取り付けることができ、人工のクモの糸、特にはクモの糸モチーフC16をそのために使用することができる。キャリア分子の長さは典型的には5nm以下である。キャリア分子の側面には、プローブ分子10、例えばラパマイシンのような試薬分子が取り付けられる。もし、キャリア分子9又はプローブ分子がサンプル5に接触するようになると、付着力が測定チップ3とサンプル5との間に伝えられ、測定チップ3の運動を引き起こす。測定チップ3の運動は距離センサー11の助けにより検出され、その測定シグナルはコントロールユニット12に作用する。コントロールユニット12は例えばモニター13を取り付けた商業的に利用可能なワークステーションコンピュータであってよい。また、コントロールユニット12はサンプルホルダー4の移動の制御をさせてもよい。
上に述べたように、キャリア分子9として、例えば人工のクモの糸を使用してもよい。図1においてキャリア分子9として利用している高分子、即ちクモの糸モチーフC16は、選択的なエステル化によってその水酸基に試薬を結合させることができる16個のカルボキシル基を持つ。
測定チップ3と結合する可能性とプローブ分子10と結合する可能性を持っているならば、人工のクモの糸の代わりにキャリア分子9として他の物質及び物質グループを利用することを考慮してもよい。
例えばポリペプチドは、プローブ分子と結合する可能性があるならば、キャリア分子9として利用することを考えることができる。この物質グループの一例には、C16と同じ種類の化学結合が可能であるポリ(グルタミン酸)がある。また、ポリ乳酸はキャリア分子9としての利用に適切である。というのは、一つにはそれは医薬製品のコーティングの用途に生体適合性の高分子としてしばしば利用され、他方にはそれらは薬剤と結合した形で商業的に利用可能であるからである。この物質グループの例としては例えば、介入性の心臓病学(interventional cardiology)におけるステントのコーティング剤として使用されるポリ(d−乳酸)とラプラマイシンとの複合体がある。
測定チップ3は、例えば以下のように調整する。原子間力顕微鏡1の付着プローブとして使用される測定チップ3を、直接、又は酸化物若しくは金属層の塗布の後、又はプラズマ若しくは酸浴においての酸化の後に、シラン、チオール又はジスルフィドでコーティングし、さらに同じ又は異なる官能基を持ったポリエチレングリコール(PEG)で単層コーティングする。キャリア分子9のPEGへのカップリングは共有結合を介して達せられる。
詳細には、測定チップ3は以下のように調整することができる。シリコンナイトライド製の測定チップ3は、濃硫酸及び重クロム酸カリウム溶液中で化学的に清浄後、さらに酸素プラズマによる精密清浄及び活性化後にアミノシランによりコートされた。この修飾した測定チップに、メトキシ−NHS−PEG(メチル基を片末端に持つ)及び2官能基置換されたdi−NHS−PEG(サクシニミジル基を両末端に持つ)の混合物から成るもう一つの層を提供する。これらの分子量及び混合比は、1分子のキャリア分子9で測定が行われるように調整する。メトキシ−PEGを加えることによって、測定チップ3とサンプル5間との間の望ましくない非特異的付着、並びにキャリア分子9及び測定チップ3の相互作用が抑制される。その後で、人工のクモの糸モチーフC16のN末端を、固定させたdi−NHS−PEGの自由結合部位に共有結合させた。
分子レベルの付着を検出するための測定を、図1の原子間力顕微鏡1を用いて実施した。この目的のために、1分子のキャリア分子9を原子間力顕微鏡1に取り付けて使用した。この1分子のキャリア分子9は測定チップ3に特異的に結合しており、測定される表面に接触させて、キャリア分子9をリトラクトするために必要な力を測定する。適切な条件下、特には水溶液中で、力−距離曲線におけるフォースプラトーを観測することができる。これらのフォースプラトーのレベルはキャリア分子9とサンプル5間の付着力に非常に敏感であり、力荷重比に依存していない。ここにおいて、「力荷重比」の語句はリトラクション間の力−時間曲線の勾配によって定義される。典型的には、付着力は10から数100ピコニュートンの範囲内である。原子間力顕微鏡1を用いることによって、コーティング物質の付着の微細な違いを測定することが可能である。
リトラクト作用の時間軸における力曲線の推移は引っ張り速度に依存しないことに注意されたい。これは、1mm/sの疑似均衡力(quasi−equilibrium forces)以下の引っ張り速度で測定したからである。
フォースプラトーの長さはキャリア分子9の長さに実質的に等しい。更に、フォースプラトーの表面領域はキャリア分子9をリトラクトする間にかかった仕事に実質的に等しく、その仕事はキャリア分子9を表面ポテンシャル井戸から移動するのに必要なものである。しかしながら、キャリア分子9を引き伸ばすためにリトラクトした際に費やすエネルギーは考慮されていない。
キャリア分子9の階段状のリトラクションにおいて、作用した仕事はキャリア分子9の一部をキャリア分子9の自由端から測定チップ3まで移動させるためになされた仕事と等しいことに気をつけると、フォースプラトーの定常過程は明確に理解することができる。
特に医学技術の分野において、薬剤を選択的にかつ時間を制御しながら放出することがしばしば必要である。原子間力顕微鏡1を利用して、異なる部位における薬剤の付着を非常に早く検出することが可能であり、そのことによって、最良の放出挙動を持つ表面を探索することが可能である。さらに、ここに記載している装置によって、色素のような表面コーティングに使われる物質の付着を調査することが可能である。
ここに記載の装置及びここに記載の方法によって、高分子に比べて小さい単量体分子の付着を調査することが可能であるため、原子間力顕微鏡1は特にこの目的に適している。医薬用途に利用されるほとんどの薬剤はこのカテゴリーに該当する。しかしながら、通常の色素もこのカテゴリーに割り当てられる。もし、プローブ分子が直接測定チップ3に結合しているならば、力−距離曲線におけるプラトーは観察されない。それ故、キャリア分子9として長い分子がここで使用され、そこにはキャリア分子に比べて小さい一つ又は多くのプローブ分子10を結合させ、その付着力が測定される。特に、小さい分子を用いた測定のためには、少なくとも2つのプローブ分子10がキャリア分子9に取り付けられていると有利である。プローブ分子10が十分な大きさを持っているなら、場合によっては1分子のプローブ分子10で十分であり得る。
以下に、図1にように調整した測定チップ3を用いて実施された様々な測定の詳細について説明する。
図2及び3において、1分子の高分子キャリア分子9を用いて行った測定の結果を示した。特に、230nmの特定の長さを有するクモの糸のモチーフC16のクモの糸分子の付着力を水溶液中、水素末端処理したダイアモンド表面上で調査した。典型的な時間スケール(ここでは1μm/秒)で、サンプルの様々な場所で力−距離曲線を測定し、フォースプラトーを長さと脱離力の観点から評価した。例えば、図2において、フォースプラトー14を持った力−距離曲線13が示される。ここで、ゼロレベル16への落ち込み15はキャリア分子9がサンプル5の表面から離れることを意味している。
つまり、力−距離曲線13はフォースプラトー14によって決定されることに注意されたい。使用測定チップ3の最適化を行うことによって、測定チップ3とキャリア分子9との間の相互作用が除外されるようにした結果、この状況が実現される。
図3は図1の実験における220プラトーのプラトーレベルの分布を示している。
更に、図4から6において、まずキャリア分子9、つまりポリアリルアミン(polyallylamine)の水素末端処理したダイアモンド表面(A)への付着を測定し、次いで、同じキャリア分子9に色素分子(B)を結合させたものにおける同じ表面への付着力を決定した実験の結果を示す。ここで色素分子はPromoKine社のプロモフルオア555(Promofluor555)色素を使用した。
測定は、薬剤関連分子の適合性を明白にするために、PBSバッファー中、約37℃で行われた。
比較の目的で、PBS中36.5度における、プロモフルオア555分子あり(A)、なし(B)での、ポリアリルアミンのH−ダイアモンドからの2つの脱離曲線17と18を、図4に示す。
脱離曲線17においては、プラトー力はプラトー線19からゼロ基準線20との差によって得られる。
脱離曲線18においては、キャリア分子9にかかるプラトー力はまずプラトー線21とゼロ基準線22の差から決定される。より強い付着力を持つ、より小さいプローブ分子10の結合はプラトー線をプラトー線23へシフトさせる。増加した付着力FDESはしたがって、プラトー力の増加として測定される。
プラトー線23のシフトは、サンプル5の表面からキャリア分子9が脱離することに関係しているフォースプラトー25の上に位置する付加的フォースプラトー24が生じることによって起きる。付加的フォースプラトー24はサンプル5の表面からプローブ分子10が脱離することが原因で生じるものである。
図5及び6は比較のために、それぞれプロモフルオア555なし(A)及びあり(B)の条件でのポリアリルアミンの力の分布図を示している。(A)の場合の図5の力分布図は単一のピーク26を示す一方、(B)の場合の図6の力分布図は2つのピーク27及び28を示している。
図5に示されるピーク26の平均値は約86ピコニュートンである。従って、キャリア高分子の付着力は約86ピコニュートンである。このことはアミノ酸あたり約7KT(=3×10−20ジュール)の脱離エネルギーに相当する。
図6は反応性色素分子(プロモフルオア555、Mw=793ダルトン、PromoKine社製)がこのキャリア高分子に正しく結合した場合における力分布図を示し、これによりプラトー力を再び決定した。図4に示されるように、付加的フォースプラトー24がより高い値で生じているので、プラトーレベルの分布図として図6に示されるように、キャリア分子9の脱離に関係する最初のピーク27に加えて、約153ピコニュートンの付着力を持つ第2のピーク28が生じた。このことはアミノ酸あたり12KT(=5×10−20ジュール)以上の脱離エネルギーに相当する。
図4におけるプラトー線21に対応するようなキャリア高分子のプラトーレベルは、フルオロフォアによって完全に占有されていないので、まだ明らかに同一のものと確認できることに注意されたい。付着力、つまり脱離エネルギーはかなり変化してはいるが。
本実験は、小さなプローブ分子10、特に色素、が1分子のキャリア高分子に正確に結合することによって1分子のキャリア高分子の付着力が変化することを示している。この場合、色素はキャリア高分子よりも疎水的であるため、疎水性の表面における付着力は期待通りに増加している。このことから、キャリア高分子の付着だけでなく、平衡測定におけるプローブ分子10の付着が実際に測定されたことが確認された。
キャリア分子9は好ましくは長さが分かっている高分子が利用されることに注意されたい。このことによって、測定されるべきプローブ分子10と表面との間の純粋な付着力が測定できるような信頼性の高い固有のコントロールが提供されるのである。
キャリア分子9の脱離に必要な脱離エネルギーはたいてい以前の測定から分かっているので、キャリア分子9の脱離に帰することのできるフォースプラトー25は脱離曲線18をキャリブレートするために使用することができることに注意されたい。そのことによって、プローブ分子10の脱離に必要な脱離エネルギーの決定における誤差は顕著に小さくすることができる。
誤差が小さくなるおかげで、装置は非常に短い範囲(1nm以下)のレジーム(regime)の疎水力を測定するために使用することができる。現在まで、これを測定するテクニックは無く、例えば、MEYER,E.E.,ROSENBERG,K.J.,ISRAELACH−VILI,J.:疎水相互作用の理解の進展、PNAS,103,15739(2006)において、このレジームにおける力は、以前に測定された中程度及び長い範囲のレジームの疎水力よりも、かなり大きいことが示されている。
これらの力が実際に原子間力顕微鏡1において測定されたわけであるが、これは異なるイオン及びバッファー力を持つ様々な表面における最初の測定として示されたものである。ここで、疎水的な表面において、静電的な力、或いは他の長距離の力によっては説明できない力の変異が観察された。
装置及び方法は様々な方法で変更することができる。
原子間力顕微鏡の代わりに、サブマイクロニュートン範囲での力測定のために他の装置を利用することが可能である。そのような装置には例えば、ナノインデンター、光ピンセット、磁気ピンセット又は他の表面力を測定する装置がある。
力−距離曲線にフォースプラトーが存在する限りにおいて、1分子の高分子に代えて、いくつかの高分子をキャリア分子として使用することができる。そのような分子としては、例えば、Poly(グリシン−バリン−グリシン−バリン−プロリン)三重鎖が期待される。
プローブ分子をキャリア分子に結合させるために、エステル化の代わりに他の共有結合を利用することもできる。特に、ここではいわゆるクリックケミストリー(Click Chemistry)が言及される。クリックケミストリーに関する詳細な情報は例えば、KOLB,H.C.,FINN,M.G.,SHARPLESS,K.B.,クリックケミストリー:2、3の良い反応からの多様な化学機能、Angewandte Chemie Int.Ed.Vol.40,2004(2001)から見出すことができる。
更に、力−距離曲線におけるプラトーの代わりに、力−距離曲線の他の特徴を使用することができ、例えば、ポリサッカライドの椅子型−舟型遷移や、異なるレベルでの一連のフォースプラトーなどを使用することができる。
更に、複数の測定を平行して測定することも可能である。単一の測定チップの代わりに、いくつかの測定チップを同時に使用することも可能である。
測定チップはキャリア分子が測定チップに相互作用しないように修飾されることが好ましいことは強調されるべきであろう。
更に、測定チップのリトラクションの際の力−距離曲線は次の3つの型に区別することができ、最初の大まかな評価としてそれらを利用されると便利であろう。つまり、脱離曲線18における初期の上昇の経過を評価すること、または250nmの距離での落下の前の脱離曲線の傾斜路のような経過から付加的な情報を抜粋することが可能である。
本明細書に記載する方法は、付着力を検出することができるので、より小さい非高分子のためのキャリア分子としてプローブ分子を使用することによって、薬剤のスクリーニングの分野においても使用することができる。特に、多数のプローブ分子10をキャリア分子9にカップルすることによって、薬剤の多量スクリーニングのためにも使用することができる。薬剤を取り付けた測定チップ3は、適切なサンプルの上に固定したレセプターに使用することができる。本方法は平衡状態における測定であるため、相互作用力の迅速な検出が可能であり、このことは従来の方法と比較して大きな利点である。薬剤を取り付けたサンプルから、レセプター分子を取り付けたプローブを脱離させるような逆の条件の測定も可能である。
バイオテクノロジーや医薬の分野の他の応用としてはプローブ分子としてDNAやRNAのような高分子型の有機酸の利用がある。フォースプラトーを解析することによって、高分子鎖に沿った核酸配列が決定可能である。そのためには、まずテストされるDNA又はRNA分子をサンプルホルダー上に固定化し、相補塩基をキャリア高分子にカップリングさせ、本明細書に記載される方法に従ってその付着力を測定することによって、DNA又はRNA鎖のシークエンスを読み取ることができる。
本明細書に記載の装置及び本明細書に記載の方法は更なるいくつかの利点を持つ。
まず、原子間力顕微鏡は、例えば、生理的な条件、室温又は大気圧のような、様々な環境において使用可能である。
上述したように、測定される結合力は力荷重比に依存している。この依存性は従来の方法、特にヨーロッパ特許EP0727639A1及びヨーロッパ特許EP0829722A2によって知られている方法においては、考慮されてきていないものである。その結果、様々な力荷重比での剥離カーブを数百も取り、付着力の意味のある定量値を得るためにそれらを関連付けする必要がある。実験の中で、図3において示された狭い力分布の図によって分かるように、本明細書によって記載される装置及び方法においては、正しい付着力を測定するためには、単一の力曲線で基本的には十分である。
最初に述べたように、測定する分子内力と非特異的相互作用、特に測定チップと測定する表面の間の相互作用とを識別することは、従来法における大きな問題である。この問題は柔軟なリンカーを用いることによって軽減することが可能であり、例外的な場合においてのみ解決することが可能である。それとは異なり、キャリア分子として使用される特定の長さの高分子は、フォースプラトーの長さに対応しているため、このことは測定した力が本当にプローブ分子と表面との間に働く力であることを示す信頼できる指標となる。
従来法におけるもう一つの問題は、測定チップの表面とコーティングは分子レベルにおいては全く同じであることは決してないということである。むしろ、コーティングは分子レベルにおいて、不均質である。従って、測定チップを2つ、同様に調整したとしても、異なる剥離力が測定されるであろう。本明細書に記載の方法においては、1分子の高分子は100%の純度であるから、全ての測定チップはフォースプラトーの意味において同じ結果を与える。更に、プローブの安定性は何百回もの力曲線を測定することによって示されることもできよう。従って、本明細書の方法は様々なサンプルを一つの同じ分子を用いて測定することを可能とし、そのことによって、実験結果の最適な比較性と再現性を実現することが可能なのである。
先行技術の方法では、コーティング剤の付着の測定は大きな制限の下でのみ可能である。むしろ、公知の方法は大まかな概算値を求める方法である。産業上に利用する限りにおいては、公知の方法を利用する意味はあまりない。それとは対照的に、本発明の方法は高分子の付着のみでなく、商業的に利用可能な医薬剤や色素のような様々な分子の付着について決定することが可能である。
最後に、ある一つの形態に関連して記載された構成や特性は、相応の理由で排他されることの無い限り、他の形態と組み合わせることが可能であることとする。
最後に、特許請求の範囲や明細書中に単数で記載された語句は、文脈においてそうでないことが示唆された場合を除いて、複数を含むものとする。特に、不定冠詞が使用された場合には、単数と複数の両方が意味される。

Claims (15)

  1. サンプルホルダー(4)に対する相対運動が実行可能である測定ヘッド(3);
    該測定ヘッド(3)に取り付けられた少なくとも1つのプローブ要素(10)であって、それにより、サンプルホルダー(4)上に載せられたサンプル(5)と測定ヘッド(3)との間の付着力を伝えることができる前記プローブ要素;
    該測定ヘッド(3)に取り付けられた伸張キャリア(9)であって、その上にプローブ要素(10)を配置させた前記伸張キャリア(9);及び、
    該測定ヘッド(3)と該サンプルホルダー(4)との間の相対運動が検出できる評価ユニット(12)であって、それにより、プローブ要素(10)のサンプルへの付着に関連するフォースプラトー(24)が検出できる、前記評価ユニットを備えた、サブマイクロニュートン範囲の力を検出するための装置であって、
    該プローブ要素(10)がキャリア(9)の両端から離れたキャリア上に配置され、さらに、
    少なくとも2つのプローブ要素(10)が伸張キャリア(9)上に配置されることにより特徴付けられる、上記装置。
  2. 多数のプローブ要素(10)が伸張キャリア(9)上に配置されることにより特徴付けられる、請求項1に記載の装置。
  3. プローブ要素(10)が単量体分子であることにより特徴付けられる、請求項1又は2に記載の装置。
  4. プローブ要素(10)が医薬剤又は色素であることにより特徴付けられる、請求項3に記載の装置。
  5. キャリアはプローブ要素(10)に結合可能であるキャリア高分子(9)であることにより特徴付けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. キャリア高分子(9)が予め決められた長さを有することにより特徴付けられる、請求項5に記載の装置。
  7. キャリア高分子(9)が生体高分子を基礎として作られたものであることにより特徴付けられる、請求項5又は6に記載の装置。
  8. キャリア高分子(9)は人工クモの糸、ポリペプチド、ポリ乳酸又はポリサッカライドを基礎として作られたものであることにより特徴付けられる、請求項7に記載の装置。
  9. 測定ヘッド(3)がポリエチレングリコールでコートされることにより特徴付けられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. プローブ要素(10)を提供する測定ヘッド(3)とサンプル(5)との間の距離が変化し、測定ヘッド(3)とサンプル(5)との間に働く付着力との関係が測定ヘッド(3)に取り付けられた伸張キャリア(9)に配置されたプローブ要素(10)の仲介により決定される、サブマイクロニュートン範囲の力を検出するための方法であって、
    伸張キャリア(9)の両端から離れた伸張キャリア(9)上に取り付けられたプローブ要素(10)を利用し、
    ここで、少なくとも2つのプローブ要素(10)が伸張キャリア(9)上に配置されており、さらに、
    プローブ要素(10)のサンプルへの付着と関連したフォースプラトー(24)が検出されることにより特徴付けられる、上記方法。
  11. 単量体プローブ分子(10)がプローブ要素として使用されることにより特徴付けられる、請求項10に記載の方法。
  12. プローブ要素(10)に結合可能であるキャリア高分子(9)をキャリアとして使用することにより特徴付けられる、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 予め決められた長さを持つキャリア(9)を使用することにより特徴付けられる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. キャリア(9)に関連するフォースプラトー(25)の長さを調査することにより特徴付けられる、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. プローブ要素(10)のフォースプラトー(24)のレベルとキャリア(9)のフォースプラトー(25)のレベルとの差異を評価することにより特徴付けられる、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
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