JP5133395B2 - 不整地走行用の鞍乗り型車両用ドライブシャフトおよびそれに用いるアンダーカットフリー型等速自在継手の製造方法 - Google Patents

不整地走行用の鞍乗り型車両用ドライブシャフトおよびそれに用いるアンダーカットフリー型等速自在継手の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は不整地走行用の鞍乗り型車両(All Terrain Vehicle:四輪バギー車とも呼ばれる。以下、略してATVという)用のドライブシャフトおよびそれに用いるアンダーカットフリー型等速自在継手の製造方法に関する。
ATVは不整地走行用の四輪ないし三輪の鞍乗り型車両であって、バルーンタイヤを装備して荒れ地や砂地などの不整地を自在に走破可能にされている。このATVの動力伝達装置は、たとえば図4に概念的に示すように、エンジン21の動力が内部の変速機構を経てフロント側およびリヤ側の出力軸から出力され、チェーンまたはプロペラシャフト等の動力伝達手段22,23を介してフロント側とリヤ側のディファレンシャル24,25に入力される。そして、ディファレンシャル24,25に入力されたエンジン動力は、ディファレンシャル24,25の機構によって減速され、さらに直角方向の回転動力に変換され、ドライブシャフト26,27を介して前輪28,後輪29に伝達される。同図に示す例では、フロント側ドライブシャフト26とディファレンシャル24との連結部Aおよび前輪28との連結部Bにそれぞれ等速自在継手を用いている。なお、リヤ側ドライブシャフト27とディファレンシャル25との連結部Cおよび後輪29との連結部Dにそれぞれ等速自在継手を用いる場合もある。また、動力伝達手段22,23としてプロペラシャフトを用いる場合は、プロペラシャフトとエンジン(変速機構)21の出力軸との連結部E,F、ディファレンシャル24,25との連結部G,Hにそれぞれ等速自在継手を用いる場合もある。
図5はフロント側のドライブシャフト26を示している。コーナリング走行時や不整地走行時等における前輪28の動きに追随して、ドライブシャフト26が角度変位および軸方向変位できるように、ドライブシャフト26の連結には摺動式等速自在継手30と、固定式等速自在継手31を対にして使用する。ここで、固定式等速自在継手とは二軸間の角度変位だけを許容する等速自在継手をいい、摺動式等速自在継手とは二軸間の角度変位だけでなく軸方向変位(プランジング)をも許容する等速自在継手をいう。同図に示す例では、ドライブシャフト26のインボード側を摺動式等速自在継手(ダブルオフセット型等速自在継手、以下、「DOJ」と称する。)30を介してディファレンシャル24に連結し(連結部A)、ドライブシャフト26のアウトボード側を固定式等速自在継手(ツェッパ型等速自在継手:ボールフィクストジョイント、以下、「BJ」と称する。)31を介して車輪28に連結している(連結部B)。
従来、上記DOJやBJとして乗用車用のものをそのまま転用して使用する場合が多い
特開2001−97063号公報(図6、図7)
ATVでは車体重量制限が厳しいため、そのドライブシャフトにおいてもさらに軽量化、コンパクト化が要求されている。また、ATVは小型で、車幅が狭く、車高が高いため、ドライブシャフトに装備される等速自在継手の常時使用作動角が乗用車用の概ね二倍にも達する。そのため、乗用車仕様では使用条件等によって等速自在継手の作動安定性が害されるおそれがある。さらに、ATV用等速自在継手では、市場実績や保証期間等との兼ね合いで耐久性(寿命)は乗用車等の約1/2で足りることから、乗用車仕様のままでは過剰品質の感がある。使用回転数についても、車速との兼ね合いから乗用車仕様の約1/2で足り、同様のことがいえる。その一方、捩り強度等の強度面では乗用車仕様と同程度のものが要求される。
この発明の主要な目的は、上記ATVに特有の事情を加味し、低廉に製造できるATV用ドライブシャフトを提供することにある。
この発明は、内輪と外輪とのトラックすきまを大きくとりマッチングを廃止することによって課題を解決したものである。すなわち、この発明は、不整地走行用の鞍乗り型車両に装備され、インボード側のダブルオフセット型等速自在継手およびアウトボード側のアンダーカットフリー型等速自在継手を介して駆動力を車輪に伝達するドライブシャフトにおける前記アンダーカットフリー型等速自在継手を製造する方法であって、
前記アンダーカットフリー型等速自在継手は、球面状外周面にトラック溝を形成した内輪と、球面状内周面にトラック溝を形成した外輪と、対をなす前記内輪のトラック溝と前記外輪のトラック溝との間に組み込んだボールと、前記ボールを保持するためのポケットを有するケージを具備し、前記ケージの球面状内周面と前記内輪の球面状外周面とは軸方向両端部のみで接触し、前記ケージの球面状外周面と前記外輪の球面状内周面とは軸方向両端部のみで接触し、トラックすきまの上限を200μmとし、
前記アンダーカットフリー型等速自在継手を構成する外輪は、鍛造、旋削、セレーション、ねじ転造、高周波焼入れ、球面研削といった加工工程を経て製造し、内輪は、鍛造、旋削、セレーションブローチ、浸炭焼入れ、球面研削といった加工工程を経て製造し、対となるべき前記外輪と前記内輪のペアを決定するマッチングを廃止したことを特徴とする。
また、この発明は、不整地走行用の鞍乗り型車両に装備され、インボード側およびアウトボード側の等速自在継手を介して駆動力を車輪に伝達するドライブシャフトにおいて、インボード側にダブルオフセット型等速自在継手を、アウトボード側にアンダーカットフリー型等速自在継手を使用し、前記アンダーカットフリー型等速自在継手は、球面状外周面にトラック溝を形成した内輪と、球面状内周面にトラック溝を形成した外輪と、対をなす内輪のトラック溝と外輪のトラック溝との間に組み込んだボールと、ボールを保持するためのポケットを有するケージを具備し、前記ケージの球面状内周面と前記内輪の球面状外周面とは軸方向両端部のみで接触し、前記ケージの球面状外周面と前記外輪の球面状内周面とは軸方向両端部のみで接触し、トラックすきまの上限を200μmとし、前記内輪および前記外輪は請求項1の方法により製造したものであることを特徴とするものである。
ここに、トラックすきまとは、外輪のトラック溝のPCDと内輪のトラック溝のPCDとの差をいう。トラックすきまは外輪と内輪の組み付けを可能ならしめるために設けられるが、従来、トラックすきまはできるだけ小さく抑えられていた。そのため、外輪と内輪のトラック溝のPCDを測定し、それぞれ20μm程度の幅でランク分けし、複数の外輪と内輪の組み合わせの中から、トラックすきまがUJの場合20μm〜60μm程度、DOJの場合20μm〜80μm程度になるように、対となるべき外輪と内輪のペアを決定するというマッチング操作が必要であった。このときの内外輪トラック溝は冷間鍛造仕上げである。
たとえば、従来のUJの場合、外輪は、鍛造→旋削→セレーション、ねじ転造→高周波焼入れ→マッチング→球面研削、といった加工工程がとられていた。また、内輪は、鍛造→旋削→セレーションブローチ→浸炭焼入れ→球面研削→タンブラー→マッチング、といった加工工程を経て製造されていた。
これに対し、この発明によれば、ATV用ドライブシャフトに用いるUJは、外輪は、鍛造→旋削→セレーション、ねじ転造→高周波焼入れ→球面研削、といった加工工程を経て製造され、マッチングが不要となる。また、内輪は、鍛造→旋削→セレーションブローチ→浸炭焼入れ→球面研削、といった加工工程を経て製造され、ここでもマッチングが不要で、タンブラーも廃止できる。なお、タンブラー加工は、内輪、保持器の最終工程に入れ、エッジ部のバリ取りを行うものであることから、このタンブラー加工を廃止することにより、ジョイント作動中にエッジ部のバリが取れて転走面にかみこみ、耐久性や作動性が低下するおそれがある。しかしながら、耐久性の低下はある程度許容できることや、マッチング廃止により、トラックすきまを充分確保していることから、バリかみこみの影響も少ないと考えられる。
したがって、トラック溝を冷間鍛造で仕上げた外輪、内輪をそのまま、マッチングを行うことなく、使用することができる。ちなみに、PCDは、任意の軸方向位置、通常はジョイントセンタ付近の軸垂直断面におけるPCDを専用測定器を用いて測定する。トラック溝は鍛造仕上げであるため、軸方向位置によってPCDの測定値は多少ばらつく。
トラックすきまは20μmを越え200μm以下の範囲とするのが好ましい。トラックすきまの下限値を0.020mmとした根拠は次のとおりである。トラック溝が冷間鍛造仕上げであるため、低コストではあるが、研削加工に比べてトラックの形状精度が若干劣る。具体的には、PCD寸法のばらつき精度や、PCD形状の軸方向の精度(うねり)が劣る。トラック溝を研削仕上げすれば、PCDすきまの下限値を5μm程度まで絞れるが、工程能力を考慮すると20μmが限度である。これ以上下限値を詰めると、ボールの組み込み性や作動性が悪化する。
トラックすきまの上限値を0.2mmとした根拠は次のとおりである。従来のUJでは、外内輪のトラック共に、PCDの選別を20μm幅としており、このことから、従来のトラックすきま上限値は、下限値+外内輪PCD最大すきま(20+20)=60μmとなる。同様に、従来のDOJの場合は、外輪トラックのPCD選別幅を20μmで、内輪トラックのPCD選別幅を40μmとしており、UJと同様の考え方から、上限値は80μmとしていた。本発明では、DOJの場合、現行PCDランクの最大すきまを上限値としている。具体的には、外輪のPCDランク最大値である+75μmと、内輪のPCDランク最小値である−125μmとの差となり、結果的に200μm(0.2mm)となる。すなわち、このトラックすきまは、現行のマッチングランクの上下限品を組み合わせたときの値となり、このトラックすきまが許容できれば、マッチングは廃止できることになる。同様の考え方でUJについて検討すると、外輪最大値が+76μmで内輪最小値が−98μmとなり、両者の和は174μmであるため、上記上限値200μm内に収まっている。なお、上限値は工程能力を加味して検討しても十分量産性があるため、これ以上広げる必要がないことから、この上限値での耐久評価および異音評価を実施し、問題のないことを確認して採用した。
上に述べたところから明らかなように、本発明によれば、外輪と内輪のマッチングを廃止できるため、低廉に製造できるATV用ドライブシャフトを提供することができる。
本発明の実施の形態を示すATV用ドライブシャフトの縦断面図である。 図1のドライブシャフトにおけるUJの縦断面図である。 図1のドライブシャフトにおけるDOJの縦断面図である。 ATVの動力伝達装置の概念図である。 従来のATV用ドライブシャフトの縦断面図である。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。
ATV用ドライブシャフトは、図1に示すように、アウトボード側の等速自在継手J1と、インボード側の等速自在継手J2と、両継手J1,J2を結合する中間軸1とで構成される。アウトボード側の等速自在継手J1は車輪と結合され、インボード側の等速自在継手J2はディファレンシャルと結合される(図4参照)。
アウトボード側の等速自在継手J1はアンダーカットフリー型等速自在継手(UJ)で構成される。図2は、アンダーカットフリー型等速自在継手の作動角θが0°の時の状態を例示している。この等速自在継手J1は、球面状の内周面2aに複数(6本または8本)の底部湾曲状のトラック溝3が軸方向に形成された外側継手部材2(外輪)と、球面状の外周面4aに複数(6本または8本)の底部湾曲状のトラック溝5が軸方向に形成された内側継手部材4(内輪)と、両継手部材2、4の対向するトラック溝3、5により形成される各ボールトラックにそれぞれ配された複数(6個または8個)のトルク伝達ボール6と、両継手部材2、4の相互間に介在し且つ各トルク伝達ボール6をそれぞれ複数の窓形のポケット7に収納保持する保持器8(ケージ)とを備える。そして、内側継手部材4の内周にセレーション4c(またはスプライン)を介してドライブシャフトの中間軸1(図1参照)が結合されると共に、外側継手部材2のステム部2xにホイール側部材が結合される。
図2に示すように、外側継手部材2のトラック溝3と内側継手部材4のトラック溝5とから形成されるボールトラックは、インボード側(同図右側)が広く、アウトボード側(同図左側)に向かって漸次縮小した形状(くさび形状)を呈している。この場合、外側継手部材2のトラック溝3のインボード側部位と、内側継手部材4のトラック溝5のアウトボード側部位とには、それぞれ縦断面において溝底が直線状のストレート部2b、4bが形成されており、このストレート部2b、4bの存在により、最大作動角が、従来の乗用車用BJの最大作動角(46.5°)よりも大きい50°に設定されている。
上記保持器8の内周側の球面8bの中心Odは、継手中心Oから軸方向に沿ってアウトボード側に距離Lcだけオフセットしており、この内周側の球面8bの中心Odとトルク伝達ボール6の中心Qと継手中心Oとのなす∠OdQOからなるケージオフセット角φc、つまり保持器8の内球面8bのオフセット角は、0°を超え且つ1°未満(好ましくは、0.5°〜0.8°、この実施形態では、0.7°)に設定されている。また、保持器8の外周側の球面8aの中心Ocは、継手中心Oから軸方向に沿ってインボード側に上記と等距離Lcだけオフセットしており、この外周側の球面8aの中心Ocとトルク伝達ボール6の中心Qと継手中心Oとのなす∠OcQOからなるケージオフセット角も、上記と同様に、0°を超え且つ1°未満(好ましくは、0.5°〜0.8°、この実施形態では、0.7°)に設定されている。尚、図示しないが、外側継手部材2の球面状の内周面2aの径、及び保持器8の内周側の球面8bの径は、それぞれ軸方向中央部よりも両端部が小さくされているのに対して、保持器8の外周側の球面8aの径、及び内側継手部材4の球面状の外周面4aの径は、それぞれ軸方向中央部よりも両端部が大きくされている。これにより、外側継手部材2の内周面2aと保持器8の外球面8aとは軸方向両端部のみで接触し、また保持器8の内球面8bと内側継手部材4の外周面4aとについても軸方向両端部のみで接触している。
一方、上記外側継手部材2のトラック溝3の中心Oaは、継手中心Oから軸方向に沿ってインボード側に距離Laだけオフセットしており、この外側継手部材2のトラック溝3の中心Oaとトルク伝達ボール6の中心Qと継手中心Oとのなす∠OaQOからなるトータルオフセット角φaから、外側継手部材2のトラックオフセット角はφa−φcとなり、この外側継手部材2のトラック溝3のオフセット角は、4°〜6°(この実施形態で5°)に設定されている。また、上記内側継手部材4のトラック溝5の中心Obは、継手中心Oから軸方向に沿ってアウトボード側に上記と等距離Laだけオフセットしており、この内側継手部材4のトラック溝5の中心Obとトルク伝達ボール6の中心Qと継手中心Oとのなす∠ObQOからなるトータルオフセット角から求めた内側継手部材4のトラックオフセット角も、上記と同様に、4°〜6°(この実施形態では5°)に設定されている。
上記保持器8のアウトボード側の端部における開口部8xの径Dxは、インボード側の端部における開口部8yの径Dyよりも大きく設定され、アウトボード側の開口部8xを通じて内側継手部材4が保持器8の内部に挿脱される構成とされている。この場合、インボード側の開口部8yの径Dyは、内側継手部材4が保持器8の内部に挿脱不能な程度に小さく設定されている。
詳述すると、保持器8の外周面8aは、略全域(軸方向両端の面取り部を除く領域)が球面とされているのに対して、その内周面8bは、軸方向中央領域(ポケット7の軸方向幅と同等またはそれよりも僅かに広い領域)が球面8b1とされ、この球面8b1に連続する面は、アウトボード側では円筒面8b2とされ、インボード側では球面8b3とされている。この場合、アウトボード側の円筒面8b2は、その端縁まで略同径で連続して延びているのに対して、インボード側の球面8b3の更にインボード側には、上記アウトボード側の円筒面8b2よりも小径で且つ軸方向幅の小さな円筒面8b4が連続して形成されている。
従って、保持器8の肉厚は、軸方向中央領域からアウトボード側に向かって移行するに連れて漸次減少するのに対して、軸方向中央領域からインボード側に向かって所定寸法移行するまでの間はケージオフセットに起因して漸次増大している。換言すれば、保持器8の軸方向中央領域よりもインボード側部位の平均肉厚は、アウトボード側部位の平均肉厚よりも大きくなるように設定されている。更に、保持器8の内周面8bと、内側継手部材4の外周面4aとの接触面積は、インボード側よりもアウトボード側の方が狭くなるように設定されている。これに伴って、保持器8の内周面8bにおけるポケット7の軸方向両側と、内側継手部材4の外周面4aとの接触面積は、アウトボード側が極めて狭いのに対して、インボード側はそれよりも広くなるように設定されている。
また、保持器8のインボード側の端部は、外側継手部材2のインボード側の端部から突出しており、これにより保持器8の軸方向幅は、相対的に長尺とされている。更に、保持器8の周方向に等間隔で形成されている複数のポケット7は、全てが同一の大きさ(軸方向幅及び周方向長さが同一)に設定されている。
インボード側の等速自在継手J2は、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)で構成される。DOJは、図3に示すように、円筒状の内周面12aに複数(たとえば6本)の直線状のトラック溝12bを軸方向に形成した外輪(外側部材)12と、球面状の外周面13aに複数(たとえば6本)の直線状のトラック溝13bを軸方向に形成した内輪(内側部材)13と、外輪12のトラック溝12bと内輪13のトラック溝13bとの協働で形成されるボールトラックに配された複数(たとえば6個)のトルク伝達ボール14と、トルク伝達ボール14を保持する保持器(ケージ)15とで構成される。外輪12のステム部12cがディファレンシャルに結合され、内輪13の内周に上記中間軸1がセレーション等を介して結合される。
保持器15は、外輪12の内周面12aに接触案内される外球面15aと、内輪13の外周面13aに接触案内されるうち内球面15bと、トルク伝達ボール14を収容する複数(たとえば6個)のポケット15cを備えた環体である。外球面15aの球面中心OCOと内球面15bの球面中心OCIとは、それぞれ継手中心Oに対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットさせてある。
この継手が作動角をとりつつトルクを伝達する際、保持器15は、内輪13の傾きに応じてボールトラック上を移動するトルク伝達ボール15の位置まで回転し、トルク伝達ボール14を作動角の角度二等分面に保持する。これにより、継手の等速性が確保される。また、外輪12と内輪13とが軸方向に相対移動すると、保持器15の外球面15aと外輪12の内周面12aとの間で滑りが生じ、円滑な軸方向移動(プランジング)を可能にする。
インボード側に配置されるDOJの許容最大作動角は、アウトボード側の等速自在継手(UJ)のそれよりも小さく、たとえば30.5°に設定される。
上記DOJにおいては、保持器外球面15aの球面中心OCO、ボール中心Q、継手中心Oで形成されるケージオフセット角φc(∠OCOQOまたは∠OCIQO)は7°≦φc<9°に設定される。このケージオフセット角φcは、従来の乗用車仕様DOJでは9°以上とされていたが、ここでは軽量化、コンパクト化を図るため従来より小さく設定したものである。このようにケージオフセット角φcを小さくしても、耐久性を乗用車仕様の70%程度に設定するのであれば、内外輪のトラック溝深さを浅くすることができ、これにより保持器15の肉厚を厚くすることができるので、許容最大作動角をとった際の保持器ポケット15cからのボール14の飛び出しを確実に防止することができる。
上述のアウトボード側等速自在継手J1(UJ)およびインボード側等速自在継手J2(DOJ)において、外輪のPCDと内輪のPCDの差すなわちトラックすきまは20〜200μmの範囲に設定してある。なお、図2では、便宜上、外輪2のトラック溝2bのPCDと内輪4のトラック溝3bのPCDが同一であるように図示してある。したがって、トラック溝を冷間鍛造で仕上げた外輪、内輪をそのまま、マッチングを行うことなく、使用することができる。具体的には、UJの場合を例にとると、外輪は、鍛造→旋削→セレーション、ねじ転造→高周波焼入れ→球面研削、といった加工工程を経て製造される。内輪は、鍛造→旋削→セレーションブローチ→浸炭焼入れ→球面研削、といった加工工程を経て製造される。
中間軸1の両端にセレーション軸が形成してあり、アウトボード側等速自在継手J1(UJ)の内輪4およびインボード側等速自在継手J2(DOJ)の内輪13のセレーション孔とトルク伝達可能に結合するようになっている。アウトボード側について述べると、図2に示すように、中間軸1の先端部に形成した環状溝にサークリップ9を装着することにより、内輪4と中間軸1との抜け止めを図ってある。そして、中間軸1のセレーション軸と内輪4のセレーション孔4cとはすきまばめにしてもよい。これは、内輪4から中間軸1を強制的に引き抜くことにより、サークリップ9を縮径させ、中間軸1と内輪4とを容易に分離させることができるようにするためである。これにより、ドライブシャフトの分解修理や点検作業等が容易となる。
以上説明したドライブシャフトは、ATVのフロント側のみならずリヤ側にも使用することができる。
1 アウトボード側等速自在継手
2 インボード側等速自在継手
1 中間軸
2,12 外輪
4,13 内輪
6,14 トルク伝達ボール
8,15 保持器
9 サークリップ

Claims (5)

  1. 不整地走行用の鞍乗り型車両に装備され、インボード側のダブルオフセット型等速自在継手およびアウトボード側のアンダーカットフリー型等速自在継手を介して駆動力を車輪に伝達するドライブシャフトにおける前記アンダーカットフリー型等速自在継手を製造する方法であって、
    前記アンダーカットフリー型等速自在継手は、球面状外周面にトラック溝を形成した内輪と、球面状内周面にトラック溝を形成した外輪と、対をなす前記内輪のトラック溝と前記外輪のトラック溝との間に組み込んだボールと、前記ボールを保持するためのポケットを有するケージを具備し、前記ケージの球面状内周面と前記内輪の球面状外周面とは軸方向両端部のみで接触し、前記ケージの球面状外周面と前記外輪の球面状内周面とは軸方向両端部のみで接触し、トラックすきまの上限を200μmとし、
    前記アンダーカットフリー型等速自在継手を構成する外輪は、鍛造、旋削、セレーション、ねじ転造、高周波焼入れ、球面研削といった加工工程を経て製造し、内輪は、鍛造、旋削、セレーションブローチ、浸炭焼入れ、球面研削といった加工工程を経て製造し、対となるべき前記外輪と前記内輪のペアを決定するマッチングを廃止したことを特徴とするアンダーカットフリー型等速自在継手の製造方法。
  2. 不整地走行用の鞍乗り型車両に装備され、インボード側およびアウトボード側の等速自在継手を介して駆動力を車輪に伝達するドライブシャフトにおいて、
    インボード側にダブルオフセット型等速自在継手を、アウトボード側にアンダーカットフリー型等速自在継手を使用し、
    前記アンダーカットフリー型等速自在継手は、球面状外周面にトラック溝を形成した内輪と、球面状内周面にトラック溝を形成した外輪と、対をなす内輪のトラック溝と外輪のトラック溝との間に組み込んだボールと、ボールを保持するためのポケットを有するケージを具備し、前記ケージの球面状内周面と前記内輪の球面状外周面とは軸方向両端部のみで接触し、前記ケージの球面状外周面と前記外輪の球面状内周面とは軸方向両端部のみで接触し、トラックすきまの上限を200μmとし、
    前記内輪および前記外輪は請求項1の方法により製造したものであることを特徴とする不整地走行用の鞍乗り型車両用ドライブシャフト。
  3. 前記ケージは、軸方向中央領域よりもインボード側部位の平均肉厚がアウトボード側部位の平均肉厚よりも大きくなるように設定してあり、前記ケージの球面状内周面と前記内輪の球面状外周面との接触面積がアウトボード側よりもインボード側の方が広くなるように設定してあり、前記ケージのインボード側の端部は前記外輪のインボード側の端部から突出していることを特徴とする請求項2の不整地走行用の鞍乗り型車両用ドライブシャフト。
  4. 前記ケージのケージオフセット角を0.5°〜0.8°としたことを特徴とする請求項2または3の不整地走行用の鞍乗り型車両用ドライブシャフト。
  5. 前記アンダーカットフリー型等速自在継手のトラックオフセット角を4°〜6°としたことを特徴とする請求項2、3または4の不整地走行用の鞍乗り型車両用ドライブシャフト。
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