JP5131521B2 - 錠前 - Google Patents

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Description

本発明は、金属粉の発生が防止された錠前(典型的には南京錠)に関する。
リチウム二次電池等の電池や半導体装置等の精密部品を製造する際、その製造環境に微細な金属粉(金属質の粉塵)が存在すると、該金属粉の付着や製品への混入による品質低下、不良率の上昇等の不都合が生じることがある(特許文献1参照)。例えば、これら金属粉を嫌う製品の製造設備(クリーンルーム等)またはその近辺で使用される物品が金属製の部品を備えていると、該金属製部品が上記金属粉の発生源となり得る。特に、摺動部を有する物品において該摺動部(可動部)に金属製部品が用いられている場合には、該金属製部品がこすられて削れることにより削られて金属粉を生じやすい。
ところで、収納庫の扉、制御板の扉、製造装置やその安全装置の作動スイッチ等の施錠や目印として、手軽で便利な南京錠を用いることが考えられる。しかし、一般に南京錠はその全体が金属製であるため、施錠または開錠の際に金属製の部品同士が摺動し(こすれ)て金属粉が発生し得る。また、該南京錠の鍵穴に鍵を抜き差しする際にも、鍵と鍵穴構成部材とのこすれにより金属粉が発生し得る。かかる金属粉の発生防止対策が施された南京錠が提供されれば有用である。
なお、特許文献2には合成樹脂製の鍵が記載され、特許文献3にはファインセラミックス製の鍵が記載されているが、これらはいずれも金属粉の発生防止を目的としたものではなく、また該鍵が差し込まれる錠の構成も考慮されていない。
特開2003−36887号公報 特開平2−88856号公報 実開昭61−8259号公報
そこで本発明は、金属粉を嫌う製品(電池、半導体装置等)の製造設備またはその近辺においても好適に使用することのできる、金属粉の発生が防止された錠前(典型的には南京錠)の提供を目的とする。
本発明によると、端部にラッチ受けが形成されたシャックル部材と、該シャックル部材の端部を抜き差し可能なソケット穴を有する錠本体とを備える錠前(「錠」ともいう。)であって、前記シャックル部材の端部を前記ソケット穴に差し込んで前記ラッチ受けにラッチ部材を係合させることで施錠し、該係合を解くことで前記シャックル部材が前記ソケット穴から抜ける方向に移動して開錠するように構成された錠前(典型的には南京錠)が提供される。ここで、前記シャックル部材は金属製であり、かつ、前記錠本体の少なくとも前記ソケット穴を構成する部材は非金属材料からなる。
かかる構成の錠前では、前記ソケット穴の内面が非金属材料からなるので、前記シャックル部材が金属製であるにも拘わらず、施錠時および開錠時に該シャックル部材を前記ソケット穴に抜き差ししても金属同士がこすれることはない。このことによって、前記シャックル部材と前記ソケット穴(錠本体)との摺動による金属粉の発生が抑制される。したがって、本発明に係る錠前は、様々な環境で種々の用途に用いることができ、特に、金属粉を嫌う製品(リチウム二次電池等の非水電解質二次電池、半導体装置等)の製造設備またはその近辺でも好適に使用することができる。また、該錠前によると、金属製のシャックル部材を使用しつつ金属粉の発生を防止することができる。金属製のシャックル部材を用いることにより、樹脂製のシャックル部材に比べて強度および耐久性に優れ、セラミック製のシャックル部材に比べて耐衝撃性および成形性(形状精度、加工の容易性等)に優れるという利点が得られる。
ここに開示される錠前の好ましい一態様では、前記錠本体が鍵穴を有し、該錠本体の少なくとも前記鍵穴を構成する部材は非金属材料からなる。このような構成の錠前では、該錠前と組み合わせて使用される(ロックセットを構成する)鍵として金属製の鍵を使用しても、該金属製鍵を鍵穴に抜き差しする際に金属同士がこすれることはない。したがって、かかる態様によると、鍵の材質を問わず、該鍵と鍵穴(鍵穴構成成部材)とのこすれ(摺動)による金属粉の発生を防止することができる。
ここに開示される錠前の他の好ましい一態様では、前記錠本体が、前鍵穴を構成するプラグと、該プラグが嵌め込まれるスリーブと、前記プラグと前記スリーブとの間に跨って配置されることで前記プラグの回転を妨げるタンブラー部材を備える。該錠前は、前記鍵穴に鍵を差し込むことにより前記プラグおよび前記スリーブに対し前記タンブラー部材が摺動して前記プラグの回転を許容するように構成されている。そして、前記タンブラー部材は金属製であり、かつ、前記錠本体の少なくとも前記タンブラー部材との摺動部を構成する部材は非金属材料からなる。
かかる構成の錠前では、前記摺動部が非金属材料からなるので、前記タンブラー部材が金属製であるにも拘わらず、前記プラグおよび前記スリーブに対してタンブラー部材が移動しても金属同士がこすれることはない。したがって、上記構成によると、タンブラー部材のこすれ(摺動)による金属粉の発生が抑制される。このように、本発明に係る錠前によると、金属製のタンブラー部材を使用しつつ金属粉の発生を防止することができる。金属製のタンブラー部材を用いることにより、樹脂製のタンブラー部材に比べて強度および耐久性に優れ、セラミック製のタンブラー部材に比べて耐衝撃性および成形性(形状精度、加工の容易性等)に優れるという利点が得られる。
好ましい他の一態様では、前記タンブラー部材の表面が硬質の非金属皮膜で覆われている。かかる態様によると、該錠前と組み合わせて使用される(ロックセットを構成する)鍵として金属製の鍵を使用しても、該鍵を鍵穴に抜き差しする際に、鍵を構成する金属とタンブラーを構成する金属との直接接触を回避することができる。したがって、鍵の材質を問わず、該鍵とタンブラー部材とのこすれ(摺動等)による金属粉の発生を防止することができる。
ここに開示される錠前のさらに他の好ましい一態様では、前記ラッチ部材が金属製である。そして、該ラッチ部材を前記ラッチ受けに係合させる際および該係合を解く際における前記シャックル部材と前記ラッチ部材との摺動部では、前記シャックル部材および前記ラッチ部材の少なくとも一方の表面が硬質の非金属皮膜で覆われていることにより、両部材を構成する金属同士の直接接触が回避されている。
かかる態様では、前記ラッチ部材(例えばボール)が金属製であるので、樹脂製のラッチ部材に比べて強度および耐久性に優れ、セラミック製のラッチ部材に比べて耐衝撃性および成形性(形状精度、加工の容易性等)に優れる。そして、前記シャックル部材および前記ラッチ部材の少なくとも一方(好ましくは両方)を硬質の非金属皮膜で覆うことにより両部材を構成する金属同士の直接接触が回避されているので、金属製のシャックル部材および金属製のラッチ部材を使用しつつ金属粉の発生を防止することができる。シャックル部材とラッチ部材とを係合させる際および該係合を解く際には両部材の摺動部に大きな応力がかかるため、これらの部材の一方または両方を樹脂製とすると錠前の耐久性が不足しがちとなるところ、本発明によると、耐久性に優れ且つ金属粉の発生が防止された錠前を実現することができる。
前記非金属皮膜の一好適例としてダイヤモンドライクカーボン膜が挙げられる。ダイヤモンドライクカーボン膜(以下、「DLC膜」ともいう。)は、硬度および化学的安定性が高くかつ耐摩耗性に優れることから、上記錠前の長期間の使用または開錠と施錠の繰り返しに対して高い耐久性を示す。したがって、かかる構成によると、金属粉発生を抑制する効果の耐久性に優れた錠前を実現することができる。
また本発明は、他の側面として、ここに開示されるいずれかの錠前(典型的には南京錠)と、該錠前(錠と同義)を開錠可能な鍵と、を備えるロックセット(すなわち、鍵と錠とのセット)を提供する。該ロックセットは、上記のように金属粉の発生防止対策が施された錠前を用いることから、金属粉を嫌う製品(電池、半導体装置等)の製造設備またはその近辺でも好適に使用することができる。
ここに開示されるロックセットの好ましい一態様では、前記鍵が金属製であって、前記錠前を構成する前記錠本体は少なくとも内面が非金属材料により構成された鍵穴を有する。かかるロックセットによると、金属製の鍵を使用しつつ金属粉の発生を防止することができる。このように金属製の鍵を用いることにより、樹脂製の鍵に比べて強度および耐久性に優れ、セラミック製の鍵に比べて耐衝撃性および成形性に優れるという利点が得られる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1に示すように、ここに開示される錠前の典型例としての南京錠1は、長脚部12および短脚部14を有する逆J字形状のシャックル部材10と、それら脚部12,14の端部がそれぞれ挿入されるソケット穴24,26を有する錠本体20とを備える。また、錠本体20には鍵90を抜き差し可能な鍵穴42が設けられている。ロックセット100は、南京錠1およびこれと組み合わせて使用される(南京錠1を開錠可能な)鍵90により構成されている。
シャックル部材10の長脚部12および短脚部14の端部には、互いに対向する内側部分にそれぞれ凹み16,17が形成されている。図1に示す南京錠1の施錠状態では、ソケット穴24,26に差し込まれた長脚部12および短脚部14の凹み16,17に、錠本体20に収容されたラッチ部材としてのボール38,39がそれぞれ係合している。これによりシャックル部材10がソケット穴24,26から抜ける方向(図1の上方)に移動することが阻止されている。なお、ソケット穴24の奥部には、シャックル部材10を上方に付勢するスプリング19が収容されている。
錠本体20は、ソケット穴24,26を構成する部材であるケース22と、ケース22に嵌め込み固定された円筒状のスリーブ30と、鍵穴42を構成する部材であってスリーブ30の内周側に嵌め込まれた段付円柱状のプラグ40とを備える。図1に示す施錠状態では、三つ(三組)のピンタンブラー50が、スリーブ30とプラグ40とに跨って位置している。また、プラグ40の奥側(鍵穴42の入口とは反対側)に設けられた頭部46は、図1に示す施錠状態においてボール38が内周側に移動する(これにより凹み16,17との係合が外れる)ことを阻止するように形成されている。
ピンタンブラー50の構成および作動につき説明する。図2および図3に示すように、スリーブ30には、下方(鍵穴42の入口側)から順に、該スリーブ30の外周端から径方向内側に延びて内周端に至る摺動孔33,34,35が形成されている。また、プラグ40には、該プラグ40の外周端から径方向内側に延びて鍵穴42に至る摺動孔43,44,45が、それぞれスリーブ30の摺動孔33,34,35に対応する位置に形成されている。そして、摺動孔33と摺動孔43とにより形成された連通孔、摺動孔34と摺動孔44とにより形成された連通孔、および摺動孔35と摺動孔45とにより形成された連通孔に、それぞれピンタンブラー50が収容されている。
ピンタンブラー50は、内側(鍵穴42側)に配置されたインナーピン52と、その外側端に当接するアウターピン54とを備え、アウターピン54の外側に配置されたスプリング56によって内側(鍵穴42側)に付勢されている。鍵穴42に鍵90が差し込まれていない状態では、図2で一番上に示されているピンタンブラー50のように、ピンタンブラー50はインナーピン52の先端が鍵穴42の内面に当接する位置にある。このとき、アウターピン54の先端は摺動孔43内まで入り込んでおり(すなわち、スリーブ30とプラグ40とに跨ってアウターピン54が配置され)、これによりスリーブ30に対するプラグ40の回転が妨げられている。ピンタンブラー50は、スプリング56の付勢力に抗して外側に押し出されることにより、摺動孔33,43、摺動孔34,44および摺動孔35,45に沿って外側に移動させることができる。このように、本実施形態では、スリーブ30およびプラグ40が、錠本体20とピンタンブラー50との摺動部を構成する部材に相当する。
ここで、南京錠1の構成部品のうち、シャックル部材10、ボール38,39、インナーピン52およびアウターピン54は、いずれも金属製である。これらの金属製部材を構成する金属材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム(合金)、マグネシウム(合金)、チタン(合金)等を採用することができる。本発明にとり好ましい金属材料としてステンレス鋼が例示され、なかでもオーステナイト系のステンレス鋼(例えば、SUS304等のような300番台のSUS)の使用が好ましい。かかるステンレス鋼は、通常は非磁性体であるが、強い磁場をかけることで磁性体となる性質を有する。このため、仮に(例えば不適切な使用態様等により)これらの部材から金属粉が生じて電池等に混入したとしても上記性質を利用して該金属粉を取り除きやすいので、電池内部に混入した場合の悪影響が小さい。例えばシャックル部材10にはSUS303を、ボール38,29、インナーピン52およびアウターピン54にはSUS304を用いた構成とすることができる。
これらの金属製部材、すなわちシャックル部材10、ボール38,39、インナーピン52およびアウターピン54は、いずれも該部材の表面全体がDLC膜で覆われている。なお、上記DLC膜の形成(すなわち、金属製部材の表面をDLC膜で覆う処理)は従来公知の方法により行うことができ、かかるDLC膜の具体的な形成方法自体は本発明を特徴づけるものではないため、詳細な説明は省略する。
また、南京錠1の構成部品のうち、ケース22、スリーブ30およびプラグ40はいずれも樹脂製である。これら樹脂製部品を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、メラミン樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド(PAI)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)等の樹脂を選択することができる。自己潤滑性および機械的強度の高い樹脂材料の使用が好ましい。例えば、PPS,PEEK,PC等を好ましく使用することができる。本発明にとり特に好ましい樹脂材料としてPPSが例示される。
一方、鍵90は、鍵穴42に挿入される差込部92と、該差込部92に続いて形成された把持部96とを備える。差込部92には、鍵90の先端91側から順に、上記三つのピンタンブラー50のインナーピン52の先端をそれぞれ受け入れ可能な窪み93,94,95が形成されている。この鍵90は金属製(例えばSUS304製)であって、その表面全体はDLC膜で覆われている。
このように構成された南京錠1の開錠時の作動を説明する。すなわち、鍵90の差込部92を鍵穴42に挿入すると、該鍵90の先端91がインナーピン52に当たり、スプリング56の付勢力に抗してピンタンブラー50を外周側に移動させる。インナーピン52の先端が窪み93,94,95以外の部分の差込部92に当接しているときは、図2で鍵穴42の入口側から二番目に示されているピンタンブラー50のように、インナーピン52の外側端がスリーブ30の摺動孔34内まで入り込んでおり(すなわち、スリーブ30とプラグ40とに跨ってインナーピン52が配置され)、スリーブ30に対するプラグ40の回転が妨げられている。ここで、上述のように、インナーピン52および鍵90の表面はいずれもDLC膜で覆われており、これにより両部材を構成する金属の直接接触が回避されているので、インナーピン52と鍵90との摺動によって金属粉が発生することはない。また、インナーピン52およびアウターピン54を案内する摺動孔33〜35,43〜45は、樹脂製のスリーブ30および樹脂製のプラグ40より構成されている。したがって、摺動孔33〜35,43〜45とインナーピン52およびアウターピン54との摺動による金属粉の発生を防止することができる。さらに、鍵穴42を構成するプラグ40が樹脂製であることにより、鍵90を抜き差しするときに該鍵90と鍵穴42とがこすれることによる金属粉の発生も防止されている。
図3に示すように、鍵90を鍵穴42の奥まで(先端91が鍵穴42の底部に届くまで)差し込むと、三つのインナーピン52の先端が鍵90の窪み93,94,95にそれぞれ収まる。このとき各ピンタンブラー50のインナーピン52とアウターピン54との境界(シアライン)がいずれもスリーブ30とプラグ40との境界と一致するように、窪み93,94,95の深さが設定されている。これにより、スリーブ30およびこれに固定されたケース22に対してプラグ40を回転させることが可能となる。
そして、鍵90を捻ってプラグ40を回転させると、図4に示すように、該プラグ40の頭部46外周に設けられた凹み48,49によりボール38,39が内周側に後退する。これによりボール38,39とシャックル部材10(凹み16,17)との係合が解かれると、長脚部12の先端付近に形成された括れ18にボール38が係合する位置までシャックル部材10がスプリング19の付勢力で押し上げられ、これにより短脚部14の先端がソケット穴26から抜け出す。ここで、上述のように、ボール38,39およびシャックル部材10の表面はいずれもDLC膜で覆われており、これらの部材を構成する金属の直接接触が回避されている。したがって、ボール38,39とシャックル部材10とのこすれによって金属粉が発生することはない。また、プラグ40の頭部46およびケース22は樹脂製であるので、ボール38,39とプラグ40およびケース22とこすれによる金属粉の発生を防止することができる。さらに、ケース22が樹脂製であることにより、シャックル部材10とケース22とのこすれによる金属粉の発生も防止されている。
このように、本実施態様に係る南京錠1および該南京錠1を用いたロックセット100は、開錠および施錠の繰り返しに対する耐久性に優れる。また、該南京錠1およびロックセット100は、使用に伴う金属粉の発生(例えば、開錠操作や施錠操作に伴う金属粉の発生)が高度に防止されており、しかもその金属粉発生防止効果の耐久性が高い。したがって、金属粉を嫌う製品の製造設備(クリーンルーム等)またはその近辺で使用される南京錠およびロックセットとして特に好適である。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、ソケット穴を構成する部材および錠本体とタンブラー部材との摺動部を構成する部材として、上記説明では樹脂製の部材(ケース22、スリーブ30およびプラグ40)を用いたが、これらの部材をセラミック製(例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミック製)としてもよい。また、上記説明ではシャックル部材、ラッチ部材(ボール38,39)およびタンブラー部材(インナーピン52およびアウターピン54)として金属製部材の全表面にDLC膜が形成された部材を使用したが、かかるDLC膜に代えて他の硬質非金属皮膜(例えばアルミナ膜)が形成された金属製部材を用いてもよい。
また、本発明の技術思想は、南京錠等の錠前に限定されず、摺動部を有する物品であって金属粉を嫌う製品の製造設備またはその近辺で使用される他の物品、例えば蝶番にも適用可能である。
すなわち、この明細書により開示される技術には、例えば図5に示すように、二枚の金属製羽根板(62,64)と、それらの羽根板(62,64)の一端に設けられた管状部(62a,64a)に共通的に挿通されて該羽根板(62,64)を連結するとともに該羽根板(62,64)を前記管状部(62a,64a)の周囲に回転可能に支持するピン(66)とを備える蝶番(60)であって、前記二枚の羽根板(62,64)の管状部(62a,64a)の端面が摺動する摺動部(65)では、少なくとも一方(好ましくは両方)の羽根板の管状部端面が硬質の非金属皮膜(好ましくはDLC膜、アルミナ膜等。特に好ましくはDLC膜。)で覆われていることにより両羽根板(62,64)を構成する金属同士の直接接触が回避されている蝶番60が含まれる。なお、図5中の符号69は、この蝶番60の固定に利用される取付孔である。かかる構成によると、上記摺動部(65)で二枚の羽根板(62,64)の管状部(62a,64a)がこすれ合うことによる金属粉の発生を防止することができる。また、これらの羽根板(62,64)は金属製であるので、例えば樹脂製の羽根板を用いて構成された蝶番に比べて強度および耐久性に優れる。さらに、他方の羽根板の管状部(62a,64a)外周に対向する羽根板内端面(61)および/または前記管状部の外周が硬質の非金属皮膜で覆われた構成としてもよい。
上記蝶番(60)の好ましい一つの態様では、前記ピン(66)が金属製であり、該ピン(66)の外周が硬質の非金属皮膜(好ましくはDLC膜、アルミナ膜等。特に好ましくはDLC膜。)で覆われていることにより、該ピン(66)を構成する金属と前記二枚の羽根板(62,64)を構成する金属との直接接触が回避されている。このような構成によると、ピン(66)と羽根板(62,64)とがこすれ合うことによる金属粉の発生をも防止することができる。上記ピン(66)は金属製であるので、例えば樹脂製のピンを用いて構成された蝶番に比べて強度および耐久性に優れる。
この明細書により開示される技術には、さらに、例えば図6に示すように、二枚の金属製羽根板(72,74)と、それらの羽根板(72,74)の一端に設けられた管状部(72a,74a)に共通的に挿通されて該羽根板(72,74)を連結するとともに該羽根板(72,74)を前記管状部(72a,74a)の周囲に回転可能に支持するピン(76)とを備える蝶番(70)であって、上記ピン(76)に共通的に挿通された樹脂製(例えばPPS製)のスペーサ環(78)が前記二枚の羽根板(72,74)の管状部(72a,74a)の端面間に介在された蝶番(70)が含まれる。なお、図6中の符号79は、この蝶番70の固定に利用される取付孔である。かかる構成によると、前記二枚の羽根板(72,74)の管状部(72a,74a)の端面間にスペーサ環(78)が介在されていることにより、該端面のこすれ合いによる金属粉の発生が回避される。好ましくは、上記ピン(76)が樹脂製である。このことによって、ピン(76)と羽根板(72,74)とのこすれ合いによる金属粉の発生をも防止することができる。
上記蝶番(70)において、図6に示す例のように、前記スペーサ環(78)の肉厚を前記管状部(72a,74a)の肉厚よりも大きくし、これにより他方の羽根板の管状部(72a,74a)の外周に対向する羽根板内端面(71)と該管状部外周とが離隔される構成としてもよい。かかる構成によると、管状部(72a,74a)の外周と前記内端面(71)とのこすれによる金属粉の発生を回避することができる。
本発明に係る錠前(典型的には南京錠)および該錠前を用いたロックセットは、金属製の部品を用いた構成でありながら、あるいは金属製の鍵を用いて開錠および施錠する場合であっても、該錠前の使用に伴う金属粉の発生が防止されている。したがって、様々な環境で種々の用途に用いることができ、特に、金属粉を嫌う製品(例えば、リチウム二次電池等の電池や半導体装置等の精密部品)の製造設備またはその近辺で使用される錠前およびロックセットとして特に好適である。例えば、上記製品を製造する設備の入口扉、該設備の内部またはその近辺にある収納庫の扉、制御板の扉、製造装置やその安全装置の作動スイッチ等の施錠や目印として、本発明に係る錠前またはロックセットを好ましく採用することができる。
一実施態様に係る錠前(南京錠)の施錠状態を示す断面図である。 一実施態様に係る錠前(南京錠)の要部の作動を示す断面図である。 一実施態様に係る錠前(南京錠)の要部の作動を示す断面図である。 一実施態様に係る錠前(南京錠)の開錠状態を示す断面図である。 金属粉の発生が防止された蝶番の一例を示す平面図である。 金属粉の発生が防止された蝶番の他の例を示す平面図である。
符号の説明
1 南京錠(錠前)
10 シャックル部材
16,17 凹み(ラッチ受け)
20 錠本体
22 ケース(ケース)
24,26 ソケット穴
30 スリーブ
33,34,35 摺動孔
38,39 ボール(ラッチ部材)
40 プラグ
42 鍵穴
43,44,45 摺動孔
46 頭部
50 ピンタンブラー
52 インナーピン(タンブラー部材)
54 アウターピン(タンブラー部材)
90 鍵
100 ロックセット
60,70 蝶番
62,64 羽根板
62a,64a,72a,74a 管状部
65 摺動部
66,76 ピン
78 スペーサ環

Claims (6)

  1. 端部にラッチ受けが形成されたシャックル部材と、該シャックル部材の端部を抜き差し可能なソケット穴を有する錠本体とを備え、前記シャックル部材の端部を前記ソケット穴に差し込んで前記ラッチ受けにラッチ部材を係合させることで施錠し、該係合を解くことで前記シャックル部材が前記ソケット穴から抜ける方向に移動して開錠するように構成された錠前であって、
    前記シャックル部材はオーステナイト系ステンレス鋼製であり、かつ、前記錠本体の少なくとも前記ソケット穴を構成する部材は樹脂製である、錠前。
  2. 前記錠本体は、鍵穴を有し、少なくとも前記鍵穴を構成する部材は非金属材料からなる、請求項1に記載の錠前。
  3. 前記錠本体は、前記鍵穴を構成するプラグと、該プラグが嵌め込まれるスリーブと、前記プラグと前記スリーブとの間に跨って配置されることで前記プラグの回転を妨げるタンブラー部材を備え、前記鍵穴に鍵を差し込むことにより前記プラグおよび前記スリーブに対し前記タンブラー部材が摺動して前記プラグの回転を許容するように構成されており、
    前記タンブラー部材はオーステナイト系ステンレス鋼製であり、かつ、前記プラグおよび前記スリーブは樹脂製である、請求項1または2に記載の錠前。
  4. 前記タンブラー部材の表面は硬質の非金属皮膜で覆われている、請求項3に記載の錠前。
  5. 前記ラッチ部材は金属製であり、
    該ラッチ部材を前記ラッチ受けに係合させる際および該係合を解く際における前記シャックル部材と前記ラッチ部材との摺動部では、前記シャックル部材および前記ラッチ部材の少なくとも一方の表面が硬質の非金属皮膜で覆われていることにより両部材を構成する金属同士の直接接触が回避されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の錠前。
  6. 前記非金属皮膜はダイヤモンドライクカーボン膜である、請求項4または5に記載の錠前。
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