JP5128890B2 - 剥離治具及び剥離装置 - Google Patents

剥離治具及び剥離装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5128890B2
JP5128890B2 JP2007258719A JP2007258719A JP5128890B2 JP 5128890 B2 JP5128890 B2 JP 5128890B2 JP 2007258719 A JP2007258719 A JP 2007258719A JP 2007258719 A JP2007258719 A JP 2007258719A JP 5128890 B2 JP5128890 B2 JP 5128890B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peeling jig
peeling
jig
magnetic force
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007258719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009084025A (ja
Inventor
貴夫 水野
勝 山木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanetec KK
Original Assignee
Kanetec KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanetec KK filed Critical Kanetec KK
Priority to JP2007258719A priority Critical patent/JP5128890B2/ja
Publication of JP2009084025A publication Critical patent/JP2009084025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5128890B2 publication Critical patent/JP5128890B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Description

本発明は剥離治具及び剥離装置に関し、更に詳細には磁性を帯びることが可能な磁性体材料から成る複数枚の金属板が積層され、前記金属板の各側面が露出する積層体の一側面に対向する対向面が、前記積層体の一側面に当接又は近接したとき、内装されている磁石による磁力によって前記積層体の上層側の金属板が浮揚して剥離される剥離治具及び剥離装置に関する。
複数枚の鉄板が積層された積層体から鉄板を一枚づつ剥離する剥離治具が、例えば図13及び図14に示す転送装置に用いられている(下記特許文献1参照)。図13に示す転送装置は、待機位置Aのパレット100上にサイズの異なる複数種の鉄板102a,102b,102cが積層された積層体102が載置されている。この待機位置Aのパレットは、転送位置Bに送られる。転送位置Bには、鉄板102a,102b,102cの各側面が露出する積層体102の一側面に沿って設けられたレール106を往復動する往復動体105に、積層体102に積層された鉄板102a,102b,102cを剥離する剥離治具104,104が設けられている。この往復動体105には、剥離治具104,104によって剥離された鉄板間に挿入され、鉄板間の剥離距離を更に拡大するナイフ状の剥離片108も設けられている。
かかる転送位置Bの上方には、図14に示す様に、剥離治具104,104で剥離されて剥離片108によって剥離距離が拡大された積層体102の最上層の鉄板を吸着する複数個の吸着素子110,110・・が回転可能に設けられたアーム112の先端部に設けられている。吸着素子110,110・・に吸着された鉄板は、アーム112によって転送位置Dに転送される。
また、転送位置Bには、積層体102に積層された鉄板が剥離されて積層体102が次第に薄くなったとき、パレット100ごと上昇させるリフト114が設けられている。
転送位置Bで載置された積層体102の全鉄板を転送位置Dに転送し終わったとき、パレット100は、退位位置Cに移送される。
特開平7−2383号公報
図13及び図14に示す剥離治具104の内部構造を図15(a)〜(c)に示す。図15(a)は、剥離治具104の正面断面図であって、図15(b)は図15(a)のA−A面における断面図であり、図15(c)は図15(a)のB−B面における断面図である。
図15に示す様に、剥離治具104では、磁性を帯びることが可能な鉄等の磁性体材料(以下、単に磁性体材料と称することがある)から成る板状のヨーク104dの一面側に、複数枚の四角形の永久磁石104b,104b・・が二層に積層されて載置され、磁化されることのないアルミニウム、真鍮、ステンレス或いは樹脂等の非磁性体材料(以下、単に非磁性体材料と称することがある)から成る箱状のケーシング104aによって覆われている。このケーシング104aのヨーク104dに対向する対向面側には、二本の非磁性体材料から成るレール104e,104eが設けられている。かかる永久磁石104b,104b・・は、同一面積、同一厚さであって非磁性体材料から成るセパレータ104cによってN極側とS極側とに分離されて二列に配列されている。
かかる剥離治具104のレール104e,104eが設けられているケーシング104aの面を積層体102の一側面に近接すると、図16に示す様に、剥離治具104に対向する積層体102の各鉄板には、剥離治具104の磁極と反対の磁極が誘起される。この際に、鉄板間では同一磁極が誘起されるため、鉄板間に反発力が生じて各鉄板を浮揚して剥離する浮揚力が生じる。
図14及び図15に示す剥離治具104を具備した図13及び図14に示す転送装置によれば、複数枚の鉄板が積層された積層体102から剥離治具104によって浮揚されて剥離された鉄板間に剥離片108を挿入して鉄板間の剥離距離を更に拡大し、吸着素子110,110・・によって剥離した鉄板を吸着して転送できる。
しかし、図15及び図16に示す剥離装置104では、積層体102の最上層の鉄板と次層の鉄板との浮揚距離が充分でなく剥離片108の挿入が困難となるおそれがある。
また、図13及び図14に示す転送装置では、剥離装置104,104が積層体102の一側面に沿って移動可能に設けられているが、鉄板の転送を途中で休止や停止等する場合、浮揚した鉄板を積層状態に戻すには、剥離装置104,104を大きくスライドさせて積層体102から遠ざけることを必要とし、転送装置が大型化する。
そこで、本発明は、積層体の最上層の金属板と次層の金属板との浮揚距離を充分に確保できないおそれがあり、且つ浮揚状態の金属板を容易に積層体に容易に戻すことができない従来の剥離治具及び剥離装置の課題を解決し、積層体の最上層の金属板と次層の金属板との浮揚距離を充分に確保でき、且つ浮揚状態の金属板を容易に積層体に戻すことのできる剥離治具及び剥離装置を提供することを目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく検討したところ、図15及び図16に示す剥離治具104では、積層体102の一側面と対向する対向面の磁力強度が略一定している。かかる剥離治具104によって浮揚された、積層体102の最上層から最下層方向に積層された第1鉄板、第2鉄板、第3鉄板・・の各浮揚距離は徐々に狭くなることが判明した。
このため、転送する積層体の最上層を形成する第1鉄板と次層を形成する第2鉄板との浮揚距離を、他の鉄板の浮揚距離に比較して更に一層拡大するには、積層体の一側面に対向する剥離治具の対向面での磁力を、その下端側に比較して上端側を高磁力とするように調整することが有効であること、及び積層体の一側面に対する剥離治具の対向面からの磁力は、積層体の一側面と剥離治具の対向面との距離に大きく影響されるため、剥離治具の対向面を積層体の一側面に接離することが、積層体の鉄板の浮揚或いは浮揚した鉄板を積層体に戻すことが容易にできるものと考え検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、磁性を帯びることが可能な磁性体材料から成る複数枚の金属板が積層され、前記金属板の各側面が露出する積層体の一側面に対向する対向面が、前記積層体の一側面に当接又は近接したとき、内装されている磁石による磁力によって前記積層体の上層側の金属板が浮揚して剥離される剥離治具であって、前記剥離治具の対向面の磁力分布が、前記対向面の下端部側から上端部の直下位置までの範囲においては下端部側よりも上端部側を高磁力とし、かつ、前記対向面の上端部における磁力は、前記対向面の上端部の直下位置における磁力よりも低磁力となるように、磁石が内装されていることを特徴とする剥離治具にある。
また、本発明は、磁性を帯びることが可能な磁性体材料から成る複数枚の金属板が積層され、前記金属板の各側面が露出する積層体の一側面に対向するように配設された前述した剥離治具と、前記積層体の一側面に対向する前記剥離治具の対向面が、前記積層体の一側面に接離可能となるように、前記剥離治具を移動する移動手段とが設けられていることを特徴とする剥離装置でもある。
かかる本発明において、前記積層体の一側面に対向する剥離治具の対向面に、互いに異なる磁極が形成されるように前記磁石が配設することによって、磁束密度を向上でき、積層体に積層された複数枚の金属板の浮揚距離を拡大できる。
また、前記磁石が、厚さ、面積及び形成材料の少なくとも一つが異なる複数枚の永久磁石であることによって、剥離治具の対向面の下端部よりも上端部側を容易に高磁力とすることができる。
或いは、前記磁石が、磁性体材料から成り且つ前記剥離治具の対向面に沿って延出された金属芯にコイルが巻回されて成る電磁石であって、前記金属芯が前記剥離治具の対向面の下端側よりも上端側に幅広に形成することによっても、剥離治具の対向面の下端部よりも上端部側を容易に高磁力とすることができる。
また、剥離治具の移動手段として、シリンダ装置を好適に用いることができる。
本発明に係る剥離治具では、積層体の一側面に対向する対向面に、その下端部よりも上端部側が高磁力となるように磁石を配設し、かつ、最上端部における磁力を最上端部の直下位置における磁力よりも低磁力となるような磁力分布を採用している。このため、最上層の鉄板に対する磁力は、次層の鉄板に対する磁力よりも弱くなるため、最上層の鉄板が取り出し易くなる。
また、本発明に係る剥離装置では、前述した剥離治具の対向面を積層体の一側面に移動手段によって接離できる。この様に、剥離治具の対向面を積層体の一側面に移動手段によって接離する際に、積層体の一側面に対する剥離治具の対向面からの磁力が、積層体の一側面と剥離治具の対向面との距離に大きく影響され、積層体の金属板の浮揚或いは浮揚した金属板を積層体に戻すことが容易にできる。
本発明に係る剥離治具の一例を図1(a)〜(b)に示す。図1(a)は、剥離治具10の正面断面図であって、図1(b)は図1(a)のY−Y面における断面図であり、図1(c)は図1(a)のZ−Z面における断面図である。
図1に示す様に、剥離治具10では、磁性を帯びることが可能な鉄等の磁性体材料(以下、単に磁性体材料と称することがある)から成る板状のヨーク12上に、二種類の四角形の永久磁石14a,14bが載置され、磁化されることのないアルミニウム、真鍮、ステンレス或いは樹脂等の非磁性体材料(以下、単に非磁性体材料と称することがある)から成る箱状のケーシング16によって覆われている。このケーシング16のヨーク12に対向する対向面側には、二本の非磁性体材料から成るレール18,18が設けられている。かかる永久磁石14a,14bは同一厚さであるが、永久磁石14bは永久磁石14aの面積が約1/2に形成されている。
また、ヨーク12の永久磁石14a,14bを載置する載置面側は、図1(c)に示す様に、上端部12cが下端部12a及び中途部12bよりも低部に形成されている。かかるヨーク12の上端部12cには、永久磁石14aを二枚積層して載置し、中途部12bには、永久磁石14aを一枚載置する。更に、ヨーク12の下端部12aには、小面積の永久磁石14bを一枚載置する。
かかる永久磁石14a,14bは、図1(a)に示す様に、非磁性体材料から成るセパレータ20によってN極側とS極側とに分離されて二列に配列されている。
図1に示す永久磁石14a,14bは希土類から成る永久磁石であって、ケーシング16のレール18,18が設けられている面(以下、作業面と称することがある)の磁力分布は、ヨーク12の上端部12cに対応する部分の磁力が4720Gであり、ヨーク12の中途部12bに対応する部分の磁力が3950Gであった。更に、ヨーク12の下端部12aに対応する部分の磁力は3200Gであった。この様に、図1に示す剥離治具10では、その作業面の下端側から上端側方向に磁力が次第に高くなっている。
一方、図15に示す従来の剥離治具104では、永久磁石104bとして図1に示す剥離治具10で用いた永久磁石と同様に、希土類から成る永久磁石を用いたとき、その作業面の磁力は、4700G〜4430Gで略一定であった。
図1に示す剥離治具10の作業面を、図2(a)に示す様に、載置台51上に載置されている複数枚の鉄板が積層され、鉄板の各側面が露出する積層体61の一側面に当接し、最上層の鉄板と次層の鉄板との浮揚距離(フロート距離)Xを測定した。鉄板の板厚を変更してフロート距離Xを測定した結果を、図2(b)のグラフに示す。図2(b)のグラフは、横軸に鉄板の板厚を示し、縦軸にフロート距離Xを示す。図2(b)のグラフにおいて、符号10の曲線が図1に示す剥離治具10を用いた結果である。
更に、図15に示す従来の剥離治具104を用いて、同様にして鉄板の板厚を変更してフロート距離Xを測定した結果を、図2(b)のグラフに併せて示す。図2(b)のグラフにおいて、符号104の曲線が図15に示す剥離治具104を用いた結果である。
図2(b)から明らかな様に、図1に示す剥離治具10のフロート距離は、図15に示す従来の剥離治具104のフロート距離よりも大きい。特に、鉄板の板厚が厚くなったとき、フロート距離を拡大できる。
このため、図13及び図14に示す転送装置の剥離装置104に代えて、図1に示す剥離治具10を設けることによって、積層体102の最上層の鉄板と次層の鉄板との浮揚距離を充分に確保でき、剥離片108の挿入を容易に行うことができる。
更に、図1に示す剥離治具10では、同一厚さであるが面積の異なる二種類の永久磁石14a,14bを用い、永久磁石の積層数及び面積差によって、その作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなるようにしている。従って、図1に示す剥離治具10は、面積及び厚さが同一の永久磁石104b,104b・・を、ヨーク104dの一面側に沿って同一枚数積層している図15に示す従来の剥離治具104に比較して、使用した永久磁石重量を少なくでき、その製造コストの低減を図ることができる。
図1に示す剥離治具10では、使用する永久磁石の積層数及び面積差によって、その作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなるようにしている。
この様に、剥離治具10の作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなるように調整するには、図3に示す様に、面積のみが異なる三種の永久磁石14a,14b,14cを用いても行うことができる。図3に示す剥離治具10では、ヨーク12の作業面側の面に積層する永久磁石数が下端部から上端部側方向に同一枚数であっても、その下端部から上端部に配置する永久磁石を、下端部から上端部側方向に次第に面積の大きな永久磁石を配列することによって、作業面の磁力を下端部から上端部側方向に次第に高くできる。図3では、下端部に最小面積の永久磁石14bを配置し、上端部に最大面積の永久磁石14aを配置すると共に、上端部と下端部との中間部には、中間面積の永久磁石14cを配設している。
また、図4に示す様に、ヨーク12の作業面側の面を、剥離治具10の作業面との距離が下端部から上端部側方向に次第に大きくなるように階段状に形成(ヨーク12の厚さが下端部から上端部側方向に次第に薄くなるように階段状に形成)する。かかるヨーク12の階段状の面に、面積及び厚さの等しい複数枚の永久磁石14aを載置する。その際に、永久磁石14aの積層枚数を、ヨーク12の下端部から上端部方向に次第に増加することによっても、剥離治具10の作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなるように調整できる。
図3及び図4に示す剥離治具10では、ヨーク12の作業面側の面に、面積の異なる永久磁石14a,14bを載置し、或いは面積及び厚さが同一の永久磁石14aの積層枚数を変更して作業面の磁力分布を調整していたが、図5に示す様に、作業面とヨーク12の作業面側の面に積層した永久磁石14aの積層枚数が同数であっても、剥離治具10の作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなるように調整できる。
図5に示す剥離治具10では、ヨーク12の作業面側の面を、作業面との距離が上端部から下端部側方向に次第に大きくなるように階段状に形成(ヨーク12の厚さが上端部から下端部側方向に次第に薄くなるように階段状に形成)している。このため、かかるヨーク12の階段状の面に、面積及び厚さが同一の永久磁石14a,14a,14aを積層することによって、積層した永久磁石14a,14a,14aの上面と作業面との距離を、下端部から上端部側方向に次第に短縮でき、作業面において、その下端部から上端部側方向に磁力を次第に高くできる。
また、図6の剥離治具10に示す様に、磁力の異なる永久磁石を用いることによっても、剥離治具10の作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなるように調整できる。
図6に示す剥離治具10の作業面の上部側に用いられている永久磁石15aは、Nd系希土類から成る永久磁石である。一方、剥離治具10の作業面の下部側に用いられている永久磁石15bは、Fe系フェライトから成る永久磁石である。かかる永久磁石15aと永久磁石15bとの磁力は、面積及び厚さが同一である場合は、永久磁石15a>永久磁石15bである。
このため、図6の剥離治具10では、上端部側の永久磁石15aは二枚積層し、その直下部の永久磁石15aは一枚配設している。一方、下端部側に配設した永久磁石15bでは三枚積層して、一枚の永久磁石15aとの磁力の調整を図り、剥離治具10の作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなるように調整している。
尚、ヨーク12の作業面側の面も、積層する永久磁石の枚数に応じて凹凸面に形成されている。
図1に示す剥離治具10では、二種類の面積の異なる永久磁石14a,14bを用いたが、図7に示す様に、三種類の面積の異なる永久磁石14a,14b,14cを用いてもよい。
図7に示す剥離治具10では、その作業面の下端部に最小面積の永久磁石14bを配設すると共に、上端部に最大面積の永久磁石14aを配設し、且つ作業面の中途部に中間面積の永久磁石14cを配設する。更に、作業面の下端部から上端部側方向に永久磁石の積層枚数も次第に増加している。このため、ヨーク12の作業面側の面を、積層する永久磁石の枚数に対応するように階段状に形成されている。
また、図1〜図7に示す剥離治具10では、長形形状の作業面の長軸方向に沿ってN極とS極との磁極ができるように永久磁石を二列に配設しているが、図8に示す剥離治具10の様に、長形形状の作業面の長軸方向に沿ってN極又はS極の単極の磁極が形成できるように、永久磁石14aを一列に配設してもよい。図8に示す剥離治具10では、永久磁石14aの積層枚数を作業面の下端部から上端部側方向に次第に増加して、剥離治具10の作業面の下端側から上端側方向に磁力が次第に高くなるように調整している。このため、ヨーク12の作業面側の面を、積層する永久磁石の枚数に対応するように階段状に形成されている。
図1〜図8に示す剥離治具10では、その作業面の下端部から上端部側方向に磁力が次第に高くなり、作業面の上端部が最も磁力が高くなるように磁石を配設していたが、図9及び図10に示す剥離治具10の様に、作業面の上端部の直下部が最も磁力が高くなるように磁石を配設してもよい。
図9に示す剥離治具10では、面積のみが異なる三種類の永久磁石14a,14b,14cを用い、作業面の下端部と上端部に最小面積の永久磁石14bを配設し、上端部に配設した永久磁石14bの直下部に、最大面積の永久磁石14aを配設した。更に、この永久磁石14aと下端部の永久磁石14bとの間には、中間面積の永久磁石14cを配設した。これらの永久磁石14a,14b,14cの積層枚数は同数とした。
かかる図9に示す剥離治具10の作業面での磁力は、その下端部から上端部側方向に次第に強くなり、上端部の直下部で最大となり、上端部での磁力はその直下部よりも低下する。
また、図10に示す剥離治具10の様に、面積及び厚さが同一の永久磁石14aを用い、積層枚数を調整して、作業面の磁力を調整してもよい。図10に示す剥離治具10では、作業面の下端部及び上端部では一枚の永久磁石14aをヨーク12の作業面側の面に載置し、上端部の直下部では三枚の永久磁石14aを積層した。更に、この三枚の永久磁石14aを積層した上端部の直下部と下端部との間では、二枚の永久磁石14aを積層した。
かかる図10に示す剥離治具10の作業面での磁力は、その下端部から上端部方向に次第に強くなり、上端部の直下部で最大となり、上端部での磁力はその直下部よりも低下する。
このため、図2(a)に示す様に、図10に示す剥離治具10の作業面を、図2(a)に示す様に、載置台51上に載置されている複数枚の鉄板が積層され、鉄板の各側面が露出する積層体61の一側面に当接したとき、最上層の鉄板に対する磁力は、次層の鉄板に対する磁力よりも弱くなるため、最上層の鉄板を取り出し易くなる。
図1〜図10で説明した剥離治具10では、永久磁石を用いて、その作業面での磁力分布を調整しているが、電磁石を用いてもよい。
例えば、磁性体材料から成る金属芯にコイルが巻回されて成る複数個の電磁石を、作業面の下端部から上端部側方向に配設し、各電磁石に通電する電流量を調整することによって作業面の磁力分布を調整できる。すなわち、作業面の下端部から上端部方向に電磁石に通電する電流量を次第に増大することによって、作業面の磁力を下端部から上端部側方向に次第に強くできる。
但し、複数の電磁石を作業面の下端部から上端部側方向に配設し且つ各電磁石に通電する電流量を調整することは煩雑である。
この点、図11に示す剥離治具10では、各電磁石に通電する電流量を調整する等の煩雑な作業を省略できる。かかる電磁石を用いた剥離治具10を図11(a)〜(c)に示す。図11(a)は剥離治具10の正面断面図であり、図11(b)は図11(a)のY−Yでの断面図である。更に、図11(c)は図11(a)のZ−Zでの断面図である。
かかる図11に示す剥離治具10には、その作業面にN極とS極との磁極が形成されるように、二本の電磁石30,30が配設されている。この電磁石30は、磁性体材料から成り且つ剥離治具10の作業面に沿って延出された金属芯30aにコイル30bが巻回されている。かかる金属芯30aは、図11(c)に示す様に、その幅が上端部から下端部方向に次第に幅狭に形成されている。
この様に、上端部から下端部方向に次第に幅狭に形成されている金属芯30aと剥離治具10の作業面と金属芯30aとの距離が、作業面の上端部から下端部方向に次第に長くなる。このため、電磁石30,30に通電したとき、作業面の磁力は、作業面の下端部から上端部方向に次第に強くできる。
図1〜図11に示す剥離治具10は、図13及び図14に示す転送装置に用いることができる。
この際に、積層体に積層された鉄板の転送を途中で休止や停止等する場合、剥離治具10で浮揚して剥離した鉄板を積層状態に戻すことが必要である。この場合、剥離治具10を積層体の一端側から離すことによって、容易に剥離治具10で浮揚して剥離した鉄板を積層状態に戻すことができる。
また、積層体の鉄板の転送を開始或いは再開する際には、剥離治具10を積層体の一側面より離した状態から、剥離治具10を積層体の一側面に近接又は当接させて、積層体の鉄板を浮揚して剥離することが必要である。
この様に、剥離治具10を積層体の一側面に接離する剥離装置の一例を図12に示す。図12に示す剥離装置50は、図1〜図11のいずれかに示す剥離治具10と、剥離治具10の作業面を積層体の一側面に接離する移動手段としてのシリンダ装置60とから構成される。図12に示す剥離装置50には、積層体の一側面に当接又は近接するレール54が端面に設けられた箱状のケーシング52内に剥離治具10が内装されている。この剥離治具10は、その作業面がケーシング52のレール54が設けられた端面の内壁面に接離可能に挿入されている。かかる剥離治具10の作業面に対して反対面からは、軸58が延出されており、軸58の他端側は、ケーシング52の裏蓋56の外側面に装着された移送装置としてのシリンダ装置60に挿入されている。
図12(a)に示す様に、シリンダ装置60の矢印Dから圧縮空気を供給すると、剥離治具10の作業面はケーシング52のレール54が設けられた端面の内壁面に当接する。かかる図12(a)に示す剥離治具10は、その作業面が積層体の一側面に近接して、積層体の鉄板を浮揚して剥離する状態にある。
他方、図12(b)に示す様に、シリンダ装置60の矢印Eから圧縮空気を供給すると、剥離治具10はケーシング52の裏蓋56側に引き寄せられ、剥離治具10の作業面はケーシング52のレール54が設けられた端面の内壁面から離れる。かかる図12(b)に示す剥離治具10は、その作業面が積層体の一側面から離れ、浮遊状態の鉄板を積層状態に戻す状態を示す。
かかる図12に示す剥離装置50によれば、図13及び図14に示す転送装置に装着することによって、積層体からの鉄板の回転移送の開始又は再開の際に、積層体の一側面に剥離治具10の作業面を迅速に近接でき、積層体の鉄板を浮揚して剥離できる。他方、積層体からの鉄板の回転移送の停止又は休止の際に、積層体の一側面から剥離治具10の作業面を迅速に離すことができ、浮揚した鉄板を積層状態とすることができる。
以上、説明してきた剥離治具10又は剥離装置50を、金属板が積層された積層体の一側面に配設する際には、1個又は複数個の剥離治具10又は剥離装置50を配設してもよく、積層体の側面全周に沿って複数個の剥離治具10又は剥離装置50を配設してもよい。
本発明に係る剥離治具の一例を説明する断面図である。 積層体の一側面に図1に示す剥離治具を当接した場合或いは従来の剥離治具を当接した場合とについて、積層体の最上層の鉄板と次層の鉄板との間の浮揚距離Xを調査した結果を示すグラフである。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る剥離治具を説明する断面図である。 鉄板の転送装置の概略を説明する概略図である。 図13に示す転送装置のうち、剥離治具を用いた装置部分を説明する説明図である。 従来の剥離治具の内部構造を説明する断面図である。 剥離治具を用いた積層体の鉄板の浮揚・分離状態を説明する部分斜視図である。
符号の説明
10 剥離治具
12 ヨーク
12a 下端部
12b 中途部
12c 上端部
14a,14b,14c,15a,15b,15c 永久磁石
16 ケーシング
18,18 レール
20 セパレータ
30 電磁石
30a 金属芯
30b コイル
50 剥離装置
52 ケーシング
54 レール
56 裏蓋
58 軸
60 シリンダ装置

Claims (6)

  1. 磁性を帯びることが可能な磁性体材料から成る複数枚の金属板が積層され、前記金属板の各側面が露出する積層体の一側面に対向する対向面が、前記積層体の一側面に当接又は近接したとき、内装されている磁石による磁力によって前記積層体の上層側の金属板が浮揚して剥離される剥離治具であって、
    前記剥離治具の対向面の磁力分布が、前記対向面の下端部側から上端部の直下位置までの範囲においては下端部側よりも上端部側を高磁力とし、かつ、前記対向面の上端部における磁力は、前記対向面の上端部の直下位置における磁力よりも低磁力となるように、磁石が内装されていることを特徴とする剥離治具。
  2. 前記積層体の一側面に対向する剥離治具の対向面に、互いに異なる磁極が形成されるように前記磁石が配設されている請求項1記載の剥離治具。
  3. 前記磁石が、厚さ、面積及び形成材料の少なくとも一つが異なる複数枚の永久磁石であることを特徴とする請求項1または2記載の剥離治具。
  4. 前記磁石が、磁性体材料から成り且つ前記剥離治具の対向面に沿って延出された金属芯にコイルが巻回されて成る電磁石であって、前記金属芯が前記剥離治具の対向面の下端側よりも上端側に幅広に形成されている請求項1または2記載の剥離治具。
  5. 磁性を帯びることが可能な磁性体材料から成る複数枚の金属板が積層され、前記金属板の各側面が露出する積層体の一側面に対向するように配設された請求項1〜のいずれか一項記載の剥離治具と、
    前記積層体の一側面に対向する前記剥離治具の対向面が、前記積層体の一側面に接離可能となるように、前記剥離治具を移動する移動手段とが設けられていることを特徴とする剥離装置。
  6. 前記移動手段が、シリンダ装置である請求項記載の剥離装置。
JP2007258719A 2007-10-02 2007-10-02 剥離治具及び剥離装置 Active JP5128890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007258719A JP5128890B2 (ja) 2007-10-02 2007-10-02 剥離治具及び剥離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007258719A JP5128890B2 (ja) 2007-10-02 2007-10-02 剥離治具及び剥離装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009084025A JP2009084025A (ja) 2009-04-23
JP5128890B2 true JP5128890B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=40657942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007258719A Active JP5128890B2 (ja) 2007-10-02 2007-10-02 剥離治具及び剥離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5128890B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6594753B2 (ja) * 2015-11-27 2019-10-23 カネテック株式会社 剥離治具及び剥離装置
JP6696797B2 (ja) * 2016-03-02 2020-05-20 株式会社日本マイクロニクス シート分離装置、シート分離方法、及びシート状二次電池の製造方法
JP6619683B2 (ja) * 2016-04-05 2019-12-11 株式会社日本マイクロニクス シート積層治具、積層製品の製造方法、及びシート状二次電池の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59165847U (ja) * 1983-04-22 1984-11-07 山信金属工業株式会社 シ−ト分離装置
JPS631651A (ja) * 1986-06-19 1988-01-06 Hitachi Electronics Eng Co Ltd 薄板部材の分離装置
JP2759318B2 (ja) * 1996-05-27 1998-05-28 株式会社スザキ工業所 磁性体板分離具
JPH10216868A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Amada Co Ltd 鉄板ワーク材料の一枚分離装置
JP2000344373A (ja) * 1999-05-31 2000-12-12 Amada Co Ltd シートセパレータの磁力調整方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009084025A (ja) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7686597B2 (en) Linear drive device provided with an armature body having a magnet carrier
JP4230246B2 (ja) 操作装置およびその操作装置を使用した開閉装置
TW200723319A (en) Flexible coil
WO2007128977A3 (en) Electromagnetic actuator
EP2204825A3 (en) Monostable permanent magnetic actuator using laminated steel core
JP2017185675A5 (ja)
JP2009505628A5 (ja)
KR102069990B1 (ko) 시트 분리 장치, 시트 분리 방법, 및 시트 형상 2차 전지의 제조 방법
JP5128890B2 (ja) 剥離治具及び剥離装置
US20050236912A1 (en) Anti-cogging method and apparatus
KR20160090155A (ko) 자성체 홀딩 장치
WO2011019489A3 (en) Miniature magnetic switch structures
CN105720784A (zh) 对称双面永磁辅助式直线开关磁阻电机
KR100786674B1 (ko) 가동 자석형 리니어 액츄에이터
JP2003151826A (ja) 電磁石および開閉装置
JP6787484B2 (ja) リフティングマグネット用取り付け磁極、鋼材吊上げ用磁極付リフティングマグネット、鋼材の搬送方法、並びに鋼板の製造方法
JP2011067030A (ja) リニアモータの界磁およびそれを備えたリニアモータ
CA2473971A1 (en) Electromagnetic acoustic transducers
JP2016096053A (ja) 静音電磁接触器
TWI287907B (en) Moving magnet type linear actuator
KR101616999B1 (ko) 자성체 홀딩 장치
WO2005062447A1 (ja) ムービングマグネット形リニアアクチュエータ
JP5553247B2 (ja) リニアスライダ
WO2007134566A3 (de) Schrittmotor mit einem beweglichen, unterschiedliche reluktanz aufweisendem sekundärteil
JP6594753B2 (ja) 剥離治具及び剥離装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5128890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250