JP5132515B2 - X線コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プレップスキャンにより関心部位への造影剤流入をモニタする機能を備えたX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
造影剤撮影では、被検体に投与した造影剤が関心スライスに流入するタイミングを計ってスキャン(本スキャン)することが重要である。そのため、本スキャンの前に、それよりも低線量でスキャン(プレップスキャン)及び低解像度の画像再構成を繰り返し、撮影技師がその断層画像の関心部位の造影剤濃度(染影度)を視認し、濃度がある程度高くなった時点で、本スキャンのトリガを入力することが行われている。装置では、そのトリガを受けると、プレップスキャンを停止するとともに本スキャンを開始する。
また近年では、本スキャン開始タイミングを自動化するいわゆるリアルプレップスキャンと呼ばれる技術の普及が進行している。これは、図15(a)に示すように、プレップスキャンで得た断層画像データから関心部位のCT値を抽出し、その値又は平均値CTave.をしきい値THに対して比較し、CT値又は平均値CTave.がしきい値THを超過した時刻tで、プレップスキャンから本スキャンへの移行を開始するというものである。
ここで、診断にあたっては、読影者は、本スキャンで収集された連続的な断層画像を動画として診るとともに、多くの場合、関心部位の造影剤濃度の時間的変動を時間濃度曲線により客観的に確認することが行われている。これがいわゆるダイナミックスタディと呼ばれるものである。
このダイナミックスタディの精度は、被検体の体動はもちろんのこと、呼吸や拍動による組織の動きに対して過敏に影響を受け、関心部位が小さければ小さいほどその影響は増大する。
従って、本スキャンの前には、検査技師は、拡声器等を使って被検体に対して息止めや体動抑制等を指示することが行われている。さらにこの指示を自動化した装置も登場している。つまり、息止めや体動抑制等の音声データを保持しておき、図15(b)に示すように、CT値又は平均値CTave.がしきい値THを超過した時刻tで、その音声データの再生(音声ガイド)を行うというものである。
しかしこの場合、本スキャンの開示が、CT値又は平均値CTave.がしきい値THを超過した時刻tから、音声データの再生に要する時間分、遅延してしまうという問題があった。
本発明の目的は、X線コンピュータ断層撮影装置において、本スキャン開始タイミングのずれを軽減することにある。
本発明のある局面は、プレップスキャンにより被検体に投与した造影剤濃度をモニタすることにより前記プレップスキャンとスキャン条件の異なる本スキャンの開始タイミングをはかるX線コンピュータ断層撮影装置において、X線管と、X線検出器と、前記X線管に高電圧を印加する高電圧発生部と、前記X線検出器の出力に基づいて断層画像データを再構成する再構成部と、前記断層画像データに対して関心領域を設定する操作部と、前記関心領域内の一部の画素のCT値の平均をしきい値に対して比較し、前記平均値が前記しきい値に達した又は超過したとき、前記プレップスキャンを停止するとともに前記本スキャンの実行又は実行準備を開始する制御部とを具備するX線コンピュータ断層撮影装置を提供する。
本発明によれば、X線コンピュータ断層撮影装置において、本スキャン開始タイミングのずれを軽減することができる。
以下、図面を参照して本発明によるX線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)の実施形態を説明する。なお、X線CT装置には、X線管と放射線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE)タイプと、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本発明を適用可能である。ここでは、現在、主流を占めている回転/回転タイプとして説明する。
また、1スライスの断層像データを再構成するには、被検体の周囲1周、約360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ビュー角分の投影データが必要とされる。ここでは、再構成レートを上げるために、特公平1−23136号公報、特開平4−266744号公報、特開平12−70257号公報等に記述した技術を採用してもよい。いずれの再構成方式にも本発明を適用可能である。ここでは、ハーフスキャン法を例に説明する。
また、入射X線を電荷に変換するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。X線検出素子としては、それらのいずれの方式を採用してもよいが、ここでは、前者の間接変換形として説明する。
また、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本発明では、従来からの一管球型のX線CT装置であっても、多管球型のX線CT装置であってもいずれにも適用可能である。ここでは、一管球型として説明する。
図1に、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の主要部の構成を示している。本実施形態のX線コンピュータ断層撮影装置は、スキャンガントリ1とコンピュータ装置2とから構成される。スキャンガントリ1は、被検体に関する投影データを収集するための構成要素であり、その投影データはコンピュータ装置2に取り込まれ、画像再構成及びリアルプレップ等の処理に供される。コンピュータ装置2は、リアルプレップ制御部21と、それに対してデータ/制御バス28を介して接続された前処理部23、画像再構成部24、表示部25、操作卓26及び音声データ記憶部27から構成される。
被検体は、寝台10の天板20に載置された状態でスキャンガントリ1の空洞(撮影口)内に挿入される。寝台10の天板20は寝台駆動部17により駆動されその長手方向に関して移動する。通常、この長手方向が後述する回転軸RA(体軸およびZ軸に同じ)と平行になるように寝台10が設置される。スキャンガントリ1には、図示しない円環状の回転架台が架台回転駆動部16により駆動され回転軸RAを中心に回転するように設けられている。この回転架台には、X線管装置110とX線検出器113とが対向関係で搭載されている。
X線管装置110は、X線管111と、被曝低減のために低エネルギー成分を除去するためのX線フィルタ112とから構成される。X線管111に電力供給するためにインバータ式の高電圧発生部14が設けられている。高電圧発生部14は高電圧変圧器、フィラメント電流発生器、整流器の他に管電圧及びフィラメント電流を任意に又は段階的に調整するために管電圧切換器、フィラメント電流切換器等を備えている。
X線検出器113の出力は、データ収集部114、図示しないが連続回転を可能にするスリップリング及び前処理部23を介して投影データとして画像再構成部24に供給され、そこで断層画像データの再構成処理に供される。この断層画像データは、表示部25に表示されるとともに、リアルプレップ制御部21にも供給され、後述するように音声ガイド発生タイミング及び本スキャンオペレーション開始のタイミングを決定するための処理のために使われる。
操作卓26は、操作者が例えばスキャン条件やリアルプレップ条件(2種のしきい値THguide,THmain、待ち時間WT)を始め様々な情報や各種指示を入力するために設けられている。操作卓26は、操作画面を備える。この操作画面又は表示部25には、リアルプレップ制御部21により、操作者による上記リアルプレップ条件の設定を支援するために好適に工夫された設定画面が表示される。
以下、リアルプレップ制御部21によるリアルプレップ撮影動作について説明する。なお、実際には、リアルプレップ撮影動作に先だって、撮影スライスの位置決めや、プレップスキャン条件(管電圧、管電流、スキャン時間、束ねチャンネル数)、本スキャン条件(管電圧、管電流、スキャン時間、束ねチャンネル数)、リアルプレップ条件(関心領域ROIのサイズ及び位置、2種のしきい値THguide,THmain、待ち時間WT)の設定が行われる。なお、典型的には、線質を揃えるためにプレップスキャン用管電圧は本スキャン用管電圧と等価に設定され、被曝線量を抑えるためにプレップスキャン用管電流は本スキャン用管電流よりも低く設定される。リアルプレップ条件の設定については、後述するものとし、まず、リアルプレップ撮影動作について説明する。
図2に本動作手順が示されている。この図2とともに、図3,図4(a)を参照されたい。まず、被検体に造影剤が注入され、その後に、リアルプレップ制御部21の制御のもとで、本スキャンよりも典型的には少なくとも低線量、低解像度(隣接チャンネル束ねにしてもよい)というスキャン条件でリアルプレップスキャンが行われる(S1)。つまり、位置決めされたスライスに関してX線管装置110及びX線検出器113が被検体の周囲を連続的に回転しながら、低線量でX線が連続的又はパルス的に発生され、データ収集が周期的に繰り返される。
そして、プレップスキャンと並行して、リアルプレップ制御部21は、画像再構成部24を制御して、プレップスキャンにより得られた投影データから減弱係数分布を断層画像データとして即時的に再構成(リアルタイムCT又はCT透視と呼ばれる)させ(S2)、S2で得られた断層画像データから、事前に設定した関心領域ROI内の複数画素のCT値を抽出し、その平均値CTave.を計算し(S3)、その計算したCT平均値CTave.を、本スキャン移行用のしきい値THmainよりも低い値に事前に設定したガイダンス用のしきい値THguideに比較する(S4)。なお、このCT平均値CTave.は造影剤濃度を反映しているものであるが、造影剤濃度そのものとして、造影剤注入前に収集したマスク画像とプレップスキャンで得たリアル又はライブの画像データとの差分を取って、その差分画像から関心領域ROI内の複数画素の画素値を抽出し、その平均値を計算するようにしてもよい。
比較の結果として、CT平均値CTave.が、ガイダンス用のしきい値THguideに達していない又は超過していないときには、造影剤による関心部位の染影程度が低すぎるものとして、上記S1乃至S4の処理を繰り返す。CT平均値CTave.が、ガイダンス用のしきい値THguideに達した又は超過した時刻t1には、造影剤による関心部位の染影程度が本スキャン直前の状態に有るものとして、リアルプレップ制御部21は、息止め及び体動抑制に関する音声データを音声データ記憶部27から読み出し、音声信号に変換してスピーカ19に供給する。それにより、スピーカ19から、息止め及び体動抑制に関する音声ガイダンスが被検体に対して出力される(S5)。
なお、息止め及び体動抑制に関するガイダンスは音声により行うと説明したが、それに代えて又はそれと併用して、被検体が視認でき且つX線曝射範囲から外れた位置に配置したディスプレイに、息止め及び体動抑制に関するガイダンスを文字メッセージ又は図案として出力するようにしてもよい。
引き続き、プレップスキャン(S6)、即時的な画像再構成(S7)及び関心領域ROI内画素のCT平均値CTave.の計算(S8)が継続され、そのCT平均値CTave.に対して、今度は、ガイダンス用のしきい値THguideよりも高い値に事前に設定した本スキャン移行用のしきい値THmainを比較する(S9)。比較の結果として、CT平均値CTave.が、本スキャン移行用のしきい値THmainに達していない又は超過していないときには、造影剤による関心部位の染影程度が本スキャン移行には低すぎるものとして、上記S6乃至S9の処理を繰り返す。CT平均値CTave.が、本スキャン移行用のしきい値THmainに達した又は超過した時刻t2には、造影剤による関心部位の染影程度が本スキャンへの移行状態を満たしているものとして、リアルプレップ制御部21は、プレップスキャンを停止する(S10)。
そして、リアルプレップ制御部21は、CT平均値CTave.が本スキャン移行用のしきい値THmainに達した又は超過した時刻t2において、音声ガイダンスが終了し、且つ被検体のための息止め及び体動抑制の準備期間として用意された待ち時間WTが音声ガイダンス終了から経過しているか否かを判定し(S11)、音声ガイダンスが終了し、且つそれから待ち時間WTが経過しているとき、本スキャンを開始する(S13)。
一方、リアルプレップ制御部21は、CT平均値CTave.が本スキャン移行用のしきい値THmainに達した又は超過した時刻t2において、音声ガイダンスが終了していない、または待ち時間WTが音声ガイダンス終了から経過していないとき、図4(b)に示すように、時刻t2で直ちに本スキャンを開始するのではなく、音声ガイダンスが終了し、且つそれから待ち時間WTが経過するまで、本スキャンを待機する(S12)。このような事態は、本スキャン移行用のしきい値THmainが低すぎる、または逆にガイダンス用のしきい値THguideが相対的に高すぎる場合に生じる。このような事態を回避することは、本スキャンの遅延を回避するために重要で、そのために本スキャン移行用のしきい値THmain及び逆にガイダンス用のしきい値THguideの設定方法に工夫がなされている。これについては後述する。
本スキャンは、予定した継続時間、予定した回転数、造影剤濃度(CT平均値)が予定した値まで低下する、又はヘリカルスキャンであれば予定したヘリカルスキャン範囲のデータ収集が完了するといった終了条件を満たすまで、継続され(S14)、その条件を満たしたときに、本スキャンが終了する(S15)。
このように本実施形態によれば、本スキャン用のしきい値THmainだけでなく、それよりも低い音声ガイダンス用のしきい値THguideを設定し、CT平均値がガイダンス用のしきい値THguideに達した又は超過した時点t1で、ガイダンスを出力するようにしたので、CT平均値が本スキャン用のしきい値THmainに達した又は超過した時刻t2から、本スキャン開始までの遅延を解消することができる。また、CT平均値が本スキャン用のしきい値THmainに達した又は超過した時刻t2に、ガイダンス又は待ち時間が経過していない場合であっても、時刻t2から本スキャン開始までの遅延時間としては、ガイダンス時間と待ち時間との合計時間よりも、必ず短縮することができる。
図6には、リアルプレップ制御部21の制御のもとで、操作卓26の操作画面又は表示部25に表示されるリアルプレップ条件(関心領域ROIのサイズ及び位置、2種のしきい値THguide,THmain、待ち時間WT)の設定画面を示している。条件設定のために事前に撮影された断層画像32が例えば画面右欄に表示され、それと共に、時間濃度曲線31が画面左下欄に表示される。時間濃度曲線31としては、プレップスキャンが開始された以後は、そのプレップスキャンにより得られたリアルタイム画像のCT平均値の時間変動が表示されるが、条件設定時には、撮影部位に対応する標準的な時間濃度曲線モデルが表示される。
この時間濃度曲線モデルのデータは、部位に関連付けられて記憶部27等に記憶されている。断層画像32上には、関心部位ROIのマーク33が重畳表示され、操作者はポインティングデバイスを使って画像上の所望位置に移動し、また所望サイズに設定することができる。
さらに、設定画面の画面左上欄には、しきい値THguide,THmain、待ち時間WTを数値入力するためのボックスが表示される。操作者は、各ボックス中に任意の数値を入力することでしきい値THguide,THmain、待ち時間WTを設定することができる。ガイダンス終了後からの待ち時間WTとしては、被検体の年齢や体調等に応じて検査技師により任意に設定され、場合によっては、待ち時間WTはゼロに設定されるかもしてない。本スキャン用しきい値THmainを設定した場合、デフォルト値としてそのしきい値THmainの例えば30パーセントの値にガイダンス用しきい値THguideが自動入力され、必要時にだけガイダンス用しきい値THguideの手入力を行えばよいようになっている。
これらボックスに入力されたしきい値THguide,THmainに従って、時間濃度曲線モデル上の基準線37,38が上下に移動する。操作者は、それを参照して、それぞれの値の適正可否、また、t1からt2までのおおよその時間幅等を確認し、しきい値THguide,THmainを最適値に近似させることが可能となる。
ここで、しきい値THguide,THmainの最適値について定義すると、図5に示すように、CT平均値CTave.が、ガイダンス用しきい値THguideに達した又は超過した時刻t1から、ガイダンス出力に要する時間と待ち時間WTとの合計時間を経過した時刻に、CT平均値CTave.が、本スキャン用しきい値THmainに達した又は超過した時刻t2が一致する状態として定義される。この状態では、被検体の息止め等の拘束時間を最短化することができるものである。しかし実際の時間濃度曲線は、個人差があり、しかも同一個人であっても体調等の不確定要因により変化するものであり、最適値にしきい値THguide,THmainを設定することは現実的に不可能である。しかし、時間濃度曲線モデルを参照しながらしきい値THguide,THmainを設定し、また本スキャン用しきい値THmainに対して推奨されるパーセンテージでガイダンス用しきい値THguideの推奨値を自動入力することで、それら支援が無い場合よりも、最適値に近似させていくことは可能である。
また、図7(a)に示すように、しきい値THguide,THmainのボックス34,35にプルダウンメニュー39,40を併記し、それを押したときに、複数の推奨値がプルダウンで表示され、その中から検査技師により選択するようにしてもよい。また、推奨値に代えて、図7(b)に示すように、複数の検査部位メニューが表示されるようにしてもよい。この場合、検査部位毎に、しきい値THguide,THmainの推奨値が設定される。
上記手法では、図8に示すように、本スキャンのスライスより上流の適当な濃度監視部位(下行大動脈等)に関心領域ROIを設定し、その関心領域ROI内のピクセルのCT値の平均値を計算し、その平均値をしきい値THguide,THmainと比較するものである。しかし、呼吸停止に伴う体動は、関心領域ROIを濃度監視部位から外してしまう可能性がある。なぜなら、画面の座標系で、関心領域ROIは固定しているが、濃度監視部位は呼吸動に伴って移動するからである。関心領域ROIが濃度監視部位から外れてしまうと、濃度監視精度が低下する。これを解決する手法について以下に説明する。
図9に、呼吸動による濃度監視精度の低下を軽減する動作手順が示されている。まず、オペレータによる操作卓26の操作により、図10に示すように、濃度監視部位(例えば下行大動脈)に対して関心領域ROIが設定される(S21)。関心領域ROIは円形には限定されることはなく、他の形状又は任意の形状に設定されることができる。オペレータは、呼吸に伴って濃度監視部位が移動する範囲を推定し、推定した濃度監視部位の移動範囲を含むように関心領域ROIを濃度監視部位の領域より大きく設定する。それにより移動前の濃度監視部位は、関心領域ROIに内在し、しかも、移動後の濃度監視部位も、関心領域ROIに内在する。また、骨の高いCT値がしきい値処理精度を低下させるために、オペレータは、骨(背骨等)の領域を避けて関心領域ROIの位置、形状及びサイズを注意深く調整すべきである。
上述のように、関心領域ROIは、濃度監視部位の領域より大きく設定されるので、関心領域ROIには、濃度監視部位に流れ込む造影剤と、その周辺の組織とが含まれる。そのため、関心領域ROIに含まれる画素のCT値の平均値は、周辺組織のCT値に引っ張られて低くなってしまう。
その問題を解決するために、図11に示すように、リアルプレップ制御部21は、関心領域ROI内の画素のCT値分布(ヒストグラム)から上位数パーセント又は上位数十パーセントのCT値を抽出し、その抽出した上位数パーセント又は上位数十パーセントのCT値の平均値を計算する機能を備えている。上記パーセントは、抽出率と呼ばれる。
関心領域ROIの設定と共に、当該抽出率が、オペレータにより操作卓26を介して設定される(S22)。当該抽出率の初期値は、例えば汎用性が高いと予想される20パーセントに設定されている。抽出率を初期値から任意の値に変更するとき、オペレータは、操作卓26に装備されたテンキーから所望の数字を入力する。制御部21は、抽出率の入力部分にプルダウンメニューを提供する。プルダウンメニューには、様々な数字が並んでいる。オペレータは、操作卓26に装備されたポインティングデバイスを操作してプルダウンメニューの中から所望の数字を入力する。
以上の準備が終了すると、被検体に造影剤が注入され、その後に、リアルプレップ制御部21の制御のもとで、リアルプレップスキャンが行われ(S23)、画像再構成部24により断層画像データが再構成される(S24)。
制御部21は、断層画像データから、事前に設定した比較的大きい関心領域ROI内の複数画素から、抽出率として設定した上位XパーセントのCT値を抽出し(S25)、その平均値CTave.’を計算する(S26)。
CT平均値CTave.’は、しきい値THguideに比較される(S27)。CT平均値CTave.’が、しきい値THguideに達していない又は超過していないときには、上記S23乃至S27の処理が繰り返される。CT平均値CTave.’が、しきい値THguideに達した又は超過した時に、リアルプレップ制御部21の制御により、息止め及び体動抑制に関する音声ガイドがスピーカ19から出力される(S28)。
引き続き、プレップスキャン(S29)、画像再構成(S30)、関心領域ROI内画素から上位XパーセントのCT値の抽出(S31)、抽出したCT値の平均値CTave.’の計算(S32)、及び、しきい値THmainに対するCT平均値CTave.’の比較(S33)の一連の処理が、CT平均値CTave.’が、しきい値THmainに達する又は超過する時まで、繰り返される。この時、プレップスキャンが停止され(S34)、必要に応じて待ち時間WTの経過を待機し(S35、S36)、本スキャンを開始する(S37)。本スキャンは、予定した継続時間、予定した回転数、造影剤濃度(CT平均値)が予定した値まで低下する、又はヘリカルスキャンであれば予定したヘリカルスキャン範囲のデータ収集が完了するといった終了条件を満たすまで、継続され(S38)、その条件を満たしたときに、本スキャンが終了する(S39)。
このように濃度監視部位よりも関心領域ROIを大きく設定し、さらに関心領域ROI内の画素の上位XパーセントのCT値の平均値を計算し、その平均値でしきい値処理を実行することにより、呼吸動作による濃度監視部位に対する関心領域ROIのズレに伴うガイダンス出力タイミング及び本スキャン開始タイミングの誤差を軽減することができる。
ここで、上述したように、オペレータは、骨(背骨等)の領域を避けて関心領域ROIの位置、形状及びサイズを注意深く調整すべきであるが、現実的には、呼吸動の振幅の大きさは個人差があり、そのため関心領域ROIに骨領域が入り込むことがある。この場合、骨はCT値が高いので、ガイダンス出力タイミング及び本スキャン開始タイミングが予想外に早くなるという事態が生じる。
この事態を回避するために、図9に示すように、制御部21は、CT値抽出処理S25、S31の前段階で、関心領域ROI内の画素のCT値分布から、所定値以上の高いCT値を除去する(S40、S41)。一般的に、骨のCT値は、250−1,000の範囲内に分布する。上記所定値は、骨の最も低いCT値(250)より若干高いCT値、例えば300に設定される。所定値を骨の最も低いCT値(250)より若干高い値に設定することで、造影剤のCT値が骨のCT値と共に除去されてしまう事態に対して多少のマージンを与えることができる。
図9のS22において、特に、関心領域ROIを複雑な形状に設定したとき、抽出率が最適な値から大幅にずれてしまう可能性がある。抽出率が高すぎたときには、ガイダンス出力タイミング及び本スキャン開始タイミングが予想外に早くなり、抽出率が低すぎたときには、ガイダンス出力タイミング及び本スキャン開始タイミングが予想外に遅くなるという事態が生じる可能性がある。
この可能性を軽減するために、図13,図14に示すように、2種類の関心領域ROI1,ROI2を設定し(S42)、その面積比(ROI2/ROI1)を制御部21で計算して(S43)、その面積比を抽出率として設定するにしてもよい。面積比は、実際には、画素数の比率として計算されるかもしれない。
一方の関心領域ROI1は、図9と同様に、濃度監視領域を含む比較的大きなサイズに設定される。他方の関心領域ROI2は、濃度監視領域を取り囲む比較的小さなサイズに設定される。制御部21は、第1の関心領域ROI1の面積を計算する。また、制御部21は、第2の関心領域ROI2の面積を計算する。制御部21は、第1の関心領域ROI1の面積に対する第2の関心領域ROI2の面積の比率を計算する。例えば、第1の関心領域ROI1の面積が40mmで、第2の関心領域ROI2の面積が10mmであると仮定すると、抽出率は、10/40、つまり25パーセントに設定される。
このように抽出率を設定することにより、抽出率の誤差に起因するガイダンス出力タイミング及び本スキャン開始タイミングのズレを軽減することができる。
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
本発明の実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の主要部の構成図。 本実施形態によるリアルプレップ動作を示すフローチャート。 本実施形態において、関心部位の時間濃度曲線とそれに対して設定された2種のしきい値を示す図。 本実施形態によるリアルプレップ動作を時間経過とともに模式的に示す図。 本実施形態によるリアルプレップ動作における理想的な状態を模式的に示す図。 図1のリアルプレップ制御部の制御のもとで操作卓の操作画面又は表示部に表示されるしきい値設定画面の例を示す図。 図1のリアルプレップ制御部の制御のもとで操作卓の操作画面又は表示部に表示されるしきい値設定画面の他の例を示す図。 図1の操作卓を介して設定される関心領域ROIの例を示す図。 本実施形態による他のリアルプレップ動作を示すフローチャート。 図9のS21で設定される関心領域ROIの例を示す図。 図9のS25の処理の補足図。 本実施形態によるさらに他のリアルプレップ動作を示すフローチャート。 本実施形態によるさらに他のリアルプレップ動作を示すフローチャート。 図13のS42の処理の補足図。 従来のリアルプレップ動作を時間経過とともに模式的に示す図。
符号の説明
1…スキャンガントリ、110…X線管装置、111…X線管、112…X線絞り装置、113…X線検出器、114…データ収集部、14…高電圧発生部、16…架台回転駆動部、17…寝台駆動部、10…寝台、20…天板、2…コンピュータ装置、21…リアルプレップ制御部、23…前処理部、24…画像再構成部、25…表示部、26…操作卓、27…音声データ記憶部、28…データ/制御バス。

Claims (1)

  1. プレップスキャンにより被検体に投与した造影剤濃度をモニタすることにより前記プレップスキャンとスキャン条件の異なる本スキャンの開始タイミングをはかるX線コンピュータ断層撮影装置において、
    X線管と、
    X線検出器と、
    前記X線管に高電圧を印加する高電圧発生部と、
    前記X線検出器の出力に基づいて断層画像データを再構成する再構成部と、
    前記断層画像データに対して第1関心領域と前記第1関心領域内の第2関心領域とを設定する操作部と、
    前記第1関心領域内の画素のCT値分布から、所定値以上のCT値を除去するとともに、残ったCT値の分布から、前記第1関心領域の面積に対する前記第2関心領域の面積の比率に応じた上位の所定パーセントを占める一部の画素を抽出し、前記抽出された一部の画素の平均CT値をしきい値に対して比較し、前記平均CT値が前記しきい値に達した又は超過したとき、前記プレップスキャンを停止するとともに前記本スキャンの実行又は実行準備を開始する制御部とを具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
JP2008271110A 2001-12-20 2008-10-21 X線コンピュータ断層撮影装置 Expired - Lifetime JP5132515B2 (ja)

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