JP5133653B2 - デッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構 - Google Patents

デッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構 Download PDF

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Description

本発明は、扉に固定された錠ケースから進退するラッチの先端を扉開閉端から突出させて被係止体に係止することで扉を開扉規制するデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構に関し、例えば全面ガラス扉に取り付けられる面付錠に用いて好適なものである。
近年、ガラス素材の強度向上によって全面ガラス扉が多用されるようになってきている。全面ガラス扉は、例えばオフィスビルの玄関や店舗の入り口に設置される場合に、施錠装置を設ける必要がある。従来、この種の全面ガラス扉に施錠装置を設ける場合には、吊元金具や、上框、下框或いは中央部に付設した金属枠部に施錠装置を設けるのが一般的であった。ところが、施錠装置を設けるために金属枠部分を付設するのでは、折角の全面ガラス扉の意匠性を低下させることがあり、好ましくはこれら金属枠部分が設けられない方が良い。このような不具合を解消するものに、扉ガラス素材に直接穿設した取付穴を利用して、施錠装置のみを全面ガラス扉に取り付けた特許文献1のドア錠が提案されている。このドア錠によれば、全面ガラス扉に施錠装置を設けるための金属枠部を付設せずに、全面ガラス扉の開閉端にドア錠のみを取り付けでき、全面ガラス扉の意匠性を損ねず、見栄えを向上させることができた。
特表2002−523660号公報
上記した従来のドア錠は、扉ガラス素材に直接穿設した取付穴を利用して取付けできることから、金属枠部分を付設する場合に比べ、全面ガラス扉の意匠性を低下させずに済む。しかし、全面ガラスであることから、意匠性、デザイン性等を更に加味すると、その施錠装置の専有面積はできる限り小さいことが好ましい。このため、通常の施解錠機構のようにラッチボルトとデッドボルトの双方を設けることは装置のコンパクト化に不利となる。そこで、ラッチを後退規制してデッドボルトとして機能させるデッドボルト兼用ラッチ錠が考えられる。デッドボルトを不要とし、その分コンパクト化され、デザインの自由度が高まる。ところが、このようなデッドボルト兼用ラッチ錠では、例えば、閉扉途中など、ラッチが完全にストライク内に突出していないラッチ後退状態でサムターン等の施解錠操作部材が早期に施錠回転操作されると、ラッチが後退規制されないまま、施解錠操作部材のみが施錠方向へ回転されてしまう不完全施錠の発生する虞がある。このような不完全施錠となれば、扉面で視認される施解錠操作部材は施錠位置であるにもかかわず、内部機構ではラッチがデッドボルトとして働かず、防犯性能を得ることができない。また、ラッチがストライクに突出しない未復帰状態での早期施錠操作があると、機構部材を破損する虞もあった。その結果、デッドボルト兼用ラッチ錠の施錠信頼性を低下させた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ラッチが未復帰の未閉扉状態では施錠操作が行えないデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構を提供し、もって、不完全施錠を防止し、施錠信頼性の向上を図ることを目的とする。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のデッドボルト兼用ラッチ錠100の施錠回転規制機構は、扉11bの開閉に伴って進退されるラッチ25を、施解錠操作部材27の施錠回転操作で後退規制してデッドボルトとして機能させるデッドボルト兼用ラッチ錠100の施錠回転規制機構であって、
扉11bに設けられる錠ケース21bと、
該錠ケース21bに設けられ前記ラッチ25を突出方向に付勢する付勢手段69と、
前記施解錠操作部材27に連結され施錠方向の回転で該ラッチ25の後退を規制するクリックカム151と、
前記ラッチ25と前記クリックカム151に亘って設けられ、前記ラッチ25が後退する位置を干渉位置とし、該干渉位置に配置され前記クリックカム151の施錠方向の回転を阻止する施錠規制手段301と、
を具備するとともに、
前記施錠規制手段301が、
前記ラッチ25の進退方向後端303の前記クリックカム対向部に形成された干渉突起305と、
前記クリックカム151の外周に突設され、後退した前記ラッチ25の該干渉突起305に当接して該クリックカム151の施錠方向の回転を阻止する施錠回転規制突起307と、
からなることを特徴とする。
このデッドボルト兼用ラッチ錠100の施錠回転規制機構では、閉扉途中など、ラッチ25が完全にストライク65内に突出していない未閉扉状態で施解錠操作部材27が早期に施錠回転操作されると、施錠規制手段301を介して後退位置にあるラッチ25にクリックカム151が干渉し、クリックカム151の施錠方向の回転、すなわち施解錠操作部材の施錠回転操作が阻止される。そして、専用部材を新たに追加することなく、ラッチ25及びクリックカム151の形状変更のみにより、施錠規制手段301が構成される。
請求項2記載のデッドボルト兼用ラッチ錠100の施錠回転規制機構は、前記錠ケース21bから進退自在に設けられ開扉時に前記錠ケース21bから突出して前記クリックカム151の施錠回転を規制する位置に配置されるとともに、閉扉時に前記錠ケース21b内に後退して該クリックカム151の施錠回転規制を解除する位置に配置されるトリガー31を具備したことを特徴とする。
このデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構では、開扉時にはトリガー31が突出され、このトリガー31の突出によってクリックカム151の回動が規制される。したがって、通常の開扉時にはクリックカム151に連結される施解錠操作部材27の操作が不能となり、開扉時突出状態のラッチ25が無用なロック状態とならない。
本発明に係る請求項1記載のデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構によれば、ラッチを後退規制してデッドボルトとして機能させるデッドボルト兼用ラッチ錠において、ラッチを付勢手段によって錠ケースから突出方向に付勢し、ラッチの後退を規制するクリックカムを施解錠操作部材に連結し、ラッチの後退によって干渉位置に配置されクリックカムの施錠方向の回転を阻止する施錠規制手段をラッチとクリックカムに亘って設けたので、閉扉途中など、ラッチが完全にストライク内に突出していない未閉扉状態で施解錠操作部材が早期に施錠回転操作されると、施錠規制手段を介して後退位置にあるラッチにクリックカムが干渉し、クリックカムの施錠方向の回転が阻止される。これにより、ラッチが後退規制されないまま、施解錠操作部材が施錠方向へ回転されてしまう不完全施錠を防止できる。また、ラッチ未復帰状態での早期施錠操作による機構部材の破損も防止できる。この結果、デッドボルト兼用ラッチ錠の施錠信頼性を向上させることができる。
また、施錠規制手段を、ラッチの進退方向後端のクリックカム対向部に形成した干渉突起と、クリックカムの外周に突設され後退したラッチの干渉突起に当接してクリックカムの施錠方向の回転を阻止する施錠回転規制突起とにより構成したので、専用部材を新たに追加することなく、ラッチ及びクリックカムの形状変更のみにより、施錠規制手段を簡素に構成できる。
請求項2記載のデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構によれば、開扉時に突出してクリックカムの施錠回転を規制するとともに、閉扉時に後退してクリックカムの施錠回転規制を解除するトリガーを備えたので、開扉時にはトリガーが突出され、このトリガーの突出によってクリックカムの回動を規制する。したがって、開扉時には、クリックカムに連結される施解錠操作部材の操作が不能となり、突出状態のラッチが無用なロック状態となることを防止できる。この結果、後退規制されたラッチが衝接することによるストライクや扉、或いは錠機構の破損を未然に防止でき、安全性を向上させることができる。
以下、本発明に係るデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る施錠回転規制機構を備えたデッドボルト兼用ラッチ錠の室内側から視た斜視図、図2は図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠の取り付けられた全面ガラス扉を室外側から視た正面図、図3は図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠を室外側から視た斜視図である。
本実施の形態によるデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構は、開閉体である例えば両開きの全面ガラス扉に、面付錠の形態として好適に用いることができる。この他、当該施錠回転規制機構は、片開きの全面ガラス扉、両開き・片開きのスチール扉等に用いても好適なものである。本実施の形態では、当該施錠回転規制機構を備えた図1に示すデッドボルト兼用ラッチ錠(以下、単に「ラッチ錠」とも称す。)100が両開きの全面ガラス扉11(11a,11b)に設けられる例を説明する。
図2に示すように、建物開口の左右にはガラスパネル13,13が設けられ、ガラスパネル13,13は開口サッシ等に取付固定されている。ガラスパネル13,13に挟まれる出入口開口部には上記した一対の全面ガラス扉11a,11bがヒンジ15,15を介して開閉自在に支持され、全面ガラス扉11a,11bは一方向(本実施の形態では室内側)へ開放規制可能となる。
全面ガラス扉11a,11bは、例えば一方の全面ガラス扉11aが開閉規制され、他方の全面ガラス扉11bのみが開閉可能となる。この場合、一方の全面ガラス扉11aの開閉規制は、ヒンジ15等に設けられる開閉規制手段等によって可能となる。この状態で、他方の全面ガラス扉11bが一方の全面ガラス扉11aへ施錠されれば、一対の全面ガラス扉11a,11bの双方は、開閉規制された施錠状態となる。本実施の形態のラッチ錠100は、他方の全面ガラス扉11bを一方の全面ガラス扉11aへ施錠するように働く。
一方の全面ガラス扉11aには被係止体17が取り付けられ、被係止体17はラッチ錠100から突出する後述のデッドボルト兼用ラッチ(以下、単に、「ラッチ」とも称す。)の先端が進入され係止可能としている。つまり、一方の全面ガラス扉11aが固定されている状態で、他方の全面ガラス扉11bは、ラッチが被係止体17に係止することで、室内側(図2の紙面裏面側)への開放が規制される。
ラッチ錠100は、錠ケース21と、開閉操作部材であるレバーハンドル23A,23Bと、ラッチ25と、レバーハンドル23A,23Bに並設される施解錠操作部材としてのサムターン27と、施解錠操作部材としてのシリンダ錠29と、トリガー31とが外部に表出して設けられている。錠ケース21は、室外側ケース21aと室内側ケース21bとからなる。室外側ケース21aと室内側ケース21bとは、全面ガラス扉11bの扉開閉端32を挟持して取り付けられる。室外側ケース21aと室内側ケース21bとのそれぞれからは、先端にハンドル部33を形成したレバーハンドル23A,23Bの軸部35が扉面37に垂直な方向で突出している。
ラッチ錠100は、全面ガラス扉11bに固定された錠ケース21から進退するラッチ25の先端を扉開閉端32から突出させて、被係止体17に係止することで全面ガラス扉11bを施錠、すなわち開扉規制状態とする。レバーハンドル23A,23Bは、扉面37に垂直な方向で、全面ガラス扉11b及び錠ケース21を軸部35が貫通して回動自在となっている。ラッチ錠100は、レバーハンドル23A,23Bが用いられることで、開閉操作部材が例えば玉状握りハンドル等である場合に比べ、回動中心(軸部35の中心)から操作力の印加される作用点までの距離が大きく確保され、少ない回転操作力及び小さい回転角度で容易且つ確実に錠機構へ入力可能となっている。
図4は図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠の内部構成を表す正面図である。
室内側ケース21b内には開口53(図1参照)を介して軸部35が挿通され、軸部35にはカムボス55が外挿される。カムボス55の外周にはカム板41の貫通穴43が外挿される。カム板41は、後述する増幅揺動アーム77と連結アーム83とで連動機構部40を構成している。このカム板41は、板金材よりなる一対の板材を平行に折り曲げて形成される。また、カム板41には捩りバネ57が内設され、捩りバネ57はカム板41を図4の時計回りに付勢している。カム板41の外周には凹所を挟んで回転規制突起45とストッパ47とが形成され、回転規制突起45とストッパ47とはカム板41が正逆回転することで、室内側ケース21bの内壁49に立設された起立ピン51にそれぞれが当接してカム板41を所定角度範囲で回転規制する。また、起立ピン51には消音カラー63が外挿され、消音カラー63はカム板41との接触音を軽減する。
室内側ケース21bの上部には横方向に長い引込み杆(リトラクター)59が長手方向に往復動自在に収容される。引込み杆59の先端には連結ピン201を介してラッチ25が連結される。ラッチ25は、往動することで室内側ケース21bから進出して扉開閉端32から突出され、復動することにより室内側ケース21b内に後退する。ラッチ25は、扉開閉端32から突出した状態で、被係止体17の係止部(例えばストライク)65に係止する。これにより、全面ガラス扉11bは開扉規制されることとなる。
室内側ケース21bの内壁49には突出規制ピン67が立設され、突出規制ピン67はラッチ25の所定量以上の往動を規制する。突出規制ピン67には先端をラッチ25に当接した付勢手段である圧縮バネ69の後端が当接され、圧縮バネ69はラッチ25を突出方向へ付勢している。
室内側ケース21bの内壁49には揺動軸75が立設され、揺動軸75には、連動機構部40を構成する増幅揺動アーム77が外挿される。この増幅揺動アーム77は、基端が揺動軸75に回動自在に支持され、先端77aが係合ピン73を介して引込み杆59の長穴61に係合している。増幅揺動アーム77は、起立ピン92に掛けられた付勢バネ79で受け座94が押圧されて図4の時計回りに付勢されている。
カム板41には連結アーム83の基端が回動自在に固定され、連結アーム83の先端は増幅揺動アーム77に回動自在に固定されている。連結アーム83の基端とカム板41とは連結ピン93によって連結され、連結アーム83の先端と増幅揺動アーム77とは、連結穴91に嵌入される連結ピン95によって連結される。
したがって、レバーハンドル23A,23Bに図5の反時計回りの回転力が入力されると、その回転がカム板41、連結アーム83、増幅揺動アーム77に伝達され、係合ピン73に係合する長穴61を介し、引込み杆59がラッチ25を図4の左方に移動、すなわち、室内側ケース21b内に引き込む。
ラッチ錠100では、カム板41からの回転力を、連結アーム83と増幅揺動アーム77とを介して引込み杆59へ伝達することで、カム板41と連結アーム83との固定部、すなわち、連結ピン93の回転距離が、ラッチ25のケース内後退方向の距離よりも小さく構成される。つまり、ラッチ25の早戻し機構が構成されている。
この早戻し機構は、連結アーム83の基端をカム板41の回転半径外側に固定するとともに、連結アーム83の先端を増幅揺動アーム77の回動半径、すなわち増幅揺動アーム77自体の長さの略中央部と揺動軸75との間の当該増幅揺動アーム77に固定することで構成される。
この早戻し機構では、連結アーム83の基端がカム板41の回転半径外側に固定されることで、レバーハンドル23A,23Bの回転から大きな回転入力距離が取り出せる。また、回転入力距離が増幅揺動アーム77の揺動軸75側に入力されることで、回転入力距離が増幅され、増幅揺動アーム77のラッチ後退作動距離に変換される。この結果、少ないレバーハンドル23A,23Bの回転角度でラッチ25を後退操作する。通常のレバーハンドルが45°程度の開閉操作角度が必要となるのに対し、本構成では、23°程度の開閉操作角度の入力でラッチ25の十分な後退を実現している。
また、ラッチ錠100では、揺動軸75を、カム板41と扉開閉端32との間に配設している。これにより、カム板41と扉開閉端32との間で往復作動するラッチ25の収容空間に並設して増幅揺動アーム77が配設可能となり、カム板41と扉開閉端32との間のラッチ収容空間が有効利用される。したがって、カム板41を挟んで反対側に増幅揺動アーム77が配置される場合に比べ、室内側ケース21b内における構成部材の高密度配置が可能となる。この結果、カム板41の反対側に増幅揺動アーム77を設ける構成に比べ、錠ケース21をコンパクト化している。
室内側ケース21bの内壁49にはサムターン軸71が貫通されている。サムターン軸71には相対回転不能に筒状部材のクリックカム151が設けられ、クリックカム151はサムターン27の施解錠回転操作に従動して一体に回動される。なお、サムターン軸71にはシリンダ錠29の回動体も連結され、クリックカム151はシリンダ錠29による施解錠操作によっても一体に回動される。クリックカム151の外周近傍には後述のロックカム165が配置される。クリックカム151及びサムターン軸71の配置位置は、ラッチ25と互いに近接した配置位置とされ、また、連動機構部40を構成する増幅揺動アーム77に干渉しない位置とされ、錠ケース21内の無駄な空間をできるだけ少なく配置構成されている。
クリックカム151の外周には突片が突設され、この突片にはクリックバー159がピン157aを介して連結される。クリックバー159の先端にはクリックバー受け161が外挿され、クリックバー受け161は基端が内壁49に固定されている。クリックバー159の基端とクリックバー受け161との間にはクリックバネ163が外挿され、クリックバネ163はクリックバー159を介してクリックカム151に正逆方向の回転モーメントを付与する。これにより、クリックカム151は、図4に示す解錠位置と図6に示す施錠位置とにクリック感を生じさせて節度的に回動配置される。
クリックカム151近傍の内壁49にはロックカム165が設けられ、ロックカム165は内壁49に立設された支持ピン169に長穴165aを係合させて上下方向へスライド自在となっている。ロックカム165の上端には規制片165bが折曲形成され、規制片165bはクリックカム151の施錠方向の回転に押圧されてロックカム165を押し上げる。ロックカム165は、クリックカム151の回転に伴い押し上げられることにより、規制片165bがラッチ25の切欠部26に当接して、ラッチ25の後退を阻止する。つまり、ラッチ25が施錠用閂であるデッドボルトとして働くようになっている。なお、ロックカム165は、図示しないバネなどの付勢部材により、常に下方向に付勢され。クリックカム151の回転が解錠方向となると、その付勢力で初期位置に復帰する。
トリガー31にはトリガープレート171が設けられ、トリガープレート171はトリガーガイド175によって室内側ケース21bにスライド自在に固定される。トリガープレート171にはトリガーバネ179が外挿され、トリガーバネ179はトリガー31を突出方向に付勢する。トリガープレート171の後部にはストッパ突起171aが起立し、ストッパ突起171aはトリガー31が突出した状態でトリガー当接突起155に当接してクリックカム151の回動を規制する(図10参照)。したがって、開扉時には、クリックカム151に連結されるシリンダ錠29やサムターン27の操作が不能となり、突出状態のラッチ25が無用なロック状態となることを防止している。この結果、後退規制されたラッチ25が衝接することによるストライク65や全面ガラス扉11a,11b、或いは錠機構の破損を未然に防止し、安全性を向上させている。
室内側ケース21bにはラッチ25の進退方向に長尺なロックブロック181が設けられ、ロックブロック181は長手方向に移動することで、ラッチ25の進退方向と平行にスライド自在となっている。
ロックブロック181の後端と室内側ケース21bとの間には圧縮バネ187が配設され、圧縮バネ187はロックブロック181をラッチ25の突出方向に付勢する。ロックブロック181の先端には解錠回転位置(図4の回転位置)のクリックカム151の規制突起189が当接され、規制突起189は圧縮バネ187を圧縮する方向にロックブロック181を押圧している。一方、クリックカム151が施錠のために反時計回りに回転されると、ロックブロック181は、圧縮バネ187によって右方へスライドされ(図6参照)、後端部がカム板41の当接部191に当接するようになっている。カム板41は、当接部191にロックブロック181が当接することで、回動が阻止される。つまり、ロックブロック181は、クリックカム151の施錠位置への回転に従動して、カム板41の回転を規制する位置へ配置されるようになっている。このレバーハンドル23A,23Bの回転不能状態により、施錠確認が容易となる。
図5は図4に示したラッチ及びクリックカムの分解斜視図である。
ラッチ錠100は全面ガラス扉11bの開閉に伴って進退されるラッチ25を、施解錠操作部材であるサムターン27やシリンダ錠29の施錠回転操作で後退規制し、デッドボルトとして機能させる。ラッチ25は、サムターン27等に連結されるクリックカム151によって後退規制される。このクリックカム151とラッチ25とには、両者に亘って施錠規制手段301が設けられている。この施錠規制手段301は、ラッチ25の後退によって、相互干渉する位置に配置され、クリックカム151の施錠方向の回転を阻止する。
本実施の形態において、施錠規制手段301は、ラッチ25の進退方向後端303のクリックカム対向部に形成された干渉突起305と、クリックカム151の外周に突設され後退したラッチ25のこの干渉突起305に当接してクリックカム151の施錠方向の回転を阻止する施錠回転規制突起307とからなる。施錠回転規制突起307は、第1突起307aと、第2突起307bからなるが、一体形成されてもよい。
施錠規制手段301は、ラッチ25に形成した干渉突起305と、クリックカム151の外周に突設した施錠回転規制突起307とで構成することにより、専用部材を新たに追加することなく、ラッチ25及びクリックカム151の形状変更のみにより、簡素に構成されている。
次に、上記した施錠回転規制機構の作用を説明する。
図6は図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠の閉扉施錠状態における内部構成を表す正面図、図7は閉扉状態における開閉操作部材回転(開放操作)時の内部構成を表す正面図である。
図4に示すように、ラッチ錠100は、全面ガラス扉11bの閉止状態において、ラッチ25が扉開閉端32から突出され、ストライク65に係止して、全面ガラス扉11bを開扉規制状態とする。また、トリガー31は、室内側ケース21b内に後退された状態となる。
ラッチ錠100は、閉扉状態において、施解錠操作部材であるサムターン27等が操作されて図6に示すようにクリックカム151が施錠位置となると、このクリックカム151の回転に従動してロックカム165がラッチ25の移動方向に直交してスライドし、規制片165bが切欠部26の後退位置に配置され、ラッチ25の後退を阻止する。これによりラッチ25がデッドボルトとして働くようになる。すなわち、デッドボルトを必要としない少ない部材で施解錠機構を構成している。
サムターン27等が操作されることで、クリックカム151が施錠位置へ回転されると、ロックブロック181が、カム板41の回転を規制する位置へ移動し、カム板41の回転、すなわち、レバーハンドル23A,23Bの回転を規制する。これにより、施錠状態ではレバーハンドル23A,23Bを回転不能とすることで、容易に施錠状態であることが分かるようになる。
図7に示すように、サムターン27等の操作により解錠がなされ、全面ガラス扉11bの開扉操作のためにレバーハンドル23A,23Bが半時計回りに回転されると、連動機構部40のカム板41が同方向へ回転され、カム板41に連結アーム83を介して連結された増幅揺動アーム77も同方向へ回転される。増幅揺動アーム77が半時計回りに回転されることで、増幅揺動アーム77の係合ピン73が引込み杆59の長穴61を左方へ押圧し、ラッチ25が室内側ケース21b内へ引き込まれることとなる。
これにより、ラッチ25がストライク65から外れ、全面ガラス扉11bの開扉規制状態が解除される。全面ガラス扉11bが開放され、レバーハンドル23A,23Bへの開扉操作力が消失すると、カム板41が捩りバネ57によって時計回りに回転され、ストッパ47が起立ピン51に当接してカム板41の回転が停止する。また、ラッチ25も圧縮バネ69によって右方へ移動され、突出規制ピン67に当接して所定量以上の突出が規制される。この状態でトリガー31も突出される(図10参照)。
トリガー31が突出すると、ストッパ突起171aがクリックカム151の回動を規制する。したがって、開扉時にはクリックカム151に連結されるサムターン27や、シリンダ錠29の操作が不能となり、デッドボルトとして働くラッチ25の、開扉時における無用なロック状態での突出が規制される。これにより、全面ガラス扉11bが閉められれば、ラッチ25は常に室内側ケース21b内へと後退することとなる。
図8は閉扉直前のラッチ後退途中のストライク及びデッドボルト兼用ラッチ錠の概略水平断面図、図9は図8の状態におけるデッドボルト兼用ラッチ錠の内部構成を表す正面図、図10は図9に示したラッチ及びクリックカムの要部拡大図である。
一方、図8,図9に示すように、閉扉途中など、ラッチ25が完全にストライク65内に突出していない未閉扉状態で、サムターン27やシリンダ錠29が早期に施錠回転操作されると、施錠規制手段301を介して後退位置にあるラッチ25にクリックカム151が干渉する。
すなわち、図10に示すように、クリックカム151の施錠回転規制突起307の上方に、ラッチ後部の干渉突起305が配置される。この状態でクリックカム151が施錠方向(反時計回り)に回転されれば、施錠回転規制突起307が干渉突起305に当接し、クリックカム151の施錠方向の回転が阻止される。ラッチ25は、後部が施錠回転規制突起307によって上方へ押圧されるが、上面が室内側ケース21bの天面に接しているため、押し上げられることはない。
このように、本実施の形態による施錠回転規制機構によれば、ラッチ25を後退規制してデッドボルトとして機能させるデッドボルト兼用ラッチ錠100において、ラッチ25を圧縮バネ69によって室内側ケース21bから突出方向に付勢し、ラッチ25の後退を規制するクリックカム151をシリンダ錠29、サムターン27に連結し、ラッチ25の後退によって干渉位置に配置されクリックカム151の施錠方向の回転を阻止する施錠規制手段301をラッチ25とクリックカム151に亘って設けたので、閉扉途中など、ラッチ25が完全にストライク65内に突出していない未閉扉状態でサムターン27等が早期に施錠回転操作されると、施錠規制手段301を介して後退位置にあるラッチ25にクリックカム151が干渉し、クリックカム151の施錠方向の回転が阻止される。
これにより、ラッチ25が後退規制されないまま、サムターン27等が施錠方向へ回転されてしまう不完全施錠を防止できる。また、ラッチ未復帰状態での早期施錠操作による機構部材の破損も防止できる。この結果、デッドボルト兼用ラッチ錠100の施錠信頼性を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、開閉操作部材がレバーハンドル23A,23Bである場合を例に説明したが、本発明に係る施錠回転規制機構は、開閉操作部材が玉状握りハンドル、所謂ノブであっても勿論よく、或いは、異形の操作部材としてもよく、いずれも、操作時における回転角度が少なく構成でき、操作部材として狭小範囲内への設置なども可能となる。そして、上記したレバーハンドル23A,23Bを含め、操作者の操作範囲を小さくすることができるものであり、開閉操作の動作が大きくとれない者であっても開閉操作を行うことができるものである。
また、上記の実施の形態では、ラッチ錠100が、両開きの全面ガラス扉11に設けられる場合を例に説明したが、本発明に係るデッドボルト兼用ラッチ錠は、片開きの全面ガラス扉、両開き・片開きのスチール扉、或いは、木製扉等に用いられても勿論よく、錠装置として小型な構造であることから、小型な扉にも対応可能であり、且つその種々の素材の扉の意匠性に大きな影響を与えることなく、良好な錠装置を構成させることが可能となる。
本発明に係る施錠回転規制機構を備えたデッドボルト兼用ラッチ錠の室内側から視た斜視図である。 図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠の取り付けられた全面ガラス扉を室外側から視た正面図である。 図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠を室外側から視た斜視図である。 図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠の内部構成を表す正面図である。 図4に示したラッチ及びクリックカムの分解斜視図である。 図1に示したデッドボルト兼用ラッチ錠の閉扉施錠状態における内部構成を表す正面図である。 閉扉状態における開閉操作部材回転(開放操作)時の内部構成を表す正面図である。 閉扉直前のラッチ後退途中のストライク及びデッドボルト兼用ラッチ錠の概略水平断面図である。 図8の状態におけるデッドボルト兼用ラッチ錠の内部構成を表す正面図である。 図9に示したラッチ及びクリックカムの要部拡大図である。
11…扉(全面ガラス扉)
21…錠ケース
25…ラッチ
27…施解錠操作部材(サムターン)
29…施解錠操作部材(シリンダ錠)
31…トリガー
69…付勢手段(圧縮バネ)
100…デッドボルト兼用ラッチ錠(ラッチ錠)
151…クリックカム
301…施錠規制手段
303…ラッチの進退方向後端
305…干渉突起
307…施錠回転規制突起

Claims (2)

  1. 扉の開閉に伴って進退されるラッチを、施解錠操作部材の施錠回転操作で後退規制してデッドボルトとして機能させるデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構であって、
    扉に設けられる錠ケースと、
    該錠ケースに設けられ前記ラッチを突出方向に付勢する付勢手段と、
    前記施解錠操作部材に連結され施錠方向の回転で該ラッチの後退を規制するクリックカムと、
    前記ラッチと前記クリックカムに亘って設けられ、前記ラッチが後退する位置を干渉位置とし、該干渉位置に配置され前記クリックカムの施錠方向の回転を阻止する施錠規制手段と、
    を具備するとともに、
    前記施錠規制手段が、
    前記ラッチの進退方向後端の前記クリックカム対向部に形成された干渉突起と、
    前記クリックカムの外周に突設され、後退した前記ラッチの該干渉突起に当接して該クリックカムの施錠方向の回転を阻止する施錠回転規制突起と、
    からなることを特徴とするデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構。
  2. 前記錠ケースから進退自在に設けられ開扉時に前記錠ケースから突出して前記クリックカムの施錠回転を規制する位置に配置されるとともに、閉扉時に前記錠ケース内に後退して該クリックカムの施錠回転規制を解除する位置に配置されるトリガーを具備したことを特徴とする請求項1記載のデッドボルト兼用ラッチ錠の施錠回転規制機構。
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