JP5132753B2 - 曲がり歯傘歯車の歯面加工方法 - Google Patents

曲がり歯傘歯車の歯面加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5132753B2
JP5132753B2 JP2010251587A JP2010251587A JP5132753B2 JP 5132753 B2 JP5132753 B2 JP 5132753B2 JP 2010251587 A JP2010251587 A JP 2010251587A JP 2010251587 A JP2010251587 A JP 2010251587A JP 5132753 B2 JP5132753 B2 JP 5132753B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tooth
cutter
correction
gear
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010251587A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012101313A (ja
Inventor
暹 柳内
將敏 春名
一郎 森脇
守正 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
INASAKA GEAR MFG. CO., LTD.
Original Assignee
INASAKA GEAR MFG. CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by INASAKA GEAR MFG. CO., LTD. filed Critical INASAKA GEAR MFG. CO., LTD.
Priority to JP2010251587A priority Critical patent/JP5132753B2/ja
Publication of JP2012101313A publication Critical patent/JP2012101313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5132753B2 publication Critical patent/JP5132753B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gears, Cams (AREA)

Description

本発明は、曲がり歯傘歯車の歯面加工方法に関する。
曲がり歯傘歯車の歯面は、高価な専用歯切り盤及び専用カッタを用い、高度な計算プロセスを経た結果に基づき歯切りを行なうことによって形成している。最終的に行う歯当たりの微妙な修正は経験豊富な技能者の技能に期待するところが大であり、高額な費用と長い作業時間と特殊技能を必要とする。
即ち、ギア、ピニオンの歯面加工には、特殊な技術と経験、及び高度な計算に基づき、基準の座標位置から微小調整(機械テーブルの前後移動による微調整、ワークの軸方向移動による微調整、それぞれの軸心をずらすオフセット調整等)してマシンセッティングを行ない、カッタの傾きや位置等を求める必要があった。
具体的に説明すると、通常、ギア、ピニオンの歯面は、JIS B 0174に示す「クランプ歯切り工具」、「曲がり歯傘歯車用カッタ」を用いて加工する。
ギア(大歯車)の歯面は、梯形断面の切れ歯を有するカッタを基準位置に取り付け、カッタを回転させながら軸方向に送るというカッタの簡単な動きで加工する。
ピニオン(小歯車)の歯面は、ピニオン歯面加工用の専用カッタで加工するが、相手ギアとの適切な歯当たりを得るために必ず歯当たり修整を含めた加工を行う。
歯当たり修整方法は、カッタ、ピニオン歯車の取付位置を基準位置から単一項目又は複数項目移動させる「マシンセッティング修整」状態で加工を行い、目標とする「歯当たり」を得るのが一般的であるが、マシンセッティング修整仕様を決定するには、高度な経験と技術が要求される。
また、十分な歯車の強度、寿命、振動低減を得るためには、適切な歯当たり確保が必要であり、その指針として、曲がり歯傘歯車の歯当たりがJIS B 1741-1977に規定されている。この規定には、傘歯車の区分ごとに必要とされる歯筋方向及び歯丈方向における当たり長さが記載されていると共に、歯筋の両端から歯筋の長さのほぼ10%の部分に強い当たりがあってはならないと記載されている。
そして、目的に応じて設計者の意図する位置に歯当たりを確保するために、歯形及び歯筋に関して数回の修整トライを行なうこともあるが、その予測計算には高度な計算と経験と時間と費用を要するのが普通である。
従来、円盤状カッタを工具軸に取り付けると共に、被削歯車を主軸に取り付け、工具軸を3軸方向に移動させることにより、被削歯車のピッチ円錐角に回転平面が合わされた円盤状カッタを公転させて、仮想冠歯車を出現させるまがりばかさ歯車製造方法が記載されている(特許文献1参照)。
上記従来の方法によれば、曲がり歯歯車用の歯切専用機を用いることなく、汎用の工作機械によって曲がり歯傘歯車の歯面を加工することができる。しかし、この方法は、適切な歯当たりを得るために、歯車の歯筋を修正する技術を備えていない。
特開2002−273623号公報
本発明が解決しようとする課題は、高額な装置や高度な技術を必要とせずに、カッタの回転中心位置を制御するだけで簡単に歯筋修正を行なうことができ、歯面加工が容易でコストが低廉で済む曲がり歯傘歯車の歯面加工方法を提供することにある。
本発明の曲がり歯傘歯車の歯面加工方法は、切刃を有するカッタを、互いに直交するX,Y,Z軸方向に移動可能に、且つ、前記切刃の回転中心軸がZ軸と平行になるよう設け、被切削歯車を、その中心軸が座標原点を通るよう、且つ、該被切削歯車に形成する歯の歯底円錐面がX−Y平面と平行になるよう設置し、前記カッタを回転させながらZ軸方向に移動すると共に、前記切刃の回転中心軸を、座標原点を中心とする円弧に沿ってX,Y軸方向に移動させて前記被切削歯車の周面を切削し、曲がり歯傘歯車対の歯面を加工する方法であって、前記切刃の回転中心軸の軌道を、曲がり歯傘歯車対の歯面が全面歯当たりとなる大径側基準位置及び小径側基準位置を通る基準軌道から、前記歯面の大径側端部及び小径側端部における修正目標値並びに歯面の修正開始位置に基づいて換算した大径側修正値及び小径側修正値だけX,Y軸方向に移動した大径側修正位置及び小径側修正位置を通る修正軌道とすることにより、歯筋の両端部に無負荷時歯当たりの無い領域を形成する。
前記切刃が前記歯底円錐面と一致するよう、前記被切削歯車をその中心軸周りに回転させて、前記被切削歯車の周面を切削することがある。
一方の曲がり歯傘歯車となる前記被切削歯車の歯筋のみに、前記無負荷時歯当たりの無い領域を形成することができる。
前記切刃の回転中心軸の軌道を前記基準軌道として切削を行ない、前記被切削歯車に曲がり歯傘歯車対が全面歯当たりとなる歯面を形成した後、前記切刃の回転中心軸の軌道を修正軌道として切削を行ない、歯筋の両端部に無負荷時歯当たりの無い領域を形成しても良い。
あるいは、前記切刃の回転中心軸の軌道を修正軌道として切削を行ない、歯筋の両端部に無負荷時歯当たりの無い領域を有する歯面の創成を行なっても良い。
断面梯形の切刃を有するカッタを用い、前記切刃の先端が歯底円錐面に達するまで前記カッタをZ軸方向に移動させることにより、全歯丈に亘って無負荷時歯当たりの無い領域を形成することがある。
また、側面の先端部に切削部が形成された切刃を有するカッタを用い、該カッタのZ軸方向への移動を制御することにより、歯丈の一部に無負荷時歯当たりの無い領域を形成することもある。
請求項1に係る発明によれば、カッタの回転中心位置を制御するだけで、歯面加工のための高額な歯切り専用機や高度な技術を用いることなく、簡単に歯面創成及び歯筋修正を行なうことができるので、歯面加工が容易で、歯面加工に要するコストが低廉で済む。
請求項2に係る発明によれば、歯筋の大径側端部及び小径側端部においても、歯底が正確に歯底円錐面と接するよう歯面を形成することができる。
請求項3に係る発明によれば、他方の曲がり歯傘歯車となる被切削歯車には歯筋修正を施さず、切刃の回転中心軸を基準位置に設定して切削するだけで、望ましい歯当たりを確保することができる。
本発明の実施例に係るカッタ及び被切削歯車を示す側面図である。 本発明の実施例に係る曲がり歯傘歯車対を示す側面図である。 平均円錐距離位置の加工時における切刃位置及び被切削歯車を示す平面図である。 大径側端部の加工時における切刃位置及び被切削歯車を示す平面図である。 小径側端部の加工時における切刃位置及び被切削歯車を示す平面図である。 歯面加工時におけるカッタ円弧中心の軌道を示す図である。 歯面における歯当たり狙い形状を示し、(イ)は四角形の歯当たり狙い形状を有する歯面、(ロ)は楕円形の歯当たり狙い形状を有する歯面、(ハ)は楕円形で傾斜した歯当たり狙い形状を有する歯面を示す図である。 大径側端部において歯筋修正を行なった場合のカッタ円弧の中心移動およびオリジナル円と修正円弧との関係を示す図である。 図8の要部拡大図である。 カッタ円弧の中心移動量を求める第1の方法を説明するための参考図である。 カッタ円弧の中心移動量を求める第2の方法を説明するための参考図である。 断面梯形の切刃を有するカッタの断面図である。 歯筋両端部に修正を加える場合のカッタ円弧中心の軌道を示す図である。 両端部に修正を加えた歯筋を示す図である。 ポイントカッタの断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、円盤2の外周部に複数の切刃3を配設して成るカッタ1を用いて、図2に示すような曲がり歯傘歯車対(歯数の多いギアG1と歯数の少ないピニオンG2)の歯面加工を行なう。
カッタ1は、互いに直交するX,Y,Z軸方向に移動可能で、Z軸と平行な工具軸(図示せず)の先端に取り付けられる。
被切削歯車4は、座標原点(O1)を通ってX−Z平面に含まれ、X軸との角度が可変なA軸上に配置した回転軸5の先端に取り付けられる。被切削歯車4は、その中心軸がA軸と一致し、周面に形成しようとする各歯の歯底を含む歯底円錐面がX−Y平面と平行になるよう、即ち、A軸とX軸との交差角度が歯底円錐角と同じくなるようセットされる。
そして、工具軸を回転させながらZ軸方向に移動させ、切刃3の先端が歯底円錐面に達するまでカッタ1を追い込むことにより、ギアG1及びピニオンG2の歯面を得る。
実際に歯面加工を行う場合は、ギアG1及びピニオンG2の基本設計が図面として与えられる。
ギアG1の歯面を加工するためのカッタ1の切刃3の断面形状と円盤2の半径(切刃3の軌道の半径)を決定する。切刃3の軌道の半径は、被切削歯車4の大径円錐距離(座標原点から被切削歯車4の大径側端部までの距離)と同じか、少し小さい値とする。
このカッタ1による加工で得られるギアG1の歯面を3次元歯面上の点群として、それぞれの点の座標、法線ベクトル、及び曲率半径を求める。
次いで、ギアG1と噛み合うピニオンG2の「共役歯面」を数学的手法で求める。計算で求めた「共役歯面」は、ギアG1とピニオンG2とを噛み合わせると、当然100%歯面当たりとなる。
この曲がり歯傘歯車対を実用に供するには、一方の曲がり歯傘歯車(通常は、歯数の少ないピニオンG2)の歯面に適切な修正を加え、上記したJIS規格(又は米国のAGMA規格390.03)に適合する歯当たりを確保しなければならない。
被切削歯車4をカッタ1で加工するには、図1に示すように、被切削歯車4の円錐頂点が座標原点(O1)と一致すると共に、歯底円錐面がX−Y平面と平行になり、カッタ1の切刃3の回転面がX−Y平面と平行になるようセットする。
図3に示すように、X軸上において被切削歯車4の平均円錐距離(Mean Cone Distance)「md」にある位置を「D」、切刃3の中心の軌道であるカッタ円弧Sの半径を「rc」とする。
D点において、カッタ円弧SとX軸との交差角度が所定の捩れ角βになるようカッタ円弧Sの中心(切刃3の回転中心軸)O2D(X=H0,Y=V0)を決める。中心O2Dの極座標表示の腕の長さをL、腕とY軸との角度をΘとする。
この状態でカッタ1を回転させ被切削歯車4を加工した時の歯底の形状を図3に示す。図3から明らかなように、D点では切刃3の中心先端の軌道が被切削歯車4の歯底円錐面と一致するが、歯底の小径側端部B及び大径側端部Cでは歯底円錐面から外れる。
大径側端部Cにおいて切刃3が被切削歯車4の歯底円錐面上にあるためには、図4に示すように、工具軸を制御してカッタ円弧Sの中心を「02C」[X=(H)FOR 02C,Y=(V)FOR 02C]に移動すると共に、大径側端部Cと座標原点とを結ぶ直線がX軸と平行になるまで、被切削歯車4をA軸周りに回転させる必要がある。
この時のカッタ円弧Sの中心「02C」を極座標で示すと、腕の長さLは変化せず、腕とY軸との角度Θ=(Θ)FOR 02Cとなる。
また、小径側端部Bにおいて切刃3が被切削歯車4の歯底円錐面上にあるためには、図5に示すように、カッタ円弧Sの中心を「02B」[X=(H)FOR 02B,Y=(V)FOR 02B]に移動すると共に、大径側端部Bと座標原点とを結ぶ直線がX軸と平行になるまで、被切削歯車4をA軸周りに逆回転させる必要がある。
この時のカッタ円弧Sの中心「02B」を極座標で示すと、腕の長さLは変化せず、腕とY軸との角度Θ=(Θ)FOR 02Bとなる。
なお、実際の加工時には、被切削歯車4の回転角は、図4及び図5に示す範囲よりも大きくする。
図6に示すように、カッタ円弧Sの中心は半径Lの一つの円弧上を移動し、被切削歯車4に形成される歯底中心線はB,D,Cを通る。
このように、被切削歯車4の回転角度、及び、「Θ」を連続的に制御することにより、被切削歯車4の歯底円錐面上に正しく歯底を加工することができると共に歯形の創成を行なう。
ところで、上記したように、一方の曲がり歯傘歯車には、歯筋修正を行なって適正な歯当たりとしなければならない。このためには、ピニオンG2の共役歯面から、無負荷時の歯当たり狙い形状を除いた部分を逃がすことで、噛み合い時にその領域の無負荷時歯当たりをなくす。
図7に、歯面a上における無負荷時の歯当たり狙い領域bを示す。図7の(イ)は、四角形の歯当たり狙い領域bを、図7の(ロ)は、楕円形の歯当たり狙い領域bを、図7の(ハ)は、楕円形で傾斜した歯当たり狙い領域bをそれぞれ示す。
歯面の大径側端部に歯筋修正を行なう場合、歯筋の修正開始点Eを定め、大径側端部Cでの修正目標値δを与えて、「E−C」間の歯筋を修正し、「B−D−E−C’」なる修正歯筋を得る。なお、修正目標値δ及び歯筋の修正開始点Eは、負荷時の歯面aの変形量、目標とする歯当たり狙い領域b等を考慮して決定する。
このように、E点から修正開始し、大径側端部Cで修正目標値δを得るためには、図8に示すように、カッタ円弧の中心を大径側基準位置「02C」から大径側修正位置「02C’」に移動させる。
大径側修正位置「02C’」をX,Y座標で示すと、
X(02C’)=X(02C)+ΔX
Y(02C’)=Y(02C)+ΔYとなる。
修正開始点Eの位置と大径側端部Cにおける修正目標値δから、カッタ円弧Sの中心の大径側修正値(ΔX,ΔY)を簡単に求めることができる。
カッタ円弧Sの中心を大径側基準位置「02C」から大径側修正位置「02C’」に移動させて、図9に示すように、切刃3を、「B−D−C」を通るカッタ円弧(オリジナル円弧)Sに対してE点で交わり、「B−D−E−C’」を通る半径rcの修正円弧S’に沿って回転させることにより、凹歯面の大径側端部に目標の歯筋修正を行なうことができる。
この方法で大径側の歯筋修正を行なうと、修正円弧S’上では点BがB”へ移動すると共に、点DがD”へ移動するが、(B”−E)間には歯面が無いので切削されることはない。
また、カッタ円弧Sの中心を大径側基準位置「02C」から大径側修正位置「02C’」に移動させる経路によって、異なった修正曲線を得ることができ、E点付近の修正曲線をなだらかにするには、カッタ円弧Sの中心をなだらかに「02C」から「02C’」へ移動させる。
以下、修正目標値δ及び修正開始点Eの位置に基づいてカッタ円弧Sの中心の移動量を求める方法を具体的に説明する。
図10に示すように、点Eは、オリジナル円弧S及び修正円弧S’に共通する点であり、点C’は、大径側基準位置「02C」及び点Cを通る直線L1上において、点Cからδの位置にある。
また、点Eを中心とした半径rcの円S1、点C’ を中心とした半径rcの円S2を定義すると、大径側基準位置「02C」は円S1上にある。
円S1と円S2の交点を(02C’)とすると、この点が求めている修正円弧S’の中心である。即ち、点(02C)及び点(02C’)は、共に点Eから等距離rcの位置にあるので、点(02C’)が求めている修正円弧S’の中心である。
なお、円S1と円S2とは二つの交点を有するが、図示する点(02C’)ではない他の交点は、カッタ1の移動距離が大きくなって現実的ではないので、無視すればよい。
カッタ円弧Sの中心の移動量であるΔX,ΔYの値は、上記の方法を数式化し、又は、CAD上に求めることができる。
具体的な数値を挙げれば、被切削歯車4の大径円錐距離が53.93mmであるのに対してrc=50.8mmとし、X(02C)=20.9218mm、Y(02C)=38.6148mm、δ=0.071mm、(E−C)間の距離E値=5.4mmとすると、ΔX=0.552mm,ΔY=0.347mmとなる。
なお、修正目標値δを「−」にすれば、凸歯面に対しても同様の方法で歯筋修正を行なうことができる。
また、以下の方法でも、カッタ円弧Sの中心の移動量を簡易的に求めることができる。
図11に示すように、点C’と点Eを直線L2で結び、直線L2の方程式を求める。点C’と点Eとの中点をGとし、点Gを通って直線L2に直交する直線L3の方程式を求める。
直線L3と円S1との交点を求めると、この点(02C’)は直線L3と円S2の交点とも一致するので、求めた点(02C’)は修正円弧S’の中心であるといえる。
即ち、切刃3の回転中心の移動量は、修正目標値δ及び修正開始点Eの位置に対して一義的に求めることができる。
次に、歯面形成後に凹歯面の大径側端部C及び小径側端部Bにそれぞれ修正加工を行なう場合について説明する。
先に示した具体例と同じく、rc=50.8mm、X(02C)=20.9218mm、Y(02C)=38.6148mmとする。
カッタ1は、図12に示すような断面梯形状の切刃3を有し、切刃3を歯底まで追い込んだ状態で歯面形成及び修正加工を行なう。なお、切刃3のカッタ外周側の側面が凹歯面を加工し、カッタ中心側の側面が凸歯面を加工する。
まず、カッタ円弧Sの中心が基準軌道(02B,02D,02C)を通るようカッタ1を往復回転させて、凹凸歯面にそれぞれ仕上げ代を残して凹凸歯面を荒加工する。実際には、仕上げ代の分だけ薄い切刃を用いて切削することによって荒加工する。
その後に、歯筋無修正の凹歯面を加工してから、凹歯面の大径側端部Cに歯筋修正を行なう。
(E−C)間の距離を10.4mmとし、大径側端部Cでδ=100μの修正を行なうためには、図13に示すように、カッタ円弧Sの中心を大径側基準位置「02C」から大径側修正値(ΔXC=421μ,ΔYC=226μ)だけ修正した大径側修正位置「02C’」に移動する。
また、凹歯面の小径側端部Bから修正開始点Fまで歯筋修正を行なう。(B−F)間の距離を10.4mmとすると、カッタ円弧Sの中心を小径側基準位置「02B」から小径側修正値(ΔXB=−386μ、ΔYB=−353μ)だけ修正した小径側修正位置「02B’」へ移動することにより、F点で修正量0、B点で100μの修正量を持つ歯筋を加工できる。
即ち、カッタ円弧Sの中心を基準軌道(02B→02D→02C)から修正軌道(02B’ →02D→02C’)へ微小移動させるだけで、図14に示すように、「B’−F−D−E−C’」の歯筋形状に仕上げることが可能となる。
この時、断面梯形状の切刃3を用い、切刃3の先端が歯底円錐面に達するまでカッタ1をZ軸方向に移動させて歯筋修正を行なうと、歯筋の両端部が全歯丈に亘って修正される。従って、歯当たりの形状は四角形となる。
なお、修正開始点E,FをD点に一致させると、フルクラウニング修正を施した歯筋が得られる。
また、荒加工した凸歯面についても、同じ方法で歯筋無修正の凸歯面を形成した後、歯筋修正を行なうことが可能である。
歯面の創成と同時に歯筋修正を行なうこともできる。
例えば、凹歯面を形成する際に、初めからカッタ円弧Sの中心が修正軌道(02B’ →02D→02C’)を通るよう制御しながら、カッタ1をZ軸方向に移動させて往復回転させることにより、歯筋形状が「B’−F−D−E−C’」の凹歯面を創成することができる。
凹歯面を形成した時に自動的に凸歯面も形成されてしまうが、切刃3の厚みは歯溝の幅よりも薄いので、この凸歯面は正しい歯面ではない。即ち、この凸歯面には仕上げ代が残り、歯厚が目標値より厚い状態となっているので、カッタ1を凸歯面側へ移動して切削することにより、正規の凸歯面を形成する。この時、凸歯面の創成と同時に歯筋修正を行なうことができる。
図15に示すように、側面の先端部に切削部3aが形成された切刃3’を有するポイント式のカッタ1’を用いると、切削部3aと接触する部分のみが切削されるので、カッタ1のZ軸方向への移動を制御し、歯丈の一部に無負荷時歯当たりの無い領域を形成することができる。
従って、ポイント式のカッタ1’を用いれば、歯面を斜めに修正することも、楕円形の歯当たりを形成することも可能である。
断面梯形の荒加工用の切刃を有するカッタを用いて、歯面に仕上げ代を残した荒加工を行なってから、ポイント式のカッタ1’で修正して仕上げることもできる。
なお、ピニオンG2は共役歯面のままで、歯数の多いギアG1に歯筋修正を行なってもよい。
小径のピニオンG2に対する加工とは異なり、ギアG1は歯数が多くて径が大きいので、歯面加工を行なう際にA軸(中心軸)周りに回転させなくても良い。しかし、径が大きいとはいえ、ギアG1を回転させずに歯面を形成すると、歯筋の小径側端部B及び大径側端部Cでは、歯底が歯底円錐面から少し離れてしまう。従って、歯底を正確に歯底円錐面と一致させるために、ギアG1を中心軸周りに僅かに回転させながら歯面加工を行なう場合もある。
また、ギアG1の歯筋修正を行なう場合に、ピニオンG2の修正と比べて、修正する歯数は多いが、カッタ円弧Sの中心の移動量は少なくて済む。
なお、上記した説明では、大径側修正値及び小径側修正値をX,Y座標で示したが、極座標において、腕とY軸との角度Θを変えず、腕の長さLの修正値ΔLとして得ることもできる。
1,1’ カッタ
2 円盤
3,3’ 切刃
3a 切削部
4 被切削歯車
5 回転軸
a 歯面
b 歯当たり狙い領域
G1 ギア
G2 ピニオン

Claims (7)

  1. 切刃を有するカッタを、互いに直交するX,Y,Z軸方向に移動可能に、且つ、前記切刃の回転中心軸がZ軸と平行になるよう設け、被切削歯車を、その中心軸が座標原点を通るよう、且つ、該被切削歯車に形成する歯の歯底円錐面がX−Y平面と平行になるよう設置し、前記カッタを回転させながらZ軸方向に移動すると共に、前記切刃の回転中心軸を座標原点を中心とする円弧に沿ってX,Y軸方向に移動させて前記被切削歯車の周面を切削し、曲がり歯傘歯車対の歯面を加工する方法であって、前記切刃の回転中心軸の軌道を、曲がり歯傘歯車対の歯面が全面歯当たりとなる大径側基準位置及び小径側基準位置を通る基準軌道から、前記歯面の大径側端部及び小径側端部における修正目標値並びに歯面の修正開始位置に基づいて換算した大径側修正値及び小径側修正値だけX,Y軸方向に移動した大径側修正位置及び小径側修正位置を通る修正軌道とすることにより、歯筋の両端部に無負荷時歯当たりの無い領域を形成することを特徴とする曲がり歯傘歯車の歯面加工方法。
  2. 前記切刃が前記歯底円錐面と一致するよう、前記被切削歯車をその中心軸周りに回転させて、前記被切削歯車の周面を切削する請求項1に記載した曲がり歯傘歯車の歯面加工方法。
  3. 一方の曲がり歯傘歯車となる前記被切削歯車の歯筋のみに、前記無負荷時歯当たりの無い領域を形成する請求項1又は2に記載した曲がり歯傘歯車の歯面加工方法。
  4. 前記切刃の回転中心軸の軌道を前記基準軌道として切削を行ない、前記被切削歯車に曲がり歯傘歯車対が全面歯当たりとなる歯面を形成した後、前記切刃の回転中心軸の軌道を修正軌道として切削を行ない、歯筋の両端部に無負荷時歯当たりの無い領域を形成する請求項1〜3のいずれかに記載した曲がり歯傘歯車の歯面加工方法。
  5. 前記切刃の回転中心軸の軌道を修正軌道として切削を行ない、歯筋の両端部に無負荷時歯当たりの無い領域を有する歯面の創成を行なう請求項1〜3のいずれかに記載した曲がり歯傘歯車の歯面加工方法。
  6. 断面梯形の切刃を有するカッタを用い、前記切刃の先端が歯底円錐面に達するまで前記カッタをZ軸方向に移動させることにより、全歯丈に亘って無負荷時歯当たりの無い領域を形成する請求項1〜5のいずれかに記載した曲がり歯傘歯車の歯面加工方法。
  7. 側面の先端部に切削部が形成された切刃を有するカッタを用い、該カッタのZ軸方向への移動を制御することにより、歯丈の一部に無負荷時歯当たりの無い領域を形成する請求項1〜5のいずれかに記載した曲がり歯傘歯車の歯面加工方法。
JP2010251587A 2010-11-10 2010-11-10 曲がり歯傘歯車の歯面加工方法 Active JP5132753B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010251587A JP5132753B2 (ja) 2010-11-10 2010-11-10 曲がり歯傘歯車の歯面加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010251587A JP5132753B2 (ja) 2010-11-10 2010-11-10 曲がり歯傘歯車の歯面加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012101313A JP2012101313A (ja) 2012-05-31
JP5132753B2 true JP5132753B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=46392354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010251587A Active JP5132753B2 (ja) 2010-11-10 2010-11-10 曲がり歯傘歯車の歯面加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5132753B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103206501B (zh) * 2013-03-08 2016-01-06 武汉理工大学 非圆锥齿轮摆动步进装置
KR102187960B1 (ko) * 2013-05-30 2020-12-07 더 글리슨 웍스 엔드 릴리프를 갖는 비창성식 베벨 기어를 제조하기 위한 스윙 모션
CN106493439B (zh) * 2016-12-14 2018-02-27 长江大学 一种基于实体接触分析的螺旋锥齿轮齿顶倒棱方法
EP3375555A1 (de) * 2017-03-17 2018-09-19 Klingelnberg AG Verfahren zur bearbeitung der zahnflanken von kegelradwerkstücken

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2342232A (en) * 1940-03-19 1944-02-22 Gleason Works Method and machine for producing gears
US2510528A (en) * 1947-12-10 1950-06-06 Mack Mfg Corp Method of making spiral bevel gears and hypoid gears
JPS4915357Y1 (ja) * 1972-10-09 1974-04-17
JPS5437997A (en) * 1977-08-31 1979-03-20 Masaaki Takeda Device for cutting teeth of bent tooth bevel gear
US4518287A (en) * 1982-07-07 1985-05-21 Western Gear Corporation Method of face mill generation of spiral bevel gears with integral central structure and resulting product
DE3752009T3 (de) * 1987-08-24 2004-04-01 The Gleason Works Mehrfachachsenzahnradwälzmaschine zur herstellung von kegelrädern und hypoidrädern
JPH07208582A (ja) * 1994-01-26 1995-08-11 Nissan Motor Co Ltd まがり歯傘歯車形ピニオン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012101313A (ja) 2012-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6667475B2 (ja) ギヤの製造プロセス、並びに、ギヤ製造装置、計算機及びソフトウェア
CN107000090B (zh) 用于机加工啮合齿的方法、工具布置和切齿机
US5823857A (en) Apparatus and method for precision grinding of face gears
RU2507040C2 (ru) Изготовление конических зубчатых колес
CN102791410B (zh) 硬精加工齿轮的齿侧面的方法
US8113750B2 (en) Face hob hypoid gear tooth cutting by common blades
JP2012512040A (ja) 歯状構造を製造する工作機械及び方法
JP5132753B2 (ja) 曲がり歯傘歯車の歯面加工方法
JPH10507810A (ja) フェースギアを備えた円筒ピニオンのギアトランスミッション、該ギアトランスミッションに使用されるフェースギア、並びにフェースギアを製作するための方法及びツール
CN108568567B (zh) 一种基于通用四轴数控机床与球头铣刀的螺旋锥齿轮加工方法
JP6602350B2 (ja) 半仕上げ単一割出方法においてフェースカップリングワークピースの歯面を機械加工する方法
CN105246631A (zh) 制造具有齿端修缘的非展成锥齿轮的摆动运动
MX2013003714A (es) Metodo para producir ruedas conicas o hipoides utilizando el proceso de insercion.
CN109641296A (zh) 在工具几何形状不变的情况下的强力刮齿压力角校正
CN109153088B (zh) 齿轮的齿顶面倒角
JP2018051753A (ja) 半仕上げ法においてフェースカップリングワークピースの歯面を機械加工する方法
JP6977494B2 (ja) 歯切り工具、歯車加工装置、歯切り工具の再研磨方法及び歯切り工具の設計方法
US20220402055A1 (en) Method of manufacturing a toothed bevel honing tool for honing a toothed bevel workpiece, a toothed bevel honing tool and method of honing bevel gears
JP2016038095A (ja) 修正された形状を有するベベルギヤ
JP7304487B2 (ja) 歯車製造装置、歯車製造方法、及びそれに用いられるねじ状工具
CN109702276A (zh) 用于加工锥齿轮工件的齿侧面的方法
CN104439539A (zh) 具有双导程形式与变压力角的蜗杆式刀具及其操作方法
JP2023540314A (ja) 音響心理学的な歯フランク形状の修正
JP2022182378A (ja) 歯車加工方法
JP2017226020A (ja) 歯切り工具、砥石車、歯切り工具の設計方法、砥石車の設計方法及び工作機械

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120814

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121030

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121106

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5132753

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250